椿「もう一歩、そっちへ寄っていいですか?」back

椿「もう一歩、そっちへ寄っていいですか?」


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モバマス・江上椿のSSです。
19歳・Cu
出身地:新潟
趣味:写真を撮ること
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2: 以下、
“素敵な今”を切り取って、
形に残すのが写真の役割だとしたら。
この胸のドキドキは、
どんなふうに描き出されているだろう。
あなたには、どんなふうに映って見えているのだろう。
3: 以下、
* * * * *
「はいOKでーす!」
スタッフさんの声が響く。撮影は無事に終了。
椿「お疲れ様でした! ありがとうございました!」
みなさんにご挨拶をすませ、荷物の片付けに入る。
P「お疲れ様。バッチリだったね」
椿「そうですか? ありがとうございます!」
今日は撮影の日。
雑誌の表紙と巻頭で使う予定の、私の写真を撮るためだ。
P「素敵な笑顔だったと思うよ」
椿「ふふっ、それなら嬉しいです♪」
ローカル情報を載せているタウン誌の企画。
頒布範囲は広くないって言われたけど、それだって雑誌は雑誌。
表紙に起用してもらえるなんて、私にとっては初めてのこと。
しかもインタビューも2ページ!
とっても光栄なことだし、形に残るってとってもドキドキする。
P「都内郊外の小さなタウン誌とはいえ、手に取ってくれる人はそれなりにいるはず。きっといい経験にもなるし、少しずつファンを増やしていこうね」
椿「はいっ♪」
4: 以下、
カメラマンさんと、プロデューサーさんと、私の三人で写真を確認しつつ、意見を交えつつ。
無事に良さげな数枚が撮れて、ほっと一息。
データ上の自分の姿を改めて覗き込む。
P「いい感じだね」
椿「よかったです」
前より表情が柔らかくなったかな?
少しだけ素敵になれただろうか……なんて。
彼の表情を伺いながら、そっと聞いてみる。
椿「……私、成長できてますか?」
P「もちろん。以前よりさらにいい顔するようになったし、ますますアイドルらしく、かわいくなったと思うよ」
優しい言葉をもらえて、思わず顔がほころんでしまう。
最近少しずつだけどお仕事も増えてきているので、
アイドルらしくなってきたのなら、私としても嬉しいな。
椿「ふふっ、ありがとうございます♪」
5: 以下、
事務所への帰り道。今日は電車移動なので、
駅までプロデューサーさんと並んで歩く。
これも彼の提案。
P「来週のまちあるきレポのお仕事、近くのエリアだから、撮影終わった後に歩いてみようか」
少し知っておいた方が、当日も緊張せずに臨めるだろうし。
そう言って、この時間も含めて今日はスケジュールしてくれた。
椿「晴れてよかったですね。風が気持ちいい♪」
P「そうだね。気候のいい時期だし。来週もそうだといいなぁ」
プロデューサーさんは本当に、細かなところにまで気づいてくれる人。
慣れないことには緊張が隠せない私にも、先回りでいろんなフォローをくれる。
椿「あ、露店。ちょっと見ていいですか?」
P「もちろん」
交差点の向こうにお店を発見。少しだけ立ち寄る。
この器は古いものなんですか? これって何ですか?
これはね。こっちにもこんなのがあってね。
そんな他愛ないお話を介して地域の人と触れ合って。
カメラを構えて、少しだけ写真も撮らせてもらって。
椿「いろいろ撮れました♪」
P「そりゃ何より。やっぱり椿といえばカメラだもんね」
椿「そうですね。やっぱり好きですから」
笑顔を交わす。
自然な感じが素敵ですね、と褒めてもらうことは多いけど、
それにはやっぱり、そうさせてくれる彼や周囲の方々の存在があると思う。
気取らず自分らしく、でもアイドルらしく、少しずつ前へ。
そんな風に支えてくれるプロデューサーさんの言葉が、とても嬉しい。
6: 以下、
椿「あ、こっちの路地の雰囲気素敵……」
P「隣のお寺含め、いいアングルだね」
椿「ちょっと一枚撮っていいですか?」
P「いいよ」
椿「プロデューサーさんも入ります?」
P「いやいい」
椿「入りましょうよ♪」
P「やだよ」
子供のようなじゃれあいをして。
結局プロデューサーさんは映ってくれなかったけど、
素敵な写真がまた一枚。
江上椿、19歳。
ふとした縁からアイドル活動を始めて。
今が楽しくて、アイドルが楽しくて、毎日が楽しいです。
7: 以下、
* * * * *
椿「……で、これがその時の漆器のお店の写真で、こっちがお寺の……」
同日午後、事務所。
休憩スペースで居合わせたみんなと、撮った写真を交えながら雑談。
裕子「椿さんはこう……なんというか、いいシーンを撮るセンスがすごいですね!」
柚「ホントだよね、これとかお店のおばあちゃんの表情までバッチリだし」
茜「こっちの銅像の人のパワー! って感じもすごいですね!!!」
褒めてもらえるのはとっても嬉しい。
それに、いろんな一枚をキッカケにして、
その振り返りができたり、いろんなお話しができたり。
ケイト「……mmm、ツバキは本当に“ステキ”を切り取るのが上手デスネ!」
惠「そうね。大切なものを見抜く目がしっかりしてるのかもね?」
椿「そう、ですかね? ふふっ、ありがとうございます♪」
そうだったらいいな。
日常の中にあるたくさんの素敵を、もっともっと拾っていけたら。
裕子「それはそうと、この間の、私のちょっと変顔みたいになってる一枚……アレは消す方向でお願いしますよぅ」
椿「ふふ、あれも思い出ですよ♪ 外に漏らしたりしませんから心配しないで」
柚「えーあれめっちゃおもしろかったじゃん! あれユッコちゃんのSNSのアイコンにしようよ!」
裕子「やですよ! 私の知的なイメージが台無しじゃないですか!」
惠「知的……?」
茜「ユッコちゃんなら大丈夫ですよ!!!」
裕子「どういう意味ですか!?」
ワイワイ
今日も事務所は賑やかで、楽しくて。
私の“私らしさ”は、きっとたくさんの人の支えでできてる。
杏「杏たちのだらしない秘蔵写真とかもあるんだろうなぁ。怖いなぁ」グデー
比奈「今まさに全力でだらしない人間が言うセリフでもないと思うんスけどね」
8: 以下、
* * * * *
P「椿は自分の強みって何だと思う?」
別日午後、事務所。
プロデューサーさんから何気なく発された言葉は、
意外と考えてしまうもので。
椿「強み、ですか」
写真は好きだけど、そういう話じゃないだろうし。
ダンスは割と飲み込みが早いって言ってもらえることがあるけど、どうなんだろう。
椿「む、難しいですね……」
P「あ、ごめん。そんな悩ませるつもりじゃなかったんだ。魅力はいっぱいあるんだよ」
ただ、椿自身の意識としてはどうかなと思って、と彼は付け加えた。
椿「歌とかダンスに関してはまだまだ、得意ですなんて言えませんよ」
P「それはそうかもしれないけどね。でもあまり苦手意識もない感じだよね」
そういえばそうかもしれない。
音程を取るのに四苦八苦とか。
同じステップにずっとひっかかっているとか。
そういうことは、あまりない……かな?
P「最近のレッスンは楽しい?」
椿「そう……ですね。もちろんしんどいときだってありますけど、新しいことに挑戦できるのはとっても楽しいですよ」
P「それは椿の魅力の一つかもしれないね」
そう言われると嬉しくなる。
でも強みかぁ。
椿「もっともっと、実力をつけていかなきゃいけませんよね」
アイドルとして。
自信を持って言えること、
少しずつでも作っていかないと。
9: 以下、
夏美「あら、椿ちゃんのイイトコなんていっぱいあるじゃない♪」
椿「きゃ、ちょっ、夏美さん!?」
急に現れた夏美さんに腰の辺りを触られ、変な声が出そうになる。
気がつけば後ろには、旅行大好きのいつものメンバーが。
芽衣子「椿ちゃんセクシーだし、意外に大胆だよね!」
惠「ふふ。結構色っぽい衣装も多いし、ちゃんとそれを着こなしてるものね」
美里「スタイルいいよねぇ。腰まわりもしっかりくびれてて。プロデューサーさんもこの写真見てくださいよぉ。おへそのあたりがとってもセクシーですよねぇ?」
椿「いやあの、ちょっと、みんな何言ってるんですかっ! プロデューサーさんも見なくていいですから!」
ワイワイ
10: 以下、
* * * * *
ルキトレ「強み?」
椿「ええ」
夕方、河川敷。
市街地を抜け、川沿いを走り、小さな公園の前で一息。
ここは最近お気に入りのランニングコースだ。
ドリンクを飲みながら一緒に話しているのは“ルキトレ”こと慶ちゃん。
トレーナーさんたち青木姉妹の末っ子で、私と同じ19歳。
今日はたまたま時間が取れそうということだったので、
一緒に走るのはどう? という話になって、今。
ルキトレ「また突然だね。なんでそんなこと聞いたのかな、プロデューサーさん」
椿「うーん、きっと何かを考えてくれているんだと思うんですけど」
慶ちゃんと私は最近よく話すようになった。
最初はレッスン内容の相談だったかな?
だんだんアイドル活動全般のこととか、普段の趣味の話とか、他愛ない雑談もするようになって。
ルキトレ「椿ちゃん自身がどう感じてるか、ってことでいいんじゃないかな?」
椿「やっぱりそうですよね。でも難しいなぁって」
同い年ということもあってか、話してみるとけっこう気があって。
今こうしてざっくばらんな会話ができるのがちょっと嬉しい。
レッスン時のキッチリした口調と違って、
くだけた感じの彼女がとても新鮮で、でも魅力的。
11: 以下、
ルキトレ「悩み過ぎてもしょうがないよ。椿ちゃんステキなとこいっぱいあるんだし、そのどれかが強みとか個性になっていくと思うし。これからだよ!」
椿「うん……」
わかるような、わからないような。
首を傾げる私にでもね、とつけ加える彼女。
ルキトレ「椿ちゃんって最近けっこう体力ついてきたよね?」
椿「ん、えっと、そう……ですか?」
ルキトレ「もともと見かけによらず体力あった方だと思うけど、最近とくに。たぶん一生懸命基礎練を積み重ねてる結果だと思うんだけど」
そう言ってもらえるのは嬉しい。
ルキトレ「わたしからしたら、椿ちゃんの素敵なとこって案外そういうとこなんじゃないかなって思うけど」
椿「そういうとこ?」
ルキトレ「こつこつ積み重ねることを楽しんでできる。新しいものに興味を示せる。目の前のことを素敵なものだと信じて打ち込める。そういうとこ」
ひたいの汗をぬぐいながら、さらっと語る彼女の言葉はなんだかとっても頼もしい。
椿「そうなのかな……」
ルキトレ「そうだよ。だから信じて頑張ろうね」
でも無茶はダメだよ、と釘を刺すことも忘れない慶ちゃん。
ルキトレ「椿ちゃんはレッスンも基礎トレも、急にやりすぎちゃう時あると思うよ。このあいだだってレッスン後に走り込みしようとして、やっぱりキツかったって言ってたでしょ」
椿「うっ……それは、はい、まぁ」
ルキトレ「気持ちが入ってるのはいいけど、やりすぎて痛めたりしたら意味がないからね」
椿「はい。ごめんなさい」
ルキトレ「わかればよろしい」
先生と生徒のような会話をひとしきり交わして笑い合う。
でも実際、彼女の言葉は頼もしい。
一見すると細くて、色白で、とってもかわいい女の子。
でも今も、軽快に走っていた姿はとっても力強くて、たくましくて。
健康的な魅力というか、彼女は本当に、そういう感じにあふれている。
椿「……慶ちゃんはすごいなぁ」
ルキトレ「え、どうしたの」
驚いた様子の彼女を見て、笑ってしまう。
突然ごめんなさい。
12: 以下、
椿「はぁーっ」
深呼吸をもう一回。
顔をあげると、木々の緑が視界に入る。
この時期は草木も花も、景色もとても綺麗。
夕日がまた絵になる感じで、とっても好き。
カメラを持ってないのが残念だけど、そこは仕方ないなぁ、なんて。
ルキトレ「ねぇ椿ちゃん、あれひょっとして……?」
慶ちゃんの声で現実に引き戻された。
彼女が指差す先を見て、走ってくる人影に気づく。
いつものメイクも、お得意の“盛り”も今日はなしだけど、
その存在感で、すぐにわかった。
椿「彩華さんっ」
ルキトレ「お疲れ様です、彩華さん」
彩華「え、あ、椿ちゃんだぁ〜、慶ちゃんも! お疲れ様ぁ〜♪」
集中していた険しい表情から一転、
明るくてガーリッシュいっぱいの、いつもの素敵な彼女になった。
13: 以下、
彩華「もう疲れたよぉ〜……」
寄りかかるように私の肩につかまる彩華さん。
そう言いつつもニコニコ顔だ。
岸部彩華さん。
事務所イチの女子力お姉さん。
大人びた立ち姿、色気のあるメイク。
そして意外と言われがちだけど、とにかくアイドル活動に一生懸命で、努力家。
最初は別世界の人のように感じていた。
でも話してみると優しくて、私たちのいいところもたくさん見つけてくれて。
明るくて楽しいけど、練習は熱心で前向き。
素敵な大人女子って感じがする。
まぁ、私や慶ちゃんと同い年なんだけど、ね。
同い年かぁ……。
ルキトレ「今なんでこっち見たの」
椿「え、あ、ううん。なんでもないです」
ちょっとだけ失礼なことを思いました。ごめんね慶ちゃん。
改めて彩華さんに向き直る。
明るい表情が印象的だ。
14: 以下、
椿「ふふっ、最近ごきげんですね。何かいいことあったんですか?」
彩華「え、そう見えるぅ?」
唇に指を添え少しだけ悩んで見せる彼女。
彩華「……最近レッスンがいい調子でぇ〜」
ゆったりしたトーンで話が始まる。
少しずつできることが増えている、
みんなの頑張りが見えてきた、
プロデューサーに褒められた、
そんな話。
慶ちゃんと目を合わせ、笑みがこぼれる。
彩華さんがいい感じなのは私たちから見ても明らかだ。
彩華さんらしい女子力の高い魅力ももちろんなんだけど、
最近はこう、アイドルっぽい、ポップでキュートな一面もどんどん見えて。
きっといろいろうまくいってるんだろうな、なんて思う。
15: 以下、
椿「素敵ですよね。ユニットも順調そうだし」
彩華「ありがとぉ! でもね、思うの」
息をきらしていたはずなのに、話したくてしかたない様子。
彩華「今まで知らなかったことがわかって、できなかったことができるようになって、それってすごくステキで、でもあやかはまだまだ未熟で、もっともっとがんばらなきゃいけないんだってこともわかってきて」
でもそれこそとってもステキなことだよねぇ。
そう語る彼女の瞳がとっても印象的だった。
ルキトレ「彩華さんって本当に真面目だし、最近のレッスンもいい感じにハマってきてますよね」
彩華「ありがとぉ〜! でももっと頑張るよぉ、走るし鍛える!」
ルキトレ「ふふ。椿ちゃんもそうですけど、無茶はダメですからね」
注意を促す慶ちゃんに、はーい、と笑顔でうなずく彩華ちゃん。
彩華「でも、“もっと”ってステキなことだなって、今感じてるの。だから頑張りたいなぁって」
本当にそうだ。
私も負けないようにしたい。
彩華「ふふ、椿ちゃんだってそうだよぉ」
そう……なのかな?
彩華「最近すごくいいカオするなぁって思うの。きっとアイドル活動が順調なんだろうって」
椿「ありがとうございます♪ みんなのおかげですよ」
でも彩華さんを見ていても思う。
もっともっとできることがあるんだろうって。
ルキトレ「さ、二人ともそろそろ帰りますよ。事務所までもうひと走り!」
彩華「はぁーい」
椿「はーい」
頑張ろう。
私もこういう素敵な笑顔をしていたいから。
16: 以下、
彩華「ね、椿ちゃんとこのプロデューサーさんって、ステキな人?」
帰路の途中、並走しながら彩華ちゃんが話しかけてきた。
椿「そう……ですね。優しくて、いつも気づかってくれる素敵な人ですよ」
彩華「そっかぁ。うんうん、椿ちゃんがそう言うなら間違いないよね♪」
いきなりだったので、とっさに思いついた言葉しか返せなかったけど、
彩華さんは妙に満足げの様子。
彩華「あやかたちや、事務所のみんなとの会話もあるけど。でも椿ちゃんって、プロデューサーさんと話してるときの笑顔がすごくカワイイって思うんだぁ」
椿「……」
彩華「信頼って大事だよねぇ」
それはそう、だと思うけど。
彩華「椿ちゃんは、どうなのかなぁ〜?」
どう、とは。
彩華「ふふっ♪」
一度合った視線を逸らす。
はっきりとは言葉にしないけど、でも、言いたいことは……わかる。
だけど、うん。その気持ちを説明するのはまだ、ちょっと難しい。
17: 以下、
* * * * * 
芽衣子「……うん、うん、そうそう。……あ、お疲れ様♪」
椿「あ、お疲れ様です、芽衣子さん」ペコリ
事務所のロッカールーム。
着替えにもどったところで、電話中の芽衣子さんに遭遇。
芽衣子「そう、せっかくだし撮影のあとにどうかなって……。いけそう? 本当に? やったぁ〜ありがとう! ごめんねプロデューサー、いつもワガママ言って」
担当プロデューサーさんとお話しているらしい。
またどこかへ行くのかな。
芽衣子「……ううん、そんなことないよ、そういうお仕事も素敵だし。急なのはしょうがないよ〜。そんな中でも、こうやって私のワガママも聞いてくれたりして、すっごく嬉しいよ!」
盗み聞きするつもりはないんだけど、
素敵な言葉につい、興味が引かれてしまう。
芽衣子「……いつもありがと。プロデューサーの優しい気づかい、ちゃんと感じてるよ」
ドキドキする言葉が交わされている。
聞いちゃいけないところだったのかな。
芽衣子「…………おでかけ、楽しみだね♪」
とっても乙女な、淡くて綺麗な表情と、息づかい。
さすがに勝手に撮るのはマナー違反だからしないけど、
でも芽衣子さん、いつにも増してかわいい。写真に残したいなぁ、あの笑顔。
じゃあね、と明るいフレーズとともにスマホを下ろし、
大きく一息つく彼女。
18: 以下、
椿「……ひょっとして、大事な場面でした? お邪魔してごめんなさい♪」
芽衣子「え!? 違う違う、お仕事のことだよ〜」
いやいや、さすがにそれは、ね?
芽衣子「いや、あの、椿ちゃん、その不敵な笑みは一体」
椿「え、あ、すみません。だって、芽衣子さんとってもかわいい表情で電話してるから。女の子だなぁって」
芽衣子「え”っ……えっと、そ、そうかな? えへへ……///」
自覚はなかったみたい。
電話越しの担当プロデューサーさんには、
こんな彼女の姿が、彼女の想いが、どのくらい届いたんだろう。
椿「芽衣子さんって最近お仕事も順調ですし、旅もいろいろしてるし、なんていうか、キラキラしてますよね」
芽衣子「そう……かな? でもそう言ってもらえるのはすごく嬉しい!」
椿「プロデューサーさんとの信頼関係も厚い感じで、そういうのって大事ですよね」
芽衣子「うんうん、そうなんだよね! 旅レポもそうだしレッスンもライブもそうだけど、ポイントがわかってきたり、全体が見渡せるようになるとより楽しくなってくるんだけど、そういう時って必ずプロデューサーの言葉が胸にあるの! やっぱりコミュニケーションって大事だなって!」
椿「うんうん、さすがは芽衣子さん、ですね♪」
キラキラした瞳でこちらに語りかける芽衣子さん。
本当に触れるもの全てが楽しそう。
こういうところに、ファンのみんなは虜なんだろうなぁ。
19: 以下、
椿「……それで、担当プロデューサーさんとは、何か進展があるんですか?」
芽衣子「えっ、……いやいや、私とプロデューサーはいつも通りだよ♪ ……あはは///」
照れつつも濁した反応をする彼女。
あれでいつも通りなら、それはそれでどうなんだろう。
芽衣子「……でも椿ちゃんだって最近、担当プロデューサーさんといい感じ、じゃない?」
もう少し聞いてみたい雰囲気だったけど、
話の矛先が変わってしまった。
椿「え、私ですか? ええっと……」
芽衣子「どうなのかなぁ〜?」
攻守交代。芽衣子さんは案外、こういう話が好きだったりする。
思うところは、なくはないんだけれど。
でも、彼女のこんな姿を見せられた後で話せることはない、かなぁ。
芽衣子さんとPaプロデューサーさんの信頼関係は、傍目に見ていても素敵だと思う。
お互いを本当に信頼していて、
欠けてるところを補ったり、
先回りして気づかったり、
?あと、自然な感じで距離が近かったり。
最近特にそんな感じだと思う。
素敵な信頼関係なのはもちろんだけど、
それ以上に、あの距離感とか会話とか、
……ちょっと羨ましいなって、思っている自分がいたりする。
好きとかそういう話だけじゃなくて、
お仕事がきちんと、順調に進んでいるからこそなのかな、なんて。
20: 以下、
* * * * *
P「椿、今ちょっといいかな?」
別の日、昼下がり。
椿「はい、大丈夫ですよ」
P「ありがとう。……あ、写真の整理中だった?」
椿「あ、はい。ちょっと未整理のままのものがあったので」
机には最近撮った写真が広がっている。
お仕事に関するものから事務所での何気ない姿を映したもの、
果てはプライベートの一枚まで。
椿「でもこれはいつもの個人的なことですし」
P「いつものこと……だね、確かに。椿らしいというか」
思わず笑い合う。
椿「それより、お仕事のお話ですか?」
P「ああ、そうそう。一つ決まりそうでね」
プロデューサーが資料を見せてくれた。
椿「ラジオ……ですか?」
P「番組名としてはね。でも映像も配信するので姿も見える形だね」
椿はきっと、映像があった方がいろいろ映えるから。
そう言って、手元の資料をパラパラとめくって見せてくれた。
椿「すごいですね……ありがとうございます!」
P「まぁまだ枠が決まっただけだし、詰めていかなきゃいけないことはいっぱいあるんだけどね」
苦笑いしつつ話す彼。
短い箱番組で、細かな内容についてはまだこれからなのだとか。
でも立派なお仕事だし、私がやらせてもらえるなんて。
聞いただけでドキドキする。
P「で、来週また打ち合わせがあるんだけど、そこに椿も同席できないかなと思って」
椿「は、はい。わかりました……!」
21: 以下、
改めて資料に視線を落とす。
内容未定とは思えないボリュームたっぷりの企画書。
こういうのも、しっかり詰めていくものなんだ。
椿「……あの、とっても嬉しいんですけど、……その、私で大丈夫なんですか?」
P「もちろん。そう思って企画を練ってるところだよ」
椿「……」
もちろんとっても嬉しい。
でも嬉しい気持ちと同じくらい、
大丈夫かなって思いも募る。
P「椿ならきっと大丈夫。でも、やっぱり不安はあるよね」
椿「……はい」
見透かしたように言葉をくれるプロデューサー。
でも、本当にそう。
強みって何だと思う? という、
この間のプロデューサーの言葉がリフレインする。
私は何か、見つけられただろうか。
意味もなく資料をめくっては戻し、を繰り返しながら、
胃をキュッと掴まれるような気持ちを必死で払う。
P「今週末はレッスンないよね。少し時間取れるかな?」
声で我に返り、彼に視線を戻す。
P「少し見せたいものがあるから、そこでまたゆっくり話をしよう。大丈夫大丈夫」
何があるんだろう。
わからないけれど、
彼がまた私を気づかってくれていることはわかる。
私も、応えたい。
22: 以下、
* * * * *
千奈美「何かあったの?」
翌日、レッスン終わり。
片付けに入るところで、千奈美さんに声をかけられた。
差し出されたドリンクを受け取る。
椿「あ、ありがとうございます。……えっと、私、どこか変でした?」
千奈美「思い違いじゃなければね。ずいぶん気負った感じだったから」
図星かもしれない。
千奈美「眉間にシワ寄せててもいいことないわよ。時子じゃあるまいし」
椿「ンフッ」
噴き出しそうになったのを、なんとか必死で堪えた。
和やかな空気になってちょっと得意げな千奈美さん。
ズルイですよ、今のは。
千奈美「……で?」
椿「あ、えと……。深い理由はないですよ。ただ最近、周りのみんなが頑張ってる姿を見ることが多くて……。私も新しいお仕事頂けそうだし、もっと頑張らなきゃー……って♪」
千奈美「…………そう。でもいつものおおらかな椿が見られないのは、ちょっと残念ね」
椿「あ、あはは……」
怪訝そうな眼差しが刺さる。
べつに嘘は言ってないんだけど。
千奈美「ふぅ」
小室千奈美さん。
いつも自分のスタイルを崩さず、それでいて優しくて、魅力的な人。
ストイックな印象の一方で、最近は柔らかな笑顔を見せてくれることも多くなった。
千奈美「……少し話でもする?」
椿「……?」
私、そんなにヒドいかなぁ。
23: 以下、
千奈美「ふぅん、担当プロデューサーがね」
椿「はい」
場所を移して、プロダクション内のカフェスペース。
コーヒーを飲みながら二人で雑談をすることになった。
改めて、話題は私のこと。
千奈美「ラジオの件はさておき、その言葉は変に意識する必要はないと思うんだけど」
椿「私もそう思ってるつもりなんですけど……気負ってるように見えたりしますか?」
千奈美「んー……まぁ、そうね。ちょっとだけ、らしくないというか」
頑張る姿は好きなんだけどね、と付け加える彼女。
千奈美さんは、実はとっても面倒見がよくて、とっても察しがいい。
気にかかったことにはとことん向き合うタイプだし、
私たちにもしっかり向き合ってくれる。
だからこそ、このひとときなんだと思う。
千奈美「……ねぇ、椿。私の魅力って何だと思う?」
椿「え、急にどうしたんですか?」
千奈美「いいから答えて」
促されるままに答える。千奈美さんの魅力はいっぱいあるんだから。
スタイルがよくて。大人びていて綺麗で。
ものすごく努力家で。ひたむきで真面目で。
言いたいことはハッキリ告げて。
強気になんでもチャレンジする。
いつだって前向きで、とっても気高い人。
でも、仲間にもファンにも優しくて、気づかいができる人。
それと、
千奈美「ふふ、ありがと♪」
話し続けようとする私を遮る彼女。
24: 以下、
千奈美「椿、そういうところよ?」
椿「え?」
千奈美「あなたは“誰かの素敵”にちゃんと気づける。ちゃんと見ているし、ちゃんと気を配れる。私のことを気づかいができるって言ってくれたけど、それは椿だってそう」
少しこちらへ向き直って、
彼女はゆっくりと、噛みしめるように話し始めた。
カメラが好きな椿らしい魅力。
人を、モノを、素敵な景色を、ちゃんと見ている。
そしてそれを幸せに昇華できる。
それってじゅうぶん、あなたの魅力なのよ?
レッスンもトレーニングも大事。
努力の先にしか成長はないと思うわ。
あなたも、私もね。
でも、でもね。
今あるあなたの魅力をないがしろにしないで。
それはみんなが認める個性だし、
プロデューサーが見出してくれた立派な魅力なんでしょう?
椿「……プロデューサーさんが」
千奈美「そうよ。そして不安の原因は明確。プロデューサーとちゃんと話ができていないこと」
25: 以下、
言葉が鋭く刺さる。
彼女は優しい笑顔を見せながら、続けた。
私ね、自分の為に頑張ってたところがあるの。
モデルの頃も、アイドルになってしばらくの間も。
もちろんファンの存在を意識してなかったわけじゃないけど。
でもレッスンやライブ、大小いろんな仕事をこなすにつれて、
支えてくれるスタッフや、プロデューサーや、
何よりファンの存在がどんどん大きくなってきて。
アイドルになってよかったと思うわ。
気づかなかったところにたくさん触れられて。知らなかったことをたくさん学べて。
いろんな気持ちに気づけて。そしてこれからが楽しみになったから。
椿「……」
千奈美「椿だって、きっとわかるでしょ?」
たしかにそう、かもしれない。
千奈美「人は変わっていくものよ。ましてこんな刺激いっぱいの世界で。でもそれには、スタートの幹がある。変わらない自分の根本がある。だから変わることが楽しいの」
担当プロデューサーとの信頼関係もね。
そう話す千奈美さんは、とっても色っぽくて、
とってもかわいい表情をしていた。
千奈美「まとまってなくてもいいの。もっと思いの丈をプロデューサーに話してみなさい。きっと受け止めてくれるから」
椿「……そう、ですね」
いつのまにか、自分も頑張らなきゃって気持ちばかりで、
素直に相談ができずにいたかもしれない。
いつもならもっと自然に話していたのに。
26: 以下、
椿「千奈美さんはスゴイですね。私と同い年なのに」
千奈美「年齢なんて関係ないわよ。もう一歩、あと一歩、欲張れるかどうか」
欲張る。
ちょっと意外な言葉だ。
でも、言いたいことはわかる気がする。
千奈美「ま、とにかく。謙遜はそれくらいにしておきなさい。アイドルの輝く瞬間なんて長くも短くもなるのよ。成長するのに己の否定はダメ。もっと己を大切に、“あなたらしく”走りなさい」
そろそろ行くわ、と席を立つ彼女。
去り際に思い出したように、こちらを振り返る。
千奈美「……お互い不器用よね。でも、頑張りましょ♪」
千奈美さんが本当に素敵なのは、
こういうところじゃないかなって思う。
27: 以下、
* * * * * 
早耶「あっ、お疲れ様ですぅ〜。待ってたんですよぉ♪」
事務所の休憩ブースに戻ると、ソファで休んでいた早耶ちゃんが迎えてくれた。
待ってた? 私を?
椿「お疲れ様です。え、私ですか?」
早耶「そうですよぉ〜、ちょっと見てください☆」
鼻歌が聞こえてきそうなご機嫌な声。
手元のスマホは入力中のブログ画面。
早耶「今日のヘルサバでの活動を書いてるんですけど、写真どれがいいと思いますかぁ?」
写真の相談ってことなのかな。
頼ってもらえてちょっと嬉しくなる。
何枚かの画像をスワイプしながら見せてくれた。
構図の差、表情の差、光の差し込み方の差。
似ているようでどれもちょっとずつ違う。
椿「……そうですね、私はこれとこれなら二枚目の方がいいと思いますよ。みんなの表情がしっかり映ってますから」
早耶「練習風景の方はどうですかぁ?」
椿「レッスンの雰囲気が伝わるし、こっちの広角で撮ってる方が素敵かなって思いますよ」
早耶「わかりました♪ ありがとうございますぅ☆」
椿「ふふ、どういたしまして」
ファンに人気の早耶ちゃんブログ。
更新がマメなのも、情報がいっぱいなのもとっても魅力的。
なにより、文章のことも、写真のこともそう。
早耶ちゃんはいろんな人に相談したり意見を聞いたりして、
よりよいものを作ることに一生懸命だ。
28: 以下、
早耶「投稿できました♪」
スマホをしまいつつ、改めてこちらに向き直る彼女。
早耶「椿さんもレッスンだったんですか?」
椿「はい。あ、でもレッスンが終わって、しばらく千奈美さんとおしゃべりをしてました♪」
早耶「いいですよねぇ、そういう時間」
椿「ええ」
早耶「椿さん、ちょっと元気になりました?」
椿「?」
早耶「ここ何日か、あんまりいつものハツラツとした感じじゃないなぁって思ってたんですよぉ」
早耶ちゃんまで。そんなにだったのかな。
早耶「勘違いだったらごめんなさい。でも、もし何かあるんだったら、少しお話でもどうかなぁって思って」
椿「……それで、待っていてくれたんですか?」
早耶「はい♪」
早耶ちゃんはこういうところ、本当に周囲をよく見ている。
椿「写真選びのために私を待っていたのかと思ったんですけど、そうじゃなかったんですね」
早耶「もちろんそれもありますけど、でもやっぱり気になってたので」
椿「……早耶ちゃんは優しいですね。ありがとうございます」
早耶「えへへ、どういたしまして。やっぱりみんな、笑顔がいいですもん☆」
照れ臭そうに、でもしっかりと語る早耶ちゃん。
新しいことを始めたり、流行り物に興味を示したりと何に対しても積極的な彼女。
そうした姿の奥には、周りの人をよく見て、よく理解しようとしている
彼女の優しさがあるんだと思う。
29: 以下、
早耶「そうそう、椿さん新しいお仕事決まりそうなんですよね!」
椿「あ、そうなんですよ。だからなおのこと、頑張らなきゃって」
自分のことのように嬉しそうに話してくれる。
早耶「ふふ、プロデューサーさん言ってましたよぉ。椿さん最近、いつにも増して奮闘中だって」
椿「え、あ、そうなんですか?」
早耶「はい。少し根を詰めがちなのは気になるし、ちゃんとフォローするつもりだけど、気持ちが充実しているのはいいことだし、大切にしてあげたいなって」
そんなふうに思ってくれていたんだ。
早耶ちゃんは同じCuチームだし、担当プロデューサーが同じ。
だからこうしてお仕事の話が伝わっていることもあるし、
誰かのウワサが流れてきたりもする。
早耶「ゆっくり時間を取りたいけどここ数日ずっとバタバタしてるって言ってました。忙しそうですもんねぇ、プロデューサーさん」
椿「本当ですよね」
彼こそいろんな子をプロデュースして、
日々いろんな予定がびっしりのはず。
週末に時間を取ってくれるって言ってたけど、大丈夫なのかなって思う。
でも、気づかってくれているのがわかるのは嬉しいし、
こうして話が流れてくると、不思議な気持ちになる。
ちょっとだけ恥ずかしいけど。
早耶「プロデューサーさん、いい人ですよねぇ」
椿「ええ、ですよね」
本当にそう思う。
早耶「きっと忙しいのは確かですけど、でも、もっともっと相談していくべきだし、もっともっと甘えていくべきだと思いますよぉ」
椿「あ、甘えるって……」
早耶「もっともっと包み隠さず本音を話して、もっともっと気持ちを伝えて。その方が、プロデューサーさんも私たちをわかってくれますし、もっともっと素敵なプロデュースにつなげてくれるだろうって思うんですよぉ。だから早耶はいつも話しにいきます。だから椿さんも、ね?」
椿「……」
たしかにそう、かもしれない。
千奈美さんにも言われたけど、
私はもっと彼にいろんな相談をして、理解し合っていくことが必要なのかも。
30: 以下、
早耶「ね、椿さんは、プロデューサーさんのこと好きですかぁ?」
椿「ん”ん”っ!?」
思わず変な声が出てしまった。
……えっと、何て返すのがいいんだろう。
向かい合っているのは、誰あろう、早耶ちゃんだ。
恋愛かどうかはともかく、
彼女がプロデューサーさんのことをすごく慕っているのは、
誰もが知っていること。
早耶「早耶は好きですよぉ。それに、早耶はみんなが大好き!」
返答に戸惑っている私に投げかけられた言葉は、
ちょっと意外なものだった。
31: 以下、
早耶ちゃんは言葉を選びつつ、ゆっくり語ってくれた。
プロデューサーさんにはアイドルにしてくれてありがとうの好きも、
いつもプロデュースありがとうの好きも、
優しく見守ってくれてありがとうの好きも、
それ以上の好きもあるんですけどぉ。
でもそれと同じくらい、
事務所のみんな、チームのみんな、ユニットのみんなが、
早耶は大好きなんですよぉ。
だって誰一人欠けても、今の早耶はここにいませんでしたから。
それってとっても素敵なことですよねぇ?
いろんな気持ちがあると思うんです。好きもいろいろ。
でも、好きって何よりのエネルギーだし、
好きを好きって言えることってとってもいいことじゃないですかぁ♪
だから、早耶は椿さんがプロデューサーさんと、
もっともっと信じあって、支え合って活躍していくことも応援したいです。
そして自分も頑張ろうって。早耶も負けないで頑張ろうって。
早耶「早耶は欲張りなんですよぉ☆」
得意げな表情を見せる彼女。
でも私は、あっけにとられるばかりだった。
すごい。
早耶ちゃんがここまで想って、考えて、
語ってくれるなんて。
好きもいろいろ、か……。
32: 以下、
早耶「でも、椿さんも実は結構、欲張りですよね?」
椿「えっ」
そんなこと初めて言われた気がする。
あまり執着心のない方だと思っていたんだけど、
そう……なのかな。
早耶「椿さんって素敵なことに敏感じゃないですかぁ。景色も、みんなの集まる姿も、何気ないワンシーンも。ちゃんと見ていて、ちゃんと撮ってる。スゴイと思うんですよぉ〜」
……。
早耶「そういう素敵の向こう側にアイドルとしての椿さんがいるって、とってもカワイイなぁって思います。椿さんは早耶みたいにハッキリ言わないかもですけど、ちゃんと、自分が好きなことにはいっぱいの好きを示してますよね? それすごく素敵ですよ!」
ああ、ああ。
どうしてこんな簡単なことに気づかなかったんだろう。
私、実は、とっても欲張りで、ほしがりなのかもしれない。
写真が好きで。
みんなの笑顔が好きで。
新しいことが好きで。
知らない世界を知るのが好きで。
変わらない何かがあるのも好きで。
友達が好きで。事務所のみんなが好きで。
今が好きで。毎日が好きで。
そして、プロデューサーさんが、好き。
33: 以下、
椿「…………」
早耶「椿さん、耳まで真っ赤ですよぉ?」
椿「へっ!? あ、えっと、いやこれは」
早耶「ふふっ、椿さんも乙女ですよねぇ☆ わかりますよぉ〜」
椿「も、もう! そういうんじゃなくて!」
頭の中でいろんな何かが繋がったような感じがして、
私はすっかり上気したままだ。
でも。
好きって思うものを、感じることを、大切な人を。
そうした毎日を、ずっとずっと大切に想っていけたらって。
それって何より素敵な、私のワガママで欲張りで、
何より前向きな気持ちなのかもしれない。
椿「……早耶ちゃんはすごいですね。これだけのことを、おおらかに語ってみせるって」
早耶「ふふ、わかりますよぉ。でも……。でも、みんなの“好き”を早耶も好きになりたいし、早耶も頑張らなきゃって思えるって、すっごく幸せだと思うんですよぉ」
改めて早耶ちゃんの表情を伺う。
不安がないわけじゃないけど、でも、
これが私だと言わんばかりの、前向きさに溢れた姿。
早耶「だって好きってキモチ自体、もっともっと好きでいたいじゃないですかぁ♪」
彼女はどれだけ、好きと向き合ってきたんだろう。
私はこれから、どれだけ向き合っていけるんだろう。
早耶「ふふ、欲張っていきましょう? 乙女は欲張りな生き物ですよぉ?」
そう言ってポーズをキメる彼女はいつにも増して、
とってもキュートなアイドル・松原早耶だった。
早耶「……早耶も、とっても欲張りですから、忘れないでくださいねぇ♪」
思わず魅了されてしまいそうな、彼女の笑顔がそこにあった。
強いなぁと思う。
34: 以下、
* * * * *
藍子「ありがとうございましたー。では次のお便りです♪」
週末、お昼過ぎ。
私とプロデューサーさんは、
藍子ちゃんのラジオ番組の見学に来ていた。
見せたいもの、というのはラジオの現場のことだったみたい。
P「雰囲気とか知れるといいかなと思って」
椿「なるほど……ありがとうございますっ」
P「事務所の仲間が仕事をこなしている姿は、新鮮?」
椿「そう……ですね」
新鮮ももちろんだけど。
間の取り方。指示の出し方や反応の仕方。お便り内容の読み上げや受け応え。
どれも、すごく勉強になる。
藍子「あ〜、私もそういうことあるから、気持ちすっごくわかります。でも……」
パーソナリティは彼女一人なので、
原稿を読みつつお便りを読みつつ、
合間にテンポよく彼女の体験談や感想が入りつつ、心地よい時間が過ぎてゆく。
35: 以下、
P「最初は時間感覚とかなくて、やっぱり難しかったそうだよ」
藍子ちゃんの“ゆるふわ空間”では
あっという間に時間が経っちゃう、という話は、
私たちだけじゃなくファンの間でも有名だ。
でもそんな彼女も、
時間のキープをしっかりやって、
切りどころで切って、
曲に入ったり宣伝に入ったりしていて。
傍目に見ていても、とっても安心できる姿がそこにある。
椿「今の彼女からは想像もつきませんね、そういう話」
経験しながらうまくなっていったんだろう。
すごいなぁって思う。
P「そうだね。でももちろん本人の努力もあるけど、スタッフとの連携あってのところも大きいと思うよ」
椿「連携、ですか」
P「そう。原稿の意図をしっかり汲み取る。しっかり事前に確認する。優先事項を把握する。キュー出しの指示やタイムキープはADもやっているんだし、頼れるところは頼る。そういうことで、彼女もうまく回せるようになっていったんだって」
36: 以下、
改めてブースの向こうの彼女を見る。
ガラス越しのADさんをしばしば確認しているし、CM入りの前後は何度も指示を送りあったりしている。
P「いろんな人が携わって、番組ができてるんだよね」
それは本当に、いろんなお仕事を経験する度に私も感じることだ。
P「でも、『みんなの為にうまくやらなきゃ』じゃなくて、『みんながいるからきっと大丈夫』って考えてほしい。ここにはディレクターも、構成作家も、俺もいるんだから」
椿「……そうですよね」
みんながいるから大丈夫。
とっても大事なことだ。
P「実は高森さんも小さな箱番組に出たのがラジオデビューで、そこからだんだん人気を得て、自分の番組を持つにまで至ったんだよ」
椿「そうだったんですね……」
知らなかった。
みんなそうやって、
一歩ずつ踏み出して前に進んできたのかな。
P「椿だって飛躍の可能性はいろいろあるし、こういうチャンスも楽しめるようになっていけたらいいね。周りを信じて、少しずつ頑張ろうね」
椿「……はいっ」
焦っちゃダメだ。
私なりに、できることから少しずつ。
そして、周囲を信じること。頼ること。
37: 以下、
椿「……」
P「椿、こっちこっち」
椿「え、あ、はいっ」
呼ばれた先には、番組のディレクターさんがいた。
ご挨拶をして、今度、箱番組をさせてもらう旨を話して。
ブース越しに藍子ちゃんの動きのいいところを幾つか教えてもらって。
番組進行に関してのアドバイスも貰ったりした。
「……そんな感じかな? まぁ最初は無理しなくていいから、構成やADに教わりながら、落ち着いて進めればいいと思うよ。大切なことをこぼさなければきっと大丈夫」
椿「はいっ。ありがとうございます」
「それにしても江上さん、プロデューサーくんの話の通りだね」
椿「? えっと……?」
「この間の会議、僕もいたんだけどね。彼が君のことを熱弁していてね。笑顔がいい、写真映えもする。でもそれら以上に、持っている雰囲気とか佇まいが魅力的な娘なんです、って」
思わずプロデューサーさんの顔を見る。
彼は知らんぷり、のように目をそらす。
「きっと最初のうちはミスもすると思うんですけど、きっと慣れてきたら話すことも、リスナーの心を掴むこともできる、優しいけど頼もしい子なんです、って」
椿「……そんな話を、してたんですか?」
P「ま、少しだけね」
よくある会議での一幕、なのかもしれないけど。
担当アイドルを頑張ってプッシュしていただけ、なのかもしれないけど。
でも、そういう話をプロデューサーさんがしてくれていた、という事実が。
それを知れるのが、なんだかとっても幸せ。
38: 以下、
「人選の場で話すにはとてもいい語りだったと思うよ。今までの活動の資料なんかもしっかり見せて貰ったし。キャリアはまだ浅いって聞いたけど、でも楽しみだよ。期待しています」
椿「あ、ありがとうございます。頑張ります!」
P「ありがとうございます。よろしくお願いします」
私が頭を下げるのと同時に、彼も横で深々と綺麗な礼をしていた。
私が身を起こしても、まだしていた。
それを見て思わず私も、もう一度深めのお辞儀。
仰々しいよ、とディレクターさんが笑いながら私たちを起こした。
「プロデューサーにいっぱい相談して、支え合いながら頑張ってね」
そう言って、ディレクターさんはADさんたちのもとへ戻っていった。
さっそく藍子ちゃんへの指示内容や、映像の映し方であれこれ議論している。
P「あの人も頼もしいこと言ってるけど、現場はいつだって試行錯誤の連続なんだよ」
CMの間に藍子ちゃんのもとへ行き、
あれこれ話しかけている様子のディレクターさん。
P「だからこそ、みんなで助け合わなきゃね」
藍子ちゃんはうなずいたり、原稿に赤を入れたり。
収録中なのに今から直すって、すごい。
P「気負わないで、なんて無理だと思う。だからこそ、困ったらみんながいるって思ってほしい」
椿「はいっ♪」
39: 以下、
* * * * *
ラジオの収録現場をあとにして、外へ。
帰路の途中、「ちょっと寄り道でもどう?」というプロデューサーさんの言葉で、
公園にやってきた。
椿「ここ初めて来ました。事務所からそう遠くない距離に、こんな素敵な憩いの空間があったんですね……」
P「なかなかいい感じの所だよね。季節の木々や花もけっこう咲いてるし、それにホラ」
彼が指差す先には“私”があった。なんて。
P「……わかる?」
椿「ふふっ、もちろんわかりますよ。これはナツツバキですね♪」
シャラノキ。別名、ナツツバキ。
この季節が見頃の、白くて綺麗な花。
P「ツバキって名のつくものもいろいろあるんだね。赤い普通のツバキばかり連想しがちだけど、こういうのもあるんだなぁって。詳しくなかったから、調べて初めて知ったよ」
椿「わざわざ調べてくれたんですか?」
P「まあちょっと気になったから、ね」
こういうところ、本当にマメだし、
プロデューサーさんらしいなぁって思う。
40: 以下、
椿「ツバキの中にもいろんな色がありますし、ナツツバキみたいに種類が違うけどツバキと名のつくものもあったりするんですよ。不思議ですね」
P「そうなんだね。そう考えると、奥深い世界だ」
改めてナツツバキを眺めながら、
ふむ、と考える仕草をする彼。
私のことに興味を示してくれているようで、ちょっとドキドキする。
P「椿自身は何色のツバキが好き?」
きっと何気無い質問だったんだと思う。
けれどやっぱり、私の名前でもあるツバキのこと。
少しだけ考えて、そっと言葉を返す。
どれも素敵ですけど、と前置きをしつつ。
椿「……ピンク、でしょうか」
ガラじゃないと思われるかもしれないけど。
でもあの淡い色あいが、なんとなく素敵。
P「そっか。うんうん、椿にぴったりだね」
たぶん、深い意味の質問じゃなかったんだと思う。
気軽な返しがそれを物語っている。
だけど、なんだかとっても幸せな言葉の往来で。
41: 以下、
椿「プロデューサーさん」
P「うん?」
椿「……ナツツバキの花言葉、知ってますか?」
私もたまには、踏み込んで。
P「調べた時に一緒に見たよ。えっと、愛らしさとか、儚い美しさとか、そういうのだったよね」
椿「はい。じゃあ、ツバキの花言葉は?」
P「いろいろあったよね? 控えめな優しさとか、気取らない優美さとか……」
椿「正解です♪」
でも、ツバキの花言葉は色によっても違うんですよ、と補足する。
赤のツバキと、白のツバキと、ピンクのツバキと。
P「……えっと、じゃあピンクのツバキの花言葉は?」
さすが、するどい。
でも。
椿「秘密です♪」
P「えっ」
それは後で、自分で調べてみてください。
イタズラっぽく舌を出して、少し駆け足で先へ。
慌てて追いかけてくる彼を見て、なんだかとっても楽しくなった。
こんな今が大好きだから。
これからも笑顔でいたいから。
だから、もっともっと素敵な私になれたらいいな。
ツバキの花はいろんな色があるけれど。
一番の椿は、あなたのとなりに咲いていますよ、なんて。
42: 以下、
* * * * *
P「そういえば、これ」
椿「あ、もうできてるんですね」
P「明日頒布だからね。一足先に届いたんだよ」
椿「見ていいですか?」
P「もちろん」
このあいだ撮影やインタビューを受けたタウン誌。
表紙を飾れるなんて感慨深い。
そっとページをめくる。
巻頭には質問に応える私の写真とともに、
 優しくて朗らかで等身大の19歳。
 でもその瞳に映る世界は、奥深くて、ロマンティック。
ずいぶん恥ずかしくなる言葉が添えてあった。
椿「……改めて読むとなると、ちょっと照れますね///」
P「まあ、そうだろうね。でも素敵な記事になってると思うよ」
それは確かに、そう思う。
P「見出しの言葉、編集さんに俺が喋った言葉がほぼそのまま使われちゃって」
椿「え、これプロデューサーさんが考えたんですか?」
P「こんなキャッチフレーズっぽく話したわけじゃないけどね」
きっと話したんだろうなぁ。
ウキウキと私のことを説明する姿が浮かぶ。
43: 以下、
椿「……ロマンティック、ですって」
P「変だったかな?」
椿「いいえ、とっても嬉しいです♪」
彼の言葉と、私の姿で構成されているページ。
そう思ったら、なおさらとっても素敵に見えて。
彼と私、二人でひとつなんだなぁなんてことを思ってみたりして、少し顔がほころんでしまう。
まだ私には、漠然とした自分しかないかもしれない。
でもそれも含めてアイドル江上椿で。
少しだけ笑顔を増やせたり。
少しだけ幸せを増やせたり。
それが私の強み……なのかもしれない。
驕るつもりはないけれど、
ちょっとだけ、胸を張っていけたらいいな。
彼と一緒に。
44: 以下、
椿「このあいだ、早耶ちゃんが言ってました。誰かにとっての大きな存在になれるって、とっても素敵なことだって」
アイドルはまさに、それが一つの役割なのかもしれない。
P「そうだね。その通りだと思う」
でも、それはきっと、身近な人の話でもそうなんだと思う。
プロデューサーさんは、私にとって、とても大きな存在で。
そして私は。
椿「色とりどりの花がある中で、私はどんな色の椿にもなれます。きっと、あなたのプロデュースで」
P「……そうだね。きっとそうだ」
プロデューサーさんは一瞬だけ驚いた表情を見せたけど、
私の言葉に、嬉しそうな反応をくれた。
P「これからどんどん素敵になっていけるよ」
椿「私もですか?」
P「椿が、だよ」
こういうことを当たり前のように言えるのが、
彼の素敵なところで、ちょっとズルいところ。
みんなに言ってないですか? それ。
……でもとっても、嬉しいです。
P「どうかした?」
椿「なんでもないです♪」
45: 以下、
改めて、視線の先のナツツバキにカメラを向ける。
綺麗な白。空の青に溶けていくようだ。
椿「プロデューサーさん、一緒に一枚撮りませんか?」
自撮りはそんなに得意じゃないけど、でもたまには、ね。
断れないと思ったのか、案外すんなり頷いてくれた彼。
構図を考えながら、そっと横に並ぶ。
椿「もっとこっちに寄ってください」
P「ちょっと恥ずかしいな」
椿「何言ってるんですか」
私が今、どれだけドキドキしてるか気づいてないくせに。
椿「はい、チーズ♪」
46: 以下、
椿「……もう一枚お願いしていいですか?」
P「ああ、いいよ」
一枚撮ってはみたけれど、
画面の二人は近そうで、でもどこかぎこちなくて。
少し悩んだけど、仕方なくリテイクのお願い。
さっきより気持ち分、近づく感じに並んで……。
いや、もっとかな。もう少し必要かな。
構図がパッと決まらなかったので、
一旦カメラを下ろして彼の表情を伺う。
おおらかで暖かい、いつもの笑顔のプロデューサーがそこにはいた。
椿「そう……ですよね。ふふっ」
P「?」
いつだって優しくて、頼りになって。
私にたりないところを教えてくれて、補ってくれる。
そして変わらず、いつもそこにいてくれる。
そんな彼が大好きだ。
アイドルとしても。
きっと、私個人としても。
47: 以下、
構え直す前に、深呼吸をひとつ。
よし。
もうちょっとだけ“欲張って”みよう。
そう思った。
椿「ねえ、プロデューサーさん」
P「うん?」
伝えたいことが、きっと、たくさんあります。
今からちょっとだけ、お話しますね。
だからプロデューサーさんも、
たまには、ドキドキした表情を見せてくれてもいいんですよ?
……なんて。
椿「もう一歩、そっちへ寄っていいですか?」
それは、ここから始まる物語。
50: 以下、
乙。まさしく素敵という言葉がピッタリな雰囲気のss
他アイドルとのやり取りも趣があってとても良かった
元スレ
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