ハルヒ「……キョン?」back

ハルヒ「……キョン?」


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3:
キョン「……」
キョン「…どこだ?ココは…」
キョン「…何だか凄く妙な感じだな」
キョン「……」
キョン「…やれやれ」
6:
キョン「…うーん」
キョン「何だかよくわからんな」
キョン「頭に靄がかかってるみたいだ」
キョン「…頭?」
キョン「あー…」
キョン「何だ、本当に妙な感じだ」
キョン「……」
9:
キョン「……」
キョン「長門か」
長門「そう」
キョン「簡潔に聞くがこれはどういう状況なんだ?」
キョン「さっき気が付いたばっかりで何が何だかわからん」
長門「あなたは既に人間ではない」
キョン「本当に簡潔だな」
10:
キョン「何だか段々靄が薄らいできたみたいだ」
キョン「……」
キョン「ああ、成る程」
長門「そう」
長門「あなたは死んだ」
11:
長門「あなたは涼宮ハルヒの存在する平面世界で死亡した」
長門「死因は事故死」
長門「北高への登校時、車に轢かれた」
長門「即死」
キョン「そういやそうだったな」
長門「そう」
12:
長門「涼宮ハルヒは無意識下であなたの蘇生を願った」
長門「しかしその願望は実現しなかった」
長門「これは既定事項だから」
キョン「全く、人の生き死にまで既定事項なんて酷いもんだな」
長門「そこで涼宮ハルヒは代わりに無意識下でこう願った」
13:
長門「あなたを一つの独立した情報思念体として再構築する、と」
長門「それが、あなたが'ココ'にいる理由」
キョン「そして長門が'ココ'にいる理由、か」
長門「そう」
14:
キョン「成る程な、だから俺は'鍵'だったのか」
長門「そう」
キョン「……いや、多分長門が考えてる'鍵'と俺が認知した'鍵'はちょっと違うと思うぞ」
長門「…?」
長門「どういうこと?」
キョン「ん?…ああ、悪い。何でもない、忘れてくれ」
15:
キョン「しかしココはあの頃と比べるとやっぱ広いな」
キョン「広くて、狭い」
キョン「暖かいようで寒い」
キョン「明るいようで暗い」
キョン「そして時間も距離も関係ない」
17:
キョン「そして何もないココにお前がぽつんといる」
キョン「これはどうなってるんだ?長門」
長門「とても初歩的なこと」
長門「私があなたへ情報を送信している」
長門「そしてあなたがそれを受信している」
長門「人間で言うところの'見ること'とほぼ同義」
長門「ただ、媒介を通してそれを行ってないだけ」
キョン「成る程な」
18:
キョン「…よっと」
長門「……!」
キョン「これでアナログな情報の伝達ができるな」
キョン「懐かしいな」
キョン「この手、この顔、この体」
長門「……」
20:
キョン「どうした?長門」
長門「情報統合思念体はあなたをただ、この空間を漂流する稚拙な情報体だと定義していた」
長門「でも、違った」
長門「あなたは今、情報統合思念体とは異なる方法であなたの平面世界での情報を再構築した」
長門「あなたは何もないところから情報を生み出した」
21:
キョン「これがそうなのか?」
長門「そう」
長門「涼宮ハルヒのそれと同じ」
長門「やはりあなたは鍵」
キョン「うん、俺の認知した鍵に少しは近付いたかもな」
キョン「しかしな、やっぱり違う」
キョン「長門や情報なんたらもまだ全体を捉えてない」
長門「……わからない」
キョン「まあ、気にしなくていいさ」
23:
キョン「しかし、逆に情報なんたらはどうやって情報を生み出してるんだ?」
長門「情報統合思念体はあなたや涼宮ハルヒのような意味定義で情報を生み出すことはできない」
長門「代わりに思念体が保有する情報、または偏在・漂流している情報を使用し」
長門「それを再構築する。これにより他の情報を精製する」
長門「あなたからするとアナログ」
キョン「成る程な」
25:
キョン「しかしお前の親玉さんは大きいな」
キョン「しかも面白い形をしてる」
キョン「何だか点描で描いたみたいな感じだ」
キョン「まあ、ココで'形'ってのも変だけどな」
キョン「ん、天蓋領域も似たような形なんだな」
長門「……」
26:
長門「…あなたは天蓋領域を完全に観測することができるの?」
キョン「ああ」
キョン「あっちはあっちで結構面白いな」
長門「わからない」
キョン「ん?」
長門「情報統合思念体や私には天蓋領域を完全に観測することはできていない」
キョン「そうなのか」
27:
キョン「まあしかし、情報なんたらも長門も天蓋領域をたいぶ危険視してるみたいだが」
キョン「そんなピリピリしなくてもいいと思うぞ」
長門「どうして?」
キョン「情報なんたらも天蓋領域も総合的にみて同等くらいの立場ってことだ」
キョン「逆に敵対しあわないで手を結んだ方がいいと思うぞ」
長門「本当?」
キョン「ああ、あっちはこっちの持ってないものを持ってる」
キョン「逆にこっちはあっちの持ってないものを持ってる」
キョン「そんな感じだ」
長門「そう」
28:
キョン「さてと…ちょっと平面世界も見て見るか」
キョン「……」
キョン「ふむ、やはり朝比奈さんは思念体規模に可愛らしい」
29:
キョン「そんでもってやっぱり本当に未来人だったんですねあなたは」
キョン「拡張子みたいなのがハルヒ達のいる時点のとちょっと違う」
長門「同様に古泉一樹の情報も他と少し異なっている」
キョン「おお、本当だ。何だか平面世界で言うところのウィルスバスターみたいだな」
キョン「いや、やっぱりゴミ箱っぽい」
30:
キョン「…そしてハルヒ」
キョン「本当にお前の情報だけは一番面白いな」
キョン「…ん?」
キョン「…そういうことだったのか」
長門「何?」
キョン「佐々木はハルヒのバックアップだったんだな」
32:
キョン「じゃあそろそろ平面空間へ顔出しに行くか」
長門「わかった、…ただ」
キョン「大丈夫さ、朝比奈さんと古泉にしか顔は出さない」
長門「そう」
33:
ガチャ
キョン「よう」
古泉・みくる「!!」
キョン「ははっ、変わってないな」
みくる「キョンくん!…キョンくん!!…ぅう…キョンくん…」ガシッ
キョン「朝比奈さん…お久しぶりです」
みくる「!…ぁあ…ご、ごめんなさい…」
キョン「いえいえ」
34:
古泉「…お久しぶりです」
キョン「ああ」
キョン「確かこっちはあれから二週間くらいだな」
古泉「ええ…」
キョン「…泣いてんのか?」
古泉「んっふ…ええ、正直少し瞳が潤んでいます」
キョン「こりゃ珍しいもんを見たな」
36:
キョン「長門から俺のことは聞いたか?」
古泉「ええ」
古泉「正直あまり確信は持てませんでしたが」
朝比奈「本当だったんですねぇ…凄いです…」
古泉「やはりあなたは鍵だったようですね」
キョン「どういうことだ?」
37:
古泉「あれから涼宮さんは閉鎖空間をほとんど発生させていないんですよ」
キョン「へえ…そうなのか?」
古泉「ふふっ…またまた、本当はご存知でらしたんでしょう?」
キョン「ははっ、悪い。ただ、全ては知らない。いや、知ることができないって感じか」
キョン「あいつは変わったやつだしな」
古泉「これはこれは、今ではあなたも随分と変わった存在ですが?」
キョン「そういやそうだな」
38:
古泉「涼宮さんはもう自分の精神安定の為に閉鎖空間を発生させたりはしません」
古泉「彼女が閉鎖空間を発生させるのは世界の秩序と安定を保ち、尚且つ守る時」
古泉「また、世界の機能上の矛盾を正常なものに改変する時のみに限られるようになりました」
古泉「勿論無意識下で、ですが」
キョン「成る程な、あいつも随分常識的なやつになったんだな」
キョン「殊勝なこった」
39:
古泉「でもまあ、突飛な世界の改変は未だに健在ですけどね」
キョン「ははっ、あいつらしいな」
キョン「それで、お前の言うそれを俺は何を根拠に信じればいいんだ?」
古泉「根拠なんてありませんよ…何故なら」
キョン「そうわかってしまうから仕方がない、だろ?」
古泉「ふふっ、いやはや敵いませんねあなたには」
キョン「はははっ、悪い悪い」
41:
古泉「涼宮さんがこのように成長されるきっかけを作ったのは他ならぬあなたです」
古泉「この点から窺えるように、あなたはやはり鍵だったということです」
キョン「ふん…」
古泉「さらに、これは僕の仮説ですが、涼宮さんがあなたを思念体として再構築されたことにも」
古泉「何か意味があるのだと思います」
42:
古泉「おそらくあなたは僕たちが住むこの空間」
古泉「また長門さんのホスト、情報統合思念体等が存在する空間」
古泉「さらにはこれら以外の空間全ての改変に関係する、もう一つの'鍵'でもある」
古泉「僕はそう考えています」
キョン「はっきり言おう」
キョン「古泉、お前が考えてる仮説はほぼ正解だ」
44:
キョン「俺はこの姿になって漸く俺の存在の理由がわかった」
キョン「俺はお前の言うとおり全ての空間の改変に関係する鍵だ」
キョン「ただ、おそらくそれは極論だけどな」
キョン「もうすぐ俺はその鍵としての役割を果たしにいく」
キョン「正直俺もどうなっちまうのかわからん」
キョン「だからこそここへ顔を出しに来たってのもある」
45:
古泉「成る程…」
キョン「まあ、それはおいといて、だ」
キョン「古泉、オセロやるぞ」
古泉「んっふ、これはまた唐突ですね」
古泉「ですが、ええ、勿論いいですよ」
46:
古泉「しかし困りましたね…今のあなたにはどうやっても勝てる見込みがありません」
キョン「その点は心配ない」
キョン「今の俺は以前の俺とほとんど変わりがないよう自分を制限してある」
キョン「対等関係でやらないと面白くないしな」
キョン「まあ、それでもお前が俺に勝てるとは到底思えんが」
古泉「んふふ、さてどうでしょう?」
古泉「勝負は最後までわからないものですよ?」
47:
キョン「……」
古泉「……」
みくる「どうぞ」コトッ
キョン「これはこれは、いただきます」ズズッ
みくる「ふふっ…」
キョン「?」
キョン「どうしたんですか?」
みくる「あっ…いえ…なんだか前に戻ったみたいで…」
49:
みくる「こうやって古泉くんとキョンくんが一緒にゲームをしていて」
みくる「長門さんが窓際のパイプ椅子に座って本を読んでいて」
みくる「あたしが皆さんのお茶を淹れていて」
みくる「そこに涼宮さんがドアを蹴って勢いよく入ってきて…」
みくる「ほんの二週間前まであった日常なのに遥かに昔のことのように感じてたんです…」
みくる「その日常がまたこうやって…」
みくる「なんだか不思議で、嬉しくて、それでいて悲しくて……」
51:
みくる「ぅう…ぐすっ…ご…ごめんなさい…」
キョン「いえ…お茶、本当に美味しかったですよ」
みくる「はい…ぐすっ…ありがとうございます…」
キョン「さて、こっちも終局か」
古泉「ええ、天晴れです」
キョン「…じゃあそろそろ俺、いくわ」
53:
キョン「あと5分23秒でハルヒが岡部の説教から解放されてここへやってくる」
キョン「また何かやらかしやがったみたいだな」
キョン「とりあえず俺はハルヒが来る前に退散しないとな」
古泉「了解しました」
古泉「次回ここへ来られるご予定は?」
キョン「わからん」
キョン「まあ、行けるようなら行くさ」
古泉「んっふ、わかりました」
54:
キョン「長門、古泉、朝比奈さん」
キョン「ハルヒのヤツを頼みます」
キョン「あいつは平面空間の神ですがまだ未熟な存在です」
キョン「どうか支えてやって下さい」
長門「任せて」
古泉「心得ました」
みくる「はい、勿論です」
キョン「やれやれ」
キョン「じゃあまたな」
55:
ハルヒ「みんな来てる?」ガチャ
ハルヒ「ごめんなさいね、ちょっと遅れたわ」
ハルヒ「ん?…何かあったの?」
古泉「ああ…いえ、別に…」
ハルヒ「あれ?みくるちゃんどうして泣いてるのよ」
みくる「な…何でもないです…ぐすっ…」
ハルヒ「そんなことないでしょう。ほら、ここ座って」
56:
ハルヒ「はい、ハンカチ」
みくる「あぅ…ありがとうございます…」
ハルヒ「落ち着くまで側にいるからね」
みくる「ぅぐ…はい…すみません…」
古泉「変わられましたね涼宮さん」
ハルヒ「…?そうかしら」
ハルヒ「まあ、あんなことがあれば誰でもちょっとは変わるわよね」
59:
ハルヒ「……」
ハルヒ「何だかさっきまでここにキョンがいた気がする」
古泉「……」
ハルヒ「ちょっと変な話をするわね」
ハルヒ「あたし、まだキョンがどこかにいるような気がするの」
ハルヒ「ううん、きっといるわ、いるのよ」
ハルヒ「きっとこの世界のどこかで今日もまた仏頂面さげてボーッと生きてるのよ、きっと」
60:
キョン「……」
キョン「さて…じゃあ始めるか」
キョン「みえてるか?長門の親玉さんよ」
キョン「今から面白いものがみれるぞ」
キョン「本当にお前にみることができるかはわからんがな」
62:
キョン「これから俺は全ての空間を超越して更なる高次元へと昇華する」
キョン「お前にこれがみえるか?」
キョン「きっとみえないだろうな」
キョン「これは情報であって情報でないお前がまだ発見してない概念だ」
キョン「今から俺はこの概念と俺という概念を同期する」
キョン「おそらくお前はこの先この概念をみつけることはないだろうな」
キョン「それはお前が'何もないところから情報を生み出す'能力を持ってないからだ」
キョン「この概念はその能力の根源の先にあるんだよ」
65:
キョン「長話になったな」
キョン「まあここには時間も存在しないしそんなの関係ないか」
キョン「じゃあそろそろ同期を開始する」
キョン「と、その前に」
キョン「俺が今お前に送信しているこの情報を大切に保管しておいてくれ」
キョン「いつかこの情報を必要とするヤツがココへやって来るだろうからな」
キョン「そいつが来たらその情報を渡して助けてやってくれ」
キョン「じゃあな情報統合思念体」
66:
キョン「同期完了ーっと」
キョン「……」
キョン「ふん…」
キョン「これはまた面白いな」
キョン「それで」
キョン「お前は誰だ?」
67:
「ふふっ、本当はわかってるんだろう?」
キョン「ん?、まあな」
キョン「お前は'全て'だな」
キョン「そして俺の友人、国木田だ」
69:
国木田「そう、僕がこの世の'全て'」
国木田「もっとも、今では'全てだった'と言うのが正しいね」
国木田「キョンが僕を取り込む形で同期したから」
国木田「正確には今、キョンが'全て'だね」
国木田「既に僕は君の一部でしかない」
71:
国木田「先に言っておくと北高の僕はあの空間へ干渉する為の端末だったんだ」
国木田「なかなか高性能な端末でしょ?」
国木田「情報統合思念体にも天蓋領域にも気付かれなかったようだし」
国木田「でもキョンは凄いなぁ」
国木田「キョンはそんなものなくてもどの空間へも干渉できるみたいだね」
国木田「やっぱり涼宮さんの影響を受けたからなのかな」
キョン「ああ、多分そうだ」
72:
国木田「じゃあそろそろ始めようか」
キョン「そうだな」
国木田「僕が清算しえなかった世界の齟齬の改善、無駄に膨張した世界の圧縮等々…」
国木田「やることがいっぱいだね」
キョン「ああ」
キョン「でもな、国木田」
74:
キョン「この仕事が全部終わって世界が安定したとしても」
キョン「それは'安定'しているということが永遠に固定されるだけだ」
キョン「それは本当の意味で'安定している'とは言えないんだよ」
キョン「そして俺はそれ以上のことはできない」
国木田「どうするの?」
キョン「お前もしていたことをするだけだ」
キョン「ただ第3の世界の可能性が昇華するのを待つ」
キョン「ただそれだけだ」
77:
キョン「だからこそ俺は'鍵'なんだ」
キョン「可能性を導き、可能性の扉を開く為の」
キョン「そして俺はお前の昇華を待ち続ける」
キョン「それは一瞬であって永遠だけどな」
キョン「それまでずっとお前を見守ってるぞ、ハルヒ」
79:
ハルヒ「……」
ハルヒ「……!」
ハルヒ「……キョン?」
おわり
8

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