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【ゆるゆり】京子「私たちは、強い!」


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(ごらく部)
京子「今日は、みんなに大事な話がある」
結衣「ん?何だ京子」
ちなつ「どうしたんですか?」
あかり「大事な話?」
2:以下、
京子「昨日、今まであった数々の出来事を振り返ってふと思ったんだが・・・」
京子「私たちって、ギャグマンガの登場人物なんじゃないか?」
結衣「は?」
ちなつ「ギャグマンガ・・・?」
あかり「い、一体どういう事なの京子ちゃん」
3:以下、
京子「ほら、思い当たるフシがあるだろ?」
京子「西垣ちゃんの発明品がやたら爆発したりさ」
結衣「あ、ああ」
京子「そんなの、普通だったら警察ざただろ?」
ちなつ「ええ、そうですけど」
あかり「うん、まぁ」
4:以下、
京子「なおかつ、みんなそれにしょっちゅう巻き込まれてるのに・・・」
京子「ピンピンしてるしさ」
結衣「いやまぁ、そうだけど」
ちなつ「い、言われてみれば、確かに・・・」
あかり「そんなのあんまり深く考えた事なかったよぉ」
5:以下、
京子「・・・なわけで」
京子「格闘技の大会に出場したらいいとこまでいくと思う」
結衣「な、何だそれ?」
ちなつ「話が飛躍し過ぎですよ」
あかり「な、何で格闘技の大会なの?」
6:以下、
京子「考えてみ?ギャグマンガに出てくる登場人物ってさ」
京子「まず死なないじゃん」
結衣「まぁ、確かにそうだけど」
ちなつ「登場人物が死んじゃったら、ギャグじゃなくなっちゃいますもんね」
あかり「悲しい気持ちになっちゃうしね」
7:以下、
京子「それに、相手をパンチ一発で宇宙まで吹き飛ばしたりするしさ」
結衣「あー、そういうのあるある」
ちなつ「最近じゃあまり見ないですけど」
あかり「何だか懐かしいね」
8:以下、
京子「だから、私たちって実際かなりの所まで行けると思うんだー」
結衣「いや無理に決まってるだろそんな」
ちなつ「やるなら京子センパイでご勝手に」
あかり「きっと、怪我しちゃうよー」
9:以下、
京子「今度、ちょうど富山地下闘技場で格闘大会が開かれる」
京子「優勝すれば、何と賞金100万円!」
京子「賞金ゲットして、みんなでパーッと旅行でも行こうぜー」
結衣「何バカな事言ってるんだよ」
ちなつ「無理に決まってますよそんなの」
あかり「100万円かぁ、すごいねー」
10:以下、
京子「ちなみに、もう申し込みは済ませてある」
結衣「は、はぁ!?」
ちなつ「な、何を勝手なことをしてるんですか!?私出ませんよ!?」
あかり「ほ、本当なの京子ちゃん?」
11:以下、
京子「安心して。出るのは一人だけだから」
結衣「一人・・・?」
ちなつ「だ、誰が出るんですか」
あかり「い、言い出しっぺの京子ちゃんだよね・・・?」
12:以下、
京子「その、私たちを代表して出場する選手は…」
結衣「・・・」
ちなつ「・・・」
あかり「・・・ゴクリ」
13:以下、
京子「あかり。あかりにごらく部を代表して出てもらう」
あかり「ええーっ!?」
ちなつ「よ、よりにもよってあかりちゃんですか?」
結衣「ちょっと待てよ京子。何であかりなんだよ」
14:以下、
京子「ほらこういうのってさ、何だかんだで最後に主人公が勝つじゃん」
結衣「だからってお前」
京子「あかりって、主人公だろ?」
あかり「えっ・・・」
15:以下、
京子「なんで、私たちの中ではあかりが一番ふさわしいのさー」
京子「よっ、あかり!主人公!」パチパチ
あかり「いやぁ・・・えへへ」
ちなつ「あ、あかりちゃんダメよ口車に乗せられちゃ」
結衣「京子お前ホンットこう言うときだけ都合よく・・・」
16:以下、
あかり「わかったよ。あかり、出るから!」
ちなつ「や、やめなさいってばあかりちゃん」
結衣「ちなつちゃんの言う通りだって、やめときなって・・・」
あかり「・・・だって」
17:以下、
あかり「あかり、主人公だもの!」
京子「お!よー言うた、それでこそ主人公!いえーヒューヒュー!」パチパチ
ちなつ「あかりちゃんって、絶対霊感商法とかに引っ掛かるタイプね・・・」
結衣「全く、どうなっても知らんぞ・・・」
―――
――

18:以下、
(当日、富山地下闘技場)
あかり「・・・って、京子ちゃんに乗せられちゃったけど」
19:以下、
男「グッフッフッフ・・・。どぉりゃぁぁーーっ!」ベキベキィーッ
 ワァー
 ワァー
あかり「あかりの対戦相手、なにあれぇー!?」
あかり「で、電柱を素手でへし折ってるよぉーっ!」
京子「まーまー、大丈夫だって。落ち着けあかり」
ちなつ「そ、その余裕は一体どこから出てくるんですか」
結衣「あんなのに勝てるわけないだろ!」
20:以下、
『さぁ、素晴らしいパフォーマンスを披露しましたザ・グレートコング選手』
あかり「名前からしてすごいよぉー」
『グレートコング選手は、何と、以前に・・・』
21:以下、
『ヒグマを素手で倒した事もあるそうです!』
ザ・グレートコング「グオーッホッホッホ!」ムキムキィーッ
 ワァー
 ワァー
あかり「む、無理無理無理ーっ!」
あかり「殺されちゃうよーっ!」
京子「大丈夫大丈夫。勝てるから絶対」
ちなつ「きょ、京子センパイ人ごとだと思って」
結衣「そんなに言うならお前が戦え京子」
24:以下、
あかり「ウエェーン、怖いよぉー」
京子「だーいじょうぶだって。主人公だろあかり?」
ちなつ「いやもうそんな問題じゃありませんってば」
結衣「あかりがあれに勝つイメージが全く湧かんぞ」
25:以下、
京子「ほら、私たちがセコンドについてるからさ。ドーンと当たって砕けて来い!」
ちなつ「本当に砕けちゃいますよ」
結衣「きっとバラバラにされるな」
あかり「みんな不吉なこと言わないでーっ!?」
26:以下、
京子「もー。私戦いたくないのーとか」
京子「そんな主人公っぽいセリフ言わなくってもいいからさー」
あかり「そんなんじゃないってばーっ!」
カーン
京子「あ、ほらゴングが鳴ったよ」
あかり「ちょ、ちょっとぉーっ!?」
27:以下、
ザ・グレートコング「グオホーーーーーッ!」
ズドドドーーー!
『おーっと、ザ・グレートコング選手、ものすごい突撃だーーーっ!』
『これは、一気に勝負を決めに来たかーーーっ?』
あかり「ぶっひぇーーーーーっ!?」
28:以下、
あかり「ひゃあっ!」シャガミ
ザ・グレートコング「グオホッ!?」ガッ
29:以下、
ズドーーーーーーン・・・!
『あーーーっと、グレートコング選手、しゃがみ込んだあかり選手につまづいて』
『ものすごい勢いで顔面から地面に突っ込んだーーー!立てるのかこれはーー?』
ザ・グレートコング「グフゥ・・・」
 ワァー
 ワァー
あかり「ウエェーン、もうやだよーーーー」
京子「うーん、いいね。実にギャグマンガっぽい展開だ」
ちなつ「あかりちゃんにしてみればギャグじゃ済まないんですけど」
結衣「だからやめとけって言ったのに・・・」
30:以下、
あかり「ねぇ!あの人倒れたし、もういいよね?帰る!あかり、帰る!」
京子「あ、待て待て。まだだあかり」
あかり「な、何が・・・?」
京子「こういう展開って大体のお約束でさ、この後・・・」
31:以下、
ザ・グレートコング「ググゥ・・・」
『おっと、グレートコング選手、ゆっくり立ち上がったーーー』
あかり「え、え・・・?」
ザ・グレートコング「・・・ヤロウ、小娘」
32:以下、
ザ・グレートコング「ブッ殺してやるァーーーーーッ!」
『うわぁーーっ、グレートコング選手怒り心頭だぁーーーっ!』
 ワァー
 ワァー
あかり「ひぃえーーーーーっ!」
京子「ほら出た。相手が本気モードになるんだよねー。よくあるよくある」
ちなつ「よくあるよくある、じゃありませんよ!」
結衣「さすがに呑気過ぎるだろ京子」
33:以下、
ザ・グレートコング「バラバラにしてやるぜ、グッフゥ?・・・!」ザッザッ
『おおっと、闘牛のように地面を蹴る仕草!あれは・・・』
34:以下、
『ダンプカーすらバラバラにする、コング選手の必殺技・・・』
『コング・デストロイタックルの構えだーーーっ!』
ザ・グレートコング「グゥフフフ・・・。さぁ覚悟しな」ザッザッ
 ワァー
 ワァー
あかり「ど、どうしよう、どうしよう!」
京子「うーん、これもベタな展開だねー」
ちなつ「何でそうのん気にしてられるんですか!」
結衣「ほんとにバラバラにされるって!」
35:以下、
京子「ではあかり、作戦をさずけよう!」
あかり「な、なに京子ちゃん?作戦って?」
京子「やつの次の攻撃は、名前からしてたぶん猛烈な勢いで突っ込んでくる!」
あかり「う、うん、それが?」
京子「そこを・・・」
36:以下、
京子「アッカリーンって、透明になってかわすんだ!」
京子「相手は勢いあまってリングアウト!これで勝てる!」
あかり「京子ちゃんバカーっ!?」
37:以下、
京子「どうだこの完璧な作戦はー」
ちなつ「何が完璧な作戦なんですか!」
結衣「いくら何でも適当過ぎんだろ」
あかり「出来るわけないでしょーっ!」
38:以下、
京子「あ、あかり、後ろ後ろ!」
あかり「え?」
39:以下、
ザ・グレートコング「グオウラーーーーーッ!」ドォーーーーッ!
『ものすごい突進だー!あかり選手、これは絶体絶命!』
 ワァー
 ワァー
あかり「きゃあーーーーっ!?」
京子「あかり今だ!アッカリーンって!」
あかり「・・・あ」
40:以下、
あかり「アッカリーンッ!」フッ
ザ・グレートコング「グオッ!?」スカッ
「・・・」
41:以下、
「・・・ホントに消えちゃった・・・」
ザ・グレートコング「グオホォーーーーッ!」ズドーーーーン・・・
『おおーーっと!あかり選手の姿が突如消えたー!』
『目標を見失ったコング選手、自らの勢いで派手に場外まで吹っ飛んだーーー!』
 ワァー
 ワァー
京子「ほら見たか、バッチリ作戦通り!」
ちなつ「何ですか、この展開・・・」
結衣「目の前で起こってる事が信じられん・・・」
42:以下、
『コング選手、場外で完全に失神しております!』
『これは立てないでしょう、よって、勝者赤座あかり選手ーーーー!』
カンカンカーン
 ワァー
 ワァー
「ウエェーン、怖かったよぉー」
京子「ああいうムキムキマッチョなタイプって」
京子「大体負けるんだよねーマンガ的お約束で」
ちなつ「まぁ、確かによく見ますけれどそれ」
結衣「それにしたってあんまりだろ・・・」
43:以下、
京子「これでわかったろー?私たちは、強い!」
京子「優勝は、もらった!」
結衣「あんま、認めたくないなぁ・・・」
ちなつ「私たちって、もっと現実的なキャラじゃ・・・」
「ちょっと!京子ちゃん!」
44:以下、
京子「ん?どこ?あかり」
「ここだよぉ!ここ!」
京子「元に戻らないと。どこにいるかわからないよー」
「もう!」
45:以下、
ポン
あかり「あんなおっかない人が出て来るなんて、あかり聞いてないよ!」
京子「いいじゃんか。勝てたんだからさー」
結衣「ああいうのを見ると、認めざるをえない・・・」
ちなつ「ええ、認めたくはないですけど・・・」
48:以下、
(控え室)
あかり「もう、あかり帰るからね!」プンプン
京子「まぁまぁ、いいじゃんか勝ったんだから」
ちなつ「あんな勝ち方じゃ、対戦相手も納得できないでしょうね・・・」
結衣「いくらギャグマンガだからって、なぁ・・・」
49:以下、
京子「さっすが、主人公らしい勝ちっぷりだったよ。ナイスあかり!」
あかり「え・・・?そ、そう?主人公ぽかった?」
50:以下、
京子「そうだよ。このまま主人公パワーで、2回戦も突破だ!」
あかり「えへへ・・・。うん、あかり、何だかやれそうな気がしてきた!」
ちなつ「あかりちゃん、チョロすぎ・・・」
結衣「京子も、そうやって乗せるのやめろよ」
51:以下、
京子「さーて、次の対戦相手は・・・。ほぉー、ふーん、なるほどねー」
あかり「どんな人が相手なの?」
結衣「さっきみたいなものすごい奴じゃないだろうな?」
ちなつ「まぁ、あれ以上ムキムキな選手もそうそう居ないでしょうけど」
京子「それは、対面してからのお楽しみー」
52:以下、
(試合会場)
『さぁ、富山最強を決める富山アルティメット・グランプリ』
『これより、第2回戦の開始です!』
『第2回戦は、赤座あかり選手VS王羅 念気(オーラ ネンキ)選手ー!』
王羅「フゥーーーーーー・・・」ヒュゥゥ?
 ワァー
 ワァー
あかり「あれが、あかりの次の対戦相手?」
ちなつ「何だか、見た感じ普通ですね」
結衣「さっきのと比べると余計ヒョロっちく見えるな」
京子「んっふっふ、そう思うー?」
53:以下、
結衣「あいつは、一体どんなヤツなんだ?」
ちなつ「そうですよ。教えて下さいよ」
京子「それはね・・・。あ、これからパフォーマンスが始まるから見てみ?」
54:以下、
『さぁ、王羅選手のパフォーマンスです』
『リングの中に、電柱が運び込まれます!』
王羅「ホォォーーーーー・・・」ヒョォォ?
あかり「え?え?何?」
結衣「何だ、また電柱か?」
ちなつ「素手でへし折るんですか?何だか出来そうに見えませんけど」
京子「まーまー、見てなって」
55:以下、
王羅「破ーーーーーーーーーっ!」
ドッゴォ―――ン!
『あーーっと、王羅選手の気功弾が炸裂したーーー!』
『電柱が、一瞬でまん中からへし折れたーーーー!』
 ワァー
 ワァー
あかり「ひ、ひえーーーーー―っ!」
ちなつ「な、何なんですかあれ!?」
結衣「て、手から何出したんだ!?」
京子「『気』だよ。『気』の塊をぶつけたんだ」
56:以下、
京子「2回戦目になると、何かこう気とかそういうのを使う相手が出てくる」
京子「うーん、よくあるねぇー」
結衣「よくあるねぇー、じゃないだろ!」
57:以下、
『一見、華奢に見える王羅選手ですが・・・』
『手から放たれる気功弾は、アフリカゾウさえ一撃で仕留めると言われています!』
王羅「ハァァァ・・・」ヒョォォォ?…
 ワァー
 ワァー
あかり「ちょ、ちょっとーーーーー!?」
京子「うーん、人って見かけによらないもんだねぇー」
結衣「そういう問題じゃないだろ!」
ちなつ「あんなの食らったら、怪我じゃ済みませんよ!」
58:以下、
あかり「もうやだ!あかり、帰る!」
京子「大丈夫だって、ちゃんと作戦があるから」
あかり「もう、そんな事言って・・・」
カーン
京子「あ、ほらゴング鳴ったよ」
あかり「ちょ、ちょっとー!?」
59:以下、
王羅「ヒョォォォ???・・・!」コォォォ…
『おーっと、あの構えは、戦車すら一撃で大破させるという・・・』
『王羅選手の必殺技、爆裂気功砲の構えだーーー!』
あかり「ひえーーーーーっ!」
結衣「あ、あかり!アッカリンだ、さっきみたく透明になって逃げろ!」
ちなつ「冷静になって聞いたら、凄いアドバイスですね・・・」
京子「・・・いや結衣、多分それだと」
60:以下、
あかり「・・・あ、アッカリーンッ!」フッ
『おおっ、あかり選手の得意技、透明になって姿を消すが出たー!』
『これは王羅選手、あかり選手を捉える事は不可能かー?』
王羅「・・・フッ」
61:以下、
王羅「私は、『気』を読む事が出来る・・・」
王羅「いくら透明になったとしても、お前の居場所はお見通しだ・・・」
『な、何と、『気』を自在に操る王羅選手の前では・・・』
『あかり選手の技が通用しなかったーーー!』
 ワァー
 ワァー
「ひっ、ひぃーーーーーっ!」
結衣「な、何だってー!?」
京子「ほらね。1回使った手って、2回目とか大概通用しなくなるんだよねー」
京子「お約束、お約束」
ちなつ「なにのん気なこと言ってるんですか!」
64:以下、
京子「ほらあかり、無駄だから戻って戻って」
あかり「ど、どうしたらいいの!?」ポン
京子「では、あかりに勝つ方法を伝授しよう」
65:以下、
京子「・・・あかり。思い出すんだ」
京子「今まで、ごらく部で過ごしてきた日々を・・・」
あかり「え?ごらく部で・・・?」
―――
――

66:以下、
?回想?
結衣「ふー、いつもながらお茶が美味しいな」
京子「いやー、やっぱ緑茶には煎餅だよねー」パリポリ
ちなつ「つい食べすぎちゃいますよね。太っちゃいそうですけれど」
あかり「本当だよねー」パリポリ
ダラダラ…
67:以下、
あかり「さーて、あかりマンガ読んじゃおっと」
結衣「あー、私も雑誌でも読むか」
京子「じゃ私は読もーっと」
ちなつ「あ、あかりちゃん次見せてね」
ゴロゴロ…
―――
――

あかり「・・・何だか、ダラダラしたりゴロゴロしてる場面しか浮かんで来ないけど」
あかり「これが、どうかしたの?」
京子「・・・実は」
68:以下、
京子「それは全部、そうは見えないけど技の修行の一部だったんだ!」
京子「あかりは、知らない間に技の修行を積んでいたのさ!」
あかり「えっ、ええーっ!?」
結衣「いや、よくあるけどさそういうの。絶対今思いついただろ」
69:以下、
京子「だから、いつも部活でやってる事を思い出して戦えば・・・」
京子「絶対に勝てるはず!・・・たぶん」
ちなつ「言ってる事が適当過ぎますよ」
あかり「い、一体どうしたらいいの?」
70:以下、
王羅「何をゴチャゴチャやっている?」
王羅「そっちが来ないなら、そろそろこっちから行かせて貰うぞ・・・!」
シュオオオオ…!
『おーーーっと、王羅選手・・・』
『目に見える形にまで、「気」がふくれ上がったーーー!』
 ワァー
 ワァー
あかり「ひっ、ひえーーーーっ!?ちょ、ちょっと京子ちゃん!?」
京子「大丈夫だ、あかり!部活で学んだ事を思い出せ!」
あかり「お茶飲んだりマンガ読んだりしかしてないよーっ!?」
71:以下、
王羅「食らえ・・・爆裂気功砲ーっ!」
王羅「破ーーーーーーー!」
ドォーーーーーーーーーーーーッ!
『うおおーーーっ、ものすごい勢いの「気」だ!あかり選手、絶対絶命かー!?』
 ワァー
 ワァー
あかり「いやーーーーーーーっ!?」
京子「あかり、今だ、部活でいつもやるあれを!」
あかり「え、えっと・・・」
72:以下、
あかり「こう・・・?」
バチィィーーーーッ!
『あーーーっと、あかり選手』
『何と、お茶を飲む動作で猛烈な勢いの「気」を弾いたーーーっ!』
 ワァー
 ワァー
王羅「な、なにぃーっ!?」
京子「へっへーん。ほら見ろ。言った通りだろ?」
ちなつ「何で、あんなので攻撃をよけれちゃうんですか・・・」
結衣「これだからギャグは・・・」
73:以下、
王羅「く、くそーーーーーっ!」
ズドドドドド…!
『おーーーっと、王羅選手、連続気弾攻撃だーーーーっ!』
『それを、あかり選手・・・』
74:以下、
あかり「フンフン・・・」
バチバチバチィーーーッ!
『何と、床に寝そべってマンガを読む動作で全てかわしているーーーっ!?』
王羅「ちぃーーーっ!」
京子「どうだ、見たか!これぞ、ごらく部での日々の修行の成果だ!」
結衣「一体、何がどうなってるんだ・・・」
ちなつ「私たちも、いつの間にかできるようになってるって事でしょうかあれ・・・」
75:以下、
王羅「なかなかやるな・・・。だが」
王羅「かわすだけでは、試合には勝てない」
王羅「判定まで行けば、当たらなくても攻撃を多く出した方がポイントで勝つ・・・」
 ワァー
 ワァー
『あーーっと、確かに王羅選手の言う通り!』
『このまま判定にもつれ込んだら、あかり選手は圧倒的に不利だーーー!』
あかり「えっ、ええっ?」
結衣「あっ、そういうルールがあったのか!相手はそれを利用する気だな?」
ちなつ「い、一体どうしたらいいんですか?」
京子「そんなの、簡単じゃん」
76:以下、
京子「あかりの方から攻撃したらいいんだよ」
あかり「ええっ!?」
ちなつ「あ、あかりちゃんの方からですか?」
結衣「おい京子、いくら相手がマッチョじゃなくても一応成人男性だぞ?
それなりに鍛えてるっぽいし」
77:以下、
結衣「普通の殴り合いになったら負けるだろ」
京子「じゃあ、普通に殴りあわないであかりも必殺技を出したらいいじゃん」
ちなつ「え?必殺技?」
あかり「ど、どうやって?」
78:以下、
京子「お団子バズーカーって。ドカーンってさ」
あかり「無理に決まってるでしょーっ!?」
結衣「・・・いやあかり。出るんだよ多分。もうわかってきた」
ちなつ「ええ、さっきから非現実的な出来事ばかり起こってるんで、これはきっと・・・」
79:以下、
王羅「お前がいくら私の攻撃を防ぐ技を身に着けていようとも、無駄・・・」
王羅「はぁーーっ、いくぞっ、連続炸裂気功弾・・・!」コォォ?
『あ、ああっと!王羅選手の『気』が今までにないほどが高まるーーー!』
『これは、ものすごい技が飛び出しそうだーー!』
あかり「ひぃーーーーーっ!?」
京子「ほらさ、いかにもおだんごバズーカ撃てってフリだろあれ?」
京子「あかり、望み通りどーんとやっちまえ!」
結衣「お前はどうしてそうのん気にしてられるんだ」
ちなつ「ほんっとーに、京子センパイは人事だと思って」
80:以下、
だいぶ前に書いたのが残ってたのでサルベージしました
81:以下、
京子「ほらあかりー、さっさとおだんごバズーカ出さないと下手したらやられちゃうぞー」
あかり「お、お・・・」
82:以下、
あかり「おだんごバズーカーーーっ!」
王羅「だりゃりゃりゃりゃーーーっ!」ドドドド!
バチィーーーーーーーンッ!
『おおーーーーっ!王羅選手の『気』と、あかり選手のおだんごが』
『リング中央で、激しくぶつかるーーーー!さぁ勝つのはどっちだー?』
結衣「しかし、あの解説の人もよくこの状況に動じないな・・・」
京子「さあねー。よくある事なんじゃないのー?」
ちなつ「よくあるんですか・・・」
83:以下、
あかり「お、おだんごさん、頑張って!」
王羅「ム、ムウーーーッ!」ズドドド!
『王羅選手、やや押されているかー?』
ドゴオーーーーーーーーン!
『おあーーーっと!大きな爆発起こった!』
『さぁ、立っているのはー・・・?』
京子「お?」
84:以下、
あかり「あ、あの、大丈夫ですか・・・」
王羅「グウ・・・」
『な、何と!勝ったのは赤座あかり選手だーーー!』
『あかり選手、強豪の王羅選手に見事勝利ーーーー!』
京子「ほらな?」
結衣「ほらな、じゃないから」
ちなつ「もう、あと全部おだんごバズーカで優勝できるんじゃないですかね?」
85:以下、
京子「いいや、そうはいかない。1回使った技は次はまるで通用しなくなるのがセオリーだ」
結衣「何のだよ」
京子「それに、次の対戦・・・ほうほう、ふふーん。なるほど、こう来たかー」
ちなつ「次はどんな相手なんですか?」
あかり「ちょっと!京子ちゃん!あかりもう帰る・・・って、聞いてる!?」
86:以下、
『さぁ、富山最強を決める富山アルティメットグランプリも、ついに準決勝!』
『ここまで勝ち上がって来たのは、赤座あかり選手とー・・・』
あかり「うわぁーん、もうやだよー」
京子「今回は、あかりもちょっと苦戦するかなー?いや、どうかなー?」
ちなつ「もう、どんな相手が来るかまるきり予測がつきませんね」
結衣「しかし、あかりの場違い感が半端ない・・・」
87:以下、
『おっと、これは珍しい格闘術を使う選手が勝ちあがって着ましたよー?』
『対するは、バトルオセロ部副主将、場取 小瀬郎(ばとる おせろう)選手だーーーー!』
小瀬郎「・・・」
あかり「ば、バトルオセロ・・・?」
結衣「とうとう、よくわからん色モノのキャラが出てきたぞ・・・」
ちなつ「オセロ?あかりちゃん、意外とオセロ得意なんですよね?それなら」
京子「いいや!ただのオセロじゃない、バトルオセロだ。これはあかり、苦戦するかも」
ちなつ「ちなみに、バトルオセロって何なんです?」
京子「まぁ、これからやるパフォーマンスを見ればわかるさ」
88:以下、
『さぁ、小瀬郎選手のパフォーマンスです』
『オセロ板を挟んで、小瀬郎選手の前に電柱が運ばれて来ます!』
小瀬郎「・・・」
あかり「え?え?」
京子「さーさー、見ものだ。バトルオセロ、その正体が明らかに!」
結衣「また電柱か」
ちなつ「何をする気ですかね?まさか、へし折ったりとか?」
89:以下、
小瀬郎「・・・」パタ
ズドォーーーーン!
『おおーーっと、オセロをひっくり返す衝撃波で、電柱が真っ二つに折れたーー!』
『凄まじい破壊力!極めると、オセロはここまでの破壊力を発揮するーーー!』
 ワァー
 ワァー
あかり「ひぇぇぇーーーーっ!?」
京子「あれが、バトルオセロ・・・。初めて見たが凄まじい格闘術だ」
結衣「結局電柱へし折るだけって、今まで全部のと同じじゃないか」
ちなつ「あかりちゃん、そんな相手と2回も戦ってますよ?」
90:以下、
京子「いや!油断しちゃいけない。勝負は、ついにギャグ領域に入り込んだんだ」
結衣「ギャグ領域?」
ちなつ「何ですかそれ?」
あかり「ちょ、ちょっと!あれをどうしたらいいの?」
91:以下、
京子「今までの相手は、何だかんだでシリアス領域のキャラだった」
京子「ギャグマンガのキャラ相手なら、基本手も足も出ない・・・。そんな戦いだったんだ」
結衣「そ、そうなんだ」
京子「しかし、ついに私達と対等の力を持つを言える、ギャグ領域からの刺客が現れたというわけさ」
ちなつ「へ、へぇー・・・?」
あかり「京子ちゃん!わけがわからな過ぎだよ!」
92:以下、
京子「しかし、あかり!同じギャグ領域と言えど、あかりには絶対有利なポイントが1つある!」
あかり「え?ぜ、絶対有利なポイント・・・?何それ京子ちゃん」
京子「それは・・・」
93:以下、
あかり「え、えーっと・・・こう?」パタパタパタ
小瀬郎「・・・」
小瀬郎「参りました」ペコ
あかり「あ、いえ・・・」
『あーーーーっと、バトルオセロ部副主将、小瀬郎選手』
『普通に、オセロで負けたーーーーーー!』
 ワァー
 ワァー
京子「なー?私の言った通りだろー?」
結衣「主人公補正があるから、あかりが絶対勝つって何だよ・・・」
ちなつ「けど、何だかんだで次は決勝ですよ?」
94:以下、
京子「これでわかったろ!ギャグキャラに、さらに主人公補正がかかれれば、勝てない相手はない!」
京子「私たちは、強い!」
結衣「そもそも、私たちってこういう事するキャラなんだろうか・・・」
ちなつ「けれど、決勝まで来ちゃいましたね・・・」
95:以下、
(控え室)
あかり「京子ちゃん!もういいでしょ!」
京子「んー?もう決勝だぞーあかり」
あかり「だって、決勝だよね?すごく強い人が来たら・・・」
京子「だーいじょうぶだって。シリアス領域なら私たちに勝てないし」
京子「ギャグ領域相手でも、あかりには主人公補正があるだろ?」
96:以下、
京子「どーんな相手でも、勝てるヤツなんて居ないさ。楽勝楽勝ー」
京子「対戦相手表なんて、見なくたって余裕だもんねー」ヒラヒラ
結衣「おい、ちょっとはどんな相手か見て作戦ぐらい・・・」
ちなつ「すごいのが来たらどうするんですか?」
あかり「京子ちゃん、ちゃんとやろうよー」
97:以下、
『さぁ、富山最強を決める富山アルティメットグランプリ!』
『決勝進出者は、ここまで大健闘の赤座あかり選手とー・・・』
あかり「もう、これで最後なんだよね?」
 ワァー
 ワァー
京子「さーて、優勝賞金100万円まであと1勝だ!」
結衣「まぁ、その、何だ、もう気分的に余裕はあるな」
ちなつ「ええ、確かに今までシリアスでもギャグでも負けませんでしたしね」
京子「その上、主人公補正持ちのあかりに勝てる相手なんて居ないだろ!」
98:以下、
『・・・さぁさぁ、決勝に当然のごとく勝ち上がってきた、優勝候補筆頭!』
『富山を代表するキャラと言える、対戦相手はー・・・何とこの方』
『ドラ○○んだーーーーー!』
ド○○もん「はぁ、やれやれ。仕方ないなぁ」
あかり「ん・・・ぶ、ぶっひぇぇぇぇーーーーーっ!?ど、ド○ちゃんーー!?」
 ワァー
 ワァー
京子「お、おいいいいぃーーーー!?」
結衣「な、な、何だよド○え○んって!?」
ちなつ「ちょ、ちょっと!?どうなってるんですか!?」
99:以下、
京子「く、くぞぉーっ!これは、当然予測される事だった・・・」
京子「富山が地元で、私たちと同じでどちらかと言うとギャグキャラ」
京子「なおかつ、主人公補正すら備えてると言える・・・」
京子「富山最強を決める格闘大会で、決勝でドラ○○んが出てくるのはある意味当然だったんだ」
結衣「い、一体どうしたらいいんだ?」
ちなつ「恐れ多くて、一部伏せ字になっちゃってますよ!?」
100:以下、
京子「いやー、これは厳しい!今まで私たちが有利だった点が全く通用しない!」
京子「その上、作品の格というか、知名度とかは圧倒的に向こうが上だ・・・」
京子「何だよ・・・。いいよなード○○もん公園とか電車とかあってさ」
京子「それに富山の市や県のコラボ企画とか、まず真っ先に向こうになるし・・・」
結衣「そんな事いいから。何とかする方法はないのか?」
ちなつ「そ、そうだ、○ラちゃんってそんなに凶悪な攻撃力がないはずですから、そこを何とか上手く・・・」
101:以下、
『さぁ、ド○えもん選手のパフォーマンスです。リングの中央に電柱が運び込まれます!』
『さーて、どんなパフォーマンスが披露されるのでしょうかー?』
ド○○もん「まったく、僕がなんでこんな・・・。はぁ、しょうがないなあ。それじゃあえーと」
あかり「えっ?えっ?」
京子「な、何だ?電柱をどうするんだ?」
結衣「ま、まさか電柱を素手でへし折るの?ドラ○○んが?」
ちなつ「そんなまさか、そんな光景マンガでもアニメでも一度だって・・・」
102:以下、
ド○○もん「『空気砲』」ドゴォーーーーーン!
『あ、ああーーーっと!ドラ○○んの放った『空気砲』が』
『電柱を真ん中から真っ二つにへし折ったーー!実際この目で見ると、凄い威力だーーー!』
 ワァー
 ワァー
あかり「ひぃえーーーーーーーーー!」
京子「い、いかんぞ!向こうは思った以上に凶悪な攻撃力を有している!」
京子「あかりも、おだんごバズーカで対抗して・・・」
京子「って、ダメだ、一回でも披露した技は相手に通用しないセオリーが・・・くそっ!」
結衣「そのセオリーとやらは、何とかならないもんなのか・・・?」
ちなつ「ギャグも主人公補正も、向こうが上なんですよね!?勝ち目なんてあるんですか?」
103:以下、
の○太「いいぞいいぞード○○えもん!」
の○太「そんな相手なんか、さっさとやっつけちゃってよ!」
ド○○えもん「のび○くん。僕は、こんな大会に出るのなんて本意じゃないんだからね」
あかり「き、棄権しよ!?ね!?ド○ちゃんに勝てるわけないから、色んな面で!?」
京子「ぐ、ぐーむ・・・。確かに、ギャグも攻撃力も、主人公補正も圧倒的に向こうが上・・・」
結衣「まぁ、あかりに勝てる要素が全くないし。これは棄権でも仕方ないだろ」
結衣「ま、同じリングに立っただけで光栄だな」
ちなつ「そうですね。あ、せっかくですから後でサイン貰いましょうよ」
104:以下、
ド○○えもん「だいたい、どうしたのさのび○くん。いきなりこんな大会に出ろだなんて」
の○太「だってー、優勝したら賞金100万円だよー?それが手に入ったら」
の○太「し○かちゃんと、パーッとハワイ旅行に行くんだー」
ドラ○○ん「はぁ、そんな理由で・・・。ほんっとーにキミというやつは・・・」
あかり「そうだよね、良かった、○ラちゃんと戦わなくていいんだよね?」
京子「まぁ、戦ったらある意味一生自慢にはなるだろうけどな」
結衣「なかなか居ないだろうな、ドラ○○んと戦った事のある人は・・・」
ちなつ「自慢になりますかね・・・?」
105:以下、
ド○○えもん「あの、すいません」
あかり「ん?」
ド○○えもん「ぼく、棄権します」
の○太「ええ!?」
あかり「え!?」
『おーーーっとぉ!ここで、意外な事態が発生だ!』
『優勝候補のドラ○○ん、まさかの棄権を宣言だーーー!』
 ワァー
 ワァー
京子「へ・・・?な、何で?」
結衣「え?き、棄権?向こうが?」
ちなつ「え?て、て事は・・・。あかりちゃんが優勝?」
106:以下、
の○太「えー、棄権?何で?何でなのさドラ○○ーん」
ド○○えもん「いいかい○び太くん。賞金目当てでひとを格闘技の大会に出そうだなんて」
ドラ○○ん「その根性が気に食わない。さ、ほら帰るよ」
のび○「えー、そんなー。もったいないのー」
あかり「ド○ちゃん、大人・・・」
京子「ああ、場をスッと治めて・・・。意外と、大人なとこあるよね○ラえ○んは」
結衣「そうだね。ああいう性格の深さも人気の秘訣なのかも知れない」
ちなつ「京子センパイは、少しは見習ったらどうです」
107:以下、
『えーー、それでは。色んな波乱万丈がありましたが・・・』
『富山最強を決める、富山アルティメットグランプリ。優勝者はー・・・』
『赤座、あかり選手ーーー、おめでとーー』
あかり「あ、み、皆さんありがとうございます、あかり、全然実感が沸きませんけど・・・」
 ワァー   イエー
  パチパチパチパチ
 ヒューヒュー
京子「ほらなー、これでわかったろ?」
京子「私たちは、強い!」
結衣「いやまぁ、ド○○えもんの棄権で決まったようなもんだけど」
ちなつ「でもまさか、優勝するとは思いませんでしたね」
―――
――

108:以下、
(翌日、ごらく部)
京子「さて!優勝商品100万円をゲットした所で!」
結衣「あれは、たまたままぐれ勝ちみたいなもんだからな?」
ちなつ「そうですよ。単にラッキーだっただけですからね?」
あかり「あかり、あんな怖い思いするのは2度とご免だよぉ」
109:以下、
京子「これを旅費に、次は富山と言わず世界格闘大会編がスタートする・・・」
結衣「また、そんな事言い出して・・・」
ちなつ「次は京子センパイが出てください」
あかり「あかり、もう出ないからね」
110:以下、
京子「だって、こういうのってお約束だろー?なーに、大丈夫」
京子「私たちは、強い!」
結衣「それはもういいから。さーて、どこに行こっか?」
ちなつ「北海道なんてどうです?」
あかり「あー、いいかもねー」
終わり
111:以下、

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