ゲンドウ「ゲッターに乗れ。でなければ帰れ!」back

ゲンドウ「ゲッターに乗れ。でなければ帰れ!」


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1:
シンジ「そんな無茶だよ聞いたことも見たことも無いのに!」
ゲンドウ「説明を受けろ」
シンジ「そもそも何で僕なんだよ!」
ゲンドウ「お前で無くては駄目だからだ」
ミサト「シンジ君乗りなさい」
シンジ「そんな!」
ミサト「シンジ君、何のためにここに来たの?だめよ、逃げちゃ。お父さんから、何よりもゲッターから」
シンジ「そんな事言ったって!」
ゲンドウ「葛城二佐」
ミサト「はい?」
3:
ゲンドウ「予備が使えなくなった。君が乗れ」
ミサト「はい!?」
冬月「ゲッターのパイロット不足は深刻だからな」
ゲンドウ「冬月の言うとおりだ。シンジが乗らなければ君が乗るしかない」
シンジ「そんな、どうしてミサトさんが!」
ゲンドウ「パイロットが足りないからだ」
ゲンドウ「何をしているお前はもう用済みだ早く帰れ!」
シンジ「…」
シンジ「(逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだっ!)」
シンジ「やります。僕が乗ります!」
5:
シンジ「これがゲッター?飛行機?」
レイ「…」
ゲンドウ「…」
シンジ「父さん!?何やってるの!?」
ゲンドウ「パイロットが足りない」
シンジ「だからって、何で自分で…!」
ゲンドウ「…」
マヤ「パイロット搭乗完了しました」
マヤ「進路クリアー、オールグリーン!」
リツコ「発進準備完了!」
ミサト「了解。…構いませんね?」
ゲンドウ「…も、もちろんだ。し、使徒を倒さぬ限り我々に未来はない」
冬月「…碇。本当に、これでいいんだな?」
ゲンドウ「…・」
ミサト「良いわねシンジ君」
6:
とりあえず書き溜め上げてく
シンジ「あの、何で父さんが…」
リツコ「シンジ君、今は操縦することだけを考えて」
シンジ「…は、はい…」
ミサト「発進!」
シンジ・ゲンドウ「うわあああああああ!!!!!」
レイ「…」
シンジ「うわっ!うわっ!息が!」
リツコ「大丈夫。すぐに慣れるわ」
ミサト「シンジ君、しっかりして!早く、早く操縦するのよ!」
シンジ「操縦ってそんなこと言われても!」
シンジ「う、うわあ!」
サキエル「シュイン!」
ミサト「シンジ君避けて!」
シンジ「うわあ!」ギュイン!
7:
マヤ「イーグル号回避!」
リツコ「いけるわ!」
ミサト「よし…、シンジ君合体よ!」
シンジ「合体!?操縦方法もわからないのに合体なんて!」
ミサト「シンジ君、ゲッターに操縦方法なんかないわ。ゲッターはね心で動かすの」
ミサト「叫びなさいシンジ君!ゲッターはそれに答えてくれるわ!」
ミサト「信じなさい!自分自身をそして何より、ゲッターを!」
シンジ「ゲッターを…。信じる…」
シンジ「合体だ!」
レイ「ええ」
ゲンドウ「ガハァ!」
マヤ「ジャガー号、パイロット喀血!」
リツコ「だめか!」
マヤ「パイロットもう限界です!」
シンジ「父さん!」
10:
ゲンドウ「…問題ない…。やれ!シンジ!」
シンジ「父さん!」
ゲンドウ「ガハァ!!」
リツコ「パイロットがもう持たない!」
ゲンドウ「シンジ合体するなら早くしろ!」
ミサト「シンジ君やりなさい!」
シンジ「チェーンジゲッター!!!」
シンジ「ワーン!!」
ガシャンガシャンガシャーン!
マヤ「イーグル、ジャガー、ベアー合体完了!」
冬月「勝ったな」
ゲンドウ「ガハァ!」
シンジ「ゲッター1!」
シンジ「(これがゲッター…)」
シンジ「(どうしてだろう何だかとても怖い…)」
13:
ミサト「シンジ君!使徒を倒すのよ!」
シンジ「はい!」
シンジ「うおおおお!!!!」
ガシャンガシャンガシャン
シンジ「(怖い…でも…)」
シンジ「(気持ちが昂ぶる!)」
サキエル「キュイン!」
シンジ「そんな攻撃当たるか!」バッ!
シンジ「ゲッタートマホーーク!!」
シンジ「うおおお!!!」
サキエル「シュイーン!」
カキン!
シンジ「何!?」
14:
リツコ「ATフィールド!」
サキエル「ギュイン!」
シンジ「うわあああ!!!!」
ゲンドウ「ガハァ!」
マヤ「直撃!」
ミサト「駄目だわ、ATフィールドがある限り…」
リツコ「…使徒には接触できない!」
マヤ「ATフィールドを破る方法は!」
リツコ「より強力なATフィールドでしかATフィールドは破れないわ」
ゲンドウ「!」
ミサト「やっぱり、無理だったか…」
リツコ「ゲッターでは…使徒は倒せない…」
ゲンドウ「(絶望した)」
ゲンドウ「ガハァ!」
シンジ「父さん!」
15:
シンジ「(僕がやるんだ。僕がやらなきゃいけないんだ!)」
シンジ「行くぞ!ゲッター!」ガシャン
シンジ「うおおおおお!!!」ダダダダダ!
シンジ「ゲッタートマホーーク!」ブン!
サキエル「シュイーン!」カキン
リツコ「無理よ!ATフィールドは破れない!」
シンジ「そんな壁がどうしたんだ!」グイグイ
シンジ「うおおおおお!!!」グイグイグイ
マヤ「ゲッター1出力増大していきます!…こんなのあり得ません!」
シンジ「皆!行くぞ!」
レイ「ええ」
ゲンドウ「ガハァ!」
シンジ「うおおおおお!!!」グイグイグイ
サキエル「・・・!」ピキピキピキ
マヤ「ATフィールド、破れ始めました!」
16:
サキエル「ギュイン!」
マヤ「使徒攻撃!」
ミサト「シンジ君避けなさい!」
シンジ「逃げる・・・もんか!」ガツ!
マヤ「ゲッター1!頭部で攻撃を受け止めました!」
ミサト「無茶よ!」
シンジ「逃げちゃダメだ!」
サキエル「ギュイン!ギュイン!」
マヤ「使徒連続攻撃!ゲッター1頭蓋前部に亀裂発生!」
リツコ「装甲がもう持たない!」
ミサト「シンジ君一度撤退しなさい!」
シンジ「敵に背中を見せて逃げるなんて出来ません!」
マヤ「ATフィールドに亀裂発生!」
シンジ「うおおおおお!!!もう、一発!!」ブゥン!
サキエル「!」パリン!
17:
マヤ「…ATフィールド消失…しました」
リツコ「あのATフィールドをこんな方法で…」
シンジ「次は!こっちの番だ!」グイ!
ミサト「使徒の腕を掴んだ!」
シンジ「うおおおおお!!!」
リツコ「そんな!腕を折るなんて!」
シンジ「吹っ飛べえ!!」ブゥン!
シンジ「そして…」
シンジ「ゲッタァァァーーー!ビーム!!」バシュゥーー!!
シンジ「くたばれええ!!!」
ドカーン!!
マヤ「目標…、消滅しました」
ミサト「あれがゲッター…」
21:
ユイ「名前、決めてくれた?」
ゲンドウ「ゲッターと名付ける」
ユイ「ゲッター…ゲッター…碇ゲッター…違う」
ユイ「子供の名前よ?」
ゲンドウ「…ああ…」
ユイ「…」ジトーッ
ゲンドウ「…すまない」
ゲンドウ「あっ!」
ゲンドウ「…知らない天井だ…」
22:
シンジ「あの、本当に一緒に住むんですか?」
ミサト「そうよ。一人なんてダメよ」
ミサト「さ、入って」
シンジ「あ、あの…お邪魔します…」
ミサト「シンジ君?ここはあなたの家なのよ?」
シンジ「あっ…、た、ただいまっ」
ミサト「お帰りなさい」
ミサト「ま?、ちょ?っち散らかってるけど、気にしないでね?」
シンジ「(これが?)」
ミサト「(何かキャラ違うわね。もっと取っ付き易い子かと思ってたんだけど。緊張してるのかしら)」
23:
リツコ「あら、貴方もお見舞い?」
レイ「はい」
ゲンドウ「レイも来てくれたのか。すまないな」
冬月「全く、だから止めたのだ」
ゲンドウ「他に手は無かった」
冬月「ふぅ…、おかげで私がゼーレに呼ばれたよ」
ゲンドウ「すまない。冬月世話を掛ける」
ゲンドウ「レイ、体は問題ないか?」
レイ「はい。全く問題ありません」
ゲンドウ「赤木君。シンジは?」
リツコ「ご子息の方も全く問題ありませんでした」
冬月「入院しているのはお前だけだ」
ゲンドウ「…」
リツコ「他にパイロットはいないのですか?」
24:
ゲンドウ「他の人間には無理だ」
冬月「お前にも無理だがな」
ゲンドウ「…」
レイ「…司令は良くやっていると思います」
ゲンドウ「レイ…!」
レイ「年の割には」
ゲンドウ「…」
リツコ「と、とにかくセカンドチルドレンを早く準備しなければなりません」
冬月「彼女は今ドイツだ。到着にはもう少し掛かる」
ゲンドウ「赤木君。それまでに使徒が来る可能性は」
リツコ「MAGIは99,8%と解答しています」
ゲンドウ「…(絶望した)」
冬月「‥ゼーレの相手はもう少し私が変わろう」
ゲンドウ「冬月…世話を掛ける」
26:
ドゴッ!
シンジ「うっ、うわぁ!」
トウジ「すまんなぁ、転校生。ワシはお前を殴らないかん。殴っとかな気が済まへんのや」
ケンスケ「悪いね、この間の騒ぎで、アイツの妹さん、怪我しちゃってさ。・・・ま、そういうことだから」
シンジ「・・・何で僕が殴られなきゃ…」
シンジ「ゲッターのパイロットだからって…」
27:
リツコ「そう言えばシンジ君、転校初日からクラスメイトに殴られているそうじゃない。パイロットのセキュリティ、大丈夫なの?」
ミサト「諜報部の監視システムに問題はないわ。大した怪我じゃないし。それに、プライベートには極力干渉しない方がいいの」
リツコ「一緒に住んでるのに?彼のメンテナンスもあなたの仕事でしょ?」
ミサト「だからこそよ。彼、思ったよりナイーブで難しい…」
リツコ「ナイーブ?彼が?」
ミサト「ええ…内向的というか」
リツコ「内向的?ゲッターに乗ってる時の彼からは信じられないわね」
ミサト「まるで人が変わったようなのよ。最初は緊張してるだけだと思ってたんだけど」
リツコ「ゲッターに乗ると性格が変わる…」
ミサト「そう、そんな感じ」
ミサト「訓練ではどんな様子?」
リツコ「ゲッターに訓練なんて必要ないって司令が」
ミサト「ええ?必要ないことはないと思うわよ?」
28:
リツコ「乗りたくないのよ、司令」
ミサト「ああ…」
リツコ「困ったものね」
ミサト「ATフィールドを物理的に破るほどの性能の代償としてパイロットは極少数…」
ミサト「兵器としての信頼性にちょっち問題ありね」
29:
冬月「碇」
ゲンドウ「冬月か。どうかしたのか?」
冬月「使徒だ」
ゲンドウ「…」
ゲンドウ「今行く…」
30:
ミサト「シンジ君、使徒よ」
シンジ「はい」
ミサト「射出後合体。ゲッター1に変形。ゲッターマシンガンの一斉射で…ちょっとリツコ」
リツコ「どうかした?」
ミサト「本当にこの変なマシンガンでATフィールドが破れるの?」
リツコ「一応数値上はそのはずよ」」
ミサト「…そう…本当かしら…まあ一応そういう感じで(ゲッターに作戦もくそもあったもんじゃないっての)」
シンジ「分かりました」
レイ「了解しました」
ゲンドウ「…」
ミサト「では、ゲットマシン発進!」
ゲンドウ「うわあああ!!!」バシューン!
シンジ「あれが使徒…」
シンジ「合体するよ!」
31:
レイ「ええ」
ゲンドウ「す、少し待てシンジ」
シンジ「どうしたの父さん早くしないと敵が」
ゲンドウ「す、少し待つんだいいか」
レイ「司令。それは命令ですか?」
ゲンドウ「そうだ。命令だ」
ミサト「司令!敵が迫っています!」
ゲンドウ「もう少し待て」
冬月「碇!」
ゲンドウ「す、少し待つんだ」
シンジ「ああ!もういいよ父さん!」
シンジ「チェーンジゲッター!!!」
ゲンドウ「ま、待てシンジ!」
マヤ「シンジ君のイーグルとレイのベアーで司令のジャガーを挟んでいきます!」
リツコ「無理やり合体させる気だわ!」
32:
ゲンドウ「ま、待て!シンジ!」
シンジ「挟んだ!綾波!行くよ!」
レイ「ええ」
シンジ「ワーン!!」
ゲンドウ「ガハァ!」
マヤ「ゲッター1合体成功!」
シンジ「ゲッターマシンガン!!」ダダダダダ!
マヤ「そんな!ATフィールドを貫いていきます!」
リツコ「そんな!あり得ないわ!」
シンジ「うおおおおお!!!」
ミサト「煙で見えない!」
シャムシエル「バシュバシュバシュ!」
シンジ「っ!触手が!」
33:
シンジ「かわせない!」
シンジ「うわぁ!」
ゲンドウ「ガハァ!」
ミサト「シンジ君!」
シンジ「くそ!」
シャムシエル「バシュバシュバシュ!」
マヤ「使徒追撃!」
シンジ「うわあああ!!!」
ゲンドウ「ガハァ!」
マヤ「ゲッター1吹き飛ばされました!」
シンジ「…!」
ミサト「シンジ君のクラスメイト!」
トウジ「う、うわあ!」
ケンスケ「これがゲッター…」
ケンスケ「何かださい」
35:
シャムシエル「バシュバシュバシュ!」
シンジ「うわあ!」
ゲンドウ「ガハァ!」
マヤ「ゲッター1攻撃直撃!」
ミサト「シンジ君!一度撤退しなさい!」
シンジ「でも、逃げたらこいつらが!」
ミサト「…っ。ゲッターと貴方の安全が最優先よ」
ゲンドウ「!」
シンジ「…そうですよね」
ゲンドウ「!」
シンジ「撤退…します」
ゲンドウ「(このままでは私はユイに叱られる!)」
ゲンドウ「シンジ…戦え!」
シンジ「父さん!」
36:
ゲンドウ「撤退は許さん使徒を倒せ!」
レイ「司令。無茶です。もうダメージも限界です」
リツコ「レイの言うとおりです司令!」
ゲンドウ「これは命令だ」
シンジ「…父さん…」
シンジ「逃げちゃ駄目だ…」
ミサト「シンジ君!?撤退するのよ!?」
シンジ「ここで彼らを見捨てたら…!」
シンジ「男じゃない!」
シンジ「綾波!頼む」
レイ「碇君の言葉を聞いてると何だか心がぽかぽかする…」
レイ「だから…私も戦うわ」
シンジ「ありがとう!」
ミサト「レイまで!」
38:
シャムシエル「バシュバシュバシュ!」
シンジ「そんな触手でゲッターに勝てるか!」
トウジ「逃げへんのか!?」
ケンスケ「戦う気なんだ!ダメージも限界のはずなのに僕達の為に!」
トウジ「碇…!」
シンジ「行くよ皆!」
シンジ「ゲッタァァーーービーム!!!」バシューン!
シンジ「触手ごと焼き払ってやる!!」
シンジ「うおおお!!!」
マヤ「ATフィールド融解していきます!」
リツコ「そんな!ありえないわ!」
マヤ「目標…完全に沈黙…」
シンジ「はぁはぁはぁ…」
シンジ「勝った…」
シンジ「ゲッター、ありがとう。僕でも、こんな僕でも守れたよ」
49:
ミサト「どうして私の命令を無視したの?」
シンジ「ごめんなさい」
ミサト「(謝った‥・、やっぱり性格が全然違う)」
ミサト「あなたの作戦責任者は私でしょ?あなたは私の命令に従う義務があるの。分かるわね?」
シンジ「はい」
ミサト「今後こういう事のないように」
シンジ「はい」
ゲンドウ「…シンジ」
シンジ「はい」
ゲンドウ「本当に反省しているのか?」
シンジ「はい」
ゲンドウ「そもそもあれは私の指示だ…」
シンジ「いいんです。僕が」
シンジ「僕が悪いんです」
シンジ「すいませんでした。失礼します」タタタタタ
52:
ゲンドウ「シンジ!」
ゲンドウ「行ってしまった…」
ゲンドウ「…」トボトボ
ミサト「司令!貴方もゲッターに乗っている時は私の指示に従っていただかないと!」
レイ「私も失礼します」
ミサト「レイ!」
リツコ「大変ね」
ミサト「どの子も問題だらけよ」
ミサト「リツコ例の件だけど」
リツコ「ええ、間違いなくシンジ君はゲッターに乗ると性格が変わるわ」
リツコ「というより、シンジ君だけじゃないわね」
ミサト「え?」
リツコ「気づいてないの?司令もそしてあのレイまでもゲッターに乗っている間は性格が変わるわ」
ミサト「確かに言われてみれば…」
ミサト「でも、何でそんな事が?」
58:
リツコ「あくまで仮説に過ぎないけど。一つは使徒との戦闘という極限状態における極度の緊張の影響」
ミサト「もう一つは?」
リツコ「ゲッター線よ」
ミサト「ゲッター線ってゲッターのエンジンに使われてるやつよね」
リツコ「エンジンという言い方は少し語弊があるけれど、まあ簡単に言えばそうね」
リツコ「宇宙から降り注ぎ、ゲッターのエネルギー源となる謎の放射線」
ミサト「あれにそんな働きがあったの?」
リツコ「わからないわ。あくまで仮説よ。ゲッター線に関する事は殆ど分かっていないの」
ミサト「分からない?じゃあ何でゲッターなんて運用出来てるのよ」
リツコ「ある天才学者の論文の通りに使ってるだけよ」
リツコ「碇ユイ。シンジ君のお母さんよ」
ミサト「その人って今…」
リツコ「亡くなったわ」
ミサト「それでシンジ君は…」
リツコ「ええ」
ミサト「なるほどねえ。よく分かんないわ。また分かったら教えて」
60:
シンジ「頑張れた」
シンジ「あんなに頑張れた」
シンジ「僕でもやれるんだ」
シンジ「僕も頑張れるんだ」
シンジ「僕だって誰かを守れるんだ」
シンジ「僕は凄いんだ」
シンジ「父さんだってきっと僕を認めてくれる」
シンジ「でも…」
シンジ「褒めてもらえなかった」
シンジ「頑張ったのに」
シンジ「頑張ったのに叱られた」
シンジ「何でだろう…」
シンジ「なあゲッター」
シンジ「僕は、僕はどうすればいいんだろう」
シンジ「…」
61:
ガタンゴトンガタンゴトン
シンジ「ゲッターが無い僕に存在価値なんてないのかな」
シンジ「僕はゲッターありきなのかな」
シンジ「ミサトさんも父さんもそうだ。所詮は僕をゲッターと同じにしか思ってないんだ」
シンジ「だから皆怒るんだ。だって皆が欲しいのはゲッターだけなんだから。指示に従わないパイロットなんていらないんだ」
シンジ「使徒がいなくなって、ゲッターが必要なくなったら」
シンジ「ゲッターで使徒に勝てなくなったら」
シンジ「そしたら僕はどうなるんだろう」
シンジ「僕は何なんだろう…」
シンジ「僕は…ゲッターなしの僕は?」
シンジ「ゲッターじゃない、僕自身の居場所はこの街にあるのかな?」
ミサト「あの馬鹿。帰らないつもりね」
62:
ミサト「歩いてまわって気は済んだ?碇シンジ君」
シンジ「どうでもよくなりました。何もかも。僕はゲッターに乗って使徒を倒す。ただそれだけの存在でいいんです。その為に父さんに呼ばれたんだから。そうあることを皆願ってるんだから」
ミサト「皆ってあなたはどうなの?」
シンジ「僕はそうあるしか無いんです。僕は僕じゃないゲッターなんだから。だから皆がそう願うなら…」
ミサト「いい加減にしなさい!人のことなんか関係ないでしょ!?ゲッターのパイロットを続けるかどうか、あなた自身が決めなさい。嫌ならここを出て行ってもいい。全てあなたの自由よ。好きにすればいいわ」
シンジ「(出ていけるはず。無いじゃないか)」
シンジ「(ゲッターは僕の唯一の価値なんだから)」
64:
シンジ「君は…」
ケンスケ「ほら早く」
トウジ「悪い転校生!殴って悪かった!」
トウジ「お前に守られてよう分かった。お前は街をちゃんと守っとる!ワシが悪かった!」
トウジ「せやから、ワシを一発殴ってくれ!」
シンジ「そんな事言われても…」
ケンスケ「ま、こういう実直なやつだからさ、頼むよ」
シンジ「良いんだよ。使徒を倒すのが僕の仕事なんだから」
シンジ「僕にはそれしかないんだから」
トウジ「それしかない?それだけでもすごいやないか」
シンジ「え?」
トウジ「ワシらには街を守るなんてとても出来ん。でもそれをお前は出来るんや」
トウジ「それだけで十分すごい。なあケンスケ?」
ケンスケ「ああ。碇は凄いさ。俺も助けて貰ってありがとう」
シンジ「ありがとう…」
65:
シンジ「でも…凄いのはゲッターで」
ケンスケ「ゲッターはパイロットがいなきゃ動かないんだろう?」
シンジ「でも…」
トウジ「いいか転校生!たとえそのゲッターがどんだけ凄かろうが、パイロットが動かなゲッターは動かんのや」
トウジ「そして、命を張ってゲッターに乗ってくれる奴がおるから、ゲッターは戦えて街は守られるんや」
シンジ「でも…僕はゲッターがいなきゃ街なんて守れない」
ケンスケ「ゲッターだって、碇がいなきゃ動けないじゃないか」
シンジ「…そっか」
ケンスケ「ゲッターだってお前を必要としてるんだよ。碇」
シンジ「うん」
トウジ「まあとにかく殴ってくれや。それで貸し借りなしや」
シンジ「うん。じゃあ行くよ」
ドゴォ!
66:
トウジ「ててて、結構いいパンチしとるやないか。じゃあな転校生殴ってすまんかったな!}
ケンスケ「じゃあ頑張ってな碇」
シンジ「うん」
シンジ「ゲッターが僕を必要としてる…」
シンジ「そうか。ゲッターだけでも僕を必要としてくれてるんだ」
シンジ「なら…」
140:
冬月「やはり使徒か」
ゲンドウ「そうだろうか」
冬月「使徒だ」
ゲンドウ「…」
ゲンドウ「赤木君にもう一度確認させる」
冬月「碇」
ゲンドウ「…行ってくる」
冬月「ああ」
145:
マヤ「ゲットマシン各機発進準備よろし」
ミサト「発進!」
ゲンドウ「っ…うわああああ!!!」バシューン!
シンジ「(色々と悩んでいた気がする)」
シンジ「(でももう何もかもどうでもいい)」
シンジ「(ゲッターに乗っていると全て忘れられる)」
ミサト「シンジ君!合体よ!」
シンジ「チェーンジゲッター!!!」
ゲンドウ「ま、待てシンジ」
シンジ「ワーン!!」
ガシャンガシャンガシャーン!
シンジ「ゲッター1!!!」
ゲンドウ「ガハァ!」
マヤ「目標に高エネルギー反応!」
リツコ「まさか!」
146:
ラミエル「キュインキュインキュイン」
ミサト「シンジ君避けて!」
ラミエル「バシューン!」
シンジ「っ!オープンゲット!」ガシャーン!
レイ「散開っ…!」
ゲンドウ「ガハァ!」
マヤ「ゲッター1分離!ゲットマシン、攻撃回避しました!」
ミサト「よし!」
ミサト「各機一時撤退!」
シンジ「そんな敵に背を向けるなんて!」
レイ「碇君」
レイ「敵の戦術が分からない以上戦いようがないわ」
レイ「ここは葛城二佐の指示に従いましょう」
シンジ「綾波…。分かったよ撤退する」
レイ「ええ」
147:
マヤ「待ってください!ジャガーがまだです!」
リツコ「何ですって!」
ミサト「司令は!?」
マヤ「モニター反応なし。生死不明!」
リツコ「まさか…墜落!!」
ラミエル「キュインキュインキュイン」
マヤ「ジャガー狙われています!」
ミサト「機体を強制回収。爆砕ボルトに点火して!」
ドカン!ドカンドカン!
マヤ「救護班直ぐ向かってください!」
リツコ「コックピット強制開放!」
マヤ「パイロット確認心音微弱!」
リツコ「パイロットスーツの生命維持機能最大!心臓マッサージ!」
151:
マヤ「肝機能に異常!」
リツコ「生活習慣病なんてどうにもならないわ!対症療法で対応しなさい!」
冬月「馬鹿め…。飲み過ぎだ…」
ミサト「救護処置急いで!」
152:
シンジ「ヤシマ作戦?」
ミサト「ええ」
ミサト「以前リツコから聞いたことがあると思うけど、ATフィールドを破る方法は基本、それ以上のATフィールドで中和するしかないわ」
ミサト「しかし、我々はATフィールドを発生させられる兵器を持ちません」
ミサト「ならばATフィールドが耐えられないほど強力な攻撃で無理やり突き破るしかない」
ミサト「シンジ君。あなたが普段ゲッターでやっているようにね」
シンジ「つまりこの陽電子砲で敵を貫くってことですか?」
ミサト「そういうこと」
シンジ「…外したらどうなるんですか?」
リツコ「一応盾も用意したから敵の攻撃が止むまで盾で耐え切って」
ミサト「やってくれるわねシンジ君?」
シンジ「(怖い…。逃げたい…でも…)」
シンジ「(僕以外には無理なんだ)」
シンジ「(僕がいなきゃゲッターは動かないんだ)」
シンジ「(じゃあ、やるしかない)」
155:
シンジ「(僕がやるんだ!)」
シンジ「…やります。やらせてください」
ミサト「ありがとう(駄々こねるかと思ったけど…ちょっと吹っ切れたかしら?)」
ミサト「レイも良いわね?」
レイ「はい」
156:
ゲンドウ「嫌だ。ゲッターに乗るのことが」
ゲンドウ「うまく行って当たり前。だから私はいつも叱られる」
ゲンドウ「失敗したら死ぬ。何で私はNERV司令の私がコクピットにいるんだ?」
ゲンドウ「もう限界だ。絶望した」
ユイ「そうやって嫌なことから逃げ出してずっと生きていくつもり?」
ゲンドウ「ユイ…!」
ユイ「息子にばかり強く当たって、自分は弱音を吐いて逃げるの?」
ゲンドウ「ち、違うユイ!そういう意味ではない!」
ユイ「じゃあ何なの?」
ゲンドウ「そもそも私はゲッターの正規パイロットではない!」
ユイ「でも貴方にしか出来ないんでしょう?」
ゲンドウ「それは…私が適格者であるシンジと血縁関係にあるから、他の人間よりはましだというだけだ」
157:
ユイ「でも今は他に誰もいないんでしょう?」
ゲンドウ「そうだが…」
ユイ「もう行かなきゃ…。呼ばれてるの」
ゲンドウ「ユイ!」
ゲンドウ「ユイ!待て!行くな!ユイ!」
ゲンドウ「ユイ!」
ユイ「またね」
ゲンドウ「ユイ!」
159:
ゲンドウ「…!」
ゲンドウ「また同じ天井…。ゲッターに乗るとこればかりだ」
ゲンドウ「…冬月…!」
ゲンドウ「ずっとここに?」
冬月「ずっとではない。ついさっきまでお前の代わりにゼーレの老人たちに付き合ってきたところだ」
ゲンドウ「世話を掛ける…」
冬月「これが明日午前0時より発動されるヤシマ作戦のスケジュールだそうだ。ここに置いておくぞ」
冬月「それと一応食事だ」
ゲンドウ「何も、食べたくない…」
冬月「だろうな。胃と肝臓が相当弱っていたらしい。酒は慎むんだな」
ゲンドウ「…ああ」
冬月「90分後には出発だ」
ゲンドウ「また、あれに乗るのか…」
冬月「ああ、そうだな」
160:
ゲンドウ「…」
冬月「碇…もう少しだ。後少しの辛抱だ」
ゲンドウ「冬月…」
冬月「セカンドチルドレンの到着までに次の使徒が来る可能性。だろう?」
ゲンドウ「ああ」
冬月「MAGIによれば99.3%だ」
ゲンドウ「絶望した」
冬月「お前の苦労はよく分かる…だがな…」
ゲンドウ「…大丈夫だ。問題ない」
冬月「本当にか?体ももう限界だろう?寝ていてもいいんだぞ。他のNERV職員でなんとか代用できない事もない」
161:
ゲンドウ「他の人間ではゲッターは動かん…」
ゲンドウ「私がやるんだ」
ゲンドウ「でないと、ユイにまた叱られる」
冬月「そうか…ならやれ碇」
冬月「では私はもう行くぞ…司令代行も忙しい。私の方こそ胃がやられそうだ」
ゲンドウ「すまない冬月…」
冬月「いいさ。それが私の役目だからな」
163:
ミサト「どう?準備の方は?」
マヤ「なんとかなりましたね。一応装備は揃いました」
ミサト「パイロットも全員揃ったみたいね」
ミサト「では本作戦における各担当を伝達します。シンジ君」
シンジ「はい」
ミサト「ゲッター1で砲手を担当」
ミサト「レイと司令はサポートを」
レイ「はい」
ゲンドウ「ああ」
リツコ「いい、シンジ君。陽電子は地球の自転、磁場、重力の影響を受け、直進しません。その誤差を修正するのを、忘れないでね」
シンジ「誤差修正ってどうやれば?」
リツコ「ゲッターマシンガンと同じ要領でとしか言い様がないわね。そもそもゲッターは初期装備以外の使用を考慮していないの」
シンジ「もし外れたら…」
リツコ「余計なことを考えないで、一撃で撃破することだけ考えなさい」
シンジ「(そんな無茶な…)」
164:
リツコ「ただ一応盾を用意しました。万が一外した場合はこの盾で陽電子砲の防御を行って」
シンジ「陽電子砲を?」
リツコ「ゲッターより陽電子砲の方が遥かに脆いの陽電子砲の安全が最優先よ」
シンジ「…万が一陽電子砲が壊れたら…」
ミサト「(やっぱり根本的なところは変わらないか…)」
ミサト「時間よ。三人とも着替えて」
165:
リツコ「ミサト。あれで本当に良かったの?」
ミサト「あれって?」
リツコ「パイロットの手前、強く言ったけど。あの作戦の成功率わかってるわよね?シンジ君の心配も当然よ」
ミサト「でも他に手が無いじゃない」
ミサト「あのATフィールドをゲッタートマホークで破るよりは現実的な作戦だわ」
リツコ「…信じるしか無いのね。彼らを」
ミサト「ええ。やるだけの事はやった。後は信じるだけよ」
166:
シンジ「これで死ぬかもしれないね」
レイ「貴方が死んだら私も死ぬわ」
レイ「ゲッターは一蓮托生なの」
シンジ「…」
ゲンドウ「シンジ」
シンジ「…父さん…」
ゲンドウ「お前は死なない…ゲッターがお前を守る」
シンジ「ゲッターが…僕を…」
ゲンドウ「それとこれ…お友達からだそうだ」
シンジ「トウジ…、ケンスケ…」
トウジ「あの、鈴原です。碇、いやシンジと呼ばせてくれや。シンジ、ゲッターを操れるのはお前しかおらへんのや。頼むで」
ケンスケ「相田です。碇、頼んだよ」
シンジ「…」
169:
マヤ「時間です」
ミサト「シンジ君。最悪の場合、現場の判断に任せます」
ミサト「この街を守って。シンジ君」
ミサト「では、ヤシマ作戦発動」
シンジ「皆行くよ」
レイ「ええ」
ゲンドウ「‥ああ」
シンジ「チェンジゲッター!」
シンジ「ワン!」
ゲンドウ「っ!」
シンジ「ゲッター1!」
マヤ「ゲットマシン合体完了。陽電子砲装備しました」
170:
ミサト「電力供給は?」
マヤ「後少しです!」
マヤ「第三対地システム攻撃開始!」
マヤ「蒸発しました!」
ミサト「次!悟られるわよ!」
マヤ「第7砲台攻撃開始!」
マヤ「電力供給完了しました!」
ミサト「最終安全装置解除!」
ミサト「撃鉄起こせ!」
シンジ「はい」ガチャン!
リツコ「ここからは全てパイロットに任せます」
ミサト「シンジ君。焦らなくていいわ。確実に当てて」
シンジ「はい」
マヤ「発射準備完了!パイロット、発射どうぞ!」
171:
シンジ「(僕には何の覚悟もない)」
シンジ「(まだ死ぬのが怖い)」
シンジ「(僕は何の価値も無い人間だ)」
シンジ「(でも、ゲッターに乗って街を守ることは出来る)」
シンジ「(ゲッターがいなくちゃ何も出来ない。だけど…)」
シンジ「(ゲッターだってそれは同じなんだ)」
シンジ「(綾波がいて父さんがいて…そして僕がいて…)」
シンジ「(だからゲッターは戦える。街を守るために)」
シンジ「(だから僕も出来る限りの事をしよう)」
シンジ「(トウジやケンスケや綾波やミサトさんやリツコさん…そして父さん)」
シンジ「(皆頑張ってるんだ。だから僕も頑張る…)」
シンジ「(僕だって頑張れるんだ!)」
シンジ「当たってくれ…!」シュイーン!
マヤ「陽電子砲発射!」
ドシューン!
175:
ミサト「やったか!?」
ラミエル「…」
ラミエル「…キュインキュインキュイン」
マヤ「!目標に高エネルギー反応!」
ミサト「外した!?」
シンジ「そんな!」
ミサト「総員直撃に備えて!」
ラミエル「バシューン!」
シンジ「(盾!盾で守るんだ!)」
シンジ「(死にたくない死にたくない!)」
シンジ「うわあああ!!!」
シンジ「くぅぅ…」ジュージュージュージュー
177:
マヤ「ゲッター1盾で持ちこたえています!」
ミサト「シンジ君頑張って!」
シンジ「(頑張ってって…どうすればいいんだよ!)」
シンジ「(頑張ったのに!頑張ったのに!)」
シンジ「うううう!!!」
シンジ「(もうダメだもうダメだもうダメだ)」
シンジ「(やっぱり僕には無理だったんだ!)」
180:
ゲンドウ「…るな!」
シンジ「…父さん?」
ゲンドウ「諦めるなシンジ!」
ゲンドウ「ゲッターを信じろ!」
シンジ「そんなの無理だよ!陽電子砲ももう溶けちゃったし、盾ももう限界だ!そもそもゲッターじゃATフィールドは破れないじゃないか!」
レイ「碇君!」
レイ「信じられないの?お父さんとお母さんの研究が?」
シンジ「父さんと母さんの研究?」
リツコ「シンジ君知らないの?ゲッターは碇司令と貴方のお母さん、碇ユイ博士の研究なのよ?」
シンジ「父さんと母さんの…?」
ゲンドウ「そうだシンジ!」
ゲンドウ「私の事はいい…!母さんだけでもユイのことだけでも信じてやってくれ!」
183:
シンジ「でも、さっき無理だったじゃないか!」
ミサト「シンジ君自分を信じるのよ」
シンジ「自分を…?」
ミサト「他人に委ねて他人を信じて他人に依存するんじゃない。自分自身を信じるのよ!」
ミサト「他人に流されるんじゃない。他人に依存するんじゃない。貴方自身を信じて、貴方自身で決めるのよ!」
ミサト「シンジ君!他人じゃない、貴方自身を碇シンジを愛してあげて!」
シンジ「自分を信じる…。自分を愛する…。無理だよ!だって僕には何もない!僕には何の価値もないんだから!」
ゲンドウ「シンジ、私はこんなどうしようもない人間だ。だがな、シンジ。お前はユイの子供だ。あのユイの子だ。お前はユイの子供なんだ。私の事は恨んでいい、お前を放って息子として扱わなかった私の事は親と思わなくていい。ただ一つ誇りに思ってくれ!」
ゲンドウ「お前はユイの子供だ!そのことだけは誇りに思え!何も無いなんて言うな!ユイが悲しむ!」
ゲンドウ「シンジ!自分の足で地に立って歩け!ユイのために、そして何より自分の為に!」
レイ「碇君。まだ信じられない?自分の事が」
シンジ「だって…僕には何も無いんだ…何もないんだ…」
シンジ「何も無いはずなんだ…」
リツコ「シンジ君、何も無い人間は泣いたり悲しんだりしないわ。だから貴方は違う。だって貴方は今泣いているもの」
シンジ「ぼ、僕が…?泣いて…?」ポロポロポロ
184:
マヤ「盾がもう限界です!退避してください!」
ミサト「シンジ君!戦って!他の誰じゃない、貴方自身の意志で!」
ラミエル「ギュイーン!」
マヤ「盾融解!」
シンジ「うわあああ!!!」
185:
碇 何故ここに子供がいる 今日は大事な実験の日だぞ
シンジ「(副司令…?)」
ごめんなさい冬月先生 私が連れてきたんです
シンジ「(この声は…?)」
ユイ君 今日は君の実験なんだぞ
シンジ「(ユイ…母さん!)」
だからなんです この子には人類の明るい未来を見せておきたいんです
シンジ「(これは…ゲッター!?)」
187:
シンジ「うわあああ!!!」
マヤ「ゲッター1装甲限界です!」
ミサト「シンジ君!」
シンジ「(ゲッターは明るい人類の未来…)」
シンジ「(ゲッターに乗っているのは僕…)」
シンジ「(母さんは僕にゲッターを見せた?)」
シンジ「(僕とゲッターが明るい人類の未来…?)」
シンジ「(そんなの正直ピンとこない)」
シンジ「(でも…)」
信じられないの?お父さんとお母さんの研究が?
シンジ!自分の足で地に立って歩け!ユイのために、そして何より自分の為に!
シンジ君、何も無い人間は泣いたり悲しんだりしないわ。だから貴方は違う。だって貴方は今泣いているもの
シンジ君!戦って!他の誰じゃない、貴方自身の意志で!
この子には人類の明るい未来を見せておきたいんです
188:
シンジ「…」
シンジ「戦うんだ…」
シンジ「皆のために…そして母さんの為に…」
シンジ「そして何より自分の為に!!」
シンジ「ゲッター!!!僕に力を貸してくれ!!」
シンジ「僕は戦いたいんだ!!皆じゃない自分の意志で!!!」
ラミエル「ギュイン!ギュイン!」
シンジ「ゲッタァァァァー!!!!」
ドカーン!!
191:
ミサト「じ、状況は!?」
マヤ「ゲッター沈黙しました!」
ミサト「そんな…!」
リツコ「待って!この反応は!」
ミサト「ゲッターが緑に光って…」
リツコ「ゲッター線…!」
ミサト「あれが!?」
リツコ「間違いないわあれはゲッター線!でも視認できる程高濃度のゲッター線何てあり得ないわ!」
マヤ「!ゲッター動き出しました!」
ミサト「何ですって!?」
ラミエル「ギュイン!」
マヤ「攻撃直撃!」
マヤ「まだ動いています!ダメージありません!」
リツコ「あんな状態の装甲に攻撃を食らって動けるはずない!」
192:
シンジ「(ゲッター…)」
シンジ「動いた…」
レイ「動いてる…」
ゲンドウ「…」
シンジ「行くぞ!ゲッター!!!」ガシャン!
シンジ「ゲッタートマホーーク!!!」ブゥン!
ラミエル「カキン!」
シンジ「ATフィールドごときで…!」
シンジ「僕とゲッターを止められるかあ!!!」グイグイグイ
ラミエル「ミシミシミシ」
マヤ「ATフィールド破れていきます!」
リツコ「馬鹿な!位相空間を歪めるほどのATフィールドよ!」
ミサト「これがゲッター…!」
193:
シンジ「うおおおおお!!!」ググググ
ラミエル「キュインキュインキュイン」
マヤ「使徒攻撃態勢に入りました!」
ミサト「シンジ君避けて!」
シンジ「無理だ!かわせない!」
シンジ「こうなったら…!」
シンジ「ゲッタァァービィーーム!!!」バシューン!
リツコ「使徒のビーム攻撃に対抗するつもり!?」
ラミエル「ギュイーン!」
リツコ「無理よ出力が違うわ!」
シンジ「く…押されてる…」
シンジ「僕は負けられないんだ!勝つって決めたんだ!」
シンジ「皆の為に!そして何より僕の為に!」
シンジ「うおおおおお!!!負けられるかああ!!!」
ラミエル「!」
194:
マヤ「ゲッタービーム出力上がっていきます…!こんなのあり得ません!」
ミサト「シンジ君、やりなさい!使徒を倒すのよ、貴方の手で!」
シンジ「くたばれええ!!!!」
ドゴオオオオオオ!!
ラミエル「!」
ドカーン!!
マヤ「使徒爆散!反応消えました!」
ミサト「やったっ!」
シンジ「はぁはぁはぁ…」
シンジ「母さん、僕やったよ」
シンジ「ありがとう…ゲッター…」
197:
シンジ「綾波…」
レイ「自分には何も無いなんてそんなこともう言わないでね」
シンジ「うん…ごめん。綾波」
レイ「…」トタトタ
シンジ「どこ行くの?」
レイ「司令のお見舞い」
シンジ「…そうか父さんまた入院しちゃったんだ」
ミサト「使徒を倒したってのに何ウジウジしてんの?」
シンジ「だって、僕のせいで父さんが」
ミサト「貴方のお陰で人類が守られたのよ?」
シンジ「…」
ミサト「そんなに自分を責めないで、貴方は人に褒められる立派なことをしたのよ」
ミサト「もっと自分に誇りを持って」
シンジ「…はい!」
ミサト「よし!いい顔じゃない。それじゃあ皆でお見舞い行こっか」
200:
シンジ「…」
ミサト「お父さんのことまだ怖いの?」
シンジ「…いえ…でも何だか…」
ミサト「私にもね父がいたの」
ミサト「貴方と同じで関係は良くなかったわ」
ミサト「でもね、私の父はもう死んでしまったの」
ミサト「だから私と父の関係はもうどうにもならない」
ミサト「でも貴方とお父さんは違うでしょう?」
ミサト「失った時間はまた取り戻せるわ」
シンジ「…はい」
ミサト「焦ることはないわ。ゆっくりゆっくりとまた二人の時間を重ねていけばいいの」
ミサト「貴方によって世界の平和はもうしばらく守られたんだから」
シンジ「…そうですね。行きましょう」
ミサト「よっし、じゃあ行こう!レイも行くわよ」
レイ「はい」
201:
そして時は流れ
冬月「やっとセカンドチルドレンが来るか…」
ゲンドウ「やっとだ…」
ゲンドウ「荷物は今は太平洋上だ」
冬月「結局MAGIの予想は外れたようだな」
ゲンドウ「セカンドチルドレン到着までに使徒が来る可能性か…」
ゲンドウ「あんなものは所詮可能性に過ぎん」
冬月「それにしては随分と真に受けていたな」
ゲンドウ「そんなことはない」
冬月「まあいい。これで私も司令代行から開放される」
ゲンドウ「世話を掛けたな冬月」
冬月「それが私の役目だからな」
204:
太平洋上
アスカ「あんたがサードチルドレン?冴えないわねえ」
シンジ「ど、どうも…」
加持「君が碇シンジ君か」
シンジ「僕の名前…」
加持「君は有名だからね。訓練無しでいきなりゲッターを動かしたサードチルドレン」
シンジ「いや、そんな…偶然です…」
加持「お!葛城じゃないか!」
ミサト「加持君!?」
加持「久しぶりだな」
ミサト「ちょっと寄らないでよ!」
加持「つれないねえ」
アスカ「…何よデレデレしちゃって」
アスカ「水中衝撃波!」
205:
シンジ「あれは!使徒!」
アスカ「あれが使徒…」
アスカ「チャーンス!」
アスカ「サード、ファーストは!?」
シンジ「え?えーと」
レイ「呼んだ?」
アスカ「来たわね!行くわよゲッターチーム!」
シンジ「ちょ、ちょっと待ってよ!ミサトさんの所に戻らないと!」
アスカ「あんたバカァ?」
アスカ「ゲットマシンは戦闘機なのよ?一度水に使ったらもう飛べないわ」
アスカ「そんな事してる間にこの船が沈んだらどうするのよ」
シンジ「それは…そうだけど…」
アスカ「分かったら早く準備!」
レイ「了解」
シンジ「わかったよ」
206:
アスカ「…アスカ、行くわよ」
アスカ「ゲッターチーム発進!」
アスカ「(ここまでは問題ない。訓練通り!)」
アスカ「(でも合体からは分からない‥)」
アスカ「(ダメよアスカ!弱気になっちゃ!)」
アスカ「行くわよ!合体よ!」
シンジ「う、うん!チェーンジ…」
アスカ「あんたバカァ?ゲッター2に決まってるでしょ?」
シンジ「え?」
アスカ「あんた何かに任せられるわけないでしょ!」
シンジ「で、でも惣流初めてなんでしょ?」
アスカ「細かいことはいいの!」
アスカ「さあ行くわよ!アスカ様の初陣よ!」
207:
アスカ「(ゲッターは心で動かす…)」
アスカ「(お願い…動いて!ゲッター!)」
アスカ「チェーンジゲッターー!!!」
アスカ「ツー!!」
ガシャンガシャンガシャーン!
アスカ「ゲッター2!」
アスカ「(よし!出来た!)」
アスカ「行くわよ!」
レイ「ええ」
シンジ「了解!」
加持「あれはゲッター2!」
ミサト「アスカね!」
加持「(海の上で使徒に襲われるとは付いてないと思ったが…)」
加持「(なるほどその為にゲッターを…)」
209:
アスカ「来たわね!」
ガギエル「ゴオオオオオオ!!」
アスカ「美味しく料理して…」
アスカ「上げるわ!」
アスカ「ドリルアーム!!」
ガギエル「ガアア!!」ザバーン!
アスカ「くっ…」
アスカ「(思ってたよりずっと力が強い…やられる…)」
シンジ「(やっぱり初めての惣流じゃ…)」
シンジ「惣流!正面からじゃ無理だ!さを活かすんだ!」
アスカ「うっさいわね!わたしに命令しないで!」
アスカ「ぐぅぅ・・・」
211:
ガギエル「ガァ!」
アスカ「キャ!」
ドバーン!
ミサト「落ちたわよ!」
加持「(アスカのやつ気負い過ぎだ…)」
アスカ「(嘘そんなこの私が…)」
アスカ「(やられる…)」
アスカ「(そんな…)」
シンジ「惣流!オープンゲットだ僕に代われ!」
アスカ「…」
シンジ「クソ!惣流しっかりしろ!」
シンジ「やるしかない!」
シンジ「綾波!少し抜ける!」
レイ「わかったわ。こっちで何とかする」
212:
シンジ「ここを開いて…」
シンジ「(くっ!水が!)」
シンジ「(すさまじい水流だ…。でもやるしかない!)」
シンジ「ジャガー号はあそこか…」
シンジ「とお!!」
シンジ「(コックピットにしがみついた!後は中に入るだけ!)」
シンジ「うおおおおお!!!」ドーン!
アスカ「キャアア!!」
アスカ「さ、サード!何で、何でこんなところに!?」
アスカ「あんた水浸しじゃない!」
シンジ「良いから!操縦桿握って!」
アスカ「え?」
シンジ「なにしてるんだ使徒を倒すよ!」
アスカ「え、ええもちろんよ!(何こいつキャラ全然違うじゃない)」
シンジ「しっかり握って!大丈夫ゲッターと自分を信じるんだ!」
213:
アスカ「うっさいわね言われなくても!」
アスカ「ゲッタービジョン!!」
ガギエル「!」
シンジ「よし逃げきれた!」
アスカ「全く狭いわね!邪魔なのよあんた!」
アスカ「私の邪魔しないで!」
アスカ「後ろががら空きよ!ドリルアーム!!!」
ガギエル「グァァ!!」
アスカ「もういっちょぉ!!!」
ガギエル「グァァァ!」
ドカーン!!
218:
アスカ「よっしゃあ!!!」
シンジ「よし!」
アスカ「…」
アスカ「何くっついてんのよ!この変態!すけべ!」
シンジ「せ、狭いんだからしょうがないだろ!」
アスカ「うっさいわね!そもそも何よ突然入ってきて、あんたの助け何て無くても十分倒せたわ!」
シンジ「…それは悪かったよ」
アスカ「…ふ、ふん!謝るなら許してあげないこともないわよ」
シンジ「でも、惣流が心配だったから…」
アスカ「!…うっさい!」
アスカ「オープンゲット!」
シンジ「う、うわあ急に動かしたら!」
アスカ「知らない!」
アスカ「さっさと降りろ!」ドカッ
シンジ「うわああ!!」ドサッ
219:
シンジ「いてててて」
アスカ「一応…お礼は言っとくわ」
アスカ「確かに私少し取り乱してた…」
シンジ「…」
アスカ「で、でも別にあんたの助けなんていらなかったわ」
アスカ「余計なお世話よ!」
シンジ「うん、ごめん」
アスカ「ふん!」
アスカ「(何か調子狂うわねこいつ!)」
ミサト「あらアスカ。レイから聞いたわよ。シンジ君に助けて貰ったんだって?」
アスカ「な…。ち、違うわよ!こいつが勝手に!」
ミサト「シンジ君も凄いじゃない。荒れ狂う水流の中、アスカを助けに行くなんて」
シンジ「そんな…別に僕は何も…」
アスカ「(またキャラが変わった…)」
アスカ「(もう何なのよこいつ!)」
220:
加持「いやはや、波乱に満ちた船旅でしたよ。やはり、これのせいですか?」
加持「ゼーレが進める人類補完計画…。それを阻止するゲッター計画の要ですね」
ゲンドウ「そうだ。最初のゲッター、プロトタイプゲッター」
ゲンドウ「そのゲッター炉心だよ」
325:
冬月「しかし、MAGIの予測もあながち間違いではなかったな」
ゲンドウ「どういうことだ冬月」
冬月「確かに『セカンドチルドレン到着前』に使徒は襲来したじゃないか」
ゲンドウ「…。冬月」
冬月「今後自分がゲッターに乗る可能性か?」
ゲンドウ「…」
冬月「あまり下らないことにMAGIを使うなと技術部から言われたぞ」
ゲンドウ「下らなくなどない」
冬月「そんな事を調べるより摂生を心がけたほうがいいと思うがな」
ゲンドウ「…気をつける」
冬月「さて、私はそろそろ行く。ゼーレの老人どもに呼ばれているからな。いい加減仕事をしてほしいものだな。司令殿」
ゲンドウ「すまない。冬月」
冬月「それと、あの男だが…」
ゲンドウ「分かっている…まだ泳がせておけばいい。まだ我々にとって利益となる」
冬月「そうか…お前がそう言うならいい」
326:
ゲンドウ「私も少し出かけてくる」
冬月「そうか…もうそんな時期か」
ゲンドウ「私の入院とセカンドチルドレンを向かえにシンジが行ったから、少し遅れてしまったが」
冬月「…もう良いんじゃないか?全てを話しても」
ゲンドウ「…」
冬月「…碇…きっとユイ君もそれを」
ゲンドウ「…冬月先生」
ゲンドウ「…私はもう後には引けないのです」
冬月「…そうか」
ゲンドウ「…行ってきます」
冬月「…ああ」
328:
バラバラバラバラバラバラ
シンジ「…」
ゲンドウ「…」
シンジ「…」
ゲンドウ「…」
ゲンドウ「…久しぶりだな。二人でここに来るのは」
シンジ「…うん」
ゲンドウ「…」
シンジ「…」
ゲンドウ「…着いた。行くぞ」
シンジ「う、うん」
331:
シンジ「…ここに母さんが眠ってる…。何でだろう全然ピンと来ないんだ」
シンジ「…母さんの写真とか無いの?」
ゲンドウ「残っていない。この墓もただの飾りだ。遺体はない」
シンジ「…前言ってたよね。ゲッターは母さんが作ったって」
ゲンドウ「そうだ。ゲッター理論を提唱し、ゲッターの基礎を作ったのはユイだ」
シンジ「…ねえ父さん。ゲッターって他にもあるの?」
ゲンドウ「…何故だ」
シンジ「ヤシマ作戦の時、ゲッター線に包まれながら見た気がするんだ…。母さんとゲッターを。僕の乗ってるのじゃない。もう一つのゲッターを」
ゲンドウ「…ゲッターはあれ一つきりだ」
シンジ「じゃああれは…」
ゲンドウ「ただの夢だ。忘れろ」
シンジ「…そっか」
ゲンドウ「…時間だ。先に帰るぞ。お前は葛城二佐と帰れ」
シンジ「…」
332:
バラバラバラバラバラバラ
シンジ「…ねえ父さん!」
ゲンドウ「…」
シンジ「ゲッターって何なの!?」
ゲンドウ「ただの兵器だ」
バラバラバラバラバラバラ
シンジ「…行っちゃった」
シンジ「…ゲッターは兵器。本当にそうなのかな…」
334:
ブーーーーン
ミサト「急に呼ばれたと思ったらそう…そんなことがね」
シンジ「何で父さん先に帰っちゃったのかな…やっぱり僕のことなんて」
ミサト「そんなことないわ。司令も忙しいのよ」
シンジ「…ねえミサトさん」
ミサト「ん?何?」
シンジ「…ゲッターって何なんですか?」
ミサト「何ってロボットよ?」
シンジ「…そうですか」
ミサト「詳しいことは私も知らないけど。ゲッター線によって稼働するロボット。そのはずよ。気になるの?」
335:
シンジ「ええ…。何だかゲッターに乗ってるとまるで機械じゃないような気がして…」
ミサト「機械じゃない…人間みたいってこと?」
シンジ「人間ともまた違うんです…。何だか大きな意志というか…」
ミサト「大きな意志…ね」
シンジ「すいません何か変なこと聞いて…」
ミサト「何で謝るのよ。気になるならリツコにでも聞いてみたら?NERVでは一番詳しいと思うわよ」
シンジ「…ありがとうございます」
ミサト「(やっぱり性格が全然違う…)」
ミサト「(本人が変わったんだと思ってたけど、やっぱりゲッターに乗ってない時は元のままなのね…)」
ミサト「(ゲッター…確かに気になるわね…)」
ミサト「(…機械じゃなくて大きな意志…か)」
337:
冬月「それで慌てて逃げてきたわけか」
ゲンドウ「逃げたわけではない」
冬月「なあ碇…。もう無理なんじゃないのか?隠し通すのは。既にお前の子供はゲッターの意志に触れつつある」
ゲンドウ「…まだだ。まだ早い」
冬月「碇…いつまでも小さな子どもだと思っていると痛い目を見るぞ」
ゲンドウ「…」
冬月「時間が止まっているのは私達だけだ…ユイ君の死んだあの時からな…」
ゲンドウ「…」
342:
リツコ「ゲッターについて聞きたい?」
シンジ「はい」
リツコ「どうして突然?」
シンジ「ゲッターに乗ってると機械って感じがしないんです。あいつから時々何か意志のような物を感じるんです」
リツコ「意志…ね」
シンジ「ゲッターって何なんですか?」
リツコ「ゲッターは何か…ね」
リツコ「正直私にも分かっていないの。私に分かるのは直し方と動かし方だけ、ゲッター自体が何なのかは何も知らないわ。というか多分誰にも分からないんじゃないかしら」
シンジ「そうですか…」
リツコ「貴方の言うようにゲッターから機械を感じさせない性能を感じることは私も良くあるわ」
リツコ「あれは今までの機械とは違う。私もそんな気がするわ」
リツコ「私から言えるのは…あ、そうだわ」
リツコ「貴方ゲッターの重さって知ってる?」
343:
シンジ「重さ…ですか?」
リツコ「ゲッター1は220t2が200t3は250t」
シンジ「そんなに重いんですか」
リツコ「確かに重いけど・・そこじゃないわ。ゲッターは合体ロボなのよ?」
シンジ「はい」
リツコ「同じゲットマシンが合体してゲッターロボになるのに、重さがそれぞれ違うっておかしいと思わない?」
シンジ「あ…確かに…」
リツコ「私から言えるのはそれくらいね。ゲッターはただの機械じゃない」
シンジ「…そうですか」
リツコ「これ以上は司令に聞くしか無いわね。ゲッターは司令と貴方のお母さんの研究だから」
シンジ「…父にですか」
フィーン!フィーン!フィーン!
リツコ「使徒…ね。いってらっしゃい」
シンジ「はい」タタタタタ
リツコ「ゲッター…確かに気になるわね…」
345:
フィーン!フィーン!フィーン!
ゲンドウ「!」
ゲンドウ「…行ってくる…」
冬月「碇。もうお前の出番はないぞ」
ゲンドウ「!」パァ!
冬月「嬉しそうだな」
ゲンドウ「…あれに乗るくらいならな…」
冬月「別に仕事がないわけじゃないからな。いい加減作戦指揮をしろ」
ゲンドウ「…ああ」
冬月「ゲッターチーム初めての迎撃戦だな…」
ゲンドウ「…問題ない。シンジならやるさ」
冬月「ほう」
ゲンドウ「ユイの子供だからな…」
348:
ミサト「皆集まったわね」
ミサト「今回が第3新東京市での初めての正式なゲッターチームによる迎撃戦よ」
ミサト「皆。ゲッターはチームワークが命よ。皆で協力して戦うのよ」
アスカ「別にこいつらなんていなくても私一人でやれるわ」
ミサト「アスカ。ゲッターは三人いないと動かないのよ」
アスカ「…はーい」
ミサト「では…ゲッターチーム発進!」
バシューン!
アスカ「(今度こそ手柄を立てなきゃ…)」
アスカ「(あのナナヒカリにはでかい顔させないんだから!)」
シンジ「あれが使徒か!皆合体だ!」
アスカ「私に命令しないで!合体よ!」
シンジ「惣流!ゲッター1の方が…」
アスカ「うるさいわね!行くわよ!」
349:
レイ「弐号機の人。ここは碇くんに任せた方が」
アスカ「うるさいわねエコヒイキ!」
レイ「…分かったわ」
アスカ「私が瞬殺してやるんだから!」
アスカ「チェーンジゲッター!!」
アスカ「ツー!!」
アスカ「おりゃああ!!」
アスカ「ドリルアーム!」
イスラフェル「ガァ!」
アスカ「そんな攻撃当たらないわ!」
アスカ「とおおおおお!!」
シンジ「すごい…」
アスカ「ふふん!どうよ!私にかかればこの程度の使徒…」
レイ「!危ない!」
350:
イスラフェル「ギロン」
アスカ「に、二体に分離した!そんなインチキ!」
イスラフェル「ピカ!」
アスカ「きゃあ!!!」
ドッカーン
351:
冬月「無様だな…」
ミサト「申し訳ありません…」
シンジ「それで使徒は…」
冬月「N2航空爆雷で足止めはした。だが再度侵攻までは時間の問題だ」
ゲンドウ「ゲッターチームの諸君」
シンジ「!」
ゲンドウ「こんな醜態を晒す為にNERVは存在しているわけではない」
ゲンドウ「NERVの存在意義は使徒を倒す事だ。ゲッターに乗ることではない。使徒を倒せないパイロットは必要ない」
ゲンドウ「何としてでも使徒を倒せ。いいな」
ゲンドウ「行くぞ冬月」
冬月「ああ」
シューン
352:
アスカ「ちょっとナナヒカリ!アンタのせいで怒られちゃったじゃないの!」
レイ「碇くんは悪くないわ。突っ走ったのは貴方」
アスカ「何よ!エコヒイキ!」
シンジ「ちょ、ちょっとやめなよ二人共!」
アスカ「何よナナヒカリ!そもそもアンタが悪いんでしょ!」
アスカ「あんた達が無能だから私のゲッター2が力を発揮できないのよ!」
シンジ「そんな…」
ミサト「やめなさい!三人共!」ドン!
ミサト「いい!ゲッターは三人いないと動かないの!」
ミサト「その事をもっと良く認識しなさい!」
356:
冬月「碇。もっと言い方は無かったのか?」
ゲンドウ「何がだ」
冬月「あれではまたお前の息子は…」
ゲンドウ「私は別にあいつだけに言ったわけではない。そもそも私は上司としてあいつと接している」
冬月「あの子はそうは思ってくれないぞ」
ゲンドウ「あいつの問題だ」
ゲンドウ「ゼーレの老人たちに呼ばれている。うるさい奴らだが放ってはおけん行ってくる」
冬月「ああ」
シュイーン
冬月「…親子揃って不器用なやつらだ」
358:
ミサト「はぁ…何よこの始末書の山は」
リツコ「どうするつもりなの?」
ミサト「どうするってやるしかないでしょ」
リツコ「違うわ。使徒よ」
ミサト「ああ…使徒ね…」
リツコ「また無策なの?貴方の仕事は始末書を書くことじゃないわよ?作戦部長さん?」
ミサト「分かってるわよ…」
リツコ「そんな貴方にこれ」
ミサト「何よこれ」
マイハニーへ
ミサト「あいつか…」
リツコ「そ、加持君からのデートのお誘いよ」
ミサト「いらない」
リツコ「本当にいらないの?加持君とっておきの作戦を思いついたって言ってたわよ」
ミサト「…行ってくるわ。作戦部長としてね」
360:
ミサト「遅いわね…」
加持「やっ」ダキ
ミサト「きゃっ!ちょっと離して!」
加持「相変わらず昼間からビールか。腹出っ張るぜ」
ミサト「うるさいわね!何よ突然!もう貴方とは何でもないのよ!」
加持「ご挨拶だな。折角こっちが秘策を考えてやったってのに」
ミサト「いきなり後ろから抱きついといて良く言うわね!」
加持「リっちゃんはお前みたいに怒らなかったぞ」
ミサト「ちょ、ちょっとあんたリツコにもやったの!?」
加持「何でお前が怒るんだよ。俺とはもう何でもないんだろ?」
ミサト「…。それで何よ秘策って」
加持「まあちょっと着いて来い」
366:
ミサト「何よこの部屋…ちょっとあんた」ジトー
加持「何だよその目は…」
ミサト「だってあんた昼間からこんな所連れてきて!」
加持「だから違うって。これだよ秘策は」
ミサト「…どういうことよ」
加持「ゲッターは破損により5日間は動かない」
加持「使徒もまた5日動けない。そうだろ作戦部長さん?」
ミサト「ええそうよ」
加持「そして、二体の使徒は一心同体の為、二つのコアを同時に破壊しないと倒せない」
ミサト「ええ…よく知ってるわね」
加持「ゲッターは一つきり、使徒は二体。となれば、ゲッター1機で2つのコアを同時に破壊するしか無い」
ミサト「…まさかゲッタービームで…そんな無茶よ」
加持「ああ、無茶だ。だから別の方法を考えた」
ミサト「何よ…もったいぶらないで早く教えなさいよ」
加持「せっかちだな。まあいいさ。簡単な話さ。2つのコアを同時に破壊できないなら、別に同時に破壊しなきゃいいのさ」
367:
加持「リっちゃんにさっき調べて貰ったら、一つのコアを破壊してからもう一つのコアによってそのコアが修復されるまでに若干のタイムラグがあることが分かった。当然だな、いくら一心同体とは言え、別個体なんだから」
ミサト「まさかあんた…」
加持「ああ。そのまさか。ゲッター2による高攻撃で、コアが修復される前にもう一つのコアを破壊する」
ミサト「そんな!それこそ無茶よ」
加持「MAGIによるとゲッタビームで同時に破壊するよりは成功率が高いそうだ」
ミサト「だからって…!」
加持「ヤシマ作戦」
ミサト「!」
加持「あれのMAGIの予測成功確率、リっちゃんに聞いたよ。お前よくあんな作戦実行したな」
ミサト「…他に手がなかったもの」
加持「今回も他に手はない」
加持「今からゲッターをもう一台作るのは不可能だしな。いや、出来るかもしれないけどパイロットが揃わない」
368:
ミサト「…分かったわそれで行く」
加持「お前のそういう所。俺は好きだよ」
ミサト「で、この部屋は何なの。結局」
加持「つれないねえ」
ミサト「時間がないの。早くして」
加持「ゲッターはチームワークが命。だろ?」
ミサト「ええ」
加持「残念ながら現在のゲッターチームのチームワークは最悪だ。特にシンジ君とアスカのな」
ミサト「まさかあんた!」
369:
加持「察しがいいな」
加持「二人にこの部屋で5日間共同生活をさせて、無理やりチームワークを作る」
ミサト「そんな…あの二人は異性同士よ!それも子供じゃないのよ!もし何かあったら…」
加持「良いじゃないか。それはそれで。体が重なれば、心も重なるさ」
ミサト「あんたね!」
加持「大丈夫だって。シンジ君にそんな度胸はない。というか男は皆臆病なものさ。獣獣と言いながら、中々そういう事は勇気がいるんだよ」
ミサト「あんたが言うと説得力ないわね」
加持「ハハハ。だが、世界の為には男女のモラルなんて気にしてはいられないだろ?」
ミサト「…確かにね」
加持「まあ実行するかはお前次第だ。作戦部長はお前だからな。それじゃ俺は司令に呼ばれてるから」
ミサト「ちょっ!」
ミサト「勝手に行きやがってあの馬鹿!」
375:
アスカ・シンジ「この部屋で5日間一緒に暮らすー!?」
ミサト「ええそうよ」
アスカ「ちょっと待ってよ私達は男と女なのよ!?」
ミサト「ええそうね」
アスカ「もしこいつが私を…お、お…何か変な事して来たらどうするのよ!」
シンジ「変な事って何だよ!しないよそんなこと!」
アスカ「そんな保証がどこにあるのよ!前に学校で鈴原達と変な本見てたくせに!」
シンジ「!あ、あれはトウジ達が無理やり!み、ミサトさん違いますからね!」
ミサト「はいはい。シンジ君も男の子だもんね」
シンジ「ミサトさん!」
アスカ「そもそも普段から私とかミサトの事いやらしい目で見てるくせに!」
シンジ「み、見てないよ!」
アスカ「女はそういうの分かるのよ!」
ミサト「アスカそんな細かい事気にしないの。見られてるって事は自分の容姿が優れてるってことよ」
シンジ「だからミサトさん見てませんって!」
376:
アスカ「そもそもエコヒイキはどうしたのよ!何であいつは一緒じゃないの!?」
ミサト「レイは何か調整があるんですって。出来るだけあなた達と一緒にいるようには言っておいたけど」
アスカ「別にあんなの一緒にいなくていいわよ!」
シンジ「どうしたいんだよ惣流は!」
アスカ「あんたと一緒にいたくないの!」
ミサト「じゃ、まあそういうことだからおやすみー」
シンジ「ちょ、ミサトさん!」
ミサト「夜の間はここ鍵しまってるからね。明日の朝までは出られないから」
アスカ「ミサト!」
ガチャン
377:
ミサト「(さっきみたいなやりとり、ここに来たばかりのシンジ君じゃ考えられないわね…)」
ミサト「(学校でもうまくやってるみたいだし…わりと性格は改善してきてるのかしら)」
ミサト「(相変わらず内向的なのは変わらないけど…それはまあ個性よね)」
ミサト「(ほんっと何なのかしらね。ゲッターって…)」
380:
アスカ「ん!ん!ん!」ガンガンガン!
シンジ「無理だよ惣流。開かないって」
アスカ「はーっ、最悪。何が悲しくてこの私があんたと一緒の部屋で寝なきゃいけないのよ!」
シンジ「文句ならミサトさんに言えよ。僕、シャワー浴びて来るから」
アスカ「待ちなさい!レディーファーストに決まってんでしょ!」
アスカ「覗いたらぶち殺すからね!」
シンジ「…覗くわけ無いだろ死にたくないもん」
アスカ「何か言った!?」
シンジ「何も」
シャーシャーシャー
アスカ「(…)」
アスカ「(私は負けられない。負けられないのよ)」
アスカ「(…)」
382:
シンジ「はぁ…」
シンジ「暇だな…。漫画もゲームもないし」
シンジ「こんな何もない部屋でどうしろっていうんだ」
シンジ「話せって事か…。惣流と」
シンジ「一緒に住んではいるけどあんまり話したことないんだよな…」
シンジ「そう言えばそもそもまだ今日ご飯食べてないし…何か作るか」
シンジ「惣流はまだシャワーか…。一応脱衣所から声かけて、何が食べたいか聞いとくか」
シンジ「惣流ーご飯作るけど何か食べたいもの…」ガチャ
アスカ「キャアア!!」
シンジ「うわあ!!!」
アスカ「ちょ、ちょっとあんた出てきなさいよ!」バババ
シンジ「ご、ごめん!そんなつもりじゃ!」
アスカ「良いから出てけ!」ドゴ!
384:
シンジ「う、うわあ!」ドザッ
アスカ「きゃあ!!」ドザッ
シンジ「…ん?」
アスカ「…」
シンジ「うわあ!」
アスカ「良いから早くどけ!」
シンジ「ご、ごめん!」ガチャ!
シンジ「…」
シンジ「綺麗だったな…惣流…」
シンジ「は!僕は何を!」
シンジ「…はあ…。殺される…」
ガチャ
385:
アスカ「…」ムスー
シンジ「そ、惣流さっきはあの…悪気は無くて…ご、ご飯を作ろうと思って…な、何がいいかなって…」
アスカ「ハンバーグ」
シンジ「へ?」
アスカ「ハンバーグ!」
シンジ「わ、分かった」
アスカ「…」ムスー
シンジ「(やっぱり機嫌悪いな…。そりゃそうだよな僕が悪いんだもん)」
シンジ「出来たよハンバーグ」
アスカ「…」ムシャムシャ
シンジ「ど、どうかな?」
アスカ「…寝る」
シンジ「…」
シンジ「(はあ…)」
シンジ「(シャワー浴びて僕も寝よう…)」
388:
シンジ「(はあ…こんなんでチームワークなんて…)」
シンジ「(困ったなあ…明日からどうしよう)」
アスカ「(…)」
アスカ「(裸見られた…)」
アスカ「(ハンバーグ美味しかったな…)」
アスカ「(人の作ったハンバーグ何て食べたのいつ以来だろう)」
アスカ「(隣のベッドにはあいつがいるのか…)」
アスカ「(誰かを感じながら寝るなんていつ以来だろう)」
アスカ「(私はずっと一人だった…)」
アスカ「(私はずっと一人で…)」
アスカ「(ママ…)」スースースー
389:
アスカ「…マ」グスン
シンジ「(泣いてる…僕に裸見られたから…)」
シンジ「ハァ…」
アスカ「ママ…」
シンジ「!」
アスカ「ママ…私を見てよ…」
アスカ「ねえ…ママ…」グスン
シンジ「惣流…」
394:
チュンチュンチュン
シンジ「!」バサ
シンジ「いないか…惣流」
シンジ「…僕も出かけよう」
加持「や。シンジ君」
シンジ「加持さん」
加持「聞いたぜ。アスカの裸、見たんだって?」
シンジ「!…どこでそれを」
加持「葛城だよ。あの部屋カメラ付いてるから」
シンジ「…僕はどうすればいいんでしょうか」
加持「難しい問題だな。でも多分、その後君の作ったハンバーグを食べたって事はあいつはそれほど気にしてない」
シンジ「…その後寝ながら泣いてて」
加持「泣いてた?」
シンジ「はい…多分その件じゃないと思うんですけど」
395:
加持「と言うと?」
シンジ「こんな事勝手に言っていいのかな…」
加持「秘密は守ろう」
シンジ「ママって、ママ私を見てよって言ってたんです」
加持「…そうか」
シンジ「惣流のお母さんって…」
加持「亡くなっている。ずっと前にな」
シンジ「お父さんは?」
加持「いない。詳しいことは言えないがな」
シンジ「そうですか…。そうか…惣流も…」
加持「ん?」
シンジ「いえ、何でも無いです。それじゃ」
396:
加持「もういいのかい?」
シンジ「はい。行く所がありますから」
加持「アスカなら君の家にいるよ」
シンジ「はい…あの加持さん…ありがとうございました」
加持「ああお安い御用さ」
シンジ「それじゃ」
加持「シンジ君」
シンジ「はい?」
加持「君は優しいんだな」
シンジ「え?いや、そんなこと」
加持「裸を見てしまったことを気に病んでいるし、アスカの寝言を勝手に人に言っていいものか躊躇した。十分に優しいさ」
シンジ「あ、ありがとうございます」
加持「自分を大事に出来る人間にしか人は大事に出来ない」
398:
シンジ「はあ…」
加持「自分に自信を持てきっとそんな君なら、アスカは振り向いてくれるさ」
シンジ「ちょ、そういうわけじゃ!」
加持「ハハハ。それじゃあいってらっしゃい」
シンジ「もう…行ってきます」
加持「…。あれがあの司令の息子か。似ないもんだな」
加持「さてと…準備は周到にしないとな」
ミサト「何でそこまでするの?」
加持「…見てたのか」
ミサト「偶然ね。シンジ君に変なこと吹きこまれたら困るし」
加持「そんな事しないさ」
399:
ミサト「で、貴方がそこまでする理由は何?」
加持「何って使徒を倒すためさ。俺だってNERV職員だぞ?」
ミサト「…」ジトー
加持「…アスカのためさ」
ミサト「アスカの?」
加持「あいつは俺に存在しない父親を重ねてる。いい加減俺から卒業して欲しいのさ」
ミサト「その為にシンジ君を利用するの?」
加持「利用ってひどい言い草だな。まあ否定はしないけど」ピポパポ
ミサト「その電話アスカに?そこまでしなくてもいいんじゃない?」
加持「負け戦は嫌いなんでね」プルルルルル…ガチャ
加持「…ようアスカ」
401:
シンジ「…いた惣流」
アスカ「…ナナヒカリ…」
シンジ「惣流…本当に悪かった。ごめん」
アスカ「…」ドコッ
シンジ「いて!」
アスカ「これで許してあげる」
シンジ「…ありがとう(何故かトウジを感じたけど言わないでおこう)」
アスカ「後…」
シンジ「何?」
アスカ「私のひとりごと聞いてて」
シンジ「ひとりごと?」
アスカ「加持さんに振られちゃったの」
シンジ「!」
アスカ「加持さんね。ガキは嫌いなんだって」
アスカ「いい加減俺から卒業しろって言われちゃった…」
403:
シンジ「惣流…」
アスカ「私ね父親がいないの」
アスカ「だから勝手に加持さんに父親を重ねてたのかもしれない。存在もしないのにね」
シンジ「存在しない?」
アスカ「私のママは精子バンクで精子を買ったの」
シンジ「!」
アスカ「その精子バンクには世界中の優秀な遺伝子が集まってて、利用者も優秀な人間でなきゃいけないの」
アスカ「優秀なママと優秀な遺伝子から生まれたのが私」
アスカ「そして私は4歳でゲッターのパイロットに選ばれて、そっから英才教育を受けたわ」
アスカ「だから私は優秀じゃなきゃいけない。誰よりも」
アスカ「私は負けちゃいけないの」
アスカ「そしてママに振り向いてもらわなきゃいけない」
シンジ「…」
404:
アスカ「でもね。ママは死んじゃった」
アスカ「加持さんにも振られちゃった」
アスカ「私は…私は…!」ポロポロポロ
アスカ「これから何の為に生きればいいの!?」ポロポロポロ
シンジ「惣流…」
シンジ「自分の為に生きれば良いんだよ」
アスカ「…自分の…為?」ポロポロポロ
シンジ「そう。誰の為でもない。自分の為に生きるんだ」
アスカ「自分の為…」
シンジ「そう。自分の為にゲッターに乗って、自分の為に生きるんだ」
シンジ「僕もちょっと前まで何のためにゲッターに乗るのか分かんなかった」
シンジ「でも、最近分かるようになったんだ」
シンジ「自分の為なんだ。僕が僕のために僕の意志でゲッターに乗るんだ」
アスカ「…あんた強いのね」
405:
シンジ「そんなことないよ。全部ゲッターが教えてくれたんだ」
アスカ「…ゲッターが?」
シンジ「そう。ゲッターが」
アスカ「あんなものただの機械じゃない」
シンジ「ゲッターはただの機械じゃないよ」
シンジ「僕を守ってくれるし、色んな事を教えてくれるし。惣流もゲッターに守ってもらったでしょ?あの魚みたいな使徒と戦った時」
アスカ「…」
シンジ「ゲッターを信じようよ。ゲッターは応えてくれるよ」
アスカ「守ってくれて色んな事を教えてくれる…」
アスカ「それじゃあまるで母親みたいね」
シンジ「母親…ゲッターが」
アスカ「…よし!ひとりごと終わり!」
406:
アスカ「私はもう泣かない!もう負けない!」
シンジ「惣流…」
アスカ「何よその目。自分の為よ!私は自分の意志で決めたの!」
アスカ「もうママや加持さんに依存するのは終わり!」
シンジ「自分の足で地に立って歩く…」
アスカ「何よそれ」
シンジ「父さんに言われたんだ。ヤシマ作戦の時に」
アスカ「ふ?ん。あの司令がね」
シンジ「ご、ごめん。こんな話、惣流はお父さんがいないのに…」
アスカ「何謝ってんのよ。もう良いの。私は私の為に生きるんだから。パパもママも関係ないわ」
シンジ「…そっか」
アスカ「辛気くさいわねえ。バカシンジ!」
シンジ「ば、バカシンジ?」
アスカ「そうよ、馬鹿だからバカシンジ」
シンジ「はあ…」
407:
アスカ「その代わりあんたも私の事アスカって呼びなさい!」
シンジ「はあ…わかったよアスカ」
アスカ「よし!じゃあ使徒倒すわよ!」
シンジ「そうだねアスカ」
アスカ「と、その前に…」
アスカ「…」ドコッ
シンジ「いて!」
アスカ「私の裸を見た件はこれで許してあげる」
シンジ「…ありがとう(何故かトウジを感じたけど言わないでおこう)」
アスカ「さあ!行くわよ。レイも呼んで特訓よ!」
アスカ「傷つけられたプライドは!10倍にして返すのよ!」
411:
加持「…アスカ」
アスカ「…加持さん」
加持「(しまったな。気をつけてたのにまさかこんな所でばったり会うなんて)」
アスカ「加持さん今までごめんね」
加持「…別にいいさ」
アスカ「私頑張るから、自分の為に」
加持「…そうか。じゃあもう俺は必要ないな」
アスカ「ええ。しかしこうやって見ると加持さんってあんまりかっこよくないわね」
加持「言ってくれるな」
アスカ「加持さんこそ、この私をこっぴどく振ってくれたじゃない」
加持「それを言われると痛いな」
アスカ「じゃあね。加持さん」
加持「ああ…。またな明日の出撃頑張れよ」
アスカ「さよなら…私の初恋」
412:
ミサト「さあ!いよいよこの日が来たわね」
シュイーン
ゲンドウ「ゲッターチームの諸君」
ミサト「し、司令!どうしてこちらに!今日は不在のはずじゃ」
ゲンドウ「少し時間が空い…」
冬月「ゴホン!ゲッターチームへの激励の為に特別に時間を作ったのだ」
ミサト「そ、そうですか」
ゲンドウ「冬月…何故嘘…」
冬月「ゲッターチームの諸君!司令からの激励だ」パチパチパチ
413:
ゲンドウ「…」
冬月「碇」
ゲンドウ「…前回、少し叱責をしすぎたと思っている。すまなかった」
ゲンドウ「だが。君たちが使徒を倒さねば世界は滅びる。これは明確な事実だ」
ゲンドウ「他の人間では無理だ。君達で無ければ無理なのだ」
ゲンドウ「ゲッターに乗れるのは君たちだけ。私は見ていることしかできない」
冬月「…」ジトー
ゲンドウ「見ていることしかできない!」
ゲンドウ「き、君たちの活躍に期待する」
シュイーン
シンジ「父さん…」
アスカ「司令があんな事言うなんてね」
レイ「そうかしら。司令はいい人よ」
414:
ミサト「ま、まあいいじゃない。さあ!司令の激励で気合はいったわね?」
アスカ「何か普段と違うから逆に気が抜けた」
シンジ「う、うん…。確かにちょっと戸惑ってる」
ミサト「気合はいったわね!」
アスカ「はーい」
シンジ「はい」
ミサト「それじゃあ、出撃よ!」
アスカ「まあ仕事は済ますわよ。自分の為にね」
ミサト「作戦は理解してるわね?」
アスカ「作戦も何も早く動いて早く攻撃するだけでしょ?」
ミサト「ぐ…ならいいわ」
アスカ「よし!それじゃあアスカ様率いるゲッターチーム出撃よ!」
シンジ「うん!」
レイ「ええ」
ミサト「ではゲッターチーム出撃!」
バシューン!
417:
アスカ「いたいた!よーし行くわよ皆!」
アスカ「チェーンジ!ゲッター!!!」
アスカ「ツーー!!!」
アスカ「うおりゃああ!!」
リツコ「今までとは比べ物にならないスピード!これなら行けるわ!」
ミサト「よし!」
アスカ「(もう他人には依存しない…)」
アスカ「私は私のプライドの為にあんたを倒す!」
アスカ「力を貸してゲッター!!!力を貸して皆!」
シンジ「うん!」
レイ「ええ」
アスカ「うおりゃああドリルアーム!!」
イスラフェル「ピカン!」
アスカ「当たるかあ!!」ブゥン
アスカ「まずは一匹!」グイ!
418:
イスラフェル「!」
アスカ「間髪入れずに次!」
アスカ「うおおお!」
アスカ「間に合ええええええ!!!!!」 ザシュ!
シンジ「(頼む間に合ってくれ!)」
レイ「(間に合って!)」
イスラフェル「…」
アスカ「やった!?」
イスラフェル「ギロリ」
シンジ「駄目だ!」
419:
ミサト「くそ、駄目か!一度撤退よ!」
アスカ「いやね、ミサト!」
ミサト「アスカ!」
シンジ「ミサトさん!やらせてあげてください!」
レイ「私からもお願いします!」
ミサト「あんた達…」
ミサト「分かりました。やりなさい!」
アスカ「よし!あんた達が倒れるまで!」
アスカ「何度でも!!」
アスカ「うおおおおお!!!」
アスカ「ドリルアーム!!」ザシュ!
イスラフェル「!」
アスカ「まずは一匹!」
アスカ「次!もういっちょぉ!!!」ブゥン
420:
アスカ「お願いゲッタァァー!!!!!!」ザシュ!
リツコ「ゲッター線の濃度が!」
イスラフェル「…」
アスカ「今度こそ!」
イスラフェル「!!」
ドカーン!
アスカ「よっしゃああ!!!」
シンジ「よし!」
レイ「やった!」
ミサト「…あの子達」
ミサト「良くやったわ!帰還しなさい!」
421:
アスカ「バカシンジ!」
シンジ「何?」
アスカ「今日ハンバーグ作って!」
シンジ「うんいいよ」
アスカ「やった!」
レイ「碇君私もハンバーグ食べたい」
アスカ「なら、レイも家に来なさい」
レイ「いいの?」
アスカ「当たり前じゃない。あんたもゲッターチームの仲間なんだから」
レイ「ありがとう」
アスカ「よーし!今日は私主催のハンバーグパーティよ!」
シンジ「…作るのは僕だけどね」
アスカ「うるさいわね!細かいことはいいのよ!」
レイ「フフフフ」
422:
冬月「やったな。お前の息子達は」
ゲンドウ「ああ」
冬月「あの激励のおかげだ」
ゲンドウ「…あの激励本当に意味があったのか?」
冬月「お前はもう少し、人を育てるということを学んだほうがいい…」
ゲンドウ「そうだろうか」
冬月「トップとしての自覚がなさすぎるぞ」
ゲンドウ「…ちなみにあそこで嘘をついた意味は?」
冬月「…しばらくこのまま私が司令代行のままの方が良さそうだな」
ゲンドウ「…すまない冬月」
冬月「本当だ」
529:
アスカ「使徒を捕まえるー?」
リツコ「ええそうよ。先ほど浅間山の火口内で使徒の胎児が発見されました」
リツコ「よってこれを捕獲し、使徒の研究に役立てます」
シンジ「でも火口の中なんですよね?どうやって捕まえるんですか?」
リツコ「ゲッター2ならマグマの中でも短時間なら活動できるわ」
レイ「…」
ミサト「というわけで、ゲッター2で使徒を捕獲します。それじゃあ皆浅間山に行くわよ」
530:
レイ「あの…」
ミサト「ん?どうかした?」
レイ「使徒がすごく重くて牽引できなかったら…」
ミサト「んー。まあ大丈夫でしょ。出来れば捕まえたいけど、どうしても無理なら別に倒しちゃえばいいし」
レイ「…」
アスカ「どうしたの?レイ。早く行くわよ?」
レイ「…ええ」
シンジ「…綾波?」
レイ「…大丈夫よ」
アスカ「何か変なの。まああんたはいつも変だけど」
シンジ「別にいつも変じゃないよ」
アスカ「何よ。またあんたレイの肩持つわけ?」
シンジ「何でアスカが怒るんだよ」
アスカ「…知らない!」
シンジ「ちょ!アスカ!」
533:
アスカ「ここが浅間山…熱いわね」
リツコ「活火山ですもの」
ミサト「さああんた達!とっとと終わらせて温泉行くわよ!」
アスカ「温泉!?」
ミサト「ええそうよ。経費でぱーっとやってあげるわ」
アスカ「やった!」
シンジ「温泉かー。楽しみだね綾波」
レイ「…ええ」
アスカ「何かあんたいつにもまして辛気くさいわねえ」
レイ「…そんなことないわ」
アスカ「まあいいわ。今日の使徒もこのアスカ様が秒殺して上げる!」
シンジ「捕まえるんだからね。アスカ」
アスカ「うるさいわね!バカシンジ!」
ギャーギャーギャー
535:
マヤ「何だかすっかり仲良くなりましたね。ゲッターチーム」
リツコ「ええそうね」
マヤ「しかし、経費で温泉ですかー。楽しみだなあ」
リツコ「出ないわよ」
マヤ「え?」
リツコ「そんなことに経費が出るわけないじゃない」
マヤ「じゃ、じゃあ…」
リツコ「どうせ意気揚々と経理部に乗り込んで行って、突っ返されるわね」
マヤ「つまり葛城二佐の自腹…」
リツコ「まあ気付かなかったふりをしておきましょう。私達に被害は無いわけだし」
マヤ「…先輩黒いですね」
リツコ「そうかしら?」
541:
何か盛り上がってるところ申し訳ないが俺にその辺の設定と絡ませる腕はなかった
ゲンドウ「それで今ゲッターチームは浅間山にいるのか」
冬月「らしいな。なんでも火口で使徒の胎児が見つかったとか」
冬月「浅間山…懐かしいな。あの頃は若かった」
ゲンドウ「ああ…あそこで研究に明け暮れた日々が懐かしい」
冬月「ん…火口…」
ゲンドウ「どうかしたのか冬月」
冬月「まずいぞ碇!あそこには!」
ゲンドウ「…?」
冬月「あそこには試作ゲッター炉心が!」
ゲンドウ「試作…ゲッター炉心?」
冬月「…ボケが来たのか碇」
ゲンドウ「プロトタイプゲッター炉心のことか?」
544:
冬月「違う!ユイ君が最初に試作した宇宙開発用のゲッター炉心の事だ!」
ゲンドウ「!」
冬月「何故気づかなかった!あれとパイロットが接触したらまずいことになるぞ!」
ゲンドウ「浅間山ゲッター線研究所…」
冬月「やっと思い出したか!すぐに我々も浅間山に向かうぞ!」
ゲンドウ「シンジまでゲッターに…シンジまでゲッターに…」
冬月「落ち着け碇!大丈夫だ、試作ゲッター炉心ならそこまでまずいことにはならん」
ゲンドウ「…ゲッター私からシンジまで奪うのか…」
冬月「落ち着け!大丈夫だ!」
ゲンドウ「…だ、大丈夫だ。も、問題ない」
冬月「良いから行くぞ碇!」
ゲンドウ「ああ。約束の時だ。全てを終わらせよう」
冬月「まだだまだ早い!落ち着け碇!」
546:
ミサト「いい?アスカ。いくらゲッター2といえども、火口に入っていられる時間は極僅かよ」
アスカ「分かってるわよ。うるさいわね」
アスカ「このアスカ様に任せなさい!」
ミサト「それでは…ゲッターチーム出撃!」
バシューン!
アスカ「チェー―ンジゲッター!!!」
アスカ「ツー!!」
アスカ「行くわよアスカ!自分の為に!」
アスカ「とりゃああ!!」
シンジ「ここが火口の中…暑くない?」
アスカ「馬鹿ねあんた。暑かったら死んじゃうでしょ。ゲッター2の耐熱皮膜でちゃんと守られてるのよ」
シンジ「そっか…」
レイ「いたわ!」
サンダルフォン「…」
アスカ「あいつね…」
550:
アスカ「よし!捕まえた!」
アスカ「一気に引き上げるわよ!」
サンダルフォン「!」
シンジ「あ、アスカ!」
サンダルフォン「ガー!」ブゥン
アスカ「きゃあ!」ドカッ
シンジ「アスカ!大丈夫!?」
アスカ「あったりまえでしょ!かすっただけよ!」
アスカ「ドリルアーム!!」ブゥン
アスカ「とりゃああああ!!!」
サンダルフォン「!」ブゥンスカッ
アスカ「かわされた!?」
レイ「マグマの影響で動きが鈍くなってるんだわ」
アスカ「チッ!ちょこまかと!」
552:
アスカ「うらあああ!!!」
サンダルフォン「!」ブゥンスカッ
アスカ「きりがない!」
シンジ「ほんとだよ…ハァハァ‥」ダラダラ
アスカ「全く…ハァハァハァ」ダラダラ
レイ「!おかしいわ暑すぎる!」ダラダラ
アスカ「へ?そりゃマグマだもん。熱いわよ…あー!あーつーいー!」ダラダラ
シンジ「ほんとだ…!ハァハァハァ、耐熱皮膜は!?」ダラダラ
レイ「ハァハァハァ、さっきの…攻撃でやられたんだわ」ダラダラ
シンジ「アスカ!撤退だ!」ダラダラ
アスカ「へ?撤退?…わたしは…わたしのために‥たたかうの!」ダラダラ
レイ「暑さでおかしくなっちゃってるわ」ダラダラ
シンジ「きっとジャガーが一番熱がこもりやすいんだ!」ダラダラ
レイ「…困ったわね…ここでオープンゲットするわけにもいかないわ」ダラダラ
555:
シンジ「アスカ!しっかりしてよ!」ダラダラ
アスカ「へー?わたしはーしっかりーしてるわよー!」ダラダラ
アスカ「しっかしあるいわねーこのすーつ」ヌギヌギ
シンジ「わ!あ、アスカ!カメラで見えてるんだよ!?」ダラダラ
アスカ「なによみたいの?しょうがないわねーしんじになら…いいわ」ヌギヌギ
レイ「碇君。見ちゃ駄目よ」ギロリ
シンジ「う、うん…」ダラダラ
レイ「見ちゃ駄目よ」ギロリ
シンジ「う、うわ!使徒!」ダラダラ
サンダルフォン「グガー!」
シンジ「避けてアスカ!」ダラダラ
アスカ「へ?」ダラダラ
レイ「アスカ!!」ダラダラ
アスカ「へー?」
556:
サンダルフォン「グガガ!!」ドゴ!
アスカ「うわああ!!ゆれるー!」
シンジ「うわああ!!」
レイ「きゃあ!」
シンジ「アスカ!しっかりしてよ!」
アスカ「ええー?」
サンダルフォン「グガー!!」
レイ「装甲がもう持たない!もう終わりよ!」ダラダラ
シンジ「そんな…ゲッタァァー!!!!」
ドクン…ドクン…
ピカーーー!!
レイ「緑の光!」
シンジ「ゲッターも光ってる!共鳴してるんだ!」
アスカ「へー?…!」バァッ!
サンダルフォン「!」スカッ
558:
アスカ「何よ!あっついわね!」ダラダラ
シンジ「アスカ!気づいたの!?」
アスカ「へ?何よバカシンジ…って何よこのこの格好!」
レイ「碇君…。見ちゃ駄目って言ったわ」ギロリ
シンジ「い、今のはしょうがないじゃないか!」
アスカ「み、見るなバカシンジ!」
シンジ「そんなことよりアスカ!撤退してよ!」
アスカ「言われなくても!」
アスカ「うおおお!!!最大出力!!」
アスカ「いっけええ!!!」ザバーン!
サンダルフォン「グガー!」ザバーン!
アスカ「よーし行くわよ!…ってあれ」フラ
シンジ「暑さで体力を消耗しちゃったんだ!ここは僕が!」
レイ「いえ碇君。ここは私に任せて」
シンジ「綾波!」
559:
レイ「遠距離攻撃主体のゲッター1では一瞬で隙をつかれてまた火口に逃げられるわ」
レイ「ここは私が格闘戦で…!」
アスカ「…頼んだよ…レイ」
レイ「ええ頼まれたわ」
アスカ「オープンゲット!」
ガシャーン!バシューン!
レイ「チェーンジゲッター…!!」
レイ「スリー!!」
ガシャーン!ガシャーン!ガシャーン!
レイ「ゲッター3!」
サンダルフォン「グガー!」バシュー!
レイ「逃がさないわ!」ガシッ!
レイ「掴んだ!離さないわ!」
レイ「このまま地面に叩きつける!」
ドシッ!
561:
バラバラバラバラバラバラ
ゲンドウ「シンジは!」
冬月「あれは…ゲッター3!」
ゲンドウ「レイか!」
冬月「どうやら何とかなったようだな」
ゲンドウ「ああ…」
サンダルフォン「…グガァ…」
レイ「まさに陸に上がった魚ね」
レイ「これで止めよ!」ガシッ
レイ「大雪山おろし!!」ブゥン!
サンダルフォン「ガアアア!!」
ドッカーン!
562:
冬月「あの技は…」
ゲンドウ「大雪山おろし…ユイ…」
ゲンドウ「今帰った」
ユイ「あら、遅かったのねあなた」
ゲンドウ「あ、ああ。学会が長引いてな」
ユイ「あらご苦労様でした。上着貰うわ」
ゲンドウ「ああ…」バサ
ユイ「…」
ゲンドウ「今日は魚か」
ユイ「貴方」
ゲンドウ「!」ビクゥッ!!
566:
ユイ「これは何かしら?」ギロリ
ピンクな名刺
ゲンドウ「…!!そ、それは!」
ユイ「貴方?」
ゲンドウ「ち、違うんだ!そ、それは冬月先生が!む、無理やり…!」
ユイ「じゃあ何故学会だなんて嘘を?」
ゲンドウ「そ、それは!き、君に余計な心配を…か、かけまいと!」
ユイ「…貴方?」ギロリ
ゲンドウ「!…ま、待ってくれ!わ、悪かった!私が悪かった!」ビクッ
567:
ユイ「…」ガシッ!
ゲンドウ「う、うわああ!!!」
ユイ「…」グイッ
ゲンドウ「あの小娘めえ!!!名刺はいらないと!!!いらないと言っただろう!!!!!」
ユイ「…大雪山おろし!!」ブゥン!
ゲンドウ「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」
ドカッグシャベコッグニュッ!
ゲンドウ「…」ピクピク
569:
ゲンドウ「…今思い出すだけでも恐ろしい記憶だ…」ブルブルブルブル
冬月「碇…お前が私の名前を出したせいで、何の関係も無い私まで死にかけたんだからな」ブルブルブルブル
ゲンドウ「被害が半分になるかと思ったんだ」ブルブルブルブル
冬月「違うな…あれは」
冬月・ゲンドウ「2倍になる」
冬月「フフフ…」
ゲンドウ「フフフ…」
冬月「懐かしいな」
ゲンドウ「ああ。全ては過去だ」
573:
冬月「碇…。お前家族を温泉に連れて行ったことはあるのか」
ゲンドウ「…ないな」
冬月「息子と行って来い」
ゲンドウ「ああ…そうだな」
冬月「そうだ…」ゴニョゴニョ
ゲンドウ「…?何故そんなことを?」
冬月「いいからやれ」
ゲンドウ「…分かった」
ゲンドウ「…ということで、NERVでこの温泉を貸しきった」
ゲンドウ「諸君。日頃の疲れを存分に癒してくれ」
574:
ミサト「やったー!」
アスカ「貸し切りよ貸し切り!」
シンジ「すごいね…NERVって」
レイ「やっと汗が流せるわ」
ミサト「今日は飲むわよー!!」
ゲンドウ「…」ズイズイズイ
ミサト「!…し、司令?何か?」
ゲンドウ「…」ズイズイズイ
冬月「馬鹿め…」ハァ
ゲンドウ「…」ピタ
シンジ「と、父さん?」
ゲンドウ「シンジ」
シンジ「う、うん」
575:
ゲンドウ「風呂に入ろう」
シンジ「へ?」
ゲンドウ「嫌か?」
シンジ「い、いやいいけど。それだけ?」
ゲンドウ「ああ」
シンジ「あ、そう」
ゲンドウ「行くなら行くぞ」
シンジ「う、うん」
冬月「あいつは息子を風呂にさえまともに誘えないのか…」
ミサト「さ、さてと私達も行きましょう!」
アスカ「そうね」
レイ「ええ」
576:
冬月「…そう言えばゼーレから呼ばれていたな…」チラ
シンジ「それでね父さん学校でさ」
ゲンドウ「そうか…勉強はしているのか?」
シンジ「う、うん」
ゲンドウ「しっかり勉強しないと母さんのような立派な科学者になれないぞ」
シンジ「う、うん。頑張るよ」
ゲンドウ「運動はしなくていいからな」
シンジ「え?何で?」
ゲンドウ「…遺伝していると困るからな」ブルブルブルブル
シンジ「え?」
冬月「…」
冬月「私が行くか…」
580:
シンジ「(父さんとお風呂に入って食事して…)」
シンジ「(こんなのこの街に来る前は考えられなかったな)」
シンジ「(ゲッターのおかげだ)」
シンジ「ありがとう…ゲッター」
シンジ「…」ドカッ
シンジ「いててて…」
アスカ「バカシンジ!卓球やるわよ!卓球!」
シンジ「はいはい」
アスカ「何よその気の抜けた返事は。この私が誘ってあげてんのよ?」
シンジ「今行くよ」
アスカ「早く来なさいよー!!!」
シンジ「ありがとう…ゲッター」
587:
先に言っておく俺はアスカ派だ言うまでもないと思うけど
おまけ
アスカ「ふん!」カコン!
シンジ「えい!」カコン!
アスカ「とお!」カコン!
シンジ「…」カコン!
シンジ「(アスカ…浴衣が捲れて色っぽいな…)」
アスカ「あっぶない!!!」カコン!
シンジ「(ああ!そんなに腕を開いたら肩が落ちて…)」
シンジ「ゴクリ…」カコン!
アスカ「とお!!」カコン!
シンジ「…」カコン!
シンジ「(僕見たんだよな…アスカの裸…それも二度も…)」
シンジ「(こう見るとアスカって可愛い‥よな)」
588:
アスカ「とおお!!」カコン!
シンジ「(もうちょっときわどいコースに)」
シンジ「…」カコン!
アスカ「っ!!」カコン!
シンジ「(見えた!!)」カッ!
レイ「碇君」ジトー
シンジ「はっ!」
レイ「…」ツカツカ
シンジ「な、何?綾波」
レイ「…」ガシッ
シンジ「ま、待ってよ綾波!」
レイ「…大雪山おろし」ブゥン!
シンジ「うわあああ!!!」
ドカッグシャベコッグニュッ!
シンジ「…」ピクピク
589:
ゲンドウ「…シンジ」
ゲンドウ「あれが大人になるいうことなのか…」
ゲンドウ「…ユイ…すまない…」
アスカ「え?どうしたのレイ」
アスカ「え?へ?えぇ!?//」カァッ
アスカ「ちょ、ちょっとバカシンジ!!」
アスカ「死ね!!」ガシッ!
シンジ「ハッ!」カッ!
シンジ「いて!!」
シンジ「(蹴りの瞬間…!)」
シンジ「(見えた…!!)」
ゲンドウ「…!」
ゲンドウ「復活が早い…!」
ゲンドウ「これが進化‥ゲッターに選ばれた証か…」
591:
おまけ2
シンジ「…アスカに散々殴られた…」
シンジ「頭がガンガンする」
シンジ「寝られない…」
シンジ「少し歩いて来よう」ガバ
シンジ「…」トコトコ
シンジ「‥!アスカ」
アスカ「‥バカシンジか」
シンジ「…どうしたのアスカ?」
アスカ「ねえバカシンジ…」
シンジ「え?」
アスカ「あんたレイとはもうキスしたの?」
シンジ「ええ!?」
アスカ「どうなのよあんたら付き合ってるんでしょ?」
シンジ「そんなわけないよ!僕があの綾波となんてそもそも付き合ってもいないよ!」
593:
アスカ「ふ?ん…」
アスカ「他に誰かと付き合ってんの?」
シンジ「そんなわけないだろ」
アスカ「そっか…誰かと付き合いたいとか思わないの?」
シンジ「…思わないことはないけど…相手もいないし」
アスカ「…この鈍感」
シンジ「え?」
アスカ「ねえ、キス…してみる?」
シンジ「へ!?」
アスカ「私とキス、してみる?」
シンジ「…(逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ)」
シンジ「い、いいの?」
アスカ「…」
シンジ「(目閉じてる…)」
594:
シンジ「(何だか分からないけど…)」
シンジ「(ここで行かなきゃ男じゃない!)」
シンジ「(トウジ…ケンスケ…)」
ケンスケ「うひょお!!いいっすなあー!!」
トウジ「『私とキス…してみる?』かぁ!わしもこんな場面に遭遇してぇ!!」
ケンスケ「ほんと、ほんと。なあ碇?」
シンジ「うん…そうだね」
ケンスケ「そして何でここでこの主人公は断るんだよこのヘタレ!」
トウジ「なんて奴や据え膳食わぬは男の恥!」
ケンスケ「その通りであります!この時を逃してはあるいは!」
ケンスケ「なあ、トウジこのクラスだったら誰にこんなこと言われたい?」
トウジ「かぁ!悩むなあ!碇はどうや!」
シンジ「僕は…う?ん」
595:
ケンスケ「綾波か?惣流か?」
トウジ「意外といいんちょとかか?」
ヒカリ「こら!鈴原!」
トウジ「バレた!」
ケンスケ「逃げろ!」
アスカ「どうしたのヒカリ?」
ヒカリ「また鈴原達が…」
アスカ「!バカシンジ!」
シンジ「な、何で僕!?」
トウジ「お、落ち着けいいんちょ!」
ヒカリ「さいってい!」バチン!
アスカ「死ね!バカシンジ!」ドカッ
596:
シンジ「…」
シンジ「(僕行くよ!トウジ、ケンスケ!)」
シンジ「…」スッ
ゲンドウ「…」ガバ
ゲンドウ「シンジ…」
ゲンドウ「どこへ行った」
ゲンドウ「探すか…」
シンジ「…」ガシッ
アスカ「…」ピクッ
シンジ「…」
アスカ「…」
シンジ「…」
597:
アスカ「…バカシンジ!冗談よ!」バチン!
シンジ「うわ!」ズルッ!
アスカ「きゃあ!」ズル
ドカッ
シンジ「…ててて」
アスカ「…」
シンジ「…!」
シンジ「(転んだ拍子に上着がはだけて…)」
シンジ「ゴクリ…」
アスカ「…」
シンジ「…」
アスカ「…」
シンジ「…」
ゲンドウ「…」
598:
シンジ「…」
アスカ「…」
ゲンドウ「…シンジ」
シンジ「!」ガバッ!
ゲンドウ「…何をしている」
シンジ「と、父さん!これは事故で!」
アスカ「…」
シンジ「僕にそんなつもりは一切!」
アスカ「どけバカシンジ!!」ドコッ
シンジ「うわあ!!」
ザバーン!
ゲンドウ「許せ…ユイ」
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