男「いらっしゃいませー」back

男「いらっしゃいませー」


続き・詳細・画像をみる


男「いよいよ明日だな、もう予定は決めてんのか?」ニヤニヤ
青年「まぁまぁっすね」
女「クレープ食べたいです」
青年「……でも、本当に大丈夫なんすか? 一人で店回すんでしょ?」
男「もともとお前誘うまでは一人でやってたんだ、余裕に決まってるだろ」
女「そう言えば、二人はどうして知り合ったんですか?」
男「……あの日はひどい雨だったな。店の前で、こいつが大雨の中立ち尽くしてたんだ」
青年「ちょっ、何語り始めて……」
――
【今日のおすすめ コンソメスープ】
ザアァアアアアァァァァァ
男(ひどい雨だな……ん?)
青年「……」
男(何あいつ、傘も差さずに突っ立って)
男(……あの目。昔の俺みたいな……)
男「なぁ」
青年「……あ?」ギロ
男「どうしたんだ? そんな所に突っ立ってたら風邪引くぞ」
青年「あんたには関係無い、失せろ」
男「……とりあえずうちの店来い。何か暖かいもん食わせてやる」グイッ
青年「ちょっ……」
男「ん。玉ねぎ、ベーコン、糸切りにして炒めたじゃがいもが入ってる。勿論金はいらない」コトッ
青年「……」ゴクッ
男「いらないのか?」
青年「……ちょっとだけ待ってくれ」ダッ
男「えっ」
カランカラーン
妹「……?」
青年「妹、この人が食べさせてくれるらしい。さあ、飲んで」
妹「お兄ちゃんは?」
青年「俺はいらない」
妹「そんなの駄目……凍えてるじゃん。半分こしよ?」
青年「……そう、だな」
男「いや、二人前くらい大丈夫だけどさ」コトッ
青年「!!」
青年「ありがとう、ございます……」ペコリ
男(何か訳ありっぽいな)
男「……なあ、どうしてこんな雨の中立ってたんだ?」
40: 以下、
男「なるほど、親に捨てられたのか」
青年「……だから、日雇いのバイト探してて、でも、この雨だから現場の仕事も無くて」
青年「俺には妹しか居ないんだ、俺が守ってやらないと……!!」
男「なぁ、お前って器用?」
青年「? 普通だと思うけど」
男「じゃあさ、うちで働いてみないか。しばらくは一日分の給料払うから」
青年「えっ……」
――
男「って感じで。最近は親戚の人がお金送ってくれるらしいけどな」
青年「余計な事を……」ボソ
女「そうだったんだ……」
青年「何で涙目になってんの?」
女「だって……」
男「おかげさまですげぇ勢いで上達してくれたけどな。思ってたよりもスキルが高かった」
青年「チッ」
男「おー、照れやがって」ワシャワシャ
青年「あー!! はよ働くっすよ!!」
男「はいはい」クスッ
44: 以下、
ガヤガヤ カランカラーン ワイワイ
男「いらっしゃいませー、はい、少々お待ちを、会計540円になります……」シュバババッ
男「カツ丼、味噌汁になります……こちらは筑前煮に鯖の味噌煮ですね」コトトッ サッ
男(おそらくこれが今日最後のピーク……しかしクリスマスだってのに多いな)
男(夜にカップルでこんな店に来ようとは思わないだろうし、後ちょっとだ!)
男「やっとアイドルタイムか……疲れた……」
男(今日は珍しく快晴だな。あいつら今頃仲良くしてるかね)
男(快晴……やっぱ、どう考えてもあの子供の言ってた事は……)
男「……あ、もう午後からの開店時間か」ガタッ
【今日のおすすめ うどん】
カランカラーン
男「いらっしゃいませー、お好きな席へどうぞ」
旅人「……」ストン
男(カウンターに座るのか、静かな人だからテーブルかと思ってたぜ)
旅人「……うどん、一つ下さい」
男「あい、少々お待ちを」サッ
旅人(……良い匂いだ)クン
男「お待たせしました」コト
旅人「いただきます……」ズルッ
旅人(出汁が良い風味だ。喉に染みわたる温かさ……添えられてるのはかまぼこ、葱、柚子の皮か)ゴクゴク
旅人「……うまい。身体が温まる」
男「そりゃどうも。お客さんはどうしてこの町へ? 詩人さんでしたっけ」
旅人「……この町の雨は、人の欲を洗い流してくれる」
旅人「しばらくは、この町の宿でのんびり過ごそうと思う」
男「そうですか……」
旅人「この町の文献を調べてみた。こんなに雨が降る理由は、雨の神様に守られているから、と」
男「らしいですね、まるで一年中梅雨みたいな天候ですし……よくその話は聞きます」
旅人「あの神社に、龍の石像があって、その口から水が出てるけど……調べた所、あれに水道は通っていない」
男「え、つまり」
旅人「自然に龍の口から水が出ている――龍は川の化身らしい」
男「……」
旅人「この町を守っているのは川の神様……と考えるのが妥当」
男(急にぺらぺら喋り始めたな)
男「……実は、先日、店を閉めた後にお参りに行ったんですが、水色のくたびれた衣を着た少年に会いまして」
旅人「ほう!!」ガタ
男(すげぇ喰いつき……)「神様への願いを言え、と言われたので、今日は快晴にしてくれと言いました」
男「すると、ただ暗闇に紛れただけかもしれませんが……目の前から消えたんですよ」
旅人「へぇ……また興味深い事が増えた。ごちそうさま」チャリン カランカラーン
男「――神様、ねぇ……妙な体験もあるもんだ」
47: 以下、
ザアアアァァァァ……
カランカラーン
女「おはようございまーす!!」
青年「はよざーっす……」
男「うーい、昨日はどうだったよ」
女「すごく楽しかったですよ! ジェットコースターなんて久しぶりに乗りました!!」
青年「疲れた……」ゲッソリ
女「お化け屋敷も面白かったですよ? ただ青年君が」
??
ゾンビ『オォォオォ!!』
青年『あぁ!?』ギロォ
ゾンビ『』ビクッ
??
女「……って感じでほとんど撃退しちゃったんですけど」フフ
男「お前……ガキじゃねぇんだから……」
青年「つい反射的に」
男「……まぁ楽しんだんならいいけどさ。よし、準備すんぞ!」
【今日のおすすめ 鶏の唐揚げ定食】
酒豪「やぁ」カランカラーン
男「チッ」
女「いらっしゃいませー!」
酒豪「今舌打ちしたよね? とりあえず唐揚げ定食いただこうかな」
男「お、今日は酒頼まないんだ」
酒豪「たまには控えないとね」
男「よっしゃ!!」ジュアァァァァァ
青年(嬉しそうにしちゃってまぁ……)トントントントン スッ
男「上がったー」
女「はーい、お待たせしました、唐揚げ定食です!」コト
酒豪「いただきます」カリッ
酒豪「うーん! カリッとした衣にぷりっぷりの肉!! 口に入れた瞬間、アツアツの肉汁が飛び出してきたぞ!」
男(実況しながら喰うなや)イライラ
酒豪「隠し味は生姜、ニンニク、酒に醤油かな? 生姜とニンニクの風味が一層うまさを引き立てているよ!!」
男「一応すりおろした玉ねぎにも付け込んでいるんだがな……」
酒豪「なるほど、玉ねぎの酵素でさらに柔らかくなると言う訳か」
酒豪「これをご飯に乗せて……」パクッ
酒豪「うーん!! 酒に合うものは飯にも合う!! たまらないなぁ。味噌汁もうまい!」ゴクゴク
男「……ふぅーっ……」ピキピキ
青年「落ち着いて下さい」
酒豪「さて、腹はまだまだ減っているし、次は何を頼もうかな? お、また旨そうなメニューが……」
男「やっぱお前帰れぇぇ!!」
51: 以下、
【今日のおすすめ ピザ】
酒豪「もう大晦日だねぇ、早いもんだ」プハァ
老人「年を取ると、一年があっという間ですな」ゴク
男「そうだなぁ……」
旅人「……」カランカラーン
巨漢「ふぅ……今日の雨は静かだな」ヌゥッ
師匠「そうじゃのう」
女「いらっしゃいませー!」
男「おお、今日はやけに揃うな」
令嬢「こんにちは」カランカラーン
サラリーマン「お久しぶりです……」
女「あら、お久しぶりです!」
青年「今日は集まるっすね」
チャラ男「ど、どうも……」カランカラーン
巨漢「ん、お前は」
チャラ男「お久しぶりです!」ビシッ
巨漢「そんな気張らなくてもいいさ」
男「で、皆さん何をご注文に?」
酒豪「そりゃ勿論」チラッ
老人「ええ」
「――おすすめのピザで!」
男「……おっしゃ、やるぞ青年!!」ニッ
青年「この人数焼くのはなかなか骨っすよ」
男「オーブンは暖めておく、この特製ソース……美味そうだろ?」ニヤ
青年「うはぁ、良い香りっすね」トロォ
男「……よっし、焼くぜ!!」
男「おっしゃ、上がったぞー!」
女「お待たせいたしましたー! それぞれ人数分のピザでございまーす!」
令嬢(この香りは……!)
チャラ男「おおー、すっげぇうまそー!」
老人「はは、それでは皆さん……」パンッ
「いただきまーす!!」
52: 以下、
令嬢「……やはり、ビーフシチューをベースにしたソースを使っていますね」
師匠「具はスライスしたトマト、玉ねぎ、それに細切りにした、たっぷりのベーコンか」
チャラ男「うおおぉ……ベーコンから大量の肉汁が溢れて、ソースと溶け合ってるぜ……もはや目が旨さを感じる」ゴクッ
酒豪「皆、見ているだけかい? 先に頂くよ」パクッ
巨漢「ふむ」ガブッ
酒豪「……う?ん!! うんまあぁぁぁーい!!」
男(シンプルだからこそ余計来るッ……!! ああ、俺も喰っていいかな)
旅人「……絶品」
酒豪「こんがりと焦げたとろけるチーズッ! カリカリのベーコン! 味に華を添えるトマトと玉ねぎ!」
酒豪「一口食べるごとに、口の中でチーズ、肉汁、ソースが絡み合うっ!! 口の中が重厚な旨みで満たされていくっ!!」
男「……あああぁぁ?……ふぅうぅ……っ!!」プルプル
青年(迷惑極まりねぇ……)プルプル
令嬢「ドゥが非常に薄くてさっくりとしていますね」
師匠「満点じゃな。多すぎるボリュームを出来るだけ少なくしている」
チャラ男「うめええぇぇ!!」モグモグ
女(……その後、どうですか?)
サラリーマン「おかげさまで、新しい仕事を見つけてのんびりと暮らしています」ニコ
女「そうですか、それは良かったです!」パァァ
サラリーマン「先日はどうもありがとう……それにしても、うまいですね」モグッ
女「店長の料理は天下一品ですからねっ」ニコ
老人「男、たまには貴方も一緒に食べていいんじゃないですか?」
男「!!」
青年(おっ)
男「う?……!!」
青年「……」
女「……」
男「――今日くらいは良いだろう! もう一枚焼くぞっ!」
青年「待ってました!!」シュバッ!!
女「わーい!」
男「青年、準備を……」
青年「もう終わったっす」ヴウゥゥン……
男「」
女(もう終わらせてオーブンに入れてる……)
青年「焼きあがったぜぇ!!」
男「なんつー早さ……」
青年「旦那、どうするんすか?」
女「店長ー?」
男「……三等分だな」スパッ
青年「では」スッ
女「いただきまーす♪」パンッ!
59: 以下、
男「やっと全員帰ったか」
女「皆さんが帰られてから、店が静かですね」フキフキ
青年「まぁもともとこんな感じだけどな……うまかった」
カランカラーン
姉「こんにちは」ニコ
女「あ、いらっしゃいませ!」
男「……」チャッチャッチャ 
青年「旦那? まだ注文来てないっすよ? 何で卵なんか……それに、何かに漬けこんだヒレ肉?」
姉「おすすめのピザをいただきましょうか」
女「はーい!」
青年「旦那ー? ……仕方ない、俺がやるか」スッ ヴヴン……
青年「……よし、どうぞ。お待たせしました」
姉「ありがとう、では」サクッ
姉「……! おいしいです。ソースと肉汁の風味、とろけるチーズ、香ばしく軽い歯触り。これも文句なしですね」
姉「スライスしたトマトが、デミグラス風ソースの味をより豊かにしています」ニコ
男「……よし、揚がった。これ持って帰ってくれ」コト
姉「……これは?」
男「あのクソ親父に渡してくれ、それと――」ゴニョゴニョ
姉「……ふふ、分かりました」
青年「旦那、それは何すか?」
男「こいつであの男をぎゃふんと言わせてやるのさ」ニヤ
姉「ごちそう様でした。帰ったらすぐ渡しますね」
男「おう、その……何だ。ありがとうな、色々と」
姉「……」ニコ
カランカラーン
女「何渡したんですかー?」
男「それはな……」
――
姉「お父様、男に会ってきました」
父「……あのドラ息子の事など、私に報告する必要があるか?」ギロ
姉「まぁまぁ、それと……これをどうぞ、では……」ススーッ 
父「……カツ丼、だと? 馬鹿が……揚げ物は揚げたてに限ると、ずっと教えてきただろう」
父「……ふん」パクッ
父「……? ……!!」ガツガツ
姉「ああ、それと」ガラッ
父「!!」サッ
姉「男から「俺のカツ丼は冷めてもうまい」との伝言を受けました。では」ススーッ
父(……)
父「……ふん、少しはましな飯を作るようになったか……」フッ
57: 以下、
男(ったく、やっと年が明けたっていうのに、小雨が降ってやがる)
男(川の神様に願っとけば良かったかな)
女「おはようございまーす! 新年、明けましておめでとうございます!」バン
青年「あけおめー」
男「おう、今年もよろしくな」パタパタ
青年「こ、この香りは……まさか……」
女「鼻をくすぐる素晴らしい香り……もしかして……」
男「そう、――鰻だ!」
青年「おおぅ……」ジュルリ
女「今日のおすすめは鰻ですか」ゴクッ
男「ん、違うよ? 俺の自腹で買った奴」
青年「え?」
女「?」
男「まぁ座りたまえ」
青年「あ、はい」スッ
女「どうしたんですか?」
男「えー、今までよく働いてくれた」
青年「どうしたんすか? 店閉めるみたいな言い方して」
男「青年、女。お前らが来てくれたおかげで、この「雨上がり」も随分と繁盛するようになった」
女「えへへ……そんな事ないですよ」
男「――本当にありがとう。小さいが、これは俺の感謝の印だ」コト
青年「う……うな丼……!?」
男「さぁ、喰ってくれ! 心を込めて作った!」
女「いただいて良いんですか?」オズオズ
青年「先にいただくよっと……うっめええええぇぇぇ!!」
青年(鼻を突きぬける、本能を刺激するかのような強烈な香りっ!)
女「おいしーっ!!」ニコ
青年(ほくほくの身は、口に入れると、甘い脂がとろりと溶ける!)
青年(それに、甘辛いだけじゃなくて、白ごまが忍ばされた特製のタレ! こいつも良い仕事をしてやがる!)
男「……」ニコニコ
女「ご馳走様でした! すっごく美味しかったですよ!」
青年「うまかったっす!」
男「おう! それじゃ……店、開けるか」
女「はい! ……あ、店長!! 窓見てください!!」
青年「いつの間に晴れたんだか……でも、すげえ……」
男「ん? おぉ――虹だ!!」
雨が降る町に、ぽつりと存在する「飯屋 雨上がり」。
光を浴びて輝く虹を背に、常連客は、今日も扉を開ける――
カランカラーン
「いらっしゃいませ!!」
58: 以下、
お目汚し失礼しました。これにて完結です。
次はすごい厨二臭いドラゴン系の奴を書きたいです。
60: 以下、
完結乙です!
短いながらも楽しく読ませてもらい、良い飯テロssでしたwww
>>1も良いお年を!
つ年越し蕎麦(1日早い)
61: 以下、

続き・詳細・画像をみる


やる気のでる名言・言葉ください!

スパロボの恩恵を最も受けた作品って何?

凛「お、おしっこ、出ちゃうにゃっ!」

女子に聞いた、男子が使っているとカッコイイと感じるネットサービスランキングベスト5

介護職に転職してよかったこと

わい新聞屋の一日がハードすぎる

back 削除依頼&連絡先