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「トイレットペーパー抱えてた寮の女の子に声をかけた話」


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1:
生まれてはじめて見たんだよな。
 女の子がトイレットペーパー(12ロール)を抱えて歩いてるところ。
 「女の子ってトイレットペーパー、買うんだ」ってなんか興奮した。
 だから、話しかけちゃったんだよね。
 トイレットペーパーを抱えたその子に。
3:
ほう
5:
俺グロメン中卒ニートだけど、それやばい奴だぞ・・・
俺が気を引いておくからその間に逃げろ。
15:
続きはよ
4:
はじめて話しかけたのは、寮のロビーだった。
「トイレットペーパー、買ったんだ」
 こんな感じで話しかけたら、意外なことに立ちどまってくれた。
「むしろトイレットペーパーしか買わないですよ」
「え? ティッシュは?」
「これがティッシュじゃないですか」
「いや、これはトイレットペーパーでしょ」
「我が家では、これを『丸いティッシュ』って呼んでます」
 この会話でわかると思うけど、この子はけっこう変わってた。
 あと、喋り方が渡部陽一に似てる。
6:
渡辺陽一て誰だっけ?
7:
戦場カメラマン
9:
>>7思い出したがあんな喋り方の女とか嫌だろwwwwww
8:
「ティッシュがいりますか?」
「いるでしょ」
「でも、トイレットペーパーがあれば必要ないですよね」
「……トイレットペーパーをなにに使ってるの?」
「わざわざ聞く必要ありますか」
 「ごめん」とオレはそこであやまった。
 さすがに女子に聞くことじゃなかった。
 あと、なんかすげえ眠そうで半目だった。
10:
ちなみに名前を聞いたら、こんなふうに返してきた。
「好きなように呼んでくれていいですよ」
「そっかあ。って、本名を知らないんだけど」
「だから、好きに呼んでくれていいですよ」
「いいの?」
「いいです」
「じゃあ『トイちゃん』で」
「なんで、わたしのみょうじを知ってるんですか?」
 トイちゃんが目を見開いた。
 意外と大きい目をしてた。
11:
「いや、当てずっぽうなんだけど」
「へぇーほぉー」
「……」
 なぜか、急に顔をジロジロ見てくるようになった。
 けっこう真剣に感心してるっぽい。
 『トイちゃん』って名づけたのは、
 トイレットペーパーの『トイ』をとっただけなのになあ。
13:
ジト目の二次キャラで想像したら以外といける気がする
16:
うちの寮は、男女共同。
 だからトイちゃんとは、ときどきいっしょにご飯を食べた。
「トイちゃんって、なんで敬語を使うの?」
「変ですか?」
「一年生どうしなんだから使う必要なくない?」
「それには深い理由があるんですよ」
「と、言いますと?」
「わたし。タメ口で話すとなまっちゃうんです」
「それで、戦場カメラマンみたいな話し方してるの?」
 トイちゃんはうつむいて、納豆をすげえ勢いでこねはじめた。
 もしかすると、ショックを受けたのかもしれない。
18:
「鹿児島出身なんですよ、わたし」
「へえ。鹿児島ってなまりつよいの?」
「『自分ではよくわかんないんだけどねえ』。こんな感じです」
「なんかイントネーションがへんだね」
「地元の友達にも、よく言われます」
 ……地元の友達にも言われちゃうんだあ。
19:
なんだこれ
20:
これはなかなか
21:
朝は食堂で女子のすっぴんが見れたりする。
 トイちゃんのすっぴんも拝めた。
「なんか体調、わるそうだね」
「なんでそう思うんですか?」
「だって顔色ヤバイよ」
「すっぴんだとだいたいこんな感じです」
 早朝のトイちゃんは泥人形みたいだった。
23:
wktk
24:
トイちゃんがバイトをはじめたらしい。
「へえ。なんのバイトはじめたの?」
「誰にも言わないでくださいよ」
 めずらしく、トイちゃんの目が開いていた。
「ちなみに、オレはレジ打ちとかやってるのかと思った」
「残念。ちがいます」
「じゃあなんなの?」
27:
「アパレルです」
「アパレル!?」
「はい。アパレルです」
「……なんかイメージとちがうなあ」
「友達からは、とっても似合ってるって言われますよ」
「ちなみに店は?」
「西松屋」
「ああ、うん。似合ってるわ」
 ていうか、西松屋ってアパレルって言うのか。
28:
トイちゃんバカワイイ
29:
トイちゃんに趣味を聞かれたので、聞き返してみた。
「わたしの趣味ですか?」
「うん。なんかないの?」
「あります」
「なあに?」
 目を細めるトイちゃん。
 トイちゃんは、考え事をするとき必ず目を細めるのであった。
「ホテル巡りです」
「ホテル巡り?」
30:
「ブティックホテルの中を見るのが好きなんです」
「泊まらないの?」
「寮がありますし」
 そう言ったあとで、トイちゃんは
 「変な意味じゃないからね」と慌ててつけ足した。
 変わった趣味をもった人間がいるんだなあ、とため息が出た。
 ブティックホテルがなんのかわからなかった。
 あとで調べてみたら、もっとため息が出た。
ラブホテル
ラブホテルとは、主にカップルの性行為に適した設備を持つ部屋を、短時間(休憩)もしくは宿泊で利用できる施設。
業界では露骨な表現を避けるため「ファッションホテル」、「ブティックホテル」とも言う。
また一部業界誌では「レジャーホテル」や「リゾートホテル」、一部ポータルサイトでは「カップルズホテル」、「ハッピーホテル」と表現することもある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB
32:
ラブホのことをブディックホテルって言う女は嫌いじゃない
31:
ある日、ベランダで布団を干していると。
 上からバスタオルが降ってきた。
 
 ちなみにうちの寮は、六階建てなんだけど。
 男子が住んでるのが、1階から4階。
 女子が住んでるのが5階と6階。
 そして俺が住んでるのは4階。
 つまり上から降ってきたバスタオルは、女子のものである。
 届けようかと思ったけど、女子の階には男子は行ってはいけない。
 それでめんどくさくなって、自分の部屋で干しとくことにした。
 ……っていう話をトイちゃんにした。
33:
「それでまだ、タオルはもってるんですか?」
「まあ、いちおう」
「早く返したほうがいいですよ」
「オレの代わりに返してほしい」
「じゃあ、あとでもってきてください」
 食堂で話し合って、一度解散することにした。
 部屋に戻ったらトイちゃんから、寮の部屋の内線で連絡がきた。
 内線は部屋の番号を押すだけで、勝手につながるんだけど。 
 教えてないのに、
 どうしてオレの部屋の番号知ってたんだろ?
36:
まだか
37:
はよはよ
38:
トイちゃんにほかに趣味がないのか聞いてみた。
「ありますよ、もうひとつ」
「それはいったい?」
「お酒。芋焼酎とか飲むの好きです」
「トイちゃんって未成年飲酒とかしちゃう人なんだ……」
「未成年じゃないですよ」
「まだオレたち、一年生じゃん」
「わたし、浪人してるんで」
 トイちゃん、まさかの年上だった。
39:
トイちゃん、どうやらコーヒーは豆から挽いて飲む人らしい。
「コーヒーは飲みますか?」
「めっちゃ飲むし、めっちゃ好き」
 本当はコーヒーは好きじゃない。
 けど、トイちゃんと話したかったからそう言った。
「じゃあ甘いものは好きですか?」
「あんまり好きじゃないけど、なんで?」
「甘いものはコーヒーのおいしさを引き立てるんですよ」
40:
「もったいないなあ」
「そうなの?」
「甘いものと飲むコーヒーのほうが、100倍おいしいのに」
「そっか」
「甘いものと、飲みません?」
「飲み方はなんでもいいよ。
 べつにそんなにコーヒー好きじゃないし」
「え?」
「うん?」
 なんだかんだコーヒーを飲ませてくれたトイちゃんだった。
41:
トイちゃんは不思議ちゃん
42:
食欲の秋ってことで、
 トイちゃんといっしょに食堂でカレーの大食いチャレンジをした。
 ちなみにオレは誘われたがわ。
 トイちゃんはちっこい。
 それにどちらかと言えば、ほそい。
 てっきりすぐ音をあげるかと思ったら、完食しやがった。
「じゃあ、別腹で喫茶店行きましょうか」
 ラグビー部のヤツでさえ、
 食べたその日は動けなくなるんだけどなあ。
 トイちゃんは、パンパンになったお腹をさすって満足そうにしてた。
43:
冬はトイちゃんとは会わなかった。
 コタツから出れないんだそうだ。
 暖房つけろよって内線で言ったら、
 「喉が痛くなります」ってキレられた。
 なんか知らないけど、六時間ぐらい電話越しにケンカした。
 さすがに眠くなって、電話を切った。
 内線はお金がかからないから、ついつい長電話してしまう。
44:
冬は鼻水がとまらなくなる。
 オレはいつも鼻をすすってた。
 そんなあるとき、
 トイちゃんが寮を出ていくという話を聞いた。
 いつもどおり、内線で連絡してみた。
「今部屋がゴミ屋敷なんで、あとにしてください」
 それだけ言って、内線を切られた。
46:
春が近づいて来ると、今度は花粉症がおそってきた。
 鼻水はあいかわらずとまらない。
 オレはなんとなく、ロビーで読書していた。
 そこで台車に荷物をたくさんのせた、トイちゃんがやってきた。
「あー、ひさしぶりです」
「引越しの日?」
「そうです。巣立ちの日です」
47:
「そっかあ。さみしくなっちゃうね」
「べつに大学はいっしょのままですよ」
「いや、まあそうなんだけど」
「あ、そうだ。
 トラックに詰めこみきれない荷物が、あります」
「くれるの?」
「あげます」
 トイちゃんは、そう言って台車の一番うえにのってた
 トイレットペーパーをわたしてきた。
48:
「トイレットペーパーかあ」
「ティッシュがいりますか?」
「いるでしょ」
「でも、トイレットペーパーがあれば必要ないですよね」
「……トイレットペーパーはなにに使ってるんだっけ?」
「はじめて会ったときも、聞いてきましたよね」
 オレは目を見開いてしまった。
 トイちゃんがオレと会ったことを覚えてるなんて。
50:
「逆に聞きますけど、トイレットペーパーってなにに使いますか?」
 オレはふくろをあけて、
 その中からトイレットペーパーを1ロールとりだした。
 そして、はなを思いっきりかんだ。
 耳がキーンとした。
「こうやって使うんだよ」
「なるほどー」
 トイちゃんは眠そうな目をいつもより開いて、
 パチパチと拍手する。
51:
これがオレとトイちゃんの寮での最後の会話。
 あれから二ヶ月が経ったけど、
 トイちゃんの部屋はすっかりゴミ屋敷になっちゃったらしい。
 だから今度、トイちゃんの家に掃除に行くことになった。
 
 ホコリだらけらしいし、オレの花粉症はまだ続いてるから、
 トイレットペーパーをもっていったほうがいいかもしれない。
 ちょっとだけ楽しみ。それだけ。
 
 おしまい
49:
イイハナシダナー(;∀;)
52:
こういうの好きだぞ乙
53:
最初のかけあいが最後に出てくるの好き
55:
乙!
ちょっとだけ実話はいってると思った
5

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