ワイルドな漢になりたくて、カメ五郎さんとヒル食いに山行ってきたバカだけど【前編】back

ワイルドな漢になりたくて、カメ五郎さんとヒル食いに山行ってきたバカだけど【前編】


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バッタがおやつの人か
9: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/15(月)19:29:32 ID:67r
>>5
超ワイルドでかっこいーんだよなぁ!
8:
今日はいい日だ!
書き込み待ってるよー
9: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/15(月)19:29:32 ID:67r
>>8
ありがとう!
ゆっくりになってしまうだろうけど、更新していくよ!
7: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/15(月)19:26:16 ID:67r
 おれがカメ五郎さんの事を初めて知ったのは6年ほど前だ。
 今ではほとんど見なくなってしまったが、その頃おれはニコニコ動画を毎日のように視聴していた。
 当時は音楽をやっていて、普段見る動画はボーカロイドや「演奏してみた」ばかりだったが、ある時、捕まえたすっぽんの生き血を生で飲む男の動画を偶然視聴したことがあった。
 その頃のおれは、かなりの潔癖だった。動画内での野宿や、動物の血液を飲むこと、そして自然界に存在する植物や虫を生でそのまま食すことは、当時のおれにとってはまさに理解不能・意味不明なことだった。
 しかし、理解こそできなかったものの、その男の野生溢れる存在感に惹きつけられて、結局おれは動画を食い入るように見つめてしまっていた。
 それが、カメ五郎さんだった。
 そして4年前、ラクダと共に冒険しようと考えスキル習得に励んでいたころ、おれはまたカメ五郎さんの事を思い出した。
 当時のおれはアフリカ大陸へ渡航した経験がなく、不安でいっぱいだった。
 ラクダ用の発信機や地図アプリなどのデバイスの開発は進んでいたが、砂漠で遭難した時に対応できるようなサバイバル技術は未修得だった。
 何とかサバイバル技術を身に着けたいと考えるも、具体的な勉強方法は全く思い浮かばなかった。
 そして、独学が難しいなら誰かに師事できないだろうかと考えた時、ふと頭をよぎったのがカメ五郎さんだった。
 ……とはいえ、当時のおれは冒険家ではなく、何者でもなかった。
 今よりもさらに弱く、今よりもさらに脆く無能で無価値で矮小な男だった。
 こんなおれが連絡をしたところで、カメ五郎さんが返事をしてくれるわけがないと諦め、結局連絡はしなかった。
 ……そして時は流れ、2018年。
 おれは冒険家となり、おれの冒険譚が出版されることになった。
 場合にもよるが、出版の際は各方面から取材が来るだけでなく、出版社としても可能な範囲で書籍の宣伝をする必要が出てくる。
 それ故おれは、書籍の販促も兼ねて、著名な人物との対談を提案することのできる立場を得た。
 出版社の編集さんに頼み、カメ五郎さんに対談の打診をして、おれの本を送ってもらった。
 カメ五郎さんは誠実な人なので「本を読んでから対談を受けるかどうか決めたい」とのことだった。
 その結果、対談は実現した。
10:
つべに動画があがるんだろうか?
11: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/15(月)19:34:47 ID:67r
>>10
ごめん、撮ってないからあがらないというw
今回は「予習」ということらしい
カメさんは来年以降で本撮りやろうかなって言ってたから、ヒル動画自体はいつかあがるかもw
12:
>>11
なるほど今は修行中か
14: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/15(月)19:39:39 ID:67r
>>12
「下手なもの動画で勧めて食中毒になる人がいたら大変だから、まずはパッチテストをしないと」
とのことだけどw
パッチテスト(人柱)な辺り、痺れるぜwww
15: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/15(月)19:45:34 ID:67r
 そして、その対談当日。
 対談が終わりに差し掛かった時のことだ。
進行役
「何か、最後に話したいことはありますか?」
 進行役のこの言葉を待っていたおれは、話し始める。
おれ
「カメ五郎さん。
 実は僕、カメ五郎さんの動画を拝見する中で、『ぜひこの方に弟子入りしたい』と考えていました。
 もし良ければなのですが、普段の山での活動の中で、何か僕がお手伝いをできることはありませんか? 何でもします」
 ……どうだろうか、と目を凝らし、カメ五郎さんのようすをうかがう。
 カメ五郎さんはほとんど無表情だったが、まとっている雰囲気の中に「否定の色」はなかった。
カメ五郎さん
「ありがとうございます。
こちらこそ是非よろしくお願いします。
 そうですね、近々山へ行ってヒルを食べようと考えているんですが、来ますか?
 ヒルって向こうから人間に寄ってくるわけですから、もしあれが食べられれば食料として優秀かもしれないので、試してみたいんです」
 ヒル。
 海外では乾いた土地ばかりを冒険してきたのでお目にかかったことはないが、あの山などにいる吸血生物か。
 ヒルだろうがトリカブトだろうが、おれの答えは最初から決まっていた。
おれ
「はい!! 是非よろしくお願いします!
 ヒル、食べたいです!!」
 おれは食い気味に返事をした。 考えるまでもなく即答だ。
 ヒルはイノシシやシカなどの血液を摂取しているだろうから、当然感染症などのリスクは十分にある。
 とはいえ、「衛生的な食生活」なんてものは、カメルーンの森でウジ虫入りの肉を食べ泥水をすすって暮らした時に忘れた。 今さらだ。
 それに、おれは定期的に腐ったものを食べて食中毒などには備えているので、その成果を検証するちょうどいい機会にもなるかもしれない。
 ……こうして、おれはカメ五郎さんと一緒にヒルを食べに行くことになった。
 互いに休みがなかなか取れなかったが、ついに8月、休みを合わせることができ、現在はこうして2人で丹沢へ向かっているというわけだ。
・当時の対談記事 (Yahooニュース)
?https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180608-00009347-besttimes-life
?https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180706-00009483-besttimes-cul
?https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180708-00009476-besttimes-cul
・今回食べるヒル (Wikipedia) ※人によっては閲覧注意
https://ja.wikipedia.org/wiki/ヤマビル
17:
リアルタイム豪さんだ!
ツイッターで美しい写真いっぱいあったけど
旅の内容が察するに真逆でワロタw
18:
ヒルですか
20:
いつもの動物連れて旅するひとか
22: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/15(月)20:32:45 ID:67r
>>20
そうそう!
今は日本でBtoB契約社員だ!
といっても冒険したいから、もうすぐ契約期間満了で辞めるけどw
21:
うっわ、リアルタイムで見れるとは嬉しすぎます
23: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/15(月)20:35:49 ID:67r
 丹沢へ向かう車内では、自然とメディア出演や連載などの話が多くなった。
 対談の時から思ってはいたが、カメ五郎さんはかなりおれに近い価値観を持っている気がする。
 おれは日本ではコミュ障で非常に人見知りをするが、カメ五郎さんとは何故か自然に話すことができていた。
 これはおれにとっては滅多にないことだった。
 その他、税金や投資の話も出たが、これはおれのかなり苦手な分野だ。
 両方とも、わざわざ詳しく調べなければ損をしてしまうという性質を持っているが、住まいや職業や年収が年ごとに変わるおれにとっては非常に厄介で、勉強する気になれない分野だった。
 そしてSAなどでの休憩を挟みつつ、野宿予定地より手前の丹沢周辺で一旦車を止め、夕食を調達することになった。
カメ五郎さん
「まずは入門編、ということで夕飯になりそうなもの探しに行こう。
 この辺りはたぶんヒルが多いから気を付けて」
おれ
「分かりました、頑張ります!」
 そして、おれとカメ五郎さんは山の中へ足を踏み入れた。
 ちなみにメインディッシュであるヒルは明日食べることになったので、いまは採取しない。
 今日の夕食は主にキノコがメインになるようだった。
25:
丹沢は人気のスポットなので
ボランティアがヒル駆除しまくってるから
最近は個体数が激減してるそうな
27: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/15(月)20:45:30 ID:67r
>>25
へー、そうなのか
確かに道沿いにはあまりいなかったな……
28:
カメ五郎さんといえば丹沢
30: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/15(月)21:10:16 ID:67r
>>28
おれもけっこうそのイメージがあるw
29: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/15(月)21:08:16 ID:67r
 注意深くキノコを探しながら歩いてみると、山には実に様々な種類のキノコが生えているということに気付く。
 群生している小さなキノコ、単独で生えている大きめのキノコ、そして木にくっついている硬いキノコ……。
 見つけるたびに、カメ五郎さんに確認を取った上で袋に入れ、夕飯の食材として確保する。
おれ
「おれ、山歩きはぜんぜんしたことなかったんですが、色んなキノコがあるんですね……。
 あ、カメ五郎さん、この黄色いの食べれますか? けっこう旨そうですよ!」
 少し離れた所にいたカメ五郎さんがキノコを一瞥し、返事を寄越す。
カメ五郎さん
「それコレラタケだね。
 死ぬよ?」
おれ
「まじですか……。
 そんな危ないキノコが普通に生えてるんですね……w」
 どの程度の毒性があるのか、ちょっと食べてみたい衝動に駆られつつも、コレラタケは袋に入れず、先へ進む。
 はじめは平坦な土の上を歩いていたが、しばらくするとカメ五郎さんが急な坂を下って道なき道を縦横無尽に進み始めた。
 おれも遅れないよう、後に続く。
 木がまばらに生えてはいるものの、土の上に落ち葉が積もっていて草があまり生えていなかったので、傾斜がきつい場所ではかなり滑りやすくなる。
 山の入り口付近は乾いた落ち葉ばかりだったが、この辺りは湿った落ち葉が多く、それも滑落の要因になりそうだった。
 おれはこれまでジメジメした土の上を歩いた経験があまりないので、滑らずに歩くのはなかなか難しい。
 ……というか、ちょくちょく滑る。
 そして、かなり急な坂を横切っていた時のことだ。
足元の土が崩れ、遥か下方へ完全に滑り落ちそうになった!!
 ……が、滑った瞬間は木を片手で掴もうとしていたところだったので、木に片手をかけて落ちながらも両手で木に掴まってぶら下がり、すぐに元に戻ることができた。
 ……。
 落ちていたら大怪我をしていたかもしれない……とはいえ。
 しかし、正直なところこれは……!
おれ
「楽しい!!!」
 めちゃくちゃ楽しかった。
 まさか日本の山で、こんなワクワクするアスレチックを遊ぶことができるなんて!
 もはやこれは冒険だと言ってもいいかもしれない。
31:
カメ五郎か
テレビにも出てるし有名人じゃん
無人島で芸人と一緒に料理を作るやつすこ
34: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/15(月)21:31:42 ID:67r
>>31
あの企画面白いよなw
ああいうの、もっと増えていいと思うんだけど、色々制限があるんだろうか
あの料理を一日でやっちゃうって凄いよなぁ……
カメさんは放ってるオーラが特殊で半端ないから、テレビに継続して出てるのも納得だった
あんな人これまで会ったことないわ
32:
きのこも面白そうだな極めると
38: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/15(月)22:41:22 ID:67r
>>32
専門家でも間違えるらしいから道のりはかなり長そうだなw
33:
やべえ!オラ、ワクワクが止まんねえぞ!
38: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/15(月)22:41:22 ID:67r
>>33
ゆっくりしてってくれ!
35:
日本の山も油断ならんな
38: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/15(月)22:41:22 ID:67r
>>35
ほんとにそれだわw
おれが言えたことじゃないかもだけど、舐めてたら一瞬で命落とすだろうなwww
36: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/15(月)22:38:18 ID:67r
 キノコ探しをしている間、おれは1度気付かぬ間にヒルに靴を登られ、足の血を吸われてしまっていたことがあった。
 ジメジメしている場所では少し進むごとにヒルがついていないか確認をしながら進むよう気を付けてはいたが、それでも不十分だったようだ。
 あんなに小さく、移動度も遅いだろうに、ヒルはなかなか優秀で手ごわい奴のようだ。
 また、途中でおれが大きなキノコを誤って崖下に落としてしまったことがあったが、カメ五郎さんが20mほど降りてなんなく回収してきてくれた。
 こう配はかなり急であり、とても人が降りられるようには見えなかったが、カメ五郎さんは余裕そうだった。
 ……やっぱりカメ五郎さんはすごい。
 落ちていったキノコが見えなくなってからも経路を予測して発見するだけの経験値と目の良さも凄いが、やはり特筆すべきは手を使わず足だけであれほど安定して斜面を降りられる移動能力だろう。
 意識的 / 無意識的に関わらず、膨大な経験から生み出された高度な歩法があるのかもしれない。
 そして、1?2時間ほど経った頃。
カメ五郎さん
「よし、こんなもんで……大丈夫でしょう」
おれ
「そうっすね!
 これだけあれば今日だけじゃなくて明日にも持ち越せるレベルですねw」
 キノコを入れる為の袋には、今やたくさんのキノコが入っており、ずっしりとした重みが夕食への期待を誘っていた。
 しかし、帰る道中、カメ五郎さんはなおもキノコを探し続けているようで、見つけるたびに採りに行き、おれが持っている袋に新たなキノコを入れていった。
おれ
「ちょっとw カメ五郎さんw
 まだキノコ探してるんすねw
 まあ、珍しいキノコとかもまだあるかもっすしね!
 ……でもあんまりやってると、『カメ五郎さんはキノコ♂が大好き』って意味深な感じでおーぷん2chに書きますよ?w」
カメ五郎さん
「否定はしないな! 事実だし。
 どう受け取るかは人それぞれだから。
 見た人が、好きなように受け取ってくれればそれでいい。
 思うがままに書いてくれればいいよ。
 ……否定はしない」
おれ
「いや心広すぎるでしょwww」
 そこはノンケ(男の異性愛者のこと)なら別に否定してもいいのでは……とは思ったが、そんな些細なことを気にする人ではないのだろう。
 おれも見習いたいところだ。
40:
きのこ狩りの人がよく滑落してるから気をつけてね
41:
豪さんの影響でモロッコ行きを決めました。ツアーに入るけどw
今回の話も楽しみ!応援してます!
43:
カメちゃんのことはこのスレ知る前から知ってたからなんか凄い、上手く言えないけど嬉しい。。
44:
最後の写真のキノコ光って見える!
ゲームならMP回復しそうだw
45:
西丹沢って聞いてカメ五郎かなと思ったけどやっぱりそうか
海外旅行よく行くけど日本だとコミュ障めっちゃわかる
47: アルティメットカルパッチョ◆b8.LEDTODc 2018/10/16(火)00:11:11 ID:DyE
カルパッチョお兄ちゃまもサバイバルしたいんだけど、どこがオススメ?
奥多摩あたりで軽くキャンプから慣らすべき?
48: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/16(火)00:22:05 ID:jJG
>>47
どうだろ、おれは逆にたくさん人がいるキャンプ場でキャンプってやったことないしなぁ……
おれの場合は、友達に焚火ガチ勢がいるからメタルマッチとか少し使えるようになったってのもあるし……
でも、キャンプは楽しいぞ!
明かりが周りにない場所なら、星がいっぱい見えるんだ!
サバイバル要素なくても、最初はキャンプ系の野宿だけでも楽しめるんじゃないかな?
50: アルティメットカルパッチョ◆b8.LEDTODc 2018/10/16(火)00:24:52 ID:DyE
>>48
やっぱり友達かあああああ
ありがとう、大人しくキャンプ行ってきます
54: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/16(火)01:14:35 ID:k9f
>>50
おお!
楽しんでくれ!
56:
ヤマビルにグイグイ吸いつかれない?
63: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/16(火)08:42:25 ID:k9f
>>56
普通に取ろうとしてもなかなか取れないwww
凄いわヒルって
57:
肉は代わりに誰かが解体してくれてるってのは常々思ってる
昔、鹿解体した時に立てたスレがまとめにのったりして、いろんな考えがあるんだなーって思ったけど
鹿だってヒルだって、敬意をもって食したいものですね
63: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/16(火)08:42:25 ID:k9f
>>57
生きるためには殺さないといけないからな
59:
カメ五郎さんワロタ ムツゴロウさんみたいだな
60:
キャンプは好きだが、コレはさすがにワイルド過ぎるw
61:
ヒルとかよく食う気になったなww
64:
身体に吸い付いて離れないときは
タバコの火を近づけるとよいですよね
タバコは好きではないのですが
山に入るときはヒル対策のため持っていったことがあります
65:
>>64
蚊取り線香でも大丈夫だよ
69: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/16(火)18:23:39 ID:k9f
>>64, >>65
今回はヒル剥がすのに塩を使ったぞ!
さすがのヒルも浸透圧には勝てないみたいだ!
70: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/16(火)18:53:31 ID:jJG
 車へ戻り、野宿予定地がある山へ向かう。
 ちなみに今回のメインはあくまでヒルを食うことであり、完全にガチガチのサバイバルをしに来た訳ではなかった。
 故に、そこ以外はある程度ゆるくてもいいだろう……と、いうことで!
 途中で寄った道の駅にて夕食用の缶ビールを12本ほど購入!!
おれ
「酒だ酒だぁっ!!!」
カメ五郎さん
「山に入ると夜は何もすることがないからな。
 酒がほしくなるし、ちょうど良かった!」
 さてさて、今夜はどんな素敵な晩餐になるんだろうか……!
 そしてその後、予定地がある山の入口に到着したので車を停め、山へ入っていく。
 入口に生えている背の高い草をかき分けて進むと、少しだけ辺りが暗くなり、都会とはかけ離れた景観たる「山」が広がっていた。
 木々が生い茂る中を川が流れており、尖った大きな岩がたくさん転がっている。
 ……さあ、ここからは、おれが「外側」と呼んでいる世界だ。
 何があっても自己責任で、スマホの電波も入らないので助けなどは来ない。
 お金も肩書も全く役に立たず、ありのままの自分と向き合わざるを得ない世界。
 周りの環境や気候、いま手元にある道具などから最適な答えを自身で考え、行動しなければならない世界だ……!
 虫や鳥たちの鳴き声が木々によって僅かに反響する中、2人で岩を乗り継ぎながら川の上流を目指す。
 川はところどころ滝になっており、かなり急な斜面を登らなければ目的地には到着できないようだ。
 また、滝になっている場所には茶色く錆びついた梯子がかかっており、上へ登れるようになっていた。
 足をかける部分が太い金属棒になっている梯子もあり、滝の飛沫により濡れているのでかなり滑りやすそうだ。
 梯子の老朽化具合やロープなど補助道具の少なさからみて、どうやらこの辺りは普段誰も立ち入っていないエリアのようだった。
 しかし、先ほどの山の斜面とは違い、岩場を歩き回るのは外国で冒険中にたくさんこなしていたので、おれにとってはかなり得意な道だ。
 梯子を素早く登るというのも、カメルーンの森で木登りをしたりキックボクシングジムで懸垂をしたりしていたので自信がある。
 おれは自分の荷物のほかに酒を担いで登っていたが、片手で梯子を登り切った時はカメ五郎さんに「頼もしいね」と言ってもらえた。
 ……よ、よし!
 少なくとも足手まといにはなっていない……かもしれない!
71:
すっかり師弟関係だな
76: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/16(火)20:14:36 ID:jJG
>>71
すげー良くしてもらって超ありがたかった!
72: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/16(火)19:35:36 ID:jJG
 その後、斜面はさらに急になり、道のりは険しくなった。
 山の斜面の途中にポツンと梯子がかけてあったが、登り口にも登った先にも道は続いていないようだった。
おれ
「www これ設置した人はおれらに何を求めてたんすかね?w」
カメ五郎さん
「さあ……w
 登れってことじゃない?w」
おれ
「……まあ、そっすよねww」
 というわけで、カメ五郎さんに続いて謎の梯子を登って道なき道を進み、錆びた金属で出来ている足場を渡って目的地に到着。
 川がすぐ近くを流れていて水の確保が容易であり、さらにカメ五郎さんによるとヒルなどもいない、快適な場所とのことだった。
カメ五郎さん
「今日はここで野宿しよう。
 夕飯は……
 あっ……!」
おれ
「ど、どうしたんすか?」
カメ五郎さん
「車に塩忘れた……」
 カメ五郎さんが普段行っている自給自足生活では、基本的に塩だけを調味料として持ち込めることになっている。
おれ
「あー、まじっすかw
 一応おれキャラ立てようと思ってモロッコでよく使われてるクミン持ってきましたけど、今晩の調味料はクミンオンリーですかねww」
カメ五郎さん
「クミンwww
 クミン……かぁ……。
 香りが付くだろうなw
 ……いや、取りに行くよw
 ごー君、悪いけど薪集めしててもらっていい?
 下山して車戻って塩取ってくる」
おれ
「分かりました!
まかして下さい!」
 ……という訳で、ここからは手分けして作業をすることになった。
73:
ほーん
74:
なんか胸騒ぎがする
75: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/16(火)20:10:49 ID:jJG
 地面に落ちている枝がどの程度湿っているかを触った瞬間に判断して、少しでも乾いている枝を選び一ヶ所に集めていく。
 焚火の規模にもよるが、この作業をしっかりやっておかないと、暗くなってから火にくべる木を探さなければならず、かなり面倒なことになる。
 枝を探して歩き回っていると、視界の端でなにやら茶色い大きな物体が跳ねた。
 ……できるだけ気配を殺してゆっくりとした動作で、その茶色い物体に近づいて……捕獲!!
 おぉ!!
 ……ヒキガエルだ!!
 でかい!!!
 サバイバルにおける貴重なたんぱく源、というヤツだ!
 ここまで大きなカエルは間近で見たことがなかったので少し興奮しつつ、逃げてしまわないように網へ入れる。
 カエル肉があれば、今夜の夕食がかなり豪勢になるのは間違いないだろう。
77:
>>75
でかい
84: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/16(火)21:46:51 ID:jJG
>>77
おれも最初びっくりしたw
手に持った時ずっしりしてたわ
80: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/16(火)21:17:32 ID:jJG
 その後、焚火のための枝集めを終わらせて、カメ五郎さんを待つ。
 しばらくすると、カメ五郎さんが塩を持って帰ってきた。
カメ五郎さん
「おー! ヒキガエル獲ったの?
 どこにいた?」
おれ
「あ、このすぐ近くにいましたねw
 運が良かったみたいで。
 せっかくなんで、おれが捌かせてもらってもいいっすか?」
カメ五郎さん
「いいよ。
 やってみて」
 ということで、時々アドバイスをもらいつつ、おれはカメ五郎さんの動画で学んだ内容を実践する。
 まずは一度拝んでから、カエルの頭を岩に思いきり叩き付け、絶命させる。
 生き物が肉塊へと変わった瞬間だ。
 絶命後もしばらく心臓は動いているようだったが、気にせず作業を継続する。
 ナイフで頭を落とし、腹を切り裂いて皮をはぎ、指で臓物を全て掻き出す。
 カエルは死後硬直により両手を胸の前でクロスさせており、少し作業がしにくかった。
 ヒキガエルの皮には毒が含まれているので、川の水で丁寧に洗いながら作業を進める。
81:
毒あるのか知らんかった
84: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/16(火)21:46:51 ID:jJG
>>81
弱い毒ではあるけど、念のためだな
85: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/16(火)21:49:34 ID:jJG
 これまで、ヤギやシカ、鳥などを殺して解体する作業はやったことがあったが、カエルは初めてだ。
 しかし、ヒキガエルには肋骨がないこともあり、比較的スムーズに骨と肉だけの状態にすることができた。
 カエル肉を綺麗な状態にし終わると、カメ五郎さんが泡立てた実のようなものを渡してくれた。
カメ五郎さん
「これ、サイカチの実なんだけど、石鹸の代わりになるから、良かったら」
おれ
「ありがとうございます!!
 へぇ、自然界にあるものなのに、ほんとに石鹸みたいに泡立ってて凄いですね……。
 ……ていうか、なんで動画内ではこの実、使わないんすか?w
 『洗った?厨』(それ、洗った?などとカメ五郎さんの動画に書き込み、衛生的な食生活を啓蒙する人たち)とか、それあれば絶滅するでしょw」
カメ五郎さん
「動画の楽しみ方は人それぞれだからなw
 あ、今晩食うキノコ、既にウジ虫がちょっと沸いちゃってるけど大丈夫?」
おれ
「はい、もちろん問題ないっす!
 いやぁ、今夜の夕食が超楽しみです!!」
カメ五郎さん
「ウジ虫ごと食べればタンパク質も摂れて一石二鳥だからねw」
おれ
「そうっすよね!
 そう考えると野生のキノコってけっこう栄養食っすね!」
86:
毛皮?
これが原始時代の生活か・・・
そして後半の会話が何かおかしい気がするのはたぶん気のせい
87: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/16(火)22:04:38 ID:jJG
>>86
これは鹿の毛皮だ!
昔カメさんが鹿を狩って採取したものなんだぜ!
会話がおかしい? 気のせいだぞ!
88: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/16(火)22:11:59 ID:jJG
 おれがキルギスで手に入れた羊の毛皮と、カメ五郎さんが狩猟で捕まえたシカの毛皮2枚、合計3枚を地面に敷いて夕食の準備を進める。
 シカの毛皮はサラサラでつるつるで、かなり丈夫そうだった。
 さまざまな用途に使えそうな、素晴らしい素材だ。
 カメ五郎さんは、木の枝を削って食事用に箸を作ってくれた。
 箸は折れにくくしなる生木の方がいいらしい。
 メタルマッチ(火打石のようなもの)で火花を出して焚火をし、鍋に入れたキノコとヒキガエルに塩をかけて炒め始める。
 カエルの筋肉に蓄えられたエネルギー源であるATPと塩のナトリウムが反応し、カエルの手足がピクピクと痙攣する。
90: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/16(火)22:25:12 ID:jJG
 しばらく加熱していると、キノコから出た濃厚な汁が底に溜まり、美味しそうな匂いの湯気が漂ってきた。
 上品なおままごとだなぁ!?
 ……そして、酒を飲みつつ実食!
 今回摂れたキノコは大部分がアカヤマドリタケという種類のキノコだったが、傘の部分はとろとろで濃厚な出汁が出ており、市販できるレベルの美味しさだった。
 ヒキガエルの肉は堅い鶏むね肉といったところだろうか。
 加熱時間が長かったせいか、見た目は柔らかそうだが中身は引き締まっていた。
 臭みはなく、素直に食べられる味だ。
 ヒキガエルは大きいとはいっても手のひらサイズだったので、骨ごと食べることもできた。
123:
>>90
すごいなもうちょっとお料理っぽいやつかと思ったらそのまんまだった
124: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/18(木)08:48:32 ID:U7J
>>123
これが男の料理だっ!w
91:
あら美味しそう
94: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/16(火)23:19:46 ID:jJG
>>91
実際美味しかったぞw
けっこう濃厚だった!
92: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/16(火)23:03:21 ID:jJG
 その後、カメ五郎さんが持ってきたというシカ肉とキノコを使い、特製スープを飯盒で煮詰める作業に入る。
 途中でシカ肉を味見してみたが、おれが以前カメルーンの森で食べたシカ肉とはかけ離れている味だった。
 獣らしい臭みがなく、歯通りもよくて非常においしい。
 おそらく、きちんと処理をして部位を選別すれば、シカ肉はここまで旨くなるということなのだろう。
カメ五郎さん
「どうする? このスープ、明日でもいい?
 正直、もうおなか減ってないでしょ?」
おれ
「はい、今回は体調整えて胃袋小さめで来たんでもうお腹いっぱいです!
 明日の朝また火起こしして食べましょ!」
 ということで、今晩は食べないものの、もうしばらくは焚火を継続し、スープを煮詰めることにした。
 見た目があまりにもカレーっぽくなったので、持ってきたクミンを投入する。
95:
コトコト煮込んだ鹿スープ美味そうだな
98: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/17(水)18:17:50 ID:yiV
>>95
美味しい部位を選んで持ってきてくれたらしいけど、ほんとに超おいしかった!!
96: アルティメットカルパッチョ◆b8.LEDTODc 2018/10/17(水)09:31:17 ID:cWY
貴重なタンパク源です(カミキリムシパクッ)
みたいなことは実際、滅多にしないの?
98: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/17(水)18:17:50 ID:yiV
>>96
この時はバッタすら食ったことなかったぞ!
でも今回のことで昆虫食のアビリティ付いたから今後はやるかもな!
97:
今のうちに虫に慣れておけば未来のデフォが虫食でも困らない
98: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/17(水)18:17:50 ID:yiV
>>97
そうだな!
今後、熱帯雨林を横断する時とかに役立てるよ!
99:
きのこの焼き目の方が胃にグッときてしまった・・。
カエルは上野で出す居酒屋があるから食べたことあるけど
美味しいよね?
107: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/17(水)19:51:56 ID:rIX
>>99
アカヤマドリタケ、肉汁感がすごくてジューシーだったな
100: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/17(水)18:56:21 ID:rIX
 そして、火のようすをこまめに確認し、状況に応じて枝を足したり息を吹き込んだりして火力を保つ。
 カメ五郎さんは火の扱いがとても上手く、おれが息を吹き込んで復活しなかった小さな火も、カメ五郎さんが息を吹くとすぐに大きな炎へと成長した。
 ……か、かっこいいなぁ!
おれ
「……カメさん、もし今が石器時代だったらモテモテだったでしょうねw」
カメ五郎さん
「? ……あぁ、小学生の時の『足がい』みたいな?」
おれ
「そうっすねw
 石器時代に火を付けるの上手かったらそりゃもう、女の子みんなカメさんの周りに来ますよきっとw」
カメ五郎さん
「昔は炎を保ち続ける職業もあったらしいしねw
 はあ、石器時代に産まれたかったなw」
おれ
「おれも大航海時代とかに産まれてたら、冒険にしろ発明にしろ、もうちょっとワクワクできた気がするんすけどねw
 星を見ても経度すら分からなかった時代っすからw
 乞食からのスタートだったとしても、金持ち貴族に自分売り込んで冒険の船に乗るっすよ!」
カメ五郎さん
「産まれてくる時代が悪かったなw」
おれ
「それっすねw」
101: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/17(水)19:33:06 ID:rIX
 たまに火中へ枝を放り投げつつ、カメ五郎さんとまったり話す。
おれ
「あ、そういえばカメさん、訊いてもいいっすか?
 実際にやる気はないですけど、例えばイルカに船を引かせて馬車のように海を進むって可能だと思います?」
 カメ五郎さんはイルカの調教スキルを持っていて、イルカに関してとても詳しい。
 専門学校へ通っていた時代にイルカの調教を専攻していたそうだ。
カメ五郎さん
「知能的には可能だろうけど、ただ、イルカは引くよりも押すほうが得意だな。
 泳ぐためには尾を激しく動かさないといけないから……。
 トレーナーの人を押して水面を滑るように移動させる芸もあるから、押して移動させるかたちなら可能だろうね。
 船だとイルカのグループで押すことになるだろうけど、仲が悪くない限りは何も指示しなくてもイルカ同士で連携して、交代制でうまくやってくれると思う」
おれ
「はー、なるほど、条件さえ整えば割といけるんすね……。
 もちろん、ロバや馬と違ってイルカは愛されまくってますからそんなことできないっすし、しないっすけどねw」
 その時、空が2度ほど光り、それからかなり遅れて微かにゴロゴロという音が聞こえた
おれ
「あー、雷っすね。
 少なくとも2km以上は離れてる位置の雲からでしたね」
カメ五郎さん
「音聞こえた?
 雲の流れ的に山梨方面か。
 その辺ではもう雨降ってるのかもね。
 この川の源流はもっと近いから、増水はないだろうけど」
おれ
「こっち来ないといいんすけどね……」
カメ五郎さん
「もしそうなって、増水や鉄砲水の恐れがあるようだったら山降りよう」
おれ
「分かりました」
 そして、しばらくは緊張して空を見守っていたが、雷はこちらへ来ず、結局雨は降らなかった。
 ……さあ、明日はついにメインのヒル料理だ!
 せっかくなので、可能であれば昆虫の踊り食いなどもしておきたいところだ。
 とても楽しみだったが、楽しみ過ぎて眠れない……かというとそうでもなく、おれとカメ五郎さんはシカの毛皮の上で横になり、ぐっすりと眠ることができた。
【後編へつづく】
102:
イルカの発想すごいw
さすが制御不可と言われた羊をならした男w
ドラクエ5の主人公になるのも近いな
103: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/17(水)19:40:19 ID:rIX
 前編はここまで!
 後編は2月ごろに書き込む予定だ!!
106:
三日くらいで終わると言ってたのに前後編だったのか
107: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/17(水)19:51:56 ID:rIX
>>106
これ以上長いと「長過ぎて読む気失せた」って人けっこういるみたいなんだよな
本編は10,000字前後にした方が良いっぽくて
108:
>>107
最初に言ってクレメンス
109: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/17(水)19:59:29 ID:rIX
>>108
ごめんwww
たぶん今後、長い内容であっても区切って投稿すると思うw
スレ立ては冒険に向けた情報収集がしたくてやってるから読む人ありきだし
このやり方でモロッコ編並みのボリュームの冒険書こうとすると、8スレぐらいになりそうだけどなw
110:
なるほど、しかし期間空くのツラいなあ
まあ俺は良いけど
111: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/17(水)20:07:17 ID:rIX
>>110
今課題かなり多くてなかなか忙しいからなぁ……
おれがもうちょっと勉強の才能あれば、おーぷんにもっと時間さけるんだけど
時間めいっぱい使って勉強頑張るしかないんだよな
112:
ならしゃーない
後編期待してる
113: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/17(水)20:08:28 ID:rIX
>>112
ありがとう!
116:
次は何する気なんだよ・・・
117: 1◆0sA8GVLJwJ07 2018/10/17(水)21:51:59 ID:rIX
>>116
フィールドを限定した冒険家にはなりたくないんだ
慣れてきて安全になっちゃったら冒険じゃなくなるし
好き嫌いでいうならおれは砂漠が好きだけど
冒険王に、おれはなる!!
118:

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