渋谷凛「これは何」モバP「か、カスタムキャストです……」back

渋谷凛「これは何」モバP「か、カスタムキャストです……」


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1:
凛「……えっと。で、これは何するゲームなの?」
P「こう……用意されたパーツを組み合わせて見た目が好みの子を作る?、みたいな」
凛「それだけ?」
P「他には、えっと、配信ができる……けど、その機能は使ってないからよくわかんない」
凛「そっか」
P「はい」
凛「じゃあ聞くけど」
P「はい」
凛「さっきプロデューサーが動かしてたのは、プロデューサーが作った子なんだよね?」
P「………………。あれは最初から入ってる子です」
凛「そうなんだ。じゃあ、私もそのアプリ入れてみるね」
P「待って待って待って待って」
凛「?」
P「嘘をつきました」
凛「うん」
引用元:http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1538752042/
2:
P「その、申し訳ございませんでした」
凛「なんで謝るの?」
P「それは、その……気分を害したかなー、って」
凛「どうして?」
P「えっと、俺が凛に似た子を作ったから……」
凛「ふーん」
P「?」
凛「私に似せようとして作ったんだ」
P「えっ、あっ……」
凛「それで、なんで私に似た子を作ったら私の気分が害されるって思うわけ?」
P「…………もう許して……泣くぞ? 大の大人が泣くとこ見たいか?」
凛「……」
P「…………」
凛「ぷっ、あはは」
P「へ?」
凛「ごめ、ちょっと待って。だめ。くるし」
P「あの」
3:
凛「はー、くるしかった」
P「そんな爆笑するほど狼狽える俺は面白かったか」
凛「ごめんごめん。ちょっとからかっただけだよ。別にただの着せ替えゲームみたいなやつでしょ?」
P「まぁ、配信しなければそんなとこだな」
凛「普通のアプリってことはえっちなこととかできるわけでもないんだろうし」
P「……あー。……そう、だな」
凛「……できるんだ?」
P「いや、できないできない。これの前身になってるやつはそういうゲームらしいけど」
凛「念のために聞くけど」
P「大丈夫。やってない。これはホント」
凛「……まぁ、うん。そういうのを見たりやったりすることについては、何にも言わないけど」
P「はい」
凛「正直、自分そっくりの子が動かされてるの見るのはあんまり良い気しないよね」
P「ごめん。軽率でした」
凛「分かればいいよ」
P「変なこと聞いてもいい?」
凛「うん」
P「気持ち悪い、って思った?」
凛「うーん、なんて言えばいいんだろ。ちょっと違くて」
P「ちょっと違う?」
凛「うん。その……」
P「?」
凛「ここに本物がいるのになー、って」
P「……それは反則だろ」
4:
凛「反則?」
P「自覚がないなら大丈夫。あとでアプリも消しとくよ」
凛「別にそこまでしなくてもいいよ」
P「いや、あんなにかわいいこと言われたらなぁ」
凛「かわいいこと? …………あっ」
P「あー、気付いちゃったか」
凛「違うから。あれは嫉妬とかそういうのじゃなくて」
P「わかってるわかってる」
凛「その顔は絶対わかってない」
P「わかってるって。本物を大事にするから、な?」
凛「だから、ホントに違うから」
P「大丈夫だってば。凛が一番かわいいぞ」
凛「…………もう怒った」
P「あっ」
凛「口利いてあげないから」
P「えっ、ちょっと。待って、ごめん」
5:
P「……」
P「マジでどっか行っちゃった」
P「えー……」
P「……」
P「……どうしたらいいんだろ」
ちひろ「お仕事したらいいと思いますけど」
P「今そういう話はしてないんで」
ちひろ「……」
P「嘘。嘘です。頼まれてた資料、共有フォルダに上げてあります」
ちひろ「他にも三件ほどチェックお願いしたもの、ありますよね」
P「終わってます。先方にも連絡済みです」
ちひろ「……はぁ。どうしてお仕事だと優秀なんですか?」
P「へへへ、ありがとうございます」
ちひろ「褒めてないです」
6:
P「っていうか聞いてくださいよ千川さん」
ちひろ「全部聞いてました」
P「なら話は早い。助けてちひえもん」
ちひろ「私まで怒らせたいですか?」
P「すみませんでした」
ちひろ「……はぁ。それでプロデューサーさんは何をどうしたいんですか?」
P「凛と仲直りしたいです」
ちひろ「なら謝るしかないんじゃないですか?」
P「いや、今行っても口利いてくれないと思うんで」
ちひろ「なんでそういうことは察せるのに怒るまでからかうんですか……」
P「かわいくて……つい……」
7:
ちひろ「口さえ利いてもらえれば、謝って許してもらえそうですか?」
P「んー、五分五分ですかね。本気で怒ってたらノーですけど、そうじゃなかったらいけます」
ちひろ「本気で怒ってたらだめそうなんですね」
P「なんかお詫びの品がいるんじゃないかなぁ、って」
ちひろ「……でもこれ、長い時間凛ちゃんを放置しておくのもまずくないですか?」
P「それなんですよねぇ」
ちひろ「イチかバチかになっちゃいますけど」
P「それしかないですね。頑張ってください」
ちひろ「……?」
P「?」
ちひろ「私が頑張るのは凛ちゃんに取り次ぐところまでですよ?」
P「えー!」
ちひろ「えー、じゃないです。なんで私がそこまでしてあげないといけないんですか」
P「お仕事手伝ってあげたのに……」
ちひろ「それとこれとは話が別です」
8:
ちひろ「凛ちゃんがいる場所はわかりそうですか?」
P「休憩室かな、と。事務所からは出てないと思います。鞄あるんで」
ちひろ「なるほど」
P「じゃあ行きますか」
9:
P「……いますか?」
ちひろ「います」
P「俺はどのタイミングで入れば?」
ちひろ「プロデューサーさん、いま腕時計してますか?」
P「はい」
ちひろ「時間、合わせましょう」
P「これでいいですか?」
ちひろ「私が完全に入ってから三分後くらいに私に電話してください」
P「……それから?」
ちひろ「電話は鳴らしっぱなしで。携帯はこの辺りに置いといてもらえたら回収しますので、すぐ入ってきてください」
P「なるほど」
ちひろ「では」
P「……」
P「めちゃくちゃ頼もしいな、あの人」
10:
ちひろ「ふふ、いつも頑張ってくれてる凛ちゃんにちょっとでもお返しできたら嬉しいです」
凛「え、そんな。私こそちひろさんにはいろいろ助けてもらって……」
ちひろ「あ、ごめんね。電話みたい」
凛「大丈夫です。どうぞ」
ちひろ「それじゃ、ちょっと廊下で出てくるわね」
凛「はーい」
凛「……」
11:
P「この恩は何かで」
ちひろ「期待してますね」
P「必ず」
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