やる夫ショートストーリーセレクション Ep282 やる夫とわたし
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| ⌒（__人__）⌒ | おお、また来たのかお。
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／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ 邪魔なわけないお。ちょうど暇してたところだお。
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／（ ●） （●）＼ ! !
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼| l 相変わらず何もないとこだけど、ゆっくりしていくといいお！
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┏━━━━━━━━━━━━━┓
┃ やる夫は、不思議な奴だ。 ┃
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│ やる夫とわたし │
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ わたしが彼の元を訪れたのは全くの偶然だった。 ┃
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Π ∠￣￣/
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／ （ ○）三（○）＼
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／ ヽノ ⌒`ヽ<´ ＼|￣￣￣￣|
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┃ ほんと、最悪の出会いだったと思う。 ┃
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／ノ ヽ__ ＼
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|. （_人＿） u | 悪かったお。
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/ ヽ でも、いきなり入ってくるそっちも悪いんだお？
./ l ,/ / i
(＿) (__ ノ l
／ ／ ___ ,ノ
!､＿__!､＿_＿＿_つ
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┃ でも、何故かまた会いに行ってしまった。 ┃
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／ （●） （●） ＼
| （__人__） | なんだ、またきたのかお？
＼ ｀⌒´ ,／
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┃ 決して彼の自慰が頭から離れなかったわけではない。 ┃
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／ -=・=- -=・=- ＼ いや、いくらやる夫でも一日中しこってるわけじゃねえお。
| （__人__） U |
＼ ｀ ⌒´ ／
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┃ 断じて違う。 ┃
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┃ 彼は、ときどき友人と一緒にいた。 ┃
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／ _ノ ヽ .＿＿＿_
| （ ⌒）（⌒）／⌒ ⌒＼
. | （__人__） .（●） （ ●）＼ おう、どうしたんだお？
| ｀ ⌒ﾉ ⌒（__人__）⌒:::::＼
. ヽ } . |r┬-| . | 今日はやらない夫も一緒なんだお。
.ゝ＿,. ノ＿＿__`ー'´＿＿_.／
-(＿＿_.)-(＿＿)＿__.)─(＿＿＿)─
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┃ 本当に息がぴったりで、いかにも親友という感じだった。 ┃
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／￣￣＼
／ﾉ( ゝ 、_,ﾉヽ r'´ ﾞヽ ／｀ヽ ＿＿＿_
| ⌒(（ ●）（●） ヽ ヽ从从/ / ＼ ／＼
. | （__人__） /⌒l ＼ ＼／ ／て （●）liil（●） ﾉ( ＼
| ｀ ⌒´ﾉ |`'''| ? ヽ／ ／ そ ／ （__人__） ⌒ ＼
／ ⌒ヽ } | | ,)／ ／ ＼ く | |!!il|!|!l| |
／ へ ＼ }__/ / ／ ／＼ ＼ ＼i⌒ヽｪｪ| ／
／ ／ | ノ ノ ／ ／ YＹY＼ ＼ ＼ ＼ /⌒,/´
( _ ノ | ＼´ ／ ／ ＼ ＼ / ＼ ＼/ /ｌ
| ＼_,／ ／ ＼ ＼_／ ＼_＿ノ |＼
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ヽ ／ ＼ ,r' ／
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┃ 仲のいい友達のいないわたしは、嫉妬するしかなかった。 ┃
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┃そうやって彼の元を訪れていくうち、私がこうも惹かれた理由がわかってきた。 ┃
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／ _ノ ヽ､＼
／oﾟ(（＞）) (（＜）)ﾟo
／ .:ﾟ~（__人__）~ﾟ:＼
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＼、 i⌒i‐' ,;／
／ ⌒ヽ.ﾉ ﾉ く
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と_＿＿）_ヽ＿つ_;_ヾ_つ.;.
ﾍﾞｼﾍﾞｼﾍﾞｼ
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ｏ ○ o´ _ノ ヽ､_ `ｏ ○ o
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| 0 / /（__人__）' 0 |
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／ （__人__） ＼
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／ヽ `ｰ´ ｨ⌒ヽ
rｰ'ゝ 〆ヽ .)
ﾉヾ ,> ヾ_ノ,ヽ}
ヽ ヽ| ヽ_ノ
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┃彼は、よく笑い、よく泣き、よく怒るのだ。 ┃
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。o（゜＞） （＜゜)o 。
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼ 就職決まったのかお！？
| |r┬-| | て
＼ `ー'´ ／( ｀´) そ やったじゃないかお！！
／ ＼ﾉ ﾉミ
|＼ ＼ ＼____ノ
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┃感情を出すことが苦手なわたしとは正反対で、 ┃
┃彼のそんな様子に何度救われたかわからない。 ┃
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268
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃本当はもっと深い仲になりたかったのに―― ┃
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／ ノ ヽ､_ ＼
| （ ●） （● ）. | ごめん、それはダメだお。
＼ ｌ^l^lｎ__人__) ／
／ヽ L⌒ ´
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／ _ノ ヽへ＼
／ （ ―） （―） ヽ
.l .u ⌒（__人__）⌒ | 本当は、やる夫の所に通ってるだけでも危ないんだから……。
＼ ｀ ⌒r'.二ヽ<
／ ｉ＾Yﾞ r─ ゝ、
/ , ヽ._Ｈﾞ ｆﾞﾆ、|
{ { ＼｀7ｰ┘!
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┃危ないも何も、わたしには彼さえいればよかったんだけど。 ┃
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270
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃だから、わたしに恋人ができたときは気持ちよかった。 ┃
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／ ─ ─＼
／ （○） （○） ＼
| （__人__） |
/ |!!il|!|!l| ／
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┃動揺したってもう遅い。逃がした魚は大きいんだぞ。 ┃
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ まあ、その後もちょくちょく彼の元に行ってしまったのだけれど。 ┃
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／_ノ ヽ､_＼
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／::::::⌒／／／)⌒::::: ＼ またケンカしたのかお？
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＼. i f ,.r='"-‐'つ ／ しょうがない奴だお。
／ ｉ _,.-‐'~ ＼
i ,二ﾆ⊃
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┃ だから、なんだかんだ結婚までいけたのも彼のおかげだったと思う。 ┃
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／（ ●） （●）＼
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼ おお、ついにかお！ おめでとうだお！！
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＼ ｀ ー'´ ／
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃そして現在、わたしに子供ができた。 ┃
┃さすがに彼と会う時間もなくなっていくだろう。 ┃
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／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | そうかお。
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／ ー‐ ＼
┏━━━━━━━━━━━━━┓
┃彼は少しさびしそうな顔を―― ┃
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274
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┃しない。するはずがない。 ┃
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／⌒ ー､＼
／（ ●） （●）＼
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ あのヘタレが親になるとはね。成長したもんだお。
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┃やはりやる夫はやる夫だ。 ┃
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┃わたしがくじけそうなとき、いつも前を向かせてくれた ┃
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| ただいまー。
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┃わたしのヒーロー。 ┃
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┃今までありがとう。 ┃
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┃やる夫。 ┃
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おわりです。
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乙です
281
乙です、なかなか切なさを感じてしまった。
282
乙です。
楽しい時間は終わり、新しい今に向き合わないとね
283
乙
実は男でした系のネタかと思ってたら普通に良い話ﾀﾞｯﾀﾅｰ
284
乙です。
自分はまさにこんな状況でやる夫から離れ、6年経った今戻ってきたところだったので非常に感慨深い。
途中から「あっもしかして」と感じて、最後に「自分と一緒だ」と思わせてもらいました。
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