小鞠「甘酒か…」蛍「フフフフフフ」back

小鞠「甘酒か…」蛍「フフフフフフ」


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1:
小鞠「そうだよね。私も中学生だし、甘酒くらい大丈夫だよね?」
蛍「はい。一緒に飲みましょう」
蛍(フフフフフフフフ)
蛍(センパイが酔い潰れれば…)
小鞠「」ゴクゴクゴク
蛍(ナデナデし放題!)
蛍(さらには膝枕とか…)
蛍(あまつさえ手を繋いだり、恋人繋ぎもできちゃうかも…キャー♪)
■30分後
蛍「センパイセンパイセンパイ//」スリスリ
小鞠「どうしてこうなった」
8:
小鞠「蛍…酔ってるでしょ?」
蛍「えへへ。酔ってるわけないじゃないですか…ごろにゃん♪」スリスリ
小鞠「はぁ?…どうしよう…」
蛍「困ってるセンパイも素敵ですよぉ?」ゴクゴク
小鞠「んもー。蛍顔真っ赤だよ。まだ飲むの?」
蛍「えへへ。私を心配してくれる。優しいセンパイ大好きです♪」
小鞠「え…」
チュッ
小鞠「…ぁ」
蛍「えへへ。大好きなセンパイとキスしちゃった」
小鞠「ぎにゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
14:
 
ガララッ
夏海「姉ちゃん!?悲鳴が聞こえたんだけど!」
夏海「って、酒腐っ!」
蛍「あれぇ??夏海センパイどうしたんですかー?」
夏海「え?ほたるん酔っ払ってるの?」
小鞠「あ、甘酒で…」
夏海「小学生には早すぎだって。ちょっと水持ってくる」
蛍「眠い…センパイ眠くなってきました…」
小鞠「え?」
蛍「くー」Zzzz
15:
 
………
蛍「すいませんでした!ついつい飲みすぎちゃって」
小鞠「ううん…大丈夫だから」
夏海「家まで帰れる?送ろうか?」
蛍「ちょっと頭が痛い程度で…その、眠ったらすっきりしましたので、もう大丈夫です」
夏海「本当に大丈夫?」
17:
蛍「はい。ご心配をおかけしました。では、失礼します」
小鞠「う、うん」
夏海「バイバイほたるん」
小鞠「…」
夏海「どうかしたの?姉ちゃん?」
小鞠「う、ううん。別に」
夏海「?」
蛍って私の事が好きだったんだ??????
20:
■次の日
蛍「おはようございます」
れんげ「にゃんぱすー」
夏海「はよー」
小鞠「おはよ」
蛍「あ、あの…昨日は失礼な事をしませんでしたか?」
夏海「ウチが来た時は、ほたるん酔い潰れてたしなー」
蛍「そうなんですね。えーと、小鞠センパイには?」
小鞠「え?あっ、うん。大丈夫だったよ。すぐ寝ちゃったし」
24:
蛍「よかった。全然記憶になくて…何か迷惑をかけたんじゃないかと心配で心配で」
小鞠「し、心配?」
 蛍『えへへ。私を心配してくれる。優しいセンパイ大好きです♪』
小鞠「あ…あぅ//」
小鞠(き、昨日の事が…頭に…思い出して…)
蛍「センパイ?顔が赤いですが大丈夫ですか?」
小鞠「う、うん。大丈夫。大丈夫。あはははは」
蛍「?」
小鞠(よくよく考えたら…蛍っていつも私の事を優先的に考えてくれて…)
小鞠(いつも優しくしてくれて…)
小鞠(…気付かなかった…)
小鞠(でも、好かれるのって初めてで…私どうしたらいいんだろう…)
29:
蛍「せ、センパイ?」
小鞠「えっ?な、なに?」
蛍「本当に私何かしませんでした?」
小鞠「ううん。何もなかったよ」
蛍「それならいいんですが…」
小鞠(そうだよ!昨日は何もなかった!そう!何もなかった)
小鞠(蛍は知らないんだし、そもそも何かの間違いかもしれないし…)
小鞠(そもそも女の子同士の恋愛なんて、変なんだから、絶対にありえないんだから)
小鞠(それに…)
小鞠(もし、蛍が告白してきたら…私は…たぶん今の関係ではいられない…)
小鞠(蛍とは今の関係…今まで通りの日常を続けていきたい…だから…)
小鞠(よし!昨日の事は忘れた!これでもう大丈夫!うん!)
31:
 
………
一穂(先生)「じゃあ、二人組作ってストレッチするよー」
夏海「はーい」
蛍「センパイ。一緒にいいですか?」
小鞠「うん」
蛍「じゃあ、後ろから押しますね」
小鞠「ゆっくりね…」
小鞠(って、蛍の手が背中に!?)
35:
蛍「このくらいでいいですか?」グイグイ
小鞠「う、うん」
小鞠(背中くらい意識するような事じゃ…)
蛍「もうちょっと力を入れますね」グイグイ
小鞠「んっ//」
蛍「す、すいません。力を入れすぎましたか?」
小鞠「う、ううん。大丈夫。それより交代しよっか?」
蛍「え?は、はい」
36:
小鞠(これ以上、蛍に触られたら…何か…ダメ…)
小鞠(…)
小鞠(って、今度は私が蛍を触るの!?)
蛍「センパイ?押してもらって大丈夫ですよ」
小鞠「あ、その…えーと…」オロオロ
一穂「はーい。終了?。じゃあ、今日は縄跳びをやるよー」
蛍「あっ、ストレッチの時間は終了みたいですね」
小鞠「そ、そうだね」
37:
■給食
蛍(給食係)「はいセンパイ。カレー多めに入れておきましたので♪」
小鞠「ありがとう、蛍」
ツルッ
バチャッ
小鞠「あっ」
蛍「きゃっ」
夏海「って、姉ちゃん、カレーこぼして…あぁ…勿体ない」
蛍「すいません!しっかり渡さなくて」
小鞠「ご、ごめん。私がしっかり受け取らなかったから」
蛍「ぞ、雑巾を」
38:
夏海「大丈夫。ウチが床を拭いておくから、ほたるんは給食係続けて」
蛍「で、でも…」
兄「」b
蛍「す、すいません。お願いします」
小鞠(蛍からカレーを受け取る時に、指がちょっと当たっちゃって…落としちゃった)
小鞠(…食べ物は粗末にしちゃいけないのに…)
41:
■美術(図工)の時間
小鞠(何で今日に限って二人組作って、相手の顔をスケッチなの!?)
蛍「…」ジー
小鞠(うぅ…蛍が真剣な目つきでこっちを見てくる…)
………
一穂「キンコーンカーンコーン。はい。じゃあ、一番後ろの席の人はスケッチブックを回収してきてね」
夏海「姉ちゃん。はい…って、何でウチを描いたの?」
小鞠「いいじゃん。別に…」
43:
■放課後
小鞠(や、やばい…ちょっと意識しすぎかも…)
蛍「セ?ンパッイ♪今日はどこに行きます?」
小鞠「えっ!?」
蛍「あれ?この前、センパイが行きたい場所があるって…今日じゃありませんでしたっけ?」
小鞠「ご、ごめん!今日は用事があるから!」
蛍「そうなんですね…」
小鞠(ほ、蛍が落ち込んでる)
小鞠「あ、明日!明日にしよっか」
蛍「はい。楽しみにしてますね。センパイ♪」
小鞠「う、うん」
小鞠(やっぱり、私って好かれてるんだ…)
小鞠(どうしよう…)
45:
 
………
このみ「え?告白された事?」
小鞠「う、うん。その…このみちゃんってあるかなーって」
このみ「誰?だれだれだれ?本命が蛍ちゃんで、対抗なっちゃん、眼鏡君。大穴でれんげちゃんって所かな!?」
小鞠「え!?ほ、蛍!?本命!?」
このみ「へぇ?」ニヤニヤ
小鞠「あっ、ち、違うの…えーとその…本!」
小鞠「そう恋愛の本を読んでて…もし告白された時ってどうなるのかなーって」
46:
小鞠「それでこのみちゃんなら告白された事あるのかなって…」
このみ「あるよ」
小鞠「すごい!やっぱりあるんだ!」
このみ「こう見えても私のスレが立てば、一晩で完走しちゃうくらいにはね?」
小鞠(スレ?完走?)
47:
小鞠「あ、あの…」
このみ「えーと、私は何を話せばいいのかな?どんな告白されたか聞きたいの?」
小鞠「え?あっ…その…告白された後、どうすればいいのかな?って」
このみ「蛍ちゃんなんでしょ?付き合っちゃえば?」
小鞠「違うから!」
48:
このみ「うーん。私は恋人がいたことないから…振った話しかできないけど…」
小鞠「そう!それ!その後、気まずくて、どうすればいいのかな?って」
このみ「『今まで通り』かな」
小鞠「今まで通り…」
このみ「うん。『今まで通り』。そもそも少し喋る程度で仲良かったわけじゃないし」
小鞠「…」
このみ「どうせ告白してくれるなら、もっと仲良しになってから告白して欲しいよねぇ?」
小鞠「そ、そだよね」
小鞠(もしかして…蛍はもっと仲良しになってから、告白するつもりだったのかな…)
このみ「あっ、でも、二人っきりになるのは自然と避けるようにするかな」
小鞠「そうなの?」
このみ「だって、勘違いして欲しくないし。期待させたくないし」
51:
小鞠「で、でも、その『今まで通り』が、元々二人で遊ぶ事が多かったら?」
このみ「その時は恋人になるんじゃないかな?」
小鞠「え?そうなのかな?」
このみ「だって、その『今まで通り』が二人でいることが多くて、楽しかったんでしょ?」
このみ「だったら、恋人になっちゃっていいと思うんだけどな?」
小鞠「でも、その『今まで通り』がいいけど、恋人になりたくなかったら?」
小鞠「それで相手から告白されて気まずくなったら、どうすればいいいのかな?」
53:
このみ「うーん…そうだっ。だったら告白された私じゃなくて」
このみ「告白されてない私を『演技』すればいいんだよ」
小鞠「え?」
このみ「小鞠ちゃん?大人の女って『演技』して生きていく生き物なんだよ?」
小鞠「そ、そうなの?」
このみ「今までは、今の小鞠ちゃんでよかったと思うけど…これからは『演技をする』練習も必要なんじゃないかな?」
小鞠「演技…」
58:
このみ「うん。誰に告白されたかは知らないけど」
このみ「ここは練習だと思って、『今まで通り』を『演技』すればいいんだよ」
小鞠「でもそれって悲しい事じゃ…」
このみ「じゃあ、『今まで通り』がなくなっていいの?」
小鞠「それは…嫌…」
このみ「でしょ?だったら『演技する』しかないよ」
小鞠「…」
65:
このみ「でも…」
このみ「もし、『演技する』のが嫌になった時は…」
このみ「そして、本当の自分のままで『今まで通り』が欲しくなった時は…」
このみ「もしかしたらそれは…本当に好きってことなのかも…ね?」
小鞠「…え?」
このみ「わかんないけどね。私はまだ本気で好きになった事ないし」
小鞠「そっか…」
このみ「うん。じゃあこのお話はおしまい。また困った事があったらおいで」
小鞠「う、うん。ありがとう!このみちゃん!」
このみ「どう致しまして。小鞠ちゃん」
このみ「頑張ってね。小鞠ちゃん」
66:
■次の日
蛍「あれ?確かどっかに行きたいって…」
小鞠「いや。あれは間違いで。ほらこの前みんなで買い物行った時に夏海がゲーム買ったでしょ?」
蛍「ああ、そういえば」
小鞠「それが面白くってさ。それで蛍も一緒にゲームはどうかな?って思って」
蛍「私もゲーム好きなんで。はい!是非ご一緒します」
このみ「あーっ。このゲームって4人まで遊べるやつ」
小鞠「うん。3人でやろうよ」
………
小鞠(このみちゃんも一緒に遊んでくれて…)
小鞠(私は何とか『今まで通り』を『演じる』事ができたと思う)
小鞠(でも、『今まで通り』の楽しさはなかったかな…)
68:
■春休み
小鞠(私はずっと『演技』を続けた)
小鞠(もうぎこちなく蛍と二人っきりで、遊ぶ事もできる…)
小鞠(でも、それは楽しくなかった)
小鞠(このみちゃんも高校を卒業して、都会の大学に行っちゃって…)
小鞠(3人で遊ぶ事もできなくなって…)
小鞠(そして、いつの間にか、蛍と二人っきりで遊ぶ事も少しずつ減ってしまった…)
71:
■夏休み
小鞠(去年は毎日蛍と遊んだっけ…)
小鞠(…海、山、河、どこに行っても楽しかったなぁ?)
夏海「姉ちゃん。みんなで釣りに行かない?」
夏海「ガスコンロも持って行ってさ、そのままバーベキューしようよ」
夏海「大丈夫。魚は兄ちゃんが捌けるし」
兄「」ウン
小鞠「ごめん、勉強があるから」
夏海「えー。たまにはいいじゃん。最近ずっと遊んでないし」
78:
小鞠「夏海。ごめん。中学3年の大切な時期だから…」
夏海「じゃあ、来年はたっくさん遊ぼう!」
小鞠「はぁ…その時はあんたが受験じゃん」
夏海「ウチはレベルが低い所に入るから大丈夫!」
小鞠「まぁ、夏海にはそっちの方がいいかもね」
夏海「でしょー?ウチだって将来の事ぐらい考えてるもんねー。えへっえへっ」
小鞠「いや、褒めてないし」
81:
小鞠(いつの間にか、夏海。お兄ちゃん意外とは疎遠になってきてた…)
小鞠(たまに蛍に誘われるけど、勉強を理由に逃げるようになって…)
小鞠(正直『演技』する事に疲れちゃった…でも、『演技』しないと…)
小鞠(無駄に蛍を意識しちゃって、遊ぶことすらもできない)
小鞠(本当に疲れちゃった。夏休みぐらいは休みたい)
小鞠(…)
あとごめんね。夏海…
私、東京の方の高校に行くことに決めたから
だから来年も遊べないんだ???????????????
83:
■冬休み
小鞠「雪だ…雪が積もってる!」
ガララッ
小鞠「すっごい!綺麗!」
小鞠「雪がこんなに積もるって久々だな?」
小鞠「そういえば、去年もこんなに積もって、みんなでたくさん遊んだっけ…」
小鞠「…」
蛍「センパイ♪」
小鞠「ひゃっ」ビクッ
84:
蛍「終業式ぶりですね」
小鞠「び、びっくりした…もぅっ!驚かさないでよ」
蛍「す、すいません。普通に声をかけたつもりだったんですが」
小鞠「そうだね。ちょっとびっくりしちゃった」
小鞠「…って、あれは、かまくら!?」
蛍「はい。今朝夏海センパイとれんちゃんと作ったんです!」
小鞠(そういえば、1年前にみんなで豚汁食べたなぁ?)
蛍「今日は勉強しないんですか?ああ、お昼の休憩ですか?」
小鞠「ううん。実は今起きた所で…って、もうお昼!?」
蛍「夏海センパイから聞いてます。いつも遅くまで勉強してるって。本当にお疲れ様です」
小鞠「ううん。これも受験生の役目だから」
85:
蛍「あっ。そうだ。朝ごはん…じゃなくて昼ごはんってまだですよね?」
小鞠「うん。まだだけど」
蛍「よかったら、そこのかまくらで食べません?」
小鞠「え?もしかして…豚汁!?」
蛍「あ、その…今年は味噌汁しかないんですよ。私が作ったものでよければ…ですけど」
小鞠「食べる!食べる!蛍が作った味噌汁、大好きなんだよねぇ?」
蛍「はぅ…//」
小鞠(ヤバイ。やばい。ちょっと勉強の疲れと、学校以外で蛍と会うのが久々で『演技』してなかった…)
小鞠(あんな事言ったらダメ。蛍が勘違いしちゃう)
小鞠(私は告白されたくない…告白されたらきっと…今の日常は『今まで通り』は今以上に壊れちゃうから)
小鞠(…きっと…たぶん…されたくない…)
小鞠(でも、ちょっとだけ演技しなくてもいいよね…。疲れちゃった…)
88:
 
………
小鞠「また料理の腕あげた!?すっごく美味しくなってる!」
蛍「えへへ。毎日ママの手伝いしてますんで」
小鞠「蛍は将来シェフになった方がいいよ。うん、絶対にシェフがいいって」
蛍「いいすぎですよ?センパイ」
小鞠「行けるって、だってまだ小学6年でしょ?まだまだこれからなんだし」
小鞠(何かこういうの久々かも…やっぱり『演技』なんて楽しくないよ。このみちゃん)
91:
小鞠「そうだ!いっそのこと。蛍が住んでる住宅街の方にお店を作って…」
蛍「で、でも、お店の経営とか…その…」
小鞠「大丈夫。こう見えてもね。私、東京の高校で事務とかITとかを習うつもり……」
蛍「…ぇ」
小鞠「…………あっ、でもそれだけじゃ経営できないよね。ごめん」
蛍「センパイ。高校は地元って言って…」
小鞠「…ごめんね」
92:
蛍「東京の高校に行っちゃうんですか?」
小鞠「…ごめんね」
蛍「そうなんですね…」
小鞠「…ごめんね」
蛍「…」
小鞠「…ごめんね」
93:
蛍「さすがです。センパイさすがですね」
小鞠「え?」
蛍「やりたい事。夢があるからこそ、わざわざ東京の高校に行くんですよね?」
小鞠「う、うん…」
小鞠(嘘…そんなのない。逃げたいだけ。もう『演技』に疲れたから逃げたいだけなんだ)
蛍「本当にすごい!!頑張ってください。私応援しますね♪」
小鞠「ありがとう…蛍」
蛍???ずっとすっごい泣きそうな顔だった????ごめんね。演技させちゃって。ごめんね。蛍
96:
■3月(東京)
雪子(母)「あっ、姉ちゃん。あるよ。合格!合格だよ!」
小鞠「…あああっ」
雪子「おめでとう。倍率高かったのによく頑張ったね。おめでとう。小鞠」
小鞠「あ、ありがとう!やった!やったよ。夏海!」
夏海「…おめでとう姉ちゃん」
何であんたが泣きそうなのよ。夏海????????
100:
■3月(自宅)
夏海「姉ちゃん…一緒に寝ていい?」
小鞠「ん?どうかしたの?」
夏海「ウチの部屋…ちらかってて。こっちで寝ていい?」
小鞠「いつもの事じゃん…はぁ、まあいいよ」
夏海「ありがとう…」
ゴソゴソ
105:
夏海「姉ちゃん。本当に東京行っちゃうの?」
小鞠「…うん」
夏海「来月には家からいなくなっちゃうの?」
小鞠「…うん」
夏海「なんで落ちなかったの?」
小鞠「…うん」
夏海「ウチ…ウチ…本当は姉ちゃんに落ちてほしかったの」
夏海「神社にもたくさんお願いしたんだ。姉ちゃんが落ちろって」
小鞠「…うん」
夏海「だって、姉ちゃんが東京に行ったら…もう会えないんだよ…」
小鞠「…うん」
夏海「だから行かないでよ」
小鞠「…うん」
109:
夏海「ウチ悪い子だよ。ずっとずっと落ちて欲しいって願った…悪い子だから」
夏海「姉ちゃんがいないとダメなんだよ。また悪い事しちゃうよ?だから…」
小鞠「ごめん。夏海。私は行くよ」
夏海「行かないでよ…うわああああああああああああん」
小鞠「ごめんね。夏海。ごめんね」
夏海「姉ちゃんのばかああああああああああああああ」
引き止めてくれて嬉しかった???????でもごめんね。夏海
112:
■別の日
蛍「おめでとうございます」
小鞠「ありがとう。蛍」
蛍「す、すいません。私…用事が…これ合格祝いのサンドウィッチ…本当は一緒に食べようと…」
小鞠「ありがとう…」
蛍「…ぅ…」
蛍「さ、さよなら。センパイ」
小鞠「バイバイ。蛍」
泣いてた????ごめんね。蛍。無理な『演技』させちゃってごめん
114:
■別の日
このみ「合格おめでとう!小鞠ちゃん!」
小鞠「うん、ありがとうこのみちゃん」
このみ「でも、まさか東京の高校に受かるなんてねー」
小鞠「勉強たくさん頑張ったから…」
小鞠「あと、一緒に住むことになってごめんね?」
このみ「ううん。いいよ。初めての東京は怖いでしょ?」
このみ「私と一緒に住んだ方がいいし、それに私も広い部屋に引っ越しが出来て嬉しいし」
このみ「それに小鞠ちゃん一人だと、不動産屋さんも幼女誘拐とかあったらって心配しちゃうし」
小鞠「も、もう大人だもん!」
117:
このみ「そういえば、どう?『演技』は出来た?」
小鞠「え?」
このみ「ほら、ちょうど1年くらい前に小鞠ちゃんが相談してきたでしょ?」
このみ「告白されて振った相手と、どうやって『今まで通り』を続けたらいいか?って」
このみ「どうだった?」
小鞠「私には無理だったよ…」
このみ「なんで?」
小鞠「『演技』したよ…たぶん、出来てたと思う。『今まで通り』も出来たと思う」
小鞠「でも…『今まで通り』楽しくはならなかった…」
小鞠「うん。やっぱり私ってダメだね。全然楽しくなかったよ」
121:
このみ「じゃあ、『演技』をやめちゃえば?」
小鞠「え?」
このみ「えー忘れちゃったの?私言ったよね?」
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このみ「もし、『演技する』のが嫌になった時は…」
このみ「そして、本当の自分のままで『今まで通り』が欲しくなった時は…」
このみ「もしかしたらそれは…本当に好きってことなのかも…ね?」
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小鞠「あっ、あれ…言ったっけ?」
このみ「ひっどいなーもうっ」
122:
小鞠「でも…正直、よくわからなくて…」
このみ「じゃあ、試しに一度だけ『演技』しないで会ってみれば?」
このみ「それで楽しくて幸せな一日が過ごせたなら…きっとそれは…」
小鞠(それは…一度やってる…)
小鞠(冬休み。一度だけ…かまくらで少しだったけど。『演技』を忘れて。蛍と…)
小鞠「……そっか」
このみ「ふふっ。悩みは解決した?」
123:
小鞠「わ、わからない…わからないけど…少しは何かわかったかも」
このみ「じゃあ、もう大丈夫だね。頑張ってね小鞠ちゃん」
小鞠「え?あっ、うん。でも、何をしたらいいか…」
このみ「大丈夫だよ。出発までに残り1週間あるんだから、たくさん悩んじゃえ」
小鞠「…わかった」
このみ「バイバイ。小鞠ちゃん」
小鞠「うん、ありがとう。このみちゃん」
125:
■別の日
小鞠(みんな会いに来てくれた…もう少ししたらお別れだから…)
小鞠(蛍も何回も来てくれた…でも、会話にならなかった…)
小鞠(すぐ蛍は泣いちゃって…泣いてないふりしてくれたけど、顔は涙でボロボロで…)
小鞠(私、本当に東京に行きたいのかな…全然わからなくなってきた)
小鞠(ずっと嘘ばっかり付いた自分の気持ち…もうよくわからない)
小鞠(だから、私は…私は…1つだけ気持ちを決めたい)
小鞠(私は蛍と『今まで通り』楽しい日常を過ごしたい)
小鞠(それだけは嘘じゃない…これだけは『演技』じゃない!)
128:
■出発前日
れんげ「こまちゃん。明日出発なんな…」
ひかげ「そういえば、小鞠は何で東京に行くって言いだしたの?」
小鞠「そ、それは…」
小鞠(蛍から逃げたいから…『演技』に疲れたから…?)
ひかげ「ふふふ。わかる。わかるよ。やっぱり東京って憧れちゃうよねー」
れんげ「そうなん?」
小鞠(いや、違う。私は蛍と『今まで通り』楽しい日常を過ごしたい…それだけはこの前決めた真実!)
130:
ひかげ「やっぱり、こうっ都会にしかないユートピアって言うの?あれがさー」
小鞠(あれ?じゃあ、なんで私は…東京に行くって…)
小鞠(わざわざ『今まで通り』をぶち壊す選択肢を…?)
ひかげ「それに田舎とじゃ全然違うよね。あとカッコいい芸能人とかもいるしー」
ひかげ「そういう人と『恋人』になれるかも?とかも憧れちゃうよねー」
小鞠(『恋人』か…そういえば、蛍って私が好きだったんだっけ…)
小鞠(…………)
小鞠(ああ…私…わかったかもしれない)
小鞠(『演技』に疲れてたから、きっと…蛍に…)
131:
ひかげwwwwww
136:
ひかげ「それに学校にも男子がたくさんいて…あっ、彼氏はいないけど、モテモテだよ?本当だよ?」
小鞠(私、蛍に引きとめてほしかったんだよ)
小鞠(告白してもらいたかったんだ……)
小鞠(でも…『当時の私』は答えを出してなかったんだよ…きっと)
れんげ「…」ジー
ひかげ「本当だぞ!現に…えーと…『今の私』にはハルカって男がさー私に惚れちゃってさー」
れんげ「…ひか姉嘘ついてるん」
ひかげ「!?」
ひかげ「ウ、ウソジャナイヨ?」
小鞠(そうだよ…『当時の私』には答えを出す事ができなくても…『今の私』には…)
140:
 
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このみ「もし、『演技する』のが嫌になった時は…」
このみ「そして、本当の自分のままで『今まで通り』が欲しくなった時は…」
このみ「もしかしたらそれは…本当に好きってことなのかも…ね?」
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小鞠(うん、ありがとう。このみちゃん)
小鞠(今なら言える…)
142:
小鞠(私は『演技が嫌だ』…本当の自分がいい!)
小鞠(そして『今まで通り』が欲し……ううん。今の私は『今まで以上』を過ごしたい!)
小鞠(だって、蛍と一緒にいるのは楽しい!)
小鞠(今でも、冬のあのかまくらで…少しのお喋りがすっごく楽しい出来事として思い出せる!)
小鞠(だから、きっと、たぶん。私は…だから、蛍の事が…)
ひかげ「ごめんなさい。嘘でした」
れんげ「よろしいのん」
小鞠「…そっか。そうだったんだ」
ひかげ「い、いや、嘘をつくつもりはなかったんだけど。ちょっとした冗談っていうか…」
小鞠「ううん。ありがとう。ひか姉、れんげ!おかげで決心がついた」
ひかげ「ん?」
れんげ「?」
143:
■蛍の家
ピンポーン
蛍「どなたですか?」
ガラッ
小鞠「来た!!」
蛍「え?」
小鞠「あがっていい?」
蛍「か、構いませんが…」
149:
■蛍の部屋
小鞠「勢い!私!今勢いで言うよ!バカを言うよ!」
蛍「え?…え?」
小鞠「引き止めて!!!」
蛍「…え?」
小鞠「一生のお願いだから!私を引き止めて!」
小鞠「東京に行かないでって言って!東京の高校に行かないでって!」
小鞠「蛍が言ってくれれば…私!私!」
156:
蛍「…」
小鞠「言ってよ。お願いだから!言ってよ蛍!」
蛍「私には言う権利はありません」
小鞠「…え?じゃあ蛍は…私と離れてもいいの?」
蛍「それはありえません」
蛍「だって…私は小鞠センパイの事が大好きなんですよ」
小鞠「…」
蛍「だからセンパイに行って欲しくないに決まってます」
小鞠「じゃあ…なんで…」
159:
蛍「私は」
蛍「私は…」
蛍「私は!」
蛍「私は!!!!!!」
蛍「ずっとずっとずっと一緒にいたかった!いたかったのに…いたかったのに…」
蛍「でも、そんなの無理なんです!」
蛍「だって、私はセンパイが好きで…でも、そんなもの気持ち悪くて」
蛍「この気持ちを言ったらセンパイに気持ち悪がられて…」
蛍「センパイと今まで通り遊んだり、一緒にいたり、そんな事ができなくなるかもしれない」
蛍「だから、私は…私は諦めたかったんです。センパイへの気持ちを…」
162:
蛍「センパイが東京に行って…」
蛍「きっときっと、離れればこの気持ちは薄れる…センパイへの想いは少なくなる…」
蛍「私はそう思ってた。そう信じたかったんです」
蛍「なのに、センパイは卑怯です。私は精一杯覚悟して見送ろうとしたのに…」
蛍「今さら『引き止めて』なんて…私、期待しちゃうじゃないですか!」
蛍「もしかしたら、センパイと一緒になれるかもって、恋人同士になれるかもって」
蛍「こんな気持ち悪い事を期待しちゃうじゃないですか!!」
小鞠「蛍…」
167:
蛍「私は嫌われたくない、気持ち悪いって思われたくない!ただセンパイが好きなだけ…」
蛍「ただ遠くからでもいいから、センパイを好きでいたいだけ…」
蛍「だから…ごめんなさい。私はセンパイを引き止める事なんて、できないんです」
蛍「だってだって…だって…それは気持ち悪い事で…」
蛍「うぅ…ぐすっ…」ポロポロ
ギュウウウ
蛍「せ、センパイ…?」
小鞠「ごめんね。私、蛍の気持ち知ってたんだ」
蛍「え…」
169:
小鞠「私…知ってたのに、知ってたからこそ…」
小鞠「蛍ならきっと私を引き止めてくれるって…引き止めてくれるって…」
小鞠「本当に私バカだよ。蛍の気持ちを何も考えてなかった」
小鞠「そうだよね。普通そうだよね。気持ち悪いって考えるよね」
蛍「せ、センパイ…?」
小鞠「なのに私は蛍からの告白を待って…告白してほしいから…東京に行くなんて言い出して…」
蛍「え…え?…言っている意味が…」
小鞠「だからね。私、言う!『今まで以上』の日常が欲しいから言う!!!」
小鞠「私の…私の『演技』じゃない本当の『本心』を!」
172:
小鞠「私は!!」
小鞠「私は…越谷小鞠は一条蛍さんの事が好きです」
小鞠「だから、引き止めてください。『東京に行かないで』って言ってください!!」
小鞠「私とこれからずっとずっと一緒にいてください!」
小鞠「私は蛍との日常が好き!大好きなの!もっと楽しくなりたい!」
小鞠「だ、だからぁ…」
小鞠「お願いです……お願いだよぉ…ほたるぅ…」
小鞠「うぅぅぅ…」ポロポロ
180:
蛍「センパイ…酷い顔…」
小鞠「…蛍だって…酷い泣き顔…」
蛍「えへへ。これは嬉しくて…センパイが好きって言ってくれたのが…嬉しくて」
蛍「だからこれは、幸せの涙なんですよ」
小鞠「…そっか…嬉しい」
蛍「それに…」
蛍「センパイ。私、センパイを離したくありません」
小鞠「…うん」
蛍「だから、言いますね」
東京に行かないでください?????ずっと私と一緒にいてください?????
187:
■エピローグ
小鞠(結論から言うと世の中は理不尽だった)
小鞠(親に散々怒られて、蛍と散々話し合ったけど。夏海も助けてくれたけど)
小鞠(私は東京の高校に行く事になって…)
小鞠(それから約十年が経ち、私は帰ってきた)
小鞠(でも、今思えば東京に行って良かった…)
小鞠(東京でかず姉の知り合いのマグロナルドの店長さんと、時間帯責任者の方に、経営や社会が甘くないという事を叩きこんで貰って…)
小鞠(死にたくなるほど大変だったけど…そのお陰で…)
小鞠(蛍と小さなお店を持つ事ができた)
小鞠(借金はたくさんあるけど…蛍と一緒なら…絶対に頑張れる!)
193:
蛍「センパイ。準備は大丈夫です」
小鞠「えへへ。蛍のエプロン姿可愛いね♪」
蛍「せ、センパイ。な、なにを急に…//」カァー
小鞠「蛍は可愛いなぁ?」ナデナデ
蛍「うぅ…//」
小鞠「よし!気を取り直して!」
小鞠「このお店は私たちの新しいスタート!」
小鞠「これから一緒にもっともっと楽しい日常にするよ!蛍!」
蛍「はい!今度こそはずっと一緒ですよ!センパイ!」
小鞠「うん♪」
蛍「じゃあ、開店しますね」
196:
 
『いらっしゃいませー♪』
  終わり
22

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