死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?『逆さの樵面』back

死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?『逆さの樵面』


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4:
コツコツ
つい先日の事なんだけど、
俺は出張で松江にある某有名チェーンのビジネスホテルにとまったんだ。
その日は取引先との接待でスナックを3件ハシゴしてへべれけ状態でホテルに入ったんだわ。
たぶん夜中の日付が変わった頃だと思う。
もう疲れててズボンだけ脱いでそのままベッドに横になった瞬間に眠ってしまったんだよ。
そのままもう朝まで起きる事はないだろうと思ってたんだけど、
上の階からの物音で目が覚めた。
ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン。
てな感じの一定のリズムで足踏みをする様な物音が5分くらい続いたのかな。
そんなに大きい音でもなかったから無視して寝ようかと思ってたら、
今度は俺の部屋の窓をコツ、コツ、コツってまるで爪を立てて軽くノックするような音がしだした。
半分寝ぼけてた俺はベッドの位置関係でちょうど頭の上のにある窓をみたら、
カーテン越しにでもハッキリわかる人間の上半身のシルエットが張り付いてた。
寝ぼけてた俺はそこですっかり覚醒して、
僅かに空いてるカーテンを引っ張って隙間を咄嗟に埋めた。
あのままだと隙間から目が合うと思ったから。
その間もコツ、コツ、コツって窓を叩き続けてたんだけど、
どれくらいかして外が白んできた頃にはそいつは消えてた。
チェックアウトの時に年配のフロント係にそれとなく聞いたら
「気のせいですよ」と即答されたわ。
30:
つんぼゆすり
703 名前:つんぼゆすり 1/6 投稿日:03/06/17 17:07
こどものころ伯父がよく話してくれたことです。
僕の家は昔から東京にあったのですが戦時中、本土空爆がはじまるころに
祖母と当時小学生の伯父の二人で田舎の親類を頼って疎開したそうです。
まだ僕の父も生まれていないころでした。
戦争が終わっても東京はかなり治安が悪かったそうで、すぐには呼び戻されなかったそうです。
そのころ疎開先では色々と不思議なことが起こったそうです。
そこだけではなく、日本中がそうだったのかもしれません。
時代の変わり目には奇怪な噂が立つ、と聞いたことがあります。
伯父たちの疎開先は小さな村落だったそうですが、村はずれの御神木の幹にある日
突然大きな口のような「うろ」が出来ていたり、5尺もあるようなお化け鯉が現れたり。
真夜中に誰もいないにもかかわらず、あぜ道を提灯の灯りが行列をなして
通りすぎていったのを多くの人が目撃したこともあったそうです。
今では考えられませんが狐狸の類が化かすということも、真剣に信じられていました。
そんな時、伯父は「つんぼゆすり」に出くわしたのだと言います。
31:
704 名前:つんぼゆすり 2/6 投稿日:03/06/17 17:08
村のはずれに深い森があり、そこは「雨の森」と呼ばれていました。
森の中で雨に遭っても、森を出れば空は晴れているという
不思議な体験を多くの人がしていました。
伯父はその森の奥にうち捨てられた集落を見つけて、
仲間たちと秘密の隠れ家にしていました。
4、5戸の小さな家が寄り集まっている場所で、親たちには当然内緒でした。
チャンバラをしたりかくれんぼをしたりしていましたが、
あるとき仲間の一人が見つからなくなり、夕闇も迫ってきたので焦っていました。
日が落ちてから雨の森を抜けるのは独特の恐さがあったそうです。
必死で「お?い、でてこ?い」と探しまわっていると誰かが泣きべそをかきはじめました。
伯父は「誰じゃ。泣くなあほたれ」と怒鳴ったが、しだいに異変に気付きました。
仲間の誰かが泣き出したのだと思っていたら、見まわすと全員怪訝な顔をしている。
そしてどこからともなく聞こえてくる泣き声が次第に大きくなり、
それは赤ン坊の泣き声だとはっきり分るようになった。
ほぎゃ ほぎゃ ほぎゃ ほぎゃ
火のついたような激しい泣き方で、まるで何かの危機を訴えているような錯覚を覚えた。
その異様に驚いて、いたずらで隠れていた仲間も納屋から飛び出してきた。
そして暮れて行く夕闇のなかで、一つの家の間口あたりに
人影らしきものがうっすらと見えはじめた。
32:
705 名前:つんぼゆすり 3/6 投稿日:03/06/17 17:08
子供をおぶってあやしているようなシルエットだったが、
どんなに目を凝らしても影にしか見えない。
人と闇の境界にいるような存在だと、伯父は思ったと言う。
日が沈みかけて、ここが宵闇に覆われた時あの影が蜃気楼のようなものから、
もっと別のものに変わりそうな気がして、鳥肌が立ち、
伯父は仲間をつれて一目散に逃げだした。
この話を大人に聞いてもらいたかったが家の者には内緒にしたかった。
近所に吉野さんという気の良いおじさんがいて、
話しやすい人だったのであるときその話をしてみた。
すると「そいつは、つんぼゆすりかいなあ」という。
「ばあさまに聞いた話じゃが、あのあたりではむかしよく幼子が死んだそうな。
 つんぼの母親が子供をおぶうて、おぶい紐がずれてるのに気付かずにあやす。
 普通は子供の泣き方が異常なのに気付くけんど、つんぼやからわからん。
 それでめちゃめちゃにゆすったあげく子供が死んでしまうんよ」
伯父は寒気がしたという。
「可哀相に。せっかくさずかった子供を自分で殺してしまうとは、無念じゃろう。
 それで今でも子供をあやしてさまよい歩いてるんじゃなかろうか」
それがつんぼゆすりか。と伯父がつぶやくと
「鬼ゆすりとも言うな」
33:
706 名前:つんぼゆすり 4/6 投稿日:03/06/17 17:10
「鬼ゆすり?」
「なんでそう言うかは知らんが・・・。まあそうしたことがよくあった場所らしい」
伯父はなんとなくあそこはそうした人たちが住んだ集落なのだろうと思った。
ほとぼりがさめたころ、伯父は仲間と連れ立ってまたあの集落にやってきた。
一軒一軒まわって念仏を唱え、落雁を土間にそなえて親子の霊をなぐさめた。
そしてまた以前のように遊びまわってから夕暮れ前に帰ろうとしたとき異変が起きた。
森に入ってから雨が降り出したのだ。
さっきまで完全に晴れていて綺麗な夕焼けが見えていたのに。
伯父たちは雨の降る森を駆け抜けようとした。
しかしどうしてそうなったのか分らないが、方角がわからなくなったのだという。
一人はこっちだといい、一人はあっちだという。
それでもリーダー格だった伯父が
「帰り道はこっちだ間違いない」と言って先導しようとしたとき、その指挿す方角か
らかすかに赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。
一人が青くなって「あっちは元来た方だ」と喚いた。
頭上を覆う木の枝葉から雨がぼたぼたと落ちてくる中で伯父たちは立ち尽くした。
仲間はみんな耳を塞いで泣き声の方角からあとずさりはじめた。
「違う違う。だまされるな。帰り道はこっちなんだ。間違いない。逆にそっちにはあの
 集落があるぞ」
34:
707 名前:つんぼゆすり 5/6 投稿日:03/06/17 17:11
伯父は必死に叫んだ。
そうしている間にも泣き声は不快な響きをあたりに漂わせていた。
伯父は一人を殴りつけてむりやり引っ張った。
「耳を塞いでろ。いいから俺の後について来い」
そうして伯父たちは泣き声のする方へ歩いて行った。
やがて木立が切れて森を抜けた時、そこはいつもの村外れだった。
みんな我を忘れてそれぞれの家に走って帰ったという。
僕はその話を聞いて伯父に「雨は?やっぱり降ってなかったんですか」
と聞いたが、伯父は首をかしげて「それがどうしても思いだせんのよ」と言った。
これにはさらに後日談がある。
伯父が家に泣きながら帰ってきたとき、
なにがあったのか聞かれてこっぴどく怒られたらしい。
当然もうあの森に入ってはいけないと、きつく戒められたそうだ。
そしてしばくたって伯父はその家の当主でもあった刀自の部屋に呼ばれた。
35:
710 名前:つんぼゆすり 6/6 投稿日:03/06/17 17:19
刀自は伯父を座らせて言った。
「つんぼゆすりとはそうしたものではない」
この刀自は僕にも遠縁になるはずだが、凄く威厳のある人だったという。
一体誰に吹きこまれたか知らぬが、と一睨みしてから刀自は語りじめた。
この村はむかし、どこでもあったことだが生まれたばかりの子供を口減らしの
ために殺すことがあった。貧しい時代の止むをえない知恵だ。
本来はお産のあと、すぐに布で首を締めるなりして殺し、生まれなかったことに
するのだが、おぶるくらいに大きくなってから
殺さなければならなくなったときには世間というものがある。
そこで母親はつんぼがあやまって赤子を揺すり殺してしまうように、
わざとそういうあやしかたをして殺すのだ。
事故であると、そういう建前で。
業の深い風習である。それゆえに鬼ゆすりとも呼ばれ忌避されるのだ。
「おぬし、弔いの真似事をしたそうだが、そのとき母親に情をうつしておったろう」
伯父はおもわずうなずいた。
「あのあたりに昔あった集落はどれも貧しい家だった。とりたてあそこでは鬼ゆすり
 が行なわれたはず。いいか、浮ばれぬのは母親ではなく殺された赤子のほうじゃ。
 助けをもとめて泣き叫び、それもかなわずに死んだ赤子の怨念が、泣き声が呪詛と
 なって母親の魂をとらえ、この世に迷わせて離さぬのだ」
36:
712 名前:つんぼゆすり ラスト 投稿日:03/06/17 17:20
伯父はそれを聞いて総毛立ったという。
やはりあの時森の中で聞いた声は伯父たちを誘っていたのだ。
『母親の成仏を願ったから』
あのまま元来た道を行っていたら、とり殺されていたのかもしれない。
刀自は静かに言った。
「鬼ゆすりのことを伝え継ぐのはわしら女の役割じゃ。産むことも殺すことも
 せぬ男はぐっと口を閉ざし、見ざる言わざる聞かざるで過ごすものだ」
伯父は恐れ入って、もうこのことは一切忘れると刀自に誓ったそうだ。
時代が大きく変わる時、廃れていく言い伝えや風習が最後の一灯をともすように
怪異をなすのだと、伯父はいつもそう締めくくった。
53:
忘れられた免許
この前コンビニのコピー機に免許が忘れてあったんです。
で近くだったら届けてあげようとおもって、住所を見たんです。
で、その住所が自分の住んでいるマンションの住所だったんです。
じゃあ届けられるね、っておもったんですが、その部屋番号は存在しないんです。
何回見ても、グーグルマップで検索してもやっぱり自分の住んでいるマンションなんです。
部屋番号だけがないんです。
怖くなって交番じゃなくて、コンビニの店員さんに渡したんですがどうなったんでしょう。
あの写真の人は誰なんでしょう。
54:
>>53
地味にこわい
86:
自殺の名所
親戚の法事やった時に住職が言っていたのだが。
霊、つまり亡くなった人も生きている人しか見えないんだと。
あの世に行ってしまっても、ちゃんとお参りしてあげないと寂しいという事らしい。
で、ちょっと住職に聞いてみた。
良くある自殺の名所とかで沢山死んでるけど、
あれは霊が数を増やしているんじゃないかって?
嫌そうに住職は答えてくれた。
あれはどんなに多くの人がそこで亡くなっても、皆自分だけが霊になったと思ってる。
だから生きてる人間を求めるんだと。
沢山亡くなれば、それだけ沢山の霊がそこで生者を求めて彷徨う。
だから、そういう場所には出来るだけ近づかない、
お守りがあったらちゃんと持っていくって事をしなきゃならんのだと。
まだまだ自分は死ぬ歳じゃないが、初めて死にたくねえなって思ったよ。
怖くない話で済まないな。
95:
ゴールの写真
小学生の時に聞いた実話
ある一人の少年がマラソン大会に出場したんだが、
心臓が悪いためく走ることが出来なかった。
最後尾になりながらも少年は諦めずに頑張って走った。
ゴール地点では、先生や生徒がみんな拍手しながら応援してくれている。
母親も息子が心配で見に来ていた。
そして、みんなに見守られながら少年は感動のゴールを果たした。
母親は嬉しくて、その瞬間をカメラで撮影した。
しかし、しばらくして少年は倒れてしまう。
病院に運ばれたが、心臓発作で死んでしまいました。
母親は毎日泣いていましたが、知り合いのカメラ屋に
あの時の写真の現像を頼んでいたのを思い出し、
せめて息子の感動のゴールの写真が見たいと思いカメラ屋へと向かいました。
ところが、知り合いのおじさんは写真を見ないほうがいいと言って出してくれません。
母親は必死に頼み込んでお願いしました。
すると、真っ青な顔しておじさんが渋々写真を母親に差し出しました。
96:
すると、その写真には 頑張って走る息子を囲んで周りの生徒が
目を閉じて手を合わし、拝むように立っていました。
その写真ではだれも笑っていません。
信じられないことに偶然みんなの拍手が重なって
全員が瞬きした瞬間に母親はシャッターを押してしまったのでした。
106:
死装束
怖くないけど酒の勢いで書く。
4年前だったと思う。
当時俺は専門学校生で、実家から離れて暮らしてた。
夏休みになって帰省したんだけど、実家は田舎だからかなり暇だった。
夜の11時頃になって、暇と暑さに耐えかねて原付で近所のスーパーに出かけたんだ。
行ってはみたものの金はないし、特に欲しいものもない。
結局そんなに時間がたたない内に帰ることにした。
真っ直ぐ帰っても暇なだけだから、少し遠回りして裏道通って帰ったんだ。
んで、家まであと少しってところで道沿いに白い服着た人が二人歩いてくるが見えた。
「こんな夜中に珍しいな・・・」とは思いつつ、だんだん人の方に近づいてくと、
二人とも死装束みたいな白い和服着てた。
怖かったけど引き返せるスピードじゃなかったから、そのままスルーすることにした。
すれ違うときにチラッと顔を見てみたら、二人とも思いっきり睨んでた・・・
しかも、裸足みたいに見えた(サンダルかも)
家に帰ってからふと気付いたんだけど、その日は盆入りだった。
お墓から帰宅する途中の人(?)に遭遇しちゃった・・・?
田舎で人が少ないだけに、生身の人間だとしても気味悪すぎる体験だった。
長文&乱文失礼しました。
108:
>>106
簡単に書いてあるが、その状況を想像すると怖い
147:
ミミズ腫れ
デリヘル嬢から聴いた話
新規の予約に 勇んでラブホに向った彼女
待っていたのは リーマン風の いかにも神経質そうな男だったらしい
部屋に入ると 男は大声で「脱げ」と命じた
不安が錯綜し 彼女の愛想笑いが消える
要望に応え 衣服を脱ぎ捨てると
男は顔を近づけ 鼻を鳴らしながら「臭ぇ 臭ぇ」と繰り返す
震える身体を押え 男にシャワーを勧める彼女
浴室に於いても ベッドに於いても 男は機能しなかったそうだ
世話しなく両の指を動かし 剥き出しの歯をギリギリと擦り合わせる男
彼女はただ 時間の過ぎ行くことを祈っていた
男の背中に 引掻いた様なミミズ腫れを見つけた彼女
そそくさとラブホを後にしたらしい
男は何度も延長を交渉してきた様だが ・・・
「だってね あの疵 ニゲテって読めたんだもん」
数年前にその地域で発生した デリヘル嬢惨殺事件 実はまだ未解決なのだそうだ
225:
占い
15年も前の話なんで細部はよく覚えてないので簡潔に
心霊スポット行った
なにも起こらなかったので記念にガラス片を持ち帰った
その際手を怪我した
ここれだけならよくありそうな話なんですが昨日、少し気味悪い体験をしたので書きます
春休み暇なんで友人と一緒に旅行に行ったんだけど、そこで占いの店があったんだ
友人がそういうの好きらしく、俺もみてもらうことになった
手を見せた途端、占いのじーさんがあからさまに顔しかめて
「君、残念だけど長生きできないよ」だってさ
突然のことで混乱してるとこにさらにじーさんが
「まあ自業自得だね」って
じーさんのいきなりのイミフ発言にちょっとイラっときて
「いきなりなんですか?どういうことですか?」
って切れ気味に問いただしたらどうやら手の傷が原因らしい
ちなみに傷跡は今でも残ってるけど傷自体はかすり傷でたいしたことはありません
じーさんが言うには切ったもの(ガラスの破片)、切った場所(手のひら)
どちらも最悪だそうです
胡散臭い話なんで信じてないですが、これとは関係なく
結構病弱なんで長生きは出来ないと自分でも思ってますけどw
227:
心霊スポットに巣くうモノ
先日起こった洒落にならなかった事。
オカルト好きな俺とA男とB子で怖い話を2時間ぐらいしてたんだけど、
A男が「心霊スポット行かない?」って言い出して、ノリで行く事になった。
俺の住んでる所はど田舎のT県。
最強に怖い心霊スポットがあるんだけど、三人でそこは辞めとこうってなって、
程々に怖いF市にある廃墟に行く事になった。
A男が車運転で。
いざ着いてみると周りは真っ暗。
本気で怖くなってきた俺とB子はちょいガクブルだったけど、
好奇心モリモリのA男が先頭に立って侵入。
結構人が来てたらしく、廃墟の入口に
「近隣の迷惑になりますのでむやみに入らないで下さい」って看板があった。
無視。侵入。
228:
入ってみると意外に広くて、もう夜の2時まわってたから
真っ暗で懐中電灯忘れて三人で携帯のライトを頼りに固まって捜索。
まず一階を探索。
地元のヤンキー様達がスプレーで壁に「夜露死苦」だの「喧嘩上等」だの書いてあった。
笑う俺達。
和んだところで更に奥に進むと襖のある部屋?和室みたいな部屋があって
襖と襖の間に写経みたいなお札が縦に目茶苦茶貼ってあって、流石に三人もビビった。
ガチなのか?と思いながら、次は二階へ行こうってなって階段へ進んだ時A男にメールがあった。
まさか…と思って恐る恐るA男の携帯を三人で見た。
229:
自称霊能力者のC子からだった。
内容はこうだった。
「今すぐ家に帰って。お願いだから。」
次は俺とB子に同時にメール
「今どこにいるか解らないけど今すぐ家に帰って。お願いだから。」
はぁ?と思いつつ、戸惑ってたらB子がいきなり猛スピードで出口に走り始めた
そして俺とA男もダッシュで追い掛けた
B子が「皆早く帰ろう!早く!」と叫んでた。
とりあえずC子の言う通り、B子を追い掛けて。
230:
車の中で俺がC子に電話したら、
俺「どうしたの?」
C子「どこにいたの?」
俺「F廃墟。心霊スポットだけど、メールの意味わかんないんだけど?」
C子「そうだったんだ。私今さっきまで寝てたのね、そしたらアンタとAとBが夢に出てきて三人共傷だらけだったん。すっごく嫌な予感したからメールしたの。」
俺「マジで?俺達その時、その廃墟の二階に行こうとしとったんやけど」
C子「行かない方が良かったと思う。」
俺「なんかあったんかな?」
C子「わかんないけど、なんか不安になってね。でも戻ってくれて良かった。じゃあ私また寝るね、おやすみー」
俺「あ、はいはいお休みー」
-ピッ-
231:
俺が二人に電話の内容話すと、
A男「C子ってモノホンなんかな?つかB子なんでいきなり走り出したん?」
B子「見た…」
俺「何が?霊!?何系??女の子!?」
B子「違うよ、私さ台所付近に行ったらカップ麺の容器の空が大量に落ちてたの。」
俺「…で?」
A男「なんでそれで逃げたの?つか見たって何を?」
B子「…両手に包丁持ったホームレスみたいな人が二階の部屋からこっち見下ろしてた」
俺 A男「……マジ?ヤバくない?」
B子「だから逃げたん。」
234:
>>231
ホームレスも必死だったんだな。
235:
>>231
カップ麺ばっか食ってるからイライラしやすいんだよ
239:
長生きできんね
私も占い師に「長生きできんね」と言われたことある。
理由も聞いた。
「あんた、大陸に行ったことあるだろう? そこで憑かれたんだと思うけど、悪霊なんて
もんじゃない。神に近いから、まず払えないし、どこに行っても障ることを恐れて何も
できないよ。」とか。
確かに、仕事で中国に数年住んでいた。
「まあ、日本にいる限り、息子さんが成人するまでは持つよ。あんたの背後に白狐が見える。
これが強いし、あんたの家系、将門信仰してる者がいるからね。お祖父様お祖母さまに感謝
することだ。・・・それと、叔母さんかな? 修道院にいる人もいるねえ。彼女も遠くからあなたを
守っているよ。・・・でも、あと数年だね。」
息子、もう15歳なんですが。あと5年でこの世とさよなら?それを何故断言できる?
私の不審そうな顔に、占い師は続けた。
「あんた、過去に手の筋切って何かできなくなってない?」
確かに。ジャズピアノをやっていてそこそこ仕事もあったが、交通事故の後遺症で今、左手が
あまり動かず、ピアノなんてもうとても無理な状態である。
240:
「それは持って行かれたんだよ。でも命だけは、あんたを守る人たちに救われた。
 でも、次は全て取る、と言っているよ。・・・ごめんねえ、不快な事ばかり言って。」
占い師はそう言って、私から料金を取らなかった。
あと5年でこの世から去る? にわかに信じられなないし、今も信じてない。
ところが、その占い師は「当たる」と評判だそうだ。
割と高額な見料も、あんなに長時間話したのに「残りの人生に使いなさい」と貰わなかった。
帰宅後、夫と子供に話した。信じてないけど、と言いつつ。
「私が死んだら、あななたちが心配で・・・」と言ったら、夫も子供も、
「それは自分たちが乗り越えること。おかんは心配しないで、残りを好きに使っていいよ」と。
今のところ病気などは無い。でも人は何で死ぬか解らない。
ちなみに、後日、ある有名神社にお払いの相談をしたら占い師の言ったとおり、
「神様にはできる限り障りたく無いんです。こちらの命も危ないですから」と。
「すいません、どんな神様が憑いてるって?」
「・・・地獄の神様です。あなたの左手を持ってます。・・・日本の神様ではありませんね。」と。
241:
回避方法無しと言われたのだが、神主さんには、
「でも基本的に自分はあまり信じてないんです。私には見えませんから。」と言ったところ、
「そういう強い気持ちも大事ですよ。」とか。
「なんで私なんでしょう?」
「人と同じですよ。好みなんです。昔から、神様に愛されると長生きできないと言いますね。
あれと一緒ですよ。」
いや、そんな若くも無いですしと言ったら、「寿命からしたら充分若いですよ。」と。
実家のお稲荷様と、近所の将門神社には毎日詣でている。
でも、最近、右肩が重いことに気がついた。
そして、もともと夢などあまり見ないのに、夢を見るようになった。
どこかの屋敷で、ピアノをずっと弾き続けている夢。
動かない左手が動くのは気分がいい、ずっとここにいたいと思う。
「ずっといてもいいんだよ」と、背後から右肩に手を置かれ、めが覚める。
いつかこのまま、目を覚まさなくなるのだろうか。
246:
優れた芸術家に早死にが多いのは、そういう事か!?
388:
森の奥
ちょっと自分的に洒落にならんかった話。
俺が小学生位の時かなぁ。
俺さ、片親で母親が出稼ぎに出ちゃってたもんだから、
中学生位の間までずっとじいさんばあさんの家で育てられてたのよ。
じいさんばあさんの家はホントにドが付く位の田舎にあってさ。
だから自然だけは沢山在って、俺はよく森の中で虫取りなんかして遊んでた。(一人で)
その日も確か、昼飯を食った後、蝉を取りに出かけたんだよ。
今考えると、なんだか森に入った時にいつもと空気が違うような気がしたんだよな…。
でも、ほぼ毎日行ってた様な森だから、勘だけ頼りに奥まで分け入ってた。
どんだけ進んだろうな。 多分家出てから一時間も足ってなかったと思うんだけど。
突然、目の前に紺碧の湖が出てきたんだ。
「あれ?こんな所が在ったのか…」
とか思いながら湖を眺めてると、ちょうど正面の竹林になってる辺りで「ガサガサ…ガサガサ…」って聞こえる。
389:
何か動物かな?って思ってたら、白い蛇が出てきた。
それも尋常な大きさじゃない。 多分目測でも5?6mは超えてたと思う。
その大蛇が「すー…」っと湖の上を這って近付いて来る。
そして俺の目の前、湖の上でとぐろを巻いてじーっと俺の目を見つめてくる。
怖い。 金縛りにあったみたいに目が逸らせない。
煩い位喚いてた蝉の声も聴こえなくなってる。
どれ位そうしてただろう? 最初は喰われるんじゃないかって怖くてしょうがなかったんだけど。
白い蛇の目を見ていると段々なんだか淋しい様な、郷愁に近い様な感情が湧いて来て。
そう思ってたら突然、その白い蛇は来た時と同じ様に、
湖の上を這って、竹林の方へ行ってしまった。
多分、時間にして一時間も無かったと思うんだけど、気が付いたらもう空が紅く染まってた。
おかしい事に気づくと段々怖くなってきてさ。
わーわー喚きながら森を走り抜けて家に帰った。
子供だったから、ちょっと大き目の蛇が過剰に大きく見えてたのかも知れんけどw
でも、普段は蛇の首根っこ掴んで振り回してた様なガキが大きめな蛇を見たくらいで怖がるかな…?
多分それからだったと思う。
零感だった俺が色んな物を見る様になったのは。
あぁ、それから後日、湖の在った辺りに行ってみたんだけど、
湖なんて無くてボロッちぃ祠?みたいなんが在った。
まぁ、俺にはとんでもなく怖かったんだよ。
長文&乱文スマソと読んでくれた人は感謝w
493:
生霊
この前職場の同僚Aと居酒屋で飲んでいたときの話。
偶然俺の前の職場の飲み会とカチ合った。
俺は特に問題があって辞めたわけじゃないし、
前の職場の人とも仲が良かったので、合流はしなかったけれど
なんか向こうの人が何人もこっちの席に来て注いでもらったり、
唐揚げとか刺身とかをおごってもらったりとかしてた。
そのうち同僚Aが気分が悪くなったって言い出して、俺たちは
一足先に店を出ることになった。
店をでて、「だいじょうぶか?」なんて言ってたら、同僚Aが
「お前の前に勤めてた会社の課長、ほら、さっき酒注ぎに来てた人、あの人はもう駄目だな」なんて言い出した。
「なんで?」ってきいたら、
Aは「あの人、3人の生霊に憑かれてるよ。人間ああなっちゃあもう駄目なんだ。俺、それで気持ち悪くなっちゃったんだよ」だって。
「生霊?マジかよ、そんなのわかるの?」って聞いたら、
どうもAには分かるらしい。
「例えば、おまえでも、初対面の人に会って3分話してみて、いや、一目見て嫌悪感を感じる人間っているだろ?見た目がキモイっていうレベルじゃなくってさ」
と、Aはそんなことを言い出した。
494:
A「そういう人間ってのは、なにかしら憑かれちゃってるんだよ。あの課長程の凄い憑かれ方のやつは俺も初めて見たけどな」
俺「そんなに凄く憑かれちゃってるのか?あの課長」
A「うん、ああなっちゃうともう駄目だ。何をやってもね」
俺「生霊って、恨みみたいなもんなの?」
信じられなかった。確かに、前の会社のあの課長は尊敬できない人だったが、
そんな強力な生霊が3人分も憑くものなのだろうか?
A「ああ、恨みっていうより執念、いや、怨念かな?」
俺「じゃあ藁人形とか、そういうことをどこかの3人がしてるって事?」
A「そうじゃないよ。思うだけでいいんだ」
俺「相手を恨むには、自分も代償を払わなくちゃいけないってよく言われるけど?」
A「そんなのは要らないんだよ。恨みを晴らす代償は、あの課長にされた色々な、嫌がらせなり、セクハラなり、パワハラなり、とても言葉ではいえないような汚いことをされた事で前払いしてるんだから」
俺「ていうと、頭の中であいつ氏ねとか思うだけで生霊が憑くってこと?」
A「そうだよ、こわいねー」
まあ、そういうこともあるのかな、と俺は思った。
あの課長なら恨まれても納得だ。
ちょっと気になったので、俺はAに聞いてみた。
俺「なあ、俺には生霊は取り憑いていない?」
A「お前にはじーちゃんばーちゃんしかついてねーよ。これからもお年寄りを大切にろ」
どうせなら、若いねーちゃんに憑いてほしかった。
495:
最後に、一番気になることをAに聞いた。
俺「それでさ、あの課長に憑いていた3人って、どんな人なの?」
A「一人は女の人だね。おとなしそうな感じだけど、よっぽどひどい目にあったみたい」
そうか、確かに前の会社は事務員さんがコロコロ変わっていた。
噂では、あの課長が気に入らなければ即クビになったそうだ。
A「あとは男だ。ひとりはなんか思いつめてたなー。ああいうのが一番やばい。恨みに取り付かれると、今の自分の生活なんか関係なく恨みつづけるからね。そのせいで更に状況が悪くなっちまう。恨む事で、自分の今の生活を駄目にしてるんだ」
なるほど、恨んでばかりいたら今の生活もままならないって訳だ。
こいつ、いい事言うじゃん、と俺は思ったね。
A「3人めはね、お前だったよ」
おれかーwww( ´_ゝ`)
そうかもしれないね。
あの課長には本当に氏んで欲しいと思ってるからね。
それにしてもAは凄い。
本物です。本当に見えてるんだね。
それ以来、なんかそういう力を信じるようになりました。
803:
死亡事故の多い交差点
実体験書きます。
小学2年生の頃、交差点で車に跳ねられました。
場所は小学校の通学路で小学生の死亡事故が何度かあった交差点です。
私は歩行者信号が赤だったので下を向いて待っていました、
すると数人の小学生が後から追い付いて来ました
しばらく待っていると回りの子供達が渡り出したので、
私はてっきり青になったと勘違いして確認しないで歩き出しました、
すぐに大きなクラクションと同時に車に跳ねられてしまい入院しました。
幸い骨折程度で助かりましたが、
入院中にお坊さんが来てお経を聞かせられたりしました。
退院するとその交差点にはお地蔵さんが設置されてました。
終わり
804:
>>803
『実体験』…なんだよな…? ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
807:
>>804
実体験ですよ。
当時母に何故お地蔵さんが作ったのか聞いた時は「○○ちゃんみたいに子供が事故に合わないように見張ってくれてるのよ」と聞かされました、が今思えば違う何かを見張る為に作られたのかなと…
866:
引き出しのバナナ
昔とんねるずの食わず嫌いであった勝俣の話?
勝俣君はバナナが大好き。
お楽しみは取っておくの考えから、バナナを机の引き出しに入れて大切に保管してた。
何日かすぎてから取り出して、口いっぱいに頬張った。
なんかジャリジャリとしたヘンな感触が。
あれ?バナナに種なんてあったっけ?
季節は夏。
放置されてたバナナには、ショウジョウバエが大量に涌いていたという・・・・
もはやバナナというよりショウジョウバエ。
それ以来勝俣君はバナナが食べられなくなってしまったとさ。
これは洒落にならないね?。
リアルタイムで見たけどすごい鳥肌たったな。
867:
>>866
確か夜に部屋の電気つけずにバナナを頬張ったんだよな
こういう話が一番キツいわ
836:1/12:2005/12/11(日) 20:07:10 ID:CUnu3Rn40
逆さの樵面
私が生まれる前の話なので、直接見聞きしたことではなく、その点
では私の想像で補ってしまう分もあることを先に申しておきます。
それから地名、人名等は仮名としました。もったいぶった始め方ですが、
この話の終わりには家の戸口に影が立つこともあるかも知れません・・・
私の生まれた村はつい先日合併によって閉村し、別の名前の町に生まれ変わりました。
しかし千羽神楽の名は残っています。
室町時代から脈々と続くこの夜神楽は、かつて村の4つの家によって継承されてきました。
稲には実りを、また山には厳しい寒さをもたらす神々を、
歓待し楽しませるための舞を踊るのです。
村にある神社を1年間で順繰りに回り、
氏子たちが見守る中で夜が更けるまで舞い続けます。
舞うのは4つの家の太夫と、かつては決まっていたようですが現在では
1家を除いて家筋の消息が不明となり、
若者不足も重なって舞太夫には誰でもなれるようになっています。
もともと4家に神楽を伝えたのは熊野より落着した日野家であると、資料にはあります。
当主であった日野草四郎篤矩がそのとき持参したといわれる神楽面が、
のちに村の家々の戸口に影を立たせることになるのです。
837:2/12:2005/12/11(日) 20:09:57 ID:CUnu3Rn40
千羽神楽では素面の舞もありますが、面をつけての舞がほとんどです。
神楽面は舞太夫が人から人外のものへと変わるための装置であり、
衣装を合わせ面をつけた時、それは太夫ではなく
鬼神や魔物そのものが舞っているものとして認識されます。
そのため、神社の中とはいえ人の領域の内に
鬼神を招くための結界として、はじめに注連縄が張られるのです。
受け継がれてきた古い面には力があり、
けして粗末な扱いをしてはならないとされています。
江戸中期に記された『千羽山譚』には、
「特に翁の面は怪力を持ち他の面と同じ行李に入れていては、他の面を食い破る」
という不気味なことが書かれており、現在も神楽面の中で唯一翁面だけが
竹で編んだ小さな行李に単独で保管されています。
私の父はこの翁面の舞手でしたが、
いつもこの面を着けるときだけは手に汗が浮くと言っていました。
さて、室町時代より500年にも亘って続く千羽神楽ですが、
その長い歴史の中で演目が亡失するということもあったようです。
千羽郷に赴任された役人の古河伝介が記したという『千羽山譚』や、
その他の旧資料に現れる神楽の記述によると、
もう舞われなくなっている4つの舞があることがわかります。
このいずれも、面も祭文も残っておらず、
資料の挿絵によって衣装が辛うじてわかるくらいでした。
ことの発端は、この失われた舞が復活する次第よりはじまるのです。
838:3/12:2005/12/11(日) 20:12:06 ID:CUnu3Rn40
大正11年の5月11日、神楽面が出て来たという通報が村役場にありました。
高橋家という旧家の土蔵より、幾ばくかの資料とともに
2つの神楽面が発見されたというのです。
高橋家はかつて数代にわたって神楽の座長を務めたといわれており、
何代か前にあとを襲う男児に恵まれなかった折に養子を招き、
神楽からは離れていったようです。
そしてなんらかの理由で次の太夫にこれらの面と舞を伝えることも
ないまま、演目が亡失するという事態に至ったということでした。
さて、面は出て来たものの舞の復活には至りません。
祭文が出てこないのです。
しかし、失われた神楽舞の復活に賭ける気運が高まっていたため、
千羽神楽を興した日野家のルーツである熊野へ人を遣り、
近似の舞から演目を起こすというという計画が持ち上がっていました。
そんなとき、計画を主導していた当時の座長である森本弘明氏が不思議な夢を見たのです。
弘明氏は消防団の団長も勤めていた人物で、
公正で篤実な人柄が認められていたといわれています。
その彼が神楽が催されたある夜に、舞い疲れて家に帰らず
神社の社殿で一人眠っていたとき、真っ暗な夢が降りてきたと言うのです。
夢で深山の夜を思わせる暗闇の中にひとり佇んでいると、
目の前に篝火がぽっと灯され、白いおもての奇妙な服を着た人物が
暗闇の奥より静々と進んできました。
良く見ると白い顔は神楽面で、高橋家の土蔵より発見された山姫と呼ばれる面だったのです。
格衣に白い布を羽織り、山姫の面を着けた人物は篝火の前まで進み出ると、
弘明氏に向かってこう言いました。
『これより、山姫の舞を授ける』
そして静かに舞いはじめたのです。
839:4/13 (になりました汗): 2005/12/11(日) 20:17:23 ID:CUnu3Rn40
弘明氏はこれはただの夢ではないと直感し、
その舞の一挙手一投足を逃すまいと必死で見ていたそうです。
やがて山姫が舞い終わると、篝火が消え深い闇の帳が下りました。
しかしまだ夢が覚めないのです。
また篝火が灯りました。
こんどは赤く猛々しい鬼神ような面をつけた人物が現れました。
そしてこう言うのです。
『これより、火荒神の舞を授ける』
山姫の舞から一転して激しい舞がはじまりました。
そしてその面はやはり土蔵から見つかった面だったのです。
舞が終わるとふたたび篝火が消え、また灯りました。
こんどは格衣に烏帽子姿の人物が闇の奥より現れました。
面を着けていない素面で、その目じりには深い皺が刻まれた初老の男でした。
『これより、萩の舞を授ける』
その声を聞いて明弘氏はすべての舞を演じたのがこの人だと悟ったのです。
明弘氏は、舞を見ながら涙を流したと言います。
どの舞も情熱的で、人が舞っているとは思えない神々しい舞でした。
社殿の畳の上で目覚めて、明弘氏はただちに今見た舞を踊りました。
試行錯誤を繰り返し、東の山に陽が射すころには
3つの舞を完璧にこの世に蘇らせたといいます。
840:5/13:2005/12/11(日) 20:20:30 ID:CUnu3Rn40
これが失われた3つの舞が千羽神楽に取り戻された事の次第で、
未だに千羽に語り継がれる縁起なのです。
その夜、明弘氏の夢に現れた人物は高橋家の5代前の当主であった
高橋重次郎氏ではないかと言われています。
高橋家の大刀自は当時100に近い歳であったといわれていますが、
明弘氏が披露した舞を見たとき、幼いころに見た曽祖父の舞だと言って
泣き崩れたと伝えられています。
さて、失われた4つの舞のうち3つまでは復活しました。
『山姫の舞』『火荒神の舞』『萩の舞』・・・
『千羽山譚』によると残る一つは『樵の舞』とあります。
しかし高橋家の土蔵からはこの舞に使われる樵面が発見されず、
『樵の舞』だけは亡失されたままでした。
樵面は熊野より落着した日野草四郎篤矩が持参した面とされ、
明応七年(1498年)の銘が入っていたと、資料にはあります。
一時期、前述の翁面と同一視されていたこともあったようですが、
翁面には永禄五年(1562年)の銘があり、別の面であると
認識されるようになっています。
時は下って昭和40年。
私の父が舞太夫としての手解きを受けたばかりの頃です。
大正時代に高橋家より面が見つかって以来、役場を中心に各旧家の協力の下、
あれだけ捜索されても発見されなかった樵面が、あっさりと出て来たのです。
人々を震え上がらせる呪いとともに・・・
841:6/13:2005/12/11(日) 20:21:06 ID:CUnu3Rn40
当時、在村の建設会社に勤務していた父は職場で「樵面発見」の報を聞きました。
社長がもともと舞太夫で、父に神楽舞を勧めた本人だったため、
早退を許してもらった父は、さっそく面が見つかったという
矢萩集落の土谷家へと車を走らせました。
もともと山間の千羽でも、特に険しい地形にある矢萩集落は町ほど
露骨ではなかったものの、いわゆる部落差別の対象となるような土地でした。
父のころにはまだその習慣が残っていて、
あまり普段は足を向けたくない場所だったといいます。
その集落にある土谷家は、もともと県境の山を越えてやってきた客人
の血筋で、集落では庄屋としての役割を果たしていたようです。
江戸時代から続くといわれるその古い家屋敷に、
噂を聞きつけた幾人かの人が集まっていました。
その家の姑である60年配の女と役場の腕章をつけた男が言い争いをしており、
その間に父は先に来ていた太夫仲間にことのあらましを教えてもらいました。
どうやら、その日の朝に役場へ匿名の電話が入ったようです。
曰く「樵面を隠している家がある」と。
それは土谷家だ、とだけ言って電話は切られました。
不審な点があるものの、とりあえず教育委員会の職員が土谷家へ向かい、
ことを問いただすと「確かに樵面はある」と認めたのでした。
842:7/13:2005/12/11(日) 20:23:20 ID:CUnu3Rn40
言い争いは平行線だったようですが、
とりあえず土谷家側が折れて父たちを屋敷へあげてくれました。
歴史ある旧家だけあって広い畳敷きの部屋がいくつもあり、長い廊下を通って、
玄関からは最奥にあたる山側の奥座敷の前で止まりました。
どんな秘密の隠し場所に封じ込められていたのだろう、
と想像していた父は拍子抜けしたといいます。
姑が奥座敷の襖を開けたその向こうに、樵面の黒い顔が見えたのです。
しかしその瞬間、集まった人々の間に「おお」という畏怖にも似た響きの声が上がりました。
「決して中へは入ってはなりません」と姑は言い、
悪いことは言わないからこのままお引取りを、と囁いたのです。
明かりもなく暗い座敷の奥から、
どす黒い妖気のようなものが廊下まで漂ってきていたと、父は言います。
締め切られていた奥座敷の暗がりの中、
奥の中央に位置する大きな柱に樵面は掛けられていました。
しかしその顔は天地が逆、つまり逆さまに掛けられているのです。
しかも柱に掛けられていると見えたのは、
目が暗がりに慣れてくるとそうではないことに気づきます。
面の両目の部分が釘で打たれ、柱に深く打ち留められていたのです。
「なんということをするのだ」
と古参の舞太夫が姑に詰め寄るも、教育委員会の職員に抑えられました。
「とにかくあれを外します」と職員が言うと、姑は強い口調で
「目が潰れてもですか」
843:8/13:2005/12/11(日) 20:24:09 ID:CUnu3Rn40
父は耐え難い悪寒に襲われていました。
姑曰く、あの天地を逆さにして釘を目に打たれた面は、強力な呪いを撒き散らしていると。
そしてこの座敷に上がった人間は、ことごとく失明するのだと言うのです。
「バカバカしい」と言って座敷に入ろうとする者はいませんでした。
古い神楽面には力があると、信じているというより、理解しているのです。
だからこそ、翁面を小さな行李に入れ、
また「1年使わないと表情が変わる」といわれる般若面の手入れを欠かさないのです。
入らずには面を外せない。
入れば失明する。
だからこそ、土谷家ではこの奥座敷の樵面を放置していたわけです。
調度品の類もない畳敷きの座敷は埃と煤で覆われていました。
明治の前よりこのままだと、姑は言いました。
何か方法はないかと考えていた太夫の一人が、
「あんた、向かいの太郎坊に取りに入らせたらよかろう」
と手を打ちました。
「あれはめくらだから」と。
父はなるほど、と思いました。
確かに土谷家の隣家の息子は目が見えない。
彼に面を外させに行かせたらいいのだ。
ところが、姑は暗い顔で首を振ります。
そしてこの樵面の縁起を訥々と語り始めたのです。
844:9/13:2005/12/11(日) 20:25:21 ID:CUnu3Rn40
かつて日野草四郎篤矩によって神楽を伝承された4家は、
その後も大いに栄えたと伝えられている。
ところが、姑曰く土谷家はその4家よりも古い神楽を伝えられているという。
日野家と同じ客人(まろうど)であった土谷家こそが、
日野家以前にこの千羽に神楽を伝え、千羽神楽の宗家であったのだと。
ところがあらたに入ってきた遠来の神楽にその立場を追われ、
山姫などいくつかの演目と面、そして縁起まで奪われてしまったのだと。
そしてこの樵面こそ、土谷家が今はいずことも知れない異郷より携えて来た、
祖先伝来の面なのだと。
それを日野家由来とする資料は、ことごとく糊塗されたものだと。
そうした経緯があるためか、4家のみによる神楽舞の伝承が壊れたのちも、
土谷家からは舞太夫を出さないという仕来りがあった。
しかし江戸時代の末期に、とうとう土谷家の人間が舞太夫に選ばれることとなった。
土谷甚平は迷わず樵面を所望したという。
ところが樵面を着けた夜、甚平は葉桜の下に狂い、村中を走った。
そしてこの世のものとは思えない声でこう叫んだ。
「土モ稲モ枯レ果テヨ。沢モ井戸モ枯レ果テヨ」
そして面の上から自らの両目を釘で打ち、村境の崖から躍り出て死んだという。
死骸から面を外した甚平の姉は、密かに面を持ち去り、
土谷家の奥座敷の柱に逆さまにして打ちつけた。
その年より村は未曾有の飢饉に見舞われ、
また「戸口に影が立った家」にはいわれ無き死人が出たという。
846:10/13:2005/12/11(日) 20:27:06 ID:CUnu3Rn40
樵面は樵でありながら神そのものであり、その神に別の神の言葉を喋らせ、
別の神の舞を踏ませたことが、面の怒りをぐつぐつと
長い年月に亘って煮立たせていたのだという。
そして甚平の体を借りて呪詛を村中に撒き散らせたのだ。
いわば日野流神楽への土谷流神楽からの復讐だった。
その樵面は未だに土谷家の奥座敷にて、この村を呪い続けている・・・
姑の口から忌まわしい恩讐の話を聞かされた父たちは、
その場に凍りついたままだったといいます。
憑き物がわずかに取れた顔で、姑は肩の力を抜きました。
「太郎さんはいけんよ。次は命がないけんね」
その言葉を聞いて、太夫や職員は色めきました。
姑はつまりこう言っているのです。
「太郎さんの目が見えないのは、むかし樵面を取りに座敷に入ったからだ」と。
結局一堂は土谷の屋敷から離れました。
そして近くの神社に寄りあって、どうしたらいいのか協議をしました。
壁を壊して座敷の裏側から面を外してはどうかという意見が出ましたが、
土谷家の人間を説得できない限りそんな無法はできないという結論に至るばかりです。
さりとてこのままにはしておけない、と頭を抱えていたとき、
一人の老人が寄り合い所を訪れました。
847:11/13:2005/12/11(日) 20:27:47 ID:CUnu3Rn40
90年配の高齢と思しき老人は、自分が樵面を外すと言いました。
人に外せないなら、人ならぬものが外せばいいと。
再び土谷家へ出向いた一堂は、ことの次第を姑に話しました。
老人の手を握り、承知した姑は奥座敷に案内しました。
襖を開け、再び樵面にまみえた父たちは怖気づきましたが、
控えの間から白い人影が現われたとき、えもいわれぬ安堵感に包まれたと言います。
山姫の面に格衣、そして白い布を羽織った老人が静々と歩みよって来たのです。
そして神歌とともに舞いながら、ゆっくりと座敷の内側に入り込んで行きました。
息を呑む父たちの前で、不思議な光景が繰り広げられていました。
暗い座敷の中で白い人ならぬものが舞っているのです。
太夫の一人が叩く神楽太鼓の響きの中、山姫はひと時も止まることなく足を運び、
円を描きながらも奥の柱の樵面へ近づいていきました。
山姫の手が樵面へ触れるや否や、面の両目を打っていた釘がぼろぼろと崩れ落ちました。
100年以上も経っているため、腐っていたからでしょうが、父にはそう思えませんでした。
この襖の向こう側は人の領域ではないのだから、
何が起こっても不思議ではないと、素直にそう思えたのです。
848:
ちょうど舞が終わるころ、黒い樵面を携えて山姫が座敷から出てきました。
「もう舞うことはないと思っていた」
森本弘明老人はそう言って山姫の面を外しました。
『山姫の舞』『火荒神の舞』『萩の舞』
三舞復活縁起のまさにその人が、最後の『樵の舞』の面を取り戻したのです。
父は得体の知れない感情に胸を打たれて、むせび泣いたそうです。
その後、樵面は土谷家ゆかりの神社に祭られることになりました。
演目としては催されることはありませんが、『樵の舞』は土谷家に
密かに伝わっていたため、これで失われていた4つの舞が蘇ったわけです。
のちに父は機会があり、森本老人に舞太夫としての心得を聞きました。
森本老人は「素面にあっては人として神に向かい、
面を着けては神として人に向かうこと」とだけ教えました。
神そのものに心身が合一すると、はじめて見えてくるものがある。そう言って笑うのです。
千羽神楽の中で樵は山姫と恋仲にあることが、演目のなかに見えてきます。
しかし山姫などのいくつかの演目は、
いにしえの土谷流と日野流ではまったく違うものであったといいます。
現在の土谷家に伝わっていたのは『樵の舞』だけであったため、
『山姫の舞』などは日野流と面を同じくこそすれ、
一体どんな演目であったのか皆目わからないのです。
850:13/1

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