真姫「凛」凛「ん?」back

真姫「凛」凛「ん?」


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1:
凛「真姫ちゃん、どーしたにゃ?」
真姫「なんで校門の前で突っ立ってるの? もうすぐHR始まるわよ」
凛「凛はかよちんを待ってるんだにゃ!」
真姫「花陽? 一緒に来たんじゃないの?」
凛「途中でかよちんがノートを忘れたことに気が付いて、戻って行っちゃったんだにゃ。凛もついてくーって言ったんだけど、悪いからって断られちゃって」
真姫「ふーん。……なら、凛がHRに遅れたら花陽は申し訳なく思うんじゃないの?」
凛「………あっ、そっか!」
3:
真姫「考え付かなかったわけね。ほら、さっさと教室行くわよ」
凛「んー……でもいいや。凛はここでかよちん待ってる」
真姫「…なんで?」
凛「だって、かよちん恥ずかしがりやさんだから、遅刻して一人で教室入っていくのとか苦手かにゃーって」
真姫「随分と過保護ね」
凛「過保護というか、凛がそうしたいんだよ。かよちんと一緒にいたい」
真姫「…………あっそ。分かった」
凛「……真姫ちゃん? 教室行かないの?」
真姫「私も待つわ」
凛「え、そんな…大丈夫だよ? 真姫ちゃんを遅刻させるなんて、申し訳ないにゃ」
真姫「あんただって同じことしてるでしょ。私だって、その、花陽の友達なんだし」
4:
凛「……えへへへ」
真姫「…何よ」
凛「いやー、真姫ちゃんも丸くなったなぁって」
真姫「よ、余計なお世話よ///」
凛「じゃぁ一緒に待つにゃー」ワーイッ
真姫(……もし私が変われたんだとしたら、それはきっと凛と花陽のおかげよ)

凛「かよちん次移動教室だって! 一緒にいこ」
凛「かよちーん、お昼食べよー!」
凛「かよちんかよちーん!」
真姫(しかし、こうして改めて見ると……いや、改めて見なくても、凛って花陽にベッタリね。まさに猫)
真姫(………はぁ)
7:
凛「まーきーちゃんっ」ギュッ
真姫「っ、り、凛?」
凛「真姫ちゃんも一緒に帰ろー」
真姫「え、ええ」
真姫「……それより、誰これ構わず抱き付く癖、やめたほうがいいわよ」
凛「えー、なんで? 人にぎゅーってすると、ぽかぽかーってなって気持ちいいよ?」
真姫「……やるならせめて、私たちだけにしときなさいよ」
凛「…真姫ちゃんがデレたにゃ…!」
真姫「そ、そんなんじゃないわよ!」
凛「へへー、でもそう言ってくれたからには、もう真姫ちゃんにだけぎゅーってしちゃうにゃ!」ギューッ
真姫「っ……わ、私だけ?」
凛「うんっ」
10:
真姫(…花陽にもしないの? ……まぁ、そんなわけないわよね)
凛「真姫ちゃーん」スリスリ
真姫「ホント、凛って猫みたいよね」
凛「いやーそれほどでもー」
真姫(別に褒めてはいないんだけど)
凛「凛、猫になったら真姫ちゃんとかよちんに飼われたいにゃー」
真姫「飼われるって………それは喜んでいいのかしら」
凛「もちろん! 凛は二人のこと大好きだよーって意味だよ!」
真姫「そ、そう……なら、嬉しいわ///」
凛「えへへ、真姫ちゃん顔真っ赤ー」
真姫「っ……う、うるさい」ペシッ
凛「にゃー……ぶつなんてひどいにゃー…」
真姫「凛が悪いんでしょ。それに、そんなに強く叩いてないわよ」
11:
凛「んー……えへへ」
真姫「?」
凛「やっぱり真姫ちゃん丸く……というか、優しくなったにゃ」
真姫「………あんたたちのおかげでしょ」ボソッ
凛「え?」
真姫「なんでもない」
凛「えー、真姫ちゃんなんて言ったの?」
真姫「秘密よ、秘密」
凛「ふえぇー…」

花陽「凛ちゃん」
凛「かよちん!」
花陽「今度の日曜日、空いてる?」
凛「空いてるよー」
12:
花陽「じゃぁ一緒に遊ばない?」
凛「うんっ! かよちんと一緒、楽しみだにゃー」
花陽「うん、私も凛ちゃんと一緒で楽しみだよ」ナデナデ
凛「えへへー」ゴロゴロ
真姫(喉鳴らすとか……本当に猫ね)ジー
真姫(それにしても、凛と花陽ってしょっちゅう一緒に遊んでるわね。…穂乃果たちもそうみたいだし、幼なじみってそんなものなのかしら)
真姫(…………うらやましい)ハァ
にこ「真姫ちゃん、なに溜息ついてんの?」ヒョコッ
真姫「ににににこちゃん!?」
にこ「そんな驚かなくても…。凛ちゃん達のほうじーっと見てたけど、何かあったの?」
真姫「い、いや、別に……」
真姫「………にこちゃんってさ、誰かと誰かが仲良くしてるの見て、うらやましいって思ったことある?」
にこ「え」
にこ(ああ、真姫ちゃん嫉妬してるのね。……どっちにかは分からないけど)
14:
にこ「まぁ……ないって言ったら嘘になるわね」
真姫「え、ホント? 誰に?」
にこ「えー、そこまで話さないとダメなの?」
真姫「……」シュン
にこ「ああはいはい、話すからその顔はやめて」
にこ(真姫ちゃんって普段は大人ぶってるけど、なんだかんだで子供なのよね)
にこ「あー……あれよ、あの二人」チョイ
真姫「あの二人って………希とエリー?」
にこ「そ。まぁどっちに対してかまではさすがに恥ずかしいから言わないけど」
真姫「そういえば、あの二人もよく一緒にいるものね」
にこ「よくなんてもんじゃないわよ。もーしょっちゅう一緒。一年や二年みたいにベタベタしてるわけじゃないけど、気が付いたら隣にいるって感じね」
真姫「夫婦みたいね」
にこ「……分かっちゃいたけど、その言葉、胸に突き刺さったわ」
真姫「ご、ごめんなさい…思わず」
15:
にこ「まあいいけど。で、真姫ちゃんはどうするの?」
真姫「え?」
にこ「いつまでもボーッと二人を眺めてるだけでいいの?」
真姫「……だって、どうしようもないじゃない」
にこ「行動あるのみだと思うけどね」
真姫「…にこちゃんだって見てるだけじゃない」
にこ「うっ……痛いとこついてくるわね。じゃぁ、にこが行動したら真姫ちゃんも行動する?」
真姫「………まあ」
にこ「分かった。じゃ、やってくるわよ」
真姫「え、にこちゃ――」
にこ「希!」タッタッタッ
真姫(って、にこちゃんが好きなのって希なの!? いや、まぁエリーって言われるよりは自然だけど…)
16:
希「にこっち、どうしたん?」
にこ「今度の日曜空いてるでしょ? 空いてるわよね」
希「う、うん、空いてるけど?」
にこ「じゃぁにこの買い物に付き合って」
希「へ? にこっちがウチ誘うなんて珍しいなぁ」
にこ「まぁ……うん、ちょっと色々あって」
希「そっか。じゃぁ一緒にいこか」
絵里「あ、私も一緒に行っていい?」
にこ(そうくると思ったわ…)
にこ「…」チラッ
希「うん、ええよ。にこっちもええよね?」
にこ「うん、あんたも絶対そう言うと思ったわ…」
希「え?」
にこ「何でも」
にこ(まぁ二人きりは無理だったけど、にこはちゃんと行動したわよ)チラ
17:
真姫(うっ……行くしかないのね…)
真姫「………り、凛!」
凛「ほえ? あ、真姫ちゃーんっ」
凛「なになに? どうかした?」
真姫(今度の日曜だと花陽とかぶっちゃうから…)
真姫「ほ、放課後、暇?」
凛「え? 今日の?」
真姫「ええ」
凛「暇だけど、どうかした?」
真姫「………い、一緒に、その……どこかに寄って帰らない?」
凛「わ、真姫ちゃんが誘ってくれるなんて珍しいにゃ!」
真姫「別に……今日はたまたま暇だからよ」
凛「それでも嬉しいよー。じゃぁかよちんも誘って――」
真姫「ちょちょちょっ、」グイッ
凛「え、なに?」
18:
真姫「わ、私は……」
真姫(凛と二人がいい…って、言ったら、なんで?とか聞かれそうね…)
真姫「………り、凛は、私と二人じゃ、嫌なの?」
凛「ふぇ?」
真姫(って、何よこの聞き方…! 私は凛の何なのよ!)
凛「えーっと、もちろん、嫌なわけないにゃ。けど真姫ちゃんだってかよちんがいたほうが楽しいんじゃないのかにゃ?」
真姫「……私は、凛と二人でも楽しいわ」
凛「んー……じゃぁ二人でいこっか!」
真姫「え、いいの?」
凛「うんっ、よく考えれば真姫ちゃんと二人で遊んだことないし、ちょうどよかったにゃ」
真姫「そ、そう……」
真姫(やった! やったわ、にこちゃん!)グッ
にこ(真姫ちゃん、無表情なのにすごい喜んでるのがよく分かる……謎の現象だわ)
19:

凛「真姫ちゃん、はい、あーんっ」
真姫「い、いいわよ、別に」
凛「えー、ここのクレープおいしいんだよ? 一種類しか食べないなんてもったいないにゃー」
真姫「でも…」
真姫(これを食べたら間接キス…///)
凛「真姫ちゃん、あーんして?」
真姫「っ………あ、あーんっ」パクッ
凛「おおっ。おいしい?」
真姫「……美味しい」
凛「えへへ、ならよかったにゃ。あ、真姫ちゃんのも一口いただき!」パクッ
真姫「あ、ちょ、ちょっと…」
凛「んー、おいしいにゃ?」ホワー
真姫「もう……ほら、口元にクリームついてるわよ」ガサゴソ
凛「え、どこどこ?」
21:
真姫「拭いてあげるからじっとしてなさい」
凛「うんっ」
真姫(凛って子供みたい……まぁちょっと前まで中学生だったんだし、当たり前よね。……私も同じ歳だけど)フキフキ
真姫「はい、綺麗にとれたわ」
凛「真姫ちゃんありがとー」ニコーッ
真姫「可愛い……」
凛「え?」
真姫「あ、い、いや、何でもないわ///」
凛「変な真姫ちゃんー」
真姫(思わず本音が……)
凛「あ、そういえばこの間ね、かよちんが言ってたんだけど」モグモグ
真姫「…花陽が?」
凛「うん。あのねー」
真姫(凛は本当に花陽のことが好きね。まぁ凛がしてくれる話ならどんなものでも楽しいからいいんだけど…)
22:
凛「で、そのときかよちんが」
凛「かよちんってば昔からそうなんだけどね」
凛「かよちんってすごいよねー」
真姫(かれこれ三十分は花陽の話が続いてるんだけど……)
凛「それでね、かよちんは前からアイドルが好きだったんだけどね」
真姫(どれだけ花陽のこと好きなのよ…)ムゥ
凛「…真姫ちゃん? なんか顔が怖いよ?」
真姫「え、あ…いや」
凛「ひょっとして退屈だった? ごめんね、凛ばっかり話しちゃって…」シュン
真姫「あ、いやいや、そんな。……凛の話は楽しいわよ」
凛「え、ほんと!?」パァッ
真姫「うん……本当」
凛「えへへー、ならよかったぁ」ニコー
真姫(可愛い…)
23:
凛「じゃぁさっきの続きね! かよちんはね――」
真姫(しまった、また花陽の話が…!)
真姫「ね、ねえ!」
凛「ふえ? なに?」
真姫「花陽の話はもう十分聞いたわ。別の話が聞きたいんだけど…」
凛「別の話? んー……けど、凛はかよちんのことしか詳しくないし…」
真姫「…じゃぁ、凛の話がいいわ」
凛「凛の?」
真姫「ええ。自分のことなら詳しいでしょ?」
凛「そりゃぁ……でも自分で自分のこと話すのは恥ずかしいにゃぁ…」ウーン
真姫「…ダメ?」
凛「んー、じゃぁこうしよう! 凛が凛の話したら、真姫ちゃんも真姫ちゃんの話して!」
真姫「え、私の?」
凛「うんっ」
24:
真姫「いいけど……聞いても面白くないわよ? 私は凛と違って友達もあまりいなかったし、いつも一人だったし…」
凛「いーの! 凛、もっと真姫ちゃんのこと知りたいにゃ」
真姫「凛…」
凛「ね、いいでしょ?」
真姫「……分かったわ。じゃぁまずは凛からね」
凛「やった! あのね、凛は小さい頃はね、」

凛「真姫ちゃん、おーはよー!」
花陽「真姫ちゃん、おはよう」
真姫「二人ともおはよう」
真姫(……そういえば、花陽って凛のことどう思ってるのかしら)
凛「あ、そーだ。凛、先生に呼び出されてるんだったにゃ」
花陽「凛ちゃん、何かしちゃったの?」
凛「んー、この間の小テストが悪かったからかにゃ…?」
26:
真姫「何点だったのよ」
凛「二点」
真姫「にっ…!?」
花陽「ま、まぁ、五十点満点だったから」
真姫「それでもひどすぎるでしょ!」
花陽「あはは…」
凛「というわけで、職員室に行ってくるにゃー」タッタッタッ
真姫「絶対怒られると思うんだけど…本人は分かってるのかしら」
花陽「多分分かってないと思うなぁ…」
真姫「……ねぇ、花陽」
花陽「ん?」
真姫「凛って、その………どう?」
花陽「ど、どうっていうのは?」
27:
真姫「いや、あの………花陽って、その、凛のこと…す、すす好きなのかなぁって…」
真姫(なに聞いてんのよ、私……)
花陽「それはもちろん好きだよ。お友達だもん」
真姫「……友達として、だけ?」
花陽「……?」
花陽「……あ、ひょっとして真姫ちゃん、凛ちゃんのこと好きなの?」ヒソ
真姫「………」コクリ
花陽「そっか。…安心して、私は凛ちゃんのこと好きだけど、そういう意味の好きとは違うから」
真姫「そ、そう……よかった」
花陽「けど真姫ちゃんが凛ちゃんを……ちょっと意外かな」
真姫「そう?」
花陽「………いや、そうでもないかな」
真姫「どっちなのよ…」
29:
花陽「凛ちゃん、良い子だもんね」
真姫「ま、まぁね///」
花陽「頑張ってね、真姫ちゃん」
真姫「………うん」コクリ

凛「かよちん、真姫ちゃん、部室いこー」
花陽「あ、ごめんね、凛ちゃん。私ちょっと寄るところがあるから」
凛「じゃー付き合うにゃ!」
花陽「ううん、悪いから先に二人で行っててくれる?」
凛「んー、分かった! じゃぁ真姫ちゃんいこー」
真姫「ええ」
真姫(もしかして花陽、気を使ってくれたのかしら…)
凛「あ、そういえば聞いてよ真姫ちゃん。先生ってば凛にだけ特別だとか言って、たくさん宿題出してきたんだにゃ…」
31:
真姫「まぁ、二点じゃしょうがないわよ」
凛「あんな量終わるわけないよー…」
真姫「…そんなに多いの?」
凛「もうすさまじいにゃ。あーあ、かよちんに協力頼むしかないのかにゃ…」
真姫「……私が協力してあげてもいいけど」
凛「へ? いいの?」
真姫「いつも花陽に頼ってばかりじゃ悪いでしょ」
凛「凛もそう思ってたんだにゃ! じゃぁじゃぁ、真姫ちゃんお願いできる?」
真姫「ええ」
凛「ありがとう! じゃぁ今日は凛のお家にお泊まりね!」
真姫「!?」ステーンッ
凛「ま、真姫ちゃん!? 綺麗に転んだけど……大丈夫かにゃ?」
真姫「なんとか………というか、泊まるの!?」
凛「だって徹夜する勢いじゃないと終わらないし…」
32:
真姫「…しょうがないわね。じゃぁ私が家に持って帰って全部やってあげるわ」
凛「そ、そんなのダメだよ! ズルしたら怒られるにゃ!」
真姫「変なところで真面目ね…」
凛「真姫ちゃんってお泊まりとかダメなタイプの人なのかにゃ?」
真姫「別にそんなことはないけど…」
真姫(というか、個人的に友達の家に泊まったことないから、よく分かんないし…)
真姫(それに凛の家なんて……凛と二人で一夜を過ごすとか………か、考えただけで恥ずかしすぎる…!)
凛「真姫ちゃん?」
真姫(けどこのままじゃ凛の宿題が……)
真姫「………分かったわ。泊りがけで宿題やるわよ」
凛「ありがとー真姫ちゃん!」
33:
真姫「ただし条件があるわ」
凛「条件?」
真姫「凛が私の家に泊まりにきなさい」
凛「え?」
真姫(同じ泊まりならせめてホームグラウンドで…!)

凛「それにしても、ほんっと真姫ちゃんの家大きいね?」
真姫「聞き飽きたわよ、そのセリフ。ほら、さっさと問題進める」
凛「はーい。それに夕飯もおいしかったしー、もう最高だにゃ!」
真姫「はいはい」
凛「凛、この家の子になりたいにゃー、なんて」
真姫「」ボキッ
凛「真姫ちゃん!? シャープペンが折れたよ!?」
真姫「え、ええ、ちょっと力を入れすぎたみたい」
34:
凛「真姫ちゃん、意外と怪力だにゃ…」
真姫(凛が変なこと言うからでしょ…!)
真姫「ほら、さっさとやりなさい」
凛「はーい。あ、今度お泊まりするときはお風呂も一緒にはいろーね!
真姫「」ベキッ
凛「真姫ちゃん、またシャープペンが!!」
真姫「あああああんたが変なこと言うからよ!」
凛「そ、そんなに変なこと? 真姫ちゃんってば恥ずかしがって一緒に入ってくれなかったし…凛一人で寂しかったんだよー」
真姫「いや、けど、一緒にって……///」
凛「そんなに恥ずかしがらなくても、友達同士なら普通だにゃ。かよちんとも、お泊まりの時はいつも一緒にお風呂入ってるし」
真姫「」
真姫「そ、そう……」
真姫(花陽が死ぬほどうらやましい……)
36:
凛「あ、そうだ。明日の体育だけど」
真姫「ところで凛、あなた集中する気ないでしょ?」
凛「バレた?」
真姫「あんたね、今何時か分かってる?」
凛「はい! 午前二時半ですにゃー!」
真姫「私ね、すごく眠いの」
凛「凛もだよ」
真姫「真面目にやらないと、怒るわよ」
凛「ごめんなさい…」シューン
凛「……」カリカリ
真姫(ようやく真面目にやりだしたわね)
真姫(…それにしても、自分の部屋で凛と二人きりなんてちょっと落ち着かないわ)
凛「…」ンー
37:
凛「真姫ちゃん、へるぷみー」
真姫「はいはい。ここはね、この教科書にのっている例を応用して」
凛「あ、そっかぁ。真姫ちゃんありがとー」
真姫「ん。頑張って」
凛「うん、頑張る!」
真姫「……」ジー
凛「……」カリカリ
真姫(真剣な顔も出来るのね……って言ったら、凛に失礼だけど)
真姫(凛……)スッ
ピト
凛「にゃっ!?」ビクッ
凛「な、ななななに? 真姫ちゃん?」
真姫「ごめんなさい、つい」
凛「もー、いきなり首触られたら凛もビックリしちゃうにゃー」
38:
真姫「いや、凛って髪短いから、首筋が見えるから」
凛「それでつい触っちゃうって、真姫ちゃんも変わってるにゃ」アハハ
真姫「……ねぇ、凛」
凛「んー?」
真姫「凛って可愛いわよね」
凛「」
凛「ま、真姫ちゃん、ひょっとして眠くて頭回ってないのかにゃ?」
真姫「そうかもしれないわね…思考が上手く回らないし」
凛「えっと、なら寝たほうがいいよ。ごめんね、付き合わせちゃって」
真姫「いいのよ。ここまできたら最後まで手伝うわ」
凛「申し訳ないにゃ…」
真姫「別に気にしないで」
真姫(……)スクッ、スタスタスタ
凛(真姫ちゃん?)
40:
真姫(……ああああ……私は何をやってんの、何を言ってんの……! いくら眠くて朦朧としていたからって…!)ガンガンッ
凛(真姫ちゃんが壁に頭を叩きつけてる……何か嫌なことでもあったのかにゃ…)
―数十分後―
凛「終わったにゃー!」
真姫「……おめでとう」ウツラウツラ
凛「真姫ちゃん、本当にごめんね……すごい眠そうだにゃ」
真姫「いいのよ、私が凛を好きでやったことなんだから…」ガンッ
凛「真姫ちゃん!? テーブルに頭打ち付けたけど、大丈夫!?」
真姫「……」スースー
凛「寝てる……。よほど眠かったんだにゃー…」
凛「真姫ちゃん、おやすみ。……って、こんなところで寝かせるわけにはいかないよね」
真姫「……」スー
凛「でも起こすのも悪い気がするし………よし!」
42:
凛「なんとか真姫ちゃんを持ち上げて……って、真姫ちゃん軽っ!」ヒョイ
凛「身長差結構あるのににゃー……真姫ちゃん、ちゃんと食べてるのかな?」
真姫「ん……」
凛「っと、あんまり大きな声出しちゃ起きちゃうかな…」
凛(……それにしても、真姫ちゃんって本当に綺麗な顔してるなぁ…)
凛(こうしてるとなんかお姫様みたい……なんて、本人に言ったら絶対怒られるけど)
スタスタ
凛(さて、ベッドにとうちゃーく、と。……豪華なベッドだにゃー…)
真姫「……ん…?」
凛「あ、真姫ちゃん起きちゃった…?」
真姫「…凛…?」
凛「うん。ごめんね、今下ろすから」
真姫「…………!?」
44:
真姫(えっ、え? な、なにこれ、なんで凛が私を抱っこしてるの…? しかもこの態勢ってお姫様抱っ……///)カアァァッ
凛「真姫ちゃん? なんか顔赤くないかにゃ?」
真姫「あ、い、いや……ごめん。ここまで運んでくれたのよね?」
凛「うん。けど元々凛が悪いんだから、謝る必要ないにゃ」
真姫「いや、私が好きでやってたことだし…」
凛「あ、真姫ちゃんさっきも同じこと言ってたよ」
真姫「え、さっき?」
凛「真姫ちゃんが寝ちゃう前。覚えてないの?」
真姫「……覚えてないわ」
凛「そっかー。本当に眠かったんだね。凛のこと好きだからやったんだって言ってくれて、凛嬉しかったよ
真姫「うえぇっ!? わ、私そんなこと言った!?」
凛「うん、確かにこの耳で聞いた」
真姫(な、なによそれ、なんか告白みたいじゃない…)
真姫「ね、寝ぼけてたのよ」
45:
凛「あはは、さすがに分かってるにゃ。宿題付き合ってくれてありがとう」
真姫「……どういたしまして」
凛「じゃぁ寝よっか」スッ
真姫「ちょっ、ちょちょっちょーっと待って!」
凛「どうしたにゃ?」
真姫「私はどこで寝ればいいの?」
凛「そりゃこのベッドだよ。あ、真姫ちゃんのベッドすごい豪華でビックリしたにゃー」
真姫「……凛はどこで寝る気?」
凛「え? このベッドで寝るつもりだけど?」
真姫「…………一緒に?」
凛「うん」
真姫(凛と一緒……一緒のベッド……///)
凛「?」
46:
凛「……あ! ひょっとして真姫ちゃんは一人で寝たい派? それなら凛は床で…」
真姫「あ、ううん、そうじゃなくて!」ガシッ
凛「ま、真姫ちゃん? 肩、痛いにゃー…」
真姫「あ、ご、ごめん」パッ
真姫「えっと……凛さえよければ、寝ましょう。……一緒に」
凛「いいの?」
真姫「もちろん」
凛「やったぁ! じゃぁ早く寝よ。凛もさっきから眠くて仕方なかったんだー」グイグイ
真姫「ちょ、ちょっと引っ張らないでよ」
ノソノソ
凛「わー、このベッドフカフカだねー」
真姫「そう?」
凛「そうだよー。さすが真姫ちゃんだにゃー」
真姫「よく分からないけど、気に入ってもらえたならよかったわ」
47:
凛「うん、フカフカしてていい気持ちー……くー…」
真姫「って、もう寝たの!? いくらなんでも一瞬すぎるでしょ……」
凛「……」クークー
真姫「…まぁそれほど疲れてたってことよね。宿題、本当に膨大な量だったし…」
真姫「……お疲れさま、凛」ナデナデ
凛「んー………えへへー……」
真姫(可愛い……)キュン

真姫「……ん、朝……?」パチ
真姫「……? なんか後ろから何かに抱きしめられてる感触が……」
凛「むにゃ……もう食べられないにゃー…」ギューー
真姫「」
真姫(そ、そういえば凛と一緒に寝てたんだった……忘れてたわ…)
真姫「というか、なんで凛が抱きついてきてるのよ…」
49:
凛「らーめん、食べ放題だにゃー…」
真姫「にゃー、じゃないわよ! 凛、離しなさいってば!」ジタバタ
凛「んー……にゃー…」ギュー
真姫(ダメだ、全然離れないし、起きないし……。というかこの子、意外と力強いのね)
真姫「……まぁこのまま放っておいてもそのうち起きるだろうし、別にいいんだけど」
凛「にゃ……らーめん、いただきまーす」パクッ
真姫「ひゃっ……ちょ、な、なにすんのよ!///」
凛「はむはむ……かたい……」
真姫「そりゃ首だから固いに決まってるでしょ! あーもー、いい加減起きなさいってば!」
凛「んー……にゃー…」パチッ
凛「…? ……って、わあ!」バッ
真姫「やっと起きたのね…おはよう」
凛「お、おはよう! いや、じゃなくて! なんで凛、真姫ちゃんの首に噛みついてたの…?」
真姫「寝ぼけてラーメンと間違えてたんでしょ」
凛「ああー……ご、ごめんね、真姫ちゃん…」
50:
真姫「いや、別にいいけど。………嫌じゃなかったし」
凛「えっ?」
真姫「あ、べ、別に深い意味はないのよ!?」
凛「真姫ちゃん……人に噛まれるのが好きなの? …Mなのかにゃ?」
真姫「」
ベシッ
凛「………真姫ちゃん…割と本気でぶったよね…?」
真姫「割と本気で苛立ったからよ」
凛「真姫ちゃんの扱いは難しいにゃー…」
真姫「ほら、さっさと顔洗いに行くわよ」
凛「はーい。……真姫ちゃん怒ってる?」
真姫「……」
凛「…ごめんね……」シュン
真姫「…べ、別に、怒ってないわ」
凛「ほんと?」
51:
真姫「嘘ついてどうすんのよ」
凛「よかった?。あ、そうだ、昨日すぐ寝ちゃったから言うの忘れてたんだけど」
真姫「? 何よ」
凛「あのベッド、真姫ちゃんと同じいい匂いがしたにゃ!」
真姫「っ……///」スタスタタタッ
凛「え、なんで急に早足になるの? 待ってよ真姫ちゃーんっ」タッタッタッ

凛「真姫ちゃん、早く着替えて学校行かないと遅刻しちゃうよ!」
真姫「凛がいつまでもご飯おかわりしてるせいで遅くなったんでしょ!」
凛「だって真姫ちゃん家のご飯おいしかったんだもん!」
真姫「だからってちょっとは時間考えなさいよ!」
凛「ごめんなさい! とにかく急いでパジャマ脱がないと!」ヌギッ
真姫「!?」
52:
真姫(り、凛の着替え……いや、同じクラスだし着替えとかは見慣れてるけど……でもこんな近くで、二人きりの状態なんて初めてだし…///)
凛「?」
真姫「……」ジー
凛「真姫ちゃん、早く着替えないと遅刻しちゃうよ?」
真姫「! そ、そそそうね! 早く着替えましょう!」バッ
凛「?」
凛(真姫ちゃんどうしたんだろ? ……まぁいっか)キガエ、キガエ
凛「よーし、着替え完了だにゃー」
真姫「早っ」
凛「えへへー、凛は昔から早着替えが得意なんだにゃ。あ、真姫ちゃんのブラ可愛いにゃー」
真姫「!? み、見ないで!///」サッ
凛「女の子同士なんだから、そんなに恥ずかしがることないのに」
真姫「性別なんて関係なく恥ずかしいものは恥ずかしいのよ!」
真姫(それに、凛が相手だし……)
53:
凛「えへへ、けどそうやって恥ずかしがる真姫ちゃんも可愛いにゃ」
真姫「か、可愛いって……///」
凛「あ、かよちんも昔から恥ずかしがりやさんなんだけど、そこがまたすごく可愛くてね!」
真姫「………ああ、そう」
真姫(やっぱり凛にとって一番は花陽なのね…)
凛「真姫ちゃん? 本当にそろそろ遅刻しちゃうよ?」
真姫「あ、ああ、ごめん……すぐ着替えるから」
凛「…?」
凛「あ、そうだ真姫ちゃん」
真姫「何よ」
凛「今度、今日のお礼をかねてクレープおごるにゃ! いつだったら予定空いてる?」
真姫「べ、別にいつでも空いてるけど……改めてお礼なんていいわよ」
凛「そうはいかないよー。お泊まりまでさせてもらったんだから、ちゃんとお礼しないと凛の気が済まないにゃ」
55:
真姫「あっそ……じゃぁいつでもいいからおごってよ、クレープ」
凛「うんっ。えへへ、真姫ちゃんとデート楽しみー」
真姫「で、でででデート!?」
凛「だって二人でクレープ食べに行くんだよ? デートみたいなもんにゃ」
真姫「っ……」
真姫(そ、そっか、凛と二人……二人きり…///)モンモン
凛「…まーきちゃん。ボーッとするのもいいけど、遅刻しちゃうよ?」
真姫「そ、そうだったわ…!」

花陽「凛ちゃん、真姫ちゃん、おはよう」
凛「かよちん、おっはよー!」ギュッ
花陽「昨日は真姫ちゃんのお家で勉強会だったんだよね? 宿題、ちゃんと終わった?」
56:
凛「うん! 真姫ちゃんのおかげでばっちりだにゃ!」ギュー
花陽「凛ちゃんもよく頑張ったね」ナデナデ
凛「えへへー」
真姫(なにあれうらやましい)
花陽「真姫ちゃんもお疲れ様」
真姫「ええ、まぁ……うん、疲れたわ」
花陽「あはは…すごい量だったもんね」
花陽「それで、なにか進展はあった?」
真姫「進展? ………あ」
真姫(ひょっとして凛とのことを言ってるのかしら……いや、けど本人の前でそんな…)チラ
凛「かよちーん」スリスリ
真姫「」イラッ
真姫(非常に苛立たしいことに、凛は花陽にすり寄るのに夢中で話を聞いてないみたいね…)
57:
真姫「特に進展なしよ」
花陽「やっぱり難しいみたいだね」
真姫「まぁね…」
花陽「……ああ、そうだ、真姫ちゃん」
真姫「なに?」
花陽「ニブすぎる相手には、積極的に攻めないといつまで経っても気づいてもらえないよ」
真姫「……それもそうね」
凛「ねー二人で何の話してるの?」
花陽「ううん、なんでもないよ、凛ちゃん」
凛「? よく分かんないけど、かよちんがそう言うならそうなんだね!」
花陽「凛ちゃんは聞き分けが良くていい子だねー」ナデナデ
凛「かよちんに褒められたにゃ?」
真姫(私、生まれ変わったら花陽になりたい)
59:

凛「真姫ちゃーんっ! 無事先生に宿題提出できたよー!」
真姫「よかったわね」
凛「これも真姫ちゃんのおかげにゃー! ありがとう!」ギューッ
真姫「っ、り、凛…!///」
真姫(い、今なら自然に抱きしめ返せる………が、頑張れ、私…!)
凛「真姫ちゃーん」ゴロゴロ
真姫「…凛ってホント猫みたいよね」
凛「それ前にも言われたにゃー」
真姫「そうだったかしら」
凛「真姫ちゃんとかよちんになら飼われてもいーって話」
真姫「……ああ」
真姫「…ね、ねえ、本当に飼われてもいいの?」
凛「うんっ、凛は二人のこと大好きだから!」
61:
真姫「…そう。……わ、私も好きよ、凛のこと」
凛「わ、真姫ちゃんが好きって言ってくれるなんて珍しい! 嬉しいにゃ!」
真姫(まぁ通じないと思ったわ……)
真姫「凛」チョイチョイ
凛「ん? なーに?」
チュッ
真姫「好きよ」
凛「ふぇ? ……えっ、い、今、き、キスしなかったかにゃ…?///」
真姫「ほっぺただけどね」
凛「い、いやいやいや!/// 真姫ちゃん、どうしちゃったの!?」
真姫「凛がニブいのが悪いんでしょ」
凛「あ、あの、凛、本当に何が何だか分からないんだけど…」
真姫「今はまだ分からなくていいわ。ただ、絶対その気にさせてみせるからね」
凛「えええ…」
62:
花陽「真姫ちゃん、凛ちゃん、仲がいいのはいいんだけど……ここ、教室だってこと忘れてない?」
真姫「あ」
凛「いや、凛は忘れてないよ!」
終わり
64:

いいものだった
65:

まきりんもっと流行れ
66:

可能性感じる
6

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