羽川「まさか忍さんと仲良くなるなんて」back

羽川「まさか忍さんと仲良くなるなんて」


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1:
第嗤話『しのぶスマイル』
3:
001
「主様がおらんじゃと…?」
 前にもこんな事があったような気がするのじゃが、あれかの?黒いやつに襲われた時かの?
 あれもたしか『鬼物語』に詳しく載っておるわい。
 何を言っておる!メタ発言は幼女の特権じゃ!
「いやいやそれどころではないぞ!」
「あれ?忍さんじゃないですか?」
「誰じゃ儂の名前を気安く呼ぶのは」
「あっ!ごめんなさい!阿良々木くんが呼んでるからつい」
 ん?こやつは………ああ、この主様よりよっぽど人間らしくない雰囲気は。猫か。いいんちょか。
 ふむ、今はそれ程でもないかもしれんの。良くも悪くも人間らしさが滲み出とるわい。
6:
「今は緊急事態じゃ。特別に名前でも構わん。手伝え、主様のピンチじゃ」
「え!?阿良々木くんピンチなの?全然そんな風には見えないよ」
「そんな事はどうでもいい。主様が行方不明なんじゃ、黙って手を貸せい」
 今回は前よりもっと嫌な予感がする。主様が死んでいたら儂は元に戻る筈じゃから死んではおらんのだろうが。
 今回の唯一の救いは主様とのペアリングが完全には切れていない事じゃな。最大の疑問でもある事には違いないがの。
10:
「それじゃあ阿良々木くんは突然姿を消したってことなのかな?」
「そうじゃな。そういえば主様は消える前に誰かに会っていたような気がするのお」
「それが誰だかは分からない?」
「分かったら苦労せんわい!」
 しかし、あの主様の昂ぶりは尋常ではなかったな。影の中で寝ていた儂を叩き起こす様であった。
 それで起きたらこのざま。全く笑えんわい。
「阿良々木くんが昂ぶる…。誰か思い出しそうなんだけどなあ」
「主様は変態じゃしの。よくある事じゃ」
「うーん。ああそうだ!一人心当たりがあった…」
11:
ーーー八九寺真宵ちゃん。幽霊の子だよ。
 その名前を聞いて嫌な記憶が蘇る。前回、主様と離れてしもうた時もあやつ絡みだったのう。
「阿良々木くんは何も話してくれなかったけど、最近は全然見かけなくなっちゃったから変だとは思ってたんだけど」
「あやつは成仏した筈じゃよ。おぬしを助けてやった時よりもっと前にの」
「え!?それ初耳だよ!」
「主様のことじゃ、誰にも言っとらんのだろうよ」
 あやつはそういうやつじゃ。もっとも儂も随分とそれに毒されてしまったのじゃが。
14:
「にしてもまたおぬしに助けられることになりそうじゃな」
「また?」
「いや、前回は猫のほうじゃ。助けられたというとは少し違うがの」
 ちょいと運んでもらっただけじゃよ。あんな猫ごときに頼み事をすることになろうとは思っていなかったわい。
「羽川翼。おぬしの力を貸して欲しい」
16:
002
「私の名前覚えていてくれたんだね。もちろん協力させていただきます!」
 まさか人間ごときに頭を下げることになろうとわの。
 そう言うと忍さんははにかんだ。阿良々木くんは常々、忍は凄惨に笑うって言っていたけれど、目の前にあったのは少女のそれだったと思う。
「とは言えどうすればいいんだろうね」
「そうじゃな。情報が少な過ぎる」
 例えば八九寺ちゃんをこの状況の犯人だと仮定しても、消えて、というか成仏してしまった彼女が阿良々木くんに接触できるのだろうか。
18:
「こんな所ではあれだしどこか場所を移そうか」
「できれば日が当たらない所にしてくれんかの?」
 なら図書館かな。静かにしないといけないけど談話室にいる分には怒られないだろうし。
 あ、でも忍さんはミスドが好きなんだっけ。私もお昼ご飯をどこで食べようかと考えていた所だしミスドが丁度良いのかな?
「図書館とミスタードーナツどっちが良いですか?」
「………ミスド」
 何なのでしょうこの可愛い生物は。伏し目がちに、照れ臭そうに言う彼女はやはり年相応の少女にしか見えなくて私の記憶にある彼女や伝聞で得たイメージともかけ離れている。
 まあいっか、可愛いし。
19:
003
「今はあまりお金持ってないから二つくらいにしてくれると嬉しいかな」
「二つだけか…うーん」
 悩む。どのドーナツも儂のことを呼んでいる。その中から二つなど何と酷なことをするのじゃ。
 儂がミスド信者と知ってのことじゃったら許し難いにも程がある。
「じゃあ、これからは私のことを名前で呼んでくれるなら三つ買ってあげるよ」
「何故そんなことをせねばならんのじ……しかし三つか。足りんな、四つならばその条件を飲んでもよいがの」
「うん、それでいいよ」
 よし!これでゴールデンチョコとポンデリングが二つずつ買える!名前を呼ぶだけでドーナツなんてちょろいの。
20:
「じゃあ、頼んでくるね」
「頼んだぞ…翼」
「うん!」
 胸が高鳴るの。ここ最近は主様は構ってくれんかったし、少し遊ぶくらいかまわんじゃろ!ペアリングも切れとらんことじゃしの。
 昔の儂からは考えられんが、やはり主様の影響…いや、考えたところでどうにもならんし気にせんでええかの。
「はい、買ってきたよ」
「おお!これはぱないの!」
「はいどうぞ」
23:
幸せじゃ。これも主様がいなくなってくれたおかげじゃの。まさか小娘を名前で呼ぶことになるとは思っとらんかったがの。
「マジでまいうー!」
「ほらほら、口の周りに食べカス付いてるよ」
「んむっ」
「ほら取れたよ」
 それくらい自分で取れるわい。ん?それにしてもこやつこんなにもかわゆかったかの?いやいや、そんなことある訳ないの。気のせいじゃな。
「私も食べようかな」
「もう儂は食い終わってしまったぞ」
「早いなあ。忍さんまた口の周り汚しちゃって…」
「んー」
 また勝手に儂の口を拭きおって。こやつ儂を馬鹿にしておるのか?まあ、悪い気はせんから怒ろうとは思わぬが。
24:
「私のを少し忍さんに分けてあげるよ」
「やった!翼ありがとう!」
「忍さん可愛いなあ」
 羽川さまさまじゃの!今日だけでこんなにミスドのドーナツが食えるなんて夢のようじゃ!最近食べてなかっただけにの。
「あ、そうだ。しばらく友達の家に泊まるって連絡いれないと…」
「家には帰らんのか?」
「忍さんを連れては帰れないし…」
「儂のことは気にせんでええのにの。まあ翼がそう言うならそうすれば良い」
26:
かわゆい。なぜこんなにかわゆいのじゃ。こやつにこんな感情を抱くなんてどうしてしまったのじゃ。
 全盛期までとはいかずとも力が残っていたら眷属にしてしまうのではなかろうか。
「でもどうしよう。戦場ヶ原さんにも伝えたほうが良いのかな?」
「いや、やめておけ。儂の勘がそう告げておるのじゃ」
「忍さんがそう言うなら」
「その『忍さん』ってどうにかならんかの?違和感がぱないのじゃ」
「んー。じゃあ忍ちゃん?」
 そう、それで良い。不覚にも萌えてしもうたぞ。自分で言わせておいてなんじゃが、破壊力が高すぎるの。
「それでかまわん。ミスドのお礼とでも思うておけ」
「うん。じゃあそうしておくね、忍ちゃん」
28:
004
 忍ちゃんかあ。この数時間で急に親密になった気がするよ。まさか名前で呼び合う仲になるなんて。
 阿良々木くんだって暦だなんて呼ばれてないんじゃないかな?そういう間柄じゃないみたいだけれど。
「で、これからどうするのじゃ?」
「本当なら阿良々木の家に行って何かヒントになるような物が無いか探したいんだけど…」
 そう簡単には入れないんじゃないかな?別に今は家がない訳じゃないし、泊まるとか言えないもの。
「忍び込めば良いではないか。儂がいればちょちょいのちょいじゃ」
「勝手に入るのはいけないんじゃないかな?あれ、ちょっと待ってて。電話だ」
30:
火憐ちゃんから?もしかするともしかしたりしないかな?まあでもいざとなったら、いざとなったらだけれど忍ちゃんの案を採用すればいいよね。
 まして今回は家が燃えてしまった訳ではないし、泊まるとかそういったことを考えなくたって良いのだ。でも家に連絡をいれてしまった手前、何食わぬ顔して帰るなんてできないけれど。
「もしもしー!翼さんかー?いやあ、さっき戦場ヶ原さんから電話があってさ、うちの兄貴が約束すっぽかしたらいんだ。
「で、私達に連絡してきたんだけど私達も分からなくってさ。
「翼さんはどこ行ったか知ってる?あ、でもそんなことはどうでもよくて、翼さんが帰ってきたのもその時聞いてさ。
「まったく水っぽいんだよ翼さん。帰って来てたなら連絡くらいくれたっていいのに。
「だから月火ちゃんとも話ししてさ、兄貴がいなくなるのはいつものことだから羽川さん呼んで遊ぼうぜ!ってなったんだよ!なんなら泊まってくれてもかわまわないし!というか泊まってもらわないとな。結局パジャマパーティーできなかったから。
「まあ、暇だったらうちに来てくれよ!もう二人で待ってるんだ。
31:
うーん。矢継ぎ早だなあ。要件は伝わったけれど。阿良々木くんの扱いっていつもこんな感じなのかな?
 にしても、水っぽいーー水臭いだよね。前にも間違えてたよ。教えてあげれば良かったかな?
 でも、せっかくのご都合主義な展開だから甘えようかな。戦場ヶ原さんへの言い訳を考えておかないとなあ。でも彼女はあまりそういうこと気にしなくなったよね、最近はとくに。
33:
「あ、でも今私一人じゃないんだけどもう一人が一緒でも良いのかな?」
「かまわねーよ!翼さんの一人や二人増えたって大歓迎だぜ!」
 決して私が二人いるわけじゃないんだけれど。火憐ちゃんがそう言うなら大丈夫なんだろうな。
 忍ちゃんも連れて行こう。私が連れて行きたい。
「じゃあお邪魔させてもらうね」
 火憐ちゃんは相変わらずげんきだなあ。電話を切ってからそう思うのだった。
 なんであの子達はあまり関係の無い私まで好いてくれるんだろう?火憐ちゃんも月火ちゃんも誰にでも好かれるタイプだろうし、すぐ打ち解けるからなあ。
 私も好きだもの。
34:
「主様の妹御か?別行動にするかの?」
「ううん、一緒に行こうよ。海外旅行の時にできた友達が日本に遊びに来てるって設定。面白いんじゃないかな?」
「翼は大胆じゃの。下の妹御さまには何度も姿を見られとるのじゃが、その都度バールなんぞを持ってきて主様をぶん殴ろうとするくらいの大物じゃぞ」
 毎回気絶させる方の身にもなれというのじゃ。そんな信じ難いことを言っているにも関わらず忍ちゃんはどこか楽しげだ。
 阿良々木くんの家族だからそれなりには敬意を払っていたりするのかな。
「一旦荷造りに帰っても良いかな?」
「構わんよ」
「じゃあそろそろ出よっか」
35:
005
「荷物も持ったし阿良々木くんの家に向かおうか」
「そうじゃの」
 にしても儂がスウェーデンの学校に通うクオーターで日本人の血が流れていて、行きたいと憧れていた日本に住む翼と出会って、ついに日本に遊びに来たなんて設定は少し無理があるんじゃないのかの?
 それにこのなりで十八歳は無理なんて話ではないじゃろ。名前だって忍野忍のままじゃ漢字じゃぞ?
36:
「大丈夫大丈夫。私が嘘言ってるなんてあの家の人は思わないよ」
 翼はやはり猫でなくなっても怪異っぽいの。今の方が面白くて好きじゃが。
 とはいえ儂も口裏を合わせんといけんから、さっきの設定をちゃんと覚えんといかんな。
「あ、ほら阿良々木くんちが見えてきたよ!」
「改めて邪魔するとなると緊張するもんじゃの」
 小さい方の妹御さまが怖いだけじゃがの。あやつは何か底知れぬ怖さがある。怪異云々ではなくの。
37:
「あ、翼さん!ほらほら入った入った!」
 何故この大きい妹御は外におる?まさかとは思うがずっと外で待っとったのか?
 やりかねんの。
「あれ?その子は?」
「さっき言った私の友達だよ?まあ、私が二人来るなんて火憐ちゃん思ってないだろうし、ましてや私がもう一人いるって言ったのを聞いてなかったなんてことはないもんね」
「え、ああ、うん!聞いてた聞いてた!翼さんの友達だって聞いて楽しみにしてたんだよ、うん!」
 絶対聞いとらんかったな。
 いつも通り。平常運行。曲がりなりにも主様の妹御じゃ。
 心配じゃの。
「ほらほら二人とも入った入った!」
「うん、お邪魔します」
「邪魔するぞ」
39:
006
 で、まあご都合主義な展開のおかげで阿良々木くんの家に入ることが出来てしまったのだ。
 後で戦場ヶ原さんに謝っておかないとなあ。今回は私の独断でここにいるわけだし。
 またまた阿良々木家のリビングに……。
「翼さん、友達の紹介してもらっても良いかな?」
「あ、うん。そうだね。忍ちゃん」
 さっきからあまり口を開かない忍ちゃん。照れてるのかな?でも照れたりしなさそうだなあ。
 あ、そういえば阿良々木くんには照れたりしそうかも。
43:
「忍野忍じゃ。スウェーデンから来た。よろしくの」
「あたしは阿良々木火憐だ!よろしく!」
「私は阿良々木月火だよ。よろしくね」
 火憐ちゃんはまだしも…いや、それも失礼か。月火ちゃんは気付いてるんだろうな。
 嘘を。忍ちゃんの設定。実際のところ月火ちゃんにはバレると思っていたし。
「で、翼さん達はもちろん泊まってくんだよな?」
「 え、あれって本気だったの?」
「でも羽川さんは暇なんでしょう?」
44:
あれ?なんか月火ちゃんの言葉に毒を感じるよ?
 怖い。無言の圧力。まるで火憐ちゃんが言っているんだから従えと言うような目。お前の嘘も黙っていてやるからみたいな。
「泊まっても良いように荷物は持って来たよ」
 持って来てなかったら貸してもらってでも泊まっていたんだろうな。だって月火ちゃん怖いもの。
 それにさっきの言葉だって咄嗟に行ってしまっただけで、もとより泊まる算段だ。
「なら決まりだな!」
45:
007
「え!?十八歳なの!?」
 そりゃそうじゃ。こんな幼女が十八に見える訳がなかろう。
 しかし、まあ、十八ですらなく六百歳くらいなのじゃが。
「そうじゃ。十八になったら日本に旅行に行って良いと言われておったからの。なってすぐに来たのじゃ」
「火憐ちゃん、そんなに驚かなくても…」
「いや、月火ちゃん。あたしは常に冷静だぜ!心は熱いけどな!」
 にしても妹御殿達は見れば見るほど主様に似ておるわい。顔だけでなくの。兄妹じゃから当たり前と言えば当たり前なのじゃが、それだけではないと言うかなんと言うか。
46:
「もうこんな時間だし風呂入ろうぜ!」
「そうだね、火憐ちゃん」
 儂と翼の意見というものは取り入れてもらえんのじゃろうか。主様の行方のヒントを探しに来たわけだから文句は言えんが。
 ………忘れておったし。主様のこと。
「まさか二人とも…また一緒に入るなんて言わないよね?」
「え?みんなで入るに決まってんだろ?」
48:
儂は風呂に入る必要はないんじゃが…。入りたくないのじゃが。
 スウェーデン人は風呂に入るんじゃろうか?
「だって三人でもきつかったじゃない」
「気合だよ翼さん!」
「気合だよ羽川さん!」
 翼も苦労しとるの。一番のスタイルしとる罰じゃ。ボンキュッボン…。儂も全盛期じゃったら負けんのに。
「ほら!忍ちゃんからも何か言ってよ!」
「翼の胸はけしからん」
「えぇー…ひどいなあ」
「ほらほら多数決で翼さんが負けたんだからお風呂で決まり!」
「ええー」
49:
008
 え?それから何があったかって?
 でもその前に、お風呂に入る前の事を話そうかな。
 もっとも今回はただ遊びに来ただけだから阿良々木くんのご両親はすぐに了承してくれた。
 逆に忍ちゃんが旅行中なのを知って暫く泊まっていきなさいなんて言われちゃったよ。
 女の子一人で出歩かせるのはやっぱり警察官としては放っておけなかったのかな。
 後は忍ちゃんが質問攻めにされたりした位かな。ほとんど嘘なんだけれど。
 少し可哀想な事をしてしまったかな?
 それから男の子は楽しみにしていたと思うけど、お風呂の事は割愛するね。こっちはみんな花も恥らう乙女なんだから我慢しなさい!
 阿良々木くんみたいになっちゃうぞ!
 ただしハーレムは付いてこないからね!注意してね!
50:
009
 今回のオチ。いや、何があったかは知らん。
 突然パッと主様がベッドに現れたんじゃから。
 ただしいなくなってから三日後。しかも何があったかなんてこれっぽっちも言わんから翼も儂も何も分からずじまいじゃ。
 他に変わった事と言えば翼との仲じゃろうか?
 仲が良くなった。それも儂からは考えられん程に。
 今度のミスドのセールは翼と行かんとな。
「羽川と忍ってそんなに仲良かったっけ?」
 あの鈍感の権化の様な主様が言うくらいじゃから余程の事なのかもしれんの。
 少し妹御様達との別れは寂しかったが、いつでも見守れるしの。完璧に兄離れする位までは見ててやるか。
 ………ここ最近は主様が常に興奮していて妹御様の身が危ないというのが本音じゃが。
 そんな訳で儂が丸くなった話。実は怪異でも関わっていたんじゃないかと思うこの話は終わりじゃ!
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