ぐだ男「アーサー王の死?」マシュ「はい先輩。」back

ぐだ男「アーサー王の死?」マシュ「はい先輩。」


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ぐだ男「何それ?」
マシュ「15世紀の後半にトマス・マロリーさんという方が執筆したアーサー王に関する伝説ですね。
 アーサー王の出生からその最後までを記された大作ですよ。」
ぐだ子「ふーん。縁起でもないタイトルだけど、つまりアルトリアの一生が描かれているってこと?。」
マシュ「ええ、他にも円卓の騎士の皆さんのエピソードもたくさんあります。
 せっかくですし先輩も一緒に読んでみますか?ひょっとしたら、いずれ会うことになるかもしれない方のお話かもしれませんよ?」
ぐだ男「面白そうだね。えーっとなになに、ある年の聖霊降臨祭の日の朝、キャメロットは不穏な空気に包まれておりました…。」
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2: 以下、
=====キャメロット=============
アルトリア「…ムスー」
ガウェイン「これは…」
ベデヴィエール「なんということでしょう。」
アグラヴェイン「我が王が、食べ物を前にして…」
ランスロット「朝食をお召し上がりになられようとされないとは!!」
ぐだ男「そう、その日アーサー王は、朝食を目の前にしても、一切手をつけようとされなかったのです!」
3: 以下、

ぐだ子「…あれ?この伝説でもアルトリアって食いしん坊だったの?」
マシュ「ち、違います、これには訳がちゃんとありますから。」
ぐだ男「あ、本当だ。聖霊降臨祭の日、アーサー王が朝食を取ろうとするたびに、急な仕事が舞い込んでくるばっかりで、
 この日何かが起こると予知した際、アーサー王はその雑務を済ませてから食事をとるという習慣があったんだって。」
マシュ「そうです!それで周りの皆さんも驚いているわけですね。では先輩、続きをどうぞ」
ぐだ男「うん。えーっと…」
4: 以下、

ガウェイン「…つまり、我が王は今日何かがキャメロットに起こるということを、予期されておられるという訳ですね。」
アグラヴェイン「ああ、そしてそれが我らに、吉となるか、凶となるか…」
ぐだ男「円卓の騎士達が困惑する中、知らせが王のもとに届きます。」
粛清騎士「失礼いたします!我が王に、謁見をしたいという者がキャメロットに…」
アルトリア「…会いましょう。通しなさい。」
ぐだ男「王は席を立ち、臣下達に命じます。その来客こそが、王が予期した今日の事案であると察知した騎士たちは、すぐに
  謁見の準備に取り掛かりました。」
5: 以下、

=謁見の間=
マリー(?)「お初にお目にかかります、アーサー王様。」
アルトリア「よくぞ、キャメロットに参られた。」
ぐだ男「その日、アーサー王のもとに訪れたのは、背の高く、美しい若者でした。若者は従者の肩に両手を回し、
 やっとのことで立っているほど疲弊した様子でしたが、気品のある風貌や美しい両手から育ちの良さが見て取れ、
 高貴な出自であることが推察されました。」
マリ―(?)「申し訳ございませんが、私は自分の名や身分を明かすことはできません。
  そのうえで厚かましいことですが、お願いを偉大なる陛下に聞いていただく
  参りましたわ。」
アルトリア「ほう、何か事情があるのですね。わかりました。では貴公の願いを教えてもらおうか。」
マリ―(?)「それでは…どうか、食べ物を私にくださいません?」
アルトリア「…なんと?」
6: 以下、

ぐだ男「王は、若者の願いが彼の身の丈にあっているものではないと考えましたが、そのうえで事情があることを察し、
 聞きいれることにしました。若者は要求どおり、食べ物を得るために厨房に案内され、
 そしてそのまま下働きとして働くようになりました。」
ぐだ子「えーっと、若者ってのがこのエピソードの主役?なんでマリーなの?」
ぐだ男「うーん。なんか虚月館の時みたいに、マリーのイメージが…」
マシュ「先輩のイメージ通り、ひょっとしたらこの人物はマリーさんのように周囲から愛された
 素晴らしい人柄なのかもしれませんね。」
ぐだ子「でも名乗りもしない不審者の願いをそのまま聞いて、キャメロットに住まわせるなんて、
 王様も結構大物ね。」
7: 以下、

===厨房===============
マリ―(?)「?♪」
ベディヴィエール「結局、あれ以来そのまま厨房に住み込んでいるようですね。」
ランスロット「下働きとしてよく勤めているようだが…少し探りを入れてみるか。若者よ。少し時間をいただけぬか?」
マリ―(?)「はい。なにか御用かしら?」
ランスロット「単刀直入に聞こう。君は、どこか高貴な身の上ではないかな?それであれば、台所の下働きではない、
  もっと君にふさわしい役目がこのキャメロットにはあるだろう。」
ガウェイン「それに…私にはどうも貴方が他人とも思えないのですね。…そう思いませんか?アグラウェイン卿。」
アグラウェイン「む?とにかくとして、素性の分からないものがこのキャメロットにいることは看過しがたいものである、が。」
マリ―(?)「ふふふ、今の私は何者でもないわ。多くの騎士を志す若者は、まず従者として
  高貴なる方に側仕えをし、このような雑役をこなしながら騎士とはなにか学んでいくもの。
  そういうものでしょう?」
8: 以下、

ランスロット「しかし…」
イアソン(?)「おいこら!何さぼってるんだ!」
ベディヴィエール「貴公は…ケイ卿。」
ぐだ子「また新キャラ…って、今度はイアソン?」
マシュ「ケイ卿はアーサー王の育ての親、エクター卿の息子です。アーサー王の義兄にあたり、司厨長を務めています。
 そのため、厨房の下働きになった若者を任されている立場になるわけですね。」
ぐだ子「イメージがイアソンってことは、性格が悪い人なのかしら。」
9: 以下、
イアソン(ケイ)「まったく、お前たちはこいつを買いかぶりすぎだ。わざわざ城まで乗り込んで、我が王に食べ物をねだるような奴だぜ?
   こいつが本当に高貴な身の上だというのなら、それこそ相応の武具や位をねだるだろう。
    だが下賤な生まれだったからこそ、身の丈にあったこの程度のものしか願えなかったというわけさ。」
ランスロット「ケイ卿よ、言葉が過ぎるぞ。前途のある若者を粗末に扱うべきではない。」
イアソン(ケイ)「ふん。随分とかったものだな、ランスロット卿。確かにこいつのツラは立派かもしれないが、
   一年もすれば、そのきれーな手も油をすってぶくぶくになり、
   厨房の下働きにふさわしい小汚い恰好になっているだろうさ!」
マリ―(?)「まぁ!なんてことを。」
イアソン(ケイ)「なんだ、文句でもあるのか?それならば、そうだな…、
   名前が無いのも不自由だから、この俺がお前に名を与えてやる。 
   その綺麗なお手てにあやかって、今日からお前は『ボーメイン』と名乗るがいい!!」
   
イアソン(ケイ)「下働きに相応しい薄汚れた醜い手になったらその名前で今のような美しい手だったことを思い出すがいいさ。
    わかったなボーメイン。ハーッハッハッハ!!」
10: 以下、
ぐだ男「…こうして、若者はボーメインと呼ばれるようなりました。円卓の騎士の中でガウェイン卿とランスロット卿の
 二人だけは彼の身を案じます。しかし、ボーメインは、上役のケイ卿にいびられながらも、下働きとして真面目に働きました。
 そして徐々にその人柄と仕事ぶりで、周囲から一目置かれるようになっていきました。」
 
ぐだ子「…ぼーめいん?」
マシュ「ボーメインとは、フランス語で美しい手を意味します。武器や重いものをもったこともなさそうな綺麗な手をからかっての
 あだ名という訳ですね。」
ぐだ子「それにしてもこのケイ卿って口が悪いのね。本当にアルトリアの義兄なの?」ソレトモイメージノセイ?
マシュ「確かにケイ卿は少し意地悪なところもあるようですね。ただ、その分痛い目にあったりしたり周囲を引き立てるような
 汚れ役に徹する一面もあったようですよ。」
11: 以下、
ぐだ男「そして、ボーメインがキャメロットを訪れてから一年後、再び聖霊降臨祭の日にキャメロットにある乙女が助けを求めに訪れました。」
=キャメロット謁見の間=============
ジャンヌオルタ(?)「ああ、偉大なる陛下、どうか、私の姉をお救いください!!」
ぐだ男「乙女は、姉が赤い国の赤騎士と呼ばれる邪悪な男に見初められ、無理 矢理妻にしようと居城が包囲されてしまったと訴えます。
 どうか姉を救ってほしいとアーサー王に頼み込みますが、王はこの頼みに難色をしめしました。」
 
ガウェイン「赤い国の赤騎士といえば、日中において常人の7倍の力を発揮するというおそるべき騎士ですね。」
ランスロット「となると、円卓の騎士でも精鋭でなければ荷が重いだろうな。」
12: 以下、
アグラヴェイン「とはいえ、先の乙女、ライネット嬢の話では一体彼女の言う姉が何者なのか、赤い国の赤騎士がどこの城を襲っているのか、明瞭な
  情報を得ることはできませんでしたな。それに赤い国は我々の支配の及んでいない国。これは蛮族同士の内輪もめかもしれませんな。」
ベデヴィエール「名のある騎士が下手に介入すれば、辺境勢力を刺激してしまうかもしれません。それに、不明確な情報でも鵜呑みにして
  騎士を派遣するということが続けば、キャメロットの守りが疎かになっていく恐れもあります。」
アルトリア「…ふむ、どうしたものでしょうか?。」
ぐだ男「ライネットの救援要請について情報が断片的なものであったため、名のある騎士が出向くことに及び腰になってしまいます。
 しかし、その場でボーメインが、名乗りをあげました。」
マリ―(ボーメイン)「はーい。お話は聞かせてもらったわ!ならばその任務、この私に任せてくださらないかしら?」
13: 以下、
イアソン(ケイ)「お、おい、厨房の下働き風情が出しゃばろうとするな!」
アルトリア「待ちなさいケイ卿。…そうだな、無名の騎士にならば任せても。」
イアソン(ケイ)「いや、それはおかしい、こいつは一年間、厨房で働いていて何か手柄を立てたわけでも、実力を見せた
   訳でもない。そんな得たいの知れない奴を王がいきなり騎士に任ずるなんてとんでもないことだぞ!」
ベデヴィエール「そうですね。危険すぎますよ。」
ランスロット「…確かに、ケイ卿の言うことももっともだな。」
マリ―(ボーメイン)「…そ、そんな。ランスロット卿まで…」
14: 以下、
ぐだ男「しかし、なんとランスロットにはある腹案がありました。」
ランスロット「ゆえに、ボーメイン。君が確かな実力を持つというのなら、私が王に代わって君を騎士に任命しようではないか。」
ガウェイン「…確かにランスロット卿。あなたが認めたとなれば、誰も文句はないでしょうね。」
ランスロット「如何かな?」
アルトリア「ええ、かまいません。」
マリ―(ボーメイン)「はい!ありがとうランスロット卿!」
ぐだ男「こうして、ランスロット卿は、ボーメインが騎士に相応しい力があるのならば自分が騎士に任命すると宣言し、
 二人は、決闘の準備をするのでした。」
15: 以下、
ぐだ子「単純に、ランスロットとかが出向いて終わり!って訳にはいかないのね。」
マシュ「赤騎士の悪名はキャメロットにも伝わっており、成敗するには手練れでなければなりません。
 でも曖昧な情報で敵対勢力のもとに重鎮を派遣するのは難しかったのでしょうね。」
ぐだ男「そこで、無名だけど、実力がありそうなボーメインなら、なんとかなるんじゃないかって判断したわけだね。
 まぁ、様子見にとりあえず送ってみるか、って感じもするけど。」
ぐだ子「なんか、捨て駒みたいな感じもするわねー。でも、ボーメインを騎士に任命するのは、アーサーじゃなくてランスロットなんだ。」
マシュ「はい、お話の中で、ボーメインは特にランスロット卿に騎士に任命されることを望んでいたそうですね。
 下働きをする際に、ランスロットとガウェイン卿だけが自分の身を案じてくれたということで、とても尊敬していたのでしょうね。」
ぐだ男「下働きをいきなり騎士にするってのも確かに変だし、王が変に謗りを受けるのはよくないから、あえて
 自分が騎士任命しようってのもランスロットは考えたのかな?」
ぐだ子「そういうとこランスロットって格好いいわよねー。ありそうありそう。」
マシュ「ま、まぁ…ランスロット卿は、基本的には優れた騎士ですからね。では続きをどうぞ。」
16: 以下、
16
=決闘場===
ランスロット「ようやくあの若者の性情を知る機会が得られたが…ケイ卿、なぜ卿もここにいるのだ?」
イアソン(ケイ)「ふん、あんな小間使いに舐められてたまるか!俺が自ら叩きのめしてやる!」
ぐだ男「そうこうしている間に、ボーメインもまた決闘の場に姿を現しますが、二人は驚きました。
 ボーメインはいつものみすぼらしい姿ではなく、全身を美しい武具で身に着けた荘厳な姿だったのです。」
マリ―(ボーメイン)「お待たせしたわ。ランスロット卿。」
イアソン(ケイ)「お、おい、俺を無視するなボーメイン!誰がお前の主なのかわかっているのか!?」
マリ―(ボーメイン)「私はこれから、ランスロット卿に騎士に任じられ、あのアーサー王に仕える身。
   あなたを主と仰ぐことはありえないわ。もし、人から信頼を得たいのであれば、貴方は自分を省みることが必要よ。」
17: 以下、
イアソン(ケイ)「う、うるさい生意気な、俺の実力を見せてやる。」サッ
ランスロット「ケイ卿も乗り気だな。もちろん私も手加減出来るほどの器用さはない。本気で参られよ。」
マリ―(ボーメイン)「うふふ、よろしくてよ。」
ぐだ男「こうして決闘が始まりました。」
マリ―(ボーメイン)「そーれ♪」 ドーン
イアソン(ケイ)「ぐはぁ!」バタンキュ
18: 以下、
ランスロット「…!なんと。」
ぐだ男「先にケイ卿がボーメインに襲い掛かりますが、あっけなく返り討ちにあい致命傷を負ってしまいます。
 そして、ランスロット卿もまた、ボーメインにと立ち会うも、彼の強さに驚かされます。」
ランスロット「…決して、手を抜いたつもりはないが、どうやら君の実力は本物のようだ。
  約束通り騎士に任命しよう。」
マリ―(ボーメイン)「ありがとう、ランスロット卿。感激よ!」
ぐだ男「こうして、ボーメインは、無事に騎士に任命され、始めての冒険の旅に出ようとするのでした。」
ぐだ子「ケイ卿弱っ!ってここで死んじゃうの?」
ぐだ男「いや、ランスロット卿に盾を担架に運ばれてく。」
マシュ「ただ、一部始終をライネットは見ていたようで、ボーメインが厨房の下働きだったことを知られてしまいます。
 ボーメインとライネットは共に冒険の旅に出かけようとしますが、
 ライネットは下男あがりのボーメインに拒否反応を示すようですね。」
19: 以下、
邪ンヌ(ライネット)「ちょ、ちょっとどういうこと!私はアーサー王に、姉を救うために騎士を遣わしてくださいと頼んだのに、
   なぜあなたのような厨房の小間使いが派遣されるのです!?全く冗談じゃないわよ!?」
マリ―(ボーメイン)「いーえ、今や私はあのランスロット卿に騎士に任じられた身です。
   必ずあなたのお姉さまを救って見せるわ。」
邪ンヌ(ライネット)「ふん、下男風情がまるで高貴な騎士のような一丁前の口を利くのですね。
   冗談じゃないわ。痛い目を見る前に、今すぐ元の住処にお帰りなさい。」
   
マリ―(ボーメイン)「そうはいかないわ。これはアーサー王から私に託された始めての大事な冒険。
   冒険をやり遂げるか、さもなくば死ぬことがない限り、私は貴方とともに行くわ。」ぎゅっ
邪ンヌ(ライネット)「けっ、汚らわしい、寄らないで下さい!うう…どうしてこんな、
   台所の臭いの染みついた小汚い下男を頼らなければならないのよ!…うう、姉さん…」
20: 以下、
ぐだ男「このように、ライネットは口汚く罵りますが、ボーメインは嫌な顔をすることもなく、ニコニコと
 彼女のあとをついてゆきました。」
ぐだ子「ケイにいびられ続けて罵倒耐性がついてたのかしら?それにしても、口が悪い人ばかりね。」
マシュ「ライネットの立場からすれば、邪悪な騎士から命からがら逃げだしてやっとキャメロットに辿り着いたのに、
 アーサー王が寄越してくれたのは、下男あがりの無名の騎士…。絶望を感じるのも無理はないかもしれませんね。」
ぐだ男「そして、アーサー王が立派に統治するブリテンにおいても、辺境の地にはまだまだ盗賊が跋扈しておりました。
 ボーメインは、賊からライネットを守りつつ、彼らを蹴散らしていきます。」
21: 以下、
21
 
マリ―(ボーメイン)「そーれ!」 ドーン
盗賊「ひぃい、強すぎる、退散だぁ!」
マリ―(ボーメイン)「どう、ライネット。私、輝いてる?」 
邪ンヌ(ライネット)「ふん。多少は心得があるようだけど、そんなことでよく浮かれていられるわね。
   満足したら、とっととお家に帰って下さいません?それで、もし私のためになりたいのなら
   自分の代わり立派な騎士を派遣してくれと貴方の王に頼みなさいな。」
マリ―(ボーメイン)「いーえ、それだけはできないわ。どうか、私にあなたを助けさせてね。」
邪ンヌ(ライネット)「本当にわからない人ね!よくお聞き!あの赤い国の赤騎士は恐ろしい男。
   特に日の昇る間は、常人の7倍の力を発揮するという怪物よ。
   それこそあのガウェイン卿やランスロット卿、ラモラック卿、それかコーンウォールのトリストラム卿
   くらいでしか敵わないでしょう!多少腕があったところで、貴方はなんか、無残に殺されてしまうわよ!」  
マリ―(ボーメイン)「…!。そう、わかったわ。」
22: 以下、
邪ンヌ(ライネット)「物覚えの悪い厨房の雑用でも、やっと理解できたようね。まぁいいでしょう。
   これからは、身の丈にあった仕事を選んで暮らすことね…」  
   
マリ―(ボーメイン)「…ライネット、あなたは本当に、心の優しい、素晴らしい人だわ!」
邪ンヌ(ライネット)「…はい?」
マリ―(ボーメイン)「…そうやって厳しい言葉を投げかけてくるのも、私が自ら危険に近づかないようにと、
   私の身を案じてのことだったのね。確かに、今の私は頼りなく思えるかもしれないわ。
   でも安心して。あなたのお姉さまは、必ず私の手で救って見せるわ。」
邪ンヌ(ライネット)「どどど、どういう思考回路したらそんな発想になるのよ!それなら、いっそ先に
   進みなさい!貴方が死ぬことがあれば、今度こそ私は立派な騎士を頼りにできるわ!」
23: 以下、
ぐだ子「これは…ひょっとして…ツンデレ?」
ぐだ男「アーサー王の死が書かれたのって、いつ頃だっけ?」
マシュ「15世紀の後半ですね。」
ぐだ男「この時代から、ツンデレはあったのか…ともかく、賊や川辺に潜む追剥騎士を排除しつつ、罵倒とともに二人の旅路は
 続いていきます。そして当たり一面真っ黒の土地に辿り着きました。」
==黒い国====
邪ンヌ(ライネット)「ここから先の土地を、私たちは黒い国と呼んでいるわ。」
マリ―(ボーメイン)「ここはアーサー王の支配が及んでいないようね。」
邪ンヌ(ライネット)「…ええ、赤騎士の支配地域というわけではないけれど、少なくともキャメロットの者は
   目の敵にされていますからね!本当に、逃げ帰るなら今のうちよ?」
24: 以下、
ぐだ子「王様って、ブリテン全土を統治できてたわけじゃないのね。」
マシュ「ええ、まだまだ辺境には、残存勢力も数多く残っていたようです。」
ぐだ男「もともと敵対関係のある土地柄だったから、ライネットもお姉さんの名前を告げることができなかったのかもね。」
クーフーリン(?)「ほう、ライネットじゃないか。戻ってきたのか。」
マリ―(ボーメイン)「何者です!」
邪ンヌ(ライネット)「あ、貴方は黒の騎士ぺルカード卿!」
25: 以下、
クーフーリン(黒の騎士)「まさかお前、あのキャメロットに出向くとはね。俺たちの土地をアーサー王って奴に引き渡そうってつもりか?
    どうやら、円卓の騎士ってのを引き連れてるようだしなぁ!」
邪ンヌ(ライネット)「ふん、それならばどんなによかったことか…。円卓の騎士の助力を求めたというのに、
   アーサー王が供してくださったのは、配膳係の食卓の騎士なんですもの!」
クーフーリン(黒の騎士)「何?ハッハッハ、こいつは傑作だ。おいどうする坊主。
   お前、本当に俺たちとやりあう気かい?命が惜しかったらとっとと失せな。
   ここは、俺たちの縄張りだ。よそ者がでかい面していいところじゃないんだぜ。」
邪ンヌ(ライネット)「ボーメイン、わかっているでしょう。この騎士たちは、今まであなたが戦ってきた賊とは
   文字通り格が違う相手、今ならまだ許してくれるかもしれないわよ。引き下がりなさい。」
26: 以下、
マリ―(ボーメイン)「いえ、黒の騎士よ、私にはあの赤の国の赤騎士から危険の城を解放する使命があります。
   それを阻もうというのなら、私は全力をもってあなたと戦うわ。」
クーフーリン(黒の騎士)「け、中央の小僧がよく言うぜ!その心臓もらい受ける!」
ぐだ男「ライネットは相も変わらずボーメインを罵倒しますが、ボーメインと黒騎士の戦いが始まります。結果、見事ボーメインは
 黒の騎士を打ち取りました。」
クーフーリン(黒の騎士)「ぬ、抜かった……ぜ……」ガクッ
邪ンヌ(ライネット)「なっ、なっ、なんてこと、まぐれあたりとはいえ、立派な騎士が
   こんな奴に殺されてしまうなんて!」
マリ―(ボーメイン)「…ライネット。」
邪ンヌ(ライネット)「も、もうお終いよ!この辺りはみな、今あなたが殺した騎士の兄弟たちが支配しているのよ!
   これからは、周りすべてが復讐に燃え、私たちに襲いかかることでしょう!!」
ぐだ男「しかしライネットはボーメインを認めるどころかさらに罵倒し、むしろ相手の黒騎士の死を
 悼んだようでした。」
27: 以下、
ぐだ子「ランサーが死んだ…って流石にちょっとライネットひどくない?」
マシュ「ライネット視点では地元の名士がよそ者の下男に殺される形ですからね。」
ぐだ男「それに、懸念どおり、この黒の騎士の兄弟たちと戦うことになるようだよ。」
===
マリー(ボーメイン)「ライネット、下がって、また敵襲よ。」
プロトクーフーリン(?)「へ、お前が噂のアーサー王の手のものか。」
キャスタークーフーリン(?)「よくぞ俺たちの前に姿を現してくれたじゃねえか!」
28: 以下、
マリ―(ボーメイン)「貴方たちは、あの黒騎士の兄弟の…」
邪ンヌ(ライネット)「…(ビク)」
プロトニキ(緑の騎士)「俺は緑の騎士パートレープ!」
キャスニキ(赤の騎士)「俺は赤の騎士ペリーモンズ!兄弟の仇、取らせてもらうぜ!」
マリー(ボーメイン)「立ちふさがるなら、蹴散らすわよ!」
ぐだ男「復讐に燃える黒の騎士の兄弟たちが立ちふさがります。が、またボーメインは見事返り討ちにします。」
ぐだ子「うーん。ボーメインが強すぎるのか、あるいは彼らが弱いのか。所詮田舎騎士なのか。」
29: 以下、
プロトニキ(緑の騎士)「ぐあっ!」
キャスニキ(赤の騎士)「ぐああっ!」」
邪ンヌ(ライネット)「うぅ…(ビクビク)」
マリ―(ボーメイン)「…」
ぐだ男「しかしなぜかボーメインは黒の騎士のように彼らに止めを刺すことはせず、ライネットに目を向けるのでした。」
マリ―(ボーメイン)「ライネット、貴方は本当に、どこまでも心の優しい方なのね。」
30: 以下、
邪ンヌ(ライネット)「な、いきなりなにを言ってるの?私はそんな…」
マリ―(ボーメイン)「いえ、貴方は敵対関係のあった相手であっても、命が奪われるということを恐れているでしょう。」
邪ンヌ(ライネット)「…!!」
マリ―(ボーメイン)「緑の騎士に赤の騎士よ、私は、こんなに優しい心をもった乙女の心を苦しめた
   あの赤騎士の行いは許しません。しかし、貴方達が彼と無関係か、あるいは縁を切って
   悔い改めるのであれば、この場は剣をおさめるわ。」
プロトニキ(緑の騎士)「お、おい、兄者…」
キャスニキ(赤の騎士)「…ああ、こりゃどうやら完敗のようだな。わかった、これからはあんたに従うぜ。」
ぐだ男「こうしてライネットの優しさとボーメインの度量に感服した騎士たちは、ガレスに協力することを申し出ます。
 騎士たちの案内により、一行は、藍色の領地にたどり着きます。」
ぐだ子「ゆ、許された!てか、赤の国の赤騎士と、この赤の騎士は別人かい!紛らわしいわ!」
31: 以下、
===藍色の領地===========
プロトニキ(緑の騎士)「この藍色の領地を越えりゃ、危険の城は目前だ。だが、ここは俺たちの兄が治めている。
   おーい、兄者ー!」
フェルグス(?)「はーっはっはっは。弟たちよ、どうやらこっぴどくやられたようだな」
キャスニキ(赤の騎士)「ああ、どうやら、こいつは本物ようだぜ叔父貴…じゃなくて、兄貴。」
邪ンヌ(ライネット)「藍色の騎士、パーサント卿…気をつけなさいボーメイン。彼は、このあたりの領主の中で
   もっとも名声を集めている騎士。そして強さも折り紙つきよ。」
フェルグス(藍色の騎士)「ほほう。どうやら赤騎士め、目的を果たしおったか。誘い出されたのはガウェイン卿か?
    あるいは、ランスロット卿か?」
マリー(ボーメイン)(目的?)ピクッ
32: 以下、
マリー(ボーメイン)「いーえ、危険の城を救うのは、ガウェイン卿でも、ランスロット卿でもなくこの私です!」
マリー(ボーメイン)「それよりも藍色の騎士よ!今あなたが口にした、赤騎士の目的とは一体どういうこと?」
 
   
フェルグス(藍色の騎士)「はっはっは。そうか、貴公か。さぁ剣をとれ、騎士同士の流儀に言葉は無粋であろう!」
ぐだ男「こうして、ボーメインは危険の城への道の最後の障壁となる紫の騎士と戦います。戦いは
 2時間にも及びますが、見事ボーメインは勝利をおさめます。」
フェルグス(藍色の騎士)「うむ、降参だ。流石弟たちを倒すだけのことはあるな。」
邪ンヌ(ライネット)「ボーメイン。この紫の騎士の命を奪うことはしないでよ。」
33: 以下、
マリー(ボーメイン)「ええ、もちろんよ。」
フェルグス(藍色の騎士)「しかし、本当にお前はあの赤騎士と戦おうというのか?
    あの男は強いぞ。無慈悲で、残酷なまでにな。」
マリー(ボーメイン)「それでも、私は必ず危険の城を救います。そのためにここまで冒険にきたのだから!」
フェルグス(藍色の騎士)「はっはっは。頼もしいことだ。
    折角だ、今日のところはこの地で休んでいけ!」
ぐだ男「藍色の騎士パーサントもまた、ボーメインの力量を認め、彼に仕えることを望みます。
 そして、二人は藍色の騎士のもとで休ませてもらうことになりました。」
34: 以下、
==夜=========
邪ンヌ(ライネット)(いよいよ、明日にはあの赤騎士のもとに…姉さん。待っていて)
邪ンヌ(ライネット)(でも、本当にあの悪魔めいた騎士に、こんな得体の知れない奴が勝てるのかしら)チラリ
マリー(ボーメイン)「スー、スー」
邪ンヌ(ライネット)「全く、仮にも敵地の真ん中だっていうのに、よくもまぁぐっすり寝つけるものね。」
マリー(ボーメイン)「ライネット…ワタシハ…カナラズ」
邪ンヌ(ライネット)「…本当にただの間抜けなのか、大物なのか…調子を狂わせてくれるわね」
マリー(ボーメイン)「オニイサマ・・・ZZ」
邪ンヌ(ライネット)「…ZZ」
35: 以下、
ぐだ子「それにしても、随分とカラフルな土地柄なのね。赤の騎士と赤騎士とか紛らわしいし。」
マシュ「ただ、最初の黒の騎士以外の騎士たちは、どうやらボーメインに感服し、友好的になったようですね。」
ぐだ男「うん。この藍色の騎士にいたっては、自分の娘をボーメインと結婚させようと
 夜這いさせようとしてるしね。ボーメインの方は紳士的に手を出さなかったみたいだけど。」
ぐだ子「うへー、…そんなエピソードがあったら、実はボーメインは、女の子だったとかネタにされちゃいそうじゃない!」
ぐだ男「まっさか?。ともかく二人は出発し、危険の城に向かいます。そこで彼らが見たものは恐るべき光景でした。」
36: 以下、
===危険の城===========
マリー(ボーメイン)「これは!」
邪ンヌ(ライネット)「なんて、ひどい…!」
オリオン(朽ち果てた騎士)「ウーン。」
オリオン?(かわりはてた騎士)「クーン。」
オリオンなの?(無残な騎士)「…ヒドイ。」
ぐだ男「そう、危険の城を解放せんと赤騎士に挑み、そして敗れた騎士たちの屍が無残にも
 木々に吊るされ、辱められていたのです。」
37: 以下、
マリー(ボーメイン)「こんな行い!許せないわ!」
ぐだ男「ボーメインは、怒りに燃え、危険の城に挑もうとします。すると囲みの近くに生えている木に、角笛が
 かけられているのを見つけました。」
邪ンヌ(ライネット)「…あの角笛、おそらく敵襲を知らせるためのものでなくて?」
マリー(ボーメイン)「あれを吹けば、きっと赤騎士を誘いだすことができるわね。」
邪ンヌ(ライネット)「待ってボーメイン。今はまだちょうど日も昇るころ、赤騎士の力が
   発揮できなくなる日暮れまで待つべきよ。」
マリー(ボーメイン)「いえ、そうはいかないわ」パフパフー!
ぐだ男「ライネットは制止しますが、ボーメインは一刻も早く危険の城を救いたいのか、
 あるいは正々堂々と赤騎士と決着をつけたいのか、角笛をすぐに吹いてしまいます。すると、包囲陣営から、全身赤ずくめの
 騎士があらわれました。」
38: 以下、
クーフーリンオルタ(?)「…なんだ、なにものだ。」
マリー(ボーメイン)「私は貴方の暴虐を止める者よ。赤い国の赤騎士よ、なぜこのような非道を重ねるの!
   どれほどの力を誇っても、そんな残虐な男に靡くような女性はどこにもいないわよ!」
オルタニキ(赤騎士)「ふん。そもそもあの女城主が目的ではない…が、どうやら円卓の騎士を呼び寄せる
   ことも叶わなかったか。」
マリー(ボーメイン)「なにを!えーい!!」ヴゥン
オルタニキ(赤騎士)「フン!」バキッ
マリー(ボーメイン)(この騎士…強い!)
ぐだ男「ここまで、快進撃を続けてきたボーメインでしたが、赤騎士は今までの相手とは比べられないほどの力を
 ほこり、ボーメインは苦戦を強いられます。」
39: 以下、
マリー(ボーメイン)「ハァ、ハァ、さすがに強いのね。」
オルタニキ(赤騎士)「多少はやるようだな。お前をこの場でお前を屠り、その亡骸を辱めてやれば、
   今度こそあの騎士たちをおびき寄せることができそうだ。」シュッ
マリー(ボーメイン)「させないわ!」ヴュン
邪ンヌ(ライネット)「…」
邪ンヌ(ライネット)「だから、だから言ったのに、いくら幸運が重なってここまでこれたとしても、
   あの恐るべき騎士にかなう訳がないのに…」
邪ンヌ(ライネット)「こんな…こんな…」
邪ンヌ(ライネット)「…ギリッ」
ぐだ男「ライネットが固唾をのんで見守る中…ボーメインと赤騎士の一進一退の攻防が続きます。
 そして、その膠着状態の中、ふいにその均衡が破られました」
40: 以下、
邪ンヌ(ライネット)「…しっかりなさい、ボーメイン卿!!」
オルタニキ(赤騎士)「!?」
マリー(ボーメイン)「ライネット!」
邪ンヌ(ライネット)「厨房の下男にすぎないくせに、貴方は私に約束したでしょう!
   必ず姉さんを救ってくれると!あれを見なさい!」
ぐだ男「ライネットが指さす先…危険の城の窓辺で、一人の美しい女性が涙を浮かべ祈りをささげていたのです。」
ジャンヌ(?)「…」
マリー(ボーメイン)「あのご婦人が、あなたの姉の…」
邪ンヌ(ライネット)「ライオネス姉さんよ。ボーメイン卿、いくら大きな偶然や幸運と私の助力に恵まれたとはいえ、
   私たちは姉さんを救いにここまで来れたわよね。今更私との約束と、姉さんの祈りを
   裏切るようなこと、私は死んでも許さないわよ!さぁ、勝ちなさい!!」
41: 以下、
ぐだ男「今まで、ずっと自分に悪態をついていたライネットは決戦の場において、とうとうボーメインを認め、
 檄を飛ばします。乙女の応援と、婦人の祈りが、ボーメインにさらなる力を呼び起こしました。」
マリー(ボーメイン)「ええ、今こそ、ライネット、貴方との約束を果たします。さぁ、赤騎士よ覚悟いいわね!」
オルタニキ(赤騎士)「…この力は!」
マリー(ボーメイン)「さんざめく花のように、陽のように!」ギロチンブレイカー!!
オルタニキ(赤騎士)「ぐあぁああああ!」
ぐだ男「二人の思いを込めた一撃により、とうとうボーメインは赤騎士との闘いに勝利しました。」
ぐだ子「というより長時間戦って、時間経過で赤騎士の7倍期間が切れたんじゃないの?」
マシュ「先輩!それは言わないお約束です!」
42: 以下、
オルタニキ(赤騎士)「…何故とどめをささない。」
マリー(ボーメイン)「赤騎士さん。これほどの力を持つ騎士が一体なんのために、
   このような所業をなしたのか、私はそれを知らなければならないわ。
   お願い。どうか話してくださいな。」
オルタニキ(赤騎士)「…いいだろう。」
==========================
水着スカサハ(?)「?♪」
オルタニキ(赤騎士)「なんのようだ?湖の乙女よ。俺を呼び出して。」チッ
43: 以下、
水着スカサハ(湖の乙女)「ああ、アイアンサイド卿。お前は私を『あ・い・し・て』いるだろう?」ニマー
オルタニキ(赤騎士)「あぁん?」ブチッ
ドバキッ
水着スカサハ(湖の乙女)「愛しているだろう?」グッ(拳ニギリー)
オルタニキ(赤騎士)「…だったら、どーした?」イライラ
水着スカサハ(湖の乙女)「これを見ろ!アイアンサイド。」サッ
メイヴ(?) 「…チーン(槍にハリネズミにされている)」
水着メイヴ(?)「…アノアマ(同上)」
44: 以下、
オルタニキ(赤騎士)「…なんだ。その無残な死体は。」
水着スカサハ(湖の乙女)「こいつらは私の親族なのだが、見ての通りこのように殺されてしまったのだ。(ぽいっ)
    そして、この残虐な手口、どう考えても円卓の騎士ガウェイン卿か、ランスロット卿の仕業に
    違いないだろう。」トイウコトニシテオケ
オルタニキ(赤騎士)「…それを俺に告げて、お前は俺に何を望む?」
水着スカサハ(湖の乙女)「はっはっは。(ぽい)皆まで言わせてくれるなアイアンサイド。当然お前は愛する私の敵討ちのために、
    あの円卓の騎士ガウェイン卿か、ランスロット卿と命をかけて戦って、
    奴らを討ち取ってくれるのだろう?」
オルタニキ(赤騎士)「…」
水着スカサハ(湖の乙女)「どうした黙って?私のために命がけで戦えることがうれしくて
    照れているのか?カワイイヤツメ。」
ぐだ男「そう。赤騎士の真の目的は愛する湖の乙女の仇討のため、円卓の騎士を呼び寄せ討ち取ることだったのです!」
45: 以下、
オルタニキ(赤騎士)「…というわけで俺は年齢不詳の妖怪ババア…じゃなくて、湖の乙女から、
   騎士を討ち取り彼らの亡骸を辱める度に強くなるという呪い…もとい祝福を
   賜った。これが、俺の日中7倍といわれる力の秘密だ。」
マリー(ボーメイン)「なるほど、危険の城を包囲したのも、あの兄弟達が貴方に協力したのも、円卓の騎士を
   呼び寄せるためだったのね。」
邪ンヌ(ライネット)「そのために、姉さんを苦しめて…」
マリー(ボーメイン)「赤騎士さん。遺恨があるというのなら、キャメロットのガウェイン卿とランスロット卿に、
   まず話し合いにいくべきだったわ。彼らは素晴らしい騎士。必ず真相を話してくれるはずよ。」
オルタニキ(赤騎士)「…かもな。だが今や詮無き事。さっさと[ピーーー]がいい。」
46: 以下、
マリー(ボーメイン)「いえ、今からでも遅くないわ!キャメロットにお行きなさい。
   そして、今回のことと、真相を本人からお聞きなさい。」
   
オルタニキ(赤騎士)「なに?これほどの殺戮をした俺をお前は許すというのか?」
マリー(ボーメイン)「許すのではありません。私は貴方の話を聞いて、真実を知ったわ。
   だから貴方もまた、彼らから話を聞いて真実を知るべきよ。
   すべての処遇は、真実が明らかになってからでなければならないわ。」
オルタニキ(赤騎士)「いいだろう。俺はお前に敗れた身だから従おう。だが、一つだけ教えてくれ。」
マリー(ボーメイン)「はい?」
オルタニキ(赤騎士)「俺は、赤の国の赤騎士、アイアンサイド。どうか、俺を倒した貴方の名前を教えてくれ。」
マリー(ボーメイン)「そうね…いいでしょう。」
47: 以下、
マリー(ボーメイン)「私の名は、ガレス。」
マリー(ガレス)「今は亡きオークニーのロット王の息子、ガレスというわ。」
オルタニキ(赤騎士)「なんだと!あの、偉大なるロット王の…!」
邪ンヌ(ライネット)「ロ、ロット王ですって!?ボーメイン、なんでずっと黙っていたの!?」
マリー(ガレス)「…フフ。そうね、だって私のこととなると、
   皆枕言葉にまずお父様がついてしまうのですもの。」
マシュ「そう!ボーメインとは、あのガウェイン卿の弟の、ガレス卿だったんですね。」
ぐだ子「ガレス?どっかで聞いたような…」
ぐだ男「確かベディがちゃん付けで読んでなかったっけ。」
ぐだ子「そういえばそれっぽい子にどこかで会ったような…ちなみにロット王って、もう亡くなっているの?」
マシュ「はい。伝説によってはアーサー王のよき協力者になるロット王ですが、
 アーサー王の死の中では、ある理由によって反アーサー王の鬼となり、ペリノア王に
 討ち取られたとされています。」
48: 以下、
ぐだ男「こうして、赤騎士は、キャメロットに赴き、直接ガウェイン卿と、ランスロット卿と話し合います。
 円卓の騎士たちが、どのような真相を語ったのかは記されておりませんが、赤騎士は二人の話に驚愕し、
 逆恨みをしたことを詫びます。」
======キャメロット===========
オルタニキ(赤騎士)「アーサー王よ、俺は貴方の騎士に敗れた身。今後は貴方に剣を預け王と、その配下の騎士のために
   戦うことを約束しよう。」
アルトリア「アイアンサイド卿よ。その荒ぶる心を抑え、正義のために力をふるうと誓うのならば、
  我々は卿と、卿の配下のものたちを歓迎しましょう。」
ベデヴィエール「あ、あの赤騎士が、我が王に平服するとは」
アグラヴェイン「…まったく、たいしたものだな。」
ガウェイン(お見事ですね。まさかこれほどとは。)
ランスロット(ああ。)
49: 以下、
49
ぐだ男「こうして、赤騎士達、ガレスに敗れた騎士たちは今後はキャメロットの恭順し、
 アーサー王もまた、快く受け入れたのでした、と…」
ぐだ子「えーっと、黒の騎士は死んじゃったけど、他に緑の騎士と赤の騎士、それに藍色の騎士が仲間になって…
 大手柄じゃない。」
マシュ「ええ、騎士たちの配下や領土もそのままキャメロットが併合されるわけですから、素晴らしい功績ですね。」
ぐだ子「でも、まだボーメインが何者か、アーサー王や皆は知らないのね。」
マシュ「ランスロット卿だけは、実は騎士に任命する際に教えてもらったそうですが、それでもガレスのために
 秘匿しているようですね。」
ぐだ男「読む限りだとガウェインも気をつかっているから、内心気づいてそうだけどね。
 …そしてとうとうボーメインの正体を知る人物が、キャメロットを現れました。」
50: 以下、
===キャメロット========
アルトリア「只者ではない、ということは一目見てわかりましたが、まさかこれほどの活躍をしてくれるとは
  いささか驚きですね。」
ガウェイン「全くですね。実に喜ばしいことです。ねぇ?ガヘリス卿、アグラウェイン卿。」
サンソン(ガヘリス)「ん?まぁ確かにすごいことだが」
アグラウェイン「その口ぶり。もしやガウェイン、卿はあのボーメインが何者なのか知っているのか?」
ガウェイン「…貴方たち、ひょっとしてガチで気づいていないのですか?彼は…」
ベデヴィエール「た、たた大変です。我が王!」
アルトリア「どうしました、ベデヴィエール卿。騎士がそのように慌てたら、周囲の者まで
  動揺してしまいますよ」
ベデヴィエール「失礼、では申し上げます。オークーニーのロット王妃が、我が王にお会いしたいとおいでです!」
アグラウェイン「なっ!?」
アルトリア「なんだと!?すぐにもてなしなさい、丁重に!」
51: 以下、
====謁見の間===========
ぐだ男「ロット王妃は、それはそれは美しいご婦人でした。」
酒呑童子(?)「?♪」
アルトリア「…」
円卓の騎士's「…ゴクリ」
酒呑童子(?)「久しぶりやなぁ。アーサー。」
アルトリア「お久しぶりです姉上。ご機嫌麗しゅう。」
52: 以下、
酒呑童子(?)「そんな固くならんとき。姉弟なんやから、もっとざっくばらんになぁ?(ふー)」
アルジュナ(?)「…ぐ、ぐはぁ!」
金時(?)「兄弟!?」
カルナ(?)「あんちゃん!?」
アルジュナ(?)「…じゃ、弱体無効が無ければ魅了だった…」
金時(?)「…あいつが、ロット王妃のモルゴースか。」
53: 以下、
ぐだ子「あれ?ガウェイン達のお母さんってモルガンって名前じゃないの?」
マシュ「アーサー王の死では、アーサー王には3人の異母姉。モルゴース、エレイン、モルガンがいることになっており、
 長女のモルゴースがロット王妃になっています。とても美しい女性であり、
 その気がなくても男性を魅了し、骨抜きにしてしまうほどだったそうです。」
ぐだ子「エッチな割に押しが弱そう…うーんなるほど。それで、モルガンとモルゴースは一緒くたにされたり
 するってこと?」
マシュ「伝説によっては混同されます。しかし、モルゴースの名前の語源は『オークーニーのモルガン』だという
 説もあるため、彼女はモルガンから派生して誕生した、ともいわれているようですね。」
ぐだ男「そこはなんか鶏と卵な気もしてくるね。」
54: 以下、
アルジュナ(?)「聞きしに勝る美しさ…だが気をしっかり持たねば、
   心身とも溶かされる…そんな鬼気迫る恐ろしさまで感じさせますね。」
金時(?)「おい、しっかりしろ兄弟。なんせあの兄弟達の母上だ。おっかない奴に違いねえぞ。」
アルトリア「それで、今日はなぜわざわざこのキャメロットに?」
酒呑童子(モルゴース)「ああ、うちの息子、ガレスのことよ」
ガウェイン「…」
サンソン(ガヘリス)「!」
アグラヴェイン「ま、まさか…」
55: 以下、
酒呑童子(モルゴース)「ガレスがなぁ、お兄様たちみたいな立派な騎士になるゆーて
   聞かんもんやからなぁ、うちも涙を呑んで送り出したんやけど…」
アルトリア「もしや…」
酒呑童子(モルゴース)「聞いた話ではまる一年も、厨房の下働きでこき使ってくれたんかい!一体どういう了見や!」
アルトリア「そうか異父姉上。彼は貴方の息子だったのですね。」
ぐだ子「ここで、ネタ晴らし!」
マシュ「はい。特に彼の兄たちは驚いたでしょうね。」
56: 以下、
酒呑童子(モルゴース)「そして、そこの小僧ども!」
ガウェイン「はい。」
サンソン(ガヘリス)「う。」
アグラヴェイン「むむ。」
酒呑童子(モルゴース)「一年も一緒にいて、あの子が自分の弟だって気づきもしなかったんかい?」
アグラウェイン「え、ええ。しかし母上。最後にガレスと私たちがあったのはもう随分と昔で…」
酒呑童子(モルゴース)「…そうよなぁ。なんせあんたらが弟に出仕してからこの12年間一度も、
   オークーニーに顔を見せにすら来んかったもんなぁ!?」
アグラヴェイン「そ、それは(ギクッ)」
酒呑童子(モルゴース)「あー。こんな息子たちに嫌われてもうて、うち悲しいわぁ。(はぁ?)」
円卓の騎士's「うぐあっ(魅了)」
57: 以下、
ガウェイン「…ええ、母上。確かに我が王に仕えてから、私たちはオークーニーに戻りませんでした。
  しかし、それは母上がオークーニーの地を立派に治めてくれていたからです。」
サンソン(ガヘリス)「我々が王のために力を尽くすことができているのも、
   母上に故郷を安心して任せていられているからにほかなりません。」
アグラヴェイン「そこはその…感謝しておりますとも(ボソッ)」
ぐだ子「…あれ、意外と親子仲っていいの?これ」
マシュ「アーサー王の異父姉、モルガンは邪悪な魔女として描かれていますが、モルゴースは過去にひと悶着あったとはいえ、
 アーサー王と比較的友好関係だったようですね。ガウェイン卿達もこの場では母親との再会を素直に喜んでおり、
 親子仲は悪くなかったみたいですね。…少なくともこの時点では。」
58: 以下、
酒呑童子(モルゴース)「全く、口ばっかり達者になって…本当に、ちゃんと役に立ってるんやろなぁ?」
アルトリア「ええ、彼らには何時も助けられております。」
ガウェイン「そして母上、一つ伺いたいのですが、母上がガレスを送り出すとき、どのような準備をされましたか?」
酒呑童子(モルゴース)「そりゃあもう、今は亡きあの人に恥じないよう、金銀財宝土産にさせて…」
ガウェイン「ははは、そうでしょうね。しかし、あの子がここを訪れたとき、彼はとてもそのような姿で
  はありませんでした。ぼろぼろのように疲弊し、従者の肩をたよりやっとのことで辿り着いたような風体でした。」
酒呑童子(モルゴース)「なんやって?…それじゃあの子は。」
59: 以下、
サンソン(ガヘリス)「金遣いが悪く、あっという間に散財してしまったか!」
アグラヴェイン「いや、人の好さが災いしてだまし取られてしまったのかもしれん!」
ガウェイン「君たち、ちょっと黙ってなさい。」
アルトリア「彼は、自分の身分も、素性も頼りにせず、あくまで独力で円卓の騎士になりたかったんでしょうね。」
ぐだ男「このように事の真相は、ガレス卿がオークニーの王子であるとい素性に頼らず騎士に
 なろうとしたからだ。とモルゴースは悟ります。」
60: 以下、
ぐだ子「ケイやランスロットと戦うとき武装してたけど、必要なものはお母さんが実は用意していたのね。」
マシュ「他の兄たちがアーサー王に仕えてしまったため、モルゴースはとくに手元に残ったガレスを
 特に溺愛していたといわれています。だからこそ、過保護な母親から自立したいという思いも
 ガレスにはあったのかもしれませんね。」
酒呑童子(モルゴース)「ほんに、あの子らしいけど…少しはうちの気持ちをくんでくれてもええのになぁ。」
アルトリア「…姉上。」
ぐだ男「ここで聡明なアーサー王はなぜ今頃になって、異父姉が自分のもとを訪れたのか察します。
 そう、彼女は大きな手柄を上げ、今まさに円卓の一員として認められ祝福されようとする
 ガレスを一目見るためにわざわざキャメロットにやってきたのでした。」
アルトリア「…このように、私たちは、ガレスの意思を尊重しその通りに扱い、ガレスもまたそれに応えてくれました。
  そして、ついに冒険をやりとげ、今まさに我々は、彼を再び迎え入れようとしているところです。」
61: 以下、
ベディヴィエール「そうですね。そしてガレス卿が来てから今日まで、彼を不当に扱おうとしたものはこのキャメロットに
   ただ一人しかおりません。」
ランスロット「うむ。ケイ卿だけだな。」
ガウェイン「ケイ卿だけです。」
サンソン(ガヘリス)「ケイ卿だけか。」
アグラヴェイン「ケイ卿だけだな。」
アルトリア「ケイ卿だけですね。」
イアソン(ケイ)「え?」
酒呑童子(モルゴース)「…」
イアソン(ケイ)「ちょ、ちょっと待てお前たち!」
酒呑童子(モルゴース)「…その話。ゆっくりうちに聞かせてくれる?(ニマー)」
イアソン(ケイ)「おっ、お助けー!」ダダダ
酒呑童子(モルゴース)「にがさへんよぉ?」シュ
62: 以下、
62
ランスロット「さぁ、ケイ卿が時間を稼いでいる間に、急いでガレスをキャメロットに呼び寄せよう!」
アルトリア「時間が惜しい。ここは私が直接危険の城に行く!」
===危険の城=======
ジャンヌ(ライオネス)「ガレス卿ですか?新しい冒険の旅に出かけましたよ?」
アルトリア「なんですって?」
63: 以下、
ぐだ男「実は、アイアンサイド卿がキャメロットに向かっている間、危険の城でもひと悶着あったのです。」
==危険の城===========
邪ンヌ(ライネット)「駄目です。認めません。」
マリー(ガレス)「何故です?私はこのために、冒険をやりとげのよ?」」
ジャンヌ(ライオネス)「ライネット。あなたは私たちの結婚を許さないというのですか!」
邪ンヌ(ライネット)「たぐいまれな幸運と私の力添えがあったとはいえ、確かにガレス、あなたは私の姉を救ってくれました。
   しかしだからといってすぐに結婚するというのは時期尚早です。いきなりすぎます。よくないです。」
ぐだ男「危険の城が解放されたあと、ガレスとライネットは、自分達の従者や、弟を通じて探りを入れあい、
 お互いの素性、気持ちを確かめ合います。しかし、それでもすぐに結婚するのは早すぎないか、という結論になっていしまいました。」
64: 以下、
マリー(ガレス)「でも私たち、相思相愛よ?」
ジャンヌ(ライオネス)「相思相愛ですよ。」
邪ンヌ(ライネット)「いいガレス。そもそも貴方は姉と結婚するには若いです。若すぎます。今はよくてもいずれ心が変わるかもしれないわ。
   たとえば、自分にはもっと年齢相応の、若い乙女が似合うんじゃないか?とか…」
マリー(ガレス)「?」
ジャンヌ(ライオネス)「?」
邪ンヌ(ライネット)「と、ともかく、まずは健全なお付き合いから始めるべきです!結婚をするのはそれからでも遅くはないでしょう!」
65: 以下、
マリー(ガレス)・ジャンヌ(ライオネス)「「はーい」」バタン
邪ンヌ(ライネット)「…まったく、なによ、あんなにデレデレしちゃってはしたない。ずっと
   貴方を支えていたのは、誰だと思ってるのよ(ブツブツ)」
サンタリリィ(?)「支えていた?ずっと罵倒してたの間違いじゃないですか?」
邪ンヌ(ライネット)「…うるさいわねグリンガモー!生意気な弟よ。…これはそうね、
   あのドラ〇エ5に例えれば、ビア○カじゃなくて、フロー〇を初回プレイで
   選ぶような暴挙よ!全く信じられないわ!」
サンタリリィ(グリンガモー)「でも、それがガレスさんの旅の目的だったのですよ?」ロンパデス!
邪ンヌ(ライネット)「ぐぬぬ」
66: 以下、
ジャンヌ(ライオネス)「では、まずは健全にお茶でもしましょうか。」トクトク
マリー(ガレス)「ええ、いい考えね。」ズズー
ジャンヌ(ライオネス)「…」
マリー(ガレス)「…」
ジャンヌ(ライオネス)「…ドキドキ」
マリー(ガレス)「…ドキドキ」
ジャンヌ(ライオネス)「…ガレス?」
マリー(ガレス)「…ライオネス?」そー
67: 以下、
邪ンヌ(ライネット)「なにをふしだらな!!我が騎士よ!やっておしまいなさい!」
剣ジル(騎士)「エッチなのはいけませんぞー」ジャーン
マリー(ガレス)「…きゃあ!」スパーン!(騎士の首をはねる)
=====夜===============
ジャンヌ(ライオネス)「やれやれ、昼間にはひどい目にあいましたね。今日は休みましょうか。」(寝室に引っ込む)
マリー(ガレス)「ええ、おやすみなさい。」
マリー(ガレス)「…ドキドキ」
キィー(寝室のドアの開く音)
68: 以下、
マリー(ガレス)「…ライオネス、少しいいかしら?」ヨバーイ…
ジャンヌ(ライオネス)「ああ、ガレス!来てくれたのね!」
邪ンヌ(ライネット)「破廉恥です!!我が騎士よ!今度こそ懲らしめてやりなさい!!」
術ジル(騎士)「婚前交渉はよくないですぞー」ジャーン
マリー(ガレス)「…きゃあ!」スパーン!(騎士の首をはねる)
ぐだ男「こうして、二人は結婚を先延ばしにします。そして、結婚するまでの間二人が貞淑であるように
 ライネットは気をつかい、淫らなことをしないように配下の騎士をけしかけ、二人の貞節を守るのでした。」
ぐだ子「ひどいツンデレね。騎士たち首をはねられてるし。」
マシュ「はい、しかしこの騎士たちは、ライネットが治療をすると、すぐに息を吹き返します。
 ライネットもまた、すごい癒し手か、あるいは魔術師のようですね。」
69: 以下、
ぐだ男「そして、エッチなことをしようとする度にライネットが邪魔してくるものだから、
 ガレスは欲求不満を晴らすために冒険に出てしまっていたのでした。」
===危険の城=======
アルトリア「それは、困ったことになりました。このままではケイ卿が骨抜きにされてしまう…。」
ジャンヌ(ライオネス)「陛下。ガレスを危険の城に呼び寄せるなら、いい方法がありますわ。
   ただ、そのために陛下の力をお借りしたいのですが…」
アルトリア「お聞かせいただきましょう。」
ジャンヌ(ライオネス)「はい。実は…」
70: 以下、
====キャメロット===============
ベデヴィエール「なるほど、ライオネス婦人は危険の城がアーサー王の支配下になったことを記念して、
  槍試合を執り行いたいということですか。」
ランスロット「そして婦人はその優勝者と結婚をするつもりである…と。」
アグラウェイン「なるほど、それならばブリテンのどこにいたとしてもガレスは
  これを聞きつけ、危険の城に戻ってくるでしょうな。」
アルトリア「ガレスの活躍により、多くの騎士が仲間になった。彼らの実力を測り、
  また円卓の力を周囲に示すよい機会になるでしょう。」
ぐだ子「槍試合ってなに?」
マシュ「槍試合とは、騎士たちが武芸を示しあう中世騎士社会におけるビッグイベントですね。
 優勝者は素晴らしい武具を賞品にもらったり、あるいは今回のように高貴な身分の女性と婚姻を結んだりして、
 貴族達と血縁を結んだりしたそうです。名誉と地位を得るための大チャンスで、多くの騎士たちが
 命をかけて競い合ったといわれています。」
71: 以下、
アルトリア「よって、相応のメンバーを揃えたいところです。我が甥達よ、参加してくれるか?」
サンソン(ガヘリス)「いいとも。」
アグラヴェイン「無論です。」
アルトリア「それと、ガウェイン。もし、既婚者が優勝した場合には優勝者の奥方に対して、素晴らしい賞品を用意
  されているそうだ。安心して妻のために奮闘してくれ。」
ガウェイン「勿論です。我が王のため(強調)、全身全霊を尽くします。」
アルトリア「…」
ぐだ子「ガウェインって妻帯者なんだっけ。」
ぐだ男「確かラグネルって女性と結婚してたって。」
マシュ「そうですね、アーサー王の死において、ガウェイン卿のお子さんも登場してますよ。
 ただその子たちのお母さん、どうもラグネルじゃないらしいんですけどね。」
ぐだ子「へー…結構やるのね。ガウェインも」
72: 以下、
アルトリア「それと、若手にも活躍してもらいたいな。ド・ゲール兄弟!
  貴公らも武勇も示してもらおうか。」
金時(ラモラック・ド・ゲール)「おう!任せてくれ大将!」
カルナ(パーシヴァル・ド・ゲール)「命令とあれば。」
ぐだ男「槍試合のため、まず、アーサー王の甥であるガウェイン卿、ガヘリス卿、アグラウェイン卿が名乗りをあげます。
 そして、若いながらも優れた武勇をもつ、ド・ゲール兄弟などが、出場することとなりました。」
ぐだ子「流石によく知らない人たちもいるわね。まずガヘリスってのは?サンソンなのはマリーのつながり?」
マシュ「ガヘリス卿は、ガウェイン卿の弟騎士ですね。ガヘリス卿は優れた騎士ですが、
 一方で政敵の排除のために非道な手段も辞さない苛烈な面もあったようです。
 サンソンさんがイメージなのも、そのようなところからでないでしょうか。」
ぐだ男「うーん。はっきり言ってしまうと、無防備な女性の首を刎ねるのがうまそうな気がする。」
マシュ「先輩!」
73: 以下、
ぐだ子「あとド・ゲール兄弟っていうラモラックとパーシヴァル。パーシヴァルは聞いたような気がするけど。」
マシュ「このお二人はペリノア王の息子とされています。お兄さんの赤の盾の騎士ラモラック卿は、若いながらもランスロット卿や
 トリスタン卿と並び評された、円卓最強と呼ばれる騎士のおひとりだそうですね。」
ぐだ男「のわりには、聞いたことないなぁ。」
マシュ「ええ…実はこのラモラック卿、若さ故のおごりか、かなり傲岸不遜な面があったようでランスロット卿や
 トリスタン卿など、多くの騎士と衝突を繰り返したそうです。しかし乱暴ですが根は正義感の強い人柄で、
 最終的には多くの騎士と友情をつちかっていくことが伝説に記るされています。」
ぐだ子「なるほど、ちょっと幼い腕白ヒーローってことね。んで、パーシヴァルが彼の弟なのね。
 配役がカルナなら、とっても高潔な騎士に違いなさそうね。」
74: 以下、
マシュ「そうですね、弟さんの聖杯の騎士パーシヴァル卿も、円卓の騎士の中で特に素晴らしい騎士とされています。
 ただ、彼は他の騎士達とちょっと変わった経歴があるようです。」
ぐだ男「経歴?」
マシュ「はい。実はパーシヴァル卿のお母さんは、夫のペリノア王や子のラモラック卿が、いずれ謀殺されるであろうと
 予期していたんです。」
ぐだ男・ぐだ子「「え」」
マシュ「パーシヴァルまで毒牙にかかってしまってはいけない、と判断した賢母の計らいにより、
 幼少期は騎士社会から匿われ、野山を駆け巡ってパーシヴァル卿は育ちました。
 そして後に聖杯探索において重要な役割を担うことになります。」
ぐだ男・ぐだ子「「ひどいネタバレを聞いた気がする。」」
75: 以下、
=============
アルトリア「さて、あとのメンバーとしては…」
フィン(?)「はっはっは、お困りかなアーサー!」
アルトリア「ユーリエンス王ではありませんか。」
フィン(ユーリエンス)「話は全てわかっているよアーサー。槍試合を行うのだろう?
   それならば、このユーリエンスもまた、一騎士として参加しようじゃないか!」
アルトリア「…よろしいのですか?」
フィン(ユーリエンス)「当然だ。かのアーサー王のもとに、このユーリエンス王あり!
   それを内外に示す絶好の機会!さぁ、輝いてしまおうか!!」
ディルムッド(?)「申し訳ありません。陛下。我が王がこのような…」
アルトリア「いえ、願ってもないことですよ。アコロン。」
ディルムッド(アコロン)「ありがたきお言葉です。」
76: 以下、
ぐだ子「他の参加者に…王様?アーサー王の他にも王様っているの?」
マシュ「ユーリエンス王は、ゴールの地を治める王と言われています。最初はアーサー王をブリテンの主と認めず、
 他の諸侯たちと結託してアーサー王を苦しめたといわれています。
 しかし、戦ううちにアーサー王の力量を認め、アーサー王側に鞍替えしたそうですね。」
ぐだ子「へぇ、随分としたたかなひとね。」
ぐだ男「王を名乗ってるのは、日本的に言えば、大名織田信長に従属している別の大名徳川家康、みたいな感じなのかな?」
マシュ「うーん。ニュアンス的にはどうなんでしょうか?ただ、ユーリエンス王が、アーサー王から信頼されていたのは
 確かなようです。実は、このユーリエンス王、あの妖姫モルガンの夫なのです。」
ぐだ子「つまり、アーサー王のお義兄さん。」
マシュ「はい、ご存じモルガンは、アーサー王を憎んでいるため、様々ないじわるをして王を苦しめます。
 そのため、息子のユーウェイン卿は、とばっちりのようにアーサー王に罰せられたりもしますが、
 ユーリエンス王に対しては、特にそのようなことをしなかったそうです。」
77: 以下、
ぐだ子「記述がないだけかもしれないけど…それで、アコロンってのは?」
マシュ「アコロン卿はゴールの騎士です。よって厳密には円卓の騎士でありません。
 しかし、それでもアーサーの覚えのよい騎士だったようですね。」
ぐだ男「つまり、太閤豊臣秀吉(アーサー)と、戦国大名上杉景勝(ユーウェイン)、そして執政官直江兼続(アコロン)の関係・・・!」
マシュ「…か、どうかはわかりませんが、アコロン卿はとても心の優しい騎士だったそうです。
 アーサーを憎む妖妃モルガンと、アーサーを信頼する王ユーリエンス。
 二人の関係は冷え切ってしまっており、アコロン卿はそれをなんとかしようと努力し、
 特に心をいためているモルガンを献身的に、心身ともに支えていたそうです。」
ぐだ子「そう。つまりモルガンの愛人なのね。」
マシュ「…ええ、そうともいいます。」
ぐだ男「ぶっちゃけ、この配役だと嫌いな妻を腹心の部下に押し付けてるようにすら見える。」
78: 以下、
==================
アルトリア「ふむ、大体メンバーが決まってきましたね。そうだ、ランスロット卿はどうです?」
ランスロット「…申し訳ありませんが、この試合、優勝するほどの活躍は私には…
  (もし、優勝してしまったらライオネス婦人と結婚することになってしまう。
  しかし、私には愛するあの方が・・・)」
アルトリア「!ああ、そういうことですか。」
ランスロット「ぎくっ」
ぐだ子「…そっか、ランスロットはギネヴィア王妃が大好きだから、他の女性と結婚したくないのね。」
マシュ「もし優勝しておいて、結婚を拒否するようなことをすれば、顔に泥を塗ることになりますから。」
79: 以下、
アルトリア「ガレス卿こそ、誰よりもライオネス婦人と結ばれたいと願っているはず。
  卿はそれを邪魔したくないということですね。大丈夫ですよ。
  いつものような活躍をしてくれなくても構いません。
  ただ参加してくれるだけでも私は十分です。」
ランスロット「…ハハハ」
ガウェイン「…」
アグラヴェイン「っち。」
ぐだ子「ぶっちゃけ、王様ってランスロットとギネヴィアの関係、どこまで知ってるんだろう?」
マシュ「…」
80: 以下、
アルトリア「それと、ベデヴィエール卿。」
ベデヴィエール「はい、我が王。槍試合の準備は私にお任せください。
アルトリア「何を言っている?裏方ではなく、貴公にも騎士として出場してほしいのだ。」
ベデヴィエール「な、私のような隻腕の騎士が、この晴れ舞台によろしいのですか?」
アルトリア「そのような舞台で円卓の古参衆が力を見せないでどうするというのです?
  それとも調子がすぐれないのですか?」
ベデヴィエール「いえ王の望みとあらば、私は全身全霊を尽くします!」
ぐだ男「…このように、円卓の騎士のえりすぐりのメンバーが槍試合に出場することになるのでした。」
ぐだ子「なーんだ。ベディったら自分は手柄なんてないって言ってたけど、ちゃんと試合
 とかに選ばれているのね。やるじゃん」
ぐだ男「…まぁ、結果が出るかは別だけど。それと一方危険の城では…と。」
81: 以下、
===危険の城======
邪ンヌ(ライネット)「ちょっと、どういうことよ姉さん!槍試合を行って、しかもその優勝者と結婚するだなんて!」
ジャンヌ(ライオネス)「そのままの意味よ。他にガレスをここにすぐに呼び寄せる方法はないでしょう。」
邪ンヌ(ライネット)「だけど、他の誰かが優勝したらどうするのよ!彼を愛しているのでしょう?
   もしガレスが負けたら…あれ?」
邪ンヌ(ライネット)「そうよ…もし負けたら…」
===妄想==========
ガウェイン「この剣は太陽の現身。あらゆる不浄を清める焔の陽炎…」
ガウェイン「エクスカリバー・ガラティーン!!」ゴォォオ
マリー(ガレス)「きゃあああ!」
アルトリア「見事です。優勝はガウェイン卿です。」
ジャンヌ(ライオネス)「流石ガウェイン卿、素晴らしいです!」
ガウェイン「ははは、これも貴方を思ってのことです。レディ」
82: 以下、
マリー(ガレス)「ああ…負けてしまったわ。…ライオネス行ってしまうのね。(しくしく)」
邪ンヌ(ライネット)「全く、無様ですね。ガレス卿」
マリー(ガレス)「ライネット…貴方も私を笑いにきたの?」
邪ンヌ(ライネット)「ふん、情けなさすぎて、笑う気にもなれないわ。
   ガレス。あなたは確かに苦難を乗り越えて、姉さんを救ってくれました。
   でも、あくまであなたは一つの冒険を乗り越えただけにすぎないわ。
   それなのに、歴戦の騎士たちと渡り合おうなんて、笑止千万。もっての他よ。」
マリー(ガレス)「…そうね。確かに私は天狗になっていたかもしれないわ。」
邪ンヌ(ライネット)「…ただそれでも私は貴方がいずれ、歴戦の騎士をしのぐようになる素質がある
   ってことは認めているわ。」
83: 以下、
マリー(ガレス)「…え?」
邪ンヌ(ライネット)「何よ、ずっと貴方と一緒に冒険をしてきた私の目を疑うというの?」
マリー(ガレス)「いえ、貴方が私をそんなに評価してくれていたなんて、嬉しくて…」
邪ンヌ(ライネット)「調子に乗ってはいけません。貴方はまだまだ半人前で、これから経験を積んでいかねばならないのだから。」
マリー(ガレス)「そうね、もう一度心を改めて、精進することにするわ。立派な騎士になるために。」
邪ンヌ(ライネット)「ええ、そうすべきです。た、ただその、わ、私はまぁ、貴方のことさっき言ったように評価してあげてるわ。
   だ、だから…」
84: 以下、
マリー(ガレス)「…?だから?」
邪ンヌ(ライネット)「わ、わたしは、あ、貴方が本当に立派な騎士になれるように!一緒についていっても…構わないのよ!」
マリー(ガレス)「…ライネット…」
邪ンヌ(ライネット)「何よ!私は、貴方のその、ぱ、パートナーとして不服だっていうの?」
マリー(ガレス)「…そんなことないわライネット!ありがとう。本当に愛すべき人はこんなに、身近にいたなんて
   私は本当に愚かだったわ!!(ぎゅうー)」(抱きつく)
邪ンヌ(ライネット)「そ、そこまで言うなら仕方ありませんね。貴方が本当に素晴らしい騎士に
   なるように、ずっと、ずっと一緒にいてあげるわよ。もう!」ぎゅー
85: 以下、
===妄想終わり=======
邪ンヌ(ライネット)「うえっへっへへ…」
ジャンヌ(ライオネス)(我が妹ながら、考えていることが透けて見えます。)
邪ンヌ(ライネット)「そういうことなら仕方ないわ!さぁ、ブリテン中に、この槍試合の開催を
   知らしめるわよー!」(城から飛び出す)
ジャンヌ(ライオネス)「ふふふ。もう大丈夫のようですよ。ガレス」
ひょい。
マリー(ガレス)「うふふ。計画通りね。これで槍試合で私が優勝できれば、誰にも文句がつけようがなく、
   貴方と結婚できるわね。」
ジャンヌ(ライオネス)「ええ、頑張ってくださいね。ガレス卿」
86: 以下、
ぐだ男「こうして、ガレスとライオネスの思惑通りに槍試合が開催されることとなりました。」
ぐだ子「この槍試合、ガレス達がとっとと結婚するための策謀だったのね。」
マシュ「なかなかライオネス婦人も強かですね。しかし、ライネットが調子にのって宣伝を
 しまくったせいか、この槍試合はブリテン中に知れ渡ってしまいます。」
ぐだ男「そして、いよいよ槍試合が開かれることとなりました…」
87: 以下、
===試合会場==========
ワーワー ギャーギャー
ベディヴィエール「物凄い歓声ですね。一体どれほどの参加者がいるんでしょう。」
子ギル(?)「我々アーサー王の騎士たちと肩を並べて試合をするというだけでも
  これ以上にない名誉になりますからね。
  まして、活躍をすれば円卓の騎士の一員となることも夢ではない。
  ブリテン中の騎士が集っているといっても過言ではないでしょう。」
アーラシュ(?)「観客たちの数もすごいな。ベデヴィエール。空気にのまれず頑張って来いよ!」
アルトリア「ベデヴィエール。期待していますよ。」
ベディヴィエール「はい!頑張ります!」
イアソン(ケイ)「お、おい、古参組からは俺も参加してるからな!」
88: 以下、
フィン(ユーリエンス)「ふむ。絶好の試合日和。私の力を存分に輝かせそうだ。」
マタハリ(?)「はぁーあ。馬鹿々々しい。」
ディルムッド(アコロン)「モルガン様そのようなこと…って、貴方この場面では登場しておりませんよね。」
マタハリ(モルガン)「それなら本来貴方はこの時点では(ピー)じゃない。今更よ。」
ディルムッド(アコロン)「…」
ぐだ子「そういえば、本のその章にのってないわよね?この二人。なんで出てきてるの?」
ぐだ男「…なんでかな?」
89: 以下、
酒呑童子(モルゴース)「本当にガレスは来るんか?」
ガウェイン「間違いありませんね。ライオネス婦人のいる危険の城方に
  ついて我々と戦うことになるでしょう。」
サンソン(ガヘリス)「しかし危険の城の陣営も、すごい数の騎士がひしめいているようだ。」
アグラヴェイン 「先に我らの軍門に下った赤騎士達が中心のはずだが、
   はたしてガレスは、あれだけの騎士の中で名をあげることができるかな?」
酒呑童子(モルゴース)「あの子、槍試合の経験なんてないやろうしねぇ。」
ガウェイン「母上。そこは初陣でこのような大きい試合に臨めるのですから
  冥利につきる、というものですよ。」
ぐだ男「一方、アーサー王の騎士と肩を並べて戦おうと多くの騎士が参陣したように、
 危険の城側にも多くの騎士がはせ参じていたのです。しかもその中には、
 円卓の騎士に匹敵するような騎士も混ざっていました。」
90: 以下、
==危険の城=====================
フェルグス(藍色の騎士)「はっはっは、この盛況ぶり。流石は円卓の騎士ども。
    まさかこれほどの試合に参加できるとはな。」
オルタニキ(赤騎士)「だが、ガレス卿が我々とともにある以上敗北は許されない。必ず勝つ。
   優勝の栄誉を受けるのはガレス卿だ。」
プロトニキ(緑の騎士)「大丈夫だって、なんせガレス卿だけじゃなく、あの有名な騎士もこっちについてくれたからな。
   勿論、俺もガレス卿以外の騎士負けるつもりはねーけどよ。」
キャスニキ(赤の騎士)「まぁ、そういこったな。だが頼りにしてるぜ?先生」
???「…ええ」
トリスタン「お任せください。」
91: 以下、
ぐだ男「そう、その騎士とは、あの名高いコーンウォールのトリスタン卿、そしてサラセン人の王子パロミデス卿が
 危険の城側について試合に参加したのです!」
ぐだ子「えー?トリスタンがなんで危険の城についているの?円卓の騎士でしょ!」
マシュ「はい。ただし、トリスタン卿はもともとコーンウォールのマーク王の甥で、
 この時点ではまだ円卓メンバーにはなっていなかったのですね。」
====ちょい過去=====================
エミヤオルタ(?)「おい、トリストラム。聞いたか?あの話」
トリスタン「危険の城の槍試合の話ですか。パロミデス卿。」
92: 以下、
エミヤオルタ(パロミデス)「そうだ、それでお前も参加するつもりか?」
トリスタン「勿論ですとも。あのアーサー王の騎士と肩を並べて戦えるんですから。」
エミヤオルタ(パロミデス)「そうか。だがトリスタン。ここはあえて危険の城側につくのはどうだ?」
トリスタン「何故ですパロミデス?まさか、自分だけアーサー王の騎士側について、私を槍試合で討ち取ろうという
  つもりですか?」
エミヤオルタ(パロミデス)「ふん。わざわざかのアーサー王の御前でお前と決着をつけるつもりはない。
    俺がいいたいのは、あえて危険の城側について、アーサー王直属の円卓の騎士達を
    倒して見せた方が、より名誉が得られるのではないか?ということだ。」
トリスタン「ふむ。それは確かに…なにより、円卓の騎士と直接戦うというのも、実に面白そうですね!」
93: 以下、
ぐだ子「まーた、濃い騎士が出てきたわね。」
マシュ「円卓騎士パロミデス卿。サラセン人の騎士と言われています。」
ぐだ男「トリスタンのライバルっぽい。」
マシュ「はい。彼らの因縁は、武者修行中のパロミデス卿がコーンウォールを訪れたことから始まります。
 パロミデスは、マーク王の妻であるイゾルデに一目惚れをして、お琴のコーチとしてコーンウォールの宮廷に
 転がりこむそうです。」
ぐだ子「人妻に一目惚れって…どっかで聞いたような気が」
マシュ「そして、レッスンの最中にイゾルデ(人妻)に向けられる情熱的なパロミデスの視線にトリスタンは
 不思議な感情をいただいていきます。そしてその感情が嫉妬に似たものであり、自分もまたイゾルデ(人妻)
 を愛していると気づきます。そして、トリスタンとパロミデスは、イゾルデ(人妻)の恋のライバル同士として
 争うようになり複雑な三角関係に発展し…」
ぐだ子「はい、この話はやめましょう!」
94: 以下、
ぐだ男「トリスタンはもともと別の伝説から、アーサー王の伝説に組み込まれた騎士。
 当然他の騎士とは特別な扱いがされており、彼が登場したことで非常に会場は盛り上がります。」
パツシイ(観客)「見ろよ!あれはコーンウォールのトリスタン卿だ!」
ラヴィニア(観客)「トリストラム卿だわ…!」
トリスタン「ニコッ」(観客に手を振る)
ゲルダ(観客)「きゃー、こっちを向いてくださったわ!」
セルハン(観客)「おい、隣にはあのパロミデス卿までいるじゃねえか!」
ワー ワー
 トーリーカースー! トーリーカースー!
95: 以下、
イアソン(ケイ)「あ、あれはコーンウォールのトリスタン!あいつが危険の城についたってのか?」
ガウェイン「む、予想外のヒーローの登場で、危険の城側が盛り上がっている。これはよくない流れですね。」
ベデヴィエール「…」
ルトリア(ベデヴィエール。期待していますよ。)
ベデヴィエール「…ならば、私が相手になりましょう!いざ勝負!」ダッ
パツシイ(観客)「おい、円卓のベデヴィエール卿がトリスタン卿に仕掛けたぜ!」
ラヴィニア(観客)「い、いよいよ始まりね…!」
ぐだ男「こうして、戦いの口火が切られました。円卓の騎士ベデヴィエール卿が
 トリスタン卿と勝負を始めます。」
96: 以下、
トリスタン「ほう、左片手で大槍を…いや、その右腕はまさか…義手?」ヒョイ
ベデヴィエール「…」キィン
トリスタン「…隻腕の槍闘士!貴方が円卓に名高き、恐るべき膂力のベディヴィアか!」シュッ
ベデヴィエール「!まさか、かの高名なトリスタン卿が、私のことを存じておられるとは」カン
トリスタン「…騎士を志すもので貴方の名を知らぬものなど、このブリテンの地におりますまい!」チャキッ
97: 以下、
ぐだ子「ベディとトリスタンって仲がいいけど、ファーストコンタクトって試合だったんだ!」
マシュ「ファーストコンタクトかどうかはともかく、この槍試合では、戦われたようすね。」
ぐだ男「そして、他の騎士達も戦いをはじめます。」
ガウェイン「ベデヴィエール卿め、やってくれましたね。私たちも遅れはとりませんよ!」
エミヤオルタ(パロミデス)「そうか、ならば俺の相手をしてもらおうか!」バキュン
ガウェイン「なっ貴公は、パロミデス卿か!」ザッ
エミヤオルタ(パロミデス)「アーサー王の甥にして側近中の側近ガウェイン卿。打ち倒せばこれ以上の名誉はあるまい。」ジャキッ
98: 以下、
フェルグス(藍色の騎士)「さてガレス卿の話では、彼を騎士に任じられたのは貴公らしいな。湖の騎士ランスロット卿。」
ランスロット「卿は藍色の騎士、パーサント卿か。」
フェルグス(藍色の騎士)「我らの主が尊敬する騎士、一体どれほどの強さなのだろうな。(ニヤァ)」
ランスロット「いいだろう。円卓の騎士、アーサー王の武をここに示す!」
オルタニキ(赤騎士)「ガレス卿の敵はすべて排除する…が、大物はほとんど戦いをはじめたか。
   おいそこのガキ。お前、力だけなら上位の奴らに匹敵するんだったか?」
金時(ラモラック)「あん?さんざん女の子を泣かせてきたっつーお前にバカにされる筋合いはねぇぞ。
   いっちょ地獄を見ていけや。」ダンッ
99: 以下、
フィン(ユーリエンス)「ふむ、少し出遅れてしまったか…ん?」
ぐだ男「アーサー王の義兄ユーリエンス王は、危険の城側に、一人異彩を放つ騎士がいるのに気がつきます。」
謎の騎士「…」
フィン(ユーリエンス)「わかる。わかるぞ。君は大そうな実力を隠し持っているだろう。
   ちょうどいい、この私が相手になってやろう!」タタッ
謎の騎士「…えーい!」ドーン!
フィン(ユーリエンス)「ぐはっ、なん…だと?」
ぐだ男「そして、ユーリエンス王はその騎士に勝負を挑みますが、なんと簡単に倒されてしまいました!」
100: 以下、
アルトリア「なにっ?」
観客’s「ユ、ユーリエンス王がっ!?」
ディルムッド(アコロン)「わ、我が王!?」
マタハリ(モルガン)「やったー!♪」
パツシイ(観客)「なんてこった、あのユーリエンス王が一発でのされちまったぞ。何者なんだ?」
ラヴィニア(観客)「これは…新しいヒーローの登場だわ。」
ワーワー
マタハリ(モルガン)「ねぇ、見た?見たアコロン?あの無様な負けっぷり。
   よし、あの宿六はここで死んだってことにして、貴方が代わりに…」
ディルムッド(アコロン)「いえ、試合ですから!生きてますから!」
101: 以下、
謎の騎士「…(うふふふ)」
マリー(謎の騎士)「…(作戦成功ね)」
ぐだ男「そう、この謎の騎士こそ、また正体を隠しているガレス卿だったのです。」
===ちょっと前==================
オルタニキ(赤騎士)「ガレス卿。できれば貴方に主将として、槍試合を仕切ってほしいのだが。」
フェルグス(藍色の騎士)「そうだな。卿がわざわざ戦わずとも、我々が手足となり活躍すれば、
    それも立派な貴方の功績になるだろう。」
102: 以下、
マリー(ガレス)「いいえ!私も一人の騎士として戦いたいわ!
   それにまだ私より、オークーニーの王子としての名前の方がずっとずうっと重いのよ。
   だから私はまだ名を伏せて戦わなければならないの。お願い。どうか協力して。」
フェルグス(藍色の騎士)「そこまで言われたら仕方ない。わかった。お好きなように存分に戦われよ。」
マリー(ガレス)「ありがとう、パーサント卿、アイアンサイド卿。
   ではライオネス、私もいってくるわ。」
ジャンヌ(ライオネス)「お待ちになってガレス卿、どうかこの指輪をお持ちになってください。」 アマデウスマスクー
マリー(ガレス)「この指輪は…」
103: 以下、
ジャンヌ(ライオネス)「この指輪には、貴方の正体を秘匿する魔法が込められています。あなたの
   助けになりますよ。」
ぐだ男「ライオネスからもらった魔法の指輪によって、ガレス卿は自分の正体を隠しつつ、
 槍試合に参加していたのでした。」
ぐだ子「ガレスったら、まだ正体を隠してるのね。」
マシュ「はい。それにガレスはキャメロットにお母さんが来ていることもしらないですからね。」
ぐだ男「そして、激しい試合が行われる中、とうとうトリスタン卿と、ベデヴィエール卿の戦いに
 決着がつきました。」
104: 以下、
ベデヴィエール「…私の負け…です。流石はあのトリスタン卿。…お見事…です。」ハァハァ
トリスタン「いえ、私もここまで死を覚悟したのははじめてでした。流石は円卓の騎士、ですね。」フゥ
ぐだ男「トリスタン卿が見事勝利し、お互い讃えあいました。そして、その他の戦いはというと…」
ガウェイン「受けていただく!」ギャン!
エミヤオルタ(パロミデス)「甘いな!」シュリン
ぐだ男「実は、危険の城側に参加した騎士たちもまた、ほとんどが後に円卓の騎士として活躍する勇者ばっかりだったのです。
 そのため、多くの試合でなかなか決着がつかず、拮抗してしまいます。そんな中、危険の城側の謎の騎士、ガレスだけが
 たやすく円卓の騎士達から勝利をつかみ取っていきました。」
105: 以下、
マリー(謎の騎士)「どうかしら?」ドォーン!
ダビデ(?)「うわ、きいたー!」バタリ
ゲルダ(観客)「御覧なさい!あの騎士様、また円卓の騎士を圧倒しましたわ!」
セルハン(観客)「あのメリアガーント卿までああもたやすく倒すとは、こりゃ全く驚きだぜ。」
ワーワー
===アーサー王陣営==========
アルトリア「まずいですね。円卓の騎士が、正体の不明の騎士に立て続けに敗れてしまうとは。
  円卓の沽券に関わります。」
子ギル(?)「どうします?ランスロット卿を呼び戻しますか?」
アーラシュ(?)「…いや、ちょうど今、あの藍色の騎士に勝利して戻ってきたようだな。」
アルトリア「それはちょうどよい。ランスロット卿、お疲れのところ少しよろしいですか?」
106: 以下、
ランスロット「ふむ。あの謎の騎士と戦え…という話ですか?」
アルトリア「そうです。あの凄まじさ、卿ほどの騎士でなければ相手はできないだろう。」
ランスロット「いえ、私の見込みが正しければ、私は、あの騎士と戦うことは許されないでしょう。」
子ギル(?)「…ああ、そういうことですか。」
アーラシュ(?)「なるほど、当初の目的はそうだったな。」
アルトリア「どういうことです?ですが、卿がそういのなら…」
ぐだ子「ひょっとして、王様当初の目的忘れてる?」
マシュ「戦いが熱狂して、ガレスのことはみんなすっかり忘れてしまっているようですね。」
107: 以下、
ぐだ男「そうして、ガレスは多くの円卓の騎士達を倒していきますが、インターバルの際に、あるミスをしてしまいました。」
マリー(謎の騎士)「ふーう。これであと一息ね。」オミズゴクゴク
デオン(従者の小人)「…(我が主は、これほどの活躍をしているのに、誰も主の名前を知らないでいる。
   もう正体を隠す必要もないだろう。)」
デオン(従者の小人)「…よし。」ひょい
ぐだ男「なんと、いつまでも正体を隠す主に、とうとう従者の小人は我慢できなくなり、なんと魔法の指輪を
 とってしまったのです。そうとは知らない、ガレスは競技場に戻ってしまいます。」
マリー(ガレス)「さぁ、もうひと頑張りよ!」
108: 以下、
==観客席==================
パツシイ(観客)「あれ…?さっきまで気づかなかったけど、よくみたらあの騎士、兜になにか書いてあるぜ?」
ラヴィニア(観客)「本当ね。ちっとも気づかなかったけど、何かしら?自分の名前でも書いているのかしら。」
ゲルダ(観客)「えーっと、あれは、が…レ…す?」
セルハン(観客)「ガレス…、ガレスだって!それはあの、オークーニーの王子様の名前じゃねぇか!!」
ワアアアアアアアアアアアアアア!!!
マリー(ガレス)「え、何何?」
ぐだ男「そう、お母さんが用意した兜だったからか、あるいは育ちがよいため自分の持ち物にちゃんと
 名前を書く習慣があったのか…ともかく、なんとガレスの兜には彼の名前が彫られておりました。」
109: 以下、
パツシイ(観客)「すげぇぞ!あの多くの円卓の騎士達を倒していった謎の騎士は!」
ラヴィニア(観客)「ガレス卿よ!」
マリー(ガレス)「え?」
ゲルダ(観客)「自分たちの正体を秘匿する乙女の情報を信じて、冒険に赴く勇気を持ち合わせているという!」
セルハン(観客)「ガレス卿だったのか!」
マリー(ガレス)「ええ?」
アーノルド(観客)「そして、救援を求める城を目指し、敵対勢力の地をものともせず突破したという!」
マーブル(観客)「ガレス卿だったのね!」
マリー(ガレス)「ええええ?」
シドゥリ(観客)「さらに城を救うだけでなく、敵対した騎士たちを説得し、許す寛大さを持つオークーニーの王子である…」
ランドルフ 「ガレス卿というわけか!」
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
マリー(ガレス)「なぜ!なんでばれてるのぉ?」
110: 以下、
パツシイ (観客)「ガーレースー!ガーレースー!」
ラヴィニア(観客)「ガーレースー!ガーレースー!」
ゲルダ (観客)「ガーレースー!ガーレースー!」
セルハン (観客)「ガーレースー!ガーレースー!」
アーノルド(観客)「ガーレースー!ガーレースー!」
マーブル (観客)「ガーレースー!ガーレースー!」
シドゥリ (観客)「ガーレースー!ガーレースー!」
ランドルフ(観客)「ガーレースー!ガーレースー!」
松平伊豆守(観客)「ガーレースー!ガーレースー!」
スルト (観客)「ガーレースー!ガーレースー!」
ワアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
マリー(ガレス)「い、いやぁ、恥ずかしいわ!!」ダダダ
111: 以下、
ぐだ男「正体不明のヒーローがガレス卿とばれてしまい、槍試合は凄まじい盛り上がりと
 なってしまいます。それに驚いたのか、なんとガレスはその場から逃げてしまいました。」
イアソン(ケイ) 「あー、もうめちゃくちゃじゃねぇか!どうしてくれるんだこの状況!」
ベデヴィエール 「まずいです。結局試合はどうなるんだと、観客たちが暴徒になりそうです。」
アグラヴェイン 「くそ、とりあえず混乱を抑えるぞガヘリス卿!」
サンソン(ガヘリス)「…いや、まってくれアグラヴェイン。」
 
アグラヴェイン 「どうした?」
サンソン(ガヘリス)「いつの間にか、ガウェインもいなくなっているぞ。」
112: 以下、
ぐだ子「とうとう正体がばれましたと。…さんざん皆を振り回しておいて、いざ自分に想定外なことが
 起きると逃げ出すなんて、まだまだ子供ね」
ぐだ男「ちなみにこの危険の城、やっぱりまだ周囲に敵対勢力は残ってるんだけど、
 ついでとばかりにガレスは城を攻め落としたりしてる。」
ぐだ子「完璧な八つ当たりね。」
==とある森====================
マリー(ガレス)「ああ、どうしましょう。最後の最後に失敗してしまったわ。
   これから一体どうしましょう…あら?」
謎の騎士「…」
113: 以下、
ぐだ男「そして、とある森を抜けようとしたときに、ガレスは謎の騎士と遭遇します。
 異様なまでに殺気を放つ騎士に、ガレスは警戒します。」
マリー(ガレス)「貴方、なにもの!?」
謎の騎士「真っ向勝負と参りましょう。」チャキッ
マリー(ガレス)「戦う気ね!」サッ
ぐだ男「こうして、謎の騎士はガレスに決闘を挑みます。ガレスもそれに応じ、戦いがはじまります。」
ぐだ子「ここにきて、謎の騎士?一体誰なんだ…」
114: 以下、
謎の騎士(ふむ)ギン
マリー(ガレス)「…強いわね。」ビュン
謎の騎士(なかなかの腕前。しかも彼の強みはそれだけではない。)゙
マリー(ガレス)「でも負けないわよ!」
謎の騎士(これほどの強さがあり、また、敵対した者たちを引き込む心を持つのであるならば)゙
マリー(ガレス)「さぁ、受けてみなさい!」」チャキ
謎の騎士(仮に私や、他の兄弟が魔道に堕ちたとしても、この子さえいれば…)カチッ
謎の騎士「お見事、私の負けです。ガレス卿。」
ズバァ!
マリー(ガレス)「…え?」
115: 以下、
ぐだ男「戦いの結果、ガレスは致命傷ともいえる一撃を謎の騎士に与えます。しかし、その結果
 謎の騎士の兜が割れ、その正体が明らかになりました。」
マリー(ガレス)「そ、そんな!」
ガウェイン「…」
マリー(ガレス)「お、お兄様!何故どうして、こんなことを!」
ガウェイン「ははは、やっと昔のように、私を兄と呼んでくれましたね、ガレス。」
マリー(ガレス)「な、何を言っているのよ、こんな、こんなぁ!!」グスー
ガウェイン「…貴方と同じですよ。ガレス。私は貴方と同じことがしたかったのです。」
116: 以下、
マリー(ガレス)「え…?」
ガウェイン「私も、純粋に貴方の力を計りたかったのですよ。だからガレス。すべてが私の望んだことの結果。
  この敗北も私に責任があることですから、貴方が気に病むことはありません。」
マリー(ガレス)「え…あ…。」
ガウェイン「…」
マリー(ガレス)「…ごめんなさい。」
マリー(ガレス)「…ごめんなさい。ごめんなさい!私、私…」
マリー(ガレス)「こんな風にずっと、心配をかけてきてしまったのね!お兄様に、お母様に、
   そして周りのみんなに!、ごめんなさい!私、そんなつもりじゃ…」
117: 以下、
ぐだ子「まぁ、ガレスも正体を欺いて危ない橋を渡ったりもしてきたからね、
 ここでガウェインの行いは責められないよね。」
マシュ「結果は残しておりますが、自分の都合で奇行に走っていた側面は否定できませんからね。
 良くも悪くも、周囲を振り回してしまいましたから。」
ぐだ男「ただ、そこは流石キャメロット、そういう未熟な若者の暴走を受け入れる
 寛容があったんだね。」
ガウェイン「…大丈夫ですよ。ガレス」(むくり)
ガウェイン「確かに私も、母上も、我が王もずっとあなたを案じていました。
  しかし、あなたは今そのことを反省できたから、皆それを許すでしょう。」
ガウェイン「さぁ、帰りましょうガレス、我が王のもとに。」
マリー(ガレス)「…はい。ありがとうお兄様!これからはずっと、ずうっと一緒に行きましょう!」ズビー
ガウェイン「…。ええ、そうでありたいものですね…。」
118: 以下、
====アーサー王陣営========
ワイワイ
 ワイワイ
アルトリア「多少混乱は落ち着いてきましたね。」
イアソン(ケイ)「ったく、あのクソガキめ。本当に迷惑ばっかかけやがって。ブツブツ」
ベデヴィエール「おまけにガウェイン卿まで、どこかに行ってしまったようですよ?」
アーラシュ(?)「いやまった、向こうの森から誰か来るぞ、あれは、ガウェイン卿と…
   ガレス卿だ!二人が戻ってくるようだぞ!」
119: 以下、
パツシイ (観客)「おーい、皆!今日の主役、ガレス卿が、ガウェイン卿と一緒に戻ってきたぞ!」
セルハン (観客)「はっはっは本当に大した小僧だぜ。よーしみんな!英雄様のご帰還だ。
   準備はいいな!」
ワァァァァア ガレスー! ガレスー! ガレスチャーン!
ガウェイン 「全くすごい歓声ですね。心の準備は大丈夫ですか?サー・ガレス。」
マリー(ガレス)「だ、大丈夫よ!お兄様こそその傷、浅くはないのですからしっかりと。」
ぐだ男「周囲の人間が一様になって祝福する中、ガレス卿はガウェイン卿と馬を並べて行進します。」
120: 以下、
フィン(ユーリエンス)「…ふむ、あのロット王の息子だったというわけか。そしてこの歓声、
   いずれ、あのような若者が世を支えていくことになるのだろうな。」
マタハリ(モルガン) 「老害に居場所なんてあるわけないわよねー。」
フィン(ユーリエンス)「…そういう意味でユーリエンス王は、今日新時代の若者礎として
   重要な役目を担ったということだな。」
マタハリ(モルガン) 「あーら、それなら素直におっ死んでさっぱり消えてしまえば
   サマになるのに」
フィン(ユーリエンス)「そう思うだろう?アコロン。」 ハハハ
マタハリ(モルガン) 「そう思うでしょう?アコロン。」フフフ
ディルムッド(アコロン)「二人とも、そんなにギスギスしないでください!」
121: 以下、
アルトリア「見ておられますか?お聞きですか?姉上。ガレスはこのとおり、立派な騎士になりましたよ。」
酒呑童子(モルゴース)「…ええ、そうやねぇ(くらっ)」
バタン
アルトリア「あ、姉上!大丈夫でせすか、」
酒呑童子(モルゴース)「あかんなぁ…かなわんなぁ。うちの汚れた身には、ほんに…あの子は…
   あの子はまぶしすぎるわぁ…。(ツー)」
アルトリア「…姉上。お疲れのようですね。誰か!
  姉上を休める場所に。」
粛清騎士「はっ!」
122: 以下、
金時(ラモラック) 「…」
金時(ラモラック) (なんだよ、あの王妃、泣いていたのか?…調子狂うじゃねえか。)
カルナ(パーシヴァル)「どうした?あんちゃん。ぼーっとして」
アルジュナ(?)「何かありましたか?兄上。」
金時(ラモラック) 「な、なんでもねぇ!なんでもねぇったらよ!」ギクッ
ぐだ男「歓声の中アーサー王の元に赴くガレス卿はとても立派な姿でした。それを見たロット王妃は喜びのあまり
 気絶してしまうほどでした。そして、アーサー王はこの槍試合で、ガレス卿がもっとも活躍したことを認め、
 ガレスとライオネルは無事に結婚するのでした。…めでたしめでたし。」
123: 以下、
ぐだ子「ちょっとまって、結局ライネットはどうなっちゃうの?」
ぐだ男「ガヘリスと結婚するみたい。」
ぐだ子「えー、なんか可哀想。」
マシュ「フフフ、実は先輩と同じ感想を持った人もいたのか、19世紀半ばにかかれた国王牧歌という伝説では、
 なんとガレスの結婚相手は、ライネットに変更されているそうですよ。」
ぐだ男「それにしてもガレスって、ガウェインと本当に仲がよさそうなんだね。」
マシュ「とても大切にされていたようでしたね。少しネタバレになりますが、アーサー王の死において、
 ガウェイン卿は必ずしも善良なだけの人物と描かれているわけではなく、謀略を仕掛けるところもあったりします。
 ただ、ほかの兄弟達はガウェイン卿に同調するものの、ガレスだけは一切かかわらなかったとされています。」
124: 以下、

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