モバP「担当アイドルの家庭環境が想像できない」back

モバP「担当アイドルの家庭環境が想像できない」


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P「由々しき事態です」
ちひろ「そんな大げさな」
P「家庭は個人の土壌です。その人が育った理由が詰まってるんですよ。ファンからすれば気になるポイント、ひいては妄想しがいのあるポイントのひとつだと思うんです」
ちひろ「まぁ、人となりを見ればどんな家庭か想像できたりしますもんね」
P「そうなんですよ。例えば自らをカワイイと豪語するあのアイドル。さぞ愛されて育ったんだろうな、とか」
ちひろ「幸せな子になるよう名付けられました! って言ってましたもんね。両親の愛情が伺えます」
P「蒼いセンスなあのアイドルが育つなんて、どんな花屋なんだろうな、とか」
ちひろ「あれは本人由来だと思いますけど。たしかに想像は膨らみますね」
P「でしょう? その辺不詳のミステリアスな存在……というのも確かに魅力だとは思うんですが、うちのアイドルは……」ちらっ
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2: 以下、
クラリス「まあ……! 音葉さん見てください見てください! のあさんのカフェラテ、ほら!」
カップ「♪」
梅木音葉「八分音符……ふふっ。譜面の上以外で揺らめく姿を、初めて見ました……。ラテアート……器用なのですね……」
高峯のあ「結実した今という瞬間をそう評してくれるなら、積み重ねた時間にも意味は生まれる……。楽しませられたなら、なおのこと…………」
P「ミステリアスにもほどがあると思うんですよ」
ちひろ「現代日本で育った存在なのかさえ怪しいですよね。兵庫、北海道、奈良出身でしたっけ」
P「他国、異世界、近未来って言われた方がしっくりきますよね」
ちひろ「キャラはもうビンビンに立ってますけど……たしかに、ちょっぴりその辺ファンに知ってもらうのもいいかもしれないですね」
P「俺らもぶっちゃけよく知りませんしね。ファンが妄想するとっかかり程度に、ちょっとだけ明かしてみましょう。そうしましょう」
ちひろ「……ちなみにさっき、のあさんはどういう意味の発言をしてたんでしょうか? 結実がどうとか」
P「練習した甲斐があった、楽しんでくれてうれしい、と。かわいいとこありますよね」
ちひろ「振っておいてなんですけど、即答できるその理解力は若干キモいです」
P「どうすりゃいいんですか俺は」
3: 以下、
ちひろ「まぁPさんのことは置いときまして、活躍の可能性を探すのはとてもいいことだと思います」
P「でしょ? なので実際に本人たちから少しだけ話を聞いてみましょう。そして、ファンがそのちょっとの情報からどう想像を広げるのかを実践しようと思います」
ちひろ「要はファンの代わりにPさんが妄想してみようって話ですね。アホらしいですがアイドルのためですし、付き合いますよ」
P「ありがとうございます。というわけで……おーい、みんなちょっとおいでー」
ちひろ「最年少でも十九才の女性陣を呼ぶのにふさわしい呼びかけなんですかねそれ。もっと無邪気な年ごろ向けでは」
クラリス「はーい♪」とててててっ
ちひろ「いやまぁ無邪気というか、邪気の真逆にいるような人ではありますけど」
音葉「え、あ……は、はーぃ……」
ちひろ「恥ずかしいならノらなくてもいいんですよ?」
のあ「…………」すいーっ
ちひろ「無言で来るのはいいんですけど、音どころか一切の上下移動がない歩き方どうにかなりませんか? フロート移動してるみたいで若干怖いんですが」
5: 以下、
のあ「はぐくまれた場所に……思案を巡らせたいと……?」
クラリス「のあさんの出身……鹿さんがたくさんいるところでしたよね?」
ちひろ「それだと奈良中に鹿がいるみたいなんですが」
音葉「ご両親は、エーデルな……洗練された雰囲気を持つお方なのでしょうね……」
P「きっとそうですよね。ちなみにのあさん、ご両親のどっちに似てるとか言われたことあります?」
のあ「……渦巻くらせんに綴られた系譜は、神が示した道しるべのようなもの……他者からの観測に差異は少々あったけど……どうやら私のそれには、ゆりかごの色が強く反映されているみたいね……」
ちひろ「えーと………………『お母さん似って言われます』?」
P「おお、正解ですちひろさん。理解できてるじゃないですか、のあさん語」
ちひろ「勉強しましたから。割と考え込まないといけないので、Pさんが通訳してくれると楽なんですけど」
P「そこは楽しちゃダメですよ。すぐに慣れますって」
ちひろ「むしろ同じ時期から勉強始めたあんたがどうしてそこまで深く理解できてるのかが不思議です」
P「僭越ながら、語学力には自信がありますから」
ちひろ「語学研究者に怒られますからドヤ顔止めてください」
6: 以下、
クラリス「お母様はのあさんと似てる……では、お父様はどのようなお方なのですか?」
のあ「……口数が多い方ではないわね。ただ、人並み以上の熱量は常に蓄えている人よ。熱を吐き出す時と場合が偏っている、と言った方がいいかしら」
P「あー、好きなこと関連ならよく話す人ですか?」
のあ「ん……といっても、星のこと以外で言の葉を解き放つことはあまりなかったけど」
クラリス「天体観測はお父様譲りのご趣味なのですね」
音葉「キアレッツァ……夜空の輝きを娘に語り聞かせる…………。きっと、お父様にとってはとても大切な時間だったのでしょう……」
ちひろ「寡黙な父親……ん? じゃあお母さんは割と喋る方とか?」
P「のあさん語のままめっちゃ饒舌だったりしたらどうしましょう」
ちひろ「……とっても想像しにくいんですけど」
P「そうですか? 鍛えられたのあさんファンが今の話を聞けば、たぶんこんなかんじの想像が…………」
7: 以下、
P(学生)『うわ……下校のタイミングで雨なんて、なんとも間の悪い……。しょうがない、近くのコンビニまで走って…………ん?』
のあ『…………』
P『(同じクラスののあさんが、下駄箱のとこでじっと立ってる……』
のあ『…………』
P『傘なくて困って……るわけじゃないや。傘持ってる。どしたんだろ。最近喋るようになったけど、正直よく分からない人だよな)』
のあ『…………あ』
P『(あ、こっち見た) のあさん、今帰るとこ? 雨ん中帰るのって嫌だよね』
のあ『嫌いではないわ……流れ落ちる雨が、空を清める中を歩くのは…………。澄んだ世界の夜にはきっと、強い光が満ちるから……』
P『あー、日中に雨とか雪が降った日は、星空がきれいに見えるんだよね。空気中のホコリがなくなるとかどうとか、聞いたことある』
ちひろ「妄想のあさん、学生なんですね」
P「アイドル以外の社会人やってるとこが想像できなくて。俺がプロデューサーである以上、こんな逸材見逃すなんてありえませんから。地球の裏にいたって絶対見つけ出します」
のあ「…………数えきれない縁の中から、私の手を取り導くと……?」
P「もちろん」
のあ「……」すすっ
ちひろ「若干距離詰めましたね」
クラリス「むっ」ずいっ
ちひろ「張り合わんでよろしい」
音葉「あ、ぅう…………うー……」ずずいっ
ちひろ「だから、恥ずかしいならノらなくても」
8: 以下、
P『雨上がり待ちってわけじゃないよね。どしたの?』
のあ『……そこに悪意はなくとも、疎まれてしまうことはあるわ。空を澄ませてくれる流れに、そんな悲しみを背負わせたくはないの。私にできるのは、あなたを……多数の中の一人を傾けることだけだけど…………それでも、いいと思えた』
P『?』
のあ『……』
P『???』
のあ『………………あなたが傘を持っていなかったら……一緒に、帰ろうと……』
P『あ、ああそういうこと? ほんと!? いいの?』
のあ『かりそめの天蓋でも、私一人には広すぎるもの……。それに……雨音のささやきを嫌ったことはないけれど、誰かの声も悪くはないわ…………』
P『(相合傘とか気にしないんだな……。まぁ、気にするような人にも見えないけど) よーし、そうまで言われたら爆笑間違いなしのとっておきトークを披露しないと。期待していいよ』
のあ『…………じゃあ、行きましょうか』
で、歩き始めて十分くらい
のあ『…………』
P『……(くすりともしない……鉄板の滑らない話が全滅とは…………)』
P「ちなみにトークの下りですが、スカウトしたての頃の実体験が基になっています。いつかリベンジしたいです」
ちひろ「惨敗の未来しか見えませんが応援しておきます」
9: 以下、
P『(不機嫌なわけじゃない……とは思いたいんだけど、いかんせん無言だと……何を話したらいいのか……)』
のあ『……続きは……?』
P『へ? は、話の?』
のあ『紡がれる物語には、語り手が透けてしかるもの……。あなたのもそう……言葉の裏から溢れてこぼれる、心の色こそ尊いの……私はそれを受け入れたい…………』
P『お。おぉう…………?』
のあ『…………』
P『…………?』
のあ『………………楽しませようとしてくれて、うれしい。もっと聞かせてほしい…………』
P『あ、う、うん (一応、喜んでくれてるってことでいいのかな)』
ちひろ「妄想Pさんはのあさん語の理解が甘いんですね」
P「はい。ですが、分からないのも悪いことばかりじゃないんですよ」
ちひろ「どゆことですか?」
P「実はのあさん、照れくさいことほど難しく言うんですよ」
ちひろ「はぁ」
P「そういうときに、あえて分からないふりをして本人に説明させるとめっちゃ可愛いことに気づいてしまいまして」
のあ「……」むにーっ
P「いたいいたい。頬引っ張らないで。あんまりやりませんから許してください」
10: 以下、
さらに歩くこと五分くらい
P『かくして安部先生のお母さんとアイドルウサミンは同一人物じゃないかって説が…………ん? のあさんどうしたの? 立ち止まって』
のあ『…………ここ、私の家』
P『へー、初めて知った。あ、じゃあここでばいばいだね。傘、ありがとう』
のあ『まだ降ってるわ』
P『雨足弱まってきたし平気だよ。俺の家、ここから近いし』
のあ『…………。うん』がしっ
P「? ど、どうしたの? 俺の手、どうかした?」
のあ『上がって』
P『へ? い、家に?』
のあ『きっともうすぐ止むわ。それまで』
P『そこまでしてくれなくても……あ、ちょ、ちょっと引っ張らな……わ、分かったよ、お邪魔するよっ』
ちひろ「そういえばこれ、家庭妄想トークでしたね。前振り長くて忘れかけてました」
P「妄想だからこそ目当てのシーン以外が必要なんですよ。本番前の展開が雑なエロ本だと抜けないみたいなものです」
ちひろ「分からんでもありませんが、もうちょい女性が共感できる例えなかったんですかね」
11: 以下、
のあ『……ただいま』
P『お、お邪魔しまーす……。(庭付きの、白くてきれいな洋風の家……。なんだろ、贅沢ってよりも裕福というか豊かというか)』
母『……あら……』
P『こ、こんにちは。のあさんと同じクラスのPといいます』
母『そう、あなたが……』
P『(黒髪だ……。のあさん銀髪だけど、そこはお父さん譲りなのかな……。髪色以外はそのままのあさんを大人にしたみたい……見れば見るほどそっくり……)』
母『』にっこり
P『え、おう?』
母『最近うちの子に一等星の輝きが見え隠れし始めたと思ったら……! 恒星でないことは分かっていたけど、だとしたらどんな太陽が現れたのかと……! へぇ……のあったら、へーえ……!』にっこにっこ
P『(のあさんと同じ顔なのにめっちゃにやにやしとる……違和感すげえ……)』
P「のあさんファンならさっきの情報からここまで考えますよ」
ちひろ「あんた含めて鍛えられすぎじゃないですかね」
12: 以下、
のあ『お母さん、黙って。……P、こっち』
母『のあと交流するなんて、雲を掴み霧と踊るような感覚に陥るかもしれないけど、のあにはちゃんと実体があるんだから……! 分かりにくいようで本当のことしか言わない、冬の空より澄んだ実体……! 見ていればPくんのことばっかり考えてるって分かり……あ、ちょっとのあ……! まだ話は……!』
すたすた
P『……いいの……? お母さん……』
のあ『留めておくべき言葉のない声なんて、ただの音よ……。同じ音なら、雨音のほうが優しくていいと思うわ……こっち、私の部屋。入って』がちゃっ
P『お、お邪魔しまーす…………(きれいってか、物がない……フローリングに、机とベッドだけ……)』
のあ『座って』ぼふっ
P『(クローゼットからぴにゃクッション……)ど、ども』
のあ『…………』
P『えーと……楽しいお母さんだね』
のあ『……受け入れがたい評ね。星間に漂う漆黒よりも無為な言葉の集合だと思うけど……観測者によってこうもズレが生じるのね』
こんこん
P『ん? ノック……お母さんかな?』
13: 以下、
がちゃ
P『お、おぅ? (とても鋭いまなざしの男の人……それに髪型、銀髪のオールバックって…………迫力やばい……ん? 銀髪? もしやこの人……)』
のあ『……ただいま、お父さん』
父『お帰り、のあ…………』
P『ど、どうもPといいます。のあさんにはいつもお世話になっています』
父『…………』
P『(めっちゃ見られてる……。眼光の尖り方がのあさんのそれだ……すごく息が詰まる……)』
父『…………』
P『(き、気まずい……。見られてるだけなのに、胃をヤスリがけされてるような感覚が……)』
P「ちなみにお父さんとのやりとりは、初めてのあさんと会った時の実体験を基にしております」
ちひろ「よくそんな人をスカウトしてきましたねあんた」
P「そこはまあ、見た瞬間に心を掴まれたというか。この人の進む道を一番近くで見ていたい、側にいさせてほしいって思ったんですよ」
のあ「…………」すすっ ぴたっ
ちひろ「距離詰めた挙句ついには密着しましたね」
のあ「……暑いわ」
ちひろ「そりゃそうですよ。おしくらまんじゅう状態止めるか、我慢するか選んでください」
音葉「…………」ぴたっ
ちひろ「張り合いの末に我慢を選びましたね」
クラリス「冷房をお願いします」ぴたっ
ちひろ「選べってんですよこの強欲シスター」
14: 以下、
P『えーと……今日は傘を忘れたところをのあさんに助けてもらって』
父『…………』
P『いや、考えてみればいっつも助けてもらってばっかりな気もしますけどね。忘れた宿題見せてもらったり、当番の掃除手伝ってもらったり』
父『…………』
P『ほんと、のあさんって何でも涼しい顔でこなすから頼りがいがあって、クラスでもみんな一目置いてるというか…………あ、なんか三者面談の先生みたいですね。あはは、あは……』
父『…………』
P『……(む、無言……のあさんもこっち見てるし……のあさんの視線が倍に増えたみたいでめちゃめちゃ落ち着かない…………!)』
ちひろ「これ父親似じゃありません?」
P「そうでしょうか? 割と母親をのあさんに寄せてるつもりですが」
ちひろ「いや、どっちかっていうとのあさんママ、神崎の蘭子ちゃんに寄ってるっぽいんですが……あんたにはのあさんがどう見えてるんですか」
P「めっちゃ可愛い俺のアイドル」
ちひろ「そういうこと言うとまーた密着し始めるからやめてください。ほらのあさん、ほっぺたむにーってなるくらいくっつかんでください」
15: 以下、
P『(何を話すのが正解なんだこの状況……。こうなったらいっそ鉄板の滑らない話でも……のあさんには不発だったけど、今度こそ…………!)』
父『…………………』すっ
P『へ? お菓子? うわ、なんか立派な箱……』
父『……仲良くしてやってくれ』
P『え、ああ、もちろんですよ。のあさんみたいに楽しい人、中々いませんから。こっちからもぜひお願いします』
父『…………ゆっくりしていってくれ……』がちゃっ ばたん
P『(最後、かすかにだけど笑ってた、よね……? のあさんもあんな風に笑うのかな。笑うとこ見たことないから分からんけど)』
のあ『……騒がしくてごめんなさい……』
P『いや、お父さんの方は全然…………お母さんだって、普通にいい人だと思う』
のあ『…………』
P『露骨に納得いかないって顔せんでも』
16: 以下、
母『ようやく、ようやくのあにも……! 照らして見つめて明かしてくれる、そんな存在が……。そうなの……のあほど見てて飽きない娘もいないの……! ほら、見て……!』
のあ『盗み聞き……』
P『アルバム? おお、七五三のあさんだ』
母『にこりともしないものだから写真屋さんが困ってしまって……それで、困らせたことに気づいて困ったのあが、頑張って笑ったのがこっち……!』
P『あー、いいですねえこれ。へったくそな笑い方がすごいかわいい。もっと困らせたくなりますねえ』
母『それでこっちが小学校の卒業式……!』
P『あ、これもしかして泣くの我慢してます?』
母『分かるのね……! そうなの……家に帰る途中の車の中までが限界だったみたいで、ほろほろ泣き出しちゃって……! あとこれが周りに流されて中学のミスコンにバニーで出たときの』
がちゃっ
父『母さん……その辺に…………』むんずっ
母『は、離して……幾星霜でもまだ足りないくらい、ずっとずっとのあがかわいいって理解してくれる人を待っていたの……! きれいとか凛々しいとかじゃないの、かわいいの……!』
父『のあの客だ…………。のあの時間を邪魔してはいけない……』ずるずる
母『待ってぇ……語らせてぇ…………!』
ばたんっ
のあ『…………私と母が同じ形容詞であらわされるのは、やはり納得いかないわ』
P『いや、やっぱどっちも楽しい人だと思う。方向性が違うだけで』
17: 以下、
数十分後、雨上がり
P『生まれてこのかた一番楽しい雨宿りだった』
のあ『…………楽しかった…………?』
P『うん。上がってけって言われたときはびっくりしたけど』
のあ『……先人の道を辿るのは、賢人の選択であれど最適解であるかは分からない。それでも、標なく歩き出せるほど明瞭な道のりではなかったわ……特に私には……。だから、私はその声に従った……』
P『(これまでで一番よく分からん発言が来てしまった……なんだろ……?)』
のあ『…………あなた、だから』
P『うん?』
のあ『…………ともだち、は……。家で一緒に遊んだりするものだと、クラスの人が言っていた、から……………』
P『…………』
のあ『…………あなたの沈黙は不安をかき立てるわ……』
P『いや、友達って思ってもらえてたことに本気の感動がきちゃって……そっか。そっかそっか』
18: 以下、
のあ『満ちた時間になれたなら、よかったわ……』
P『とっても楽しかったよ。ありがとう。じゃ、また明日…………。…………?』
のあ『…………』
P『(なんか、こう……何かを期待する目で見られてる気がする)』
のあ『…………あなたの言葉は、偽りではない…………。その先を垣間見てしまった私は、愚かかしら…………?』
P『(俺が言ったことって、楽しかったとしか…………その先…………?)』
P『(………………あ、もしかして……。うぬぼれだったら恥ずかしいなんてもんじゃないけど……よ、よーし)』
P『…………また来ていい? それと、今度はうちにも遊びに来てよ』
のあ『……! もちろん…………ふふっ』
P『(あってたっぽい……てか、笑った……! 初めて見た……!)』
のあ『楽しみにしているわ……とても、とても…………』
P「で、次遊びに行ったら枕元にティッシュとマムシドリンクがですね」
ちひろ「こら」
19: 以下、
P「なんですかいきなり。せっかくきれいに終われそうだったのに」
ちひろ「いきなりはこっちのセリフですよ。終盤もうちょっとなんとかならなかったんですか」
P「親公認みたいなかんじなら、いろいろと気をまわしてもらえたりしないかなーと。そしたらこっちもそりゃもういろいろと」
ちひろ「ストップ、ストーップ。はい終了、のあさん編終了でーす」
のあ「…………」ぴとーっ
ちひろ「汗だらっだらですけど、そろそろ離れたらどうです?」
クラリス「冷房を……」
ちひろ「欲張らないでください」
音葉「リゾルート……絶対に譲れない場所がここに……」
ちひろ「欲に素直な人しかいないんですかこの事務所は」
20: 以下、
P「まあ、のあさんはまだ想像しやすい方ですよね。一番難しいのは」じーっ
ちひろ「この人ですよね」じーっ
クラリス「…………? 私ですか?」
P「ものすごく失礼なこと言うと、生まれた時から教会にいてもおかしくないというか」
ちひろ「聖夜の夜、『この子をお願いします』という手紙が添えられたゆりかごが教会の前に……」
P「シスターの愛を受けて育った彼女は、自然と手を差し伸べる側に……そして現れる本当の両親…………」
ちひろ「育ての親か、生みの親か……」
Pちひ「少女の選択やいかに…………」
クラリス「え、えと…………ごめんなさい、割と普通ですよ……? お父様もお母様も、普通…………」
Pちひ「…………まぁ、普通が一番幸せですよね」
クラリス「なぜ肩を落とすのでしょう……」
21: 以下、
P「けど、普通といっても割と厳しそうですよね。クラリスさん見てると」
ちひろ「立ち振る舞いとか、放任主義じゃまず育たないレベルですもんね」
クラリス「言われてみれば……行儀よくありなさい、とはよく言われていた気がします。神様はいつも見ているから、と」
P「それで素直に行儀いい人が育つんですから、ご両親もきっと負けず劣らずに整った振る舞いの方なんでしょうね」
ちひろ「親が出来てないことを子供はやろうとしないですものですからねえ。しかし、そうですか……クラリスさんくらい優雅な人が二人……。なんでしょう、傍から見たらめちゃめちゃ敷居が高い一家ですね」
P「本人たちにさほど自覚がなさそうというか、行儀がいいのが当たり前になってそうなあたりなおのことですよね。声をかけるのもためらわれそうな……」
クラリス「そんなことはないのですが……」
ちひろ「……でも、Pさんは行くんですよね?」
P「そりゃもう。クラリスさんと知り合えるなら敷居なんざ踏み砕いていきますよ」
クラリス「まあ…………まあ…………♪」ぎゅうっ
ちひろ「ついには抱きつきましたねこの色欲聖女」
P「となると、クラリスさんのご両親はたぶんこんなかんじの……」
22: 以下、
P(社会人一年生)『仕事で失敗……しかもそれを上司に後始末させてしまうとは……はぁ…………』
P『へこんだ気持ちで歩いてたら、町はずれまで来ちゃったな…………へぇ、こんなところに教会なんてあったんだ』
クラリス『こんばんは』
P『(おわ、後ろから…………修道服の女性?……きれいな人だな……)ど、どうも。ここのシスターさんですか?』
クラリス『はい、クラリスといいます。ごきげんよう…………というような気分ではなさそうですね。何かあったのですか?』
P『分かるんですか?』
クラリス『お顔に出ています。素直で正直なお方なのですね』
23: 以下、
P『まぁ……嘘がへたくそというか、見透かされるタチな自覚はしてますけど。ちょっと、仕事で……失敗してしまいまして』
クラリス『あら…………。よろしければあちら、いかがですか?』
【懺悔室】
P『懺悔ですか…………』
クラリス『悩み相談、くらいに捉えていただければ結構です。口に出すことは意識するということであり、向き合うきっかけになりうることなのですよ。お代などはいただきませんから、よければ』
P『(……珍しい体験ではあるよな。気分転換くらいにはなるかも…………)じゃあ、ぜひ』
ちひろ「アイドルにならなかった世界の話ですか?」
P「なる前の話ですね。こんな逸材ですもん、たとえ俺がアイドル業界に全然関係なかったとしても、第二第三の俺が現れるでしょう。むしろこの出会いから、俺が転職してプロデューサーとなり迎えにいくまであり得ます」
ちひろ「キモいレベルの執心ですけど、そのバイタルは正直嫌いじゃありません」
24: 以下、
P『教会って初めて入るな……お、あれ神父様ですか? それにシスターさんがもう一人……』
クラリス『はい。…………お父様、少しお部屋を使ってもいいですか?』
P『うぇ? お、おと……?(親子二代で聖職者? この手の知識なんて皆無だけど、よくあったりする話なのかな……?)』
父『ん……いいよ。お母さんもいいよね』
P『親子全員!?』
父『……何か問題があるかな……?』
P『す、すみません……いや、別に悪いとかでは……』
父『はは……責めているわけではないよ』
P『(学校の先生に近い威圧感が……。さらっさらの長髪ブロンドといい、聖職者の服装といい、静かに響く声といい、なんだこの強者間……!)』
P『(お母さんの方も、クラリスさんに負けないくらいの美人だ……。それでいて落ち着いてて、きっとさぞ厳粛な…………)』
母『お客様…………。ふふっ、へいらっしゃい』
P『は、はい?』
25: 以下、
クラリス『お母様…………』
母『いいじゃない。二人がびしっとしてるんだもの。一人くらいゆるっとしている方がきっとリラックスできるわ。ねえお客様?』
P『まあ、たしかに…………』
母『ほら見なさい。ふふーん』
クラリス『…………すみません。お話はちゃんと聞かせていただきますから、どうぞこちらへ』
P『は、はいっ』
母『ごゆっくり?♪』
ちひろ「思いがけず軽いのきましたね」
P「クラリスさんのお茶目成分というか、ノリがいいところの遺伝元があってもいいかなと。んで神様成分は、神そのものみたいな存在のお父様から」
ちひろ「神様なんですかお父様」
P「そりゃまぁ女神は神から生まれるでしょうから」
ちひろ「え? でも私の親は人間ですよ?」
P「知ってますよ。女神以上にかわいくて愛おしい人を育てた方々です」
ちひろ「…………」
P「照れるなら言わせないでくださいよ」
ちひろ「そっちこそ耳まで真っ赤なくせに」
Pちひ「…………」
26: 以下、
P『(気分転換くらいに考えていた懺悔室だったが、思いのほかよかった。言葉にすると向き合える、とは気休めの言葉ではなかったらしい)』
P『(ちょくちょく俺は相談に行くようになり、気づけば今日のような、何でもない休みの昼にも教会を訪れるようになった)』
クラリス『あら、いらっしゃい。懺悔室を……ご利用したいわけではなさそうですね。ふふっ。何よりです♪』
P『こんにちは。同僚からおいしいケーキ屋さんを紹介してもらったので、よければと思って。ご両親の分もあります』
母『わーい♪』
父『がっつくのをやめなさい、お母さん……。クラリス、キッチンからお皿とフォークを』
クラリス『はい。P様も食べていかれますよね?』
P『あ、いや……自分の分は買ってきてなくて…………』
クラリス『では私とはんぶんこしましょう♪ 分かち合う方がおいしくなるものですから…………少々お待ちくださいね』とてててっ
P『すみません、もう一つ用意するべきでした』
母『そうですよ。次は全部で五つお願いしますね』
P『え? お父さんとお母さんとクラリスさんと俺と』
母『私が二つです♪』
P『……覚えておきます』
ちひろ「お茶目成分過剰じゃありませんかね」
P「神性で中和される前の原液お茶目ですから」
27: 以下、
クラリス『美味しい……♪ 甘くてふわふわ…………』
P『大当たりですね。あ、クラリスさんほっぺにクリーム』ふきふき
クラリス『ん……ありがとうございます。お礼に一口どうぞ♪』
P『いや、はんぶんこなんだからおんなじの食べてますし』
クラリス『では、代わりにP様のを一口ください。それで平等です』
P『それなら…………いや、平等かな? まあいいや』ぱくん
クラリス『ささ、P様、P様。私にも』
P『はい、あーん』
クラリス『あー……むっ♪ んっふふ。幸せの味がしますね』
ちひろ「クラリスさんの妄想ネタ、食べ物関連多くありません?」
P「他にも二十通りくらいありますけど、ファンが真っ先にするとしたらまずこのネタかなあと。他の聞きます?」
ちひろ「胃もたれしそうなのでいいです」
28: 以下、
クラリス『御馳走様でした。食器、片づけてきますね』とてててっ
P『ありがとうございます。楽しいデザートでした』
父『お礼を言うのはこちらだよ。…………本当に、いろいろと』
P『いろいろ? 何かしましたっけ?』
父『育て方か、あるいは性分か……。クラリスは、人からの施しを受け取るのが下手でね』
P『施しですか』
父『何かを与えてもらったなら、何かを返すべきである。それが常識になっているのは喜ぶべきことなんだろうけど、少しその意識が強すぎるんだ。与えるものになろうとする意志が、親の我々以上に』
母『要は、甘えるのが下手なのよあの子。それがなんだか、P君くんは特別みたいで』
父『なんでかは察しが付くけどね』
P『へ? 俺、何か……』
29: 以下、
ちょっと前の日、懺悔室使用後
P『あの、クラリスさん。これ……』
クラリス『あら、お金なんて受け取れませんよ』
P『もう何度お世話になったか分かりませんし。気持ちです』
クラリス『私たちがしていることなんて、話を聞いているだけです。ならば謝礼も、言葉で受け取るのが筋じゃありません?』
P『それでは俺の気が済まないんですよ』
クラリス『感謝は自分のためではなく他人のためにするものですよ。私を思ってくださるなら、ものより言葉をくださいな♪』
P『それを言われると……うーん……』
別の日
P『クラリスさん、これどうぞ』
クラリス『あら、きれい……。ネックレスですか?』
P『やっぱり、何か贈りたくて』
クラリス『……すみませんが、私には過ぎたものです。さまよい教会を訪れた方から、施しを受けるなんてあってはなりません。それは主のご意向に背く行為です』
P『うーむ………………』
また別の日
P『クラリスさんクラリスさん。これ、今人気のケーキなんですけど』
クラリス『で、ですから結構ですって』
ちひろ「妄想クラリスさんのほうがきれいに見えるんですが。主に心が」
P「現実のほうが可愛いので問題ありません」
クラリス「?♪」すりすり
30: 以下、
またまた別の日
P『クラリスさん、これどうぞ』
クラリス『オルゴール……? ですから、受け取れませんと言っているじゃないですか』
P『ふむ』
またまたまた別の日
P『クラリスさんクラリスさん』
クラリス『まぁ、ぬいぐるみですか……。受け取れませんが、なでてもよろしいでしょうか?』
P『好きなだけどうぞ。……ふむふむ、これもだめ』
何十回目かの別の日
P『へいクラリスさん』
クラリス『ファンキーな呼び方ですね。あら、シュークリーム……。……お、お気持ちだけいただきますから、それはP様が召し上がってください』
P『生唾飲む音が聞こえましたけど』かきかき
クラリス『き、気のせいですっ。あの、何をお書きに?』
P『いや、こうなったら意地でも感謝を受け取ってもらおうと。リアクションからクラリスさんに有効な贈り物を研究してるんです』
クラリス『お言葉とお気持ちで結構ですのに』
P『ちなみに今のところ一番効きそうなのは食べ物じゃないかと読んでいるんですが』
クラリス『人を食いしん坊みたいに言わないでください。食欲に負けていてはシスターなんて勤まりませんっ』
ちひろ「負けそう」
P「火の玉ストレート止めてください」
31: 以下、
それからまた別の日
P『クラリスさん、デートしましょう』
クラリス『受けとれませ……え? で、え!?』
P『いや、俺気付いたんですよ。もらってたのは、言葉を聞いてもらう時間だったってことを。だから、時間をお返しするんです。遊びに行きましょう』
クラリス『あ、遊びに……でしたらはじめからそう……言葉選びを考えてくださいっ』
P『それはすみません。で、どうです? 今週の終末にでも』
父『…………いいんじゃないか?』
母『そうそう。たまには遊んできなさいな。……Pくんだって、別に今までのお返しってだけじゃないでしょ?』
P『ぶっちゃけ八割くらいはクラリスさんと遊びたいだけです』
母『ほらほら♪ Pくんのお楽しみに付き合うと思いなさい。それなら、断る理由もないでしょう?』 
クラリス『………………………………まぁ、でしたら』
P『ひゃっほー! じゃあ日曜十一時、駅前で!』
32: 以下、
で、日曜日
クラリス『動物園…………初めて来ました』
P『案外楽しいものですよ。あ、クラリスさんこれどうぞ。ここの名物ドーナツ。食べ歩きしましょう』
クラリス『いけませんよ。そのような行儀の悪い……』
P『ここでは半分マナーみたいなもんですよ。ほら、周り見てください、大人も子供も……あの人たちに行儀を解きますか?』
クラリス『う……よ、よいのですか……?』
P『よいのですって。はい、あーん』
クラリス『じ、自分で食べれますから結構ですよっ』はむっ
P『いかがですか?』
クラリス『……美味です』
P『でしょ? さ、どんどんいきましょう』
33: 以下、
ライオンの檻
P『クラリスさんあれ、まっしろいのがいますよ。あ、これどうぞ。ホワイトチョコドーナツ』
クラリス『気高いものですね……』もぐもぐ
フラミンゴの檻
P『うわー、ほんとにピンクですね。ちなみにこちらが桃果実入りのピーチドーナツです』
クラリス『きれいなピンクですね……』あむあむ
ゾウの檻
P『でっかい…………あ、これがここで一番大きいドーナツになります。直径が人の顔くらいありますね』
クラリス『おっきいですね…………』むっさむっさ
ちひろ「何に対しての感想なんでしょうねこれ」
P「分かり切っていることは口にしないものですよ」
34: 以下、
夕方
クラリス『けぷっ』
P『ご満足いただけたようで何よりです』
クラリス『動物園で得る満足感とは違う気がするのですが……。あ、そうです。ドーナツの分のお金を……』
P『今日は時間のお返しですから。クラリスさんの言葉を借りるなら、謝礼も時間で返してもらうのが筋じゃありませんか?』
クラリス『ですが……』
P『クラリスさんが嬉しそうにしてくれるのが嬉しいんです。今日だってお礼なんて建前で、俺が好きなことやって楽しんでただけですから。威張ることじゃないですけど、嘘に聞こえます?』
クラリス『…………』
P『初めて会った時に言ったじゃないですか。自覚してるって。今日はほんとに楽しかったって、クラリスさんにも伝わってるって信じてます』
P『…………変な人……。っふふ♪』
ちひろ「堕ちましたね」
P「堕ちる聖女っていいですよね」
ちひろ「分からなくもないですけど。自分にしか向けないメスの顔を、それまで彼女を慕っていた大勢の人に見せつけたり。ごめんなさい負けちゃいました、ってとろけた笑顔で大衆に言わせたりするやつですね」
P「男心の理解深すぎませんかねちひろさん」
35: 以下、
父『…………あんなことを続けられたらね。ほだされるというものだよ』
P『しつこかったな、と今では反省しています』
母『そんな必要ないわ。……たぶんだけどあの子、自分よりも奉仕が好きな人を初めて見たのよ』
P『いや俺は別に……。クラリスさんにだけですよ。あの人が嬉しそうだと俺も嬉しいから。奉仕とか尽くすとかじゃなくて、俺が楽しいからです』
父『立派な奉仕の形だよ。受ける側の人間からしたらむしろ、到達点の一つといっていいくらいだ』
母『大切にしてあげて。……お父さん、そろそろ』
父『ああ。すまんがP君、私たちはこれからでかけなければならないんだ。少しの時間でいいから、クラリスの相手をしてくれないか?』
母『あ、でも変なことしちゃだめよ?』
P『も、もちろんです。手ぇ出す度胸なんてないですから』
母『ならよし。嘘ついたら針千本だからね? じゃ、行ってきまーす』
P『はい、お気をつけて』
ちひろ「教会ほったらかしでどこ行くんですかね。ていうか今更ですが、神聖な場所でくつろぎすぎじゃないですか?」
P「おいしいから大丈夫ですよ」
ちひろ「たぶんそれほど万能じゃないと思いますよそれ」
36: 以下、
クラリス『お父様とお母様は?』
P『おでかけだそうです』
クラリス『あら。お父様もお母様も……娘を男性と残していくなんて、配慮が足りないと思いません? ふふっ♪』
P『か、からかわないでくださいよ。大丈夫です、何もしません。間違いなんてありえませんって』
クラリス『…………ほんとですか?』
P『もちろん。クラリスさんに嘘なんてつきません。絶対絶対、手を出したりしませんよ』
クラリス『……………………』
P『クラリスさん?』
37: 以下、
クラリス『……魅力にかける自覚はしていますけど……言い切られると、少し傷つきます』
P『あ、や、すみません。そんなこと言わないでください。クラリスさんかわいいんですから』
クラリス『P様が振り向かない程度に、ですか?』
P『…………ほんと、そんなこと言わないでください。世界で一番素敵だと思ってる人をそんな風に言われると、悲しいです』
クラリス『……思うだけなのですね』
P『手を出さないって、クラリスさんのご両親に約束したばかりですから。ここで、神様の前で』
クラリス『…………なら』ぎゅっ
P『(おわ、手を……)』
クラリス『私が手を出すのは……いいですよね?』
クラリス『我慢しなくていいですよ……? 私も、しませんから…………』
P「で、後は教会でがっつり八時間ドスケベですよ」
ちひろ「待てや」
38: 以下、
P「なんですかもう」
ちひろ「さっきの教訓全殺しじゃないですか。私が何言ったかもう忘れたんですか」
P「いやもういい雰囲気になるんだったら即日ドスケベいっとけってアドバイスかと」
ちひろ「この噛み合わなさ嫌になりますね。ていうかご両親との約束どうしたんですか」
P「女神とドスケベできるんだったら、まあ針の千本や二千本一気飲みしてみせますよ」
ちひろ「性欲に裏付けされたその漢気は割と嫌いじゃありませんけど。締めくらいきれいにしてくださいよ」
39: 以下、
音葉「…………」ちらっちらっ
ちひろ「そわそわしなくてもどうせ語りだしますって。最悪な締めでしたけどクラリスさん一区切りしましたし。こっから音葉さんのターン入りまーす」
P「こんなかだと音葉さん一番簡単ですからね」
ちひろ「唯一ファンにも情報出てますからね。たしかご両親ともに、音楽関係者なんですよね?」
音葉「は、はい。シュテーツ……いつも側に、音がありました……」
P「まあよほど両親が音楽に関心ないと、こうは育ちませんよね」
ちひろ「いや関心あってもこうは……まあいいですけど」
P「んで、下手したらクラリスさん家よりも厳しいイメージなんですよね」
ちひろ「あー、それ分かります。スカウト直後の、競う音楽のことばかり考えてた音葉さんを知ってるとそんなイメージですね。ほんと今は柔らかくなりましたよ」
音葉「大切な人も……テネレッツァ……一緒に歌う、愛しい友達もできましたから」
P「しかし、私はここであえて逆のパターンを唱えたいわけです。たとえばこんなんを」
40: 以下、
P(音大生)『そろそろダメ?』
音葉『ダメです』
P『いや、だってもうけっこう長いと思うんだけど』
音葉『ダメったらダメです。私の家に来るのだけは、ダメです』
P『むう……。だってもう、付き合って一年だよ』
音葉『そこだけはいけないのです……。ゲメヒリッヒ……気軽に立ち入られてはいけないのです』
ちひろ「今回えらく発展した仲からのスタートですね」
P「こんなかだったら音葉さんが一番しっくりくるんですよ、こういうシチュ」
ちひろ「他二人がしっくりこなさすぎるだけとも言えますけどね」
音葉「へ? え……あ…………ふぇえ!?」
ちひろ「当人混乱してますよ」
音葉「私、いちばん……? アンダンテを超えプレストへと……二人でイクストリームリィなグラデーヴォレ……!? ふ、ふふ……っ♪」
P「ちなみにグラデーヴォレは気持ちいい、とかそんな意味です」
ちひろ「間違った方向にテンション上がってることだけは分かりました」
クラリス「むーぅ……」ぎゅー
のあ「……」むぎゅー
ちひろ「存在主張せんでよろしい」
41: 以下、
P『……分かった。今日のところは諦めるよ。代わりにどっか遊びに行こう』
音葉『すみません……。ですが実家は……例えるなら、アクアレル、でしょうか……』
P『(繊細……? どんな家なんだろ)』
音葉『お詫びというわけではありませんが、今日は私がご馳走いたします。最近よいお店を見つけましたので』
P『気を遣わなくていいよ。あ、奢ってくれるんならあれがいい。サンドイッチ。こないだの音葉さん手作りのやつ』
音葉『あ、あのような未熟なものは……初めて作れて、嬉しくなってしまってついお裾分けしただけで…………。本来、人にあげるものではなく、もっと良いものを……』
P『音葉さんが俺の一番だもん』
音葉『え、う……。……………………ま、また今度でよければ……』
P『やっほー!』
音葉「いちばん……私、一番…………♪」
ちひろ「そこだけ切り取って反すうしないでくださいよ」
音葉「この中で……こーの中でー……♪」
ちひろ「まあ、その都合のいい耳と脳みそは嫌いじゃありませんけどね」
P「ちひろさんは嫌いじゃないものたくさんありますね」
ちひろ「いろいろ許容しないとやってられない職場なものですから」
42: 以下、
音葉『で、では今日のところは……』
P『うん、音葉さんが見つけたお店で。何屋さん?』
音葉『小さなカフェなのですが……木造の店内にかかるクラシックがとてもここちよくて……』
P『いいね。ここから近いの?』
音葉『ええ。アンダンテで五分ほど……。こちらになり、ま……………………』
P『どったの? 向こうの方になにか…………んお? 金髪の男の人? なんだろ、こわそうというか強そうというか……知り合い?』
音葉『い、いえ……』
P『あ、金髪の人こっち気づいて……こっち来るよ? やっぱ知ってる人じゃないの?』
音葉『何というか、あの……何というか……』
父『音葉、今帰りかい? お父さんと帰りが一緒になるなんて、初めてじゃないか?』
P『お、おぉう?』
43: 以下、
父『ん? 君は……音葉の友達? いつも音葉が世話になってるね』
P『あ、こちらこそ音葉さんにはいつもお世話になっております』
音葉『お父さん……あの、私はこれから用事があるから……Pさん、そろそろ……』ぐいぐいっ
父『(距離が近い……)あの、君、もしかして』
P『あー、はい。僭越ながらお付き合いを』
音葉『あ、ちょ、ちょっ』
P『将来的には結婚を申し込む前提でお付き合いしてます』
音葉『』
ちひろ「切り込みますねえ」
P「大切な人に隠し事はするなと教えられて育ちましたから」
44: 以下、
P(inリビング)『で、音葉さん家に招待されたわけですが。リビングにピアノがあるまでは想定してましたけど、森かよってくらい広くて緑にあふれる庭があるまでは想像してませんでした』
音葉『…………』
P『見たことないような渋い顔してますけど、どしたんですか』
音葉『こんなはずでは…………。心の準備というものが…………』
P『ここまで来たから聞いちゃいますけど、なんで嫌がってたんですか?』
音葉『……両親が……』
がちゃ
父『ああ、おまたせ。紅茶でよかったかな? あと、シナモンは平気? クッキーだが』
P『どっちも大好きです。いただきます』
父『気に入ってくれると嬉しいよ。…………それにしても、音葉』
音葉『』びくっ
父『彼氏ができていたなら教えなさい。まったく、学校のことはあまり話さないものだから、てっきり勉強ばかりに打ち込んでいるものと……挨拶が遅れて申し訳なかったね、P君』
P『や、僕の方からご挨拶にいくのが常識なのに、こちらこそすみません。これからよろしくお願いします』
父『丁寧にありがとう。……音葉、お前もこういうところを見習いなさい』
音葉『うう…………』
45: 以下、
P『(普通にいいお父さんだな……。音葉さんがこんだけ嫌がるってことは、もしかしたら交際を反対されるんじゃないかと思ったけど)』
父『友人でも彼氏でも作りなさいといつも言っていただろう。お前なら音楽をおろそかにはしないだろうしね』
P『(そんなわけでもないっぽい…………待てよ。彼氏反対なのは、もしかしたら父親のほうじゃなくて…………)』
がちゃ
母『ただいま……! お父さん、音葉が彼氏連れてきたって本当…………?』
P『(金髪の長身女性……ちょっとタレ気味の碧眼とか、分かりやすく音葉さんに似てる……父親じゃなくて、もしやこっちが……)』
父『急いでくることなかったろうに……気持ちはわかるけどね』
P『ど、どうもPです。音葉さんにはいつもお世話になっています』
母『あなたが……』つかつかつか
P『(うぉ、な、なんかまっすぐこっちへ……)』
46: 以下、
ぎゅうっ
P『んお? 手、手を?』
母『例えるのならスタッカート……。人の中で、人のための音楽なのに、人から離れていくような音葉を人の中につなぎとめてくれた彼氏くんね…………!』
P『は、はい……。かれこれ一年ほど前からお付き合いをさせていただいてます』
母『まぁ、一年……。通りで……! 音葉の雰囲気がわかりやすく柔らかくなったと思ってたのよ……! あなたが音葉をほぐして融かして、笑顔にしてくれていたのね…………これからもよろしくね……!』ぎゅうぅうううっ
P『(めっちゃ強く手ぇ握られてる……)が、がんばりますっ』
ちひろ「妄想内のご両親は交際に好意的ですね」
P「そこは妄想ですから。ギスギスした関係とか、ちひろさん相手で十分です」
のあ「…………ギスギスしてるのかしら」
クラリス「これがそうだというのなら、私もPさんとギスギスしたいです」
47: 以下、
がちゃっ
P『おお、これが音葉さんの部屋……。バイオリンとクラリネットと……あ、CDたくさん。へー……こういうの聞くんだ』
音葉『あまり見られては、恥ずかしいです……』
P『あ……ごめん、つい』
音葉『……あなたとのこと、知られてしまいました……』
P『秘密にしたかったの? でも、お父さんもお母さんも良くしてくれたけど……今だって、ゆっくりしていけって言ってくれたからこうして部屋に二人でいられるわけだし』
音葉『ですが…………』
P『ん…………まぁ、分かる。音葉さんと俺じゃ、たしかにつり合ってないからね。内緒にしたいのも納得する。情けないけど』
音葉『あ、や……そうではないのですっ。逆です……。情けないのは私の方です…………』
P「あ、こっからシリアス入りますよ」
ちひろ「はぁ……」ちらっ
音葉「いかようにも……。あなたの一番であっていいなら、どうされても……♪」むぎゅっ
クラリス「まぁ、やらしいこと考えて……。見てくださいのあさん。こういうのを世俗ではむっつりスケベと言うのですよ」ぎゅうっ
のあ「まったくね……」んぎゅーっ
ちひろ「現実の方はシリアスって画ではありませんけど、まあ続けてどうぞ」
48: 以下、
音葉『…………両親は、私に期待してくれているんです』
P『そりゃそうだよ。才能あって、努力もしてて。期待しなかったら嘘だ』
音葉『なのに私は、あなたとの時間を優先してばかりで……。学校は、学ぶところです。両親はきっと、本心ではこんな私を望んでいない…………』
P『こんなって……別に音葉さん、遊び惚けてるわけじゃないんだし…………。遊びに誘ってばっかりなのは俺もちょっと反省するけど、それ以上に音葉さんは頑張ってるよ』
音葉『ですが、音楽以外の時間が増えたのもたしかです…………。きっと二人が思うほど、今の私は音楽だけを見ていない……そう思われても仕方ないです…………』
音葉『だから私は、もっときちんと結果を出してから……あなたのことも、音楽もないがしろにしていないと、音楽家として実績を残してから胸を張ってあなたを紹介したかった……』
音葉『切り捨てることのできない、大好きな人だと……大好きな両親に伝えたかったのです……』
P『そっか……。知られたくないって、自分をか』
音葉『……はい。あなたにうつつを抜かしている、私を……』
P『…………ねえ音葉さん。ちょっとのろけていい?』
音葉『は、はい?』
49: 以下、
P『俺、あんまり成績よくないけど今期の単位は全部とれた。分からないとこは音葉さんに教えてもらったから』
音葉『は、はぁ……』
P『んで、音葉さんは当たり前みたいに全部の単位を一番の成績で撮ってたけど……そのために寝る時間削って、ご飯食べる時も教科書と楽譜広げてたりしてた。俺に教える時間も、俺と遊ぶ時間も作ってくれた』
音葉『……それは、当然のことで…………』
P『うん。当然みたいに頑張ってた。授業終わってから俺と遊び倒した日の翌日でも、課題の提出忘れたことなんて一度もないし。昼休みにヨダレ垂らして居眠りしてたことはあったけど』
音葉『そ、それは今いいじゃないですかっ』
P『いや、よくない。大事。ヨダレめっちゃ大事。ちなみに写真撮って部屋に飾ってる』
音葉『ぁう……Pさんは私を恥ずかしめるのが趣味なのですか……?』
P『かわいい音葉さんを見るのが趣味。んで、恥ずかしがる音葉さんがかわいいから結果としてはそういうそしりも受けざるを得ない』むんっ
音葉『胸を張らないでください……』
50: 以下、
P『だって、音葉さんがかわいいから仕方ない。一緒にご飯食べてたらふいに黙ったから何かと思えば、俺がご飯食べる音聞いてた、もっと聞きたい、とか若干変態くさいこと言いだしたり』
音葉『な、なにを心地よく思うかは人それぞれです……っ』
P『一緒に課題曲の練習してたら、なんかスイッチ入ったのかやけにこだわり始めて五時間以上練習するハメになったり」
音葉『あ、あのときは失礼を…………』
P『んで帰りの電車で俺が寄りかかって寝ちゃったとき、音葉さん気を使って起こさないでくれて。結果、おっぱい枕を堪能することになったり』
音葉『お、起きてたのですか?』
P『我ながら器用な寄りかかり方しましたよねアレ。寄りかかってすぐ目ぇ覚めたけど、正直たまりませんでしたのでもう寝たふりですよ』
音葉『あぅうう…………な、なんなんですかもう……』
P『言いたいのは、俺がどれだけ音葉さんを見てるかってこと』
P『ずっと見てるから、言われなくたって伝わっちゃうんだよ。音楽と同じくらい大事に想われてるって』
P『ご両親だって一緒だよ。音葉さんが期待に応えるためにどれだけ頑張ってるか、とっくに伝わってるよ』
51: 以下、
音葉『……そうであれば、どんなにいいか…………』
P『絶対大丈夫。結果なんてなくたって、音葉さんは信頼されてる。だから今日、俺のことだって受け入れてくれたんだ。音楽だけに打ち込んでいろ、なんて言うような人たちだったら今俺はここにいないよ』
音葉『……………………本当、でしょうか……?』
P『絶対。音葉さん、ご両親のこと好きって言ったよね。だったら、自分のこと分かってくれるって信じようよ』
音葉『……Pさんは、信じることができるのですか…………? 今日会ったばかりの、私の両親を…………』
P『大好きな音葉さんの大好きな人だから。信じられないわけないよ』
音葉『……………………』とて、とて、とて。
ぎゅっ
音葉『…………あなたを好きでいて、よかったです』
P『ありがと』
52: 以下、
音葉『あなたと知り合って、世界がきらきらして……音楽とかかわる時間は減りましたけど、そんな世界で奏でる音は、きっと以前の私には届かないものです…………』
P『そういってくれると嬉しい』
音葉『信じてもらえますよね…………。詭弁だと、笑われませんよね』
P『大丈夫だよ。それが分からないような人じゃない。そんな人が、俺の大好きな人の親なわけない』
音葉『ふふ…………っ。では、もう一つの大事なことも伝わるでしょうか』
P『なに?』
音葉『あなたのことが、大好きだって』
P『…………伝わりすぎると恥ずかしいから、そこはちょっと伝わるくらいでいいかな』
音葉『きっと無理ですね…………母が言う通り、私を融かしてほぐして笑顔にしてくれた人ですから……♪』
P『まぁ、よく笑うようにはなったよね』
音葉『…………もっと、と望んではいけませんか?』
P『ん……?』
音葉『身体の奥まで…………心の全部…………とろとろにされたいと思ってもいいですか…………?』
P「まぁあとはドスケベですよね」
ちひろ「まーた始まったよこの人」
53: 以下、
P「いや、だってあそこまでいったらもう」
ちひろ「それまでそこそこ丁寧だったじゃないですか。親からの期待を過剰に受け止めた娘と、子供を信じている親。よかったじゃないですか。なぜ締めくくりにドスケベを選んだんですか」
P「シリアスの後にはそういうのも必要かな、と」
ちひろ「シリアスありました? 終始いちゃついたと思いますけど」
音葉「どうしましょう…………どうしましょう…………♪」ミッチャクー
クラリス「P様、私バージョンのやり直しを要求します。主に過激な方への修正を」クッツキー
のあ「…………私だけ即日行為に至らなかったのは納得いかないわ。私もやり直しを求める」ダキツキー
ちひろ「あーほらほらお三方、いい加減離れてください。汗臭いんですよもう」
54: 以下、
P「長々と話しましたけど、まあこういった家庭からの妄想をファンにも抱いてほしいんですよ俺は」
ちひろ「アイドルとドスケベに発展する妄想が蔓延するのはどうかと思うんですが」
のあ(離れた)「…………思考だけなら人は自由よ。そこ以外で泳ぎださなければ、思想の海は自分のものであるべき」
ちひろ「寛容ですけど、もうちょっと抵抗してほしいです」
音葉(だいぶ名残惜しそう)「アイドルとは、偶像……。フェルリープト…………かわいさの求め方も、人それぞれかと…………」
ちひろ「例えばですけど、ドスケベしたいくらいかわいいって言われたら嬉しいですかね」
クラリス(まだPの袖掴んでる)「思われるというのは幸せなもので、思うということは尊い行為です。神への祈りがそうであるように」
ちひろ「お祈りと妄想を一緒にしたら絶対バチあたりますよ」
55: 以下、
P「よし、なんかイメージまとまってきましたよ。ちょっと企画練ってきますね」
がちゃっ
ちひろ「ロクな企画になる気がしませんが応援してます。いってらっしゃーい」
音のラ「…………」
音葉「…………私、いちばん…………♪」
のあクラ「」ピクッ
ちひろ「あら」
56: 以下、
クラリス「調子に乗りすぎると神様からの天罰が下りますよ?」
のあ「あくまでPの思考……。虚実の線が不明瞭になった人間に、輝きはないわ……」
ちひろ「器小さいですねこの金銀恋愛脳ども」
音葉「はたして二人で、どのようなコンチェルトを…………ふ、むふ……♪」
ちひろ「喜多の日菜子ちゃんみたいな表情ですよ。いや、頭の中はあの子の百倍生々しそうですけど」
ちひろ「…………まぁ、いいんですけどね」
がちゃっ
ちひろ「あらPさんおかえりなさい。どしたんですか?」
P「いや、忘れ物を…………三人、何かあったんですか? なんか火花散ってますけど」
ちひろ「色ボケ共の論争ですから、お気になさらず。…………ああ、そうだPさん」
ちひろ「次、いつ泊まりに来ますか?」
音のラ「!?」
57: 以下、
クラリス「あ、あの……ちひろさん? それはどういう…………?」
ちひろ「言ってませんでしたっけ。私とPさん、幼馴染なんですよ」
P「小さいころから家族ぐるみの付き合いですからね。俺らそろって実家暮らしですから、今でもお互いの家に遊びに行ったりするんです。職場だから一応敬語ですけど、家だと普通にタメ口ですよ」
ちひろ「まあそういうことです。ささいなことですけど」ちらっ
音のラ「…………」
ちひろ「そう。ささいなことです♪」にっこり
音のラ「!」
P「また今度遊びに行きますんで、おばさんによろしく言っといてください。んじゃ俺は再び企画を立てに」
音葉「Pさん……!」
クラリス「P様!」
のあ「P……っ!」
P「お。おぉう?」
このあとめちゃめちゃ家に誘われた。
58: 以下、
終わりです。遅れましたが、音葉さん誕生日おめでとうございます。そしてのあさん、かっこいいSSR実装おめでとうございます。
増えろのあP、そしてディヴァイニアP。
元スレ
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僧侶「ひのきのぼう……?」話題作
勇者「旅の間の性欲処理ってどうしたらいいんだろ……」いつまでも 使える 読めるSS
肛門「あの子だけずるい・・・・・・・・・・」まさにVIPの天才って感じだった
男「男同士の語らいでもしようじゃないか」女「何故私とするのだ」壁ドンが木霊するSS
ゾンビ「おおおおお・・・お?あれ?アレ?人間いなくね?」読み返したくなるほどの良作
犬「やべえwwwwwwなにあいつwwww」ライオン「……」面白いしかっこいいし可愛いし!
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Jamesbig:DIO「ASB?」
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