【艦これ】虹の陽炎型back

【艦これ】虹の陽炎型


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1:
陽炎から秋雲まで。
陽炎型姉妹実装17人分。
2:
【 陽炎 】
『 マツコ・デラックスは女じゃない 』
かぶりつきでテレビを観る雪風に、真実を告げられないままでいる。
『 ミッツ・マングローブは女じゃない 』
歓声をあげ拍手する時津風に、未だ言えないままでいる。
駄目なお姉ちゃんを、許してほしい。
陽炎はまだまだ未熟です。
黒潮「陽炎」
不知火「陽炎」
陽炎「無理。これは無理。ホント無理。」
黒潮「だって言わんと」
不知火「恥をかくのは雪風達です」
陽炎「だから無理って!最上さんの時だって大変な騒ぎになったじゃない!」
黒潮「あー……」トオイメ
不知火「あー……」トオイメ
陽炎「もうちょっと大きくなったら、絶対言うから!ね!ね!」
3:
【 不知火 】
実りの秋の風物詩
昼は楽しい栗拾い
夜は嬉しい栗ご飯
不知火「今日の夕飯は栗ご飯です」
黒潮「マロンライス、オーケー?」
フレッチャー「……?」キョトン
陽炎「通じてない」
親潮「通じてませんね」
初風「発音が悪いんじゃないの」
不知火「巻き舌で言ってみては」
黒潮「マルゥォォオンルァァアイス」
ジョンストン「……?」ワッツ?
初風「分かってない顔よ」
陽炎「全然通じてないわね」
親潮「どうしてなんでしょう」
不知火「……もしかして、栗を知らないのでは」
黒潮「アメリカに栗って無いんやろか」
4:
コマンダン・テスト「マロンは英語ではありません」
陽炎「えっ」
コマンダン・テスト「フランス語です」
黒潮「えっ!?」
親潮「えっ!?」
リシュリュー「フランス語よ」
初風「本当にフランス語なの?」
親潮「衝撃の事実ですね」
陽炎「じゃあ英語で何て言うのよ」
初風「そ、それは……」
親潮「えーっと、えーっと……」
不知火「モンブラン」
陽炎「えっ」
不知火「栗は英語でモンブランですよ」
親潮「!」
黒潮「それや!」
初風「そうよ!モンブランよ」
陽炎「流石は不知火ね」
黒潮「今日もキレッキレやなー」
不知火「それほどでも ///」ドヤ
コマンダン・テスト「困りましたね」
リシュリュー「このクラスはアホの子しかいないわね」
金剛「ちなみに栗は英語でChestnut(チェスナット)と言いマース」
ウォースパイト「ここ、テストに出るわよ」
5:
【 黒潮 】
黒潮「ハム風いうのはアレやな、雪風やな」
初風「ハムスターのハムね」
親潮「ピーナッツとか好きですもんね」
不知火「小動物的な可愛らしさがあります」
黒潮「うんうん」
黒潮「でな、このプヨ潮って何やろ」
初風「……」プルプル
不知火「……くっ」プルプル
黒潮「何やろ」(威圧)
6:
陽炎「あんたがデブなのがいけないんじゃない」
黒潮「デブって何その火の玉ストレート!」
陽炎「いつもゴロゴロしてるから痩せないのよ」
黒潮「ゴロゴロしてない!ちゃんとしてる」
陽炎「親潮」
親潮「ゴロゴロしてました」
黒潮「はっ!?」
親潮「朝からずっと、ソファーでゴロゴロしてました」
黒潮「ちょっ、親潮?」
陽炎「モグモグは?」
親潮「モグモグしてました」
黒潮「ふおっ!?」
親潮「たこ焼きとアイスを交互にモグモグしてました」
陽炎「してるじゃない!この、モグ潮!」
黒潮「いや、モグ潮て」
不知火「ゴロ潮がモグ潮に進化して、最終的にプヨ潮になるんですね」
初風「それ、進化って言うのかしら」
7:
【 親潮 】
黒潮「あー、雨やんだなー」
親潮「見てください黒潮さん、虹ですよ」
黒潮「わー、ええなぁ、綺麗やな」
親潮「こうしてると、昔を思い出しますね」
黒潮「そやなー」
親潮「虹の根元を探しに行ったんですよね」
黒潮「どこまで歩いたんやっけ」
親潮「確か……山を越えて隣の街まで」
黒潮「大冒険やな」
親潮「怖かったですよね」
黒潮「気が付いたら知らない街で、辺りもどんどん暗なるし」
親潮「知ってる人も誰もいなくて」
黒潮「終いには、親潮泣いてもうたんよな」
親潮「こっ、子供の頃ですから ///」
8:
親潮「でも、不安ではありませんでしたよ」
黒潮「そうなん?」
親潮「黒潮さんがずっと手を握っていてくれたんで」
黒潮「あー、あれなー」
黒潮「実はウチも怖かったんや」
親潮「えっ、そうなんですか」
黒潮「そらそやで」
親潮「ウチが守ったる!とか言ってましたけど」
黒潮「そらお姉ちゃんやし」
親潮「ふふ」
黒潮「結局どうなったんかな」
親潮「疲れて動けなくなって」
親潮「橋の下で星を見ていました」
黒潮「あー、せやったな。綺麗やったわ」
親潮「チョコレートをはんぶんこにして食べました」
黒潮「あれ、ウチの非常食やったのに」
親潮「うふふ」
黒潮「懐かしいなー」
親潮「一生の思い出です」
黒潮「帰ってからメチャクチャ怒られたんよな」
親潮「多分、人生で一番叱られました」
黒潮「ウチなんかいまだにトラウマやわ」
親潮「私も。神通さん怖いです」
黒潮「あはは」
親潮「ふふふ」
9:
黒潮「あ、五十鈴はんや」
親潮「ずいぶん慌ててますね」
五十鈴「アンタたち、日振見なかった?」
親潮「日振ちゃん?」
黒潮「いや、見てないで」
親潮「どうかしたんですか」
五十鈴「居なくなったのよ」
五十鈴「部屋で外を見てたのに、雨が止んだ途端にこれよ」
親潮「あー……」
黒潮「あー……」
五十鈴「大東まで居なくなってるし、全くどこ行ったのよあの子たち」
親潮「それは多分……」
黒潮「あそこやで」
五十鈴「えっ」
10:
【 初風 】
傘太郎(カサタロウ)
ドローンを改造して作られた全自動の傘。
人工知能搭載のスゴイやつ。
明石「傘太郎、ごはん(燃料)ですよ?」
傘太郎「イラナイ」
明石「少しは食べないと壊れちゃいますよ」
傘太郎「ダイジョウブ」

神通「それではランニングと水泳を10?ずつ、頑張りましょう」
傘太郎「ウス」
川内「ダイエット?傘なのに」
那珂「スリムになりたいんだって」
川内「う?ん、変わってるねぇ」
神通「ペースが落ちてます、頑張って」
傘太郎「……ウス」ゼェゼェ
11:
◇◇◇
提督「さあ、出掛けようか」
初風「小雨がパラついてるわね」
提督「あれ……?傘がない」
初風「何やってんのよ、もう」
提督「おかしいなぁ、さっきまでそこに」
初風「し、仕方ないわね。私の傘に入れてあげるわ」
提督「悪いね」
初風「頼むわよ、傘太郎」
傘太郎「マカセロ」ブーン
提督「おお、すごい!高性能だね」
初風「音も静かで、とっても優秀なんだから」
提督「ふむ、意外と小さいんだね」
初風(あ、あれ……?前はもっと大きかったような)
提督「ほら、おいで初風」スッ
初風「えっ、ええっ!?」
提督「もっとくっつかないと濡れちゃうよ」グイッ
初風(こ、こんなに近く……!)
提督「少し窮屈だけど我慢してね」
初風「え、う、うん ///」
提督「じゃあ行こうか」
初風「は、はいぃ…… ///」
傘太郎「……」(ガンバレ ゴシュジンサマ)
12:
【 雪風 】
【悲報】 雪風が拾ってきたハムスターがどう見てもドブネズミな件
雪風「新しい家族が出来ました!」
初風「」
天津風「」
雪風「名前はハム風です!」
浦風「」
浜風「」
雪風「ほら時津風、新しいお姉ちゃんですよ」
ハム風「ドブゥ!」
時津風「やだー!!」
13:
◇◇◇
雪風「ううっ…ハム風…ぐすっ」シクシク
黒潮「雪風どないしたん?」
不知火「泣いてますね」
浜風「飼っていたハムスター(ドブネズミ)が逃げちゃったみたいです」
陽炎「真相は」
浜風「磯風が海に投げ捨てました」
不知火「さすが磯風」
黒潮「磯風ホンマすごいわ」
陽炎「本当に頼りになるわね」

磯風「元気を出せ雪風」
雪風「あうぅ……磯風」
磯風「狭い檻に閉じ込めるより、外で自由に暮らす方がドブ風だって幸せだ」
雪風「ハム風ですぅ……」
磯風「いつかまた会えるさ」ナデナデ
雪風「うぅ……磯風えぇ……」
14:
【 天津風 】
天津風「夕立が恫喝ですって!?」ガタッ!
陽炎「司令に?夕立が?嘘でしょ」
時雨「いや、ああ見えて意外と気の強い所があるから」
時雨「感情的になって、つい、吠えてしまったのかも」
睦月「夕立ちゃんがまさか、そんな……」
吹雪「だ、だからといって許される事じゃないよ」
陽炎「確かにね、本当なら大問題だわ」
時雨「……何か理由があったのかも」
吹雪「とにかく確かめてみないと」
天津風「許さないから」
時雨「えっ」
天津風「あの人に何かあったら、絶対に許さないから」
時雨「天津風……」
15:

夕立「提督さん、これ食べたいっぽい?」クゥーン
提督「ん?ポンデリングかな」
夕立「こっちも絶対美味しいっぽい」キャンキャン
提督「フレンチクルーラーか」
夕立「これなんて一番おすすめっぽい!」フリフリ
提督「仕方ないなあ、よし全部買おう」
夕立「提督さん大好きっぽい!」ダキーッ!
吹雪「……」
睦月「……」
天津風「……」
陽炎「ドー活……ね」
時雨「どうやったら聞き間違えるんだよ」
16:
初風「とんだ早とちりだわ」
不知火「実に軽率ですね。困ったものです」
陽炎「アンタたち、どこから来たのよ」
吹雪「でも、誤解で良かったね」
睦月「そうにゃしぃ!夕立ちゃんがあんな事するわけないのね」
初風「まったくだわ、誰よ変な噂流したの」
不知火「不知火は初めから信じていました」
陽炎「いいから、その銃を仕舞いなさい」
17:
【 時津風 】
時津風「おやつ、おやつ」キャンキャン
日向「よし、餅をやろう」
時津風「わーい♪」
時津風「うれしい、うれしい」
日向「ふふ……」
時津風「おいしい、おいしい」
日向「どれ、もう一つ食べるか?きな粉もあるぞ」
伊勢「日向」
日向「む」
伊勢「あまり甘いものをあげちゃ駄目だよ」
日向「あ、ああ。そうだな、すまん」
18:
時津風「もっと、もっと」チョーダイ チョーダイ
日向「む、お菓子はもうないぞ」
時津風「えー」
伊勢「あんまり食べると、ご飯が入らなくなるわよ」
時津風「食べれるもぅん……」ションボリ
日向「くっ……」チラッ
伊勢「駄目だよ」
時津風「……」ジーッ
日向「……すまない」
時津風「もういいもぉん……」トボトボ
日向「あ……」
19:
伊勢「日向」
日向「分かっている。これは、良くない事だ」
日向「しかし他にどうすればいいのか……」
日向「甘味で釣る以外に私には接し方が分からん」
日向「喧嘩の仕方なら、いくらでも教えてやれるのだが」
伊勢「向き不向きってあると思うの。社交的な人ばかりじゃないわ」
日向「性格か、確かにな」
日向「だが、それならば長門はどうだ」
日向「アイツは私以上にこういった事は苦手だった筈だ」
日向「しかし現にアイツの周りには多くの子供が集い、笑顔に溢れている」
日向「努力したんだ……アイツは」
日向「それに引き換え、私はどうだ」
日向「苦手だからと何もせず、全てを人に押し付け過ごしてきた」
日向「そうして気が付けば周りには誰もいない」
伊勢「それは……」
20:
日向「チヤホヤされたい訳じゃない。人気者になりたい訳じゃない」
日向「私は、情けないんだ」
日向「本来なら子供達を導く立場にありながら、実際は何も示せずにいる」
日向「兵器ではない、機械ではない、感情のある人間なんだと」
日向「そう偉そうに言っておきながらだ」
伊勢「沢山の人を救ったじゃないか!」
伊勢「沢山の敵を倒して、沢山の仲間も守った」
日向「伊勢」
日向「それは当たり前の事なんだよ」
伊勢「ッ!」
日向「兵器としての当たり前なんだ。人としては何も成していない」
日向「ただの、欠陥品だ」
伊勢「日向……」
日向「分かっているんだ。このままじゃいけないと、何かを変えなくちゃ駄目なんだと」
日向「けれど、どうすればいいのかが分からない」
日向「せめて、何かきっかけがありさえすれば……」
21:
大東「なぁなぁ、何だこれ」ワイワイ
佐渡「すげー!飛行機じゃん」ガヤガヤ
伊勢「あら?」
日向「見ない顔だな」
伊勢「海防艦かしらね」
大東「なぁなぁ姉ちゃん、これ何さ」
日向「む」
日向「お前たち、私が怖くないのか」
佐渡「はぁ?この佐渡サマに怖いもんなんてあるかよ」
大東「これって動くのか」
日向「もちろんだ」
佐渡「おおっ、マジかよー」
日向「ふむ、飛ばしてみるか」ブーン
大東「飛んだ!すげーっ!」
佐渡「すげー!すげー!何だこれ」
日向「瑞雲だ」
大東「ずいうん?」
佐渡「強いのか」
日向「ああ、強いぞ」
大東「イ級よりもか」
日向「イ級など話にならん」
日向「ざっと百億倍は強いな」
佐渡「すげーな!?最強じゃん」
日向「そうだな、最強だ」
22:
日向「ふむ、お前らにこれをやろう」スッ
大東「何だこれ」
日向「小さな瑞雲だ」
佐渡「うおおーっ!すげーっ!」
大東「超かっけー!マジかよ」
佐渡「おまえいいやつだな」
日向「お前ではない。日向だ」
佐渡「ひゅーが」
大東「カッコいい名前だな」
佐渡「よし、ひゅーが、おまえいいやつだから家来にしてやる」
日向「家来は嫌だな」
佐渡「そうか?じゃあ友だちでいいか」
日向「友達か……それはいいな」
佐渡「よし、じゃあ今日から友だちな」ニカーッ
23:
五十鈴「あんたたち、ごはんよー」オーイ
佐渡「あっ、いすずんだ」
大東「帰らなきゃ」
佐渡「なあ、お礼にこれやるよ」
日向「何だ」
佐渡「バッタだ」
日向「……死にかけているな」
佐渡「ずっとポッケに入れてたからな」
日向「放してやれ」
大東「馬鹿かよ。そんなのいらねーよ」
佐渡「何だと、トノサマバッタだぞ」
大東「あたいがちゃんとしたのやるから」
日向「何だ」
大東「ギザ10だぞ」
日向「……すごいな」
大東「だろ?だろ!チョー珍しいんだぜ!」
佐渡「ぐぬぬ……」
大東「なあ、明日もまた遊びに来ていいか」
日向「……! いいぞ」
佐渡「ツッシー(対馬)とかも連れて来ていいか」
日向「ああ、何人でも呼んでこい」
大東「よっし!約束だかんな」
佐渡「じゃあまたな」
大東「ばいばーい」
24:

日向「友だち……か」
伊勢「元気な子たちね」
日向「ああ、だが悪くない」
伊勢「また来るって言ってたわ」
日向「そうだな」
伊勢「他の子も呼んできてくれるみたい」
日向「うむ、楽しみだ」
伊勢「ふふっ」
日向「何だ」
伊勢「明日になるのが楽しみだなんて、随分忘れていた気がするわ」
日向「……ああ」
日向「人を導くとか諭すとか、そういう事ではないのかもしれないな」
伊勢「うん……そうかもね」
25:
伊勢「さて、明日はおもてなしをしないとね」
日向「おもてなし、か」
伊勢「おやつでも買っておく?」
日向「む、しかし甘いものは……」
伊勢「与えるんじゃなくて、一緒に食べるのならいいんじゃない」
日向「そうか……うん、そうだな」
日向「よし、じゃあ明日はとびきりの羊羹を用意しておこう」
伊勢「間宮さんで、一番美味しいのを選びましょう」
日向「喜んでくれるだろうか」
伊勢「勿論よ。きっと大喜びだわ」
日向「楽しみだな」
伊勢「ふふっ、楽しみだね」
日向「あはは」
伊勢「うふふ」
26:
◇◇◇
長門「棚の羊羹を全部くれ。大福と桜餅も頼む」
間宮「あらあら、すごいですね」
長門「新しい艦が来るみたいだからな」
長門「皆でまた歓迎会をしようと思う」
間宮「それは楽しみですね」
長門「あと、そこの金鍔とカステラも全部貰おう」
間宮「ずいぶん沢山ですね」
長門「皆、甘いものは好きだからな」
長門「遠慮もしないでよく食べる」
間宮「みんな打ち解けてくれてますね」
長門「足りないと喧嘩になるからな、困ったもんだ」
間宮「賑やかですこと」フフッ
長門「あとは金平糖にみたらしに……ああ、もう全部包んでくれ」
間宮「うふふ、完売ですね」
長門「これだけ用意しておけばいいだろう」
間宮「えっと、こんなになりましたけど大丈夫ですか」ドッサリ
長門「心配ない、戦艦だからな。馬鹿力だけが取り柄さ」
間宮「まあ、長門さんったら」クスクス
長門「在庫がなくなってしまったが」
間宮「うふふ、今日は早仕舞いですね」
間宮「長門さんのおかげでゆっくり休ませてもらえます」
長門「スマンな、買い占めなどして」
間宮「いえいえ、お気になさらず」
長門「ありがとう。また寄らせてもらう」
間宮「はい、ありがとうございます」ニコ
27:
【 浦風 】
提督「この写真を見てくれ」スッ
浜風「カーリングの選手ですね」
浦風「綺麗な人じゃのぉ」
磯風「天使かな」
提督「ロシア人だ」
浜風「金髪素敵ですね」
浦風「羨ましいわぁ」
提督「後ろに何か映っているだろう」
浜風「ああ、ゴブリンですね」
浦風「強そうじゃ」
磯風「ゴブリンチャンピオンかな」
提督「その選手のコーチらしい」
磯風「へぇ」
浦風「メッチャ怖そう」
浜風「私なら逃げますね」
提督「そして母親でもある」
浦風「」
浜風「」
磯風「」
提督「マジだ」
28:
浦風「え?え?嘘じゃろ」
浜風「ちょっと待って下さい、全然違いますよね」
磯風「似ている部分が性別しかないぞ」
浦風「いや、それすらも怪しい」
浜風「こんなの別種族ですよ」
提督「もう一枚、写真がある」スッ
浜風「ずいぶん古い時代ですね」
浦風「あ、でもすごい美人」
磯風「白黒でも可愛いのが分かるな」
浦風「エルフかな」
提督「このコーチの少女時代だ」
浦風「」
浜風「」
磯風「」
29:
浦風「いやいや、それはない」
浜風「全然別人じゃないですか」
磯風「こんなの骨格からして違うぞ」
提督「いや、マジなんだ」
浜風「信じられません……」
提督「これがロシア人だ」
浦風「ロシア人ヤバい」
磯風「おそロシア」
浜風「そりゃプーチンが政権とりますよ」
提督「来週ウチの鎮守府にガングートが来る」
浦風「!!」
提督「バリバリのロシア人だ」
浜風「!!」
提督「ロシアのでっかいのだ」
磯風「!!」
提督「健闘を祈る」
浦風「」
浜風「」
磯風「」
30:
【 磯風 】
磯風「カブトムシ?」
提督「ああ、兜蒸しだ」
磯風「いや……料理の話なんだが」
提督「だから兜蒸しだって」
磯風「それは食べ物ではないだろう」
提督「何言ってんだ、高級料理だぞ」
磯風「!?!」
提督「不知火の改二のお祝いなんだろう」
磯風「ああ、ごちそうを振舞いたいんだが……」
提督「うってつけだ。絶対喜ばれるよ」
磯風「えぇー……?」
31:
磯風「あんなもの硬くて食べられないぞ」
提督「だから蒸すんだ。柔らかくなるし臭みも取れる」
磯風「正直、見た目が気持ち悪い」
提督「見た目がグロい方が食べ物は旨いんだ」
提督「タコやナマコだって外見は最悪だろう」
磯風「それは……確かにそうだが」
磯風「いやしかし、あんなのをどうやって」
提督「真っ二つに割るんだ。そうすれば食べやすい」
提督「調理も簡単だ。塩をして蒸すだけでいい、誰でも出来る」
提督「シンプルだが味は絶品だぞ」
磯風「そんなに簡単で美味しいなら、もっと普及している筈だろう」
磯風「今までそんなもの食べた事がないぞ」
提督「高級料理って言ったろ。普通の家庭ではまず無理だ」
磯風「無理とは?」
提督「とにかく食材の調達が困難なんだ」
提督「その辺のスーパーやコンビニで手に入るものじゃない」
提督「材料が無ければ鳳翔だって作れないさ」
磯風「な、なるほど……」
提督「幸いウチには雪風や時津風がいる」
磯風「ふむ、確かにあいつらなら簡単に捕ってきてくれそうだな」
32:
提督「それに、実をいえば味はそれほど重要じゃないんだ」
磯風「む?」
提督「一番大切なのは、そのインパクトさ」
磯風「インパクト」
提督「想像してみろ」
提督「お祝いの席でテーブルの真ん中に並ぶ沢山の兜蒸しを」
磯風「凄まじい光景だな」
提督「だろう?衝撃のサプライズだ」
提督「きっと一生忘れられないパーティーになるよ」
磯風「うむ、うむ。確かに」
提督「普段はあまり感情を表に出さない不知火も、これなら必ず驚いてくれる」
磯風「不知火が……驚いて」
提督「陽炎の時はケーキを焼いてあげたんだろ」
磯風「ああ、とても喜んでくれた」
提督「オーケー。じゃあ、次は不知火を笑顔にしてあげよう」
磯風「不知火を笑顔に」
提督「ああ、そしてみんなを笑顔に」
磯風「みんなを、笑顔に!」
提督「最高のパーティーにしような」
磯風「ありがとう司令。相談して良かった」
提督「礼には及ばないよ」ニコ
磯風「よーしっ!頑張るぞー」ニコーッ
33:
【 浜風 】
【悲報】 ポテチを一度に全部食べてしまう病
浜風「うう……半分だけって決めてたのに」バリバリ
浜風「やめられません、とまりません」ボリボリ
加賀「大丈夫です」
浜風「えっ」
加賀「それは病気ではありません」
浜風「加賀さん!」
赤城「私なんか二袋目いっちゃいますよ」
浜風「赤城さん!」
サラトガ「ポテチは野菜ですよ」
浜風「サラトガさん!」
イントレピッド「チーズをかけても美味しいですね」
浜風「イントレピッドさん!」
アイオワ「チョコに浸しても最高ネ!」
浜風「アイオワさん!」
隼鷹「ビールにはポテチだねぇ」
浜風「隼鷹さん!」
ポーラ「ワインとの相性も最高ですよ?」
浜風「ポーラさん!」
愛宕「コンソメとのりしお買ってきたわよ?」
浜風「愛宕さん!」
阿賀野「キラリーン☆ 箱買いしちゃった☆」
浜風「阿賀野さん!」
34:
浜風「ポテチを食べても……」
潮「いいんだよ、浜風ちゃん」
浜風「一袋いっちゃっても……」
黒潮「ええんやで」
浜風「みんな……」
赤城「おめでとう、浜風さん」
加賀「おめでとう」パチパチ
愛宕「おめでとう」パチパチ
全員「おめでとう」パチパチ
浜風「ありがとうございます」
浜風「じゃあ……二袋目、いっちゃいます!」ニコーッ
全員「yeaaaah!!」パンパカパーン!!

萩風「」(吐血)バターン!
嵐「ヤバい!はぎぃが倒れた!」
野分「大変です!萩風が息してません」
舞風「明石さーん!明石さーん!」
35:
【 谷風 】
出掛ける支度をしていると、めざとく谷風がやって来た。
清霜から話を聞き付けて、慌ててここに来たようだ。
谷風「居酒屋に行くんだって?谷風も連れてっておくれよぅ」
生粋の江戸っ子である谷風にとって、居酒屋は欠かせぬ行きつけらしい。
那智(お前の行きつけは、居酒屋ではなくて駄菓子屋だろう)
那智は心の中でそう思ったが、口に出すのは止めておいた。
那智「別に構わんが、退屈だぞ」
谷風「がってんだー!」パアアァ!
”生粋の江戸っ子”という言葉の意味を、那智は百回くらい教えたが。
大阪生まれ広島育ちの谷風は、大きく「うん!」と答えるだけで、最後まで理解を示さなかった。
武蔵「フッ、随分待たせたようだな」
果たして約束の時間になると、のそり、と武蔵がやって来た。
足元にはいつものように、清霜が纏わりついて離れない。
那智「いや、時間通りだ」
清霜「それじゃあ、しゅっぱーつ!」
36:
◇◇◇
武蔵「随分と広い店だな」
那智「忘年会にも使える規模だ」
那智「メニューも豊富だぞ。百種類以上ある」
谷風「ほえー」
清霜「すごーい」
那智「とりあえず生を二つと……」
那智「つまみは何にするかな」
武蔵「これだけあると少し迷うな」
清霜「ねぇねぇ武蔵さん、清霜が選んでいい?」
武蔵「ん?そうだな、たまにはお前たちに決めてもらうか」
清霜「いいの?やったー」
武蔵「旨いのを頼むぞ」
谷風「おうよ!任せてくれよ」
清霜「すいませーん!焼おにぎりくださーい!」
谷風「八個!」
清霜「あとフライドポテトもー!」
谷風「八個!」
那智「ちょっ!?」
37:

谷風「焼き鳥うめー」
清霜「出汁巻きおいしい!」
武蔵「他にも好きなものを頼んでいいぞ」
清霜「はーい」
那智「谷風、メニューを取ってくれ」
谷風「なぁ那智、このスコップ炒めって何だ」
那智「ああ、それはホルモンだ」
谷風「ホルモン?」
那智「土を掘るモンで、ホルモン。駄洒落だよ」
谷風「おー!なるほどー」
清霜「おもしろーい」
那智「あとは……そこに茹でたシャコがあるだろう」
谷風「うん」
那智「これはガレージって言うんだ」
清霜「何で何で?」
那智「車庫だからな」
谷風「おおー!」
清霜「すごーい!」
38:
那智「まだまだあるぞ」
那智「揚げ出し豆腐はエレベーターと言うんだ」
清霜「どうして、どうして?」
那智「上げ(揚げ)と下ろし(大根おろし)がセットだからな」
谷風「エレベーターだってー!」
清霜「おもしろーい!」
武蔵「よくそんなの思い付くな」
那智「隼鷹に聞いたんだ。あいつはこういうのに詳しい」
武蔵「ああ、隼鷹か。確かにな」
谷風「すいませーん!ガレージくださーい」
清霜「わたしエレベーター!」
店員「あいよー」
武蔵「おお!通じるのか」
那智「侮れないな」
39:

那智「寝たか」
武蔵「ああ」
那智「こんな騒がしい所でよく眠れるものだ」
武蔵「将来は大物になるな。二人とも」
那智「さて、静かになったしもう少し飲もうか」
武蔵「そろそろ日本酒にするかな」
那智「ふむ。なら、貝刺しでも頼んでみるか」
40:

那智「しかし、焼おにぎり八個には参ったな」
武蔵「全くだ。いきなり終わる所だったぞ」フフッ
店員「刺盛りお待ち!」
那智「おお、来た来た」
武蔵「アワビにサザエ……これは豪勢だな」
那智「鳥貝に赤貝と、ホタテもあるぞ」
武蔵「日本酒には最高だな」
那智「貝刺しの食べ方には順番があってな」
武蔵「ほう」
那智「鳥貝を食べるのは、一番最後がいいらしい」
武蔵「ふむ、何故だ?」
那智「トリがいいからさ」ニヤリ
武蔵「はっはっは、なるほどなぁ」ケラケラ
41:
【 野分 】
天津風「あー、もう最悪」
初風「何よ?どうしたの」
天津風「聞いてよ、昨日部屋にGが出たのよ」
初風「えっ!」
黒潮「Gってゴキブリ?」
天津風「わー!止めて!その名前を聞くのも嫌なんだから」
嵐「あー、分かる」
萩風「それは災難だったね」
天津風「今まで全然見なかったのに」
親潮「暑くなると出てきますよね」
42:

野分「ただいま帰りました」ドアガチャバタン!
舞風「あー、疲れたー」
萩風「おかえりなさい」
嵐「おつかれー」
黒潮「遠征どうやった」
舞風「バッチリだよ!」
野分「資源は当分心配ありません」
黒潮「そら良かったなー」
不知火「お茶をどうぞ」スッ
萩風「お菓子もあるよ」
舞風「わー、やったー」
43:
舞風「みんなは何の話してたの」モグモグ
嵐「それがさぁ、大変なんだよ」
萩風「昨日天津風がね、部屋でGを見たんだって」
野分「部屋で自慰をッ!?!」ガタタッ!
初風「な、何よ大声出して」
野分「じ、自慰!?自慰って!?」
天津風「昨日の夜にね。突然だったわ」
野分「だ、だ、大事件じゃないですか!」
黒潮「大事件やなー」
親潮「Gですもんね、そりゃ驚きます」
44:
陽炎「あーもう、騒がしいわね」
不知火「陽炎」
陽炎「ちょっと落ち着きなさい」
野分「いや、自慰ですよ、自慰!どうしてそんなに冷静なんですか」
陽炎「だって慣れてるし」
野分「慣れてる!?」
陽炎「むしろ飽き飽きって感じね」
野分「自慰が飽き飽き!!?」
45:
野分「そ、そんなのまるで淫乱じゃないですか……」ハッ!
野分(そういえば風の噂で聞いた事があります)
野分(艦隊にはすました顔をして頭の中はいやらしい事でいっぱいの、変態みたいな艦娘がいると……)
野分(てっきり時雨か海風あたりだと思っていたらまさか!)
陽炎「Gくらいで騒ぎ過ぎなのよ、アンタたち」
野分(まさかウチの長女だったなんて!)ガーン!
46:
陽炎「昔はこの寮もボロくてね、Gなんてそこら中で見かけたものよ」
野分「そこら中で!」
陽炎「十や二十じゃ利かなかったわね」
野分「十や二十!?!」
初風「すごい光景ね」
天津風「信じられないわ」
嵐「カオスじゃねーか」
野分「そ、それで、どうしたんですか」
陽炎「どうしたって?」
野分「自慰を見かけた時です」
陽炎「ひっぱたいたわよ」
野分「ひっぱたく!」
陽炎「こう……スリッパで、バシーンッ!とね」
野分「スリッパで!バシーンッと!」ビクンッ!
野分「自慰を!自慰を!バシーンッと!」ビクンッ!ビクンッ!
舞風「野分落ち着いて」
47:
天津風「すごいわね……そんな真似とても出来ないわ」
陽炎「慣れたら平気よ」
初風「慣れるほど見たくないわよ……」
不知火「まあ、普通はそうそう見る機会もないですし」
舞風「舞風は部屋でよく見るよ」
野分「えっ!?」
野分「み、見るって?えっ!?自慰をですか!?」
舞風「夜中にね、よくゴソゴソしてるよ」
野分「!?!」ガタタッ!
舞風「最初は警戒してか、ゆっくりなんだけど」
舞風「途中から激しく動いたりするんだよね」
野分「!!!??!!」ガタガタガタッ!
野分「み、みみみ見てっ、見たのですか!?本当に!?」
舞風「う?ん、真っ暗だからはっきりは見てないけど」
萩風「あー、気配でね」
嵐「何となく分かるよな、音とか」
48:
野分「ほ、ほほほ、ほらッ!見てないじゃないですか!」
野分「気のせい!気のせいですよ!絶対そうです!」
舞風「そうかなぁ」
野分「そうです!絶対そうなんです!」
初風「動揺しまくってるわね」
天津風「そりゃ部屋でGだなんて認めたくないわよ」
陽炎「ひっぱたけばいいのに」
舞風「えー」
陽炎「後ろからパァンッ!って」
野分「後ろからッ!パアアァンッッ!!」ビクビクゥーンッ!
野分「スリッパで!自慰を!パアアァンッッ!! ///」ビクンッビクンン!
不知火「野分、落ち着きましょう」
舞風「そんなの舞風には無理だよー」
49:
野分「う、うぅ…… ///」ハァハァ
舞風「野分、大丈夫?」
陽炎「息が荒いわよ」
野分「だ、大丈夫です」
嵐「野分はこういう話題苦手だもんな」
萩風「無理しない方がいいよ」
親潮「今日は早めに休みましょう」
野分「は、はい…… ///」フラフラ

天津風「野分大丈夫かしら」
陽炎「やれやれ、Gくらいで困ったものね」
不知火「野分は繊細ですからね。仕方ありません」
陽炎「アンタの半分でも図太ければいいんだけど」
黒潮「ちょっと!?人を鈍感みたいに言わんといて」
陽炎「だってGとか全然平気じゃない」
黒潮「平気ちゃうわ!見ただけでガクブルやで」
天津風「そうなの?」
黒潮「ほらウチ乙女やんかー、淑女やんかー、そんなん普通に無理やん」
陽炎「いや、最初からノリノリだったし」
不知火「ビシビシいってましたよね」
親潮「流石です、黒潮さん!」
陽炎「アンタは肝が太すぎなのよ」
黒潮「ええことやん」
不知火「肝だけならいいのですが」
黒潮「よっしゃ不知火、ちょっと表出よか」
不知火「肝だけならいいのですが」
黒潮「ちょっと奥さん聞きました?二回言いよったでこの子!」
陽炎「誰が奥さんよ」
初風「アンタたち、ホント仲いいわね」
50:
【 嵐 】
嵐「お祭り中止かなぁ」
提督「いや、雨あがったよ」
提督「ほら、虹が出てる」
嵐「良かった、これなら大丈夫そうだね」
提督「嵐は浴衣着るのかい」
嵐「ああ、今年は鳳翔さんが仕立ててくれたんだ」
提督「それは楽しみだね」
嵐「まあ、俺は浴衣なんて似合わないけどな」
提督「そんな事ないよ」
51:
◇◇◇
萩風「嵐、早く早く」
嵐「うぇ?もうみんな着てるのか」
舞風「準備はバッチリだよ」
萩風「嵐も早く着替えてね」
嵐「えっ!?何だよこの浴衣」
嵐「花柄じゃないか!しかもメチャクチャ派手」
舞風「すっごく可愛いよ」
野分「絶対似合います」
嵐「嫌だよ!こんなの着れないよ」
舞風「大丈夫だよー」
野分「華やかで素敵ですよ」
嵐「もういい!俺はこのまま行くから」
萩風「鳳翔さん悲しむだろうな……」ボソッ
嵐「」
舞風「せっかく仕立ててくれたのにな……」
嵐「」
野分「浴衣が無駄になってしまいましたね……」
嵐「」
萩風「鳳翔さん泣いちゃうかも」
嵐「分かった!分かったよ!着るから」
舞風「やったー」
52:

野分「帯はこれで。髪飾りはこれにしましょう」
嵐「派手なのばっかりじゃないか」
萩風「絶対似合うから」
舞風「巾着もオシャレなの用意したよー」
嵐「こんな可愛いの絶対似合わないのに……」ブツブツ
萩風「あ、嵐。下着はつけちゃダメだよ」
嵐「は?」
舞風「浴衣の時は何も穿いちゃいけないんだよ」
嵐「はあっ!?何だよそれ」
野分「常識ですよ」
嵐「常識って、じゃあはぎぃも穿いてないのか」
萩風「穿いてないよ」(穿いてる)
野分「穿いてません」(穿いてる)
舞風「穿くわけないよー」(穿いてる)
嵐「…… ///」プルプル
嵐「こんなの無理!無理だって無理ー! ///」
53:
◇◇◇
舞風「提督おまたせ?」
提督「おおっ、みんな浴衣だね」
萩風「うふふ、どうですか」
提督「うん、よく似合ってる。素敵だよ」
野分「あ、ありがとうございます」
嵐「…… ///」シズシズ
提督「嵐も浴衣なんだね」
嵐「あ、ああ…… ///」
嵐「へ、変だよな、こんな赤いの着てさ」
提督「そんな事ないよ、すごく似合っている」
提督「浴衣姿、とっても可愛いよ」
嵐「??? ///」
54:
提督「しかし浴衣だと随分雰囲気が変わるね」
野分「そうですか?」
提督「うん。大人っぽいというかさ」
萩風「わあ、嬉しい」
提督「普段の元気な姿もいいけど、こういうのも新鮮でいいね」
嵐「…… ///」モジモジ
提督「ふむ、今日の嵐は何だかいつもと違うね」
野分「やはりそう思いますか」
提督「色っぽいというか、艶っぽいというか」
萩風「司令もやっと嵐の魅力に気が付きましたね」
舞風「嵐はね、ホントはすっごくすっごく女の子らしいんだよ?」
提督「そうだね、とても可愛いと思うよ」
嵐「???!? ///」
嵐(もう帰りたい ///)
55:
【 萩風 】
萩風「虹色定食?」
鳳翔「はい、新メニューです」
鳳翔「ご飯とおかず、全部で七品ついてます」
嵐「へえ?」
舞風「虹色なんだね、面白そう」
鳳翔「赤はお赤飯で、橙はカボチャの煮物」
鳳翔「玉子焼きの黄色に、緑はほうれん草のおひたしです」
鳳翔「後は揚げ茄子の藍色と、紫キャベツのサラダですね」
嵐「色々考えるなぁ」
萩風「わあ、ヘルシーでいいかも」
野分「栄養のバランスも取れてますね」
舞風「えっと、青色がないよ」
萩風「あー……青ねぇ」
嵐「青は無理だろ」
野分「青色の食材なんてありませんよ」
鳳翔「青はサバの塩焼きにしました」
萩風「サバ?」
舞風「何でサバなの」
鳳翔「魚偏にブルーなので」
野分「!」
嵐「鯖、かぁ」
萩風「なるほどー」
鳳翔「今日から新発売ですよ」ウフフ
56:
【 舞風 】
舞風「虹色甘味?」
間宮「鳳翔さんが面白そうな事をしてたので」
間宮「ウチでも真似しちゃいました」ウフフ
野分「虹色ですから七色ですね」
嵐「という事は、七種類のスイーツ!?」
萩風「わあ、楽しみ」

間宮「赤はイチゴのババロアで、橙はオレンジムース」
間宮「カスタードプリンの黄色に、抹茶のシフォンケーキの緑」
間宮「チョコミントのアイスの青と、巨峰のゼリーの藍色」
間宮「最後は紫芋のタルトで七色完成です」
舞風「すごーい!綺麗」
萩風「目移りしちゃうね」
嵐「こんなの絶対美味しいよ」
野分「でも、カロリーがすごそうですね」
舞風「七倍だもんねー」
萩風「ウエストピンチかも」
嵐「たくさん運動すれば大丈夫さ」
舞風「じゃあ、後でみんなで踊ろうよ!」
57:

黒潮「イチゴは野菜やからカロリーゼロ!」
黒潮「抹茶はカフェイン入ってるからカロリーゼロ!」
黒潮「アイスは0℃以下やからカロリーゼロ!むしろマイナスや!」
親潮「すごいです黒潮さん!」
黒潮「せやろ?何も問題ないんや」
黒潮「あ、間宮さんおかわりお願いします」
間宮「はーい」

舞風「黒潮すごいね」
野分「無敵の理論ですね」
萩風「あとでまた陽炎にムチャクチャ怒られるんだろうね」
舞風「黒潮かわいそう」
嵐「絶対ビンタされるパターンだよ」
58:
【 秋雲 】
暇を持て余し退屈に殺された姉達が、今日も部屋で死んでいる。
明石に作ってもらったカラオケセットを差し出すと動き出した。
冬の川で球磨と一緒に鮭の密漁に励んでいた所をお腹を空かせた熊の群れに襲われ、人生最大の悲鳴をあげた黒潮の気持ちを、少しだけ理解する。
 オイテケー オイテケー ウタダオイテケー
 オイテケー ワタシアムロー ズルイワタシモー
こんな状況でも水樹奈々は人気がない。
59:
◇◇◇
陽炎「カラオケなんて久しぶりね」 世界はあなたに笑いかけている / Little Glee Monster
不知火「不知火は歌はちょっと……」 帰り道は遠回りしたくなる / 乃木坂46
黒潮「ええやん、身内だけやし」 マリーゴールド / あいみょん
親潮「そうですよ、楽しみましょう」 あなたとトゥラッタッタ♪ / DREAMS COME TRUE
初風「さて、誰から歌う?」 二人セゾン / 欅坂46
雪風「雪風はもう決めました!」 パプリカ / Foorin
天津風「あら、やる気満々ね」 花束を君に / 宇多田ヒカル
時津風「歌うの大好きだよ?」 マル・マル・モリ・モリ! / 薫と友樹、たまにムック。
浦風「これって、採点機能付きじゃの」 FLASH / Perfume
磯風「む、そうなのか」 Hero / 安室奈美恵
浜風「点数が出ると緊張しますね」 海色 / AKINO from bless4
谷風「あんま気にしなくていいって」 お祭りマンボ / 美空ひばり
加賀「あなた達、何を騒いでいるの」ガラッ
野分「あっ、加賀さん」 吹雪 / 西沢幸奏
加賀「あまり羽目を外しては駄目よ」
嵐「加賀さんも歌いませんか」 メギツネ / BABYMETAL
加賀「歌?」
萩風「加賀さんの歌、聞いてみたいです」 トリセツ / 西野カナ
加賀「まったく……何を言ってるの」
舞風「ぜひ!プロの技を見せてください」 おどるポンポコリン / ももいろクローバーZ
加賀「遊びに来た訳じゃないのよ」
秋雲「一曲だけ!一曲だけお願いします!」 ヒットメドレー / 水樹奈々
加賀「……仕方ないわね。一曲だけよ」 加賀岬 / 加賀
全員「yeaaaaaah!!」(歓喜)
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