西住みほ「優花里さんの部屋って戦車の模型がたくさんある」ベキッバキッボキッ!!!back

西住みほ「優花里さんの部屋って戦車の模型がたくさんある」ベキッバキッボキッ!!!


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1:
秋山宅 優花里の部屋
好子「じゃあ、ごゆっくり」
華「……良いご両親ですね」
麻子「……」
沙織「それにしてもゆかりん、どこに行ったのかな? 家は出たって言ってたけど」
華「心配ですね」
みほ「優花里さんの部屋って戦車の模型がたくさんある。こういうのってよく分からないけど、珍しいのとかもあるんだよね?」
麻子「みたいだな。限定生産で手に入らない物もあったりするらしい」
みほ「へぇー。あ、こっちの戦車珍しい――」ガッ
麻子「あ」
みほ「きゃ!?」ガシャーン!!!
沙織「みぽりん!?」
華「大丈夫ですか!?」
みほ「いたた……。あー!? 大変!! 模型が落ちちゃった!!」
麻子「何故、何もないところで躓けるんだ」
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2:
みほ「みんな、ごめんね」
沙織「気にしない、気にしない。でも、戦車の模型壊れてない?」
華「あ、あのぉ……。転輪が……とれてしまっている戦車が……」
みほ「えー!? あー!! どうしよう!! あの!! 今すぐ買ってきます!! 優花里さんが帰ってきたら説明しておいて!! 私がちゃんと謝るから!!」
麻子「待て。これは買いなおす必要はなさそうだ」
みほ「ほ、本当、麻子さん?」
麻子「これはここにはめればいい」カチッ
華「あ、くっつきましたね」
麻子「ほら、ちゃんと履帯も一緒に動く」
沙織「あせったー。勝手に友達の家のものを壊すとかないもんね」
麻子「これは大丈夫だ」
みほ「はぁ……よかったぁ……」フラッ
ベキッバキッボキッ!!!
みほ「……」
沙織「ん? なにかな、いまのおと?」
4:
華「み、みほさん……あ、あしもと……」
みほ「……」
麻子「割れてしまっているな。これは流石に直せない」
みほ「……」
沙織「と、とりあえず、お茶でも飲もうよ。落ち着こう、落ち着けばなんとかなるって」ズズッ
みほ「……麻子さん、この戦車は?」
麻子「M60A1AVLB」
みほ「華さん、この模型が入っていたで箱はありますか?」
華「え、えーと、あ、ありました!! ここに!!」
みほ「同じものはありますか?」
華「え? あぁ……み、見当たりません……」
みほ「ということは品薄の商品だった可能性がある……。沙織さん、すぐに戦車道ショップに在庫があるかどうか調べてもらえますか? 多分、ネットで調べれば分かるはずです」
沙織「う、うん!! ちょっとまって!! ケータイで調べてみる!! 戦車道ショップの在庫ね!! オッケー!!!」ポチポチ
麻子「西住さん、素直に謝ればきっと許してくれる」
みほ「謝るのは勿論だけど、ちゃんと弁償しないと」
6:
麻子「それにしても架橋戦車まであるとは」
華「このような戦車は有名なのですか?」
麻子「どうだろうな。私には判断がつかない」
みほ「くっつけー……くっつけー……」カチャカチャ
麻子「西住さん、それは無理だ」
沙織「みぽりん!!!」
みほ「どう!?」
沙織「無いみたい……」
みほ「本当にないか、小売店に問い合わせてみます!! 電話番号!!」
沙織「は、はい!! えーと!! あった!! 言うよー!!」
華「どうなってしまうのでしょうか……」
麻子「もしこれが限定品なら謝って済む問題ではないかもしれないな」
華「そ、そんな。優花里さんならきっと許してくれます」
麻子「許してはくれるだろうが……問題はそのあと……」
みほ「も、もしもし!! すみません!! あの!! お聞きしたいことがあります!! 大至急!!」
7:
みほ「そうですか……ありがとうございます……。お忙しいところ、申し訳ありませんでした」
沙織「みぽりん、どうだったの?」
麻子「沙織、分かりきったことを聞いてやるな」
沙織「で、でもぉ」
みほ「二週間前に売れちゃったみたい……。オンライン注文があったみたいで……」
華「誰かがネットで購入したということですね?」
みほ「うん……」
麻子「他に在庫がある場所は?」
みほ「限定生産で……100個しか……ないって……」
麻子「たった100……」
沙織「なんだぁ、結構あるじゃん。それじゃあ、探せば見つかるって」
麻子「何を言っているんだ。100個なんて少なすぎる。そんな商品が買えるとすれば……」
みほ「ネットオークション……」
沙織「それだぁ!! ちょっと待って!! 調べてみるから!!!」ポチポチポチ!!!
麻子「買える値段ならいいがな……」
9:
沙織「一件ヒット!!! あったよ!! みぽりん!!」
みほ「ホント!?」
沙織「えーと、値段はぁ……15万……!!」
みほ「15……万……!!」
沙織「これは桁が間違ってるね。0が一個多いよ。それでも高いけど」
麻子「そんなものだ。世の中には転売屋も多いからな」
みほ「大丈夫。貯金を崩せばなんとかなるよ」
沙織「まって!! まって!! それはやりすぎだってばぁ!!」
みほ「だけど!!」
優花里「よいしょっと」ガラッ!!
沙織「わぁ!? ゆかりん!? なんで窓から入ってくるのよぉ!?」
優花里「あれぇ? みなさん、どうしたんですか?」
みほ「あぁ……あの……優花里さん……」
優花里「でも、丁度良かったです!! みなさんに是非、見てもらいたいものがあるんですよぉ!! サンダース大付属のことがよく分かる映像なんですけど」
麻子「そんな映像があるのか?」
10:
優花里「――以上です!! どうでしたか!?」
麻子「なんという無茶を」
華「携帯電話が繋がらないと思ったら、こんなことを……」
優花里「すみません。偵察中に音が鳴ると困るので」
沙織「怪我はしなかった?」
優花里「はい。心配をおかけして申し訳ありません」
みほ「優花里さん……」
優花里「西住殿。オフラインレベルの仮編集ですが、参考になさってください。サンダース戦、がんばりましょう!!」
みほ「あ、ありがとう。優花里さんのおかげでフラッグ車も分かったし、頑張って戦術立ててみる」
優花里「いやぁ、そんなぁ。西住殿からお礼なんて。うれしいですぅ」
みほ「……」
沙織「みぽりん」
麻子「ここで謝っていたほうがいい」
華「わたくしもそう思います」
みほ「うん。分かってる」
11:
みほ「あ、あの!」
優花里「はい。なんでしょうか」
みほ「あのね……その……とっても言い辛いことなんだけど……」
優花里「なんですか。水臭いですよ、西住殿。なんでも言ってください。今からもう一度、サンダース大付属に行けと言われれば行きますから!!」
みほ「……」
優花里「西住殿?」
みほ「こ、これ!!」
優花里「え……」
みほ「あの!! 私の不注意で、踏んで、壊れた戦車です!!!」
優花里「あ、これ……」
麻子「限定生産の奴。一応、探してみたんだが、どこにもなくて」
華「あの、みほさんはわざとじゃありませんから!! 手で触れてとかもなくて!! ただ転んでしまって、そのあと踏んでしまって……!!」
沙織「そ、そうそう!! いつものあわあわしたみぽりんが顔を出してしまっただけなの!!」
みほ「ごめんなさい!! ごめんなさい!!」
優花里「……」
12:
みほ「さ、沙織さん!! やっぱり私、いってくる!! 今ならまだ郵便局は開いてるはずだから!!!」
沙織「ま、まって!! みぽりん!! あまりにも大金すぎるから!! ちょっと落ち着こう!!」
みほ「優花里さんの気持ちを考えればたかが15万……!!」
華「みほさん!! その潔さは尊敬に値しますが、もう少しよくお考えになってからでも遅くありません!!」
麻子「秋山さん……」
優花里「……」
みほ「行かせて……!! 沙織さん……!!! 郵便局が閉まっちゃうから……!!」
沙織「まってってばぁー!!」ギュゥゥ
優花里「西住殿!!」
みほ「は、はい!!」
優花里「気にしないでください。形あるもの、いつか崩れるといいますから。この子はそれがほんの少しだけ早かっただけです」
みほ「優花里さん、でも……」
優花里「そんなことよりもみなさんが私の部屋に遊びにきてくれた上に、心配までしてくれたことで胸がいっぱいですから!!」
麻子「無理してないか?」
優花里「ぜーんぜんしてません。それに私なんかのために西住殿が大金を出す必要もありませんよ。私のことは気にしないでください」
13:
みほ「優花里さん……ごめんなさい……」
優花里「いえいえ!! 私のほうこそ気を遣わせてしまって!! すみません!!」
みほ「……」
優花里「あ、えーと、飲み物のおかわりなんかはいりますよね!! 今、お持ちしますね!!」
みほ「あ……」
華「優花里さん、壊れた戦車を見たとき悲しそうな目をしていました」
沙織「うん……」
麻子「まぁ、今現在のところオークションで買うしかないからな。量産されているものならよかったのに」
華「それになにより、模型の戦車のことを「あの子」と言っていましたから、可愛がってもいたはずですね」
みほ「わ、わたし……なんてこと……を……」フラフラッ
沙織「みぽりん!! ふらふらしない!! また悲劇が起こるから!!」
みほ「大切な友達を傷つけた……」
麻子「共に大きな傷を負ったな」
華「ですね……」
沙織「どうしたら……どうすることもできないよね……。ゆかりんが許してくれたから、この話はここで終わっちゃうし……」
15:
優花里「おまたせしましたぁ」
みほ「あ、ありがとう……」
優花里「いえ」
沙織「あ、ゆかりん! アルバムみてもいいかな!?」
優花里「いいですよ。どうぞ」
沙織「ありがとう!!」
みほ「……」
優花里「西住殿。忘れてください。いつまでもそのような顔をされると私のほうが困ってしまいます」
みほ「だけど、私、優花里さんに酷いことを……」
優花里「西住殿……」
みほ「友達にこんなことして……わたし……」
優花里「あの、私はずっと戦車だけが友達だったんです。だから、こうしてみなさんが部屋にいるだけで、すっごく楽しくて嬉しいんです。これは本心ですから」
みほ「ありがとう……優花里さん……」
沙織「ホントだぁ。戦車と写ってるのばっかり」
優花里「いやぁ、お恥ずかしい。私のことを友達と呼んでくれたのは、みなさんが初めてなものでして」
19:
麻子「このパンチパーマではな」
沙織「戦車の所為で友達がいなかったというよりは、この髪型の所為かも」
優花里「でも、中学からは今の髪型ですよ」
華「それで……あの……」
優花里「はい! 1人も友達はできませんでした!!」
沙織「元気よくいうことじゃないと思う……」
優花里「本当なら戦車道のある学校へ入学できればよかったのですが、親の反対と学力の問題がありまして」
華「そ、そうですか」
麻子「人にいうことじゃないと思うが」
優花里「え!? あ、そうですか!? すみません」
沙織「ゆかりんはゆかりんで大変だったってことだよね」
優花里「そうでもないですよ。私にはこの子たちがいましたから」
華「戦車ですね」
優花里「一つ一つが大事な宝も……あ、いえ!! ただの模型ですから!! はい!!」
みほ「……」
20:
優花里「碌なおもてなしもできずにすみません」
沙織「全然、楽しかったよ!」
華「また、お邪魔してもよろしいでしょうか?」
優花里「はい!! いつでもお待ちしています!!」
麻子「それじゃ、また来る」
みほ「お邪魔、しました……」
沙織「明日は朝練だからねー!」
優花里「はぁーい!! わかってまーす!! また明日ー!!」
沙織「バイバーイ!!」
麻子「……どう見ても空元気だな」
華「そうですね……。見ているだけで痛々しくて……」
沙織「でも、私たちが気にしてたら余計にゆかりんを困らせることになるし、なるべく話題にしないようにするしか……」
麻子「それはそうだが」
みほ「あの、私は寄るところがあるから。それじゃ、また明日!」
沙織「あ、ちょっと!! みぽりん!?」
21:
翌日 学校
みほ「はぁ……」
沙織「おっはよ、みぽりん」
みほ「おはよう……」
沙織「眠そうだね。昨日、どこいったの?」
みほ「色々と探し回ってみたんだけど、どこにも置いてなくて……」
沙織「や、やっぱり。そりゃないって、100個限定なんだし」
みほ「うん……。ネットでも探しまわったけど、やっぱりオークションしか……」
華「みほさん。15万円を払えるからといって、それを優花里さんに渡してしまうのはあまりよくないと思います」
みほ「分かってる。私だって、そんなことされても困るだけ。それも友達からなんてとても受け取れない」
華「模型戦車のコレクターがいて、同じ戦車を譲ってもらえればいいのですが」
沙織「それがゆかりんなんだよね」
華「そうですね……」
みほ「コレクター……。そうか。その手があった!! ありがとう、華さん!! 色々、聞いてみる!!」
華「だ、誰にですか!?」
22:
生徒会室
杏「模型戦車のコレクター?」
みほ「はい。会長なら顔も広いし、誰か知っているかと思って」
杏「まぁ、何人かは知ってるけど」
みほ「お願いします!!」
杏「秋山ちゃんの戦車を壊したのかぁ。そりゃ一大事だ」
みほ「はい。だから、絶対に必要なんです」
杏「でも、その戦車、限定なんでしょ。多分、簡単には譲ってくれないと思うよ」
みほ「そ、そのときはお金での解決を……」
杏「だったら、オークションで買っちゃえばいい」
みほ「……確かに」
杏「西住ちゃんは謝って、秋山ちゃんは許してくれた。それでいいじゃん?」
みほ「ダメです!! 優花里さん、とっても悲しそうにしてて……」
杏「とりあえずさ、もうすぐ試合だしあんまりぎくしゃくされるのは困るから、ある程度の手助けはするよ。でも、引き摺らないほうがいいと思うなぁ、私は」
みほ「……お願いします」
23:
昼休み
沙織「みっぽりん! お昼ごはんにいこ――」
みほ「ごめんなさい!! 優花里さんのところに言ってくる!!」
沙織「みぽりん……」
華「私たちでできること、何かあるでしょうか」
沙織「壊れた模型は直せないし、新しいものは手に入らないし。お手上げじゃない?」
華「うーん……」
麻子「沙織、五十鈴さん」
沙織「おー。麻子ー。珍しいね。どうしたの?」
麻子「朝練のときから考えていたんだが、放課後も練習しないか?」
華「放課後もですか?」
麻子「もっと早く動けないと西住さんの足を引っ張るだけになるからな」
沙織「麻子ぉ……そんなこと考えてくれてたんだぁ……。えらい!!!」
麻子「でも、西住さんに言うと絶対に付き合ってくれるから、内緒で」
華「はいっ! そうですね。わかりました。あとは優花里さんにもお伝えしないと……」
25:
廊下
みほ「優花里さん、どこにいるんだろう……? そうだ。携帯にかけてみれば」
みほ「――話中か。はぁ、教室にもいないし……食堂にいるのかな……」
おりょう「西住隊長。こんなところでなにをしているぜよ?」
みほ「あ、みなさん」
左衛門佐「これから一緒に昼食でもどう?」
エルヴィン「食事をしながらサンダース戦の会議なんてのもいいかもしれない。良策が生まれそうだ」
カエサル「確かに。ナポレオンも軍隊は胃袋で動くといっていたほどだからな」
みほ「それは使い方が少し違うような」
カエサル「そう?」
おりょう「で、どうするぜよ?」
みほ「あの、ごめんなさい。優花里さんを探していて……」
左衛門佐「……そうか。なら仕方ない」
カエサル「また戦車道の時間に」
みほ「はい」
26:
格納庫
沙織「あ、ホントにいた」
優花里「みなさん。いらっしゃいませ」
麻子「いつもここで食べているのか」
優花里「いつもではないですよ。時々ですね。戦車と一緒にいると落ち着くので」
沙織「……」
華「あの。みほさんとはお会いになりましたか?」
優花里「え? いえ。さきほど、着信があったのですが……」
麻子「どうした?」
優花里「なんだか……その……」
沙織「話し辛いの?」
優花里「西住殿が私のことを気にしてくれているのはとても嬉しいのですが、どうしていいのか、何を話していいのか、わからなくて……」
華「優花里さんは昨日のことはもう……」
優花里「あぁ! それはなんとも思っていません。本当です。いえ、ほんの少し、本当に少しだけ悲しいですけど、西住殿がわざと壊したわけでもありませんから。だけど……そのぉ……」
麻子「気まずくなるのはわからなくもない。西住さんもかなり落ち込んでいるからな」
27:
優花里「こういうこと初めてで……もうどうしていいやら……」
華「難しいですね」
麻子「喧嘩をしているわけでもないし、問題は解決してるのにな」
優花里「すみません……。友達に慣れていなくて……」
沙織「結局のところ、ゆかりんは何を気にしてるの? みぽりんがいつも以上に優しくしてくれるところ?」
優花里「あ、はい。そうですね。恐縮してしまいます」
沙織「じゃあ、みぽりんにこれ以上、ゆかりんに優しくするなと言いますか」
麻子「やめろ。西住さんがストレスで倒れるぞ」
華「ただでさえ公式戦で緊張もしていることですし」
優花里「そ、そうですよね。ここで私が逃げても西住殿に心労を与えてしまうだけ。電話してみます!!」
麻子「だが、秋山さんがどんな言葉を並べても西住さんは同じ戦車が手に入るまではこのままのような気もするな」
沙織「それは困るよ!!」
華「試合に大きく影響してしまいますよね」
優花里「……そうだ!! 私が15万で同じ戦車を落札してしまえばいいんですよぉ!! お小遣いを2年分ぐらい前借りすればいけます!!!」
沙織「何も解決してないから!! それみぽりんの傷を抉るような行為だから!! やめてぇ!!!」
28:
優花里「そうですかぁ。こまりましたぁ」
麻子「……よっと」
沙織「麻子、どこいくの?」
麻子「用事を思い出した」
華「用事ですか?」
麻子「じゃ、またあとで」
沙織「う、うん」
優花里「はぁ……わたしが……あの西住殿を困らせてしまうなんて……!! 一生の不覚です!!」
沙織「みぽりんがもう少し楽にしてくれたらいいんだけどね」
華「それができる人なら、きっと大洗には来ていなかったのではないですか?」
沙織「そっか。ああいう性格だから、戦車道を一度離れちゃったのかな」
優花里「西住殿……うぅぅ……。電話をしたい……でも……指がうごかない……」
沙織「みぽりんからもう一度掛かってくるかもしれないけど、どうなんだろう」
華「そうですわ。優花里さんにお伝えしておかないと。放課後、残って練習をしませんか?」
優花里「練習ですか? はい、喜んで!」
29:
教室
みほ「……優花里さんからかかってこなかったなぁ」
みほ「どうしよう……。これから優花里さんとは事務的な会話しかできなくなったら……」
みほ「そんなの嫌……せっかく、仲良くなれたのに……」
桃「西住」
みほ「はい!?」
桃「な、何を驚いている?」
みほ「ご、ごめんなさい。ちょっと考え事をしてて」
桃「会長から渡すようにと言われた」
みほ「これは……?」
桃「模型戦車コレクターの連絡先だ」
みほ「わぁ……こんなにいるんだ……」
桃「話は聞いた。試合のほうは大丈夫だろうな?」
みほ「は、はい! それは……多分……」
桃「……まぁいい。今日の訓練でそれは分かるだろう。頼むぞ、西住隊長」
30:
廊下
優花里「ダメです。西住殿は通話中です」
沙織「タイミング悪いね。私とゆかりんが話してるときにみぽりんが電話してきて、今度はみぽりんが電話中なんてさぁ」
優花里「これは神様がもう私と西住殿の絆を引き裂こうとしていとしか思えません!!」
沙織「そんなことないない」
優花里「武部殿ぉ……」ギュッ
沙織「気にしすぎだから!!」
華「あの、あそこ、廊下の端にいるのみほさんではないですか?」
沙織「本当だ。……なんであんなにペコペコ頭さげてるの?」
華「誰かと電話しているようですね」
優花里「うぅ……」
沙織「こら、私の後ろに隠れないの!」
優花里「でも……」
華「とにかく近くまで行ってみませんか、優花里さん」
優花里「は、はい……」
31:
沙織「誰と話してるのかなぁ。彼氏だったりして」
優花里「えぇ!? まぁ、西住殿ならそうした関係の人がいてもおかしくはないですよね……」
華「なら、あんなにも頭を下げるのはおかしいでしょう」
優花里「西住殿……」
みほ「あぁ、あの……あの……戦車を……ゆ、ゆずって……ほしくてですね……すみません……」
みほ「あ!? す、すみません!! 西住みほといいます!! あの、会長の角谷杏さんから紹介を、は、はい!! そうです!!」
みほ「そ、それで……その、あの数量限定のM60AVLBを……。あの、はい、えぇ、だ、ダメですか? ですよね……あ、いえ、そこをなんとか、私の友達のために……あぁ……きれちゃった……」
みほ「ふぅー……。よし、次!」
沙織「もしかして、模型戦車を持ってる人に直接交渉してるの……?」
華「そうみたいですね」
沙織「引っ込み思案なみぽりんじゃ、交渉なんて絶対に無理だよぉ。現にすごい勢いで断られてるみたいだし」
華「それでも優花里さんのためにそこまで……」
沙織「無理するところがみぽりんらしいといえばらしいけど」
優花里「……」
32:
みほ「はぁ……全滅……。優花里さんになんていえば……」
沙織「あちゃぁ……。生気が抜けちゃった……」
華「希少価値が高いものですし、そう簡単に譲ってはもらえません。みほさんでなくても結果は一緒だったかと」
沙織「そうだろうね」
優花里「うぅ……」
沙織「ゆかりん!?」
優花里「うぅ……ぐっ……うぅぅぅ……」
華「ど、どうされたのですか?」
優花里「私……私……もう西住殿になんといえばいいのか……わかりません……」
沙織「ゆかりん……」
優花里「こ、んなに……わたしのこ、と……おもって……く、れ……てい、る……なん、て……」
沙織「ちょっと、ゆかりん、こんなところで泣いたら……みんな見てるし……。もー」ギュッ
優花里「うぅ……うぅぁ……ぁぁ……」
華「みほさんが納得する答えはどこにあるのでしょう」
沙織「結局はそこなんだよね……」
33:
みほ「あ、そろそろ授業始まっちゃう。行かなきゃ」
華「みほさんが行ってしまいましたよ。いいのですか?」
沙織「これから戦車道の時間だし、嫌でも顔を合わせるから」
優花里「えぐ……ぐす……だげべどにょ……」
沙織「ちょ!? ゆかりぃ!! 鼻水がすごいことになってる!!」
優花里「すびばぜん……」
沙織「あぁ、はい、このハンカチ使って」
優花里「じ、じぶんのをつかいます……ありがとうございます、たけべどの……」
沙織「持ってるんだ」
華「わたくしたちも行きましょうか」
沙織「そうだね。急ご」
麻子「行くぞ」
沙織「麻子!? いつからそこに!?」
麻子「西住さんが頭を下げているのを見てた」
沙織「そうなの? 結構前からいたんだ」
34:
演習場
みほ「あ。優花里さん」
優花里「西住殿……」
みほ「あ、あのね……その……」
優花里「もういいんです!!」
みほ「え?」
優花里「西住殿の優しさ!! 寛大さ!! 慈愛の心!! よく分かりました!!!」
みほ「えっと……」
優花里「不肖、秋山優花里!! 一生、西住みほ殿についていきます!!!」
みほ「えぇ……な、なにが、あったの……?」
沙織「みぽりんが男前だからだよ」
華「あ、それはそうかもしれませんね」
みほ「お、男前って!?」
カエサル「……?」
桃「おい!! 授業は始まっているぞ!! 静かにしろ!!」
35:
?号戦車内
みほ「敵車輌、確認。撃てー!!」
華「はいっ!!」
みほ「……麻子さん、止まってください」
麻子「ほいっ」
沙織「かえるぴょこぴょこむぴょこぽこ!!」
麻子「沙織、何をしている」
沙織「通信手が伝えなきゃいけないことを噛んだら大変でしょ? だから練習中なの」
麻子「そうか。がんばれ」
沙織「ありがとう!! かえるぴょこぽこむぽこぽこ!!」
みほ「優花里さん」
優花里「な、なんでしょうか!?」
みほ「今のままでも戦えるけど、できればもう少し早い装填をお願いします」
優花里「はい!! がんばります!!」
みほ「ありがとう。では、続けましょう。麻子さん、お願いします」
36:
放課後
桃「それでは本日の練習を終了する!! 解散!!」
「「お疲れ様でした」」
みほ「お疲れ様」
沙織「ホント、疲れたぁ」
みほ「何か食べて――」
沙織「え?」
みほ「あ、ううん。私、先に帰るね」
沙織「う、うん」
みほ「さよならっ」
麻子「……では、私たちは練習を続けるか」
優花里「はい!! やりましょう!!」
杏「ちょっといい?」
沙織「なんですか?」
杏「西住ちゃんの様子はどうなのかなって思って」
37:
麻子「様子といわれても、いつも通りだったが」
杏「そうなの? 万事解決、オールオッケーってこと?」
優花里「はい。戦車の中ではいつもの西住殿でした!!」
杏「じゃ、いっかぁ。かわしまぁ、こやまぁ、かえろー」
桃「はっ」
柚子「はぁーい」
華「みほさんのことはやはりみなさん気になりますよね」
麻子「西住さんは私たちの要だからな」
沙織「……」
カエサル「西住隊長に何かあったのか?」
沙織「え? ああ、うん。でも、もうなんともないから」
カエサル「そうはいかない。説明してほしい」
沙織「で、でも」
優花里「いいじゃないですか。隠すほどのことでもありませんし。私が話します」
カエサル「お願い」
38:
カエサル「――そんなことが」
優花里「全ては私の不徳の致すところだったです。すみません」
カエサル「私は何も解決していないと思う」
優花里「え……!? な、なぜですか!?」
カエサル「壊した模型戦車のためにそこまで悩んでくれたわけだろ。もう気にするなと言ったところで西住隊長は得心することはないんじゃないか」
華「それは……」
麻子「まぁ、そうだろうな」
沙織「ちょっと、麻子!」
麻子「沙織だってそれぐらいは分かってるはずだろ?」
沙織「そ、そうだけどぉ……」
麻子「問題の戦車はもう手に入らない。大金を叩けばいいが、それだとまた別の問題が起こるのも事実だ」
優花里「はい。絶対にそんなの受け取れませんし……」
カエサル「苦しむには死ぬことよりもっと勇気がいる。西住隊長はすごい人だ」
沙織「でもさぁ、解決できないことをいつまでも引き摺るのは……よくないと思うんだよね……。こういうのは切り替えていくことも大事だし」
カエサル「模型のことは良くわからないけど、壊れた戦車がM60AVLBだったらM60の模型を改造して作ることはできないものなのか? 市販のものとは別になってしまうけど」
39:
優花里「か、改造ですか。シザース式の橋を自作となるとかなりの手間になりますね」
カエサル「そこは西住隊長との共同作業だろう」
優花里「きょ、共同作業……!? わ、私と西住殿が……!?」
沙織「できるの、ゆかりん?」
優花里「材料があれば、できなくもないですね」
華「その材料や改造の手順なんかは分かりますか?」
優花里「ネットや書物を漁ればなんとかなるかもしません」
カエサル「もしかしたら西住隊長の心の枷はそれで外れるかもしれないな」
優花里「カエサル殿……!! ありがとうございます!!!」
カエサル「いや、別に。私としても西住隊長が悩んでいるのは嫌だからね」
沙織「ありがとう」
麻子「……とりあえず、練習するぞ」
華「そうですね!! わたくしたちにはやるべきことが多いです!!」
優花里「もえてきましたぁ!!!」
カエサル「――もしもし。私だ。そっちは?」
41:
戦車道ショップ
みほ「これ……それとも……こっち……?」
みほ「やっぱり、こっちにしようかな……うーん……」
左衛門佐「西住隊長は今戦車の模型を吟味しているところのようだ」
おりょう「迷ってはいるけど買う気満々ぜよ」
エルヴィン「ところで西住隊長に何があったのかは聞けたのか?」
カエサル『ああ、聞けた。詳しいことはメールで送る』
エルヴィン「よろしく」
おりょう「やっぱり喧嘩でもしていたぜよ?」
左衛門佐「練習前に仲直りしている感じだったけど?」
エルヴィン「メールが来た。ふむふむ……。なるほどね」
おりょう「ほうほう。そういうことぜよ」
左衛門佐「私たちはどうする?」
エルヴィン「斥候役をもう少し続ける」
おりょう「隠密ぜよ」
43:
みほ「……あの」
左衛門佐「わぁ!? バレちゃった!?」
おりょう「び、びっくりぜよ……」
みほ「何してるんですか?」
エルヴィン「その、カエサルが西住隊長の様子がおかしいと言って、私たちは原因はなにか調べようとしていたまで」
みほ「あ、ごめんなさい。私なんかのために……」
左衛門佐「ごめん。言っても隊長は教えてくれそうにないかなぁって思ってさ」
みほ「そんなことないよ。……私が悪いことだし」
エルヴィン「カエサルから大体の事情は聞いた。隊長、あなたは十分に反省している。それでいいではないか」
おりょう「許してくれているなら、それに甘えるほうが万事上手くいくこともあるぜよ」
みほ「そうなんだけど、優花里さんの宝物を壊したのには違いないから」
エルヴィン「……隊長。今から、学校に戻ることを推奨する」
みほ「ど、どうして?」
エルヴィン「いいから、ほらほら」
みほ「ちょ、ちょっと待ってください! まだ買い物が終わってなくて……!!」
44:
学園 格納庫前
沙織「よし! いいかんじ!! ちょっとずつだけど動きがよくなってるよ!!」
優花里「やったぁ!!」
華「次はもっとく動いてみせます!!」
沙織「そうだね。それじゃ、もう一回、やってみよっか!」
麻子「……西住さん」
優花里「え!?」
みほ「みんな……。まだ、練習してたんだ」
沙織「あ、うん。私たちみぽりんの足を引っ張らないようにしなきゃと思って」
みほ「言ってくれたら、私も一緒に……」
麻子「西住さんは隊長としての仕事もあるし、これ以上苦労させることはないと思って言わなかった」
みほ「みんな……」
華「次のサンダース戦、絶対に勝ちましょう」
みほ「……うんっ」
優花里「あ……ぅ……」
45:
みほ「優花里さん」
優花里「な、なんでしょうか!?」
みほ「ごめんなさい。あの限定品の戦車、いくら探してもないの。だから、その代わりのものを買おうと思ったんだけど、どれも優花里さんは持っていそうで……」
優花里「いいんですよぉ!! そんなことしなくてもぉ!!」
みほ「違うの。私の気が済まないの。優花里さんが許してくれても、私が許せないから」
優花里「西住殿……」
沙織「ゆかりん。お願いするんでしょ」
華「今がチャンスですよ」
優花里「うぅ……」
みほ「どうしたの?」
優花里「あ、あの!!」
みほ「はい!?」
優花里「つ、つ、付き合ってください!! 西住殿!!」
みほ「えぇぇ!? あ、優花里さんのことは大好きだけど……でも……女の子同士だし……」
優花里「あぁ!! ま、間違えました!! すみません!! えーと!! あの……その……!! 模型戦車の改造に付き合ってほしいんです!!!」
46:
みほ「わ、私が……!?」
優花里「はい! とても面倒で時間のかかる作業ではありますが、是非とも西住殿と一緒に作りたいんです!!」
みほ「でも……私は……不器用で……」
沙織「みぽりん。自分が許せないなら、せめてゆかりんのお願いぐらいはきいてあげるべきじゃないかな?」
みほ「うーん、そうしたいけど……」
華「みほさん。優花里さんもたくさん悩みました。だから、お願いします」
みほ「……そうだね。優花里さん、私がどこまで手伝えるかわからないけど、手伝わせてください」
優花里「は、はいぃ!! ありがとうございます!!」ギュッ
みほ「ゆ、優花里さん……くるしい……」
優花里「わぁ!? すみません!! 馴れ馴れしくしてしまってぇ!!」
みほ「あの、改造する材料とか方法は?」
優花里「材料は家に帰ればあります!! 改造の手順なんかは今から調べないといけませんが」
みほ「そうなんだ。それじゃあ、今から私が調べてくるね」
麻子「その必要はない」ペラッ
みほ「麻子さん? これは……?」
47:
麻子「購入が困難なら自作するだろうと思って調べておいた」
みほ「もしかして……」
優花里「冷泉殿!! いつのまに!!」
麻子「さて、西住さんも来てくれたし、練習するか」
みほ「これで作れる?」
優花里「は、はい! 作れそうです!!」
沙織「麻子ぉ。いつ調べたのよぉ」
麻子「いつでもいいだろう」
沙織「てれちゃってー! このこのー」プニップニッ
麻子「おふぉるふぉ」
華「うふふ。用事ってこれのことだったんですね」
麻子「ふんっ」
沙織「ゆかりん!! 練習はじめるよー!!」
優花里「はい!!! 西住殿!! 指導のほうお願いします!!!」
みほ「うん。任せて」
48:
沙織「おー!! かなりくなったぁ!!」
華「これでどうでしょうか?」
みほ「うん。これならきっとサンダースとも互角に戦えるはず」
麻子「ふぅー……。疲れた」
みほ「ありがとう、麻子さん」
麻子「別に」
沙織「んー。もう日も落ちちゃったし、帰ろっか」
華「そうですね」
麻子「ではな」
沙織「ゆかりん、みぽりん。また明日ね」
優花里「はい!!」
みほ「さようなら」
優花里「に、にに、西住殿……か、かえりましょうか……」
みほ「そうだね」
優花里「はいぃ……」
50:
秋山宅 優花里の部屋
みほ「あの、こんな時間に迷惑じゃないかな?」
優花里「いえいえ!! 滅相もありません!! ずっといてくださっても構いません!!」
みほ「嬉しい」
優花里「はぁぁ……にしずみどのぉ……」
みほ「あ……。やっぱり、壊れた戦車、まだ置いてるんだ」
優花里「あ!? すみません!! すぐに捨てます!!!」
みほ「そんなことしないで。壊れたからって簡単に捨てられるものじゃないから」
優花里「……本当ならもう一つ買うのがコレクターとしては基本なんですが。これは数量限定で一つしか売ってもらえなかったんです」
みほ「……」
優花里「でも、この子がいたから、私は西住殿とこうしていられるわけですから!!」
みほ「そ、それでいいの?」
優花里「それがいいんですよぉ!! 西住殿がこんな夜に私の部屋にいるだけで……!! 幸せです……!!」
みほ「あはは、喜んでいいのか。……あの、そろそろ作らない?」
優花里「そうですね!! 冷泉殿から戴いたこの設計図!! 無駄にするわけにはいきません!!!」
51:
みほ「……あ」ボキッ
優花里「に、西住殿……」
みほ「ごめんなさい!! また折っちゃった!!」
優花里「大丈夫です!! 材料はまだあります!!」
みほ「本当にごめんね。次は絶対に……成功させるから……」
優花里「は、はい……」
みほ「……」ボキッ
優花里「……」
みほ「うぅ……」
優花里「西住殿!! ヤスリがけをお願いします!! 形を整えなくてはなりませんので!!」
みほ「ごめんなさい……優花里さん……」
優花里「何を言っているんですか!! これぐらいなんてことないですよぉ!!」
みほ「はぁ……」
優花里「西住殿、元気をだしてください」
みほ「私、足を引っ張ってばっかり……」
52:
みほ「ふぅー……。優花里さん、これぐらいでいいかな?」
優花里「すぅ……すぅ……」
みほ「優花里さん? 寝てるの?」
みほ「あれ? あ、もうこんな時間だったんだ……」
優花里「すぅ……すぅ……」
みほ「どうしよう……。帰ったほうがいいよね」
優花里「にしずみどのぉ……」
みほ「うーん……」
好子「あら、優花里は寝てしまったの?」
みほ「あの、すみません。私、そろそろ……」
好子「もう夜も遅いし、泊まっていって。パジャマとお布団、用意したから」
みほ「い、いいんですか?」
好子「きっと優花里もそのほうが喜ぶから」
みほ「……では、お言葉に甘えて」
優花里「あぁ……にしずみどのぉ……そうてん、できましたぁ……ほめてください……」
53:
翌朝
優花里「……ん?」
優花里「あれ、いつの間に……」
みほ「うーん……」
優花里「……」
みほ「すぅ……すぅ……」
優花里「西住殿!?」
みほ「え!? な、なになに!?」
優花里「あ……あの……に、西住殿……!!」
みほ「あ、おはよう、優花里さん」
優花里「あの!! 私、昨日の記憶がないのですが!! 西住殿と一体何があったのでしょうか!?」
みほ「え?」
優花里「どうして隣で西住殿が寝ていたのですか!? 教えてください!! 共同作業は終わったのですか!?」
みほ「えーと、迷惑だった?」
優花里「全然!! むしろ感激ですぅ!!!」
54:
優花里「そうですか。泊まっていくように勧められて……」
みほ「うん。これ優花里さんのパジャマなんだよね。ありがとう。洗って返すから」
優花里「いえ!! そのままで結構です!!」
みほ「でも、少しは寝汗もかいてるから」
優花里「いいんです!! そこまで西住殿にさせられません!!」
みほ「そ、そう? それとこれ、ここまで鑢がけできたよ」
優花里「おぉー!! ありがとうございますぅ!! あとは組み合わせるだけですね!!」
みほ「殆ど優花里さんが作ってただけになったね」
優花里「そんなことありません!! この子は西住殿と私の共同作業で出来たんです!!」
みほ「優花里さん。今回のお詫びは改めてさせて」
優花里「いいんです。やめてください」
みほ「ううん。優花里さんにはきちんとしたお詫びがしたい」ギュッ
優花里「西住殿……」
みほ「次のサンダース戦は優花里さんのためにがんばるから」
優花里「はい!! 私も西住殿のためにがんばります!!」
55:
学園 格納庫前
優花里「西住殿ぉ……」
みほ「ちゃんと整列しないと」
杏「仲いいねぇ」
桃「おい、秋山。西住から離れろ」
優花里「あ、すみません!!」
沙織「昨日、なんかあったの?」
みほ「優花里さんの家にお泊りして」
華「まぁ、そうなんですか」
麻子「出来たのか?」
みほ「うん。麻子さんがくれた手順表のおかげだよ」
麻子「そうか」
杏「……とりあえず、解決したみたいだねぇ」
桃「弛んでいる!! サンダース戦は目前なんだぞ!! 気を引き締めろ!!!」
優花里「も、申し訳ありませんでしたぁ!!」
56:
数日後 試合会場
ケイ「ヘイッ!! アンジー!!」
柚子「角谷杏だから、アンジー?」
桃「馴れ馴れしい」
杏「やぁやぁ、ケイ。お招きどーも」
ケイ「何でも好きなもの食べてって。オッケー?」
杏「オッケー、オッケー。おケイ! だけに」
ケイ「あはははは!! ナイス、ジョーク!! ……ん? ヘイ!! オットボール三等軍曹!!」
優花里「あぁ!? 見つかっちゃった……!」
沙織「怒られるのかなぁ……」
ケイ「この間は大丈夫だった? またいつでも遊びにきて。うちはいつだってオープンだから」
優花里「あ、はい……」
ケイ「それから、救護車でもシャワー車でもヘアーサロン車でも、なんでも好きに使っていいから。食べ物だけじゃなくてお土産なんかも買っていってくれると嬉しいね」
優花里「あ、ありがとうございます」
みほ「いい人みたい……」
57:
ケイ「貴方が隊長?」
みほ「あ、はい。西住みほです」
ケイ「そう。よろしく。正々堂々、戦いましょう」
みほ「はい!」
ケイ「試合まではもう少しあるし、ゆっくり見ていって」
みほ「わかりました」
ケイ「それじゃ」
麻子「フレンドリーだな」
華「素敵ですね」
沙織「あー、なんか小物とかも売ってるぅ。買っちゃおうかなぁ。どうしようかなぁ」
優花里「色々ありますね……」
みほ「あれは……」
麻子「どうした?」
みほ「あぁ!! こ、これ!!! あ、あの!! ケイさん!! ちょっと待ってください!! こ、これなんですけど!!」
ケイ「どうかしたぁ? オー。それに目をつけたか。最近、ネットで買ったんだよねぇ。100個限定だからもう諦めてたんだけど、一個だけ置いてあるところがあってね。確か大洗のショップだったかな」
58:
みほ「これは……」
ケイ「アメリカの主力戦車の派生型だからサンダースとしては揃えないわけにもいかなくて」
みほ「これは売っているものですか!?」
ケイ「……はい?」
みほ「売り物ですか?」
ケイ「それは売り物じゃないんだよね。……欲しいの?」
みほ「はい。大切な友達がこれを持っていたんですけど、それを私が壊してしまって……」
優花里「西住殿……」
みほ「お願いします」
ケイ「うーん……」
アリサ「ダメに決まっているでしょう? これが今、ネットオークションでいくらの値がついていると思ってるのよ」
みほ「でも……」
ケイ「いいよ。譲ってあげる」
アリサ「えぇ!? しかし……!!」
ケイ「ただし、みほたちが勝ったらね」
59:
みほ「ありがとうございます!!」
ケイ「じゃあねぇ」
アリサ「いいんですか!? あれ、すっごくレアなんですよ!?」
ケイ「別にいいじゃん。レアだろうがウェルダンだろうが」
アリサ「えぇぇ……そんなぁ……」
みほ「……よし」
優花里「西住殿、まだ諦めていなかったんですね。私は西住殿と一緒に作った子で十分なのですが」
みほ「これは、私の我侭。ごめんなさい」
優花里「……」
沙織「ま、我侭なら仕方ないよね」
華「ここまで来ると説得はできませんね」
麻子「勝てば譲ってくれるといってくれたんだ。貰えるものはもらっておこう」
みほ「私、不器用だからどうしてもこれだけは諦めたくないんだ。許して、優花里さん」
優花里「いえ。こんなに嬉しいことはありません」
みほ「ありがとう。それじゃあ、行こう」
60:
試合終了後
ワー!!!
みほ「はぁ……」
沙織「んー……勝ったー!!!」
優花里「シャーマンあいてにかてるなんてぇ……」
ケイ「みほ!!」
みほ「あ、ケイさん」
ケイ「ファンタスティック!!! こんな試合ができるなんて思わなかったわ!!」
みほ「でも、最後4輌しかこなかったから」
ケイ「それでも貴方の勝ちよ。おめでとう」
みほ「ケイさん……」
ケイ「それと約束の品ね」
みほ「あ……」
ケイ「大切な友達によろしくね」
みほ「……はい!」
61:
アリサ「あぁ……15万が……」
ケイ「アリサ?」
アリサ「ひっ……!?」
ケイ「色々と聞きたいことがあるから。オークションのこととか」
アリサ「あぁぁ……」
みほ「優花里さん。遅くなったけど、どうぞ」
優花里「西住殿……」
みほ「私の不注意で壊して、ごめんなさい」
優花里「にしずみどのー!!!」ギュッ
みほ「あ、ちょっと、優花里さん……」
優花里「西住殿大好きですー!! ずっと一緒にいてくださいぃ!!!」スリスリ
みほ「あの……」
沙織「やっぱり、みぽりんって男前だよね」
華「ですねぇ」
麻子「ジゴロ」
65:
杏「よかったね。西住ちゃん」
みほ「色々とご迷惑をおかけしました」
杏「いいって。秋山ちゃんもいい友達ができたね」
優花里「はいっ!! こんな形で戻ってくるなんて思いませんでしたぁ!!」
カエサル「しかし、西住隊長が踏んで壊したというのは信じられないな。本当にそんなことが起こるのか?」
沙織「普段のみぽりんは結構あわあわしてるから」
カエサル「あわあわ?」
みほ「沙織さん!! 変なこと言わないで!!」
優花里「そうです!! 西住殿は常に立派なお方なのです!!」
みほ「そういう過剰な褒め方もやめて……」
杏「あははは。ま、とりあえず一回戦突破おめでとう。でも、先はまだ長いよ。気を緩めないようにね」
優花里「だいじょうぶですよぉ!! 西住殿と一緒なら!!」スリスリ
みほ「くすぐったいよ……」
杏「んじゃ、帰るよー」
「「おー!!」」
67:
大洗学園艦
みほ「なんとか勝てたね」
優花里「はい! これも西住殿のおかげですね!!」
みほ「ううん。みんながいたからだよ。優花里さんも含めて」
優花里「西住殿」
みほ「どうしたの?」
優花里「本当は……とても悲しかったんです……。あの子が壊れたのを見たとき」
みほ「……」
優花里「この戦車が珍しいからとかじゃないんです。……気持ち悪いと思ってくれていいです。でも、私にとっては掛け替えのない……友達で……」
みほ「だからこそ、私も必死だった」
優花里「え……」
みほ「優花里さんの友達をあんなふうにして……。取り返しが付かないことをしたと思って……。だから少しでも優花里さんの傷が癒えるならなんでもしようって決めたの」
優花里「う……ぅ……」
みほ「優花里さんの大事なものを取り戻せて、本当によかった」
優花里「にし、ず、みどのぉ……」
68:
みほ「あの……優花里さん……?」
優花里「うれしい……うれ、しいです……こんなふうに……やさしく……されたことなんて……なくて……なくて……」
みほ「優花里さん……」
優花里「うれしいです……うれしい……」
みほ「私たちで作ったあの子も大事にしてくれると嬉しいな」
優花里「もちろん、ですよぉ……」
みほ「ありがとう」
優花里「西住殿……ずっと友達でいてください……」ギュッ
みほ「こちらこそ、末永くよろしくお願いします」
優花里「えへへ……」
沙織「みぽりーん!! ゆかりーん!! ケーキでも食べてかえろうよー!!!」
みほ「はーい! 優花里さん、行こう」
優花里「どこへでもいきますぅ!!! 西住殿!!!」
おしまい。
69:
乙。良い話だった。
73:
正直スレタイ見たとき故意にやってるのかと思って焦った
7

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