有咲と沙綾の勘違いback

有咲と沙綾の勘違い


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 恋とは勘違いの積み重ねである……みたいな言葉が世の中には往々にして存在している。
 恋。いわゆるラヴ。
 甘酸っぱかったり、時にはほろ苦かったりして、もどかしい緩急で人の心を掴んで離さない感情の類。
 思春期の少年少女も、いい年こいた青年淑女も、あるいは現代社会に揉まれたおじさん、子育てや家事に疲れたマダムも、時には創作物の中で、もしくは実体験として、そういうものに突き動かされることがある。
 それはここ花咲川女子学園でも例外ではなくて、特に花盛りの乙女たちにとって、恋とご飯は生活から切っても切り離せない重大事項なのである。
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327: 以下、
 彼女たちの出会いは些細な偶然だった。
 星のカリスマ、あるいはヘンタイである戸山香澄に、ランダムスターを目に付けられた少女・市ヶ谷有咲。
 彼女は根っからのインドア気質で、人と関わるより自分の世界に閉じこもっている方が楽しいし楽だしいいや、というタイプの人間だった。
 けれど香澄のせいで強引に外へ連れ出されて人と関わっているうちに、世の中そんな捨てたもんじゃない、いやむしろいいんじゃね? とまで思うようになっていた。
 ただ、彼女はいわゆるツンデレだった。素直じゃない年頃の女の子なのである。見た目より複雑な子(自称)なのである。本当に本当は大大好きでも「ちげー!」とか「うるせー!」とか言ってしまう困ったちゃんなのである。
 そんな有咲と同じように、星のカリスマ、もしくはヤベーやつである戸山香澄に導かれた少女がもう一人いた。名前を山吹沙綾という。
 歳の離れた弟と妹が一人ずつ、実家はパン屋を経営している、母親は病弱で倒れがち……そんな家の環境がそうさせるのか、彼女の優しさや面倒見の良さは一般的な思春期の女の子に比べて通常の三倍の早さで成長していった。
 そのせいで、いつの間にか誰かを優先させては自分のワガママは飲み込み、人の面倒をみることが習慣として身についてしまっていた。
 そんな彼女の手を取って強引に走り始めたのもまた香澄だった。けれどそのおかげで、沙綾は諦めかけた夢をまた見ることが出来るようになった。
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 有咲と沙綾にとって、香澄は言わば青春の恩人である。
 このまま何もなく淡々と日々を塗りつぶしていくところを無理 矢理連れ出して、そしてキラキラドキドキする青春を与えてくれた人物である。
 例えばの話だが、これがよくあるボーイ・ミーツ・ガールと呼ばれるものであれば恋の一つや二つも芽生えていただろうし、恩人である香澄を奪い合う血で血を洗う女の争いが起こっていたかもしれない。
 けれどこれはガール・ミーツ・ガール。そこに花が芽吹くとするなら、それはローズでもチューリップでもなく恐らくリリーだ。
 有咲と沙綾は香澄が好きには好きだけど、それは親友としての好き、つまりライクである。もちろん他のバンドメンバーに対しても同じだ。
 ただ、有咲は沙綾をその例外だと感じていた。
 そして沙綾も有咲はその例外だと感じていた。
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 何でもない、けれどとても特別で大切で素敵な日常を送る中で、いつしか二人はこんなことを互いに思っていた。
 有咲は「いっつも優しく笑いかけてくるしたまに楽しそうにイジワルしてくるしいい匂いするし、沙綾って私のこと好きなのかな」と。
 沙綾は「いつもつっけんどんな態度してるけど優しくされたらすごく嬉しそうだしちょっとからかうだけですごい照れるし、有咲って私のこと好きなのかな」と。
 とある夢を打ち抜くガールズバンドの物語の中で、『この世でもっとも愚かな生き物』と称されていた男子中 学生のような思考である。優しくされたら胸が震えた、それだけのために死んでもいいやとかそういうのに似た思考である。
 頭の片隅ではバカな考えだと思っていても少し意識しだすと止まらなくなるのが男子中 学生という愚かな生き物の特徴だ。彼女たちは女子高生であったけれど、こと恋愛においてはその愚かな生き物によく似ていた。
 だからといって同性に対してそんな意識を抱くものかと聞かれれば、この世界の女子高生の半数は「ノー」と答えるだろう。
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 しかし彼女たちはちょっと特殊だった。
 有咲は引きこもりで、世捨て人のように、あるいは定年退職した老人のように、部屋に籠っては好きなことをして、人と関わることが少なかった。
 沙綾は世話焼きで、何よりもまず優先するのが家族とやまぶきベーカリーのことで、愛だ恋だなんて話はテレビや本の中でしか知らなかった。
 青い実を成したばかりの彼女たちの純情な心は、恋やラヴという言葉に非常に敏感だったのだ。
 変わらぬ日々を重ねるうちに、いつしか有咲は「絶対沙綾私のこと好きだよ」と思うようになった。
 沙綾も同じように「絶対有咲私のこと好きだよなぁ」と思うようになった。
 それは端から見れば自意識過剰とか勘違いとかそういう風に呼ばれる現象である。しかも同性愛に分類されるこれは世間の半分くらいからしか認められないだろう。
 けれど当人たちにとっては一世一代の気持ちだった。
『でもなぁ、沙綾に好意寄せられたって……同性だし……いやでも確かに沙綾は綺麗だしいい匂いするし優しいし、そりゃあ私だって悪い気はしないけど』
『有咲に好きだって思われててもなぁ……同性だし……いやでも確かに有咲は可愛いしツンツンしてるとつい優しくしてあげたくなるし、私も悪い気はしないけど』
 と、だんだん友愛と恋慕の境界が曖昧になっていくのだった。
 これは、そんな思春期を抱えた二人の勘違いの話である。
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 ある日のお昼休み。
 ポッピンパーティーの五人は、花咲川女子学園の中庭でいつものようにお弁当を広げて、紗夜先輩とポテト談義しただとかオッちゃんモッフモフだとかチョココロ寝袋の寝心地がいいだとか、話に花を咲かせていた。
 そんな中、有咲はふと沙綾をチラリと見やる。するとバッチリ目が合った。そしてニコリと笑いかけられた。
『どういう意味の表情だよそれ』と思いながら、有咲は慌てて視線を逸らす。
『わー、顔赤いなぁ有咲』と思いながら、沙綾はくすくすと笑った。
 端から見れば別になんともない、仲の良い友達同士の些細な一幕である。
 だがやっぱり彼女たちは普通とはちょっと違った。
(チラッて見ただけで目が合うってことはずっと私のこと見てたってことだよな……やっぱり沙綾って……)
(偶然ちょっと目が合っただけなのにあんなに照れくさそうに顔を背けるなんて……やっぱり有咲って……)
 と各々が思い、有咲と沙綾は互い互いをけん制するように、チラチラと視線を交わし合った。
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 そんな付き合いたての恋人同士みたいなやり取りをしていたら、普通であれば周囲の人間に訝しい目で見られるだろう。だが他の三人も他の三人でやっぱり普通とはちょっと違っていた。
『お肉美味しそう』と友達のお弁当箱に入っている肉類に目を光らせる花園たえ。
『有咲ちゃんと沙綾ちゃんって仲良しだなぁ』と思ってなんだか嬉しくなる牛込りみ。
『フライドポテトとおにぎりだけで人は生きていける……確かにそうだなぁ』と氷川紗夜と交わしたポテト談義を脳裏に思い起こしている戸山香澄。
 類は友を呼ぶ。大なり小なりあれど、どこか普通とはズレているポッピンパーティーなのであった。
 ともあれ、有咲と沙綾の邪魔をする人間がこの空間には誰もいないということである。
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 なので、
(わっ、また目が合ったよ……これで十三回目だ……)
(有咲ってば私の方ばっかり見てるのかな?)
(やっぱコレそうだよ)
(もうほぼほぼ間違いないよ)
(沙綾、絶対私のこと好きだよな)
(有咲、絶対私のこと好きだよね)
 という風に、なんの変哲もない日常の中で勘違いがどんどん進んでいくのであった。
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 そんなある日のこと。
 その日は香澄は妹と用事があって、りみも姉と予定があって、たえはバイトでスタコラサッサとライブハウスに向かい、有咲と沙綾だけが何も予定のない放課後だった。
 二人とも学園には歩いて登校しているし、色々な意味で仲が良いし予定もないのだから、彼女たちが肩を並べて一緒に下校するのはなんの不自然もないことである。
 という訳で、有咲と沙綾は何でもない会話を交わしながら、歩き慣れた道を歩いていた。
 そこでふと有咲は思った。
(そういえばこうして二人っきりになることなんて久しぶりだな)
 ポピパの五人は仲良しこよし、誰かしら予定があっても大体三人以上で肩を並べることが非常に多く、誰かと……ましてや自分に確実に憎からぬ想いを寄せているだろう沙綾と二人っきりになることなんてひと月振りくらいのことだった。
 そう思うと途端に沙綾のことを意識してしまってソワソワしだす有咲。
 そんな姿を見て、隣を歩く沙綾は頭に疑問符が浮かぶ。
(有咲、なんで急にソワソワしだしたんだろ? んー……あっ、そっか)
 思い返してみれば、私と有咲が二人っきりになるのなんて三十七日振りだったっけ。そっかそっか、それでちょっと変な意識しちゃってるのかな。
 そう思うと途端に有咲が可愛く見えてしまって、沙綾の顔には優し気な笑みが浮かんだ。
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(だからなんなんだよ、いつものその優しい笑顔は……そんなに私と一緒に帰るのが嬉しいのかよ。ったく、しょうがねーなー沙綾も)
(ふふ、こっちのことチラチラ窺ってる。私と一緒に帰れるのが嬉しくて、でもそれを悟って欲しくないんだろうなぁ。しょうがないなぁ有咲も)
 そしてまたそれぞれにすれ違ってるんだか噛み合ってるんだか判断に迷う思考が浮かぶ。
「ねぇ、有咲」
「……なんだよ」
 その思考に従って先に仕掛けたのは沙綾だった。有咲はいつものようにぶっきらぼうに応える。
「このまま蔵に行ってもいい?」
「……私も特に用事ないし、別にいいけど?」
「ん、ありがと。それじゃあ行こっか」
 慈しみに満ちた微笑みを浮かべる沙綾を見て、有咲は頬を朱に染めてそっぽを向く。
(急に私ん家に来たいだなんて……本当に沙綾はしょうがねぇなぁ)
(あんなに赤くなってそっぽ向いて……本当に有咲はしょうがないなぁ)
 それからそんなことを考えつつ、二人は蔵へ足を向けた。
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 勘違いガールズin the蔵。
 自分のことが好きな女の子(勘違い)と密室で二人きり、何も起きない訳がなく……ということも今のところはなくて、いつものように有咲と沙綾はのんびり駄弁っていた。
 最初こそ沙綾を意識してはソワソワしていた有咲だけれど、蔵は彼女のホームグラウンド。つまり地の利は圧倒的に市ヶ谷軍にあるのだ。
 そう思うと鼻歌を歌うくらい余裕が出てきた。沙綾がどうしてもって言うなら何でも言うこと聞いてやってもいいけど? くらいの気持ちだった。
 だが有咲は知らない。甲子園駅から歩いてちょっとの球場、もしくは仙台駅から歩いてニ十分の球場を本拠地に抱えるプロ野球チームのように、時にホームはこれ以上ないくらいのアウェーになることもあると(2018年シーズン成績参考)。ホーム球場の爆破が最大の補強だとファンに毎年言われる球団もあるのだと。
(やっぱり自分の家だとのびのびしてるなぁ有咲。ふふ、可愛い)
 沙綾の頭にある思惑はそんなもの。つまり有咲は泳がされているだけ。外ではツンツン、家ではのびのびというギャップを愛でられているだけなのだ。
 兵法三十六計の第四計、以逸待労である。
 ここは愛すべき我が空間だからと主導権を取ったつもりになって隙を見せるように仕向けられているだけである。実際の主導権は沙綾の手中にあった。
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「はー、やっぱドラムって私には絶対無理だわ」
 そうとは知らず絶対的優位に立っているつもりの有咲は、沙綾に勧められるまま見様見真似でドラムを叩いていた。ツッタンタタタン……なんて呑気にハイハットとスネアドラムをぺシペシしていた。
「みんなそう言うんだよね。でもやってればすぐに叩けるようになるよ」
「いやいや、手だけで精一杯だよ。これでバスドラムにハイハットの操作まで足でやるんだろ? 無理無理」
「慣れだよ慣れ。慣れちゃえば簡単だって」
 そう言って笑う沙綾の顔を見て、『一回聞いただけっつってぶっつけ本番でスタービート叩ける沙綾が言っても説得力ねぇよ』と有咲は思う。至極真っ当な感想だった。慣れでそれが出来る人間はきっと変態と呼ばれる人種だろう。
(それにライブの時はドラムとキーボードは大抵後ろで隣同士に並ぶし……そん時だって余裕そうに私に笑いかけてくるし……)
 ステージライトに照らされてキラキラした沙綾の笑顔を脳裏に思い浮かべて、有咲は少しだけドギマギした。
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「有咲? ボーっとしてるけど、どうかした?」
 それを沙綾は逃さなかった。仕掛けるならここだ、と脳内の諸葛孔明が羽扇を掲げた。その指示に従ってさらに言葉を重ねる。
「べっ、別に、なんでもねぇよ」
「本当に? 顔赤いけど……熱とかは?」
「大丈夫だって、ホント、全然そういうんじゃねーからっ」
「そっか。でも心配だから……」
 沙綾はそっと有咲の額に右手を伸ばす。有咲は少しだけビクリとしたけれど、ゆったりとしたその手の動きと自分の部屋にいるという安心感から、特に抵抗はせずにそれを受け入れることにした。
「んー……」
 思惑通りに動き続ける有咲の額に手を置いたまま、沙綾は掌で彼女の熱を感じ続ける。
「……も、もういいだろ」
「だーめ」
 流石に照れくさくなってきた有咲は沙綾の右手から逃れようとするけれど、優しさ八割イジワル二割の言葉に動きが止まった。そして愛しさ半分イジワル半分の沙綾の左手を後頭部に回されて、とうとう自分の意思で身動きが出来なくなってしまった。
339: 以下、
「…………」
「…………」
 それから二人して黙り込む。脳内には色々な考えが浮かぶ。
 有咲の頭を抱きかかえるような形になった沙綾は、すぐ思い通りに掌の上で踊ってしまう彼女がおかしくて可愛くて仕方なかった。
(いい様にされてまったく抵抗がないあたり相当私のこと好きだよねこれ)
 そして勘違いに拍車がかかった。
 逆に抱きかかえられた有咲は、間近で感じる沙綾のいい匂いと、額に当てられた手の感触の気持ちよさと後頭部をやわく撫でられる心地よさに気が気じゃなかった。
(私の部屋に来たいって言いだしてこんなことするなんて相当私のこと好きだなこれ)
 だけど勘違いには拍車がかかった。
(有咲、全然動こうとしないな。もっとこうしてて欲しいのかな? しょうがないなぁ)
(沙綾、全然離れようとしねぇな。もっとこうしてたいのか? まったく仕方ねぇなぁ)
 だから二人してそんな思考になって、どちらも離れるタイミングを逸するのだった。
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 そうしてどれくらい時間が経ったろうか。有咲も沙綾も「悪くないなこれ」と思い始めたころで、机の上に置かれた二人のスマートフォンが通知音を鳴らした。
 ハッと我に返る二人。
 サッと手を放した沙綾は、今まで自分が抱えていた温もりの心地よさを強く実感してちょっと寂しくなる。
 サッと身体を離された有咲は、今まで自分を包んでいた温もりがなくなったことにとても寂しくなる。
 けれどそんなことを顔に出すのは照れくさかったりするワケで、有咲はそれを誤魔化すように勢いに任せてスマホを手に取って画面をのぞき込む。するとメッセージアプリの通知が表示されていた。
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『オッちゃんゼロ式』
 通知をタップすると、そんなたえの一言と、何か草のようなものを食べているオッちゃんの写真が画面に広がる。何がゼロ式なんだ、と心の中でツッコミを入れていると、新しいメッセージがディスプレイに現れる。
『アタック・オブ・ザ・キラー・チョココロネ』
 それはりみからメッセージで、その一言は自体は別によかった。りみ、ホラー映画好きだもんな……と有咲も水に流せた。
 だけど一緒に送られてきた、チョココロ寝袋に下半身を埋めて苦悶の表情で倒れている制服姿の牛込ゆりの画像はダメだ。どう見ても撮影場所が花女の生徒会室だし何やってんだ生徒会長……と、そうツッコミを入れずにはいられない。
「ぷっ、ふ、ふ……くくっ……!」
 沙綾は沙綾でカタツムリみたいなゆりの画像がツボに入ってしまい、プルプル震えながら笑いを堪えていた。お世話になってる人だし尊敬してるし大切な親友の姉だから笑ってはいけないと思っているのだろう。
 だけどお世話になってる人だし尊敬してるし大切な親友の姉だからこそ、生徒会室でチョココロネに襲われているという下らない画像がそんなにツボに入ってしまうのだと沙綾は気付いていなかった。
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 ともあれ、先ほどまでのかなりアレな空気もその和やかなグループトークによって中和された。
 沙綾は笑いを堪えながら返信をして、有咲はそんな沙綾を写真に収めてグループトークに送信して、それをりみのスマホで見たらしいゆりから沙綾宛に個人的なメッセージが飛んできて、トークを開くとチョココロ寝袋に入って満面の笑みでダブルピースする牛込生徒会長とかいう画像があってまた沙綾がプルプル震えだして……と、そんな感じで時間が過ぎていった。
 いつの間にか時計の短針は七の数字を指していて、変な熱の入ったグループトークもすっかり落ち着いて、有咲と沙綾の間には「そろそろお開きかな」という空気が流れる。
 けれどそういう時間になってから我が物顔で胸中に鎮座し始めるのが寂しさというやつで、さっきまでは鳴りを潜めていたくせにここぞという場面で別れを名残惜しくさせてくるのだから有咲はいつも困ってしまう。
343: 以下、
「あー……なんだ」
 だから彼女は、特に何を言おうと決めたワケじゃないけど、とりあえず口を開いた。
「…………」
 しかし考えなしに口を開いて話を広げられるほど有咲はコミュニケーション能力が高くなかった。二の句を告げられずに呻くような声にならない声を吐き出す。
「……なんだかお腹空いたね」
 その様子を見兼ねて沙綾も口を開く。三十七日振りの二人っきりの時間をあっさり終わらせるのはちょっともったいないな、という思いもあった。
「そ、そうだな。……そうだ。折角だし、たまには晩飯でも食べてくか?」
 同じ気持ちな有咲も沙綾の言葉を聞いて、自宅での夕ご飯に誘ってみる。けれどなんだかその言葉が急に照れくさくなって、「ばーちゃん、最近すげーたくさんご飯作るんだよ。私一人じゃ食いきれねーくらいさ」と取ってつけた言い訳を早口で続けた。
「そっか。それじゃあ、今日はご馳走になっちゃおうかな」
 沙綾はその言葉に頷く。有咲の顔が少し華やいだ。それを見て沙綾の顔も綻ぶ。
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「そんじゃ、ちょっとばーちゃんに言ってくるな」
「ん、了解。私も家に電話しとく」
 有咲はパタパタと軽い足取りで階段を昇って行った。ぴょんぴょん跳ねるツインテールを見送ってから、沙綾も自宅へ電話をかけて、今日は晩御飯はいらない旨を母親に伝えた。
 そうして過ごした有咲と沙綾と有咲のおばあちゃんの三人での晩御飯もあっという間に終わって、有咲は特に用事もないけど「途中のコンビニまで……用があるんだよ」と言って家路を辿る沙綾の隣に並ぶ。そのコンビニに着くと、沙綾も沙綾で特に用事もないけど「私もちょっと買い物してこ」と有咲と並んで店内に入ることにした。
 二人の間にはまだまだ勘違いがあった。
『口実つけてまで一緒にいたいだなんて有咲は本当に私のこと好きだなぁ』と、『用事もないだろうに一緒にコンビニに入るなんて沙綾は本当に私のこと好きだな』と。
『しょうがないから付き合ってあげるか』と、『しょうがねーから付き合ってやるか』と。
 それらが勘違いだったと気付くのは、二週間後の休日のこととなる。
345: 以下、
 その土曜日は朝から快晴だった。
 真っ白いふわふわな雲が青い空を悠々自適に泳ぎ、大空こそ開闢以来の安全な我が家であるかのように小鳥たちが羽を広げる。実に平和な休日の蒼穹だった。
 そんな空の下、有咲は駅前広場でひとりソワソワしていた。その原因はつい昨日のことである。
 昨日も昨日で、有咲の蔵には沙綾が遊びに来ていた。そして、沙綾が本格的に有咲にドラムの指導を行った。
 その際、沙綾の身体がめちゃくちゃ近かったこととか「こうやって叩くんだよ」と優しく手を握られたこととかそういう色々と単純明快複雑怪奇な代物が絡まり合って、ついつい思いっきりハイハットを叩いた拍子にドラムスティックが折れてしまったのだった。
 有咲はこの世の終わりのような顔をして沙綾に謝った。沙綾は「スティックなんて折れるもんだし、気にしないでいいよ」といつもの笑顔で言った。
 確かにドラムスティックは消耗品だとは知っている。けれど、それでも親友の、ましてや自分にただならぬ想いを寄せている人の物を壊してしまったことに間違いはなかった。有咲は罪悪感に擦りつぶされて、キラーチョココロネに食べられてしまいたい気持ちになってしまった。
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 そんな様子の有咲を見ていられないのが根っからのお姉ちゃん肌な沙綾だった。
 スティックを折ってしまうことなんて珍しくもない。けれど、それでも親友の、ましてや自分にただならぬ想いを寄せている人が気にしてしまうというのなら、それをどうにかしたいという思いがあった。
「うーん……じゃあさ、明日一緒に代わりのスティック買いに行ってくれない?」
 だから沙綾はそう言って、有咲はそれに食い気味に頷いた。以上がきっかけの顛末である。
 なので、待ち合わせ場所である駅前で、集合時間の三十分前から有咲はソワソワしながら沙綾の到着を待っているのだった。
 今回の件で悪いのは私だし、沙綾を待たせる訳にはいかない……そういう思いからの三十分前行動だったけれど、流石に早く来すぎたという思いがなくもない。
 チラリとロータリーに設けられた時計を見る。時刻は十時三十七分。まだあとニ十分ほど沙綾を待つことになる。やっぱり早すぎたな、と思いながら俯いた。
347: 以下、
「はぁ……」
「どうしたの? そんなため息吐いて」
「え……うわぁ!?」
 ふと聞き慣れた声が聞こえて、そちらへ視線を巡らす。するといつの間にか沙綾が隣に立っていて、有咲は驚いて変な声を上げてしまった。
「え、な、沙綾……?」
「おはよー。ごめんね、待たせちゃってたみたいで」
「あ、う、ううん……おはよ」
 沙綾に首を振ってからもう一度時計を見る。時刻は十時三十七分のままだった。
「沙綾……早くね?」
 だから有咲はそう尋ねた。
「それを言うなら有咲だってそうでしょ」
「いや、私はほら……沙綾のスティック折っちゃったの私だし、待たせる訳にもいかねーからさ……」
「だからこんなに早くから待ってた……と」
「ん、まぁ……」
「やっぱりね。早く来ておいてよかったよ」
 どうやらそんな有咲の気持ちと行動は沙綾に筒抜けだったらしい。呆れたような、でも優しさに満ちた表情で紡ぎだされた言葉と、自分のことを分かっていてくれているということに胸がくすぐられた。沙綾に身も心もあずけたくなるような衝動に襲われた。
「ちょっと早くなっちゃったけど、行こっか」
「う、うん……」
 胸中に湧き出たその気持ちをどうにか押し止めつつ、有咲は頷いて、先導した沙綾の隣に並んだ。
348: 以下、
 それから二人は江戸川楽器店に足を運んで、一通り店内をぐるっと見て回り、ちょうどアルバイト中だった鵜沢リィとゆりの奇行について少し話をしてから、目的であるドラムスティックの置かれたコーナーに足を踏み入れた。
「りみりんのお願いはほぼ100%聞くゆり先輩……ね」
「りみの様子からして妹想いな人だとは思ってたけど……」
 スティックを物色しつつ、最初に交わした言葉は普段は凛々しい生徒会長様のこと。この前りみから送られてきた例の画像も妹にお願いされて仕方なくやったことらしい……と先ほどリィから聞いたから、必然的に話題にあがってしまう。
「……いやぜってー仕方なくじゃないだろ、あの迫真の表情と満面の笑みは……」
「ふ、ふふ……そうだね……」
 呆れたように呟く有咲の隣で沙綾は思い出し笑いを堪えていた。一度ツボにハマるとなかなか抜けられない沙綾だった。
349: 以下、
「まぁそれは今はいいか。ほら、沙綾。流石に私がここは出すから好きなの選べよ」
「え? いいよ、自分で払うって」
「い、一応、折っちゃったのは私だからな。それにそんな高いもんじゃないって言ったのは沙綾だろ? これくらいは弁償させてくれ」
「別にいいって」
「私が気にすんだよ」
「いやいや、買って貰っちゃったら逆に私が気にするよ」
「遠慮されると私が気にする」
「でも消耗品で安いって言ってもそこそこするやつだし」
「そう言われたら尚更折っちまった私が悪いだろ」
 そこまで言葉を交わして『ああ、これ埒が明かなくなるやつだな……』と沙綾は悟る。
350: 以下、
 沙綾が普段使うスティックは、メーカー希望小売り価格¥1,300(税抜き)。ここでは多少安くなっているとは言えども、おおよそ千円するものだ。
 金額にすれば確かに大したことはない。けれどもそれを親友に……それも他でもない有咲に出してもらうというのはどことなく居心地が悪くてきまりが悪い。ならば折衷案を出すのが最善だろう。
 そう思って、沙綾は「じゃあ、」と小さく前置きしてから言葉を続ける。
「もうすぐお昼だし、お昼ご飯おごってくれないかな?」
「ん、ああ……そうだな、そうしよう」
 有咲も有咲で『沙綾は絶対折れないだろうなぁ。どうやって説得しよう』と思っていたので、その提案は渡りに船だった。
「決まりだね。それじゃあ私、これ買ってくるから少し待っててね」
「りょーかい」
 頷いた有咲に見送られてスティックを手にした沙綾はレジへ向かう。内心には『まったく、有咲はこういう時ばっかり頑固でしょうがないなぁ』と嬉しさ十割の言葉が浮かぶ。
「それに有咲に買って貰ったスティックなんて……絶対に消耗品として扱えないよ」
 と、口から漏れた呟きが胸中のどこかに引っかかったような気がして、沙綾は首を傾げるのだった。
351: 以下、
 スティックを買い終わってから、二人はファーストフード店で早めの昼食をとることにした。
 肩を並べて歩き慣れた道を往く。時折沙綾は商店街の顔見知りの人とニ、三言世間話を交わし、そういう時の有咲はどことない居心地の悪さと何かモヤッとした感情が胸中に渦巻いた。
 そんな往路を辿りファーストフード店へ到着すると、レジカウンターで注文をして、店内の空いている席にサッと腰かけた。
「混む前でよかったね」
「そうだなー」
 沙綾の言葉に気の抜けた相づちを返しつつ、注文したハンバーガーやポテトをつまむ。
 その際、有咲はポテトを一本持って目の前に持ってきて、それをジッと凝視した。あまりに唐突な謎の行動に沙綾は首を傾げる。
「……何やってるの?」
「ん、いやほら……この前さ、香澄の奴、本当にフライドポテトで白米食ってたなって」
「ああ……」
 言われて、四日前のお昼休みのことを彼女も思い出す。
 いつも通りに五人でお弁当を広げた中庭で、フライドポテトを白いご飯の上に乗せて「ポテト丼!」と何故かドヤ顔をしていた香澄。そこへ偶然通りかかった紗夜が「ポテト丼……そういうのもあるのね」と呟く……なんてことがあったのだった。
352: 以下、
「ポテトをおかずに白飯ってぜってー胸焼けするよな……」
「そこはほら、香澄だし」
「……まぁそうか。香澄だもんな」
「うん」
『香澄だから』で大抵のことを納得されるのは彼女たちの友情の篤さの成せる業か、はたまた香澄の日頃の行いのせいか、もしくはその両方か。余談ではあるが香澄の今日の予定は紗夜と一緒にポテト探訪の旅である。
 それはともかくとして、今日も今日とて有咲と沙綾は他愛のない会話を交わしながら、その合間に勘違いを重ねる。けれど今日は少しだけいつもと違って、その勘違いが胸のどこかに引っかかるような感覚を双方が覚えていた。
 どこがどう引っかかるのか、と聞かれれば二人とも首を傾げてしまうのだが、『沙綾ってもう確実に私のこと好きだよなぁ』とか『有咲ってもう絶対に私のこと好きだよね』とか思うと、胸がキュッとするとか、少し落ち着かなくなるとか、もっとくっついたりからかったり笑いかけたり笑わせたりしたくなるとか、そんな感じのものだ。
 ファーストフード店で昼ご飯を食べている最中も、そのあと特に目的もなくぶらぶらウィンドウショッピングしている時も、それからカラオケで仲良くデュエットしたりゲームセンターでお互い微妙に不慣れなプリクラを撮ったりした時も、やっぱり彼女たちは自分で思ったことに、正体の分からない何かが胸にひっかかり続けた。
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 その得体のしれない、けれども決して悪くはないものの正体に気付いたのは、今日も今日とて沙綾がお邪魔した有咲の蔵でのことだった。
「今日はたくさん遊んだねぇ」
「ああ。一日中歩き回ってたからちょっと疲れたよ」
 いつもの席に座ってのんびりまったりとお茶をすする二人。時刻は午後六時を回ったところだった。
 昨日に引き続いての連日の蔵。彼女たちがここで二人っきりになるのは、ここ二週間で七回目だ。
 内緒にしているが、有咲はスマートフォンのカレンダーに、沙綾と自分の部屋で二人になった日になんとなく『さ』と打ち込んでいた。
 沙綾も内緒にしているが、自分の部屋のカレンダーに、有咲と二人になった日付になんとなく丸印を付けていた。
 そのカレンダーを見て各々が思うのは、『こんなに二人っきりになるだなんて、本当に自分は好かれてるんだなぁ』というようなこと。今まで重ね続けてきた勘違いの延長線上にある気持ちだった。
 今日で七回目の逢瀬。二日に一回のペースで二人っきりになって、今日は一日中一緒に遊んでいたが、それでもまだ彼女たちには話したいことがそれなりにあった。
354: 以下、
「…………」
「…………」
 だけど有咲も沙綾も特に何も喋らない。静まり返った部屋の空気に、二人はただ身を任せていた。蔵に誰かと一緒にいてシンとすることが珍しくてちょっと不思議な気持ちだったけれど、それ以上にこの沈黙が心地よかった。
 一日遊びまわって疲れた身体に静寂が染み入る。夢と現をたゆたうように、彼女たちはそれぞれぼんやりと物思いにふける。
 有咲の心中にあったのは、まず安堵だった。
 昨日ドラムスティックを折っちまった時はどうなることかと思ったけど、無事に丸く収まってよかった。やっぱり沙綾は優しい。私が気にするだろうことも分かって、常に先回りしてくれた。普段だったらそれに「余計なお世話だっ」みたいに反発するけど……でも、沙綾にそうされるのは悪くないっていうか、むしろ嬉しい。今回は私が悪かったからっていうのを抜きにしても、沙綾になら私のことを見透かされても全然気にしないな。
 対する沙綾の心中にあったのは、幸福だった。
 昨日ドラムスティックを折った時はどうなることかと思ったけど、無事に収まってよかった。やっぱり有咲って優しいししっかりしてるから、こういう時はすごい頑なに筋を通そうとするんだよね。……スティック代どころか、お昼代だって払わなくてもいいのに。ただ一緒に買い物に行って、遊びに行くだけで十分すぎるのに。でも有咲がそうしたいなら望むようにしてあげたいし、それで有咲が笑っててくれるなら幸せだな。
355: 以下、
 二人はそんな風に今日一日を振り返る。改めて自分の気持ちを見つめ直す。
 何ともない休日だった。最初はお詫びのための買い物だった。だけどすぐに楽しい遊びに変わった。お昼を食べ始めるころにはお詫びとかそういうのはすっかり抜け落ちていた。どこへ行くのも、何をするのもただただ純粋に楽しかった。何故ならそれは……
 と、そこまで思って、有咲は沙綾に顔を向けた。同時に沙綾も有咲へ顔を向けた。
 バッチリと目が合う。
 これで何百回目のことだろうか、と思って、本当に……、とまで考えて、有咲は沙綾へ微笑みかけた。沙綾は有咲の微笑みに心臓が跳ねた。
 そこでようやく二人は理解した。『ああ、勘違いだったんだな』と。
356: 以下、
(何度も何度も目が合うのは、)
(目が合って笑いかけるのは、)
(二人っきりになって嬉しがってるのは、)
(少しでも一緒にいたいと思ってるのは、)
(相手の為に何かをしたいって考えるのは、)
(何でもないことが嬉しいって感じるのは、)
(私が沙綾のことを好きだからだ)
(私が有咲のことを好きだからだ)
 それは勘違いに勘違いを重ね、そこに最後の勘違いを一つ重ね、徹頭徹尾勘違いだったのにどうしてかたどり着いた正解だった。紛れもない本心だった。ただ純粋な「好き」の気持ちだった。
357: 以下、
 恋は勘違いの積み重ね。世の中には往々にしてそんな言葉がまかり通ったりしている。勘違いが由来の恋であれば、もしかしたらこの「好き」はまやかしなのかもしれない。
 けれど世界には“嘘から出たまこと”という言葉もあるのだ。
 それならば、経緯はどうあれ彼女たちの間に生まれた「好き」だって紛れもない真実であるし、それは何ものにも侵されない、侵されてはいけない尊いものなのである。例えこの世界の半分に「ノー」と言われてもそんなの知ったこっちゃないのである。
358: 以下、
「……沙綾」
「有咲……」
 だから、やっと二人が自覚した恋心とかそういう類の感情は彼女たちの間だけで共有されるべきものであって、やおら熱っぽい目で見つめ合い、徐々に近づいていく有咲と沙綾の間に語り手の存在する余地などない。ある訳がない。
 このあと二人が筆舌に尽くしがたいほどイチャつくのも、その関係をポピパのみんなに祝福されるのも、妹大好きゆり先輩がりみりん離れにとても苦労するのも、香澄と紗夜がポテト探訪の旅に幾度となく出立するのも、たえが花園ランドに帰国子女なちびっこ音楽プロデューサーを連れ去って常時つけてるイヤホンをウサミミ仕様に変えるのも、それはまた別のお話なのだ。
359: 以下、
 彼女たちの勘違いの話はここで終わりだ。最後に書き記せるのは、
(まったく……相変わらず沙綾は私のことが大好きだな)
(もう……本当に有咲は私のことが大好きなんだから)
「まぁ私もそんな沙綾が大好きなんだけどな」
「まぁ私もそんな有咲が大好きなんだけどね」
 と、このバカップルは末永く嘘から出たまことを積み重ね続けるということだけである。
 おわり
360: 以下、
ラブコメが書きたかったんです。全体的にすいませんでした。
書き終わってから今回のイベストを読んだらめちゃくちゃいい話で何だか切なくなりました。
元スレ
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