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脳を半分切除しても普通に生活を送れる人がいる。その理由が明らかに(米研究)


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脳を半分切除しても普通に生活を送れる人がいる。その理由が明らかに(米研究)
2019年11月24日 ι コメント(16) ι 知る ι 人類 ι #
 バイクの事故や脳梗塞など、脳にほんの少しのダメージを負っただけで、人体の機能は大きく損なわれることがある。
 その一方で、手術で脳の半分を失ってしまっているというのに、どう言うわけか普通に生きている人たちがいる。
 実に理解しがたい現象だが、条件がそろえば、脳には欠けた部分を補う力が備わっているようだ。
 『Cell Reports』(11月19日付)に掲載された新しい研究では、この驚異的で、しかも不思議な現象がなぜ可能になるのかヒントを与えてくれている。
 その秘密は、脳が欠損した部分を補おうとネットワーク結合を強化し、マルチタスク機能を実現させていることにあるという。
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脳の半分を切除した後も、普通に暮らしている人々
 アメリカ・カリフォルニア工科大学のドリット・クリーマン氏は、「初めて会ったとき、彼らの状態のことなんてほとんど忘れてしまいますよ」と話す。
 「コンピューターの画面で半分しか脳がないMRIを実際に見てもびっくりです。その画像が、目の前で話をしたり、歩いたり、そしてこの研究に協力してくれている同一人物からのものだなんてね。」
 命に関わるほど重度で、難治性のてんかんを発症した子供の患者の場合、最終手段として症状の原因となっている脳の半分を取り除く「大脳半球切除」という手術が行われる場合がある。
 研究に参加した20〜30代の6名は、いずれも子供の頃のてんかんを治療するため、この手術を受けた人たちだ。手術の時期は生後3ヶ月〜11歳の時である。
 にもかかわらず6名全員が、普通の脳の人と同じように認知能力が機能しており、不自由のない生活を送っているという。
Caltech Brain Imaging Cente
半分になった脳の中でネットワークの結合が増加する
 この研究では、安静にしている参加者の脳のMRI画像を撮り、それをきちんと丸ごと残っている通常のものと比較した。
 まず明らかになったのは、参加者の半分だけの脳が示すパターンは、完全な脳のそれと非常に似ていることだった。
 しかし、もちろん重要な違いもあった。半分だけの脳のネットワーク結合は、普通よりも多かったというのだ。
Caltech Brain Imaging Cente
 こうしたネットワークは、注意、感覚、辺縁系(感情と記憶)、活動といったものを制御しており、多くは脳の両半球に及んでいる。
 これまでの研究からは、ネットワーク内の活動が運動制御などの能力と関係する一方、ネットワーク同士の結合は、作業記憶のような実行能力に必要なものであることが示唆されている。
 結合の多さは参加者全員の脳で見られ、個別のネットワークで調べた場合も常に一貫して確認された(たとえば、注意ネットワークは通常より多く視覚ネットワークと結合していた)。
 こうしたネットワーク同士の結合パターンは通常の人の脳と同じなのだが、参加者の脳は単純にいっそうたくさんつなげていたのだ。
解明が進めば将来的には脳の治療にも
 こうしたネットワーク結合の増加は、認知機能や意識を維持するために、残された脳が失われてしまった脳をいかにして補っているかを反映したものだ、と研究グループは説明している。
 なお今回は安静時の状態が主に取り上げられたが、今後は何か作業を行っている最中の脳の状態を調べ、脳が失われた機能を補う方法を解明していく予定だそうだ。
 増大したネットワーク結合でマルチタスクを可能にする脳の仕組みをきちんと理解できれば、怪我や病気で生じた脳の損傷の治療にも応用できるかもしれないという。
References:Patients Missing One Brain Hemisphere Show Surprisingly Intact Neural Connections | www.caltech.edu/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント



1


1. 匿名処理班


- 2019年11月24日 09:22
- ID:EO2BP4Pw0 #





の、脳が痛いいィ〜!






2


2.


- 2019年11月24日 09:29
- ID:gd.yoxF30 #











3


3.


- 2019年11月24日 09:29
- ID:lx71OCDN0 #











4


4.


- 2019年11月24日 09:37
- ID:FRSEIjiD0 #











5


5. 匿名処理班


- 2019年11月24日 09:39
- ID:gZGsLXrC0 #





物の本で、幼い頃に水頭症になって大人になって病気して調べたら、大脳が殆ど無かったって人の話を読んだ事がある。確か、海外の人で教職に就いてた人だったかと。
無くなった部分の機能を他が肩代わりしたり、幻肢症みたいに無い筈の手足を感じてみたり。脳って本当に不思議。







6


6. 匿名処理班


- 2019年11月24日 09:42
- ID:rUZM28dA0 #





でも成長期の子供でないとダメなんだろうなあ






7


7. 匿名処理班


- 2019年11月24日 09:56
- ID:XUNvC2vT0 #





昔から「人間の脳は普段1割程度しか使われてない」とか言われてるけど、それを実際に証明した研究だね
最重要器官だからこそいざというときの余力もたっぷり備えてあるんだろうな






8


8. 匿名処理班


- 2019年11月24日 09:57
- ID:zgB6eDmi0 #





脳も所詮ただの臓器よ(暴論)






9


9. 匿名処理班


- 2019年11月24日 09:59
- ID:uOO.fc3z0 #





子どもうちからどこまで切ったらダメなるんだろうと思ったけど
そういうのが昔の狂気の実験になるんだろうな






10


10. 匿名処理班


- 2019年11月24日 10:04
- ID:JmYfmqlH0 #





幻肢痛については筋膜の関連痛の方が原因みたいな説もあるな






11


11. 匿名処理班


- 2019年11月24日 10:08
- ID:Kq8rlGRZ0 #





不自由ない生活ということは脳を半分を切除しても半身不随にならなかったってことか
銃の事故で頭半分吹っ飛んだ人が後に大学を卒業して普通に就職したという話を見たことがあるが、その人は車椅子だった






12


12. 匿名処理班


- 2019年11月24日 10:34
- ID:Depol6qI0 #





欠けた方をシミュレートしてるのかな
ハイパースレッディング的なコンピュータ技術に例えられそうな気がしなくもない






13


13. 匿名処理班


- 2019年11月24日 10:40
- ID:Q59XMllu0 #





ロボトミーで有名な精神外科手術は禁忌とされてるけど、あれとは別扱いなんだろうか
まあ違法ってわけじゃないから本人の同意を得て医者が執刀すれば精神外科だったとしても問題ないんだろうけど






14


14. 匿名処理班


- 2019年11月24日 10:54
- ID:JpipT1In0 #





この手のニュース
見るたんびに思う
意識または「心」って何?って
脳が丸々残ってても
サバン症候群みたいな
人達もいて
臓器移植すると人格が
変わる例もあると聞く
神経は再生しないから
繋がるわけでも無いのに
もうわけわからん







15


15. 匿名処理班


- 2019年11月24日 11:02
- ID:sFoK4wx.0 #





脳を半分にしても機能するなら2つの脳にそれぞれ意識があるのだらうか
つまり一人の人間が二人になるのだらうかね






16


16. 匿名処理班


- 2019年11月24日 11:10
- ID:63aA5SFe0 #





この感じだと損傷した部位の切除だけでなくもっと広範囲に切除するのが正解なんじゃないのか、損傷個所周辺に脳がアクセスしてエラーで機能不全なだけで確実に無いと脳が判断すれば別の個所に機能移転する、そんな怖い実験体になりたくないが今苦しんでるならやってもいい






17


17. 匿名処理班


- 2019年11月24日 11:52
- ID:uhtefw6R0 #





確か、脳に局部麻酔して行って、意識があるところを突き止めたとかあったと思う。大脳辺縁系付近だったような気が・・・ iPS細胞で脳が増えないのかな






18


18. 匿名処理班


- 2019年11月24日 12:11
- ID:hfUxnU1.0 #





※7
「脳の10パーセント神話」でググって下さい。残念ながらそれは都市伝説です。
人体内で「進化の過程で不要なり痕跡のみ残っている」器官はあるが、大脳で言えば無駄に存在している部分はない。すべての部分が働いていることは脳機能マッピングから分かっているそうです。
この記事では、たとえ脳の半分を失ったとしても、残った部分が再度配線をつなぎ直す、または配線ケーブルを増強することにより、必要な機能をある程度取り戻すことができる、ということだと思います。
他の諸器官と同列に扱えないとは思いますが、必要に迫られれば、人体の各部分は、その役割を変化させられる柔軟性を程度の差こそあれ含んでいる、その余力をもって「1割程度しか使っていない」と比喩的に表現するのはアリですね。







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