凛「蝶が芋虫を夢見るように」back ▼
凛「蝶が芋虫を夢見るように」
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1:
凛「……んみゅ?」
凛「ふぁーあ、よく眠ったにゃ」
凛「んー……! 身体がバキバキいってる」
凛「どのくらい眠ってたんだろ」
凛「そもそも、凛はいつ眠ったんだっけ?」
凛「……寝ようとした記憶が、ない」
3:
凛「寝ぼけてるのかにゃー」
凛「目の前も真っ暗だし……」
凛「」ゴシゴシ
凛「……いや、なんで真っ暗なの?」
凛「電気がついていない、にしても完全に真っ暗なんてことは無い……筈なのに」
凛「……ここ、どこ?」
4:
凛「外ではないよね?」
凛「かーよちーん!」
カーヨチーンカーヨチーンカーヨチー……
凛「響くってことは、結構広いみたいだにゃ」
凛「なんでこんなところで寝てたんだろう?」
凛「うーん……」
凛「そうにゃ、昨日の行動を思い出せばいいんだ」
凛「確か昨日は……」
6:
凛「かよちんと学校に行って」
凛「授業は寝てすごして」
凛「真姫ちゃんとかよちんとご飯を食べて」
凛「放課後は練習に……」
凛「……」
凛「練習って、何の……?」
7:
凛「確かに凛は何かの練習に行った筈にゃ」
凛「うん、きっとそうだよ」
凛「皆で何かに打ち込んだ記憶もある」
凛「楽しかった記憶もある」
凛「けど、それがなんなのか全く思い出せない」
凛「……そもそも、皆って誰のことにゃ?」
8:
凛「かよちんと真姫ちゃんと……真姫ちゃん?」
凛「真姫ちゃん……?」
凛「凛の友達なんだよね」
凛「だって、一緒にお昼ご飯食べてるんだから」
凛「……でも、なんで仲良くなったんだろ?」
凛「そもそも真姫ちゃんってどんな顔してたっけ? どんな声だったっけ?」
凛「なんで何も思い出せないの?」
9:
凛「変だにゃ、変だにゃ」バリバリ
凛「友達のこと忘れるなんて最低にゃ」バリバリ
凛「……忘れられる方も悪いよね?」バリバリ
凛「さっきからバリバリうるさいなあ。何の音?」バリバリ
凛「ああ、凛が頭をかきむしる音か」
凛「血が出る前にやめよう」
10:
凛「とにかく、凛は何かの練習に行ったんだよね?」
凛「練習って言うくらいだから、スポーツかな?」
凛「そういえば、凛は陸上部に入ろうとしていたにゃ」
凛「ならきっと、陸上部の練習だよ」
凛「真姫ちゃんもそこで出会ったんだ」
凛「そうに決まってる」
11:
凛「練習に行った後の記憶がない」
凛「ってことは、その練習の最中に何かが起こって、凛はここで気を失ってたわけだね」
凛「誰も起こしてくれないなんて酷いにゃー」
凛「陸上部ってことはグラウンドかな? とりあえず歩いてみるにゃ」
凛「グラウンドは声が響かないか。体育館?」テクテク
12:
凛「靴を履いてるから違うかな?」
凛「誰かー、誰かいないのー?」
イナイノーナイノーイノー
凛「……」
凛「やっぱりいない」
凛「側にいてくれるって言ったのに」
凛「どうでもいいにゃ。さっさと家に帰ってご飯食べよー」
凛「……」
13:
凛「」
凛「」
凛「」
凛「」
凛「……もう十分は歩いてるのに、壁に手がつかない」
凛「……ここ、どこなの?」
凛「学校かどこか、なんだよね?」
16:
凛「……ずっと真っ暗だし」
凛「もしかして凛、死んじゃったのかな?」
凛「それでここは死後の世界、とか?」
凛「まだ16歳なんだけどなあ」
凛「違うにゃ、死後の世界なら天国か地獄がある筈にゃ」
凛「こんな暗いばっかのところじゃないよね?」
17:
凛「……」
凛「疲れたにゃ」
凛「何処まで行っても終わらないような」
凛「そんな気がする」
凛「寝よう」
凛「朝になれば誰か見つけてくれる……よね?」
凛「かよちん……怖いよ……」
18:
凛「……」
凛「……」
リンチャーン
凛「……ん?」
リンチャーン
凛「この声、かよちん?」
凛「迎えにきてくれたのにゃ?」
凛「かよちーん!」
リンチャーン
凛「やっぱりかよちんだ!」
19:
凛「何処にいるのー?」
リンチャーン
凛「そっちだにゃ? 今すぐ行くよー!」
リンチャーン
凛「ちょっと待っててー!」
凛「確かこの辺から声が……」
凛「あっ、あそこ! 何か光ってる!」
21:
凛「かよちん、そっちに……」
花陽?「凛ちゃん、待ってよー」
凛?「早く帰るにゃー」
花陽?「これからライブがあるのに……誰か助けてー!」
ダダダダダダダ
凛「……え?」
凛「かよちんと、……凛がもう一人? どこかに走ってったにゃ」
23:
凛「どっぺるげんがあ、って聞いたことあるにゃ」
凛「自分と同じような人が居て、その人に会うと死んじゃうって」
凛「凛死ぬの!?」
凛「い、いやそれ以前に! どっぺるげんがあにかよちんが連れて行かれちゃったにゃ!」
凛「助けにいかないと!」
ダッ
凛「けど、あの光景どこかで見たような気がするなあ……」
24:
凛「かよちん、かよちーん!」
凛「そいつは偽物にゃー! こっちが本物の凛だよー!」
凛「はぁ……はぁ……」
凛「どこ行っちゃったんだろ」
凛「かよちん大丈夫かにゃー……」
リンチャーン
凛「かよちん! 今行くから待ってて!」
25:
凛「確かこの辺に……」
凛?「かよちんはそういうのには入らないの!」
真姫?「それを決めるのは貴女じゃない!」
花陽?「ふ、二人とも落ち着いて」
真姫?「とにかく行くわよ、花陽」
凛?「待つにゃ!」
花陽?「ど、どうしよう」
ダダダダダダダ
凛「……一人増えてた?」
凛「ひょっとして今のが……真姫ちゃん、なの?」
27:
凛「かよちんに続いて、多分真姫ちゃんまで連れてかれちゃった」
凛「……むしろ自分から付いていってた?」バリバリ
凛「……頭が痛い」バリバリ
凛「痛い、痛い」バリバリ
凛「何か思い出せそうなのに、痛くて辛くて、悲しくて……」
凛「……追おう」
28:
凛「……」
凛「……」
凛「」
凛「……あれ、今何か切り替わったような」
凛「……眩しっ!」
凛「ここは……夕方の学校?」
凛「凛、どこかの教室にいたの……? それにしてはやたら広かったけど……」
リンチャーン
凛「ああ、呼んでるにゃ」
凛「行かなきゃ」
29:
凛「階段の上から聞こえて……」
凛「ここ、屋上?」
凛「なんで屋上なんかに……」
花陽?「あの、その……一緒に……」
穂乃果?「二人も、でしょ?」
凛?「……」
真姫?「……」
凛?・真姫?「はいっ!」
ガチャン
凛「え、あれ」
凛「なんで扉が閉まって……」
凛「開けて、ねえ開けてよかよちん!」
凛「何があったの、ねえ! 凛は今何に入ったの!?」
30:
ソレハネ
凛「かよちん!」
ミューズ
凛「みゅーず? 石鹸かにゃ?」
アイドルダヨ
凛「り、凛やかよちんがアイドルになったのにゃ!?」
ソウダヨ、ワタシタチハミューズノナカマ
凛「かよちんはともかく、凛はアイドルなんて向いてないにゃ!」
凛「……かよちん?」
凛「返事してよ、かよちん!」
31:
凛「アイドルなんて出来るはずないよ」
凛「可愛くもない」
凛「可愛げもない」
凛「男みたいな凛に、アイドルなんかやれないよ」
凛「もしやったとしたら……」
凛「きっと、心が壊れちゃうよ」
凛「凛は……弱いから……」
35:
ガチャ
凛「開いた?」
にこ?「にっこにっこにー!」
凛「変態にゃ、変態がいるにゃ」
にこ?「にこにーって覚えてラブにこ!」
ガチャン
凛「閉まったにゃ。何がしたかったんだろう」
凛「にこちゃんの考えることは相変わらず訳が……」
凛「にこ、ちゃん?」
凛「ぎぃっ……!」
凛「頭、痛い……! 割れ、る……!」
36:
凛「にこちゃんって誰にゃ」
凛「にこちゃんって誰にゃ」
凛「なんで知ってる」
凛「凛はなんでさっきの女を知ってるの」
凛「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!」
凛「凛はアイドルなんかじゃない!」
凛「逃げられたのに!」
凛「……」
凛「何から?」
37:
凛「何から逃げたの?」
凛「凛は……」
凛「解放されたかっただけで、そんな……」
花陽「凛ちゃん」
凛「かよ、ちん?」
花陽「最後の場所に行こうか」
凛「最、後?」
38:
凛「ここ、生徒会室……?」
花陽「そう」
花陽「凛ちゃん、これだけは先に言っておくね」
花陽「現実から目を背けないで」
凛「何を見せ……」
凛?「これを凛が着る!? ジョークにゃ!?」
絵里?「よく似合うと思うわよ」
花陽?「凛ちゃん、可愛いから……」
凛?「似合ってる、かにゃ?」
花陽?「凛ちゃん可愛いよ!」
凛「あ……」
花陽「……」
凛「あぁぁあああああ!! あぁぁあああああああああああ!!」
39:
凛「嫌だ!」
凛「なんで見せるの!? なんで忘れさせてくれないの!?」
凛「ずっと嫌だった! 死ぬほど嫌だった!」
凛「皆のことが大好きなのに、大嫌いだった!」
凛「だから逃げたのに! だから逃げたのに!!」
花陽「……」
凛「なんでそっとしておいてくれなかったの?」
凛「皆だって凛に酷いこと言ったのに」
40:
花陽「凛ちゃん」
凛「ごめんなさい、ごめんなさい」
凛「凛が悪いの、凛が弱いから」
花陽「凛ちゃん!」
凛「」ビクッ
花陽「凛ちゃんは弱くなんてない!」
凛「かよちん……」
42:
花陽「私が悪いの」
花陽「凛ちゃんが辛そうにしてるの、知ってたのに」
花陽「凛ちゃんが相談できる程、強い存在になってあげられなかった」
花陽「だから、弱いのは私」
凛「違う! かよちんだって強いよ! 恥ずかしがり屋なのにアイドルを頑張って、パフォーマンスもして!」
花陽「……」
凛「凛の大好きなかよちんを、そんな風に言わないで!」
花陽「じゃあ凛ちゃんも、私の好きな凛ちゃんのことをそんな風に言わないで?」
44:
凛「かよちん……」
花陽「凛ちゃん、凛ちゃんは選ばなきゃいけないの」
凛「選ぶって?」
花陽「一つは、この凛ちゃん」
凛?「凛は陸上部に入るにゃー」
花陽「何も知らない、アイドルなんてやる気もない、最初の凛ちゃん」
花陽「もう一つは、この凛ちゃん」
凛?「アイドル辛いにゃ。けど辞めたくないにゃ。皆が大好きなのに、大好きなのに」
花陽「アイドルを続けていって、擦り切れそうになった今の凛ちゃん」
凛「……」
花陽「夢の中で幸せに暮らすなら前者を」
花陽「夢から覚めて、現実に戻るなら後者を」
花陽「選んで」
花陽「現実を受け入れて」
46:
凛「かよちんは後者を選んでほしいのかにゃ?」
花陽「うん、やっぱり元の凛ちゃんに戻ってほしいから」
凛「でも、凛はまた同じことを繰り返すかもしれないよ?」
花陽「大丈夫、守るから」
花陽「私が、皆が、精一杯凛ちゃんを守るから!」
花陽「だから、戻ってきてよ!」
花陽「壊れたまま、終わらないでよ! 凛ちゃん!」
凛「凛、は……」
47:
花陽「ん……」
希「おはよー。ぐっすりやったな」
穂乃果「お見舞いに来たら布団に突っ伏して寝てるからびっくりしたよー」
花陽「皆……」
真姫「凛はどう? またこの前みたいにならなきゃいいけど」
海未「真姫」
真姫「じょ、冗談よ。気付かなかった私達も悪いんだから」
48:
花陽「来てくれたんだね」
ことり「ことり達も、一緒に支えていくって決めたから」
絵里「仲間だから……ね?」
にこ「ほら、DVDも一杯持ってきたわよ。元に戻るまでエンドレスで流し続けてやるわ!」
穂乃果「にこちゃんったら、もう!」
アハハハハハ
凛「……」ムクッ
花陽「凛ちゃん、おはよう」
希「具合はどうや? って、反応してくれへんか」
凛「……」
絵里「凛?」
凛「ただいま、皆」
49:
ーーおかえり、凛(ちゃん)!
終わり
6
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