【モバマス】隣の席のライラさん【SS】back

【モバマス】隣の席のライラさん【SS】


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51: 以下、
ライラさんかわいい
52: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 21:56:59.81 ID:BYdIjYLNo
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どうやらライラさんのバイトは順調らしい。
ぱっと見では分からないけど、いつもの二割増しくらいで楽しそうだ。
相変わらず、何をやっているのかは教えてくれないけど。
「ま、そのうち話してくれるだろ」
何か問題でもあるなら相談くらいはしてくれるだろう。
そのくらいは信頼されている、と思いたい。
というわけで、毎日は何事もなく過ぎていく。
朝挨拶をして授業を受け、放課後に適当な雑談をして帰る。
強いて言えば、雑談の時間が少し短くなったくらいだろうか。
でもそれも、当然と言えば当然だ。
最初は何かとやることが多いというのは、バイトに限った話ではない。
53: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 21:57:57.94 ID:BYdIjYLNo
残りの高校生活もこんな感じに過ぎていくんだろう。
時々ちょっとした事件が起きて。
でも結局はなんてことのない毎日で。
俺はそんな風に考えていた。
だけど、そうではなかったらしい。
グループメッセージの通知でその事実を知る。
『ライラさんがアイドルデビューした』
書いてある内容は簡単なものだった。
それなのに理解が追いつかない。
54: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 21:58:53.58 ID:BYdIjYLNo
メッセージに続いて、画像もアップされている。
写っているのはニュージェネレーションのライブポスター。
最近よくテレビで見ることもあって、さすがに顔と名前は知っている。
更にもう一枚、ポスターの一部を拡大した画像がある。
それには、前座として初舞台に上がるアイドルの名前が書いてあった。
池袋晶葉、松尾千鶴、ライラ。
「アイドル……ライラさんが……?」
画像を見る限り、本当のことらしい。
それは分かるが事実としては飲み込めない。
そりゃそうだ。
隣の席の子は今日からアイドルです、なんて言われて、はいそうですか、とはいかない。
かといって、何も知らない顔でいつも通りに、なんて器用な人間でもない。
何をどうしたら良いのか分からない。
ただひたすら頭が空回りしている。
妙な居心地の悪さが離れない。
なかなか寝付けずに、窓の外が少しずつ明るくなっていた。
55: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 21:59:29.77 ID:BYdIjYLNo
――――――
――――
――
「おはよう、ライラさん」
遅刻ギリギリで教室に辿り着いた。
結局考えは何一つまとまっていない。
いつも通りの挨拶をしたのは、単なる習慣だった。
「……?」
おかしい。
いつもなら、のんびりした声で挨拶が返ってくるのに。
遅刻しそうになった理由を聞いてくるのに。
不思議に思って隣を見て、自分の目を疑った。
56: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:00:18.46 ID:BYdIjYLNo
ライラさんは分かりやすい人だ。
考えてることはすぐに顔に出るし、表情を作ったりもしない。
その青い瞳は、いつだって好奇心で輝いている。
なのに。
その顔には何の感情も浮かんでいない。
その瞳には何も映っていない。
殴られたような衝撃だった。
助けを求めるように、もう一つ向こうの席に目を向ける。
軽く首を振ったあと、目配せをしてきた。
今はそっとしておけ、ということらしい。
タイミング的にも、おそらくアイドルのことで何かあったんだろうと思う。
それが分かったところで、どうしようもないんだけど。
だってそれは、とうてい俺に解決できる問題じゃないだろうから。
57: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:01:10.92 ID:BYdIjYLNo
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学校の最寄り駅から少し歩いたところに商店街がある。
特に賑わっているわけではないが、寂れているわけでもない。
どこにでもあるような、何の変哲もない商店街だ。
その商店街は今、妙な活気に満ちている。
会長やら店主やらが集まって、ライラさん保護者会なるものを立ち上げたのだ。
名前はともかく、要はファンクラブらしい。
……ライラさんがアイドルになったの、ついこの前なんだけど。
「スカウトされたのは前から知ってたからね」
行きつけの本屋で答えが聞けた。
ライラさんは随分前から可愛がられていたらしい。
きっかけは、どこぞの店が売れ残りをオマケしたこと。
こういう商店街ではよくあることだ。
それに対してライラさんは、後日店の手伝いを申し出た。
恩返しだとか何とか。
こういう話はすぐに広まる。
当然のように、ライラさんは人気者になった。
58: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:02:26.44 ID:BYdIjYLNo
そのライラさんがアイドルに。
ならば商店街をあげて応援しよう、と。
……暴走しているように感じるのは俺だけなんだろうか。
「で、なんでこんなものが?」
いつものように雑誌を買うと、福引き券が付いてきた。
折角だからと福引き所に立ち寄って、呆れてしまった。
CGプロ握手会参加チケット。
この福引きの目玉景品らしい。
……全然手に入らないって、クラスの奴が嘆いてなかったか?
「ライラちゃんのプロデューサーさんに貰ったんだよ」
いつものようにライラさんに声を掛けたら、隣にスーツ姿の男がいて。
実はその人が担当プロデューサーで。
事のついでと保護者会の公認を取り付けて。
その流れでこのチケットを貰ったんだとか。
たくましいというか図々しいというか。
この商店街が潰れないのは、こういうところが理由なのかもしれない。
59: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:04:00.51 ID:BYdIjYLNo
「ま、とりあえず一回やってきな」
自慢じゃないけど、こういうのに当たったためしがない
ポケットティッシュか、良くてボールペンか。
何も考えずにガラガラを回す。
出てきたのは見慣れた白い玉……ではなかった。
「……金?」
そう、金色だ。
何等かは知らないけど、たぶんいいやつだ。
「おめでとうございまーす!」
福引所のおっちゃんがいきなり叫んだ。
手に持った鐘をこれでもかと鳴らしている。
……正直うるさい。
「特賞、当選でーす!!」
「……特賞?」
「はい、握手会のチケット」
どうやら俺は、人生初の当たりを引いたらしい。
それは確かに嬉しい。
でも、だよ?
すぐ近くで悔しそうな呟きが聞こえるんだけど。
その人、商店街の関係者なんだけど。
いや、俺も狙ってたのに、じゃないでしょ。
60: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:04:54.46 ID:BYdIjYLNo
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「昨日はヒーローだったみたいね」
翌日、席に着くなりからかう声が飛んできた。
コイツが知ってるのは不思議でも何でもない。
そもそも、コイツのおじさんの店で福引き券もらったわけだし。
「……ヒールの間違いじゃね?」
どうやら、あの特賞のお陰で商店街はそれなりに潤っていたらしい。
店主連中が近くの店で買い物しまくってたのが原因なんだけど。
お陰様で、冗談抜きの恨めしい視線をいただきました。
全くもって嬉しくない。
「まあまあ、折角だから楽しんで来なよ」
バシバシと肩を叩かれる。
もちろん無駄にする気はない。
61: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:05:49.54 ID:BYdIjYLNo
「これ、お前にやるよ」
「……へ?」
口を開けたまま固まってしまった。
これが、鳩が豆鉄砲を食ったよう、ってやつか。
気持ちは分かるけども。
「これは、俺よりお前が行った方が良いと思うんだ」
このところ、ライラさんはいつも通りに振る舞っている。
でも違う。
それは単なる強がりなんだ。
元々ライラさんは隠し事ができるタイプではない。
だからすぐに分かってしまう。
何か悩みがあることも。
その悩みに触れて欲しくないと思っていることも。
「俺じゃあ、気の利いたことの一つも言えないしな」
こういう時どうすれば良いのか。
俺にはさっぱり分からない。
でもコイツなら。
勝手だとは思うけど、それでも期待してしまう。
62: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:06:44.18 ID:BYdIjYLNo
「随分とハードル上げてくれるじゃない」
ニヤリと笑う。
言ってることと表情がかみ合ってない。
こういう奴だから、つい頼ってしまうんだよな。
「で、アンタはどうすんのよ」
自分だけ働かせる気じゃないだろうなと、目が言っている。
そう来るだろうなとは思ってた。
もちろん何も考えていなかった、なんてことはない。
ただ、胸を張って言えるようなことでもない気はする。
だけど仕方ない。
コイツは、俺の唐突な無茶振りに応えてくれたんだ。
ちゃんと答えないといけない。
「何もしない。いつも通りのお隣さんでいる」
そりゃ、力になれるんならなりたい。
でも俺には、話を聞くことくらいしかできないだろう。
アイドルの世界のことなんて、何一つ分からないんだから。
それ以前に、ライラさんのことだって知らないことの方が多い。
じゃあせめて、ライラさんがいつも通りでいられるように。
いつもと同じように隣の席に座っていよう。
63: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:07:28.25 ID:BYdIjYLNo
「ふふ、いいんじゃないの?」
考えて末の結論がこれとは情けない。
そう思っていると、意外な返答があった。
顔を上げると、こっちの目をのぞき込んでくる。
こういう時、幼なじみというのは良いのか悪いのか。
細かい説明をしなくても意図が通じるのは助かる。
でもそれは、こっちの考えを見抜かれてるのと意味は同じで。
流石にちょっと恥ずかしい。
「じゃあ私は、これで楽しんでくるわね」
ヒラヒラとチケットを振りながら笑う。
それが言葉通りの意味でないことくらいはすぐに分かる。
伊達に付き合い長くないからな。
要するに、できることをやってくる、ということだろう。
任せると決めた以上、あーだこーだと言うつもりもない。
「おう、任せた」
それだけ答えると、キョトンとした顔を向けられた。
おそらく、突っ込みでも入ると思ってたんだろう。
お生憎様。
考えが分かるのはお前だけじゃないんだよ。
ニヤリと笑ってやると、力の抜けた笑いが返ってきた。
64: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:08:20.63 ID:BYdIjYLNo
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それからしばらく経った。
特別なことなんて何もない、いつも通りの日常。
今日もまた、そんな一日が待っているんだろう。
「おはよう」
「おー、おはようございますですよ」
だが、それはちょっと違ったようだ。
いつものように挨拶をして、いつものように挨拶が返ってくる。
それは昨日までと変わらない。
変わらないけど違う。
その挨拶は、本当にいつも通りだったんだ。
きっと何かがあったんだろう。
それが何なのかなんて、俺に分かるはずもない。
でも、それでもいいかと、そう思える。
「おはよ、ライラ」
「ふふー、おはようございますですねー」
遅れて入ってきたアイツも、どうやら気付いたらしい。
少し目を見開いたかと思うと、ニカッと笑う。
65: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:08:52.16 ID:BYdIjYLNo
なんか、すごくホッとした。
俺が何をしたってわけではないんだけど、心底良かったと思う。
お隣さんのことでこんなにヤキモキするなんて。
ちょっと前までの自分では想像もできなかった。
「お二人とも、今日の放課後お時間ございますですか?」
ライラさんからのお誘いなんて珍しい。
何気なく顔を上げてはっとした。
大切なことを言おうとして、でもそれには勇気が必要で。
そんな、緊張した表情のライラさんがそこにいた。
「私は大丈夫」
「俺も予定はないよ」
断るなんて選択肢はどこにもない。
二人してすぐに頷いていた。
「おー、ありがとうございますですよ」
ライラさんが安心したように笑う。
その笑顔が、なぜか少し引っかかった。
66: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:10:15.28 ID:BYdIjYLNo
――――――
――――
――
「あらライラちゃん、いらっしゃい」
「えへへー、お邪魔しますですよ」
ライラさんに連れられて来たのは、公園近くの駄菓子屋だった。
相当古い、マンガにでも出てきそうな一軒家。
「二人も、お久しぶりね」
「ども」
「え、お婆ちゃん覚えてるの?」
この辺りの子どもなら、誰もがお世話になったことがある店だ。
当然、俺もコイツも例外じゃない。
少ない小遣いをどう使うか、頭を悩ませたのも良い思い出になっている。
「もちろんよ。みんな孫みたいなものだもの」
婆ちゃんは、記憶の中よりも随分小さく見える。
でも、その笑顔は子どもの頃に見たままで、それが嬉しかった。
67: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:11:01.25 ID:BYdIjYLNo
「おー、お二人もこちらのお店をご存じでしたですか」
「まあ、昔はよく来てたし」
「それにしてもライラって、こういうの好きだったのね」
店先の駄菓子を手に取りながら、感心したように言う。
確かに、この店にライラさんがいる風景はちょっと奇妙な感じがする。
年季の入った木造の駄菓子屋より、お洒落な喫茶店の方がよっぽど似合うだろう。
でも、ライラさんらしいな、とも思う。
それは多分、俺たちがライラさんを知ってるから何だろうけど。
「それで、今日はどうするの?」
「アイスをいただきますです」
言いながら、ライラさんは店先の冷凍ケースの蓋を開けている。
そして、迷うことなくバニラアイスを取り出した。
きっとあれがお気に入りなんだろう。
「ライラちゃん、それ好きねぇ」
「ふふー、思い出の味でございますので」
嬉しそうに笑顔を交わす。
きっと、二人だけに分かる何かがあるんだろう。
68: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:11:39.65 ID:BYdIjYLNo
「じゃあ私も同じのにするね」
脇からニュッと手が伸びてきて、ライラさんと同じアイスを捉えた。
チラリと、意味ありげな目配せをしてくる。
これはあれだ、俺も同じのを選べと言ってる目だ。
まあ、元々何でもよかったんだけど。
「じゃ、俺も」
「おー、おそろいでございますねー」
改めてそう言われると、若干照れくさい。
高校生にもなって、皆仲良く同じものを食べるとか。
「えへへー。このアイスの思い出、また一つ増えましたです」
その笑顔で、照れくささは吹き飛んだ。
これを選ぶように誘導したアイツには感謝しなければならない。
俺が自分で選んでいたらこうはならなかった。
ということは、この笑顔もなかったわけだ。
よし、ちゃんとあとで礼を言っておこう。
69: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:12:37.52 ID:BYdIjYLNo
それぞれに代金を払って、軒先のベンチに向かう。
そのベンチは、記憶の中のものよりずっと小さかった。
これじゃあ三人座るのは無理か。
「レディファースト、よね?」
「座ってから言うか?」
この状況で俺が座る、なんて言うつもりはない。
もちろんコイツも、そんなことは分かっている。
それでももうちょと、こう……ねえ?
「ほら、ライラも」
「ですが……」
チラリと俺の方を見る。
そう、こういう気遣いが大切なんだよ。
「ま、そういうことだからさ」
「それでは、お言葉に甘えさせていただきますですよ」
そんなやりとりのあと、買ったアイスを口にする。
アイスを食べるのが久し振りなわけじゃない。
バニラアイスなんて、結構好きな方だし。
それなのに、何でか懐かしい味がした。
この店で買ったからなのか。
こんな風に誰かと食べるのが久々だったからか。
まあ多分、両方だろう。
夕日を見ながら、そんなことを考えていた。
70: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:13:17.33 ID:BYdIjYLNo
「で、今日はどうしたの?」
アイスを食べ終わって、三人とも何となく夕焼け空を見ていた。
こういう時間も嫌いではない。
とはいえ、今日はのんびりするために来たわけではない。
こっちから聞いた方が切り出しやすいかもしれない。
そう思って質問する。
ライラさんは立ち上がり、数歩進んで振り返った。
真っ直ぐに俺たちを見ている。
金髪が、夕日で燃えているようだった。
「お二人に、ごめんなさいとありがとうをお伝えしたかったのです」
71: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:14:29.10 ID:BYdIjYLNo
多分そういうことなんだろうとは思っていた。
なにしろ、ライラさんは律儀だから。
「ご心配をおかけしまして、ごめんなさいです」
ペコリと頭を下げる。
やっぱり律儀だ。
こういうところがライラさんなんだよな。
「それから、応援していただきましてありがとうございましたです」
顔を上げると、ライラさんは笑顔だった。
それはいいんだけど……応援?
俺、何もしてないことになってるはずなんだけど。
嫌な予感がして、隣を見る。
「チケットのことなら言ったわよ」
当然、という顔で返答があった。
あの流れなら黙ってるもんだと思ってたんだけど。
「アンタだって心配して、何とかしたいと思ってたんじゃない」
「いや、確かにそうだけど」
「それを知ってて、知らない振りできると思う?」
「……思わん」
自分だけの手柄にしてしまえばいいものを。
俺の心配まで一緒にして伝える辺りがコイツらしい。
72: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:15:36.23 ID:BYdIjYLNo
まあ、本当に言って欲しくないことは黙っているはずだ。
チケットを譲った経緯とか。
その辺りは信頼できる。
「それともう一つ、ごめんなさいです」
ライラさんがまた頭を下げた。
なんとなく、何を言おうとしているのか分かる気がする。
「ライラさん、お二人に事情をお伝えできないのです」
心配させたんだから理由を説明するべきだ。
きっとそんな風に思ってるんだろう。
別に気にしなくて良いのに。
「分かった」
「……ほへ?」
ポカンと口を開ける。
意表を突かれたって感じだな。
こういう表情を見るのは初めてかもしれない。
「言えないって教えてくれたんだから、もうそれでいいのよ」
どうやらコイツも同じ意見らしい。
そもそも、言えないことなんて誰にだってある。
それを無理に聞き出そうとするほど、デリカシーのない人間ではないつもりだ。
73: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:16:11.84 ID:BYdIjYLNo
「ですが……」
「あのね、ライラ」
なおも何かを言おうとしたライラさんが目を見開く。
そりゃそうだ。
いきなり手を握られて、顔をのぞき込まれたら誰だってそうなる。
「私たち、事情が知りたくて心配してたんじゃないの」
正直、気にならないと言えば嘘になる。
いつかライラさんから教えてもらえたらなぁ、なんてことも思う。
でも、問題はそこじゃないんだ。
「ライラに元気がなかったから、心配してたの」
74: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:16:52.09 ID:BYdIjYLNo
驚きと、嬉しさと、あとは何だろう。
ライラさんの顔に色んな感情が混ざっている。
「そうそう。元気になったんだから、それでいいんだよ」
「それでは、ライラさんはお二人にどうやってお返ひ」
「ねえ、ライラ?」
「ふぁいでふ」
ライラさんの顔を手で挟んで、無理やり言葉を止めやがった。
遠慮のなさがコイツらしい。
しかも、妙に迫力があるんだよな。
「こういう時、友だちならどうするんだったっけ?」
そう言うと手を離す。
頬をさすっていたライラさんは、言葉の意味を理解したらしい。
段々と笑顔になっていく。
見てるこっちまで嬉しくなる、お日様のような笑顔だ。
「お二人とも、ありがとうございましたですよ」
やっぱり、ライラさんは笑ってる方が良い。
75: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:17:37.12 ID:BYdIjYLNo
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晴れてすべてが元通り、とはいかなかった。
遅刻や早退をしたり、学校に来ない日があったり。
そういうライラさんの姿を、たまに見るようになった。
アイドルとして頑張っていることが、少しずつ結果につながってるんだろう。
友だちとしても応援したいと思う。
それはそれとして、最近ちょっと気になることがある。
教室の空気が、これまでと微妙に変わってきているのだ。
76: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:18:23.82 ID:BYdIjYLNo
きっかけは、とある雑誌だった。
アイドル特集の記事の片隅に、ライラさんが載ったのだ。
ライラさんにとっても良い機会ではあったのだろう。
その時初めて、ライラさんは自分のアイドル活動のことを説明した。
といっても、みんな知ってたんだけど。
ただ、あの日以来ライラさんが無理をしていたのも分かっていた。
だから誰も、そのことに触れようとはしてこなかった。
そして、その日を境にこの話題はタブーではなくなった。
「現金というか何というか」
それから、ライラさんを取り巻く環境はガラリと変わってしまった。
クラスメイトがアイドルになるなんて、とんでもないニュースだろう。
それは分かる。
それにしたって、限度ってものがあるんじゃないだろうか。
よく放課後に雑談していた面子はそうでもない。
それ以外の、あまり絡みがなかった奴らの態度の変わりようときたら。
ライラさんが転校してきたばかりの頃に逆戻りしたようだった。
アイドルっていうのは、確かに特別なことだろう。
だからって、別世界の人間のように見るのは違うんじゃないか。
今の状態がライラさんに取って望ましいものだとは到底思えない。
77: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:19:20.08 ID:BYdIjYLNo
「つってもなぁ」
ここで俺が口を挟んだところで、どうなるものでもなさそうだ。
むしろ、お前は何様なんだと反発されるのが目に見えている。
ライラさんの隣の席、というのが今までと違う意味になっているのは承知してるし。
「なによ、辛気くさい顔して」
今日一日誰も座らなかった隣の席の、もう一つ向こうから声が飛んでくる。
からかうような口調と呆れたような視線。
こっちの考えなんてとっくに見透かしているような態度だった。
「一日ライラに会えなくて寂しかった?」
「違ぇよ」
コイツは俺と同じように、今まで通りにライラさんに接している。
それでいて、今の状況を受け入れてもいるようにも見える。
実際のところどう思っているんだろうか。
「仕方ない。今日は久し振りに一緒に帰ってあげましょう」
「……何で上からなんだよ」
このまま教室で話すような内容じゃない。
そんなことまで見抜かれてるようだ。
付き合いが長いからなのか、俺が単純なだけなのか。
話が早いのは楽で良いんだけど、どこまで考えを読まれてるんだろう。
……考えるのはやめておこう。
精神衛生上よくない気がする。
78: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:20:10.94 ID:BYdIjYLNo
――――――
――――
――
どうでもいい話をしながら二人で歩いて、公園のベンチに腰掛ける。
随分と暖かくなってきた。
空一面に広がる赤い雲を見ながら、そんなことを思った。
「で?」
必要最低限の問いかけで我に返る。
なにボーッとしてんのよと、目が言っている
「いや、みんなのライラさんへの態度、おかしくないか……ってな」
今更格好つけても始まらない。
とりあえず思っていることをそのまま口に出した。
「クラスにアイドルがいるんだから、ある程度は仕方ない、とは思うんだけどさ」
それにしても、度が過ぎてはいないだろうか。
仕方ない、で済ませていい話なんだろうか。
79: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:22:10.05 ID:BYdIjYLNo
「なんか、転校してきたばっかりの頃に戻ってないか?」
俺たちとはあまりにも違う容姿で、見世物のようになっていたあの頃。
今思えば、あの頃のライラさんは本当の意味で笑ってはいなかった気がする。
それはもちろん、友だちになって初めて気付いたことだけど。
気付いた以上、あの頃に逆戻りするようなことはあって欲しくない。
「大丈夫よ」
あっさりとした返答に思わず振り向く。
どうせそんなことだろうと思った、という表情だ。
「だってあの子、イヤならイヤって言うもの」
目から鱗っていうのは、こういうことなのか。
乾いた笑いがこぼれた。
ライラさんには、つい構ってしまいたくなるようなところがある。
転校してきたばかりの頃は、その延長で世話を焼いたりもした。
でも、今は違うじゃないか。
ライラさんは、自分の居場所を自分で作ってるじゃないか。
こんな簡単なことを見落としていた自分に呆れかえる。
80: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:22:58.44 ID:BYdIjYLNo
「まぁまぁ、落ち込みなさんなって」
軽い口調で、バシバシと肩と叩いてくる。
コイツが敢えてそうしてることくらいは分かる。
深刻ぶるよりよっぽど気が楽になるから。
その気遣いがありがたかった。
「ありがとう」
自然と、感謝の言葉が出てきた。
一瞬キョトンとしたかと思うと、ニヤリと笑う。
「お礼なら言葉よりモノの方が良いわね」
「分かった、今度なんかおごる」
「ふふ、毎度あり」
そのやりとりで、すっかりいつも通りに戻った。
やっぱり、感謝しないとな。
81: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:23:44.91 ID:BYdIjYLNo
***************************
休日の昼過ぎに、いきなり呼び出しをかけるのはどうかと思う。
こっちが断れないのを分かってるのがまた、タチが悪い。
まあ、約束した以上は仕方ないのかもしれないが。
「何でこんな時間なんだよ」
「んー、タイミング?」
商店街で落ち合う頃には、辺りは夕焼けで真っ赤になっていた。
この時間に何をおごれというのか。
晩飯を食べるには早すぎるし、間食というには少しばかり遅い。
疑問をぶつけても、まともな答えは返ってこなかった。
こういう時は問い詰めても意味がない。
黙って付いて行くしかないか。
82: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:24:32.30 ID:BYdIjYLNo
呼び込みの声やら値切り交渉やらで商店街は賑わっていた。
飛び交う声を無視するように、目の前の背中が路地裏へと入っていく。
路地を一つ入っただけで、辺りが急に静かになった。
この先にあるのは確か……
「さ、入るわよ」
指さした先には喫茶店がある。
というか、俺もよく知っている店だ。
なんせ、ライラさんのバイト先にって紹介したくらいだし。
「ライラー、来たよーっ」
ドアノブに手をかけたかと思うと、勢いよく扉を開ける。
しかも、店内に響き渡る声を出しながら。
いくら何でも他の客に迷惑だろう。
そう注意しようとして、違和感に気付いた。
……おいお前、今なんて言った。
「おー、いらっしゃいませですよ」
疑問を口にする間もなく、答えがやって来た。
83: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:25:39.78 ID:BYdIjYLNo
――――――
――――
――
「こちらへどうぞです」
コホンと咳払いをして、ライラさんはそう言った。
どうやら、自分の仕事を思い出したらしい。
そんなことで良いのかと思ったが、マスターは笑っている。
「それでは、少々お待ちくださいですよ」
注文を取ったライラさんは、ペコリとお辞儀をして下がっていく。
案内されたのは、窓際のテーブル席だった。
一つ空席を挟んで、先客がいた。
渋い感じのおじさんと目が合う。
騒がしくしたお詫びに頭を下げる。
おじさんは何故か、にこやかに笑っていた。
なんかこう、子どもを見守る親みたいだ。
初めて会った人だよな。
結構うるさくしたんだから、腹を立ててもおかしくないと思うんだけど。
何でそんな風に笑ってるんだろうか。
84: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:26:54.07 ID:BYdIjYLNo
「お待たせいたしましたですよー」
トレイにカップを二つ乗せて、ライラさんがやって来た。
俺から見ても、明らかに慣れてない。
というか、危なっかしい。
ふと顔を上げると、おじさんはやっぱり笑顔だった。
その目はどうも、ライラさんを見ているようだ。
「あ、そういうこと」
「ん? なにが?」
どこかで見たような笑顔だと思った。
ここのマスターと同じ笑顔なんだ。
あと、商店街の人たちのとも。
どうせライラさんのことだ。
俺たちが来る前は、あのおじさんと話でもしてたんだろう。
そして今、おじさんは笑顔でこっちを見ている。
「いや、ライラさんはすごいなって」
「なによそれ」
「いいんだよ、こっちのことなんだから」
85: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:27:50.79 ID:BYdIjYLNo
目の前のコーヒーに口をつける。
うん、苦い。
大人になればこれが美味いと思うようになるんだろうか。
砂糖に手を伸ばしながら、そんなことを考える。
「ふーん」
問い詰めても無駄だと分かってるんだろう。
微妙に納得してない顔で、カップを手に取る。
静かな時間がのんびりと流れる。
いつもなら、とりとめのない話をしてるんだけど。
たまにはこんなのも良いもんだな。
「それで、どうなの?」
コーヒーの残りが半分くらいになって、沈黙が破られた。
手を組んであごを乗せ、こっちをのぞき込んでくる。
「なにが?」
「ライラよ、ライラ」
86: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:28:34.80 ID:BYdIjYLNo
質問の意味がよく分からない。
ライラさんがどうしたって言うんだ。
「どうせ、学校の制服しか見たことないんでしょ」
その言葉に釣られるように、カウンターに目を向ける。
ライラさんは洗い物でもしているらしい。
何が楽しいのか、鼻歌でも聞こえてきそうな感じだ。
「まあ、そうだけど」
そもそも、学校以外での関わりなんてほとんどない。
別にそういうもんだろうと思っていた。
友だちではあるけど、休日に誘うような仲でもないし。
「アイドルの時はもっとすごいわよ?」
確かに、ここの制服はよく似合ってると思う。
名前はよく知らないけど、ソムリエとかが着てる奴だよな。
だけど何で今、アイドルの話が出てくるんだ?
「だってアンタ、アイドルの話題避けてるでしょ」
「そんなことな……くはない、のか」
反論しようとして、できなかった。
コイツが言ってるのは確かに事実だったから。
87: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:29:18.77 ID:BYdIjYLNo
俺は、今まで通りでいるべきだと、そう思っている。
なら別に、アイドルのライラさんを知る必要はない。
むしろ、知らない方がいいんじゃないかと。
クラスの連中の変わり様を見ると、どうしてもそう考えてしまう。
俺も同じようになってしまう気がして。
今まで通りの友だちでいられなくなるような気がして。
「真面目か」
溜め息まじりに突っ込まれた。
心底呆れたって顔なのに、目だけ妙に優しい。
コイツとも長い付き合いだけど、こんな表情は初めて見た。
「アンタなら大丈夫よ」
不思議と、その言葉を素直に受け取れた。
コイツが言うならそうなんだろう、と。
88: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:29:59.29 ID:BYdIjYLNo
「というわけで、はいこれ」
「なんだよ」
「何って、ライブのチケット」
「おい、ちょっと待て」
手渡された封筒の中には、一枚の紙が入っていた。
記された日付は来週だ。
急な話にもほどがある。
「アタシも付いてってあげるからさ」
「いや、そういう問題じゃない」
「見ないの? 友だちなのに?」
その言葉にハッとした。
口では応援すると言いながら、俺は何も知ろうとしていない。
知る機会があるのに、触れようともしていない。
ただ、自分が変わりたくないから。
それは、友だちとして正しいのか?
89: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:30:41.84 ID:BYdIjYLNo
「……そうだよな」
アイドルとして、ライラさんが何をしたいのか。
そのために、何を頑張っているのか。
そういうことを理解して応援する。
友だちって、そういうものなんじゃないだろうか。
少なくとも俺は、そっちの方が良いと思う。
これはもう、変わるとか変わらないの話じゃない。
俺自身が、友だちだと言えるためにも。
「ありがたくいただくよ」
改めてチケットを受け取る。
なんだかすっきりした気分だ。
「ん。よろしい」
コイツには全部バレてるんだろうなぁ。
でなきゃ、こんな風に笑うわけがない。
……まあ、今更か。
ライラさんとも、こんな関係になれたら。
ふとそんなことを考えた。
うん、悪くない。
そうなるには、相当苦労しそうだけども。
まずは一歩、踏み出してみるか。
<了>
90: ◆Hnf2jpSB.k 2020/03/14(土) 22:37:36.60 ID:BYdIjYLNo
というお話でございました
アイドルが隣にいたら……
頑張って格好つけたくなるも挙動不審で終わる自信があります
現実は非情だ
お楽しみいただけましたなら、幸いです
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1583754435/
一番くじ「艦これ」夏こそ艦娘! ずるいぞ!艦娘 けしからん夏 A賞 「凉月改」フィギュア【水着mode】
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