信長「あー…天下統一とかダルい…光秀、今夜儂を暗殺してくんね?」back

信長「あー…天下統一とかダルい…光秀、今夜儂を暗殺してくんね?」


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1:
天正十年 五月十六日
安土城天守閣 信長の一室
武田氏掃討完了を祝した宴会中???
信長「あー…天下統一とかダルい…光秀、今夜儂を暗殺してくんね?」
光秀「何言ってんですか御屋形さま」
家康「ちょwww!信長先輩、その感じパネっすwww!」
信長「家康お前さー。あと譲るから代わってよ?」
家康「いやっすよ!俺がここに居んのは全部先輩のお蔭っすからね!先輩やめるんなら俺もやめるっすwww」
信長「お前さ、会うたびそれ言ってね?あ、蘭丸、おかわり」
蘭丸「はっ」トクトク…
家康「いや、だって、今川殿んトコのパシリになってるとこを助けてくれたのも、武田追っ払ってくれたのも、全部先輩じゃないすか!」
家康「あれなかったら自分今頃死んでますんでwww」
信長「あー、じゃぁお前、信玄殿に追いまくられたときの話すっぞ?」
光秀「あぁ、世にいう、うんこ事件ですね?」
信長「そうそう!あれ笑ったなぁー!家康から書状来た!と思ったら『武田にビビッてうんこ漏らしちゃったなう』って。あんな絵手紙は反則」
家康「あれはマジでビビったんすよ!信玄殿マジ怖かったんすから…」
信長「家康はほんと、悉くヤバイのに目をつけられる性分だからなぁ、今川殿しかり、信玄殿しかり」
家康「それに入れてもらえない勝頼殿涙目www」
信長「いや、個人的には勝頼殿の方が怖かったけどね。光秀があの柵のやつ考えてくれなかったら儂もうんこ漏らしたかも」
家康「あぁ、あの鉄砲乱れ撃ち作戦っすね!」
光秀「馬防柵、ですよ家康殿」
家康「殿なんてやめてよ、ミッチーwwwでもマジあれはすごかったわ。武田の騎馬隊、恐れるに足らず!って思いましたもん」
信長「お前ほんと調子いいよね。スネエモンいなかったらお前今頃、死んでんじゃね?」
家康「いや、勝頼殿にビビッてた先輩が言うことじゃないすよねそれwwwそれにしてもあいつ…漢だったなぁ」
信長「彼もさー、すげーいい奴だったじゃん、すげー熱いやつだったじゃん。だから儂、思わず援軍出すって言っちゃったし。なんで死んじゃわなきゃいけないんだーって思うよね」
光秀「確かに…足軽たった一人で武田側の包囲を掻い潜って長篠城から脱出し、救援要請に来るとは恐れ入りましたよ」
信長「だから儂イヤなの戦国。もっとさぁ、くりえいてぃぶなことしたいわけよ儂」
家康「なんすか、その栗絵慰恥部って?」
信長「お前その当て字、絶対ふざけてるよね?」
2:
光秀「なりませんよ御屋形さま。天下統一、天下布武こそが武士たるものの悲願です」
信長「あのさー光秀さー、お前の無駄にすごいぷろでゅーす力で、儂今、下々のものからなんて言われてるか知ってる?」
光秀「御屋形さまの呼び名はいくつか存じてますが?」
信長「魔王って呼ばれてんの、魔王って。なんだよそれ、儂そんな怖くねえし強くもねえし。勇者ってやつ出てきたら一発じゃんよ」
家康「いやでも、魔王っすよ、先輩の所業は」
信長「いや、だからそれ、全部光秀のぷろでゅーすだから。結構、あることないことになってんだって。儂、部下を切ったり光秀にひどいイジメしたりしてることになってんだよ」
家康「そうなんすか?」
光秀「下々の者からそのように呼ばれるということは、私の計略もなかなかうまく行ったようですね」
家康「そういや、先輩のヤバイ噂聞くの光秀さん来てからのことっすもんね」
信長「だからさー、丹波に領地やってその辺の武将をまとめてって頼んで忙しくなれば、儂もちょっと楽できるかなーと思ったんだけど…」
家康「あー…光秀殿は仕事すげーできますからね…」
光秀「畿内をまとめつつ、御屋形様の覇道をお手伝いすることなど、造作もなきこと」
信長「いや、だからさー。絶対、光秀のほうが向いてるって。儂のこと暗殺していいから代わってよ」
光秀「何言ってんですか御屋形様。御屋形様が天下を取られてこそ、我が誉となりましょう」
信長「これだもんなー。もう儂、自刃しよっかなぁ…あー、でもそれは怖いなぁー」
バタバタバタ
「伝令ー!伝令でございます!」
3:
信長「ん、なにごとじゃ?」
光秀「ほら、御屋形様、ちゃんとしてください。部下に示しがつきません。家康殿も」
信長「もー。オカンかお前は」
家康「俺は三河守護…えらい、三河守護…えらい、三河守護…えらい」
バタバタバタ ガタン
「御屋形様!伝令、秀吉様より文でございます!」
信長「宴の席に騒々しい」ギロッ
「はっ…も、申し訳ございません」
信長「下がれ。興が削がれる」
「し、しかし…!秀吉様から、その…援軍の要請にございます…!」ガクブル
信長「援軍じゃと…?サルめ、毛利ごときに手こずるとは…蘭丸」
蘭丸「はっ」手紙を受け取る
信長「その方はすぐに失せよ」
「は…ははっ!」バタバタバタ
信長「ふぃー。あいつすげービビってたじゃん。なんなのこれ、儂、すぐ人の首刎ねるみたいになってんじゃん」
家康「え、刎ねないんすか?」
信長「だからそれ、全部光秀ぷろでゅーす」
家康「あ、そっか」
光秀「して、蘭丸。文には、なんと?」
蘭丸「はっ、読み上げますか?」カサカサ
信長「あー、いや、かいつまんで。あいつイヤっていうくらいすり寄ってきて気持ち悪いから」
蘭丸「はっ。では…前半はだいぶ無駄なおべっかですね…あぁ、このあたりか」
蘭丸「『毛利家を中心とする援軍あり、我が手勢では苦戦は必至。ご助力賜れますよう、かしこみお頼み申し候』」
光秀「ふむ…妙ですね…」
信長「なにがじゃ?」
光秀「秀吉殿は、高松城を水攻めしているはず…」
信長「お前にぷろでゅーすされた儂も結構だけど、秀吉はガチだからなぁ」
4:
家康「それの何がおかしいんすか?」
光秀「水攻めとなれば、城の周りに堰を作らねばなりませんが、秀吉殿ほどの方が、その作業に執心するあまりに守勢を忘れるとは思えません」
信長「あやつ、策に溺れるタイプではないと思うというのはわかるな」
家康「でも、文には毛利からの援軍ってあるじゃないっすか。すげー数揃えられてるんじゃないっすか?」
光秀「それであるなら、いったん高松城をあきらめて撤退する方が得策。こちらからの援軍を待っていてはそれこそ手遅れになるやもしれません…」
信長「確かになぁ。あやつ、何やってんだ?」
光秀「…ふむ、気になります。御屋形様、ここは某が赴き、状況を確かめたく存じます」
信長「ほんとに!?光秀遠征してくれんの!?(これで楽できる!)」
光秀「はっ。つきましては、御屋形様の手勢を少し…」
信長「あー、いいよいいよ。適当に連れてって。儂が光秀に代わって畿内に入るよ。もし毛利が押してくるようなら、それこそ丹波か近江あたりで食い止めればいいでしょ?」
光秀「御意に」
家康「へぇー。じゃぁ、俺は一緒に途中まで着いて行って、京都でも見て回ろうかなぁ」
信長「お、いいねいいね。んじゃぁ、良い店紹介するよ。すげー花魁いる店知ってんのwww」
家康「まじっすか!?濃姫殿にバレたらやばくねっすか!?www」
信長「お前黙れよwwwきwwこwwえwwるww」
光秀「(秀吉殿…いったいどういうおつもりか…)」
蘭丸「(上様、今夜は致してくれるのだろうか…ドキドキ////)」
15:
天正十年 五月二十一日
安土城 大広間
光秀「それでは、行ってまいります、上様」
信長「うむ。しかと励め」
光秀「…ときに、上様。先日の件、誠でございましょうな?」
信長「偽りない。その方が発ったあとは、儂が丹波へと入る。その方は後顧憂うことなく、毛利の地を手にして来るがよい」
光秀「はっ…仰せのままに」
ヒソヒソ
信長様、やっぱぱねぇよ!
出陣なさる光秀様の領地を召上げるなんて…なんて気合いの入る激励なんだ…
バッカ、違うだろ。いつもの光秀様イジメだよ
ヒソヒソ
信長「あれ、なんか儂、またぷろでゅーすされた?」
光秀「滅相もございません(ニヤリ)」
信長「ぐぬぬ…」」
光秀「しからば!これにて!」
信長「う、うむ。では、軍議を終わる。解散じゃ」
一同「はっ!」
トタタタタタ パタン
 「上様、お話は終わりましたかや?」
信長「あ…う、うん、終わったよ濃姫」
濃姫「濃姫などと、他人行儀ではございませぬか。いつものように帰蝶とおよびくださいませ」
信長「いや、その…ね、ほら、まだ家臣も残ってるし、ほら、蘭丸いるし」
濃姫「ふん、小姓など、いてもいなくても同じようなものです」
蘭丸「(イラッ)」
信長「こらこら、そんなこと言うんじゃない」
濃姫「ならば上様は妾とその貧相な小姓とどちらが大事かや?」
蘭丸「(信長をチラッ)」
信長「えっと、いや…その、ね…?」
濃姫「はっきりせぬは男の恥でありまするぞ」
信長「うん、ごめん…」
濃姫「それより、上様。先ごろ、例のアレが届いたとうかがっておるのですが…」
信長「あ、そ、そうそう!今さっき儂の部屋に運び込んでおいたから先に行ってあけておいていいよ。儂もすぐ行くから」
濃姫「誠でありますかや!行ってまいります!」
トタタタタタ パタンッ
16:
蘭丸「…」
信長「…ふぅ」
蘭丸「信長様」
信長「ん、なに、蘭丸?」
蘭丸「この蘭丸、信長様のことをお慕い申し上げております」
信長「あ、うん…ありがと」
蘭丸「なんとなれば、この身が憎らしい!もし女人に生まれていたのなら、この蘭丸、信長様とのかわいいやや子を…!(ギリィッ)」
信長「あ、あ、うん、そう、そうだね、そうだったらいいのになー。あ、そうだ、家康待たせたまんまだった。儂ちょっと行ってくるねー(イソイソ)」
蘭丸「お供します!」
信長「い、いや、いいから!一人で大丈夫だから!」
蘭丸「なりませぬ!この蘭丸、いかなる時も信長様のおそばにおりまする!たとえそれが信長様の死するときでも!」
信長「う、うん、あ、ありがと(うぅ、濃姫と会うと蘭丸が怖いんだよなぁ…)」
17:
安土城 上層階 客室
信長「家康ー待たせた」
家康「あー、先輩。早かったっすね。」
信長「まぁ、光秀見送るだけだったし」
家康「そうだったんすか。てっきり、出陣の話し合いもするもんかと」
信長「あー、そういうの儂向いてないから。儂は士気上げるために、あとから光秀に追い着けばいいだけ」
家康「さすが先輩、徹底したダレっぷりwww」
信長「だろwww」
家康「そういや、さっきお市殿見ましたけどこっちきてるんです?」
信長「あー、そうそう。清州からきたみたいねー。なんか、濃姫が呼んだんだって」
家康「へぇ、なんでまた?」
信長「あ、家康も見る?ほら、こないだ言った南蛮由来の甲冑なんだけど、女人物があるって聞いたからフロイスに言って手に入れたんだ」
 「濃姫が着たいって言うから」
家康「あー!例の!見に行って良いんすか?」
信長「人の嫁の着替えのぞくなよ?」
家康「いや、そんなことしたら濃姫殿の薙刀で俺首飛ぶんでwww」
信長「それなwwwマジ鬼嫁www」
 「御免!」
ガタッ
 「こ、これは信長殿!ご一緒とは知らず、失礼仕った!」
信長「あー気にせんでよい。それより、その、えっと…ひ、久しいの、服部」
半蔵「はっ、この度は格別な振る舞い、恐悦至極にございます(フカブカ)」
18:
信長「あー、そういうのは光秀に言ってあげて。今回の幹事はぜんぶあやつがやってくれたから」
半蔵「ははっ!」
家康「それで、半蔵。どうだった?」
信長「なに、なんかあったの?」
家康「あー、そうなんすよ。どうもここのところ、甲賀衆がきな臭くて…」
信長「甲賀?伊賀じゃなくって?」
家康「伊賀は、先輩がこないだ攻めたから今はおとなしいじゃないっすか」
信長「家康ーお前、それ言う?服部の前でそれ言っちゃう?」
家康「あっ」
半蔵「信長様、某は松平家に忠を誓った身。伊賀の里については、信長様に無礼を働いたと聞き及んでおれば、しかるべき討伐だったかと」
信長「いやね、もともとうちのバカ息子がいけないんだからさ、儂も申し訳ないと思ったんだけど…」
 「さすがに毎日毎日、儂と蘭丸の睦言とか、濃姫とどんな風に逢瀬したとか、って怪しげな報告書を送り付けられたらさすがにちょっとね」
家康「すごい嫌がらせっすね」
信長「濃姫が怒っちゃって、やたらめったら『曲者!』って薙刀で天井突くから、もう儂大変で…」
半蔵「心中、お察しいたします」
信長「いや、だから君にそう言われるとかえって気まずいっていうか…まぁ、ありがたいけど。それより甲賀がどうかしたの?」
半蔵「はっ!やはり、何かの準備をしているらしき動向を手の者が把握しております」
信長「甲賀衆っていえば六角殿だよねー。京都に上がるときに抵抗にあったな…そのあともちょいちょい絡んできてちょっと苦労した」
家康「目的はわかんないの?」
半蔵「はっ、そればかりはまだ…」
家康「うーん、まさか今更先輩のトコにちょっかいかけようだなんて思ってんじゃないだろうな?」
半蔵「規模からして、織田家と合戦するような戦力ではございませんが…」
家康「うーん、だとしたら内輪の小競り合いか?情報が少ないなぁ…」
半蔵「いかがしましょう?」
家康「もうちょっと調べられる?こっちに害がなければ放置でいいと思うし、そこだけでもわかればいいからさ」
半蔵「御意」
家康「あー、それと。万が一のときのために、手勢は多少揃えておいた方がいいな。誰か浜松に走らせて、こっちに迎えに来るよう伝えて」
半蔵「はっ」
信長「あー、安土城待ち合わせして良いよ」
家康「マジっすか?助かります!」
半蔵「では、さっそく」
家康「頼むなー」
スルスル パタン
19:
信長「甲賀ねー」
家康「先輩も気を付けといた方がいいっすよ」
信長「そうだね、家臣に言っとくわ。天井の裏見て回るように言うわ」
家康「その前に、濃姫殿の薙刀隠した方がいいんじゃないっすか?」
信長「マジだwwwまた天井穴だらけになるwww」
家康「鬼嫁コワスwww」
信長「あ、そうだ、濃姫で思い出した!見に行ってやらないと天井じゃなくて儂が薙刀でやられるwww」
家康「忘れてた!急いだ方がいっすね!俺も『曲者』されるwww」
信長「家康はうんこ『臭者』だろwww」
家康「やwwめwwてwwほら、急ぎましょうって」
バタバタバタ…
27:
同日 昼前
安土城 城門前
信長「しかと役目を果たすよう」
長谷川秀一「はっ!」
家康「いやぁ、先輩、案内とか良いですってw」
信長「良い。秀一には我が裁量を与えておる。道中難儀がないよう言って聞かせておる。なんでも申し付けよ」
家康「先輩が魔王モードだw」
信長「ちょ、お前、茶化すなよ!笑うw」ボソボソ
信長「竹、家康をくれぐれも頼むぞ」
秀一「はい、上様!上様も、どうかご武運を!戻られたら、お相手してくださいね…最近おそばに侍るのは蘭丸ばかりで、竹は寂しく存じます///」
信長「あ、う、うん…わかったわかった」
家康「んじゃま、世話になりました」
信長「苦しゅうない」キリッ
家康「あとで京都来るんすよね?またそんときにでも顔出しますわ」
信長「うむ」
家康「よぉーし、行くぞ!」
家康家臣「はっ!」
パッカパッカ パッカパッカ
本多忠勝「いやぁ、しかし別格のもてなしでござったなぁ!」
酒井忠次「ふん、主は油断しすぎじゃ!我らがなぜ共についたか、忘れたわけではあるまい!?」
忠勝「がはは!安土様が我が殿を討とうなどとするはずはなかろう!」
忠次「まぁ、それもそうだな!がははは!」
榊原康政「まったく…脳筋どもはこれだからいけませんね」
井伊直政「誠だな。いい加減、考えをめぐらすということを覚えた方が良い」
家康「まぁーまぁー、お前ら、喧嘩すんなって!あれはほら、光秀殿のぷろでゅーすだから!」
直政「殿も殿です!その話そのものが織田家のたくらみかもしれぬと思われなんだか?」
家康「えー?でもほら、俺、先輩とはチビのときからの仲だし」
康政「親兄弟を討ってでも名を上げるのが戦国の世でありますぞ。ゆめゆめ、油断召されるな」
家康「心配しすぎっしょ?先輩に限ってそれはないない!むしろ光秀殿の方が何考えてるかわかんないから怖いけどwww」
石川数正「…殿はあきれたお方だ…我々の身にもなっていただきたい」
28:
秀一「お、お言葉ですが!上様はそのようなお考えは持ち合わせておりませぬ!」
忠勝「ふむ、お主は確か、安土様の小姓であったな?」
秀一「はい、忠勝様」
忠勝「では聞かせてはくれまいか?安土様はいかなるお人か」
秀一「上様は…えぇっと、その…す、すごく、大きいです…///」
直政「いやそうじゃなくて」
秀一「あと…そうですね…乱れ牡丹や、うしろやぐらがお好きです///」
忠勝「な、なんと!」
忠次「背後から一突きとは、武士にあるまじき…い、いや、しかし…床でのことであるのならそれもまた…」
忠勝「魔王信長殿であれば、そのような奇襲も見事に成し遂げるではないか?」
秀一「忠勝様に忠次様は、どのようなものがお好みで?」
忠勝「うむ、俺はやはり燕返しや吊り橋だな!正面からでなければならん!」
忠次「悪くはないが…ありきたりだな。帆かけ茶臼や締め小股の方が城門を突き崩す勢いがあって良いものだ」
直政「お主らはいったいなんの話をしておるのだ!武士ならば鵯越の逆落としに興を見出さずしてどうする!」
康政「直政どの、そっち行っちゃダメ。我々は知的に諭していくのが役割だから」
忠勝「殿!殿はいかがでございますか?!」
家康「えー、俺?俺は自分でするのがめんどうだから、流鏑馬一択かなぁ…」
忠次「な、なんと!」
忠勝「なりませんぞ殿!」
直政「殿ほどのお方が馬になるなど!たたかれるんですか?!尻をムチでたたかれるんでございますか!?」
康政「直政どの、落ち着いて。今、拙者、直政どのに一番引いてますから」
パッカパッカ
忠勝「あれ、そういえば服部の姿が見えぬな?」
忠次「うむ?あぁ、確かに…」
家康「あー、半蔵なら先に堺に向かわせたよ」
忠次「なんと?下見でございますか?」
家康「なんだか甲賀衆が動いているらしくってね。念のために、堺に先入りして、危険がないかどうか調べてもらってる」
忠勝「そうでござったか…殿、申していただければ某が拝命仕ったのに」
直政「忠勝殿に調べものとか無理でござろう」
数正「うむ、間違いござらんな」
忠勝「なにおう!?貴殿ら、それほどに我が蜻蛉切のサビとなりたいか!」
忠次「はしゃぐな忠勝。お主、声でかいんだから馬が驚く」
忠勝「くぅ…ま、まぁ良い。して、安土殿のお人柄、だ」
29:
秀一「あぁ、はい。上様はお優しい方ですよ。もちろん、戦ともなれば容赦はありませんが…家臣郎党、皆、上様に大切にしていただいています」
忠次「にわかには信じがたいのぅ」
秀一「そうですね…姉川の合戦をご存知でしょうか?」
忠勝「ふむ、浅井・朝倉を討った戦じゃな」
秀一「はい。当初上様は、浅井朝倉ともに討つつもりはございませんでした。しかし、そんな折、浅井に嫁がれたお市様より密書が届きました」
直政「密書とな?」
秀一「はい、直政様。密書にはこうありました。『お市は、小谷様より、人とも思えぬ扱いを受けておりまする』」
直政「なんと…!」
忠勝「ん?それはどういう意味じゃ?」
康政「狼藉を働かれていたと?」
秀一「その通りでございます。お市様は、浅井様よりでぃーぶいをお受けになっておられたようです」
忠次「でぃーぶいと!?それは許されぬな…」
秀一「密書をお読みになった上様はたいそうお怒りになり、浅井朝倉への挙兵と相成りました」
家康「あー、なんかその話聞いた気がするなぁ。先輩、お市殿と三姉妹にデレデレだったし、そりゃぁ怒るよね」
忠勝「では、誠のことであると?」
直政「しかし、それでは光秀様はなぜ信長様がかのような傍若無人の振る舞いをすると喧伝しておられるのだ?」
秀一「きっと、上様をお守りする意図があるのだと思います。そのようなお人柄であると思えば、やすやすと戦を挑みませぬでしょう?」
忠勝「納得できるような、できぬような…」
康政「であるならば、光秀殿はどのような御仁であるのだろう?」
直政「それは某も聞きたく思う。あの方ばかりはそこが知れぬ」
秀一「あぁ、光秀様ですか。あの方は――――
38:
天正十年 五月三十日
丹波亀山城
斎藤利三「叔父上殿。利三、戻りましてございます」
光秀「戻ったか。して、首尾は?」
利三「はっ。各所への密偵、早馬の準備、滞りなく終わりましてございます」
光秀「あい分かった。苦労を掛けたな」
利三「滅相もございません。しかし、叔父上。なぜこのような手管を?」
光秀「うむ…すこし、な…」
利三「…?」
トタトタ
 「御免!」
光秀「構わぬ」
明智秀満「戻りましてございます」
光秀「おぉ、左馬之助か。入れ」
秀満「はっ」
光秀「どうだ、家臣達の様子は?」
秀満「はい、いずれも意気軒昂。安芸守様を返り討ちにせんと、高らかに鬨をあげてございます。藤田殿、茂朝殿の郎党も、直、整いましょう」
39:
光秀「左様か。苦労であった」
秀満「はっ…光秀様、ひとつ、よろしいでしょうか?」
光秀「ん、なんだ、左馬之助?」
秀満「此度の戦に出られた光秀様は、どこか気が抜けてございます」
利三「左馬之助!貴公はなにを申すか!」
秀満「光秀様。そのようなご様子は士気に関わります。ましてや、光秀様は一軍の将であらせられます。その迷い、我ら最大の敵となりましょう」
利三「黙らんか!その首、よほど要らんと見える!」チャキッ
光秀「良い、利三。左馬之助の申すことはもっともだ」
利三「し、しかし!」
光秀「私は家臣からの忠言を粗末には扱わぬよ。左馬之助、そなたには私がそのように見えておると?」
秀満「恐れながら」
光秀「ふむ、そうか…。利三、お主はどうだ?」
利三「…恐れながら…某も、気にはかかってございました…」
光秀「そうか…」
秀満「光秀様。我ら、光秀様のいかなる采配をも受け入れる覚悟はできております。迷われず、御心のままに決断されるがよろしいかと」
光秀「うむ、感謝するぞ、左馬之助。だが…主らの言うように、私もまだ迷っておるのだ。決めかねている」
利三「…迷われている、というのは、いったい、どういったことでございましょう?」
光秀「聞きたいか?」
利三「そのための我ら重臣と心得ております」
光秀「…そうだな…では、しかと聞いてくれ。御屋形様のことだ」
利三「…信長様、でございますか…?」
光秀「うむ…謀反だ…」
利三・秀満「!!!」
40:
天正十年 六月一日
京都 本能寺
信長「ふぅ、やっとついたの」
濃姫「ここが本能寺でございますかや?」
蘭丸「坊丸、力丸!馬を!信長様、こちらです」
信長「あぁ、蘭丸、儂別に一人で降りれるから、そんなとこで踏み台にならなくても…」
蘭丸「なりません!この蘭丸めを踏んでくだs…もしものことがあれば、この蘭丸、腹を切らねばなりませぬゆえ!」
信長「今、変な願望漏れなかった?ま、いいか…じゃ、悪いけど…」ヒョイ
蘭丸「(ズシッ)恐悦至極!」
信長「え!?なに!?どうして!?」
濃姫「上様ぁ。帰蝶、怖くで降りられぬでございます」
信長「えー?いつも颯爽と乗り降りしてなかったっけ?木曽の女人武士、巴御前の化身なるぞー、って」
濃姫「いいから、お手をお貸しくださいませ!」プンスコ
信長「はいはい、気を付けてね」手ヲ伸バシ
濃姫「ふふふ、やはり上様はお優しい殿方でありまするな」キャピ
蘭丸「(おのれ…!)」メラメラ
濃姫「(ククク…)」ニヨニヨ
信長「信忠はちゃんと妙覚寺についたかな?」
濃姫「利治めもついておるゆえ、平気でございましょう。それに信忠は吉乃殿に似て頭の良い子です。ご心配召されるな」
信長「そうだな…まぁ、とにかくずいぶん馬に乗ってたから儂お尻痛くなっちゃった。座敷で休みたい」
蘭丸「(お尻が痛い!?)」
濃姫「妾が揉み解して差し上げましょうぞ」
蘭丸「い、いえ!それは某が!女人様の御手に大事があってはいけませぬ!」
濃姫「小姓は黙っておれ!妾とて木曽の女人武士、巴御前の化身と呼ばれる薙刀の名手ぞ!そこらのか弱い女人と一緒にしてくれるな!」
蘭丸「信長様!ここは某にお頼みください!」
濃姫「なにを!上様!妾を重宝なさいますかや!?」
信長「え、えぇっと…あ…あ、そうだ!儂、腹減っちゃったな!じゅ、住職ー!頼んでた夕飯、準備できてるー?」バタバタバタ!
濃姫「上様!お逃げになるのですか!?」バタバタ!
蘭丸「信長様!お待ちください!褥は!褥はこの蘭丸とー!」」バタバタ
ガサッ サササササッ
「ナマズは泥に潜った」
「よし…引き続き、目を離すな。合図の音を聞きもらすなよ」
「御意に」
45:
同刻
備中 高松城
羽柴秀吉 陣中
加藤清正「秀吉様、安芸守様御一行がお見えにございます」
羽柴秀吉「おぉ、来おったか。お通ししろ」
清正「はっ…」
ザッザッザッザッ
毛利輝元「お初にお目にかかる、羽柴殿」
秀吉「輝元殿、わざわざご足労願い申し訳ないの」
輝元「・・・」
秀吉「じゃが、大将殿みずから参られた、ということは、ご相談しておった件については承諾してもらえるということでよろしいな?」
輝元「左様にございます」
秀吉「ふむ、良い判断とお見受けいたす。あー、なにぶん我が殿は世に聞く『魔王』であるのでなぁ、従わぬものの首は必ず取らぬと気がすまぬタチでの」
輝元「…我が家臣郎党と領地は安堵していただけるな?」
秀吉「もちろん、違わぬよ。じゃぁ、彼の城の清水宗治とかいうのはダメじゃな。この儂をサルと小馬鹿にしおった」
輝元「ぬぅ…」
秀吉「なに、心配召されるな。こちらからも人質を出すと、その僧兵にも伝えたはずであるが?」
安国寺恵瓊「は…黒田殿との申し合わせございますれば…」
輝元「…心得た」
秀吉「うむ。清水殿は、その身を持って輝元殿、ひいては毛利家の名誉をお守りになる。大変名誉なことではないか」
輝元「…はっ」
秀吉「それと、お頼み申し上げていた軍勢の準備は出来ておられるかな?」
輝元「できてございます。あとは如何様にもお使いいただけます…」
秀吉「万事解決、と言ったところかの。よし、酒を持て。清水殿への差し入れも忘れるでないぞ。別れ盃もなしに腹切りなどさせられぬ」
清正「はっ、では、準備致します」
秀吉「うむ。他の者は出陣の準備を整えよ。上様にこの義をご報告にまいらねばならぬからな…くふふ、がはははは!」
輝元「・・・(ギリッ)」
46:
天正十年 六月一日 未明
丹波山城国境付近
利三「光秀様。後続、遅れなく行軍してまいっております」
光秀「あいわかった。やや度を上げる旨伝令を出せ」
利三「御意に」
秀満「…閲兵とは、考えましたな」
光秀「うむ…まぁ、言い訳に過ぎないがな」
秀満「直、桂川がみえて参りましょう」
光秀「そうだな…」
秀満「信長様は、我らをお恨みになりましょうか?」
光秀「…分からぬな。お怒りになるやもしれん。しかし、私も武士だ。決めたからには、そのような瑣末なことを気にかけているべきではない」」
秀満「あとは、秀吉殿次第だ…」
秀満「…心中、お察し致します」
光秀「ときに…お倫は息災か?」
秀満「はい…お義父上…」
光秀「そうか…お主がもらってくれると申し出てくれて嬉しかった…出戻りのあやつは、寺にでも出すより他にないかもしれぬと考えておったのだ」
秀満「滅相もございません。某などにはもったいないくらいの女房にございます」
光秀「武家の妻とは苦労が耐えぬ場所だ。私も妻には頭があがらぬよ」
秀満「光秀様のご寵愛ぶりは、家臣のあいだでも語り草でございます。ご謙遜召されるな」
光秀「なに、そうでもしなければ私も『曲者』されてしまうからな」
秀満「『曲者』…?なんです?」
光秀「いや、はは、気にするな…む?」
秀満「おぉ、桂川が見えてまいりましたな!」
47:
光秀「うむ。先行した利三の軍勢は既に整っておるか…」
秀満「さすがの手腕でありますな」
光秀「主もしかと頼むぞ」
秀満「畏まってございます」
桂川河畔
ワイワイ ガヤガヤ
秀満「我が隊は、斎藤家左へ隊列をなせ!グズグズするな!」
パッカパッカ
光秀「ぬかりないか?」
利三「は、光秀様」
光秀「なら良い」
利三「後方の忠光殿の隊が遅れております。全隊が揃うまで、あと半刻はかかるかと…」
光秀「ふむ…時は惜しいな…」
利三「いかがいたしましょう?」
光秀「秀満の隊が揃うまでは待つ。そこに間に合わぬようなら、馬を走らせて指示をだそう」
利三「御意に」
「ーーー!」
光秀「…ん?」
利三「いかがなさいました、光秀様?」
光秀「声が聞こえぬか?」
利三「声、でありますか?」
「ーーーー!」
利三「…これは…しかと!何事か…?えぇい、全隊、光秀様をお守りしろ!」
光秀「待て、利三。聞こえぬか?」
「至急ー!至急ーーー!!」
48:
利三「これは!」
光秀「うむ、お主の放った早馬だろう」
ダダダッダダダッダダダッダダダッ ザザザザッ
伝令「どぉー!どう!至急!至急お伝え申す!」
光秀「やはりか…!」
利三「良い!そのまま申せ!」
伝令「はっ!信長様の居られる本能寺へ軍勢!謀反です!」
利三「まさか…!光秀様が懸念していた通りとは!」
光秀「くっ…遅かったか!秀満!」
秀満「はい!光秀様!全隊、川渡り、終えましてございます!」
光秀「よし!利三、忠光へ早馬を走らせ、忠光は妙覚寺へ向かえと伝え!川渡り前の忠光以外の隊へは、別名あるまで待機の命!」
利三「はっ!誰ぞ!誰ぞある!」
光秀「ものども、聞け!」
「光秀様が何か仰るぞ」
「おい、黙れよ」
「なんだ?なにかあったか?」
光秀「これより我々は京へと入る!」
「京へ?」
「なんでだ?高松へ向かってたんじゃないのか?」
光秀「脅威は備中にあらず!」
「「!?」」
光秀「敵は、本能寺にあり!」
54:
同刻 山城国 京都本能寺
信長「はぁっ…はぁっ…む、無念だ…」
蘭丸「の、信長様!」
濃姫「上様!妾はイヤでございます!」
信長「くっ…し、しかし儂はもう無理じゃ!」
濃姫「上様!」
信長「蘭丸、いけ、いくのじゃ!帰蝶とともにいけ!」
蘭丸「信長様も一緒に…!」
信長「儂は…儂はもうダメじゃ…帰蝶、先にいくぞ…くっ…うぅっ」ガクッ
濃姫「上様ぁぁ!」
蘭丸「濃姫様、いきましょう!」
濃姫「うぅっ…妾は…妾は…!」
蘭丸「ぐっ…濃姫様…!お早く!」
濃姫「ううぅ…くっ!いきますよ…蘭丸!」
蘭丸「はい、濃姫様…!」
濃姫「あぁっ」ガクガクッ
蘭丸「の、濃姫様!うぅっ!」ガクガクッ
信長「はぁ、はぁ…ふぅ」
濃姫「」ピクピク
蘭丸「」グッタリ
信長「あー、儂もう疲れた…濃姫も蘭丸も激しすぎ…」
濃姫「う、上様ほどでは…」
蘭丸「蘭丸、今宵も幸せでございました」
濃姫「たかが小姓と侮っておりました。蘭丸、その方があの様な手練の持ち主であるとは…」
蘭丸「濃姫様こそ、信長様の正室に違わぬお器にございました…」
信長「(と、とりあえず仲良くはなってくれたかな…?これで儂の苦労が減ると良いんだけど…)」
「ーーー」
信長「…?」
55:
濃姫「しかし、蘭丸はなかなか粘り強い太刀を持っておりまするな」
蘭丸「粗末なものでございますが、かばかりでも満足頂けたのなら幸いにございます」
信長「ちょっと、二人共静かに!」
濃姫「何事でございますかや?」
「ーーー」
蘭丸「信長様…?……!今のは?!」
濃姫「!まさか、また伊賀衆の曲者でございますか!?」
信長「二人共、着物を!誰ぞ!」
蘭丸「力丸!小姓どもを集めよ!坊丸!女衆を集めて戸口を塞げ!」
濃姫「誰ぞ!南蛮鎧を持って参れ!あと、妾の薙刀も!」
バタン!ドタン!
信長「ちっ!」刀チャキン!
黒衣1「魔王信長殿とお見受けいたす」
黒衣2「手討ちにさせていただく!」
信長「あぁぁーもう!儂疲れてるってのに!」
黒衣1「でやぁぁ!」
ガキィン!
蘭丸「信長様!」
信長「蘭丸!儂、二対一とか無理!早く!」
蘭丸「ただいま!」刀シャキン!
ガキィィン!
黒衣2「おのれ、手向かうか!」ギリィ
蘭丸「この森成利、貴様らのような雑兵の相手になりはせん!」ギリリリッ
濃姫「伏せなさいませ!」
信長蘭丸「「!!」」ガババッ
濃姫「曲者め!」
ブンッ!スババッ!!
黒衣1・2「「ぐはぁっ」」バタリ
濃姫「やぁやぁ!遠からんものは音にも聞け!近くばよって目にも見よ!我こそは木曽の女武者巴御前の成り代わり!木曽マムシ斎藤道三が娘、帰蝶である!」
 「討てるものならお相手いたすぞ!」
蘭丸「濃姫様すっげー…」
信長「マジ鬼嫁www」
56:
 「信長様!ご無事ですか!」
バタバタ!
信長「力丸!儂は大事無い!」
力丸「小姓どもを集めてまいりました…!敵は堀、壁を超えて多数侵入していると思われます!すでに何人か討たれました!」
信長「くっ…!よくも儂の部下を!」
蘭丸「(黒衣1をゴソゴソ…)…!信長様!これを!」
信長「どうしたの、蘭丸…?む、これは…!」
濃姫「どうされましたかや?」
信長「鎖帷子だ…この編み目は、伊賀衆じゃないな…」
蘭丸「おそらくは、甲賀衆」
信長「間違いないね…家康が言ってくれてたのに…迂闊だったなぁ、儂…」
バタバタバタ!
 「上様!姫様!」
濃姫「!あなたたち!」
信長「女衆は巻き込まれる筋はない、急ぎ逃げ出よ!」
侍女1「いいえ、上様!私達もお武家様に遣える身でございます!」
侍女2「濃姫様より薙刀の手ほどきは受けてございます!お傍においてください!」
信長「…み、みんなぁ…グスン」
蘭丸「信長様!采配を!」
信長「…よし!ものども、儂に命を預けよ!」
一同「「「はっ!!」」」
信長「力丸!小姓を三隊に分け、内一隊を率いて退路を確保しろ!女衆の半数は力丸に従え!」
力丸「はっ!」
女衆「「はい!」」
信長「残りはここで儂と敵の責めを食い止める!良いか、食い止めるだけだ、討って出るな!」
一同「「はっ!」」
信長「力丸!長くは保たないぞ!急いで例の抜け穴を頼む!」
力丸「はっ!よし、お前とお前と、それからお前たちだ!着いて参れ!」
バタバタバタバタ
信長「残りのものども!いいか、絶対に死ぬな!これは命令だ!戦なんてものでみだりに命を散らすことは儂が許さん!儂、戦国嫌いだから!」
一同「「「応!」」」
66:
同刻 
堺 松井友閑屋敷
家康「忠勝の!ちょっとかっこいいとこ見てみたい!」
忠次「あ、そーれ!」
家康「イッキ!イッキ!!イッキ!!!」
忠勝「くっ…殿、某もう無理でござるよ」
家康「えぇ?なんだよもう…シラけるだろ?空気読めよ」
直政「殿。なんか絡み酒になってますよ。ほどほどにしてください」
家康「直政はかたいんだからさぁー。もう、俺やんなっちゃうよ。改易しちゃうよ、改易」
康政「殿、その手の冗談もおやめください。洒落になってません」
家康「ちぇっ。まったく、せっかくの酒なのにそうマジメでそうすんだよ」
康政「武士たるもの、酒に飲まれるような失態はあってはなりません」
家康「そこが硬いんだって。これくらい大丈夫だってば!」
忠次「まま、そうケンケンやらずとも。ささ、もういっぱい」
家康「んー、忠次は気が利くな」
康政「む、かたじけない」
忠勝「それにしても、明日はどこを見て回るんです?」
家康「明日も港に行くぞ」
忠勝「またですか?」
家康「またも何も、それを見に来たんだってば。堺の干拓って方法を使えば、岡崎ももう少し港を整備できるしさ」
忠勝「某、もうちょっと中心街に行きたいでござる。たこ焼きというのをまだ食しておりませんゆえ」
家康「あーあれね。俺もちょっと興味あるんだよなぁ、あれ。いいよ、じゃぁ明日は忠勝別行動でちょっとたこ焼き買ってきて」
忠勝「それ小間使いではありませんか!」
家康「それが嫌なら黙って着いて来いって。港を見とくのは大事。ホント大事」
 バタバタバタ
忠次「ん…?騒がしいな、何事か?」
 「殿!至急にございます!」
67:
家康「ん、服部か?」
半蔵「はっ」
家康「良い、入れ」
半蔵「はっ!」
ガタッ、スーッ
家康「何事だ?」
半蔵「はっ…実は、先ほど、京へ出向いていた手の者からの知らせがあり…」
家康「ん、京都?なに、どしたの?もったいぶらずに早く」
半蔵「はっ…それが、京都、本能寺、二条御所に火の手あり、とのこと…」
家康「本能寺…?二条御所?なんのことよ?」
半蔵「本能寺は、信長様がお宿とのこと」
家康「先輩の!?」
半蔵「二条御所は詳細不明なれど、信忠殿一行が妙覚寺より二条御所へ逃げ出たのではないか、と話も」
家康「謀反か…!」
半蔵「…おそらくは」
家康「誰ぞ!馬準備しろ!俺もすぐに京都に入る!」
忠次「殿!何を言ってるんです!」
家康「先輩になんかあったんなら俺が出てって手を貸さないと!どれだけ世話になったか、その恩義忘れたわけじゃあるまい!」
忠勝「し、しかし殿!我ら総勢でも三十余名しかございませんぞ!寡勢にも程がある!」
家康「しのごの言ってる場合じゃないんだって!先輩死ぬかもしんないんだぞ!」
秀一「今のお話、誠でございますか!?」
忠勝「おぉ、長谷川殿」
家康「長谷川。お前も一緒に来い。助太刀してやんないと、先輩が…!」
忠勝「殿!無茶を言いなさいますな!」
忠次「そうです!まだどこの誰の手によるものかも分かっておらぬというのに!」
康政「…半蔵殿、敵方は?」
半蔵「はっ、某の手の者は甲賀衆の動きについて下調べをしておったので、おそらくは甲賀衆…」
忠勝「こ、甲賀衆とな!?甲賀は信長殿の傘下ではないか!」
忠次「だから謀反だと言っているだろう!」
秀一「そんな…上様っ…!」
68:
半蔵「…そのあたりについては今、事情を探らせておるところです。しかし、ことが火急なのは、もう一点」
家康「なんだ?」
半蔵「甲賀衆が本能寺への襲撃を初めて半刻ほどのち、京へ桔梗の紋ののぼりを掲げた軍勢が入っております」
忠勝「き、桔梗の紋とな…!?」
忠次「桔梗となれば、もしや…」
直政「…明智殿が家紋…」
秀一「そんな…!まさか!!!」
忠勝「では明智殿が謀反を!?」
家康「…ありえない…」
忠次「はっ?殿…?」
家康「そんなこと、ありえない!光秀殿が先輩を謀るなんて…曲がり間違ってもありえるはずがない!」
忠勝「どうしてそう言えるんです!?」
家康「光秀殿は先輩のぷろでゅーすに全霊を込めてたんだ!今更それをひっくり返すようなマネをするはずがない!」
忠次「しかし!もし、これまでの信長様の非道とも思える噂が光秀殿の流した風説であるのなら、この機を想定して信長様の悪評を作り上げたとも…」
家康「だから!それもありえない!絶対にない!」
半蔵「…殿、お言葉ですが…」
家康「!」
半蔵「某、光秀様の人となりは存じ上げない故、この状況から推して量るより方法がございません。
 よろしいですか?京は現在、桔梗の紋を掲げた軍勢の手中にあります。状況からしてこの軍勢が信長様を討ったと考えることが自然。
 仮にもし光秀殿が何らかの情報を持って信長様への闇討ちを察し、援軍に入っているのなら信長殿はひとまずは安心。
 今は光秀殿が信長殿の闇討ちの首謀者と見て動いて置くほうが、吉」
家康「お前も言うか!いいか、光秀殿はな…!」
忠次「殿!まだ分からぬか!半蔵の言うとおりでござろう!光秀殿の人柄どうのこうのという話ではございません!状況からしての判断です!」
家康「くっ…!」
直政「しかし、逃げると言ってもこの数ではいかんともしがたいな…光秀殿が闇討ちをしたとなれば、大路は封鎖されていると思ってよかろう」
康政「半蔵の話では京の抑えようとしていることは明白。検問も設けておるだろう」
忠次「さもあろう」
家康「…」
忠次「殿。いつまでごねておられるか。信長様をお助けするにせよ、光秀殿を討つにせよ、この寡勢では如何様にもなりません。
 今は一度逃げ延び、国元に帰り着いてから軍勢をあげればよろしかろう。そのためにも一刻も早く発つべきではございませんか?」
家康「…あい、わかった」
直政「ご明断なります」
康政「心中お察しするが、時がときでありますからな」
69:
家康「…脱出するとして、退路は?」
忠次「街道は避けるべきでしょうな。万が一のときには絡め取られる」
直政「…となると…山越えになる、か…」
忠勝「山越え!?甲賀と伊賀を合わせて超えるってのか!?」
康政「伊賀はまだ良いが…件の謀反には甲賀衆が関わっているのだろう?それとて危険ではないのか?」
家康「…服部、どう思う?」
半蔵「…甲賀は、伊賀と異なり、諸氏が入り乱れた小戦国とも言える状況にあります。たどれば、佐々木氏の弱体化から六角氏、多羅尾氏などが立身する世です」
 「今回の謀反に関与しているのは、旧佐々木家の一部の家臣である可能性があります…この過程であるな、一人、話を通せる御仁を存じております」
家康「何者だ?」
半蔵「はっ。近江甲賀は小川城城主、多羅尾光俊殿です」
家康「多羅尾光俊…って、あの?」
忠勝「信用なるのか?」
半蔵「多羅尾殿は信長様とはお会いになられたことがあるとのこと」
家康「確か、伊賀の乱のときに先鋒部隊の指揮を勤めた人だよね?」
半蔵「はっ。信長様からは格別の待遇を賜っているとのお噂」
秀一「わっ、私も、あの方なら信用できると思います」
直政「長谷川殿」
秀一「幾度かお会いしたことがございます。彼のお人は、野心や恩義、忠義ではなく、一族とその郎党を宝とするお方でございます」
直政「ふむ…」
半蔵「小川城までたどり着くことができれば、その先は伊賀です。我が手の者に加え、賃を払えば忍を幾人でも雇い入れられましょう」
忠勝「賃か…それほど持ち合わせてないのう」
秀一「そ、それならば、安土からもお支払いを!」
家康「いや、それはまずいでしょ長谷川っち」
直政「(っち…?)」
秀一「いえ!私は上様より、家康様御一行の安全を任されている身でございます。私の決定は、上様が決定と同じ」
半蔵「…伊賀の乱では、伊賀衆は信長様がご子息信雄殿にかなりの数の貴重品を奪われたと聞き及んでおります」
 「殿をお助けすることでそれらが戻るとあれば、百地、藤林両家もこぞって人を寄越すでしょう」
康政「…決まり、だな」
直政「殿、いかがです?」
家康「…わかった。その案で行く。ただし、急ぐぞ」
忠勝「なに、聞き分けのない輩がおるようなら、蜻蛉切の餌食にしてくれましょう」
忠次「お前、そんなだから脳筋って言われるんだよ」
忠勝「ぬぅ!?」
家康「直ぐに支度をさせろ。夜明けと共に、甲賀へ入る」
一同「はっ!」
70:
天正十年 六月二日
早朝
本能寺門前
利三「明るくなってまいりましたな…」
光秀「あぁ…じきに、寺の状況もわかろう」
利三「しかし、ひどい有様です…何も残っておりません」
光秀「…あの手勢が火を掛けたのか、それとも、御屋形様が自ら火を放ったか…」
利三「自刃のためでございましょうか?」
光秀「…いや、もし御屋形様が火を放ったのなら、おそらくは逃げ出す算段をつけていたはずだ。自刃などをして諦めるようなお人ではない」
利三「そうであると良いのですが…」
 「伝令!伝令にございます!」
利三「申せ」
伝令「はっ!二条御所の忠光様より、御所の内堀にある隠し出口にて、信忠様を保護いたしたそうにございます」
光秀「誠か!あい分かった!忠光へ、以後は周辺の治安維持に当たれと申し伝えよ!」
伝令「はっ!」
利三「信忠殿、ご無事でしたか…」
光秀「うむ。彼の人も、御屋形様に似て呑気ではあるが知恵者だ。従者達の被害が大きくないと良いのだが…」
利三「湯浅直宗殿と申しましたか」
光秀「うむ。若武者は小倉松寿と言う武辺者であった」
利三「外にお泊りになられていたところからたった二人で斬って入るとは…」
光秀「うむ…見事と言う他にあるまい」
利三「…信長様は悲しまれるでしょうね」
光秀「だが、その名を誇ることこそ弔いにもなろう」
利三「そうですね…」
 「光秀様!光秀様!!」
光秀「ん、何事だ?」
伝令「秀満様より!本能寺から逃げ出て来たと思しき小姓と女衆を見つけたとのこと!」
光秀「誠か!でかした!すぐにここへ連れてくるよう伝え!」
伝令「はっ!」
利三「もしや、信長様もご一緒では?」
光秀「分からぬな…自刃はせぬとは思えど、女衆や小姓をむざむざと死なせるような方でもない。ともすれば、家臣たちの退路を守るために自ら殿となるお人だ」
利三「…目に浮かびます」
 「利三様!利三様!!大変でございます!」
利三「どうした!」
家臣「そ、そ、そ、それがっ!」
利三「落ち着け。どうしたというのだ?」
家臣「それが…きょ、京の町中に…本能寺、二条御所を焼き払い、謀反による下克上をなしたのは明智光秀である、と風説が!」
光秀「!」
利三「なんだと!」
77:
天正十年 六月二日 夕刻
高松城
秀吉軍 陣内
秀吉「して、京の状況は?」
伝令「はっ!本能寺は焼け落ち、二条御所にて激しい戦があったもよう」
秀吉「信長様のご安否は?」
伝令「某が受けた報せでは、依然不明とのこと…」
秀吉「そうか…信忠殿は?」
伝令「信忠殿の行方も分かっておりません。しかし、二条御所は信忠様方の家臣達の亡骸が複数見つかっております」
秀吉「下手人は?」
伝令「謀反当時、京のあちこちで桔梗の紋の入った御旗の目撃証言があがっています。おそらくは、明智一派が謀反人かと」
秀吉「ふむ…そうか…あい分かった。下がって良いぞ」
伝令「はっ!」
 ササッ
秀吉「ふむ、さて」
福島正則「はい、秀吉様」
秀吉「軍備の方はどうなっておる?」
正則「万事、滞りなく」
秀吉「そうか、ならば良い。明日の朝には出立する旨申し伝えて準備をさせよ」
正則「はっ」
秀吉「…ふむ、しかし、明智方とはな…」
正則「秀吉様?」
秀吉「いや…儂の予想では松平の手にかかった、ということになると思っておったが…」
正則「読み違え申しましたか?」
秀吉「いや、この場合は、光秀殿の察しがよかったものであるところだろう」
正則「と申しますと?」
秀吉「光秀殿は、信長様に危急が迫っていることを感じ取ってわざわざ丹波から京へ夜な夜な引き返したのであろう」
正則「なるほど…しかし、これでは明智軍を吸収して一気に三河を押し包むことも相成りなりませんな」
秀吉「そうじゃの。儂の計略もまだまだあったな。困ったものじゃが…まだ手はないこともない」
正則「つまり?」
秀吉「謀反人、明智光秀を討つ。儂の軍勢でな」
正則「戦となり申すか」
秀吉「そうじゃな。まぁ、相手が三河から明智に変わるだけじゃ。どうという事もなかろう」
正則「は、左様に…」
秀吉「くれぐれも毛利には漏れぬようにな。せっかくの和睦を帳消しにされて攻め込まれてもかなわん」
正則「はっ」
78:
秀吉「そういえば、甲賀の連中の伝令はまだ来ぬのか?」
正則「いえ、まだ到着してはおりません」
秀吉「ふむ、妙だの。よほど手間取ったと見るか」
正則「忍とは言え、信長様の小姓どもには多少手も折れましょう」
秀吉「…しかし気にかかるな…明智に本能寺が焼き討ちにあったと報じたは、あるいは甲賀の連中やもしれんな」
正則「なんのために?」
秀吉「仕損じた、ということかも知れんな…」
正則「なんと!では…!」
秀吉「いや、もはや時流は止まらんじゃろう。謀反人は明智光秀じゃ。あとは誰がその謀反人を討つのか、で、次の世統べが決まろう」
正則「もし信長様がご存命だったとして、名乗り出るようなことはございませんか?」
秀吉「あるじゃろう。だが、あとはどうとでもなる。明智が立てた影武者とでも言っておけば良いのじゃ。謀反の報はもうあちこちに届いておるようじゃろう」
正則「秀吉様が準備されていた伝令もわずか一日でこちらにも届きますれば、明日の夜には三河殿や柴田殿にも届きましょう」
秀吉「うむ…いや、それでは不十分じゃな…」
正則「この上、まだ何か?」
秀吉「うむ…至急、追加の伝令を募れ。信長様傘下の武の者へ伝えさせよ。この羽柴秀吉、明智光秀を討つために高松よりとってかえす。
 軍勢を差し向けられる国主があれば合流し、共に謀反人、明智光秀を討つべし、とな」
正則「大勢を固められる、というわけですな…」
秀吉「人の口伝は移ろいやすい。遠来での出来事など尾ヒレがついて広がるものじゃ。各国も明智謀反の報は聞いておろうが、儂から直接の伝ともあれば確実となるじゃろ」
正則「は、確かに。直ちに手配させます」
秀吉「うむ、手早くやれ」
正則「はっ!」
79:
天正十年 六月四日 夕刻
近江国甲賀 小川城
多羅尾光俊「ふむ…では、やはり、先の流言は真実なのでございますな」
家康「あぁ、どうもそうらしい。確かなことはまだわかってないが…」
光俊「私の家臣の方でも、ここのところ、旧佐々木氏の一派が不穏な動きを見せているのを確認しておりましたが、まさか信長様を討つようなことを計画していたとは…」
忠勝「そのことで一つお伺いしたいのですが、その一派と明智光秀殿とは関わりはありましたでしょうか?」
光俊「光秀殿と、でございいますか…光秀殿も信長様が家臣であれば、我が近江甲賀の者であれば関わりがないとは申し上げられません」
直政「さもありましょう」
家康「その他はどうなんだ?」
光俊「そのほかでございますか…そうですな、秀吉殿や、それから、珍しいところですと、三河殿のところへ参上された梅雪殿とも交流を持っておったと思いますが」
家康「…梅雪と!?」
光俊「そういえば、この旅路はご一緒ではござらんのですかな?」
忠次「…飯盛山から、別行動で伊賀を越えてございます…」
光俊「…理由は?」
直政「梅雪殿はご自分の家臣を従えておりました故、大所帯では目立つからと…」
康政「…しかし、もし梅雪殿が佐々木一派と計じて信長様を謀ったとなると、これはもしや…」
光俊「拙過ぎるのは賢いとは思いませぬが、しかしそう考えられなくもない…」
家康「…武田の残党がどうして今更…い、いや、もしかして!」
忠勝「どうされました、殿?」
家康「…信長先輩を討てば、次の天下は誰が取る?」
直政「…十中八九、謀反人を征伐した御仁になりましょうな」
家康「もしその人物と梅雪が手を組んでいたとしたら?」
康政「…!」
忠勝「明智殿と梅雪殿が通じておると?」
家康「違う、そうじゃない!」
直政「そうか…!この謀反は…!」
忠勝「なんでござるか!拙者にもわかるように教えるでござる!」
家康「…信長先輩が殺されたとしたら、すぐにその犯人探しに目が行く。そして、謀反の晩、光秀殿を除いて、先輩のすぐ傍にいたのは!」
忠勝「…!殿でございますか!」
80:
家康「そうだ…!この梅雪とこの計略を作ったやつは、俺に罪を着せるつもりでいたに違いない…」
直政「…我々が信長殿を討ったとあれば、信長様傘下の軍勢がすべて三河に押し入りましょう。そうなったとき、梅雪は我らが抑えた甲斐を奪回するつもりでいた、と…」
家康「あるいは、その約束を取り付けて俺たちを謀ろうとしたのかもしれない」
光俊「筋は通ってございますな…しかし、では影で全ての糸を引いておったのは?」
家康「…そこまでは分からないが…おそらく、この危難に際して誰よりも早くに動きを見せる人物」
直政「それも、鬼神のごとき素早さにございましょうな」
家康「光秀殿はこのことを察知して京に援軍に駆けつけたに違いない…!だが、黒幕はそれすら利用した…!」
康政「…梅雪殿に話を聞かねばなりませんかな」
忠次「しかし、いくらなんでも憶測に過ぎるのではございませんか?」
家康「いや…少なくとも、光秀殿ではないことは確かだ」
忠次「そのこころは?」
家康「…感情論は抜きにして…光秀殿の手腕じゃない。あの人なら、京都まで待つ必要なんてなかった。甲賀と通じていたのなら、安土の天守閣で討ったってよかったはず。
 それぐらいのことは考えつく人だ」
一同「…」
家康「半蔵!」
半蔵「はっ!」
忠勝「あ、いたんだ、半蔵」
家康「すぐに梅雪を追って捕えろ。抵抗するなら斬って構わない」
光俊「我が手の者も幾ばくか向かわせましょう。甲賀から謀反があったとなれば、生かしておくわけにも行きませぬ。詳しくお話を伺わねば」
家康「直ぐにかかれ!」
半蔵「はっ!」
81:
天正十年 六月三日 夕刻
山城国綴喜郡 木津川河畔
従者「梅雪様、大丈夫でございますか?」
穴山梅雪「うむ、問題ない」
従者「最後の船がわたってます故、今しばらくお待ちください」
梅雪「うむ」
ガサガサッ
梅雪「!?」
従者「梅雪様、おさがりください!」
シャキン!
 「穴山梅雪殿でお間違いござらんか?」
梅雪「その方は?」
 「はっ、甲賀が手の者にございます」
梅雪「ふむ、遅かったではないか。予定では川向こうでの合流という話ではござらんかったか?」
甲賀忍「申し訳もございませぬ。身内に腹を探られておるようで、足取りを消すのに今しばらくの時間が必要でございました」
梅雪「そうか、まぁ良い」
甲賀忍「これよりは、我々が甲斐までの道中をお守り差し上げます」
梅雪「心強いが、賃を取る気ではあるまいな?」
甲賀忍「仰せつかっている身であれば、お心遣いなく」
梅雪「左様か」
82:
従者「梅雪様、最後の船が渡り終えました」
梅雪「うむ。では、甲賀衆よ、道中頼むぞ」
甲賀忍「仰せつかりました」
シャキン!
梅雪「なっ!?」
従者「梅雪様!」
ヒュンッ ズバッ!
梅雪「くぅ!」
従者「おのれ!いかなる所以あっての所業か!」
甲賀忍「瓢箪様が沙汰にございます」
従者「なんと!?」
ヒュバッ! ザクッ!
従者「ぐっ!?」
ドサッ
甲賀忍「生かして通すなよ。これ以上の失態は我らの沽券に関わるからな」
忍衆「応!」
ザザザザッ
梅雪一行「!!!」
甲賀忍「かかれ!」
96:
天正十年 六月四日 夜半
尾張 清洲城
侍女「市姫さま!大変でございます、市姫さま!!」
お市「なぁにー?ちょっと待ってね」
侍女「市姫さま!」
ガタタッ
お市「ちょ!いきなり開けないでよっ…って、なんだ、あなたか。びっくりした」
侍女「市姫さま…申し訳ございません、書き物をされていたのですか」
お市「あー、うん。寝ようと思ってたんだけど蘭丸×竹の新作が降ってきてねぇ。書き留めておこうと思って」
侍女「え、ちょっと見せてもらっていいですか?」
お市「まだダメー!完成したら一番に回すね!」
侍女「あの、市姫さま。私、先日ふと思ったのですが、蘭さまと秀一さまの組み合わせに、坊さまを加えるというのはいかがでしょう?」
お市「!まさか、蘭丸と坊丸の兄弟二人に竹が迫られ苦悩すると言うのですか!?あぁっ!なんて甘美な!」
侍女「わっ!お気に召していただけますか!?」
お市「んー、それならいっそ、二人の兄に密かな思いを寄せる力丸、というのも加えて…」
侍女「なんと!ご兄弟で!」
お市「禁忌を破るわけにも行かぬ、さりとて捨てきれぬ想い…」
侍女「あぁっ!なんて切ない…!」
お市「でしょでしょー?」
侍女「これは、次回作が待ちきれません!」
お市「ふふふー!楽しみにしててよね!あ、で、どしたの?なんか用事?」
侍女「あ…そう!そう、大変なんです!今、早馬が駆けてきて、本能寺にて信長様がお討たれになられたと…!」
お市「なんですって!?兄上が!?」
侍女「はい!」
97:
お市「何があったのです!?」
侍女「詳しいことはわかりませんが、なんでも、明智様が謀反と…!」
お市「そんな明智殿が…!?まさか、兄上が蘭丸やお濃様を重宝しすぎたせいで嫉妬から思い余って…!?」
侍女「いい加減にしてくださいこのお腐れ脳!」
お市「だって、本能寺には蘭丸もお濃様もおるのでしょう!?きっとそうに違いないわ!」
侍女「ないです!」
お市「…と、ともかく…皆に、警戒をするように伝えなさい!留守役の侍大将を呼んで!」
侍女「はい!」
お市「…それと、誰か人を寄越して!すぐに勝家のおじちゃんと連絡を取らないと!」
侍女「それについては既に早馬を回してあるようです!」
お市「そう、なら良かった。あなたはすぐに娘たちのそばに行って。きっと怯えているわ」
侍女「はい、市姫さま!」
お市「陣頭指揮は私が摂ります。その間、娘たちを頼んだわよ」
侍女「お任せを!」
バタバタバタ
お市「…」
お市「兄上…どうか、ご無事で…!」
98:
天正十年 六月五日 
三河 岡崎城 天守閣
直政「殿、出陣の準備、ちゃくちゃくと進んでおります」
家康「あとどのくらいかかる?」
直政「一両日中には、第一陣は整いましょう。堺へ参る際に、こちらに指示を出して安土へ向かう準備を整えておりました故、滞りなく」
家康「そうか…」
直政「殿…ご心配召されるな。信長様とて、武士でございますぞ。戦で命を落とすやも知れぬことくらい、肝に銘じておられましょう」
家康「…だから、なんだよ。あの人は、戦なんて好きじゃないんだ」
直政「戦など、好きなものは居りますまい」
家康「そうだけど…」
バタバタバタ
忠勝「殿!殿ぉ!出陣はまだでござるか!?」
家康「あ、居たわ」
直政「…」
忠勝「この本多忠勝、必ずやこの槍で謀反人を討ち、仇討ちをなす準備は出来でござる!いつでもご下命くだされよ!」
家康「わかったよ、忠勝。じき、音頭を取るからちょっと待ってて」
忠勝「御意に!」
バタバタバタ....
家康「…」
直政「…」
家康「直政、心配してくれるのは嬉しい。だけど、状況はかなり危険なんだ」
直政「と、言いますと?」
家康「敵が誰なのかが分からない…下手に軍勢を動かせば、こっちの脇腹を突かれるおそれもある」
直政「敵、ですか…確かに、謀反人の明智殿を討てば良いだけではございませんな」
家康「でも、先輩のことも心配だ…今はまず、情報がいる」
直政「では?」
家康「今、服部に間者を放たせてる。持って帰ってきた情報を康政と服部で検討してくれているから、それ次第、ってことになるかな」
直政「…然るべき対応と存じます」
家康「焦れるけど、ね…」
99:
直政「安土城はすでに蒲生殿が引き払ったと聞いています。信長様のご側室や御側人もご一緒だそうです」
家康「あぁ、長谷川っちの情報だね。彼もずいぶんと切れるやつだよ。岡崎に入った翌日には一人で安土まで走って状況を確認して戻ってくるなんて」
直政「彼のお人も心苦しいことでしょうに…」
家康「俺なんかよりももっと、だろうね」
 「殿、服部にございます」
家康「入れ」
服部「はっ」
スーッ パタン
服部「穴山殿のことで、お話がございます」
家康「捕らえた?それとも斬っちゃった?」
服部「…それが…」
家康「逃した…?」
服部「いえ…しかし」
直政「いかがなされた、服部殿?」
服部「それが…配下の者が、穴山殿一行のご遺体を確認致しました」
家康「遺体!?」
100:
服部「話によれば、地侍どもに襲われたとのことですが…」
家康「…黒幕、か」
服部「おそらくは…」
直政「なおのこと、状況がくぐもってまいりましたな…」
ドタドタドタ バタン
忠勝「殿!出陣はまだでございますか!?」
直政「た、忠勝殿…」
家康「忠勝、頼みたいことがある」
忠勝「なんなりと!」
家康「えっと…出陣に備えて、兵たちの身元を確認してもらえるかな?」
忠勝「身元と?」
家康「そうそう。この戦、謀反人が出ているからね。これ以上の混乱を避けるためにも、身内の確認はして置くほうがいいと思う」
忠勝「ふむ…確かに!お任せあれ!家臣団から足軽どもまで調べ上げますぞ!しからば、これにて!」
ドタドタドタ バタン
直政「た、忠勝殿…」
家康「ふぅ、これで少し時間稼げるかな…ああいう細かいこと、忠勝苦手そうだし…それより服部。京周辺の情報はどうなってる?」
服部「はっ。やはり、京は明智殿に封鎖されておる状況のようです。配下の者数人が正体露見の危機に瀕し、脱出してきております」
家康「警戒はかなり厳しいと見ていいな…」
服部「はい、そのようです」
家康「そうか…くそっ!」
服部「殿…」
101:
家康「…とにかく、他の武将達に気取られないように情報を探ってくれ。できれば、先輩の安否も含めて」
服部「御意に」
家康「頼むぞ」
服部「はっ、では」
ササッ スーッ パタン
家康「…はぁ」
直政「殿…」
家康「直政、甲斐方面と、小田原方面の守勢の確認を頼む。京へ意識が向いている最中に背後から一突き、なんてことになりかねない」
直政「承りました」
家康「頼むな」
直政「では、これにて…
 「殿!殿ぉ!!」
ドタドタドタドタ バタン
忠勝「殿!一大事でござる!」
家康「ちょ、忠勝!」
直政「忠勝殿!いい加減、黙って待っておられませぬか!?」
忠勝「そうではござらん!殿、西方に騎馬隊が!」
家康「騎馬隊?どこの?」
忠勝「桔梗の紋を掲げているでござる!」
家康「なんだって!?」
102:
天正十年 六月五日 早朝
備中国 道中
黒田官兵衛「秀吉様。じき、沼城に到着致します」
秀吉 「うむ…丹波の亀山の様子は聞き及んでおるか?」
官兵衛「まだですね。ですが、京都にて我が隊の迎撃準備を進めているころかと思います」
秀吉 「どうかの?まだ儂が裏で糸を引いておったとは思ってもおらんのではないか?」
官兵衛「普通ならさもありましょうが、光秀様は一筋縄で行くような御仁でもありますまい」
秀吉 「まぁ、そうじゃの。しかし、戦に備えておるということならわかりやすくていいんじゃがな」
官兵衛「…確かに、そうでございますね。力で押し込み、明智光秀は謀反人だと声をあげれば良いわけですからな」
秀吉 「そういうことじゃ…じゃが、そうじゃの…怖いのは、その裏、か」
官兵衛「裏、と申しますと?」
秀吉 「光秀殿が儂の考えておる以上に才気に秀でていたとしら、儂が仕組んだとは明るみに出ずとも、自らが汚名を被ることになるだろうというのは気づくかも知れん」
 「そうなれば、儂が京へたどり着く頃には、光秀殿の地盤固めが終わってしまう可能性もあるかもしれんしの」
官兵衛「はっ、確かに…」
秀吉 「各国に使者を飛ばしたが、ふむ…やはり磐石とはいかんのう」
官兵衛「いかがなさいますか?」
秀吉 「…あまり時をかけて柴田のじじいが戻って来るとなると厄介ごとが増えそうじゃ。沼城に着いたら沙汰を決めよう」
官兵衛「と、申しますと?」
秀吉 「淡路でなにやら騒いでおるのがいる、とか報告が入っておったな」
官兵衛「はっ。洲本周辺に先の淡路征伐の残党が集結中とのことでした」
秀吉 「ふむ、明智方とは限らんが、しかし、四国の長宗我部と明智はつながりもあるからの。明智に与した、といい添えて粛清してくれよう」
官兵衛「戦を始めるのですか?」
秀吉 「何事も実績を作っておくものじゃ。謀反人に与した一族を討伐した、とふれておけば良い。なに、一隊で事足りるじゃろう」
官兵衛「ふむ…それならば、我が手勢を裂かずとも良いのではございませんか?」
秀吉 「…聞かせよ」
官兵衛「はっ。土豪に秀吉様から沙汰を届ければよろしいかと。淡路掌握のためと、明智殿討伐後、御屋形様の傘下の者共を引き連れるにはこの段で秀吉様が指揮を執っておくべきと存じます」
秀吉 「ふむ、なるほどのぅ。時はかけずとも、指示と挙兵を促すことは有用だということだな」
官兵衛「はい」
秀吉 「ふむ、それで行こう。誰ぞに文を書かせよ。確か淡路には広田とかいう氏族がおったな。あそこが良かろう。各地にも追加の早馬を走らせて協力者を募るべきじゃな」
官兵衛「おそらくは」
秀吉 「くふふ、急いてしまうが、仕方ないのう。じき、儂の前に各国守が頭を下げる日が来ような。いやはや、笑いが止まらんわい」
官兵衛「ん、秀吉様。沼城がみえてまいりました」
秀吉 「おぉ、ようやくじゃのう。各隊を急がせよ」
官兵衛「はっ」
110:
天正十年 六月五日 
三河 岡崎城 城外
忠勝「ぐぬぬ、各人、準備は良いか!?敵は明智方じゃ!油断するな!」
康政「忠勝殿、落ち着いて。相手の出方が分からないのに斬って行ってはなりませんぞ」
忠勝「ぐぬぬ!あの様な数でこの忠勝の相手をしようなどと、笑止千万!」
康政「だーかーら。そう殺気立ってたらなんにもなりませんぞ。とにかく、服部殿の帰りを待つべきでござる」
忠勝「話し合いなんぞしてどうする!あのようか寡勢、一気に押し包めば勝負は決まったようなもの!」
康政「あーもう、ダメだこれ。殿!殿ぉーー!!忠勝殿が限界でございますーー!」
家康@城壁内「なんとか持ちこたえろ!ここが正念場だ!」
康政「いや、殿、戦う前から正念場って…」
忠勝「おぉ!終わったようだぞ!」
パッカパッカパッカ
康政「服部殿、首尾は?」
忠勝「開戦は何刻でござるか!?」
服部「戦をするつもりはないようです」
忠勝「なんと!?」
康政「…如何した?」
服部「其れがしもまだ信じられぬ思いですが…」
康政「どうされたというのだ?」
服部「…このような場所では、話しにくいことです。まずは殿に話をお通ししてまいります」
康政「ふむ…我々では手に余る、と申すか…分かり申した…あ、そうだ!忠勝殿!服部殿と一緒に殿のところに行かれてはいかがかな!?」
忠勝「ぬぅ!?拙者を前線から遠ざけるのか!?」
康政「そうではござらんが…あぁ、ほら、戦を勝手に仕掛けるわけにも行くまい?その、殿に最後の判断を伺いに行くべきでは?」
忠勝「おぉ!確かに!ならば服部殿!すぐ参ろう、今すぐ参ろう!」
パッカパッカパッカパッカ
111:
康政「まったく、忠勝殿といると余計疲れる…」
家臣「豪気でございますからなぁ」
康政「あんなのは豪気とは言わん。節操がないと言うか、な」
家臣「ずいぶんな言いようでございますな」
康政「しかし、それはそれで生き方があるのがこの戦国の世だ」
家臣「げに、ありがたいごとでありますね」
康政「恨めしくもあろう…こと、このような事態にあってはな」
家臣「確かに…」
康政「…」
家臣「…」
康政「すまぬが、訪ねても良いか?」
家臣「はっ、如何なさいましたか?」
康政「あの、桔梗の紋を掲げた一団だが…」
家臣「はい、明智光秀様が家紋にございますね」
康政「あの先頭にいる人に見覚えがあるんだが…お主、知らぬか?」
家臣「どこぞの名のある武士ではございませぬか…?むぅ、あれは明智左馬之介秀満様ではございませぬかな?」
康政「いや、左馬助殿はわかっておる。その隣の御仁だ」
家臣「隣、と…?」
康政「…」
家臣「…(ゴシゴシ)」
康政「見間違え、ではござらんな?」
家臣「…か、替え玉ではございませぬか?」
康政「うむ…その可能性もないこともない、が…」
家臣「…でも、そっくりですね」
康政「うむ…よもや、殿の考えていた通りであったか…?」
家臣「康政様…?」
康政「…やはり、間違いはござらんな…あれは、信長様がご嫡子、信忠殿でござろう!」
パッカパッカパッカパッカ
康政「おぉ!服部殿!殿は!?」
服部「使者をお通しせよ、とのことだ」
康政「服部殿、あの御仁は…!」
服部「はい、どうやら、殿の申されていたことは正しかったようです」
112:
天正十年 六月五日 
三河 岡崎城 天守閣
秀満「家康様。まずは、突然あの様なものどもを連れて三河に参ったこと、お詫び申し上げます」
家康「いや、それは構わないよ…それよりも、信忠くんをよく無事に…!」
秀満「はっ…我々が駆けつけたときにはすでに二条御所は敵方の手中。なんとかこれを取り戻したのですが、そのときにはかなりの者が討たれており…」
家康「…そうだったのか…」
秀満「信忠様は、たいそう、そのことを口惜しいと申されておいででした」
家康「さもあろう…それで、本能寺の方はどんな状況だったの?」
秀満「はっ。本能寺は完全に焼け落ちました。こちらでも、信長様が手勢が半数弱討たれたと伺っておりますが、信長様、濃姫様ともにご無事にございます」
家康「そっか…よ、良かった…(ヘナヘナ)」
秀満「ご報告が遅くなり申し訳ございませぬ。京においても情報が錯綜し、目下、我々を敵視する勢力ばかりとなり…
 伊賀や甲賀に明るい家康殿も、この闇討に加担しているやもと杞憂を揉んで二の足を踏んでおる始末で…」
家康「この状況だ…仕方ない。信康と築山のこともあるだろう」
秀満「は、い、いや、それは、その…」
家康「いいよ、別に。いやぁ、ここだけの話しさ、武田に通じる間男がいて医者の減敬ってやつだったんだけど。信康あれ、いわゆる托卵で
康政「ととととと殿!それ言っちゃダメ!」
家康「あっ…」
秀満「某は、なにも…」
家康「…悪いね、気使わせて…えぇと、そうそう、それに、おそらくは最初から俺に罪を着せるつもりでいたんだから。長谷川っちから事情は聞いてる?」
秀満「(っち…?)はっ。正確に申せば、長谷川殿からの伝を聞いた蒲生殿から、ではありますが…」
家康「蒲生殿か…安土を捨てたと聞いたが、さすがに伝令は残しておいたんだな」
秀満「光秀様の話では、何事にも確かな手腕を振るわれる方であると」
家康「状況的に、蒲生殿は光秀殿の謀反には懐疑的だったんだろうな。そうでもなければ、安土に火を掛けずに逃げ出たなんてことをするはずがない」
秀満「あるいは、安土は信長様が帰還を想定して?」
家康「それは分からないけど…個人的には、明智殿に使ってもらうつもりだったんじゃないかと思ってる…ま、今はその話はいいや。で、秀満殿」
113:
秀満「はっ」
家康「敵は?」
秀満「…羽柴殿にございます」
家康「…やっぱり、か。あの折で援軍要請があったってところは俺も確かに引っかかったけど、ここまでを含めて全部計略の内だったってわけだ」
秀満「聞くところでは、羽柴軍はその規模をさらに膨らませながら京へと近づきつつあるとのこと。すでに亀山城に残っていた観測兵がその軍勢を目視しております」
家康「その亀山城は?」
秀満「放棄し、京周辺での迎撃を予定しております」
家康「そっか…ならまぁ、十分間に合いそうだな」
秀満「…家康様?」
家康「明日早朝に、三河の全軍を京へ送るよ。もちろん俺も着いていく。それで数的にはトントンくらいにはなれるんじゃないかな」
秀満「…家康様…実は、私が参ったのは信忠様をお送りするためだけではございません」
ササッ ピラッ
秀満「信長様、光秀様連署の文にございます」
家康「先輩たちから?」
秀満「はっ。簡単に申し上げさせていただければ、ひとつに、この戦、援軍は不要」
家康「不要!?」
秀満「はっ」
家康「なんでだ!?相手は羽柴殿なんだろう!?それなら、三万以上にもなるはずだ!」
秀満「…お二人が、そう決められました」
家康「…なぜ、そんな…」
秀満「…家康様、しばし、人払いを願えませんか?」
忠勝「!」
康政「殿!それは危険です!」
家康「分かった…」
康政「殿!」
家康「いいからここは退いてくれ。頼む」
康政「…殿!」
忠勝「ふすまの向こうに、人を集めるのはよろしいか?」
家康「聞き耳を立てないでくれるなら。なにかあれば、声を上げる」
忠勝「ならば…康政殿、ここは退こう」
康政「しかし!」
忠勝「殿が頼まれておるのだ…聞き届けるべきでござる」
康政「くっ…あい、分かりました」
家康「すまんな」
忠勝「しからば…」
パタパタ スーッ パタン
114:
秀満「わがままをお許し下さい」
家康「構わない。聞かれてはまずい話なのか?」
秀満「某には判断がつきませぬゆえ」
家康「…先輩のこと、か」
秀満「はい。家康様は、信長様が戦国の世をお嫌いになられていることをご存じでありますか?」
家康「あぁ、よく知ってる。本当はもっとくりえいてぃぶなことをしたいと何度も言ってた。もっとも、そのくりえいてぃぶがどう言う意味の南蛮語か俺は知らないけど」
秀満「信長様は…この度のことを良い機会と考えておられます」
家康「まさか…!隠居を?!」
秀満「はい、そのようです」
家康「待ってくれ。でも、光秀殿は羽柴軍と戦をするつもりでいるんだろう!?」
秀満「はい、仰せの通りです」
家康「どういうことなんだ…?」
秀満「光秀様も、信長様も、今回の羽柴殿のやりようは腹に据えかねていらっしゃいます。故に、信長様が家臣の方々の仇討ちもその思慮にはあるかと思います。
 しかし、もう一つ重要な点は羽柴殿に天下を渡さぬ、というお気持ちもお持ちであるということです。
 光秀様も、信長様も、此度の戦、勝つつもりでいらっしゃいます」
家康「ならばなぜ、援軍を断るんだ!」
秀満「先のことを見通していらっしゃるようです…負けたとき、我ら家臣団を引き受けてくれる武将を残したいという、その書状にあるとおりのこと。
 それと、これは口には出されておりませんでしたが、勝った暁には、おそらく好意の国守に謀反人、明智光秀の首を刎ねさせようとしておられるのだと思います。
 謀反人が天下を取ったというのはあまりにも求心力がございません。早晩、同じく謀反にあい滅びるが世の常でしょう。
 光秀様にしても天下取りに興味を持っておりせぬ故、それを誰かに、おそらくは、家康様にお渡ししたいと考えていることと存じます」
家康「…後半は君の想像だろうから、まぁ、今は聞かなかったことにする。でも、そうか…負けたとなると、光秀殿に加勢した者は逆賊、か」
秀満「はい。こと、この事態です。家康様が三河の総力をお貸し頂いたところで、羽柴殿は信長様が軍、さらには各所の軍勢を取りまとめる大義名分がございます。
 数からして、簡単な戦ではございませぬ」
家康「だけど、それならなおのこと!」
秀満「…家康様は、今川は、駿河守義元殿の元におられたのでしたな?」
家康「そうだけど…」
秀満「桶狭間の戦いに、光秀様はいらっしゃいませんでした。我ら明智家が信長様にご奉公にあがるようになったのはもっとあとでございます」
家康「…!」
115:
秀満「『奇襲に夜討ちに攪乱戦法…寡勢での戦は儂の領分じゃ』と、信長様が…」
家康「先輩は、負けてやる気なんてこれっぽっちもない、と?」
秀満「明智家家臣団やその家族の行く末をご心配召されておりましたが。そのために、こうして文をお届けにあがった次第です。
 もちろん、信忠様の身柄の保護も、という事もありましたが、私も戦に挑む者として、その点、かしこみお頼み申しあげたく、参った次第です」
家康「…そうか…」
秀満「…」
家康「…」
秀満「…どうか」
家康「…はぁ、分かった」
秀満「家康様!」
家康「…先輩の言うことなんだろ?聞かないわけにはいかないよな…。うちの伝令を何人か連れてってくれる?合戦の知らせを聞いたら、直ぐに出兵する。
 安土、いや…清洲城の手前辺りまでなら羽柴軍を刺激しないで済むだろうな。光秀殿と先輩に伝えて。家臣団には、逃げるなら清洲へと暗に伝えておいてくれって」
秀満「はっ…ありがとう、ございます!」
家康「もし可能なら、国の家族にもそう伝えてもらって構わない。対したことはできないかもしれないけど、田畑をやる土地くらいならいくらでも貸せるし」
秀満「はい、必ず、伝えます!」
家康「うん。だから、くれぐれも光秀殿にも、先輩にも、家臣のやつらにも言っといて」
秀満「はっ?」
家康「死ぬな、って、な」
116:
天正十年 六月十三日
山城国 宝積寺 羽柴秀吉軍 本陣
官兵衛「秀吉様」
秀吉 「ん、なにごとだ?」
官兵衛「はっ。信孝様の合流が終わりますれば、ご報告にまいりました」
秀吉 「ふむ、ようやく、か。これでいよいよ体裁は整ったの」
官兵衛「信長様のご子息でありますからな」
秀吉 「まぁ、信雄殿もおるがなぁ…ん、この菓子は旨いの。ほれ、そちもどうじゃ?」
官兵衛「は、では…ん、これはなかなか…!」
秀吉 「で、数は如何程になった?」
官兵衛「三万数千、と言ったところでしょうか」
秀吉 「んー、切りが悪いの。いっそ四万ってことにしておこう」
官兵衛「はは、豪気でありますな」
秀吉 「明智殿の方は良く見積もっても二万が良いところであろう。あとはもう、問題は勝ち方じゃな」
官兵衛「左様に」
秀吉 「それとは別に、三河のことが気にかかる。その方は、どう思う?」
官兵衛「松平殿ですか…秀吉様が天下を統べようとされるのであれば、いずれはぶつかるお相手にございましょう」
秀吉 「そうであろうな。だがまぁ、すぐにどちらかが滅ぶようなことにはなるまい」
官兵衛「と言いますと?」
秀吉 「三河は所詮、御屋形様の盟友。家臣ではない。織田家を誰が継ごうが文句を言われる筋はないからな。
 会議の席で論戦になるか、戦があってもせいぜい小競り合い程度じゃろう」
官兵衛「では、なぜ気がかりなのです?」
秀吉 「武田の領地を半ばほどは三河が抑えておる。甲斐には金山があるしの。近いうちに戦になることはなかろうが、しかしゆくゆくはわからん。
 三河なんぞと言うところで力を付けられると、いつ京を狙われるかわからんしの」
117:
官兵衛「そのための三河潰しでありましたか」
秀吉 「うむ、儂の計略も狂ってしまった。いずれにしても配下に加える案を考えておかねばな」
官兵衛「そうですな…いっその甲斐や小田原の東の果てに封殺するというのも良いかもしれません」
秀吉 「ふむ、なるほどの…美濃、三河を抑えておけば、当面の脅威は防げる、か」
官兵衛「はい」
秀吉 「考えておくことにしよう。その前にまずは家臣として従ってもらわねばならんしの」
官兵衛「そのためには…」
秀吉 「うむ、やはりこの戦の勝ち方は重要じゃろう」
官兵衛「多少、色をつけて報告もしておきましょう」
秀吉 「うむ。まぁ、とにかく徹底的にやれ。どこぞの国守が妙な考えを起こさぬよう、脅かす意味でも、な」
官兵衛「承知いたしております」
トタトタトタ
従者 「秀吉様、信孝様がご到着なさいました」
秀吉 「あい分かった。お通ししろ」
従者 「はっ!」
秀吉 「さて、父を討たれた哀れな君子殿がまいられるぞ」
官兵衛「そのようで…」
秀吉 「今一度は、我主の忘れ形見とさせてもらおう。ま、今一度だけじゃな」
118:
天正十年 六月十三日
山城国 御坊塚 明智軍本陣
利三「光秀様、布陣、滞りなく進んでおります」
光秀「そうか…あい分かった」
利三「…まだお悩みですか、光秀様」
光秀「いや…心は決まっている」
利三「ではいかがなされた?」
光秀「かのような戦にその方らを巻き込んですまぬと思っている」
利三「今更でございます。我ら家臣一同、光秀様のためにここまでついて参ったまでのこと。詫びも感謝も、必要ありませぬ」
光秀「…そうか」
利三「それに、去れと言われたところで去る者はおりませぬ。光秀様に謀反人の汚名を着せたまま諾とする者など、我が陣には一人もおりませぬゆえな」
光秀「利三…」
利三「家族のことは」
光秀「うむ。例の書と共に、各近親の国主達に頼み申し上げている。家康殿からの伝も各員に申し伝えた」
利三「であるならば、もはや後顧憂うものはございません」
光秀「そうか…」
利三「それに、此度の戦は、御屋形様の進退も関わっておりますれば、むざむざと逃げるなどもってのほかかと」
信長「あれー?バレてた?」
光秀「だからその髭面で従者に変装などできませんと言ったんですって」
利三「信長様…心中、お察しいたします」
信長「ありがと、利三。でもまぁ、自分で蒔いた種だしね。儂の責任で刈り取らないといけないと思うんだ。まぁ、光秀の軍勢を使わせてもらわなきゃいけない状況だけど」
利三「こちらは二万弱、秀吉殿方の軍勢は三万を超える勢い…我が方は寡勢にございますが、桶狭間の再現となると、家臣一同、意気軒昂にございます」
信長「あれねぇ…正直言うけど、あれ、先頭が崖から足踏み外して転げ落ちたから、もう行くしかなくって突撃したんだよ」
光秀「ははは、御屋形様。そのようなぷろでゅーすでは立ち行きませんぞ?獅子奮迅の活躍をどうして濁される?」
信長「…儂、戦嫌いだからね…褒められても、嬉しくないし」
光秀「そうでしたな」
119:
信長「…光秀、本当に良かったの?」
光秀「なんのことです?」
信長「家康の援軍断ったのとか、細川さんのとことかに送った書状のこと」
光秀「あぁ、はい。巻き込むわけには行きませんからね…細川殿へも援軍は必要なし、とちゃんと書いておきました。
 我らが負けるようなことがあれば、援軍要請を断ったと言い逃れできるよう、援軍要請をした偽の書状も同封して、です」
信長「そっか…」
光秀「加えて、もしものときに家臣達を守ってくれるように頼んでもあります。これで私も、後顧憂うことなくこの戦に望めましょう」
信長「難儀だな、戦って。だから儂嫌いなんだよね」
光秀「まったくでございますな…太平の世など、夢幻にございましょうか」
信長「さてね…もしこの戦いに勝ったら、そういうのをくりえいてぃぶしてみたい気もするな」
光秀「ははは、なるほど。それは確かにくりえいてぃぶでございますな」
信長「そんときは手伝ってね」
光秀「お約束はしかねますな。何しろここは戦場でございます」
信長「だから儂、戦国嫌い…」
光秀「さもありましょう」
信長「しかしまぁ、今回ばかりはやらないわけにはいかないよね。部下を何人も斬られてるし…儂はいいけど、光秀を巻き込んだのはちとやりすぎ、サルの癖に」
光秀「ははは、御屋形様がまことの魔王になり申すか」
信長「都合がいいのは、それをサルが信じてる、ってことだよね」
光秀「さんざんに脅かしてやりましょう」
信長「あいつもともとふんどしにうんこ付いてそうなやつだけど、本当に『うんこなう』にしてやりたいね」
光秀「ははは、豪気でございますな」
信長「そうとでも言ってないと怖いからね。とくに秀吉はガチだからさ。一介の農民から今や国取りを掛けた戦の指揮をするまでに立身出世だからね」
光秀「飽くことのない権力への執念。ある意味、もっとも戦国の世に馴染んだ方でございますな」
信長「侍という生き方を真に理解してないとも言えるけどね」
120:
光秀「ははは、御屋形様からそのような言葉を聞けるとは思いませんでした」
信長「儂、侍は嫌いじゃないよ?」
光秀「まぁ、確かに。家臣達の忠義の心こそ、誠の侍の証でありましょう」
信長「それで迷惑かけちゃってるのは承知で言うけど、たぶんそうなんだと思う」
光秀「で、あれば、やはり引けぬ戦ですな…本能寺や二条御所で討たれた者たちのためにも」
信長「だよねー」
従者「光秀様!夕げの支度が整いましてございます!」
信長「(やべっ!)」サササッ
光秀「そうか、分かった。直ぐに行く」
従者「はっ」
ササササッ
信長「行った?」
光秀「もう大丈夫でございます」
信長「ふぅ」
光秀「さぁ、参りましょう。最後の食事になるかもしれませんからな」
信長「そういうこというの、やめない?」
光秀「なに、侍であればそのくらいの覚悟をもって望まねばなりますまい」
信長「あー、やっぱそうなる、か。儂、戦国嫌いだわー」
光秀「そうもうされましても、な。望むか望まぬかにかかわらず、我らはこうして戦場を駆けるのが定めでございますよ」
信長「ちぇっ…やっぱ天下統一とかダルい。…光秀、今夜儂を暗殺してくんね?」
光秀「何言ってんですか御屋形さま。ほら、食事ですよ」
信長「あー、酒ないの、酒?儂踊っちゃうよ、舞うよ!」
光秀「まぁた敦盛ですか?やめてくださいって」
信長「なんでよ?士気を鼓舞するのが将の勤めだよ。人間?五十年?♪…
光秀「だからやめてくださいってwww」
121:
ときは流れて―――……
天正十二年 三月十三日
尾張 清洲城
家康「んで、羽柴軍の動きはどうなの?」
忠次「今のところ動きはございませんな」
家康「あっそ。そういや、信雄殿どうした?」
忠次「えぇ、とそれが…」
家康「どしたの?」
忠次「なにやら、城中を懐かしそうに眺め回っているようでして…その、懐かしいなぁとかなんとか…あと、能を舞ったり…」
家康「まったく…先輩が頭抱えてたのがわかるよ。安土に火を掛けたのも信雄殿だっていうし…」
忠次「…困ったものですな」
家康「…まぁ、でも、そのおかげで羽柴殿を殴れそうな好機もできたってのはあるけどね」
忠次「しかし、そう簡単な話でもございません」
家康「まぁ、そうだね。秀吉殿は戦上手だからなぁ」
忠次「と、いうより、数を揃えることと裏を斯くのがうまい、と申しますか」
家康「あー、まぁそうだな。戦上手、っていうより、もうちょっと規模が大きい感じ。軍略っていうか」
忠次「そうですな」
家康「まぁ、とにかく警戒は十分に。場合によっては、小牧山城に一気にすすめるから支度だけはさせとくように」
忠次「はっ」
家康「あと、信雄殿は様子見て部屋に戻るように伝えといて。フラフラされると、士気に関わる」
忠次「御意に」
 バタバタバタ
秀一「家康様!」
家康「おー、長谷川っち。どした?」
秀一「その、えぇと…家康様に、是非お目通り願いたい、と申しておるものが来ておりまして」
家康「俺に?誰よ?」
秀一「坊主です」
家康「坊主?なに、勧誘かなんか?そういうの俺いらないから帰ってもらってよ」
秀一「いや、そこをなんとか…一度お話だけでもされてみてはいかがでしょうか?」
家康「イヤだよ。今、戦時だよ?それどころじゃないって」
秀一「しかしっ…!」
家康「なに、長谷川っち、けっこう信心深い方なの?」
秀一「え、えっと…いや、そういうわけでもございませんが…!」
家康「あー、もう、分かった分かった。本当にチラっとだよ?忙しいんだから…」
秀一「ははっ!」
家康「んじゃ、通してー。あ、忠次はもう仕度に回って。頼むな」
忠次「はっ。では、また何かありましたらお呼びください」
トタトタ パタン
122:
秀一「おい、お通ししろ!」
 「はっ」
スー パタパタパタ スー トタン
秀一「家康様。こちら、南光坊天海様と、そのお付きの方々でございます」
家康「あーはいはい、何か用事?ちょっともう忙しいから手短に頼むな」
天海「はい、実は今少し、家康殿にお話がございましてな。あれ、出してください」
家康「…?」
従者「はいはい」ササッ
天海「実は、今、ある男に歴史書を書かせておりましてなぁ」
家康「…歴史、書?」ペラペラ
天海「題にあるとおり、かの魔王信長様に関わるものでございまして…信長様を良くご存知でいらっしゃる家康様に、内容の見聞をお願いしたいと思いましてな」
家康「…あのね、俺今忙しいの。戦中なの。坊さんのあんたには分からないかもしれないけど、俺、三河以外にもいろいろ抱えて割と大変なんだから」
天海「そうですか…これはお忙しいところ、大変な失礼を…」
家康「それにね、この内容だけど、嘘っぱちもいいとこ。先輩は、こんな魔王みたいに偉そうでも残虐でもないから」
天海「むぅ、そうでございましたか…いやはや、しかし…」
家康「わかったら引き取って。でないとあんたの寺を焼き討ちにするよ?」
天海「そうもうされましても、これもまぁ、ぷろでゅーすの一環でございますれば…」
家康「はっ…?」
天海「ですから、ぷろでゅーすの一環である、と」
家康「…!?」
天海「…?」
従者「………ぶふっ、ごめん、我慢できねwww」
家康「まさか…そんな!」
従者「しかしここは変わらないなぁ、あ、そうそう、お市元気?勝家のトコから引き取ってくれたって聞いてるよー」
家康「せせせせ…」
 「せ?」
家康「先輩!生きてたんすか!!!!」
従者「いやぁ、生きてたね。見事に生きてたw」
12

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