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モバP「結婚の幻」
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1:
泉「……ふう。お待たせ」
まゆ「思ったより時間がかかりましたねぇ」
泉「もう少しデータをコピーしてきてくれてたならこんなにかからなかったんだけどね」
まゆ「ウサギちゃんに邪魔されちゃいましたから……」
泉「セキュリティーロボがいるラボなんて晶葉のとこくらいだよ、まったく。で?」
まゆ「はい?」
泉「頼まれたとおり復元したけど、このソフトどうするの? まゆさんは一度使ったって聞いたけど?」
まゆ「うふふ、決まってるじゃないですかぁ。他の人で試すんですよ」
泉「え?」
3:
モバP「結婚の末」
モバP「結婚の後」
モバP「結婚の夢」
モバP「結婚の華」
の続き?です。
まったりお付き合いくだせぇ。
6:
まゆ「何かおかしいですか?」
泉「いや……。Pが他の人とイチャついてるとこなんか見たくないんじゃないかなと」
まゆ「所詮架空ですから」
泉「…………」
まゆ「架空ですから」
泉「あ、はい」
まゆ「焦っ……誤って壊しちゃった時は勿体無い事しちゃったと思いましたよぉ。これがあればPさんの隠された好みが分かるのにって」
泉「はあ」
まゆ「確かに他の女がPさんの隣で笑うところなんて見たくありませんけど、上手く活用すれば将来Pさんのお嫁さんになった時にPさんの求める理想のお嫁さんになれますからね。それくらい我慢してみせますPさんのためですから」
泉(誰か助けて)
9:
まゆ「ふう……。あ、泉ちゃん。もちろんPさんのデータも復元してますよね?」
泉「あ、うん。今まで取られたデータは全部復原してる」
まゆ「上出来です。じゃあ後は誰か来るのを待つだけですね」
泉「お昼過ぎなのに事務所に誰も居ないもんね」
まゆ「Pさんは出張中。社長は行方不明。ちひろさんは得意先に行くって言ってましたよ」
泉「社長」
まゆ「今更ですよ。Pさんが出張だからお休みしてるアイドルも多いですし、今日事務所に来るとすれば暇な人だけでしょうしねぇ」
泉「まゆさん。ブーメランって知ってる?」
まゆ「さあ?」
10:
未央「じゃあこのちゃんみお様も暇人って事かー」
まゆ「ひっ!?」
泉「ひゃあ!?」
未央「おっ。いいリアクションありがとうございます!」
泉「み、未央さん。来てたなら声くらいかけてくれないかな?」
未央「えー? だって2人でこそこそなんかやってたからさー。こりゃちょっと驚かさなければ! と思った次第でありまして」
泉「ちょっとどころじゃないよ……。て、あれ? まゆさん?」
まゆ「は、ははははい?」
未央「ごめんままゆん。そんな涙目になるほど驚かす気は無かったんだよ……」
まゆ「な、涙目? なな何のことですかねぇ?」
13:
かくかくしかじか
未央「ああ、これが噂の……」
泉「知ってるんだ?」
未央「うん。あーちゃんや茜っちもやったらしいからね。私除け者」
泉「いきなり自虐的にならないでよ……」
まゆ「せっかくですから未央さんもやってみませんか?」
未央「面白そうだけどさー。ほら、私って親友ポジションじゃん? だからあんまり参考にならないんじゃないかなーって」
まゆ「確かにそうですねぇ」
未央「少しは違うって言って欲しかったよちくしょい」
泉「じゃあ他の人待とっか」
未央「後輩までこの扱い!? いいもん! やるもん! やればいいんでしょ!?」
泉「じゃ、これ被って」
未央「はい……」
泉「……ん。いいよ」
未央「これで結果も最悪ならちゃんみお泣いちゃうぞ……」
P
愛情 100
不満 0
浮気度 0
本田未央
愛情 100
不満 0
浮気度 0
16:
1年後
未央『PさんPさんっ! あの服すっごく可愛いと思わない!?』
P『うん』
未央『でもやっぱりこれも捨てがたいしなー。うむむ、この未央様を悩ますとはいい度胸』
P『両方買えば?』
未央『しゃらーっぷ! 違うんだよPさん。そうじゃないんだよ!』
P『はあ』
未央『今日出逢った服の中で最良を選び抜き! 選ばれた服とともにまた新しい服を探しに行く! これがショッピングの醍醐味なんだよ!』
P『あのね未央』
未央『はい』
P『かれこれ3時間ね。この女性服しか置いてない店入ってから』
未央『はい』
P『何か言いたい言葉は?』
未央『……ごめんなちゃい♪』
P『可愛く言ったって許せるかぁ!』
P
愛情 100
不満 5
浮気度 0
本田未央
愛情 100
不満 0
浮気度 0
18:
未央「反論出来ないこの悔しさ」
泉「流石にPが可哀想だよ、これ」
まゆ「いくらPさんが優しいと言っても、これで不満が上がるのは仕方ないですよ」
未央「気をつけます……」
泉「一応不満の理由見ておこっか」
不満の理由
P『買い物が長い』
未央「ごめんなちゃい」
泉「普段からこうなの?」
未央「んー。たぶんだけど、私って誰かと買い物するのが好きでさー。好きな人と一緒だから余計テンション上がっちゃって時間忘れちゃってるのかも」
まゆ「……好きな人?」
未央「ここここのソフトの中の私はね!? 私じゃないぞ!? 私じゃない私の話だから!」
21:
5年後
P『ただいまー』
未央『おっかえりーん♪』
P『なんだ。えらく上機嫌だな』
未央『だってさー。p(息子)がママって言ったんだよー♪ ママーって♪』
P『……あ?』
未央『くふふ。残念でしたねー。ぱ、ぱ♪』
P『pを返せ。さすれば汝の罪を赦そう』
未央『いやっ! 私からpを奪わないで! 私の全てなの!』
P『許さん! 最初の言葉はパパじゃなきゃ駄目なんだ!』
未央『見苦しいぞ! 最早勝敗は決したんだ!』
p『ままー』
未央『ほれみたか!』
P『ば、馬鹿な……。あれ?』
未央『へ?』
p『ままー』
P『……立ってる?』
未央『……立ってるね』
P『未央、カメラ』
未央『任された!』
P
愛情 100
不満 0
浮気度 0
本田未央
愛情 100
不満 0
浮気度 0
23:
泉「なんかこう、未央さんがイチャついてるのを見ると壁を叩きたくなるよね」
未央「イズミン、それはどういう意味かな? なんで私限定なのかな?」
泉「まだ私はマシな方だよ。ほら」
未央「へ?」
まゆ「PさんPさんPさんPさんPさん……」
泉「見なよあの折れたシャーペンの山」
未央「怖いよっ!」
まゆ「……ふう。Pさんが子供好きなのはよーく分かりました。大丈夫ですよPさん。まゆがちゃんと産んであげますから。男の子でも女の子でも何人でも。もちろん最初にパパって呼ぶようにだってしてあげますよぉ。まゆはPさんが求める事を全て叶えてあげますどんな事であろうとなんであろうと」
未央「ままゆん帰ってきて! ダークサイドに堕ちかけてるって!」
29:
10年後
未央『ええ、ええ。見損ないましたよ』
P『ああ、こっちこそだ』
未央『ほおー、あくまで主張は曲げないと』
P『そっちこそだ。こんなに分からず屋だとは思って無かったね』
未央『私達、もう駄目みたいだね……』
P『ああ、そうだな……』
未央『しばらく実家に帰らせて頂きます。行くよ、pちゃん』
P『待てこら。pは置いていけ』
未央『pちゃんが一緒にいないと運動会の練習が出来ないでしょ!』
P『だ、か、ら! pと玉投げするのは俺だ!』
未央『私だ!』
P『俺だ!』
未央『お前か!』
P『違う、お前だ!』
未央『……ん?』
P『あれ?』
p『……玉投げは家族みんなで出れるよ?』
P・未央『なんだと!?』
P
愛情 100
不満 5
浮気度 0
本田未央
愛情 100
不満 5
浮気度 0
35:
泉「ああもう。なんていうか腹立つねこの夫婦」
未央「ごめんなちゃい」
まゆ「親友みたいな夫婦ですよねぇ」
泉「だからかな? なんかじれったくて言葉に出来ない苛立ちが」
未央「ごめんなちゃい」
泉「気に入ったの?」
未央「うん」
まゆ「一応不満を出してもらっていいですか?」
泉「ん。ちょっと待ってね」
不満の理由
P『もう少しイチャつきたいのに何故かそういう雰囲気にならない』
未央『もう少しイチャつきたいのに何故かそういう雰囲気に出来ない』
泉「ふー……っ!」
まゆ「我慢はよくないですよ?」
泉「そう? じゃあ言うね。ならそのノリやめろ!」
未央「ごめんなちゃい。あ、いや。ごめんなさい」
40:
20年後
P『ふー……』
未央『……えへへ、お待たせ♪』
P『ははっ。なるほど、だからか』
未央『懐かしいっしょ。雪の降る街角で待ち合わせなんて』
P『先に家を出ろって言われた時はまた面倒くさい事考えてやがるなーと思ったけど』
未央『失敬な! 久しぶりのデートなんだから少しは昔の気分に浸ろうと粋な計らいをしてあげたというのに!』
P『はいはいアリガトウゴザイマス』
未央『感謝の気持ちが微塵も感じられない!?』
P『昔を振り返ってばっかじゃ駄目だぞ。今は昔とは違うんだから』
未央『むー……』
P『昔と違って、俺らは夫婦なんだからさ――』
未央『――ん。上手く誤魔化された気が』
P『何のことやら。ほら、右手が手持ち無沙汰なんだけど?』
未央『もうっ。仕方ないなー。優しいちゃんみお様がずっと握ってあげましょうか♪』
P
愛情 100
不満 0
浮気度 0
本田未央
愛情 100
不満 5
浮気度 0
ハッピーエンド!
45:
未央「やったねハッピーエンド!」
泉「はいはいオメデトー」
未央「祝福感がまったく無いよ!?」
まゆ「Pさんは子供好き……。ある程度高いテンションでも大丈夫……」
未央「片やなんかメモってるし……」
泉「まあこのソフト作るために晶葉のラボに乗り込んだりロボと闘ったり色々頑張ってるからね。そのくらい許してあげなよ」
未央「いや、まあ別に構わないけどさ。なんだろこの当て馬感」
泉「さてね。とりあえず不満見よっか」
不満の理由
未央『もう少しデリカシーを』
泉「どの口が」
未央「うん。そうだよねごめんなさい」
まゆ「総括も出ますか?」
泉「もちろん。ちゃんと復元させたって言ったでしょ?」
49:
総括
とても相性の良い両名です。
お2人なら幸せで楽しい時間を重ねていけるでしょう。
注意点
Pさん
気兼ねがない相手だと物言いがストレートになりがちです。
それ故に気付かないうちに相手を傷付ける事もあります。
親しき仲にも礼儀ありと言うように、もう少しその辺りに気を配った方が良いでしょう。
本田未央さん
素の自分を見せるのが恥ずかしいと思っている面があります。
明るく振る舞うのは良いですが、時には女性として甘えてみるのも良いでしょう。
そうすれば、貴女の求める関係に更に近付けるはずです。
泉「未央さんの素ってなんだろね」
未央「そりゃー、甘やかされるのが好きなただの物静かな女の子だよ」
泉「ダウト」
未央「なんでさ!」
50:
まゆ「私の時は少し遠慮した物言いでしたね……。うふふ、等身大のPさんを受け止めてあげられるのに……」
未央「なんかまた暴走モード入りかけてるんだけど」
泉「気をつけた方がいいよ。油断すると食い破られるからね」
未央「流石の未央ちゃんもそれは勘弁かな」
泉「それにしても誰か来ないかなー。これじゃあデータ収集もままならない」
あい「おや、誰かいるのかい?」
まゆ「あら?」
泉「噂をすれば、かな」
未央「だね。あいさんこんちわー!」
あい「ああ、こんにちは。お休みなのに事務所にいるなんて、と言いたいが、私達も同じか」
未央「私達?」
瑞樹「あら、女子会の邪魔しちゃったかしら?」
泉「あ、川島さん。こんにちは」
54:
あい「今晩飲み会なんだけどね。1人が仕事だからここで待ち合わせなんだ」
未央「いいなー。私もお呼ばれしていいですか?」
瑞樹「飲み会って言ったでしょ。ちゃんと成人してからいらっしゃい」
未央「だって私が成人する頃には川島さんいな――」
瑞樹「いるわよいてやるわよまだまだいけるわよそうでしょ!?」
未央「あ、はい。ごめんなちゃい」
あい「こらこら。年上をからかうんじゃないぞ? で、君達は何をしてたんだい?」
泉「えっと、その」
まゆ「少しこれでお勉強を」
瑞樹「ヘッドホンとノートパソコン?」
あい「ふむ、姫川くんや早苗さんから聞いたあれかな?」
まゆ「知ってるんですか?」
あい「Pくんとの結婚生活を知れる、だったかな?」
泉「これそんなに有名なの?」
未央「まあ私も知ってたくらいだしね」
58:
まゆ「よかったらお2人も試してみませんかぁ?」
瑞樹「え? なに?」
未央「もう被ってるし!」
あい「瑞樹さん、やりたかったのは知っているがもう少し落ち着きたまえ」
瑞樹「だって結婚生活を知れるなんて大事な事じゃない! 泉ちゃん、もういいかしら?」
泉「あ、はい。大丈夫です」
瑞樹「ほらー、あいちゃんも被った被った♪」
あい「やれやれ。これでいいかい?」
泉「……うん、おっけー。どっちから見」
瑞樹「はいっ!」
あい「……だ、そうだ」
未央「ヤバい。今の川島さんに勝てる気がしない」
まゆ「勝ちたいとも思いませんけどね」
泉「それじゃ、始めるよ」
P
愛情 100
不満 0
浮気度 0
川島瑞樹
愛情 100
不満 0
浮気度 0
61:
1年後
瑞樹『うふふー♪ たらいまー♪』
P『酒くさっ!? どんだけ飲んだんだよ』
瑞樹『やーね、2本らけよ。に、ほ、ん。日本人らけに!』
P『おーおー。楓さんがいたら喜んでくれてただろうな。ほら、水持ってくるから座ってて』
瑞樹『なんれ楓ちゃんの名前が出るのよぉ! 私じゃ不満かーっ』
P『不満じゃないけど面倒くさいなちくしょう! いいから大人しくしてなさい!』
瑞樹『いやよ! 他の女に目移りするP君にもっと私の良さを教えなきゃ!』
P『もう充分だって――うわ! こら! ここ玄関なんだか――』
P
愛情 100
不満 15
浮気度 0
川島瑞樹
愛情 100
不満 5
浮気度 0
64:
(アカン)
66:
未央「」
瑞樹「」
まゆ「あらぁ……」
泉「うわぁ……」
あい「瑞樹さん、言いたくないがはっきり言っておく。これは酷い」
瑞樹「お、おかしいわね……」
未央「川島さんって酒癖酷いの?」
あい「時々な。スイッチが入ると止まらなくなるんだ」
瑞樹「と、時々よ? 時々……」
泉「……異常に不満の数値が高いし、見ておこっか」
不満の理由
P『色々面倒くさい』
瑞樹『他の女性に靡きそう』
未央「ごめん。今の何年目だっけ」
まゆ「1年後だったと思いましたけど……」
泉「これ挽回出来るの?」
瑞樹「だ、大丈夫よ! これでも趣味が掃除洗濯なんだから! これからよ、これから!」
67:
5年後
瑞樹『パパ遅いわねー。ねー、p(息子)』
p『うん……』
瑞樹『まったく、仕事なら仕事でちゃんと連絡くらい入れるべきよ。こんなに妻と息子を心配させるなんて、夫失格よ』
p『パパしっかくー?』
瑞樹『そっ。失格よ失格。pはそんな風になっちゃ駄目よ?』
p『はーい……』
P『ただいまー』
瑞樹『やーっと帰ってきた。随分遅かったわね』
P『すまん、先方が急に食べに行こうと言い出してな』
瑞樹『どーだか……』
P『な、なんだよ』
瑞樹『それにしたって連絡くらい入れたらどうかしら? 私もpも心配してたのよ?』
P『わ、悪かったってば。それに遅いって言ったってまだ20時だろ?』
瑞樹『もう20時よ! ほうれんそうは社会人の基本でしょ!』
P『……ごめん』
P
愛情 80
不満 30
浮気度 0
川島瑞樹
愛情 90
不満 50
浮気度 0
68:
(アカン)
76:
泉「誰か胃薬持ってない?」
あい「確かPくんの引き出しの中にあるはずだ」
未央「私もちょーだい」
まゆ「ふむふむ……」
泉「よくこれ見ながらメモ取れるね……」
まゆ「Pさんのためですから」
あい「愛は強いな……」
瑞樹「……ありえないわ」
泉「不満、見る?」
瑞樹「もちろんよ」
不満の理由
P『信頼されてる気がしない』
瑞樹『誰かに取られそうで怖い』
あい「……要約すると、瑞樹さんは寂しいんじゃないかな」
瑞樹「え?」
未央「んー。じゃあ息子に言ってたのは?」
あい「本音半分偽り半分、だろう。どちらかと言えば寂しがってる自分を息子に見せないように強がってるんじゃないかな?」
まゆ「どうしてですか?」
あい「弱い自分というのは、家族にすら見せたくないものだからね」
78:
10年後
瑞樹『じゃあ後は頼むわね』
P『ああ』
瑞樹『……ねえ、あなた』
P『ん?』
瑞樹『私は、ずっと怖かったわ。あなたが誰かに取られるんじゃないかって』
P『……これでも一途なつもりなんだけどな』
瑞樹『そうかもしれない。だけど怖かった。寂しかったと言う方が正しいかしら?』
P『寂しかった?』
瑞樹『私はどんどん老いる。あなたより先に。なのにあなたの周りには若い子がいっぱいいて、いつでも浮気出来るだけの備えはあった』
P『ひでぇ言い種』
瑞樹『ふふっ、そうね。でもそんな環境下にあなたはいる。私の知らないところで何が起きてるか分からない。私の知らないあなたがいるかもしれない。そう思うと怖くて……寂しかったのよ』
P『…………』
80:
瑞樹『もちろんそんな心配が空回ってたんだろうけどね。でもあなたも悪いのよ? 仕事の連絡は完璧な癖に家族には愚かなんて』
P『それは……悪いと思ってる。つい分かってくれてるはずだと思い込んだ節もあった』
瑞樹『お互い欠陥だらけね』
P『……なあ瑞樹』
瑞樹『なにかしら?』
P『不幸にさせて、すまなかった』
瑞樹『……ふふっ』
P『な、なんだよ』
瑞樹『お互い様、よ。ごめんなさい、弱い私で』
P『……こんなの言うのは間違いだと分かってる。だけど距離を取って、2人とも落ち着いたら……また』
瑞樹『……そんな日が来れば、いいわね』
P『……そっか』
瑞樹『今すぐは無理よ? 私が心労で倒れちゃうから』
P『……ああ』
瑞樹『……その日まで、さようなら』
P『ああ、またな……』
P
愛情 70
不満 40
浮気度 5
川島瑞樹
愛情 70
不満 60
浮気度 0
バッドエンド!
92:
未央「知ってる? 胃薬って湯冷ましで飲むのが一番飲みやすいんだって」
泉「どこ情報?」
未央「某ファミレスで帯刀女性に恋してる男性談」
泉「誰よそれ」
あい「大丈夫かい、瑞樹さん」
瑞樹「だ、大丈夫よ……。そんなに感情移入する訳無いじゃない……」
まゆ「その割には体が震えてますけど……」
瑞樹「こ、これはその……。つ、痛風よ!」
あい「余計悲しくなるからやめてくれ!」
泉「……不満は出す必要無いね。お互いさっき言ってたし」
未央「普段からあれだけ素直なら、こうならないのかもね」
瑞樹「難しいものなのよ……。歳を重ねる事に、どんどん難しくなるのよ……」
まゆ「そういうものなんですか」
泉「反省も踏まえて、総括見よっか」
113:
総括
お互いの欠点が噛み合ってしまい、今のままでは破局は免れません。
今一度自分達を見つめ直して下さい。
注意点
Pさん
信じていると言えば聞こえはいいですが、だからといって何をしてもいいという訳ではありません。
不安を煽る行動は避けるよう、やってはならない事の線引きをしっかりしましょう。
川島瑞樹さん
不安を持つのは結婚生活では当然ですが、貴女の場合は不安が先行しがちです。
それ故に自虐的になり、遂には相手の事すら信じられなくなります。
まずは自信を持ちましょう。
幸せな結婚生活を送る為にも、貴女を愛してくれる相手の為にも。
116:
瑞樹「自信、ね」
未央「川島さんは自信満々! ってタイプだと思ってたけどなぁ」
あい「普段そんな人こそ、裏では弱い部分も持ち合わせているものさ。瑞樹さん然り、私も然り」
泉「なんか意外かも」
瑞樹「いつか分かる時が来るわよ。あと10年もすれば」
未央「リアルな数字はやめてください」
まゆ「10年後の私達……。どんな風になってるんでしょうねぇ」
泉「大学出たくらいか……。まだこの業界にいるのかな」
瑞樹「おーけーストップ。やめましょう、先の事を考えるのは」
あい「そうだね。まずは今を見ようか」
泉「じゃああいさんの始めるけど、いい?」
あい「ああ、頼むよ」
まゆ「不安はないんですか?」
あい「あるさ。だが不安で歩を止めても先へは進めない。そうだろう?」
未央「これが本当の大人の余裕か……!」
瑞樹「何か言ったかしら」
P
愛情 100
不満 0
浮気度 0
東郷あい
愛情 100
不満 0
浮気度 0
122:
1年後
あい『……ふう。どうかな?』
P『よかったよ。聴いてて楽しげな気分になれた』
あい『ふっ、それなら吹いた甲斐があったというものだ』
P『お陰で有意義な時間を過ごせたよ。ありがとな』
あい『なに、お礼を言われる事じゃないさ。Pくんに誉めてもらえただけで、私は満足しているからね』
P『そんな大層な』
あい『それにねPくん、音楽とは演奏者の気持ちをそのまま伝えるものなんだよ』
P『え?』
あい『先程君は楽しげだと言った。それは私が楽しく吹いていたから。何故か分かるかい?』
P『……好きなサックスを吹けているから?』
あい『ふふっ。それが冗談でない辺りが君らしい』
P『んん?』
あい『君が……いや、あなたが傍にいてくれてるから楽しいのさ。演奏料はそれで充分なんだよ』
P
愛情 100
不満 0
浮気度 0
東郷あい
愛情 100
不満 0
浮気度 0
123:
未央「なにこのイケメン」
泉「あいさんのファンに女性が多い理由が分かった気がする」
瑞樹「あいちゃん。私をもらってくれてもいいのよ?」
あい「嬉しい申し出だけど、慎んでお断りさせてもらおうか」
まゆ「Pさんは格好いいのが好き……と」
あい「その評価は私もPくんもどうかと思うよ?」
未央「しっかし、あいさんだと安心して見えるなー」
泉「Pの不満が溜まる前に解消しそうだからね」
あい「こらこら、過剰な期待は止してくれ。私だって万能という訳じゃないんだ」
まゆ「でも確かに安定しそうだとは思いますねぇ」
瑞樹「私と違ってね」
未央「私が言えた立場じゃないんだろうけどさ、いきなり自虐モード入らないでくださいお願いします」
127:
5年後
あい『さて、p(娘)も寝た事だし少し話し合おうか』
P『何をだ?』
あい『率直に言えば、私は寂しいと思っている。何故だか分かるかい?』
P『……仕事で家にいる時間が少ないから?』
あい『そうだ。無論、君の仕事上止むを得ない事だとは熟知しているし、私やpを何不自由なく養ってくれてる事にも感謝している』
P『……どうすればいい?』
あい『これは提案なんだが、転職してみてはどうだろうか。もちろん今すぐにとは言わない。あなたが辞めてもいいと思った時でいい』
P『…………』
あい『幸いにしてpももうすぐ幼稚園に入る。そうなれば私も働く。生活レベルを維持できるよう努めよう。どうかな?』
P『……少しだけ、考えさせてくれないか?』
あい『ああ、君にも君の都合がある。答えを教えてくれれば、それでいい』
P
愛情 100
不満 5
浮気度 0
東郷あい
愛情 100
不満 5
浮気度 0
131:
あい「ほらね、私も完璧では無いだろう?」
泉「いや……」
まゆ「その……」
未央「清々しいまでに完璧だと思うんですが……」
瑞樹「不満を口に出せるなんて充分凄いわよ……」
あい「そういうものかな?」
未央「だ、ダメだ! 眩しくて直視出来ない!」
瑞樹「私なんて浄化されちゃう!」
まゆ「三文芝居は放っておいて、Pさんの不満は何なんですか?」
泉「んーっと、はい」
不満の理由
P『家族か夢か、か』
あい『自分勝手な私が嫌いだ』
まゆ「夢、ですか?」
泉「トップアイドルを育てる事じゃないかな」
未央「これだけトップアイドル輩出しといて?」
あい「PくんにもPくんなりの事情があるんだろう。ふふっ。そう思うと、自分勝手に我が儘を述べた自分が本当に嫌になるな」
134:
10年後
あい『ふふっ。こうして公園で遊ぶpを見てると薫を思い出すな』
P『はは、確かに。今頃どうしてるのかなぁ……』
あい『……なあ、あなた』
P『ん?』
あい『あなたは今、幸せか?』
P『当たり前の事聞くんだな。当然だろ?』
あい『そうか?』
P『な、なんだよ』
あい『私はとても幸せだ。我が儘を許してくれる優しい夫に可愛い娘。順風満帆とはこういうものなんだろう。だけど』
P『だけど?』
あい『時折見せる君の悲しそうな顔が私の我が儘のせいなら、私の幸せは君の幸せを壊した上で成り立っているんじゃないかと不安になってしまうんだ』
P『それは、違う。幸せなのは事実だ』
あい『なら教えてくれ。あなたの隠したものを。私の我が儘を聞いてくれたんだ。次はあなたが我が儘を言う番だろう?』
P『……実は』
P
愛情 100
不満 0
浮気度 0
東郷あい
愛情 100
不満 5
浮気度 0
139:
まゆ「実はなんですか!?」
未央「ひゃいっ!?」
泉「ま、まゆさん落ち着いて」
あい「ふむ……」
瑞樹「どうかしたの?」
あい「あ、いや。これで不満を持つなんて、やはり私はまだ未熟だなと思ってね」
泉「不満って言ってもなぁ……」
不満の理由
あい『もっと頼って欲しい。力になりたい』
未央「だからなんなのこのイケメン」
泉「これのどこが未熟なんだろ」
瑞樹「私もっと頼ってもいいのかしら?」
あい「待て。瑞樹さんのは意味合いが違う気がするぞ」
瑞樹「ソウカシラ」
まゆ「私、あいさんを見習ってはっきり言えるよう頑張りますね」
未央「私もーっ!」
あい「君達は充分はっきりと物を言ってる気がするけどね」
143:
20年後
あい『ふう。ただいま』
P『お疲れ様』
あい『君こそ。お疲れ様』
P『ごめんな。俺のために無理させちゃって』
あい『……誰が、いつ。君のためだと言った?』
P『へ?』
あい『これは私のためさ。愛する人にも幸せになってもらいたいという自己満足。ただそれだけの話なんだ』
P『……ありがとう』
あい『お礼はいらないさ。ちゃんと報酬は受け取ってる』
p『ママ、お帰り!』
あい『ただいま。な?』
P『な、って言われても』
あい『幸せな家庭を築かせてくれた。これ以上の報酬がどこにある?』
P『……ったく。可愛い事言ってくれるよな、ほんと』
あい『だからこれからも、あなたの隣を手を繋いで歩かせてくれたらそれでいいさ――』
P『――ああ、絶対離さないからな』
P
愛情 100
不満 0
浮気度 0
東郷あい
愛情 100
不満 0
浮気度 0
ハッピーエンド!
148:
未央「きゃーあいさんマジイケメーン」
瑞樹「抱いてー」
あい「君達2人はお仕置きが必要かな?」
未央「冗談抜きで惚れそうなんだけど」
瑞樹「うんうん」
あい「どちらにせよやめてくれ」
泉「にしても圧巻だったね」
まゆ「ええ。お陰でいい勉強が出来ました」
あい「やめてくれ。これでも、その……恥ずかしいんだ」
未央「ちゃんみおは見た! テレるあいさん!」
瑞樹「赤らむ頬を人差し指で掻くという高等技術を平然とやってのけるなんて……恐ろしい子ッ!」
泉「なにそれ?」
瑞樹「……恐ろしい子ッ!」
未央「やめた方がいいよ川島さん。傷口広げるだけだって」
瑞樹「うう。菜々ちゃんや楓ちゃんには通じるのに……」
あい「何気に菜々くんを巻き添えにするんじゃない」
泉「とりあえず総括見るよー」
151:
総括
幸せになる為の模範と言っても過言ではありません。
末永くお幸せに。
注意点
Pさん
自己犠牲な面があり、それにより不満が溜まる可能性を秘めております。
相手がその不満を理解し、取り除いてくれたから良かったものの、下手をすればその不満が夫婦間に亀裂を作る原因になります。
自ら意思を伝える事も大事だと覚えておいて下さい。
東郷あいさん
妻としての資質がとても高く、余程じゃなければ結婚生活が崩壊する事は無いでしょう。
ただし頼られる事を人並み以上に求めている節があります。
頼られなければ自分の存在価値を見失ってしまい、孤独を感じて不満を溜め込みます。
頼られる事=愛されているではありません。
そこまで思い詰めなくても大丈夫ですから、もう少し物事を気楽に考えて下さい。
152:
あい「ふむ。そんなつもりは無かったんだけどな」
泉「まあこれは深層心理まで引っ張ってくるソフトだからね。意識してなくてもそういった面も持ち合わせてるんだと思うよ」
あい「なるほどな。気を付けるようにするよ」
未央「またこれであいさんのスペックが上がるのか……」
瑞樹「少しは分けて欲しいわね」
あい「求める前に努力してくれ。まゆくんを見てみろ」
まゆ「…………呼びましたかぁ?」
未央「うわぁ……。ノートにびっしり……」
瑞樹「P君の欠点や好み、それに対処法まで……」
まゆ「当然ですよ。将来のためなんですから……♪」
泉「正しいかどうかは置いといて、確かに凄い努力だよね」
未央「見習える気がしない」
瑞樹「同じく」
あい「おい」
153:
あい「何はともあれ瑞樹さんはもっと自信を持たなければな」
瑞樹「うっ……。そ、そうよね」
未央「大丈夫だって。川島さんもまだまだ若いから!」
泉「そうだよ。三十路越えてから結婚する人だって多いんだし」
まゆ「これからですよ」
瑞樹「……ありがとうね」
あい「ますます凹んでどうする」
瑞樹「だってぇ、今の私もの凄く情けないんだもの……」
あい「はいはい。残りは酒の席で聞いてあげるから」
まゆ「それにしても遅いですねぇ」
あい「もうすぐだとは思うんだけどね」
泉「もう夕方か……。休みに何してるんだろ私」
未央「考えたら負けだよ」
「帰ったわよ!」
瑞樹「噂をすれば、ね」
ヘレン「あら、あなたたち何してるの?」
時子「私の玩具になる相談かしら?」
未央「」
156:
あい「お疲れ様。時子くんも一緒だったのか」
ヘレン「ええ。せっかくだから世界レベルの飲み会を教えてあげようと思ってね」
時子「まったく、鞭の手入れをするつもりだったのに。強引な豚は嫌いよ」
瑞樹「まあまあ。せっかくだし楽しみましょ」
未央「私の本能が告げてる! 絶対ダメだって!」
泉「未央さんに同じ。あの2人は流石にマズいって」
まゆ「でも今まで見た事ないタイプのお2人ですから興味はあるんですよねぇ」
時子「何をぶつぶつ言ってるのかしら?」
未央「ひゃいっ!?」
ヘレン「世界レベルに興味があるのかしら。ふふ、いいわよ。求めよ、さすれば与えられん!」
泉「」
まゆ「そうじゃなくてですね」
ヘレン「あら、違うの?」
未央(平然とノーと言えるままゆんが凄い……)
179:
かくかくしかじか
ヘレン「へえー」
時子「豚の調教生活ねぇ」
未央「なんか不穏な単語が」
時子「言い得て妙、でしょう。自分の隣に相応しい豚になるよう躾なければならないんだから」
泉「何が間違いかすら分からなくなるね。で、やるの?」
時子「いいわよ。あの豚がどれだけ成長出来るか知っておくのも悪くないわ」
ヘレン「Pは私が隣にいてもいいと認めたただ1人の存在だからね。いつか来るその日の為に万全を備えておくのも世界レベルの務めよ!」
まゆ「……はい?」
あい「悪気がある訳じゃないんだ。許してやってくれ」
泉「じゃ、これ被ってくれる?」
183:
ヘレン「オーケー! カモン、ミュージック!」
泉「音楽が流れる機能は備わってないから。いいよ」
ヘレン「あら、つまらないわね」
時子「ええ、本当に。ボールギャグみたいな形の方が良いに決まってるわ」
まゆ「脳波を調べるための設計ですから」
時子「だからこそよ! 無理矢理喰わえさせて頭の中を隅々まで調べ上げる……。フフッ、素敵だとは思わないかしら?」
未央「全然」
瑞樹「わからないわ」
時子「……ふんっ」
瑞樹「きゃあ!?」
未央「いたいっ!? どこから鞭が!?」
時子「私に楯突くとは良い度胸ね女豚共。後でじっくり躾てあげるわ」
未央「」
瑞樹「」
泉「ごしゅーしょー……。じゃあどっちから見る?」
時子「私よ。1番は常に私であるべきなの」
ヘレン「構わないわよ。フッ、我が儘を聞くこの器の大きさ……」
時子「はあ? 何かほざいたかしら?」
あい「ケンカするんじゃない。ほら、始めるよ」
P
愛情 100
不満 0
浮気度 0
財前時子
愛情 100
不満 0
浮気度 0
190:
1年後
時子『ほら、さっさと毒味をしなさい』
P『ああ……、ん! 美味しいなこれ』
時子『誰が味の感想を聞いたのかしら? 私が作ったのよ、美味しいに決まってるじゃない。まったく使えない豚ね……』
P『悪い悪い。でもこのチャーシュー本当に美味しいよ』
時子『私が縄の使い方、豚の調理をしくじるとでも思ってるのかしら? これが私の一番豚だなんて泣けてくるわ』
P『ベットの上だと毎晩鳴いてるくせに』
時子『……豚、何か言ったかしら?』
P『イイエナニモ』
時子『フンッ! 用は済んだのだからさっさと向こうに行ってなさい! 目障りよ!』
P『はいはいっと』
時子『まったく……。調子に乗りすぎなのよあの豚……ふふっ』
P
愛情 100
不満 0
浮気度 0
財前時子
愛情 100
不満 5
浮気度 0
199:
未央「」
泉「」
瑞樹「」
時子「…………ふん!」
未央「にゃっ!」
泉「いたっ!」
瑞樹「痛い痛いっ! な、なんで私だけ2回も叩くのよ!?」
あい「これはまた何というか、不思議な光景だね」
ヘレン「あらあら可愛らしいじゃない、フフフッ」
時子「……くっ! 有り得ないわ! 壊れてるんじゃないのこのオンボロ!」
まゆ「正常に作動してますよぉ」
時子「ならあの豚に主導権を握られる訳無いじゃない! あの豚にぃ……ッ!」
泉「いたた……。い、一応不満出すよ?」
不満の理由
時子『見抜かれてるみたいで嫌』
時子「何をよ!」
瑞樹「そりゃあやっぱり本心とかじゃないかしあらやだごめんなさいもうやめて痣になっちゃマズいからやめて!」
202:
5年後
P『…………』
時子『遺言はあるかしら?』
P『普段ならそのボンテージ姿で俺のボルテージが上がるんだけどなちくしょい!』
時子『フッ。私のボルテージは最高潮を迎えたところよ……!』
P『何度も言うけど俺もプロデューサーなんだからアイドルと一緒にテレビに映る事だってあるに決まってるだろ許してお願いします!』
時子『嫌よ』
P『即答かよ……』
時子『フフッ、ねえ貴方。貴方は一体誰の豚なのかしら?』
P『時子様の豚ですから!』
時子『そう。私の愛しい愛しい豚……。他の女の隣に立つなんて、許せないわ』
P『だから仕事上仕方ないって――やだ、何その鞭。何その蝋燭!?』
時子『だからこれからはそんな事しないよう、もう一度じっくり躾てあげるから……ね』
P
愛情 100
不満 10
浮気度 0
財前時子
愛情 100
不満 25
浮気度 0
207:
未央「やだなにこれこわい」
時子「これが普通の構図よ」
泉「普通って何だっけ」
瑞樹「アブが付いてくるノーマルもあるのよ」
あい「教育的には良くないな」
まゆ「これは独占欲が不満に繋がってるんですかねぇ?」
泉「たぶんね」
不満の理由
P『もっと信用して欲しい』
時子『この豚は私のよ!』
ヘレン「ウフフフフ、本当に可愛いわねぇ。と、き、こ、ちゃん」
時子「……ッ!」
ヘレン「もっと大きな器を持たなきゃ、世界レベルには届かないわよ?」
あい「煽るのはやめてくれ。時子くんだってまだ若いんだから不安くらい持つさ」
瑞樹「そーよ! それにこんな可愛らしい時子ちゃんが見えただけで充分じゃいたいっ!? だからなんで私だけなの!?」
217:
10年後
時子『…………』
P『…………』
p(息子)『ふぇ?』
時子『ぱ、ぱぱぱ……』
P『惜しい! 後ちょっとだママ!』
時子『誰がママよ誰が!? 調子に乗るんじゃないわよこの豚!』
p『ふ、ふぇ……』
時子『ぐぅ……っ! う、うう……! ぱ……パパ』
P『声が小さい! ワンモアプリーズ!』
時子『pが寝たら覚悟しなさいよ……ッ!』
p『うー?』
P『ほら、もう一回』
時子『……ぱ――』
p『ままー』
P『んな!?』
時子『p!? 今なんて!? なんて言ったの!?』
p『ままー?』
時子『そう、ママよ! 貴方は出来る子豚ちゃんね! 偉いわよp!』
P『』
P
愛情 100
不満 5
浮気度 0
財前時子
愛情 100
不満 10
浮気度 0
221:
時子「今のは忘れなさい」
未央「いやぁ、ちょっと無理かあたあっ!?」
時子「忘れなさい」
まゆ「」
泉「」
瑞樹「」
あい「ははは……」
ヘレン「いいじゃない別に。我が子を可愛がるのは当然の事よ」
時子「貴女は黙ってて。今のは全て忘れなさい。反論があるなら鞭で答えるわ」
泉「……不満は?」
時子「さっさと出しなさい」
泉「うん……」
不満の理由
P『少し束縛がキツい』
時子『今更パパなんて恥ずかしくて言える訳無いじゃない』
ヘレン「フッ」
未央「んふっ! あごめんなさいたいっ!」
時子「ああもう! このオンボロ壊されたいのかしら!?」
泉「これでも新型だし、高いから勘弁して」
228:
20年後
時子『まったく、pったら遅くまで起きて。教育が必要かしら?』
P『そりゃいいや。時子が教育すればすぐに改善されるだろうよ』
時子『笑い事じゃないわよ。qとb(娘)の模範になるべきお兄ちゃんなんだから』
P『2人は?』
時子『とっくに夢の中』
P『そっか』
時子『あら、もしかしてお誘い頂けるの?』
P『時子次第かな』
時子『フフッ、知ってる? 女は40歳くらいが一番性欲が強いのよ?』
P『これ以上強くなられたら流石に適わないな』
時子『適うわけないでしょ。私を誰だと思ってるの』
P『俺の嫁さん』
時子『……言うようになったわね』
P『お褒めに預かり光栄です』
時子『ええ、そうよ。貴方の妻。誇りなさい? 私の夫になれた栄誉を――』
P『――ん。ああ、そうさせてもらうよ』
P
愛情 100
不満 5
浮気度 0
財前時子
愛情 100
不満 0
浮気度 0
ハッピーエンド!
234:
時子「…………」
未央「と、時子様? どちらに?」
時子「主従関係をはっきりさせてくるわ。鞭や蝋燭だけじゃ足りないわね。木馬や鎖も持って行かないと……ッ!? 離しなさい!」
あい「それを聞いて行かせるほど人間は出来てないさ!」
未央「それに今プロデューサーは出張中だって!」
瑞樹「まゆちゃん! 鞭奪って! 痛いから!」
まゆ「は、はい!」
泉「何やってんだか……」
ヘレン「不満はこれを押せばいいのかしら?」
泉「あ、うん」
不満の理由
P『束縛がなぁ……』
ヘレン「ああ見えて一途なのね、彼女」
泉「気の強い人ほど寂しがりともいいますしね」
時子「離しなさい! 豚! 調教するわよ!?」
241:
総括
時にぶつかり合う事もあるでしょうが、お2人なら乗り越えられるでしょう。
末永くお幸せに。
注意点
Pさん
過度な束縛を煩わしく感じるのは仕方ありませんが、何故相手がそこまで束縛するのかに気付けていますか?
妻の寂しさに気付けず、更に不安を煽るような行動をしていてはいけません。
文句を言う前に、まずは自らの行いを見つめ直して下さい。
財前時子さん
常に相手が自分を見ていてくれないと不安になってしまう臆病な面があります。
そしてそれを求める事が当然になってしまっています。
求めるだけでなく、信じる事もまた、結婚生活において大事だと事だと覚えておいて下さい。
244:
ヘレン「繊細なのねぇ」
泉「普段からは想像も出来ないけどね」
時子「返しなさい! じゃないと地下牢にぶち込むわよ!」
あい「攻撃しないと誓うなら返してあげるよ」
時子「攻撃じゃないわ! 躾よ!」
あい「余計駄目だ!」
未央「誰だ低温蝋燭は熱くないなんて言ったの! 充分熱いわっ!」
瑞樹「あの鞭、私に怨みでもあるのかしら……」
まゆ「大丈夫ですか?」
泉「んじゃ、次はヘレンさんだね」
ヘレン「フフッ、ねえ泉。ひとつ予言をしてもいいかしら」
泉「予言?」
ヘレン「ええ、自信を持って言えるわ。これも世界レベルの成せる技なのかしら」
ヘレン「私は、バッドエンドよ」
泉「え?」
P
愛情 100
不満 0
浮気度 0
ヘレン
愛情 100
不満 0
浮気度 0
269:
1年後
ヘレン『行くわよP! 世界が私を求めているわ!』
P『またか』
ヘレン『求められれば答える。それが私なんだから当然よ! ほら、早くプライベートジェットの準備をしなさい!』
P『んなもんあるか! アラブの石油王でもあるあいし』
ヘレン『ならそうなればいい、そうでしょ? 私の夫なんだから不可能は無いわ』
P『アントワネットもびっくりな超理論だなおい』
ヘレン『まずはアラブで石油王の称号とジェット機を確保。その後に世界各地に……。フフッ、今回の旅もダンサブルに行くわよ!』
P『え。やだ、本当に行く気? この前イスラエルに行ったばかりだろ。おーい!』
P
愛情 100
不満 25
浮気度 0
ヘレン
愛情 100
不満 5
浮気度 0
276:
未央「あ、いつの間にか始まってるし」
まゆ「また参考にしづらそうですねぇ……」
泉「イスラエルに何しに行ったんだろ……」
瑞樹「たぶんヘレンちゃんの事だから、宗教戦争? 崇める神が違うからいけないのよ! 私が迷える仔羊達の神になってやるわ! 的な感じじゃないかしら」
ヘレン「あら瑞樹、貴女も世界レベルに近付いてるのね」
未央「合ってるんだ!?」
あい「ヘレンらしいね」
時子「フンッ! 人の事を散々言ってた割には惨めな結果じゃない!」
ヘレン「あらごめんなさい。貴女みたいに夫の手のひらの上だけじゃ収まらないのよ、私」
時子「……ッ!」
泉「ケンカはやめてってば。不満出すよ」
不満の理由
P『スケールが色々大きすぎて』
ヘレン『結婚生活って難しいわね』
未央「でしょうね」
ヘレン「大変なのよ、器が大きいというのも」
283:
5年後
P『冗談じゃないのか?』
ヘレン『私がそんなくだらない事をしないのは知っているでしょう?』
P『あ、いや。それは分かってるんだが』
ヘレン『世界から見ればただの紙切れなのよ。結婚も離婚も』
P『ま、確かにそうではあるけど……』
ヘレン『いいかしらP。私の隣に立つのを許したのはPだけ。今までも、これからも。それは変わらない』
P『……なら離婚する必要あるのか?』
ヘレン『あるわ。貴方の幸せのためよ』
P『え?』
ヘレン『私は家庭に収まる女じゃない。妻として貴方を幸せに出来ない。それなら、妻でいるべきではない。そうでしょ?』
P『……』
ヘレン『貴方はこれから妻に見合う人を捜しなさい。貴方を伴侶として幸せにしてくれる人を捜しなさい』
291:
P『……ヘレンはこれから、どうするんだ?』
ヘレン『そうね、まずは世界各地を巡ってみようかしら。もしかしたら私の心を熱くさせるようなものがあるかもしれないからね』
P『そっか』
ヘレン『もしそんなものがあったら、Pにも見せてあげるわ。フッ、期待して待っていなさい!』
P『ああ。その時のために貯蓄でもしながら待たせてもらうよ』
ヘレン『……最後に。これだけは忘れなさいで』
P『ん?』
ヘレン『私はPを愛している。老いていこうが、Pが誰と再婚しようが。Pは私にとって、異性も家族をも超越した……大切な存在なんだから』
P『……こっちこそ、だよ』
ヘレン『ならいいわ。さ、しんみりした別れなんて世界レベルじゃないわよ! 笑って送り出しなさい!』
P
愛情 95
不満 20
浮気度 0
ヘレン
愛情 100
不満 5
浮気度 0
バッドエンド!
309:
時子「ぐうぅ……ッ!」
未央「馬鹿にしたいのに出来ないの図あいたいっごめんなさい抓らないで!」
あい「こらこら」
瑞樹「良くも悪くもヘレンちゃんね」
ヘレン「もっと褒め称えてくれてもいいわよ?」
まゆ「どう誉めればいいのか悩みますねぇ……」
泉「結局ヘレンさんの予言通りだったね。バッドなのかは分からないとこだけど」
ヘレン「結婚がすべてじゃないって証明されたでしょう? お互い愛しているのならどんな状況であれ同じなのよ。寧ろ紙切れに縛られているようじゃ世界レベルには程遠いわ!」
未央「言動に惑わされるけど、なんだかんだ言ってヘレンさんも大人なんだねー」
あい「価値観が違うだけでね。もっとも、ヘレンの価値観を本当の意味で理解出来るのはPくんくらいなのかもしれないが」
泉「ま、総括見よっか」
326:
総括
バッドと表記しましたが、お2人にとってはこれが正しい愛し方なのかもしれません。
お2人にとっての幸せを見つけて下さい。
注意点
Pさん
行動的な相手に着いていけず、それに対して自らへの不満を募らせるでしょう。
無理に着いていこうとして夫婦間に亀裂を入れては元も子もありません。
貴方の出来る範囲で、妻を支えれば良いのです。
亭主として、もっとどっしりとした気構えでいて下さい。
ヘレンさん
妻としての資質は乏しいですが、それは貴女が結婚という概念に捕らわれていないからであり、人を愛する事には非凡な物を感じます。
もし貴女が家庭を持ち、夫と共に生涯を送りたいと思うなら、まずは結婚の意味を見つめ直して下さい。
そしてそれを望んだ時、また使用して下さい。
微弱ながらも助言させて頂きます。
336:
ヘレン「私に助言だなんていい度胸ね。フッ、いいわ! 使ってあげるから貴方も世界レベルにグレードアップしておきなさい!」
泉「それはソフトにじゃなくて制作者に言うべきなんじゃ……」
瑞樹「いいわよねー。バッドでも誉められてねー。私なんかねー」
未央「ネガティブスイッチ入りましたー」
あい「ほらほら、所詮架空の話なんだからそこまで落ち込まない」
瑞樹「あいちゃんはいいわよー。ハッピーだったんだもん」
時子「うじうじ言う豚には躾が必要よね。そうよね」
瑞樹「さあ終わった事だし飲み会行きましょうか!」
未央「わっかりやすいなー……」
まゆ「Pさんは行動的な妻が苦手……と。ふふっ、御協力ありがとうございました」
あい「……ふむ」
341:
あい「つかぬ事を聞くが、まゆくんは皆の結果を見てどうしたいんだい?」
まゆ「決まってますよ。Pさんの理想のお嫁さんになるために、好みを調べあげるんです♪」
瑞樹「ブレないわねぇ」
泉「それに付き合わされる身にもなって欲しいけどね」
未央「そういえばイズミンはやらないの?」
泉「私はパス。まだ結婚って歳じゃないし」
瑞樹「羨ましいわ……」
あい「……なあ、その理想のお嫁さんとは、果たして君なのか?」
まゆ「え?」
あい「いや、確かに夫の好みをしるのは妻として必要なのだろう。だが夫の好みを着飾った『それ』は、君と呼べるのかい?」
まゆ「……どういう事ですかぁ?」
時子「どうもこうも無いわよ。そんな作り物が妻と呼べるのかって話でしょ」
345:
あい「なあまゆくん。これは私の意見なんだが、求めたものがすべて返ってくる生活が楽しいのは最初だけだ。すぐに飽きる。結婚生活なら尚更だ」
まゆ「どうしてですか? とっても素敵じゃないですか」
ヘレン「そうかしら? いくら宇宙レベルの私でも耐えられないわよ」
未央「なんか進化した」
泉「しっ」
あい「まだ結婚した事が無い私が言うのもなんだが、結婚とは発見なんだよ」
まゆ「発見?」
あい「そう。同じ日々を過ごしていく中で相手の新たな美点、汚点を見つけていく。そしてお互いに昇華し、改善し。そんな繰り返しだと思うんだ。それを共にやりたいと思える人が、本当の意味でのパートナーなんじゃないかな」
瑞樹「メモ帳持ってる?」
泉「少し黙ってて下さい」
346:
あい「好きな人の好みなんかのために誰かにならなくていいんだ。君は君で、佐久間まゆのままでいいんだよ」
まゆ「……それでも、愛してくれるなら」
時子「ああもうじれったいわね! そんなに愛されたいだけならホストクラブにでも行きなさい! 金さえ出せばいくらでも愛してくれるわよ」
あい「厳しい事を言うが時子くんに同感だ。自分を犠牲にしてでも愛情を得たいというのは、妻になるべきじゃない。少なからず君のためにはならないよ」
まゆ「私のため、ですか?」
あい「そう。まあそれはこれから成長していく中で学んでいけばいいさ。今すぐに結論を出せという方が酷だ」
まゆ「…………はい」
瑞樹「あいちゃん、私にも結婚について教えて。特に結婚相手の見つけ方」
未央「良い雰囲気がぶち壊しだよ!?」
351:
あい「ははっ、それが分かっていれば私は独り者じゃないさ。ほら、独り者同士仲良く飲みに行こうか」
瑞樹「いえーい! パーティータイムね!」
ヘレン「時子、飲み比べでもしてみる? もっとも、この私に適うとは思わないけど」
時子「……いいわ。貴女との上下関係をはっきりさせようじゃない! 無様に倒れたら鞭で起こしてやるわ!」
あい「それじゃ、また明日」
ヘレン「グッバイ!」
瑞樹「今夜は飲むわよー!」
未央「お疲れ様でしたー!」
泉「お疲れ様です」
未央「いやー、あいさん格好良かったね!」
泉「だね。私もあんな風になれたら、素敵だな。で」
未央「ん?」
泉「どうするの、まゆさん。まだ続ける?」
まゆ「…………」
泉「聞くまでもない、か」
未央「ん? ん?」
泉「ほら、未央さんも帰るよ。帰りになんか奢ってよね」
未央「後輩にタカられる!?」
泉「先輩なんだからそれくらいいいでしょ? それじゃね、まゆさん。あんまり思い詰めちゃダメだよ?」
まゆ「…………」
352:
……………
………
…
「聞いてもいいですか?」
「ん?」
「駄目なところも含んだありのままの存在と、相手のために自らを捨て完璧になった存在。どちらと結婚したいですかぁ?」
「ありのままの存在だな。自己犠牲してまでっていうのは……その、お互いに悲しいだろ?」
「……ふふっ、そうですか」
「で、この質問の意図は?」
「将来のため、ですよ♪ 目指すべき場所を明確にするためです」
「そっか」
「頑張りますから」
「ん?」
「着飾らない、ありのままの自分を見てもらえるように、頑張りますから」
「うん」
「そうなれた時は、ちゃんと私を娶って下さいね。未来の旦那様♪」
おわりん
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