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春香「時計は一時を回ったようです」


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1:
みなさんこんにちは!天海春香です!
4月3日生まれの17歳。血液型はO型。スリーサイズはひ・み・つ♪
趣味はお菓子作り
特技は・・・
「きゃっ!?」
・・・何もないところで転ぶこと・・・かな
「あはは・・・また転んじゃった」
こんな私ですか、実はなんと765プロでアイドルやってます!
2:
コツコツと事務所までの階段を上がり、ドアの前で一呼吸
「すぅ・・・」
そして思い切りドアを開けながら私は大きな声で挨拶をします
「おっはようございま?す!」
こんな大きな声を出さなくても聞こえることはわかってるけど、やっぱりアイドルは元気が一番ですからね
4:
「おはよう、春香。今日も元気がいいな」
プロデューサーさんが返事をしてくれました
なにかあったのでしょうか?プロデューサーさんは亜美と真美を慰めています
「なにかあったんですか?」
「ああ、ちょっとな」
ばつの悪そうな顔で答えてくれました。それに私は笑顔で答えます
カチリ。
時計は一時を回ったようです
6:
バン!と後ろのドアが開け放たれました。それと同時に五人くらいの黒い服を着た男の人たちがぞろぞろと入ってきます
「あ、あの・・・どちら様ですか?」
「・・・・・・・・・・・・」
あれ?聞こえなかったかな?それじゃあもう一度・・・
ムギュ・・・
え?
一番前にいた男の人が私の胸をわしづかみにしてきました
7:
「きゃっ!?な、なにするんですか!」
私はその手を振り払い、距離をとって胸を隠します
すると、男の人が私の胸の感触を確かめたかのように言い放ちました
「まあ、こんなものか」
なんかカチンと来ましたがここは黙っているのが吉でしょう
「あんたたち、いったい何なんですか?いきなり入ってきて!」
プロデューサーさん!やっぱりこういうときは男の人が頼もしいです
8:
「剰えウチのアイドルの胸を掴むなんて!」
プロデューサーさんの怒声で事務所にいたみんなが集まってきました
「どうしたの?春香」
「千早ちゃん。いや・・・私にもよくわからないんだけど・・・」
今はこう答えるしかありません。仕方ないじゃないですか、わからないんですもん
「なんとか言ったらどうだ!」
「・・・おい」
プロデューサーさんが襟を掴むと男の人が後ろの男の人に合図をしました
9:
「いい加減に・・・ぐほっ!」
ガチャン!と椅子が倒れました。プロデューサーさんが殴り飛ばされたことによって・・・
「プロデューサーさん!?」
「なにをするんだ!」
私たちがプロデューサーさんに駆け寄ると今度は真が食らい付きました
すると男の人は不適な笑みを浮かべて口を開きます
「これはどうも765プロのみなさん」
「私は山崎と申します」
山崎と名乗った男の人が次に放った言葉に私たちは声を失いました
「あなたたちは捨てられた・・・いえ、売られたのです」
11:
何を言ってるのか私にはわかりませんでした
私たちが売られた?誰に?どうして?なんのために?
頭をグルグル駆け巡ります
「どういうことですか!?売られるなんて!ウチはそんな経済状況じゃ・・・」
「書類上はそうなっていますがね。中にありませんでしたか?出所不明のお金」
「・・・そういえば」
律子さんが口籠もる。あったんだ、出所不明なお金
12:
「で、でもあれは社長のポケットマネーだって・・・!」
「はじめのうちはそうだったようですがね。そんなに長い間保つはずも無いでしょう。なにしろ今の765プロは仕事がない」
確かに・・・ここ最近私たちはレッスンばかり・・・
以前あった仕事もなくなり、ホワイトボードも真っ白に近い状態です
「高木社長も必死に工面していたようですが・・・遂にお金の都合が付かなくなったようで」
「今までの返済分としてあなたたちが売られたというわけです」
14:
あの社長が・・・みんな明らかに困惑していました
するとズンッ!と言う音がするかのように伊織が山崎と名乗った男の前に立ちました
「バカなこと言わないで!お金なんてお父様に言えば解決することよ!」
そうだ。伊織は水瀬財閥の令嬢・・・お金に関しては多少の融通が利くはずだ
「そうですね。私たちの心配もあなただったのですよ、水瀬伊織嬢」
「は?どういう意味よ?」
「あなたをなんとかしなくては私たちの計画も崩れてしまう。ですがよかった・・・」
「あなたは先程勘当されたようです。水瀬伊織嬢」
15:
「え・・・?」
山崎の言葉に伊織は面食らった顔をしました
当たり前です。私だってそんなこと言われたら面食らいます
「嘘だと思うなら電話で連絡してみればいい」
「い・・・言われなくてもするわよ!」
伊織は携帯を取り出し、どこかに電話をかける
しかし繋がらないのかまたかける
何度も何度も携帯をかけていくうちに、どんどん伊織の顔色が悪くなっていく
「嘘よ・・・そんなの・・・嘘よ・・・お父様・・・お兄様・・・」
ついにはその場にへたりこんで放心してしまいました
16:
「い、伊織ちゃん。大丈夫?」
やよいが近寄り慰めます
やよいはいい子だなぁ・・・っと、今はそんなこと考えている場合ではありませんでした
「いつまでも売れないアイドルなどやっているから愛想が尽かされたのでしょう」
「水瀬財閥と言う後ろ盾がなくなった今、あなたはただの小娘なんですよ」
「・・・話を戻しましょう。あなたたちは売られた、ここまではよろしいですね?」
18:
誰も答えないのを肯定と受け取ったのか山崎は話を続けます
「そして私たちはあなた方を手に入れた。要はあなた方は私たちの物です」
「物って・・・!」
「故にあなた方をどう扱おうが私たちの勝手ということです」
「欲望の捌け口・・・そういえばわかりますかね」
「ふ・・・ざけんなああああ!!」
プロデューサーさん!?
プロデューサーさんが握りこぶしを作って山崎に殴りかかっていきました
19:
「・・・ふん」
その拳を簡単に避けると後ろにいた男の人が思い切りプロデューサーさんを殴り付けました
「がはっ・・・!」
そして男の人はプロデューサーさんを引きずり事務所のドアから出ていきました
「私は飼い犬だろうが野良犬だろうが噛まれるのはイヤなんですよ」
事務所の外で漫画でしか聞いたことの無いような音とプロデューサーさんの短い悲鳴が聞こえてきます
場を震撼させるにはそれで十分でした
「さて、ご自分たちの立場がわかりましたかね?」
「っ・・・!」
20:
「待って!」
「律子・・・さん?」
律子さんが男たちの前に立ちました。明らかに体は震えています
「わ、私がすべて辱めを受けます。だから・・・!だから・・・アイドルのみんなには手を出さないでください」
「おやおや・・・これは美しい自己犠牲ですね。ならばよろしい、ゲームをしましょう」
「ゲーム?」
「ええ。これから彼ら三名であなたを蹂躙します。そして三十分の内に絶頂を迎えたらあなたの負け。耐えたらあなたの勝ちです」
とても醜悪なゲーム・・・だけど私たちにはそれを止める覚悟が無い
今はただ律子さんを信じるしかないんだ
21:
「あ、あの・・・!」
「そのゲームは私たちも参加してもいいんでしょうか?」
「小鳥さん・・・あずささん・・・」
不意の名乗りに律子さんが・・・いや、私たち全員が困惑しました
「こ、この場合は・・・一人に対して一人・・・ですよね?」
小鳥さんが虚勢をはりつつ山崎に問い掛けました
「ふふ、おもしろい。はい、いいでしょう。一対一で三十分。耐え切ることができればあなたたちの勝ちです」
「二人とも・・・どうして?」
「だ、だって・・・私もアイドルじゃありませんから・・・」
「私の方がお姉さんなんだから私が頑張らないとと思いまして」
「・・・すみません」
「では、始めましょうか」
そして最悪のゲームが始まった
23:
「ふ、ふん!私にだって女のプライドってものがあります!そう簡単に・・・んぐっ!?」
黒服・・・ここではAとしておきます。黒服Aがまだ喋っている小鳥さんの唇を奪いました
「んぐっ・・・んっ・・・ぷはぁ!」
「いきなり・・・んぐっ!?」
黒服Aが二度、三度と連続で唇を奪うと小鳥さんの目が次第にとろ?んとしてきました
25:
「ぷはっ・・・こ、こんなていどで・・・わらしは・・・」
まだ始まって三分も経ってない時点でこの状態では小鳥さんに期待はできません
黒服Aも勝機を得たという表情で執拗に小鳥さんの体をまさぐります
「んっ・・・やっ・・・あ・・・そこっ・・・らめ・・・っ!?」
そして黒服Aの手がついに小鳥さんの大事なところへと差し掛かりました
「いやっ・・・いまさわられたら・・・わらし・・・あっ!」
26:
時に焦らし、時に激しく、小鳥さんの秘部を弄る黒服A
小鳥さんの顔がどんどん赤くなっていきます
「あ・・・あ・・・あ・・・ダメ・・・イク・・・イク・・・イク!イク!イッちゃうぅぅぅ!!」
プシャアァァ。と小鳥さんの足元に水溜まりができました
「まずは一人・・・あと二十五分ですよ」
「小鳥さん・・・っ!?」
28:
次の瞬間私たちは目を疑います。黒服Aが尚も小鳥さんを辱めようとしているのです
「どういうことですか!?小鳥さんはもうゲームに負けたんじゃ!?」
「確かに彼女はゲームに敗北しました。ですが私は言いましたか?負けたら終わりだと」
「・・・っ」
そんなことは言っていない。となるとこれから始まるものは・・・
30:
「や・・・やめて!私イキました!イキましたから!」
「今、今触られたら私・・・おかしく・・・んぐっ!」
「んっ・・・んっ・・・んんっ!」
「ヤダ!ヤダ!ヤダヤダヤダ!またイク!イキたくないっ!イキたくないのにっ!」
「あ・・・あああぁぁぁぁ!!」
二度目の絶頂を終えるも黒服Aは止まりませんでした。小鳥さんの悲鳴が事務所中に轟きます
「ひどい・・・」
「ひどいとは心外だ。それよりもあの事務員だけを見ていていいのですか?」
「え・・・?」
31:
山崎に言われ私たちは律子さんとあずささんに目を向けた
「あん・・・あ・・・お尻なんて・・・んっ・・・」
「む、胸ばかり・・・触られたら・・・私・・・」
二人ともすでに顔が紅潮していて今にも絶頂に達してしまいそうだ
「この・・・程度で・・・」
唇を噛み締めながら耐える律子さんとは裏腹にあずささんの限界は近いようです
「あっ・・・り、律子さん・・・ごめんっ・・・なさい・・・私・・・お姉さんなのに・・・」
「あ・・・あずささん!気を・・・しっかり!」
「んっ・・・ん・・・んんんっ!!」
律子さんの激励も虚しくあずささんは黒服Cの重点的な胸攻めによって絶頂に達してしまいました
32:
「これで残りは一人。おやおや、あと二十分ですが、大丈夫ですか?」
山崎が下卑た笑いで律子さんを挑発します
「耐えて・・・耐えてみせるんだから・・・んっ!」
クチュクチュと律子さんのお尻の穴を黒服Bが弄ります
しかし律子さんもなんとか耐えています。その時、黒服Bが行動に移してきました
「え・・・さ、三本なんて・・・入るわけ・・・ぐっ・・・ああ!」
指を三本、律子さんのお尻の穴に挿れたのです
「こ・・・こんなの・・・大きすぎる・・・ダメ・・・このままじゃ・・・」
黒服Bは指の出し入れを早くしていきます
「あっ!ダメッ!そんな・・・早く!あっ!あっ!」
「ダメェェェェェェ!!」
律子さんの体から力がガクッと抜けたのがわかりました
このゲームは私たちが負けてしまったようです
33:
「残念でしたね。しかしまだ十分、時間が残っていますね。おい」
山崎が黒服たちに合図をすると律子さんたちは横並びで机に押しつけられました
「もったいないので最後まで楽しませてもらいましょう」
最後まで・・・その意味はなんとなくわかってしまいました
律子さんたちは拘束を解こうとしますが力では適わないようです
「さあ、やれ」
山崎の指示で黒服たちはズボンを脱ぎ局部を晒しました
「うそ・・・」
頭ではわかっていても不意に口から言葉が漏れてしまいます
私は目を背けることしかできませんでした
36:
聞こえてくるのは律子さん、小鳥さん、あずささんの悲鳴
リズムよくものが当たる音
そしてかすかな水の音です
「あと一分です。では盛大に出してあげてください」
出す?出すって何を?
私の頭がパニックを起こしたのを律子さんたちの悲鳴が現実に戻します
「やめて!?それだけはっ!?」
「中は・・・中はダメです!」
「あっ・・・あっ・・・あっ・・・!」
『イヤァァァァァァァ!!』
律子さんたちは同時に出され同時に果ててしまいました
そして力なく崩れ落ちます
37:
山崎は私たちに向き直り下卑た笑いで言い放ったのです
「さて、ゲームは私たちの勝ち。よってあなた方も私の好きにできるということです」
「そんな・・・」
残されたのは絶望・・・ただそれだけ
かと思っていたら私の後ろからバッと飛び出す二つの影
「響!左側は任せたよ!」
「やってやるさ!真!」
響と真が勢い良く黒服に飛び掛かりました
38:
「響!真!」
「みんなは早く逃げて!ここはボク達がなんとかするから!」
「早く行くさ!」
そんなことを言われてもすぐには動けませんでした
すると後ろから背中を押されます
「春香!急いで!」
「千早ちゃん・・・うん!」
千早ちゃんに後押しされ私はドアに走ります
先頭に千早ちゃん。続いて亜美、真美、やよい、私、雪歩、美希の順に駆け出します
40:
「・・・伊織!?」
伊織がいないことに気付いた私は辺りを見回しました
いた!まだ放心状態から抜け出せていないらしく床にへたりこんでいます
「伊織!」
駆け寄ろうとすると声が聞こえてきました
「春香!伊織はわたくしがなんとかします!ですから早くお逃げなさい!」
「貴音!でも・・・!」
貴音さんが伊織を守りながら逃げようとしています
「春香!美希!早く!」
千早ちゃんが叫びます
私は涙をこぼしながら再びドアへ向かって走りだします
43:
あと少しで外に出られる・・・そんなときに後ろから悲鳴が聞こえてきました
「いやぁ!いやぁなの!」
美希が捕まってしましました
「ハニー!助けて!ハニー!!」
美希の悲鳴が耳をつんざきます
「春香!」
もう後ろは振り向けません。私は必死に走りました
事務所の階段を下りてとにかく走りました
時折黒い車から黒服の男たちが出てきて追ってきます
それをなんとか振り切り私たちは路地裏へと逃げ込みました
44:
「・・・なんでこんなことになっちゃったんだろう」
誰からの返事もありません。みんな一様に俯いています
「春香、萩原さん・・・ちょっといいかしら」
千早ちゃんが口を開きました
「どうしたの?」
「何でこんなことになってしまったのかはわからない・・・けど」
「この子達だけはなんとしても守りましょう」
その言葉に多少動揺を受けながら
震えている亜美たちを見て私の決意は固まりました
46:
「うん。わかったよ、千早ちゃん」
「わ、私も・・・怖いけど頑張りますぅ」
「ありがとう。二人とも」
「これから・・・どこに逃げよう・・・」
意志は固まった。だけどだからといって安心はできません
いつまでもこんな路地裏でおいかけっこと言うわけにもいかないし
「じゃあ亜美達の家に行こ」
「亜美の家に?」
「うん!亜美達の家、それなりに大きいしセキュリティもしっかりしてるから、きっと大丈夫だよ!」
47:
確かに亜美達の親は医者でなかなかに裕福な暮らしだって聞いたことがありました
「場所もそんなに遠くないからさ!」
「だけど電車は使えないわよ?」
「どーして?千早お姉ちゃん」
「おそらくすでに手が回っているからよ。私たちを遠くに行かせないために・・・」
たしかに・・・あの山崎のことです。すでに手は打っていると思っていいでしょう
「そうなるとちょっと歩くかなぁ・・・」
「待って」
48:
「春香?」
すでに手を回されているなら・・・
「私たちの家って危険だと思う」
「どーして?はるるん」
「あの山崎って男が私たちの家を監視してないはずが無いよ」
「確かにあの男、只者じゃないって感じだったわね」
「じゃ・・・じゃあどうすれば・・・」
「あてもなく逃げるしかないと思う・・・」
そう提案した直後・・・
「いたぞっ!!」
黒服に見つかってしまいました
49:
「くっ・・・みんな!逃げるわよ!」
千早ちゃんの号令で一斉に走りだす
狭い路地裏をただひたすらに
右へ左へ走っているうちに不幸が襲ってきました
「きゃあ!」
けたたましい音を立てて、雪歩がゴミ置場に倒れこみました
どうやらゴミに躓いてしまったようです
「雪歩!?」
足を止めようとしましたが後ろには黒服が迫っていました
私が足を止めようとすると雪歩が叫びます
「逃げて!春香ちゃん!私はいいから!」
「雪歩・・・」
雪歩は明らかに震えていました
51:
「私・・・足手まといだから・・・!早く行って!」
「亜美ちゃんたちを守るんでしょ!私にかまってないで!」
雪歩・・・。私はその雪歩の決意を無駄にはできないと思い、必死に走りました
雪歩がどんどん小さくなってどんどん黒服が雪歩に迫ります
私は前を向き直り更に足を動かそうとした・・・その時
「やっぱりイヤァ!!」
雪歩の声が路地裏に響きました
52:
「やっぱりヤダよ!捕まりたくない!助けて!春香ちゃん!千早ちゃん!助けてよ!」
「ヤダ!来ないで!ヤダ!ヤダ!春香ちゃん!助けて!」
耳を塞ぎたくなるくらいの悲痛な叫び
ごめん・・・雪歩・・・もう助けられないよ・・・
「イヤァァァァァァァ!!」
53:
「ゆきぴょん・・・捕まっちゃったのかな・・・」
黒服をなんとか振り切れた私たちは公園の遊具に身を潜めました
「雪歩・・・」
「うっうー・・・」
「春香・・・大丈夫?」
「大丈夫?・・・大丈夫なわけないよ・・・なんなのこれ・・・なんなの!!」
つい語気が荒くなってしまいました
私たちが落ち着かないといけないのに・・・
54:
「ご、ごめん。千早ちゃん・・・」
「いいのよ。こんな状況になったら誰だって同じよ。私だって叫んでしまいたい」
千早ちゃんは大人だ
ふと、千早ちゃんの手を見ると手のひらが血で滲んでいる
「千早ちゃん・・・その手・・・」
「ごめんなさい・・・気にしないで。ちょっと強く握りすぎちゃって・・・」
千早ちゃんも耐えてるんだ
それじゃあ私も頑張らないと
56:
時間は夕暮れ。私たちはあてもなく歩いています
いつ遭遇するかわからない黒服への恐怖が私たちを襲います
「うっうー・・・家に帰りたいです・・・」
いつも元気なやよいにも元気がありません
「大丈夫だよ、やよい。きっと帰れるから」
「本当に帰れる?はるるん」
「帰れるよ、きっと」
もう私には根拠のない希望で励ますことしかできません
59:
「春香さん・・・泣いてるんですか?」
「え・・・」
自分の目の辺りに触れてみると確かに涙がこぼれていました
いつのまに流れてたんだろう
「大丈夫・・・大丈夫だよ・・・ちょっとゴミが入っちゃって・・・」
「みんな!隠れて!」
千早ちゃんが叫びます
私たちは咄嗟に路地に入り隠れました
「どうしたの?千早ちゃん」
「あいつらよ」
路地の影からひょこっと顔を出すと確かに黒服がいました。しかもどんどんこちらに近づいてきます
62:
「ど、どうしよう千早ちゃん・・・」
千早ちゃんは少し考え私に言いました
「私が囮になる。だから春香は三人を連れて逃げて」
何を言っているのかわかりませんでした
ただここで別れたらもう無事な千早ちゃんには会えない気がします
「だ、ダメだよ。千早ちゃん。みんなで逃げよう」
「いい、春香。なんとしても逃げ切るのよ」
それだけ言うと千早ちゃんは路地を出ました
64:
「こっちよ!こっちにいるわ!」
そう叫ぶと私たちとは反対方向に千早ちゃんは走り去っていきます
「はるるん。早く逃げよ」
「千早お姉ちゃんの行動が無駄になっちゃうよ」
「頑張ってください」
「みんな・・・」
三人に励まされてなんとか私は動きだすことができました
65:
ぐるるるっ・・・
こんな時でもお腹は減ります。私だけではなくみんな限界みたいです
でも誰もそれを言葉にはしません
みんな優しい子です
「そうだ・・・」
ポケットの中を探ると、ありましたビスケットです
ちょうど三枚。みんなにあげられます
「三人とも・・・こんなのしかないけど・・・食べる?」
ビスケットを差し出すと三人はとても喜んでくれました
「ありがとう!はるるん!」
「大事に食べるよ!」
「ありがとうございます!春香さん!」
「どういたしまして・・・」
キリキリと胃が痛むのを感じました
66:
辺りはすっかり真っ暗でよい子は眠る時間です
だけど休めるところを見つけなければ眠ることすらままなりません
財布を見ると多少のお金はあります
今夜はインターネットカフェに行こう
そう思い、近くにないか探します
あった!
私たちは急いでインターネットカフェに入り、年齢を偽り部屋を取りました
一人部屋では心細いのでペアシートです
67:
「やっと落ち着ける・・・」
同じ部屋のやよいはすでに寝息を立てています
「私も明日のために早めに寝よう」
「ちょっとその前にトイレに・・・」
私はトイレに行こうと立ち上がり個室のドアを開けると同時にお腹に衝撃が走りました
「・・・・・・うそ・・・」
目の前にいたのはあの黒服。どうやらつけられていたようです
最後に私が見た光景は亜美達三人が泣き叫ぶ姿でした
ごめん、千早ちゃん・・・約束・・・守れなかった・・・
69:
あれ?ここは事務所・・・?
「おはよう、春香」
プ、プロデューサーさん!
「どうした?春香。面食らって」
え?だってプロデューサーさんは・・・
「何言ってんだよ。寝呆けてるのか?」
73:
寝呆け・・・もしかして今までのは全部夢?
なんだ・・・夢だったんだ・・・よかった・・・
あ!プロデューサーさん!今日の予定は・・・
プロデューサーさん?プロデューサーさん?
どこに行ったんですか!プロデューサーさん!
「プロデューサーさん!」
ここは・・・765プロ。今のが・・・夢?
77:
「おはようございます。天海春香さん」
「きゃっ!?」
山・・・崎・・・。やっぱりこれが現実・・・
「なかなか起きないから心配しましたよ?服を脱がしても反応が無いから死んでしまったのかと」
「え?え?」
本当だ!服が無い!
「ふ、服はどこに・・・」
「物に服なんかいらないでしょう?」
山崎は下卑た笑いで言ってくる
80:
「ほ、他の子はどうしたんですか?」
虚勢を張って質問をしました。こうでもしないとおかしくなるから
「おや、聞こえませんか?あなたには」
「え?」
耳を澄ませると微かに聞こえてくる嬌声と悲鳴・・・
みんなは今も辱められている
「なんなら自分の目で見るといい。扉を開ければわかります」
扉へと促され私はドアの前に立つ
開けたら何かが崩れてしまいそうで怖かった
だけど開けずにはいられなかった
私はゆっくりドアを開けた
81:
私の目に映ったのは幾人もの男に凌辱される仲間の姿だった
一際目に映るのは奥の方。真と響が手を縛られ宙吊りになっている
顔もお腹も青アザだらけで暴行の跡だとすぐにわかる
「彼女達は歯向かってきたのでね。お仕置きですよ」
山崎の声が耳元でする
「昨日からずっとサンドバッグ状態。菊地真はまだ折れていないが我那覇響は・・・」
私は響に目を移す
82:
「ごめんなさい!ごめんなさい!もう・・・もう歯向かったりしないから!」
「殴らないで!痛いのはイヤだぞ!イヤだ!イヤ・・・ぐほっ!」
必死の懇願も容赦なく殴り付けられる
ひどすぎる・・・目を逸らすとそこにはあずささんがいた
「あはっ・・・気持ちいい・・・気持ちいいです・・・」
「もっと・・・もっと突いてください・・・」
「あぁ・・・イク!イク!イッちゃう!」
あずささん・・・。恐怖のあまり快楽に逃げてしまったのだろうか・・・
いや、よく腕を見るとなにやら注射の跡がいくつも見えた
84:
「彼女には新薬の実験に付き合ってもらいました。感度が十倍になり中毒性のある薬のね」
耳障りな声・・・最低なゲスの声
できることなら耳を塞ぎたい・・・だけどそれもできない
「もう!もう許してくださいまし!」
貴音さんの悲鳴が上がった。見ると黒服が貴音さんのお尻になにやら注射器のようなもので入れている
「もう・・・入りません・・・!お手洗いに・・・お手洗いに行かせてください!」
黒服は聞き入れませんでした。お尻に入れた注射器を思いっきり押します
「ひぎっ・・・!あ・・・ああ・・・も・・・もう出てしまいます・・・あああああ!!」
ブシャァァァと貴音さんのお尻から液体が排出される
液体によって薄まってはいるがまだ匂いはあった
85:
「おえぇぇぇぇ!」
私は耐えられなくなって吐いてしまいました
吐瀉物の匂いと排泄物の匂いが合わさりおぞましい匂いが出来上がりました
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
なんとか落ち着こうと息を整え、前を向くと誰かが立っています
「雪歩・・・」
「・・・・・・言ったのに」
「え?」
「助けて!って言ったのに!何で助けてくれなかったの!」
「雪・・・歩・・・」
「あの時助けてくれてれば!私こんな思いしなくて済んだのに!」
「何人も何人も!私の中に出すことなんて無かったのに!」
「ご、ごめん・・・」
「謝って済む問題じゃない!」
雪歩の怒号が胸を抉ります
86:
「あんたも・・・同じ目にあえばいい・・・」
「え?」
「あんたも!何人にも輪姦されちゃえばいいんだよ!あははははははっ!」
雪歩はもう・・・壊れてしまったんだろうか。よく見ると目の焦点が合っていない
「萩原雪歩。あなたはまだまだ元気なようですね。ではもっと頑張ってください」
山崎がそういうと黒服は雪歩の腕を掴み給湯室に入っていった
「イ・・・イヤァ!もうイヤ!もう出されたくない!イヤ!イヤだよ!」
事務所に雪歩の声が響く
87:
「では、天海春香。あなたもそろそろいいでしょう?」
いい?いいってなにが・・・?
「い・・・いいって・・・」
「あなたもあの中に入るんです。欲望の捌け口になるんですよ」
私も・・・あの中へ・・・?
嬲られ、弄ばれ、殴られ、輪姦され、挿入れられる
あの中へ・・・
「いや・・・いやです・・・」
「いやで済んだら彼女達も助かっています。あなたはすでに私たちの物なのですよ」
山崎は自分のズボンをカチャカチャと脱ぎ、性器を露出しました
91:
「きゃっ!」
「なかなかいい反応です。まぁ、そのうち慣れるので大丈夫でしょう」
慣れたくない!そんなのに慣れたくない!
バタバタと暴れますが力でねじ伏せられてしまいます
「わ、私!初めてなんです!だ、だから!許してください!」
必死の懇願
しかし山崎は何を言っているんだという顔で私を見ます
「彼女達はほとんど初めてでしたよ?それが免罪符になると思わないでください」
「ひっ・・・」
ゆっくりとゆっくりと山崎のモノが私の大事なところに近づいてきます
93:
「まぁ、優しくはしてあげます・・・よっと!」
「がっ!?」
優しくなんて嘘だ。山崎のモノは勢い良く私の膜を貫いた
「うん・・・やっぱり前戯もないと動きづらいですね」
「ひっ・・・ひっ・・・」
「まぁ、そのうち動きやすくなるでしょう」
「あ・・・痛い・・・痛い!」
私のことなどお構いなしで山崎は腰を降り続けます
94:
「初めてだとただキツいだけで気持ち良くありませんね」
「じゃ・・・じゃあ・・・抜いて・・・抜いてください・・・」
「いやに決まってるじゃないですか。きっちりと中で出させていただきます」
「え・・・」
どんどん腰の動きが早くなっていく。勢いが強くなっていく
もう痛みにも慣れてきました
「そろそろイキますよ。しっかり受けとめてくださいね」
「いや!いやぁ!出さないで・・・出さないでください!」
「うっ・・・!」
「あ・・・あ・・・あ・・・」
ドクドクと中に出ているのがわかりました
「ふぅ・・・天海春香。これからが本番ですよ」
「出された・・・中に・・・出された・・・」
「聞いてます?」
「ぷろでゅーさー・・・さん・・・」
私は心を閉ざしました
97:
二ヶ月後
まだ私たちは凌辱されています
食事は毎日出てきますが、お風呂は三日に一度水を掛けられるだけ
まず匂いは取れません
眠るとき以外は男たちのおもちゃにされ、食事もままなりません
また今日も一日が始まる・・・
しかし今日は最悪な一日だった・・・
98:
「二ヶ月も休みなしで犯されているとやはりゆるくなってくるのですね」
「・・・・・・・・」
「なんとか言ったらどうです?」
「・・・・・・・・」
もう私は喋る元気もありません。最低限生きるために必要なエネルギー以外は使わない
そうしないと保ちませんから
しかしその態度が気に食わなかったのか山崎は最悪の行動に出ました
「おい・・・」
山崎の指示を受けた黒服が吊された真の前に行きます
99:
真は新しい相手が来たのだろうと諦めの表情を浮かべました
すると次の瞬間、真の額に黒いものが突き付けられました
真がえ?という顔をしたのとほぼ同時にパァン!と乾いた音が響きました
真の頭から色んなものが飛び散り体はだらんと力なく揺れます
次に黒服は隣にいた響に向き直ります
「あ・・・ああ・・・助・・・助けて・・・な・・・なんでもするから・・・」
「殴ってもいい!犯してもいい!なにやってもいいから!お願い!殺さないで!」
「お願・・・」
パァン!
響だったものが出来上がりました
102:
こうなったらもう阿鼻叫喚の地獄絵図。少しでも理性のあった人が叫びはじめます
私も生き残るために必死に腰を動かします
「もう遅いですよ、天海春香」
「え・・・」
「まぁ、二ヶ月でも十分楽しめましたよ」
「いや・・・いや・・・」
山崎の手に拳銃が握られていました。それを私の額に付けて言いました
「せめてもの情けです。一瞬で逝かせてあげますよ」
「あ・・・ああ・・・」
山崎の指に力が入る・・・
「ぷろ・・・でゅーさー・・・」
パァン!
104:
「あんたは子供になんて話をしてるんですか!」
「ぴよっ!?」
小鳥さんの後頭部に一撃。重いものを食らわせる
「プ、プロデューサーさん!なにするんですか!?」
「なにするんですかもなにもありませんよ!こんな小さい子達になんて話してるんですか!」
見ると亜美と真美が震えている
112:
「いやぁ、おもしろい話を聞かせてほしいって言うものですから・・・」
「そんな話は妄想の中だけでしていてください!」
小鳥さんを激し、俺は涙ぐむ亜美と真美に近づいた
「ねえ、兄ちゃん・・・亜美たちりょーじょくされるの?」
「せーどれいにされて殺されちゃうの?」
あとでもう一発殴ろう
「大丈夫だよ。そんなことは絶対にないから。なにかあっても俺が守るよ」
「兄ちゃぁん・・・」
113:
亜美と真美が泣き付いてきた
すると・・・
「おっはようございま?す!」
春香が元気いっぱいに入ってきた
「おはよう、春香。今日も元気だな」
その元気に飛ばされそうになりながらも返事を返す
「なにかあったんですか?」
亜美たちを慰めている今の状況が気になったのか、春香が尋ねてきた
「ああ、ちょっとな」
今ここで説明するのもなんなのでちょっとはぐらかしてみた
すると空気を読んだのか春香はただ微笑むだけだ
カチリ。
時計は一時を回ったようだ
END
121:
乙!
122:
乙!
だけど、こわ過ぎます
124:

12

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俺の母なら同じ食費でもっと良い食事を作れるのに、嫁は努力が足りないと思う。

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