的場梨沙「今日だけクラスメイトにしてあげる!」back

的場梨沙「今日だけクラスメイトにしてあげる!」


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1:
梨沙「じゃーん! どう? この前の学園ドラマ撮影でもらった写真!」
心「どれどれー? おぉ?、かわいいじゃん♪ イケてるイケてる☆」
梨沙「でしょでしょ! 学ラン+サラシのユッコに負けないように、個性タップリに仕上げたから!」
飛鳥「制服姿の梨沙は新鮮だね。これは小学校の?」
梨沙「ううん、こっちは高校生のギャルに着せてもらった設定の方。初等部の制服はこっちの写真」
心「ほう、これは……一部のファンに大ウケしそうなデザインって感じ」
飛鳥「一昔前のアニメでよく見た制服だね。中流以上の家庭の小学生なイメージがよく出ている」
梨沙「ロリコン大喜びのデザインよね! またキモいヘンタイのファンが増えちゃうわ!」
梨沙「プロデューサーがこの服持ってきたときは文句言ってやったの」
心「でもその割にはノリノリで撮られてるように見えるけど」
梨沙「仕事は仕事でちゃんとやるのがオトナのレディーよ!」
飛鳥「偉いね、梨沙は」
梨沙「まあ、撮られてるうちにだんだんいい気分になってきたし? プロデューサーが似合う似合うってべた褒めするもんだから、アタシもなんだかんだこういう制服も悪くないかなーって思うようになってたっていうのもあるけど」
心「かわいいね、梨沙ちゃんは♪」
飛鳥「普通に気に入っていたんじゃないか」
梨沙「アタシって何着ても似合っちゃうからしょうがないわね♪」
心「じゃあ、はぁとメイドのスウィーティーな服も」
梨沙「それは着ない」
心「ぶーぶー☆」
飛鳥「ボクも着ないからな」
心「せめて聞くところまではやらせてくれない?」
2:
飛鳥「こっちの女子高生スタイルの制服の話に戻るけど。なかなかアレンジの効いた着こなしだね」
梨沙「でしょー? アイツも好きなようにやっていいよって言ってくれたから、こだわりにこだわり抜いたわ!」
飛鳥「スカートの丈、制服にしてはかなり際どいラインまで攻めているな……あくまでドラマだから、当然見映え重視で問題ないわけだけど」
梨沙「本当の高校だとダメなの?」
心「んー、高校によっては指導されちゃうかもねー。はぁとの友達も、先生に注意されたりしてたし?」
飛鳥「心さんは注意されなかったのかい」
心「はぁとはスカート長めにしてたからオッケー☆」
梨沙「スケバン?」
心「そこまで長くしてないわ☆」
梨沙「え、でもプロデューサーがこの前『似合いそう』って言ってたわよ?」
心「………」スッスッ
Prrrrr
心「あ、もしもしプロデューサー? 放課後校舎裏な☆」
梨沙「スケバンだ……」
飛鳥「放課後はいつで校舎裏はどこなんだ」
ヴー、ヴー
飛鳥「ん? Pからライン……」
『この辺で校舎裏ってどこのことだと思う?』
飛鳥「……あぁ。やはりボクとキミは共鳴しているね」フッ
3:
P「た、ただいま戻りましたー……」
飛鳥「おかえり」
梨沙「なにビクビクしてるの?」
P「いや……心さんは? いないのか」
飛鳥「あぁ、彼女なら」
心「お前の後ろだあああああああ!!」ダキツキッ
P「うおあああああああ!!??」
心「はーいドッキリ成功☆ 気分爽快仕返し完了☆」
P「し、心さんっ!? あの、当たってますって!」
心「何が?」
P「む、胸が」
心「………」
心「あてててんのよ☆」
飛鳥「『て』がひとつ多くなかったか」
梨沙「顔赤いし照れてるんでしょ」
心「外野ー? うるさいぞー?」
P「俺の方が顔赤いから大丈夫だと思います」
心「そのフォローも意味不明だぞー?」
P「せっかく助け舟を出したのに」
心「泥船の助けを借りても沈むだけじゃんかー」
P「泥船とは失礼な」
心「だいたいプロデューサーがスケバンが似合いそうとか言うのが悪いの! ヨーヨーぶつけるぞ☆」
梨沙「こういうのなんて言うんだっけ? 犬も歩けば棒に当たる?」
飛鳥「………ひょっとして、夫婦喧嘩は犬も食わない、か?」
梨沙「あ、それそれ! それ言いたかった!」
飛鳥「我ながら正解したことに驚いているよ」
4:
心「あーあ、はぁともJKに戻りたいなー♪ 今がイヤってわけじゃないけど、懐かしい?」
心「プロデューサーもわかるでしょ? この気持ち」
P「そうですね。この前久しぶりに学生気分を味わえましたけど、やっぱりいいものです」
心「え、なにそれ?」
梨沙「あー、あれでしょ? アタシが撮影の間だけ、プロデューサーをクラスメイトにしてあげたヤツ」
飛鳥「そんなことをしていたのか」
P「結構楽しかったな。いつもと違う関係っていうのも」
心「どんな感じでイチャイチャしてたの?」
梨沙「別にイチャイチャはしてないわよ! 普通のクラスメイトをやっただけ!」
心「じゃあ再現VTRをどうぞ!」
梨沙「えー? しょうがないわねぇ……」
5:
?的場梨沙とクラスメイトの場合?
P「あれ? おかしいな……」
梨沙「P? アンタもしかして、また教科書忘れたの?」
P「あはは……まあ、そういう日もあるよ」
梨沙「しょうがないわねー。ほら、見せてあげるから席くっつけて」
P「ありがとう。さすが家も席も隣の仲だ」
梨沙「あんまり甘えてんじゃないわよー」
P「わかってるよ。今度梨沙がなんか忘れたら貸してやるから」
梨沙「残念。アタシは優等生だから忘れ物なんてしませーん♪ この通り、教科書もノートもばっちり……」
梨沙「……ノート、最後のページまで使ってるの忘れてた」
P「俺、まだ使ってないノート1冊あるよ」
梨沙「………」
P「どうしようかなー。貸してやるつもりだったけど、的場さんは優等生だから忘れ物なんてしないはずだしなー。きっとなんかの間違いなんだろうなー」
梨沙「………給食のからあげひとつ」
P「今日は青りんごゼリーが出る日だったなぁ」
梨沙「なっ!? だ、ダメよダメ! あれアタシ好きなんだから!」
P「そうか、ならこの話はなかったことに」
梨沙「ぐぬぬ……き、汚いわよ! ヘンタイPっ!」
P「なっ、ヘンタイではないだろ!」
梨沙「ヘンタイだもん! アタシをからかう表情がキモいもん!」
P「キモくない!」
梨沙「キモい! いじわる!」
先生「おいそこのバカップル☆ 授業中にいちゃつくのもほどほどにな☆」
梨沙・P「はーい……」
梨沙「って、誰がバカップルよ! アタシはパパ一筋だし!」
P「俺だってこんな生意気なヤツ!」
先生「はいはい、それ以上は独り身の先生の心に響くからやめましょうね?」
6:
P「はあ、先生に遅れた宿題出してたら時間かかっちゃったな……」
P「もうみんな帰っちゃってるか……あれ?」
梨沙「………」
P「梨沙?」
梨沙「やっと来た。アンタ、遅すぎ」
P「いや、ごめん……じゃなくて。待っててくれたの?」
梨沙「べつに! 友達と話してたらこんな時間になっただけ!」
P「この教室、誰もいないけど」
梨沙「さっきまでいたの! ほら、わかったらさっさと帰るわよ」
P「う、うん……俺も早く帰りたいし、それはいいけど」
梨沙「あと、今日アンタの家遊びに行くから」
P「ええっ! いきなり!?」
梨沙「なによ、今さら気にするような仲でもないでしょ?」
P「いや、部屋散らかってるから」
梨沙「またぁ? アンタホントに整理整頓が下手よね。じゃあ掃除したげるから、行くわよ」
P「結局行くのは確定なんだ……」
梨沙「そうよ、確定♪ ほら、行きましょ!」ニコッ
P「……わかったよ」ハハ
梨沙「えっちな本とかあったら絶対見つけてやるんだから」ニヤニヤ
P「ないよ!」
7:
梨沙「――みたいな感じだったわね」
P「小学生に合わせた演技、意外と楽しかったなぁ」
飛鳥「思った以上にいちゃついていたしノリノリだったね……」
心「ほんとにな♪」
梨沙「ていうかハートさんはなんでさらっと先生役で乱入してるのよ」
心「だって混ざりたいじゃんかー☆ ていうかまだやり足りないし、続きやろうよ♪ ね、梨沙ちゃん!」
梨沙「えー? ダメダメ、もう終わり!」
心「えー!?」
飛鳥「かなり楽しんでいるように見えたけど、続けたくはないのかい」
梨沙「そ! こういうのはたまにちょっとだけやるから楽しいのよ」
P「なんだか大人な意見だな……」
梨沙「もしかして、プロデューサーもがっかりしてる?」
P「ちょっとだけ」
梨沙「はあ……まったく。オトナなのにオトナっぽくない人ばっかりなんだから。がっかりする必要なんてないじゃない」
P「え?」
梨沙「だって。クラスメイトじゃなくたって、アンタはいつでもアタシのプロデューサーなんだから!」
梨沙「アタシは、プロデューサーのアンタが一番す……一番いいと思ってるから! それで満足でしょ♪」
P「梨沙………」
梨沙「わわ、ちょっと本気でうれしそうな顔してる! 感動で泣き出したりしないでよ?」
P「しないしない。でも、ありがとう」
梨沙「……べつに、思ってることを言っただけだし」
P「それでもだよ」
梨沙「……ほんと、プロデューサーってチョロいんだから♪」ニコ
心「………」
心「今のセリフどっかでパクろうかな……」
飛鳥「プライドというものはないのかい」
心「プライドだけじゃ勝てないのが女の戦いなの……!」
飛鳥(そもそも使えるシチュエーションがえらく限定的に過ぎると思うんだけど……)
おしまい
8:
おまけ 飛鳥とPがクラスメイトの場合
校門前
P「………」
飛鳥「すまない、待たせてしまったね」
P「大丈夫。それより、何かあったのか?」
飛鳥「少し、クラスの女子達に捕まっていてね」
P「相変わらずモテモテだな……羨ましいよ」
飛鳥「女子が女子と仲良くなりやすいのは普通だろう」
P「いや、お前の場合はちょっと傾向が違うだろ……ああいうのはモテてるって言うんだよ。はあ、俺も女子との出会いがほしい……でもどうせ俺なんかじゃ」
飛鳥「P。あまり自分の価値を卑下するのはよくない。キミの価値を認めている人間だっているんだ」
P「けど」
飛鳥「お望みとあらば、語ってあげてもいいんだよ。キミの評価すべきところを。どうする?」
P「……いや、大丈夫。多分俺が照れるから」
飛鳥「ふふ、そうか」
P「帰ろうか」
飛鳥「あぁ。けど、その前にもうひとつ」
P「ん?」
飛鳥「ボクだって、生物学上は女子なんだぞ」
飛鳥「そして、妬みだってする」
P「………」
P「……わかってるよ、もちろん。美少女だって」
飛鳥「び、美をつけろとは言っていないだろう」
P「照れた?」
飛鳥「……キミというヤツは、まったく」
P「ごめんごめん。飛鳥の行きたいところに寄り道するから、許してくれ」
飛鳥「……本屋とゲームセンター」
P「またカーレースか? 今日も俺の勝ちだぞ」
飛鳥「勝負は時の運。やってみなければ何も理解らないさ」
9:
飛鳥「………」
P「結局俺の全勝だったな」
飛鳥「次は、勝つ」
P「何度だって対戦してやろう」
飛鳥「寛容なチャンピオンで助かるよ。しかし、盛り上がっている間に外も暗くなってしまったね」
P「本当だな。帰ったら母さんに怒られるかも」
飛鳥「ボクは、キミとこうして、夜の道を歩くのが好きだ。周りが暗いぶん、キミの存在をより鮮明に感じられるような気がする」
P「飛鳥がそう言うなら、母さんに怒られてもお釣りがくるな」
飛鳥「光栄だね」
P「こうして歩いていると、この辺の建物も昔と結構変わってきてるな……あそこにあったラーメン屋もいつの間にか潰れちゃったし」
飛鳥「時が流れ、この街は変わっていく。いや、街だけじゃない。ボクもキミも、変わっていく。今は隣同士の住む場所も、いずれは変わっていく」
P「いつかは大人になるもんな」
飛鳥「あぁ。けれど……キミとボクとのこの関係、この時間だけは、変わらないでほしいな」
P「飛鳥………」
飛鳥「たとえセカイが暗闇に覆われようとも。キミは、ボクを見失わないでくれよ?」
P「………当たり前だ」
P「俺が見つけたダイヤの原石。トップアイドルになるその日まで、見失ったりは絶対にしないよ」
飛鳥「ば、馬鹿。演技中にリアルの設定を持ち出してどうするんだ」
P「あ、ごめん。つい感情が入りすぎて……とにかく、大事に思っているってことは本当だから」
飛鳥「そこを確認したいわけではなくて……」
心「はーいカットカットー☆ それ以上のリアルいちゃつきはこっちの胸が焼けちゃうぞ☆」
梨沙「ていうか、家が隣っていう設定真似したでしょ! べつにいいけどさ」
心「やっぱりはぁともやる! 年齢的にキツイとか知らない! はぁともプロデューサーと甘酸っぱいいちゃいちゃラブラブやりたーい☆」
飛鳥「現在進行形で割と甘酸っぱいラブコメをしていると思うけど」
心「………」
梨沙「顔赤いわよ」
心「う、うっさいぞ☆」
心「……ほんとにできてると思う?」
P「俺を見ながら素で真面目に聞かないでくださいよ……」
飛鳥「そう、こういうところがまさにそうだ」
梨沙「今の流れ、パパとのラブラブ計画に使わせてもらおうっと……」
飛鳥「だから、使える場面が限定的すぎる……!」
おまけおわり
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