メリーさん「すみません、私メリーと言う者ですが・・・」2back

メリーさん「すみません、私メリーと言う者ですが・・・」2


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次スレです
>>1さんどうぞ
メリーさん「すみません、私メリーと言う者ですが・・・」
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メリーさん「すみません、私メリーと言う者ですが・・・」2←今ここ
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メリーさん「すみません、私メリーと言う者ですが・・・」【完結編】
http://world-fusigi.net/archives/9151519.html
※30分後(2018年6月27日)の23:30にアップします。
3: 以下、
メリー「悪いんですけど今からそちらにお伺いしてもいいですか?」
 …交通事故に巻き込まれた悲運の少女、享年17歳。
     この世でやりのこしたことを果たすため、1驚きにつき14日間の滞在期間をもらえるメリーさんとして働いている。
   礼儀正しく控えめな性格のため驚かした実績は主人公のお情けの一回が唯一、生前は中山。
男「罰ゲームかなんかですか?」
 …親父の口癖と己の良心に従い、メリーさんの心残りが何かを調べる心優しき高校生。
親父「困ってる女は不細工でも助けろ、妹や姉は可愛いかもしれない」
 …男の親父、既に他界。女性には優しくするように男に言い聞かせた。
浩平「自転車は好かん」
 …男の友達、優秀で美男子。タバコを吸っていることは男ぐらいしか知らない。親は歌舞伎役者。
花子「しゃがめよ」
 …自称20歳のチビポニーテール、口が悪い。男の高校の男子トイレが職場、同じ高校に3人他の花子さんがいるらしい。
4: 以下、
仕事はえ?>>1乙
9: 以下、
>>1乙だぜ
78: 以下、
これで住所がわかった。
辺りは暗くなりはじめた頃だったが
自転車なら間にあう気がする。
メリーさんに自転車の後ろに乗るように促して
自転車を漕ぐ。
メリーさんは黙ったままだった。
僕は彼女の家に行っていいのかと迷った。
もしかしたらつらい思いをするかもしれない
「メリーさん…君の家行って見る?」
「…行きます」
それ以外僕もメリーさんも何もも言わなかった。
星が見え始めた夜空を眺めながら
僕は自転車を漕ぎ続ける。
84: 以下、
>>78
きたあああああああ!!!!
85: 以下、
wktkすぎるんですけど
86: 以下、
メリー切ないよメリー!!
104: 以下、
30分ほど自転車を漕ぎ続けると
辺りはすっかり真っ暗だった。
自転車の明かりを頼りに進み続ける
いつのまにかメリーさんの手が僕の制服の
掴んでいたが。僕は無言で走り続けた。
やがて僕の家が見えてきた。
明かりがついているので親が帰って来ているのだろう。
だが、僕は自分の家の前をスルーした。
メリーさんの家は僕の家のすこし先
5分と言ったところだろうか。
民家が立ち並んでいる場所で自転車を降りた。
メリーさんと共に中山の表札を探す。
お世辞にも大きいとは言えないが
アットホームな家の玄関に掲げられた中山の文字。
「ここだ…」
メリーさんはずっと僕の背中の裾を掴んでいる。
押すよと、一言いい。僕は呼び鈴のボタンを押した。
155: 以下、
インターフォンが無く
呼び鈴だけのシンプルな物だったので
僕とメリーさんはドアが開くのを待った。
やがてガチャリとドアが開く。
鍵は掛けていなかったらしい。
地方の片田舎の家じゃめずらしくもない。
中から出てきたのは中年のおばさん
おばさんというわりには若々しく美人だと思ったが
すこしやつれているようにも見える。
「どちらさまで?」
声が少し枯れているようにも思える。
「准さんの友達です…すみませんが
 お線香をあげさせてもらえないでしょうか」
「准の…ありがとうございます、さぁ上がって」
僕は中へと案内され、今の片隅に作られた
真新しい仏壇の前に座った。
メリーさんは何も言わず付いて来たが。
裾を掴む力が強くなっていた。
166: 以下、
あーこれは良い。恋がしたくなる。
207: 以下、
遺影にはメリーさんではなく中山 准が笑っていた。
僕は線香を3本取り火をつけ香炉に立てて手を合わした。
後ろからおばさんのすすり泣く声が聞こえた。
振り向くとメリーさんがおばさんをずっと見ている。
「おかあ…さん」
メリーさんが消え入りそうな声でそう言った。
「おかあさん!」
と、おばさんに飛びついたが触れる事はできず
宙をかくように手を交差させる。
僕はその光景をただ見ている事しかできない。
心が痛む光景だった。唯一できそうな事を僕はした
泣いているメリーさんの頭を撫でてやる。
おばさんから見たら空中で手を動かしているようにしか見えないんだろうが、
気にせず撫でてあげる。
しばらくの間2人は泣き続けた。
「今日はここに泊まります」
泣き止んだメリーさんはそう言って続けた
せっかく少し記憶も戻りましたしおかあさんと一緒に居たいですしと
僕はわかったと一言言って中山家を後にする
今晩だけはメリーでは無く中山 准として過ごせればいいなと
満天の星空を眺めながらそう思った。
さて、帰ろうか母親の待つ家へ。
211: 以下、
>>207
(´;ω;`)ブワッ
ガチ泣いた
222: 以下、
目の前にあるはずの画面が
霞んで見える(´;ω;`)
230: 以下、
やばい…
涙がとまらない…
233: 以下、
しかしwktkが止まらないスレだな
739: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/11(月) 19:00:33.48 ID:AbsbT/qp0
翌朝はメリーさんの着信で起きた。
まだ完全に目が覚めていない状態で
気の抜けた声で電話に出る。
「…もしもし」
「あっメリーですが、朝早くごめんなさい。
 その今日は私、自分の学校へ行ってきます。」
昨日よりもメリーさんの言動がはきはきとしているのは
記憶が少し戻ったからだろうか。
僕も少しうれしくなる。
「ああ、いっといで。それじゃあ放課後にまた」
「はい!いってきます!」
そう言って電話は切れた。
メリーさんと登校できないのは少し寂しい気もするが
少しずつだがメリーさんの
中山 准としての記憶が戻りはじめていることはいい事だ
僕はベットから降り、鼻歌交じりで洗面所へと向かった。
755: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/11(月) 19:17:28.51 ID:AbsbT/qp0
顔を洗い。朝食をとり。学校へ行く準備をする。
いつもの事だがメリーさんと出会ってから
そのいつも通りが大切なのかもしれないと思うようになり始めた。
そして僕はいつも通り家を出る。
バス亭で5分ほど待ってからバスに乗り、
一人で5人分の席を独占する奴へ声をかけた。
「おはよう」
「やぁおはよう。いつも通りだな。」
「それがいいんだよ」
「?」
浩平はなんの事かわからず訝しげな表情をしたが
すぐに考える事をやめたらしい。
いつもの顔に戻り、昨日有ったニュースなど
浩平らしい世間話を話し始めた。
770: 以下、
浩平がニュースの内容とその感想を一方的に
話すだけだなのだが、退屈はしない。
僕は普段テレビはあまり見ないのだが
情報通の浩平のおかげで時事にはわりとついて行ける。
ニュースを通り越して世界の車窓からに話が移ろうとしたとき。
僕たちが降りるべきバス亭へと止まった。
もう着いてしまったのかと残念がる浩平と共に他の生徒に混じりバスを降りる。
いつもは自転車なのだが、昨日は自転車で家まで帰ってしまったので今日は歩きになる。
その事を浩平に話すとうれしそうな顔をし
さっきの続きだとバスの中で話せなかった
世界の車窓からの話を語りだした。
まぁこんな日もいいだろうと学校までの通学路を歩き始めた。
772: 以下、
>>770
イイヨイイヨー
771: 以下、
世界の車窓からwwwwwwwwwww
775: 以下、
wktk
788: 以下、
昨日の放送はボリビアらしく
アンデス山脈の素晴らしさについて熱く語っていたが
軽く流す。ボーっとしながら歩いていると
いつもの通学路のはずなのに自転車に乗っている時と
ずいぶん違う道に見えるなとそんな事を思っていた。
前方に見慣れた後姿を見つけた。
浩平がアンデスを語るのを一旦やめ
おはようございますと
僕らの担任に頭を下げる。
こういうマメな所が優等生として先生達に信頼されるんだろう。
先生はああ。とだけ言った。
僕は軽く会釈だけをし、2人で先生を追い抜いた。
辺りを見回すと他にも何人か先生や見たことの無い生徒など
普段は会えない人たちがいた。
自転車を家に置いていかなかったら会えなかったでだろう。
これもメリーさんのおかげなのかなと
心の中でそっと感謝した。
813: 以下、
浩平の話は教室まで続く。
いつもは教室に着いてからSHRまで時間があるのだが
時計を見るとギリギリだった。
教室に担任が入ってきてやっと浩平の話は終わった。
悪いが明日からはまた自転車を使用する事にさせてもらおう。
担任の持ち味の短いSHRがいつものように終る。
1時間目はまた英語。
引き続き担任が授業の準備を始めと、
浩平は嫌いな授業の前に一服するといい
教室棟3階トイレへ向かった。
僕もトイレへ行っておきたかったが昨日の今日なので
一階したのトイレを使用させてもらおう。
悪いな浩平。
友達を売った気持ちになった。
873: 以下、
あっという間に昼休みになった。
それはそうだろう、ほとんど寝ていたのだから。
2時間目の途中からほぼ記憶が無い。
こんな事で次のテストは大丈夫なのだろうか
その時は頼むぞ浩平。
一区切りついた所で昼食にする
いつもならあいつと一緒だが
図書当番の期間は一週間。
しばらくは一緒に食えそうに無い。
どっちにしろ僕はパン一個なのですぐに
終わってしまうのだけれど。
他のグループの所へ行くことも考えたが
あきらかに出遅れていたので今から入れてもらうのも
気が引ける。しかたなく一人寂しく食べることにした。
ああ、メリーさんは今頃どうしているだろう。
876: 以下、
メリーさんとパンをわけっこしたい。
879: 以下、
メリーさんに思いを馳せる事5分。
手元のカレーパンもなくなってしまった。
昼休みもメリーさんの滞在期間も限られているのだ。
少しは何か行動しようと立ち上がる。
図書館に行く事を最初に考えたが
おそらくあれ以上の発見は望めないだろう。
そう思った僕はもう一つの考えた場所へ行くことにした。
あまり気は進まないが早めに清掃場所に行くのもいいだろう。
と、僕は歩き始めた。
戦場へ。
891: 以下、
やっと追いついたなり
894: 以下、
扉の前に立ち、一度深呼吸をしてから扉を開く。
バケツを逆さにし、足を組みながら案の定
タバコをふかしている自称20の小学生。
開けられた窓の外に煙が逃げていく。
花子さんは僕に気づくとこう言った。
「よう、○○」
一瞬ひるんだが、落ち着いて切り返す。
「自分だって小さいだろ小学生」
ここに第三者がいたらどう思うだろうか。
とりあえず満場一致で僕の方が負けだと言うだろう。
「今日はメリーはどうした」
「登校日だよ」
あえて遠まわしな言い方をしたが
花子さんはそうかとだけ言った。
なかなか頭の回転がいらしい。
侮れない。
896: 以下、
「よう包帯」or「ようDT」
903: 以下、
>>896
短小じゃね?
907: 以下、
花子「ようDT!」とみた
908: 以下、
「どうなんだ?調子は」
「そこそこ」
僕は昨日の放課後からの出来事を花子さんに話した。
まぁ途中恥ずかしい所は端折ったのだが。
あらかた話し終わると
花子さんはなるほどねぇといい
ポケットから携帯灰皿を取り出し
小さくなったタバコを収めた。
マナーができている。ちょっと意外。
「ところで、そのタバコは
 どこから補充されてるんだ」
「ちゃんと買ってるぞ、滞在期間1日で1カートン」
「はい…?」
衝撃の事実を聞いてしまった。
909: 以下、
花子結構エンジョイしてるなwwww
910: 以下、
服とかはどんくらいするんだ
911: 以下、
俺にも寿命一日でワンカートンくれwwww
912: 以下、
一日削れば一カートンかw
なんて便利な世界wwwウラヤマシスwwwww
915: 以下、
あんなにメリーさんが苦労してやりくりしている
滞在期間をこのちびっ子はタバコに使っていやがったのか。
「去年までは時間単位だったんだが
 今年から時上げされちまってな」
花子さんは、まったくいい迷惑だとため息をついていた。
僕はどうも死んでからの仕組みを理解し切れていない
幸い昼休みはまだ残っているし、なんなら清掃の時間もある。
僕は花子さんにもう少し詳しい話を聞くことにした。
19: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/12(火) 00:08:43.22 ID:TWTacOwL0
滞在期間は幽霊同士の間では
通貨のような役割をしている。
頼み事はもちろんの事、服から娯楽用品まで
大抵の物は手に入るらしい。
どこから運ばれてくるかを聞いたが
死ねばわかるよと含み笑いをして結局教えてくれなかった。
「タバコを吸ってるとき僕は花子さんが見えるから
 特に違和感はないんだけど普通の人から見れば
 タバコが宙に浮いているように見えるのか?」
「いや、これがうまい事できててな
 私とタバコはセットのようなもんだ」
それから花子さんは仕組みの解説を続けた。
22: 以下、
wktkがkskする!
42: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/12(火) 00:32:40.00 ID:TWTacOwL0
「私達の姿は2つの方法でしか見えない。
 一つは自分自信が脅かそうと思った相手にしか見えない。
 二つ目は残り人同士の紹介だ。私の事が見える奴が
 そこにいると言わなければ認識する事はできない」
よくわからないが、会員制のようなものだろうか
漠然とだがなんとなくはわかった。
その後もこんな約束事と言うか法則のようなものを聞いた。
担当地区より外へ出ることは可能だが
遠くに行くにつれ多くの滞在期間が失われるので
ほとんどの奴は担当区の外へ出たがらない事。
そして原則として生き物には触れない事。
「なんでメリーさんは俺に触れられるんだ?」
「おまえを脅かすターゲットに指定してるからだ」
単発式は一度に一人まで指定できるとの事。
いろいろ細かいんだなと思ったが
そうでもしないと世の中がおかしくなってしまうのだろう。
閻魔さまが決めたのだろうか。
「こんなところか」
花子さんは再びポケットからタバコを取り出し口に咥えた。
229: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/12(火) 19:27:07.89 ID:TWTacOwL0
紫煙をふかす花子さんに気になっていた事を
聞いて見ることにした。
「花子さんは何でこっちに残ったの?」
僕を見る花子さんの目が鋭くなる。
「私らの中には生きてる奴を妬ましく思ってる奴も
 大勢いる。迂闊にそんな事聞くもんじゃない」
そうだった。メリーさんの時もこれで軽く失敗したじゃないか
またやってしまったと。学習能力の無い自分に腹が立つ
「すみませんでした。」
僕は深々と頭を下げて素直に謝った。
しばらくして顔を上げ、花子さんの顔を窺うと
面を食らったような顔をしていた。
もしかして変な事をしてしまったのかと不安になる。
230: 以下、
wktk
234: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/12(火) 19:53:01.32 ID:TWTacOwL0
花子さんの目つきか元に戻る
それでも睨んでいるようにしか見えないのは
元からだろう。
「まぁいいか…。私が残ってる理由か
 そんな昔の事は忘れた。何しろ20年は前の事だしな
 まぁ忘れる位だからそんな大した事じゃないんだろ」
まだタバコが吸い足りないのかなと、自嘲気に笑う。
20年って。そんなに長い間こんな場所に…
「確かバイク事故だったかな…
 ガードレールに突っ込んだ気がする」
「ああ、足が届かないからか」
「うっせ、死ねっ!」
重い空気になりかけていたので
なんとなくおちゃらけてみたが
花子さんには気づかれてしまった。
250: 以下、
「可哀想とか思うなよ。私はこの生活のままでいいんだ
 おまえはあいつの事だけ考えろ」
大きなお世話だと、心を見透かされたように言われた。
確かに少し心揺らいだが、今はメリーさんの事だけを
考える事にした。
掃除終了のチャイムが鳴る。
気がつかなかったが結構な間話し込んでいたようだ。
それじゃあと言い、教室に戻る。
花子さんに色々とありがとうと言いたかったが
面と向かって言うのは癪なので
帰り際、ドアを閉めるときに言ってやった。
花子さんの顔は見なかったが今思うとどんな顔を
していたか興味があったがもう遅い。
さて、色々と情報は得た。
今度差し入れでも持ってくることにしよう。
そう心に決め、僕はトイレを後にした。
268: 以下、
5時間目の物理は真面目に受けた
途中、睡魔の強襲があったが何とか勝つことができた。
6時間目は体育。
今の時期は女子はバドミントン。
男子は柔道といった男女平等もへったくれもない。
完全なる別の種目をやっている。
僕も願わくばバドミントンをやりたいのだが…。
そんな願いが叶うはずもなく、あきらめて柔道着に着替える。
挌技室へと移動し、準備体操を始めた。
273: 以下、
全員の準備が整った所で
二人組みを作って、今日の練習科目
大外刈りのを始める。
いつも通り浩平と組み、互いに足をかけては
受身を取りを繰り返した。
辺りからもバタン、バタンと人が畳に叩きつけられる音が響く。
授業が終盤に差し掛かった頃、体育教師が笛を吹いた。
あれが始まるのだろう、恒例の公開処刑が。
授業の内容によって変わるが剣道の授業なら剣道部員が
もちろん柔道なら柔道部員が成績の低い者と戦い。
勝てば評定が上がるといった一発逆転制度が設けられている。
体育教師の粋な計らいだが、挑戦者が勝つ事は極々稀で
ほとんどが返り討ちにされる事から通称、公開処刑と呼ばれている。
体育教師が僕の名前を呼ぶ。今回もまたその制度にめでたく選ばれた。
すっかりこの制度の常連となった僕は特に気にすることなく
いつも通り負けに行った。
痛くなけりゃいいけど。
276: 以下、
死亡フラグw
278: 以下、
今北wktk
285: 以下、
対戦相手はクラス一の巨漢、
柔道部のレギュラーと聞いた。
正方形の真ん中で互いに向き合い
開始の合図を待つ。他のクラスの奴らはすっかり
観客モードだ、公開処刑を楽しんでいる。
「はじめ!」っと体育教師の気合の入った合図で試合が始まった。
相手の手に届く範囲に入ったらすぐさま投げられるだろう。
適当に間を空けていたがすぐに間合いを詰められ胸倉を掴まれる。
いきなり背負い投げでせめてきやがった。
だが、僕があまりにも力を入れていなかったせいか相手も
バランスを崩し僕は、不完全なまま畳へ叩きつけられた。
受身も中途半端だったので正直痛い。
「有効!」
むしろ一本の方がよかった。
このまま寝技が来れば僕は負けていたのに
柔道部員はそうしなかった。寝技ではなく派手に決めたいのだろう。
観戦モードの奴らがちゃかしてくる。人の気も知らないでと
睨もうとした時、挌技室の隅にちょこんと正座する人影を見つけた。
「メリーさん…?」
なんてこった。こんな無様な所を見られるとは親父に知れたら殺されそうだ。
幸い今のは有効、試合は続く。女の子が見ているのなら話は別だ。
勝ちに行く。
287: 以下、
>>285
KAKKEEEEE
286: 以下、
メリーさんキタァァァァァァァァ!!!!
299: 以下、
ちょこんと正座してるメリーさんを想像して萌えた
291: 以下、
wktk支援
292: 以下、
再び向かい合い、合図と共に試合が再開された。
試合に集中する。
勝つ術はある、僕が素人である事が大きなポイントだ。
相手は素人である僕に油断している
そして恐らく大技で一本を取ろうとするだろう。
背負い投げか一本背負い辺りだろうか、
技が予測できれば動きも大体検討がつく。
そこが狙い目だ。これはタイミングが命
賭けだったったがその2つに絞ることにした。
再び柔道着に手の届く範囲に間合いを詰められた。
向こうからしかけてきた。僕の胸倉目掛けて手が伸びてくる。
僕は横に避け紙一重でその手を交わた。
柔道部員には予想外の出来事だっただろう
この身長差を最大限に生かし相手の懐に入り胸倉を掴む。
相手の重心が前に崩れているのがわかる。
僕はそのまま背負い投げをしかけた。
293: 以下、
追いついた!
男かっけー支援
295: 以下、
柔道部員「もしもし、俺柔道部員だけど今からお前ん家に行くわ」
男「リベンジか何かですか?」
296: 以下、
「もしもし、私柔道部員いま体育館裏に仲間といるの」
「虐めかこわるい・・・」
297: 以下、
>>295-296
この流れにコーヒー噴いたw
300: 以下、
相手の体が宙に浮く。取ったと思った。
だがしかし、僕は相手の重さに耐えられず
そのままバランスを崩す。
なんとか柔道部員を畳までもっていった。
「技あり!」
判定は厳しかった。
おそらく相手が常人だったのなら一本取れていただろう
少しは痩せろと心の中で理不尽な事を言う。
うぉおおおおお!と一気にギャラリーが騒がしくなった。
だがこれで僕が勝つ事はさらに難しくなってしまった。
さっきまで余裕の笑みを浮かべていた柔道部員の顔がマジだったからだ。
柔道部レギュラーの面子をかけて素人の僕に
負けるわけにはいかないからだろう。
ギャラリーは盛り上がっている。もちろん僕も。
そして、実質の勝負が決まるであろう試合が再開された。
301: 以下、
wktk(・∀・)
315: 以下、
さっきの作戦はもう使えない。
すっかり警戒されてしまい、腰を低く落として
僕の出方を待っている。
さて、どうしたものか。時間稼ぎに近づいたり
離れたりを繰り返す。
足を狙って朽木倒しかそれとも…と、勝つための作戦を練る。
これもメリーさんにいい所を見せるため。
と、メリーさんの方を見る。
相変わらず、隅っこで正座をしている。
だが、どうにも様子がおかしい。
顔は下を向き、定期的に船を漕いでいる。
つまり早い話が。
「寝てるし」
おいおい、そりゃないよと、全身の力が一気に抜ける。
そこを見逃す柔道部員ではなく。
僕がやばいと思った瞬間にはもう遅く、視界が反転していた。
そのまま畳に叩きつけられる。
「一本!」と体育教師の声が響いた。
あ?やっぱりなとギャラリーが教室に帰るために立ち上がる。
畳から起き上がれない僕は心身共に疲れ果てていた。
317: 以下、
メリーさんテラカワイスwwwww
318: 以下、
メリーさんボケすぎだろwwwwwwwwwwwwwww
321: 以下、
メリ―――――!!
326: 以下、
みんなが挌技室から出て行く中
仰向けで倒れている僕に体育教師が近づいていた。
「まぁ、負けたがなかなかいい攻めだったな
 少し評定上げてやる」
ありがとうございます、と息切れ切れに言った。
浩平が行かないのか?と聞いてきたが
もう少し休んでから行くと伝え僕は目を閉じた。
そして、誰もいなくなったのを確認し、
静かになった挌技室に聞こえる
寝息を立てている娘の元へ向かう。
「お?いメリーさん?」
反応は無く規則的に寝息を立て続ける。
肩に手を置き揺さぶって見たがやはり反応なし。
昨日もそうだったがどうもこの娘は一度寝たら
なかなか起きないらしい。
もっと激しく起こそうかとほっぺに手を伸ばしかけたがやはりやめておく。
気持ちよさそうに寝ているので起こしたら可哀想かなと思ってしまった。
どうにも僕はメリーさんに甘い気する。
しかたがなくメリーさんが自然に起き出すまで待つことした。
時間が無いのはわかっている。
だが僕はもう少しこののんびりとした時間を味わいたかったのだ。
610: 以下、
ふと気がつくと僕は眠ってしまっていたようだ。
メリーさんが起きるのを待っていたのに
僕まで寝てしまっていたとは。不覚。
壁に掛けられた時計を見ると15分ほどが過ぎていた。
そうだ、肝心のメリーさんはと先ほどの場所を見た。
同じ場所で正座をしていたのだが
メリーさんと目が合う。
するとメリーさんは笑顔でこう言った。
「寝坊ですか?」
クスクスと笑っている。
メリーさんの方が先に起きたらしい。
その言葉に色々と突っ込みたかったが
その笑顔を見ていたらどうでもよくなった。
そろそろ部活動が一斉に始まる頃だろう
柔道部員が来る前に退散しなければ。
そういえば何でメリーさんは
僕を起こしてくれなかったのだろうか。
疑問に思いつつ挌技室を後にした。
613: 以下、
メリー可愛いよメリー
616: 以下、
何故か知らないがミランダの姿で脳内再生される…
617: 以下、
wktk
619: 以下、
メリーさんに校門で先に待っててといい僕は教室へと戻る。
さすがに着替えの時に一緒にいられると色々と困るし。
教室のドアを開けたがすでに誰もいなかった。
授業が終われば早々と部活に向かう連中だ
まぁ当たり前か。
僕は着替えを済ませ、汗缶スプレーを使い
身だしなみを整える。
そして、メリーさんが待っている校門へと急いだ。
626: 以下、
メリーさんが可愛すぎる件について
627: 以下、
>>626
狂おしい程に同意。
637: 以下、
外履きに履き替え校門を目指す。
メリーさんは門の所に寄りかかって
下校する生徒達を眺めていた。
ボーっとしていたメリーさんに声をかける。
後ろから声をかけたのがまずかったのか
あっはい!と軽く跳び上がっていた。
別に驚かすつもりはなかったんだけど。
自転車は家に置いてきたので
今日は歩きで行くことになる。
中山 准の事故現場へと。
641: 以下、
いよいよだな……
644: 以下、
事故…
669: 以下、
事故現場へと向かう途中。
学校はどうだったかメリーさんに聞いて見た。
学校へ行った事で昔の記憶はほとんど戻ったそうだ。
友達やクラスメイトはいつも通り生活しており
相変わらず担任が黒板に書く字は可愛かったなど
嬉しそうに話していた。
自分の席が無かった事は正直悲しかったが
忘れているよりかはマシだと笑っていた。
そんなメリーさんの話に
僕は相槌しかうてなかった。
それでも話続けるメリーさんは強い子だと思う。
だが事故現場へ近づくに連れメリーさんの口数が少なくなっていった。
670: 以下、
メリーさん・・・(´;ω;`)
672: 以下、
(ノ_・。)
678: 以下、
僕の家の前に来る頃には、二人とも黙り込んでいた。
そしてまたメリーさんの右手は僕の背中の裾に伸びていた。
事故現場の交差点は僕とメリーさんの家のちょうど中心辺り
僕の家から歩きで5分ほどいった場所だった。
昨日は余計混乱させる事を避け、別の道を使い
メリーさんの家まで行ったが
普段ならこの道を使った方が早い。
僕らは今度は逃げず、
真っ直ぐ交差点へと向かった。
680: 以下、
ドキドキ…
683: 以下、
交差点が見えてくる。
交差点と言ってもそんなに交通量は多くない。
右側を流れている川を挟んで橋がかかっており
僕達の歩く道が交わっている。
交差点の信号付近に立っている電信柱の下に
お供え用の花束を見つけた。
メリーさんの両親が用意したものだろう。
花はどれも水々しく、いきいきと咲いている。
マメに交換されている証拠だろう。
中山 准が両親に愛されていた事が窺えた。
一瞬手を合わそうかと思ったが
本人がいるので僕はしなかった。
692: 以下、
そして僕達は着いた。
中山 准がメリーさんへとなった場所に。
メリーさんの顔を見たが顔面蒼白と言えばいいのか
とにかく顔色が悪かった。
すぐにここを離れてあげたかったが
それでは何も進まない。
「メリーさん、辛いだろうけど
 手がかりはここだけなんだ
 些細な事でもいい、思い出せる事はある?」
できる限りのやさしい声で言う。
「…は、はい」
と僕の背中の裾から手を離し、僕より1歩先へ出た。
背中が震えているのがわかる。
しばらくして、メリーさんは口を開いた。
693: 以下、
697: 以下、
(´・ω・`)メリーさん…
703: 以下、
「…雨の日でした。
 私はここに立って信号が青になるのを待ってから
 歩き出して…」
実際にメリーさんは歩道の真ん中へと
歩いていった。
そしてゆっくりとメリーさんは続ける
「そしたら…左側から白い、たぶんスポーツカー…
 突っ込んで来て…それで…
 気がついたら私は倒れてました…」
メリーさんの息遣いが荒くなってきた。
「動けませんでした、でも痛くはなかったです…
 ただ…地面が冷たいだけ。見るもの全部が真っ赤でした。
 止まっていた車の向こう側から人が降りてきて…
 顔は見えなかったけど下から革靴が見えました…
 そして、私の方へ近づいてきて…それでっ!!」
メリーさんが崩れるようにしゃがみ込む。
「メリーさん!?」
僕はメリーさんの元へと駆け寄った。
705: 以下、
メリーさん…
706: 以下、
メリーさん!?
707: 以下、
メリーさん!!
709: 以下、
続きが気になるぅー
719: 以下、
「私は投げ飛ばされたんじゃない…
 私を…私をっ!土手の下の川原に!」
メリーさんの目から涙が溢れだす。
僕は、もう大丈夫、大丈夫だからと手を強く握ってあげた。
とりあえず、歩道の真ん中は危険なので
メリーさんをおぶさり、この場から離れる事にした。
背中で泣き続けるメリーさん。ほとんど重みは無かった。
メリーさんをこんな事にした奴は車で跳ねただけではなく。
土手の下へと突き落とした。絶対に許さない。
メリーさんから獲た情報を整理する
白いスポーツカー。革靴。
これだけじゃほとんど手がかりにはならない。
続けて僕は頭の中で事故を再現してみる。
雨の日、左から白の車。
と、おかしな事に気づいた。
755: 以下、
心を落ち着かせて集中する。
話からして、メリーさんは
白い車から見て右側に跳ね飛ばされた。
そうするとおかしな事が起こる。
メリーさんは
「車の向こう側から人が降りてきて、下から革靴が見た」
と言っている。
想像すればわかるだろうが。
運転席は普通は右側。
車の向こう側から降りるのは考えられない。
となると考えられるのは運転席は左側。
つまり外車である可能性が高い。
白い外車のスポーツカーなんてこんな片田舎で
乗っている奴は数えるほどしかいない。
犯人へと繋がる大きな手がかりを見つけた。
待ってろクソ野郎。
760: 以下、
いやもうなんていうか正直wktkが止まらない
55: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/15(金) 00:00:11.11 ID:ntYcpjKs0
とりえず今はメリーさんを落ち着ける事が最優先だ。
僕はメリーさんを背中に、来た道を戻る。
そして僕の家へと連れ帰った。
親はまだ帰ってきていないようだ
玄関の植木鉢の下から鍵を取りドアを開ける。
そのまま2階の僕の部屋へと運び、
メリーさんを僕のベットに寝かせた。
僕の枕を抱え込み震えるメリーさんの頭を撫でてる。
前の時もそうだったがメリーさんの髪は
とても艶やかで細く、絹のような手触りだった。
疲れたのか、やがてメリーさんは眠ってしまった。
59: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/15(金) 00:14:23.05 ID:ntYcpjKs0
タオルケットを取り出しメリーさんにかけてやる。
不謹慎にも僕のベットで女の子が寝るといった
シチュエーションにドキドキしていたが。
頬を叩いて雑念を払う。
床へ座り、机に向かい合いこれからの事を考える。
大きな手がかりは見つけたが、どう探せばいいのかわからなかった。
あの交差点は基本的に地元民しか使わないので
県外から来たようではないと思うが。
事故車が平然と街中を走っているわけがない。
隠すか、修理するかするだろう。
62: 以下、
ふむふむ
69: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/15(金) 00:43:31.17 ID:ntYcpjKs0
僕にパソコンをいじれる技術などがあれば
もしかしたら調べられたかもしれないが
僕はパソコンも何も持っていない。
特にこれと言って秀でるものが無い僕が
思いついたのはこれしかなかった。
さっそく僕は準備にとりかかった。
メリーさんが目を覚ました。
どうしてこんな所で寝ているんだろう
あれからどれだけの時間が過ぎたんだろうか。
どうにも記憶が混乱する。
と、机に向かい一心不乱に作業する背中。
僕に声をかけた。
「何…してるんですか?」
「おはよう、ちょっとね
 古典的だけどこれしか思いつかなくて。」
僕は作りかけだがメリーさんにそれを見せる。
72: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/15(金) 00:56:31.49 ID:ntYcpjKs0
4月26日、O市西区交差点付近で発生した
ひき逃げ死亡事故への情報を求めています。
目撃された車の特徴は。
白いスポーツカー
外車
である事がわかっています。
心辺りや見た事があるといった方が入れば
下記の電話番号まで情報提供をお願いします。
××××?××?××××
 
と、書かれたA5の紙
中心には目立つように交差点の絵。
僕が悩んだ末に思いついたのはそれは貼り紙を作る事だった。
「私のために…
 で、でも本当にこれで情報を得られるんですか?。」
73: 以下、
wktk
74: 以下、
支援。
76: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/15(金) 01:03:38.47 ID:ntYcpjKs0
確かにそうだう。と、言うかこれで電話がかかって来ればラッキーと言った感じだ。
本当の狙いは犯人にカマをかける事。
本当に白のスポーツカーの外車だったのなら
これほど犯人にとってのプレッシャーは無いだろう。
焦らせて、尻尾を見せるのを待つ。
しかしこれも賭けといった感じだ。
白の外車じゃなければ逆に犯人にまだ捕まらないと言う
自信を持たせてしまうかもしれない。
下手をすれば捜査妨害で警察の厄介になるかもしれない。
リスクは大きいが、僕1人ができる事と言えば
これくらいしかなかった。
215: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/15(金) 20:21:05.10 ID:ntYcpjKs0
出来上がった貼り紙をコピーするために1階へと降りる。
母親の書斎にあるコピー機を使わせてもらうためだ。
出版社に勤めている母は多忙な人で
たまに僕にも手伝えと仕事をまかされる時がある。
機械オンチな僕だけどコピーのしかただけはマスターしている。
とりあえず200枚に設定しカシャンカシャンと出てくる
重大な使命を背負った貼り紙をしばし見つめていた。
印刷が終わり、刷り上った貼り紙を持つとズシリと重かった。
221: 以下、
wktk
223: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/15(金) 20:54:00.55 ID:ntYcpjKs0
2階へと戻るとメリーさんは体育座りで
物思いにふけっていた。
とりあえず机を挟み正面に座る。
どうしたのだろうかと考えていると
メリーさんが体育座りのまま伏せ見がちで聞いてきた。
「あの…私がベットで寝ているときに
 なんていうか…何かしました?」
少しメリーさんの顔が赤い。
つられて僕まで赤くなる。
「な、何もしてないよ?本当に」
「そうですか…」
と、何故か期待を裏切られた子供のような反応を見せるメリーさん。
え、何この反応。何かしなきゃいけなかったのか?
たまにメリーさんがおかしくなる事はあるが今回は重症だった。
227: 以下、
>>223
幽霊にどうしろとwwww
230: 以下、
おぶれるぐらいだからなにかできるんじゃね?
242: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/15(金) 21:26:32.93 ID:ntYcpjKs0
気まずい空気が流れる。
もしかして、何かしてもよかったのだろうか。
衝動的にタイムマシンがほしくなった。
二人とも会話の無いまま時間だけが過ぎていく。
カチコチと時計の針がうるさい。
と、いいのか悪いのかガチャリと玄関のドアが
開く音にした。
いろいろやっているうちに
親が帰ってくる時間になっていた。
「あ、お母さん帰って来たんですね
 きょ、今日はこの変でおいとまさせていただきます」
「そ、そうだね、それじゃまた明日」
そそくさとメリーさんが窓から出て行く。
ふぅ…とタメ息をついた。
243: 以下、
wktk
244: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/15(金) 21:34:59.43 ID:ntYcpjKs0
明日は恐らく貼り紙を街中に貼るだけで
1日を使いきってしまうだろう。
いや、自分で刷っておいてなんだが
200枚と言う数を全部貼りきる自信はない。
だが、これしかないのだ。
明日は忙しくなりそうだ。
夕食をとり、風呂に入りと
日々の日課をこなす。
明日に備え早めに寝ることにした。
ベットに入るとこのベットでメリーさんが
寝ていたことを思い出した。
心なしかいい香りがしてドキドキした。
そしてゆっくりと僕は眠りに落ちていった。
期限は残り11日。
285: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/15(金) 22:43:55.91 ID:ntYcpjKs0
いつも通り目が覚める。
顔を洗い用意された朝食を食べ制服に着替える。
今日は、自転車で登校するので早めに家を出る事にした。
朝から日差しが強く、夏が近い事を感じさせる。
と、背中に妙な違和感を感じた。
シャンプーをしているときに後ろが気になるような。
振り向くとやはりメリーさんが乗っていた。
「ばぁ!」
と、メリーさんは
ジャスチャーつきで驚かせてくる。
「おはよう」
「あっおはようございます…」
同じ事は2度は通用しない。
メリーさんは学校につくまでいじけていた。
僕だってこれ以上かっこ悪いところを
見せるわけにはいかないのだ。
287: 以下、
いじけてるメリーさん……
激萌え(´Д`;)
288: 以下、
メリーさん可愛いよメリーさん
290: 以下、
イジけてるメリーさんを想像したら萌え死ぬとこだた
292: 以下、
メリーさん(・∀・)イイ!
302: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/15(金) 23:10:08.43 ID:ntYcpjKs0
駐輪所に自転車を止め
カゴからいつもより重いバックを持ち教室へと向かった。
教室の前でメリーさんと別れる
また花子さんの所へ行って来るらしい。
また、後でと言ってメリーさんは行ってしまった。
教室に入るとめずらしく浩平が先に席についていた
「おはよう」
「やぁ、おはよう今日はバスではなかったのだな」
まぁね、といって席へ着く。
「…ん?おまえ忙しそうだな
 顔に疲れが見える」
さすが長く一緒だったせいか
浩平にはわかってしまうようだ。
303: 以下、
wktk
307: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/15(金) 23:20:54.98 ID:ntYcpjKs0
「ちょっと厄介事がね」
幽霊と一緒にひき逃げ犯を探してるなんて言えない。
言った所で信じてはもらえないだろう。
「ふむ…厄介事か
 俺に手伝える事はあるか?お前には色々と借りがある。
 あるのなら力になるぞ」
借りとは浩平が好きな女の子との
仲介人に僕がなっただけなのだが二人が
見事付き合うようになってからは、
何かと借りを返すと言って色々と手伝ってくれるようになった。
義理堅い奴なのだ、こいつは
320: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/15(金) 23:36:00.32 ID:ntYcpjKs0
僕は迷ったが協力者は欲しかった。
浩平なら信頼できると信じ、事情を話す事にした。
「ほう…惚れた女が
 ひき逃げされたとは…難儀だな
 それで俺は何をすればいい」
僕はバックから昨日刷った200枚の内の半分を
浩平へと手渡した。
「これを街中に欲しいんだ」
「心得た、お安い御用だこんな事」
浩平は快く引き受けてくれた。
100枚なら今日中になんとか終りそうだ。
やはり話してよかった。
ありがとう、そう言った時教室に担任が入って来た。
328: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/15(金) 23:52:21.37 ID:ntYcpjKs0
僕は担任が好きじゃないが
短いSHRは大好きだ。
いつものように早く終わった。
トイレに行こうかと思ったが
おそらく今は花子さんとメリーさんの談笑中だろう。
そんな中で事済ます勇気は僕には無い。
そんな事を考えていると浩平が
ちょっと厠にと言って席を立った。
ああ、ごめんよ浩平
花子さんだけでなく、メリーさんにまで…
何も言えない僕は薄情者なんだろうか。
330: 以下、
wktk
441: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/16(土) 10:54:43.18 ID:+vysphPv0
退屈な時間を4時間こなし
やっと昼休みとなった。
メリーさんの姿は見えない。
まだ花子さんと話しているのだろうか。
とりえず昼飯を片付けようとカレーパンを齧る。
やばい、本当に最近メリーさんの事しか考えてないな。
食べ終わると、ガムを一つ噛んで匂い消し。
僕はトイレへと向かった。
446: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/16(土) 11:09:32.76 ID:+vysphPv0
トイレへと入るといつもの
バケツの上と言う指定席で
タバコを吸っている花子さん。
「メリーならいないぞ」
心を読まれたのか、いつもの含み笑いで
僕が聞く前にそう言った。
そこまで僕は単純なんだろうか。
ちょっと悔しい。
「おまえ、メリーの事好きだろ」
にやにやといじめっ子のような顔で聞いてくる。
448: 以下、
wktk
449: 以下、
このやろう!期待させやがって!WKTK!
453: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/16(土) 11:51:03.12 ID:+vysphPv0
「な!?」
思わぬ攻撃にひるむ僕。
メリーさんは確かに可愛いし
性格だって悪くない。
僕はメリーさんの事好きなんだろうか。
「…好きかどうかはわからないけど 
 メリーさんは大切だよ」
そう、だから犯人を見つけ出し。
メリーさんの果たせなかった事を
果たしてあげなければならない。
そう考えた時、当たり前の事に気がついた。
すべてが終わった時、メリーさんはいなくなる。
忘れていたわけじゃないが、あらためて考えると
僕はとても胸が苦しくなった。
454: 以下、
俺も胸が苦しくなった
570: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/16(土) 23:38:10.40 ID:+vysphPv0
最初はにやにやしていた花子さんも
僕の真剣な顔を見て
いつものしかめっ面へと戻った。
やれやれ、青臭いと花子さんはいい。
携帯灰皿へとタバコを収めた。
この場にいても花子さんにいじられるだけだ。
メリーさんを探しにいこうかと思ったが。
なんだか自分がストーカー染みている気がしたので
やめておく事にした。
僕は中途半端時間の昼休みを図書館で過ごすことにした。
577: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/16(土) 23:47:14.27 ID:+vysphPv0
図書館のドアは開いているので開館なのだろう。
中へ入り、浩平に声をかけようとしたが
何やら本を読んでいたので邪魔しちゃ悪いと
声はかけなかった。
僕も、読書でもしてみようかと
文庫本のコーナーへと足を運ぶ。
気になったタイトルを取り出し、あらすじを読んでは
戻すと言った事を繰り返すうちに
一つの本に出会った。
内容は幼馴染の女の子が幽霊が
見えるようになってしまい、少しずつ
日常から外れて行ってしまうっと言った内容だった。
580: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/16(土) 23:51:45.37 ID:+vysphPv0
幽霊、と言う単語に反応した僕は、
席についてその本を読み始めた。
なかなか面白く、時間を忘れ読みふけっていた。
清掃開始の時間が迫ったので
思い切って借りる事にした。
借りる時に浩平がお前が本を借りるとは云々言っていたが軽く流す。
借りた本を教室へ置き、清掃場所へと向かった。
581: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/16(土) 23:59:53.56 ID:+vysphPv0
トイレへ入ると、花子さんとメリーさんが談笑していた。
メリーさんがこちらを向き会釈する。
一方、花子さんはまた来やがったのかと
不機嫌そうな目で僕を見る。
僕が近づくと、待て、と花子さんが僕を静止した。
「おまえ、ここの当番になってから掃除してないだろ
 私の職場なんだ、ちったあ綺麗にしろ」
なんとなく腹が立つがが言ってる事は正しい
それが僕の役割なのだ。
僕はデッキブラシで床を擦る。
メリーさんと花子さんはまた談笑をはじめた。
僕はすっかり蚊帳の外。
ちょっと寂しかった。
608: 以下、
結局、掃除終了まで一言もしゃべらず、
掃除を黙々とこなした。
これも花子さんの策略なのだろうか。
メリーさんにまた放課後にと告げトイレを出る。
後、2時間がんばろう
そうは決めたものの、いざ授業が始まると
暇で暇でしかたがなかった。
そういえば、と図書室で借りた本を読む事にした。
この主人公は日常から外れていく幼馴染をどう助けるのだろうか
それなりにわくわくしながら
6時間目終了までずっと読みふけっていた。
718: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/17(日) 10:59:29.58 ID:TCmNTYtA0
授業が終わり、チャイムが鳴る。
みんなが帰り支度をするなか
浩平に声をかけた。
「それじゃあ僕は西区に
 浩平は東区で頼む。徒歩で大丈夫か?」
「まかされた、いざとなれば
 家の者に手伝わそう」
ありがとう、そういい残して僕は先に校門へと向かった。
駐輪所へ自転車を取りに行くと
メリーさんがすでに荷台へ腰掛けていた。
721: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/17(日) 11:10:34.23 ID:TCmNTYtA0
メリーさんは僕に気がつくと
あ、すみませんと言って
荷台からピョンっと飛び降りた。
別に乗ってていいのにと言いながら
僕は鍵を外す。
校門の所まで自転車を押して行き
そこから自転車にまたがる。
メリーさんに後ろへ乗るように言った。
メリーさんが後ろへ乗ると、存在感はあるのに
やはり重さは感じなかった。
物が持てるのにどうなっているんだろうと思ったが
今更気にしていたら、キリが無いのでスルーした。
そして僕は漕ぎ始める、行き先は西区。
100枚の貼り紙を持って。
726: 以下、
wktk
728: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/17(日) 11:23:33.18 ID:TCmNTYtA0
「今日中に200枚貼れますかね?」
メリーさんが後ろから聞いてくる。
僕はペダルを漕ぎ続けながら答える。
「僕のクラスに浩平って奴がいてね
 半分の100枚を貼ってくれることになったんだよ」
「浩平…さんですか」
そういえば、メリーさんは浩平に会った事がないのか
顔は見てるかもしれないが、
名前と顔は一致しないだろう。
僕は、浩平との思い出話を少し始める事にした。
中学からの友達で、最初はおかしな奴だと思っていたが
いつのまに仲良くなっていた。
なかなか正義感の強い人間で、何かと協力してくる。
浩平がケーキ屋を鎮圧した話をするとメリーさんはクスクスと笑った。
「おもしろい方ですね、それにいい人」
「ああ、いい奴だよ」
そんな話をしているうちに西区へ入っていた。
731: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/17(日) 11:35:59.27 ID:TCmNTYtA0
そろそろ、貼り出そうかと自転車を降りる。
バックから一枚と家から持参した
セロハンテープを取り出す。
まず、町の掲示板に張ることにした。
テープで端の4箇所を止める。
次は電信柱の卑猥な広告の上から被せるように貼った。
この1枚1枚が、犯人への手がかりであり、僕達の希望だった。
貼る事より、貼る場所を探し回る方が時間がかかった。
よかった、200枚なんてとてもじゃないが貼り切れなかっただろう。
60枚を過ぎた時点で、日が傾き始めた。
僕も疲れてきたが、隣でメリーさんが申し訳なさそうな顔をしていたので。
心配させちゃいけないと平然と振舞っていた。
751: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/17(日) 13:50:48.81 ID:TCmNTYtA0
「どうして、私の為に
 そこまでしてくれるんですか…?」
うつむいていたメリーさんは顔を上げそう言った。
余裕の顔をしていたつもりだが、疲れが顔に出ていたのだろうか
僕は手を休めず、貼り続けながら答える。
「わからない」
「わからない?」
気がつけば今もこうしてメリーさんに協力している。
手伝う事が当たり前だと思ってる僕さえいいる。
花子さんの言う通り
メリーさんの事が好きなのだろうか。
本当によくわからないのだ。
「よくわからない…けど、最後まで協力する」
僕は言い切った。
「本当に…おかしな人ですね」
後ろで言うメリーさんの声が震えいるように聞こえた。
そして最後の1枚目を貼り終えた時は
もう、辺りは真っ暗だった。
時計を確認すると8時を回っていた。
753: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/17(日) 13:57:27.54 ID:TCmNTYtA0
自転車に乗り、自宅を目指す。
荷台に乗っているメリーさんは
僕の腰に手を回していた。
二人の間に会話は無かったが
自然と気まずいと言った事は無かった。
沈黙が心地いい。
そんな空気を味わいながら気がつけば家は目の前だった。
僕はメリーさんに送っていこうかと聞いたが。
大丈夫ですと笑顔で返されたので
ここで別れる事にする。
おなじみとなった
それじゃあ、また明日のあいさつを交わし。
それぞれの家へと帰った。
754: 以下、
wktk支援
756: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/17(日) 14:16:53.85 ID:TCmNTYtA0
家の中へ入ると、台所のテーブルの上に
ラップされた夕食が用意されていた。
母親はもう寝てしまったのだろう。
どんなに疲れて帰ってきても夕食の用意は
必ずしてくれる母。
僕は心の中で感謝をし、夕食を食べる。
食器を洗い、食器棚へと戻してから
自分の部屋へ向かった。
部屋着に着替えていると携帯が鳴る。
確認すると浩平からのメールだった。
「まかされた100枚、確かに貼ったぞ\(^o^)/」
ちょっと顔文字にイラっと来たが
素直にありがとう、助かった。と返信した。
今日は正直今週で1番疲れた
風呂に入って早めに寝る事にしよう。
貼り紙でなんらかのアクションがあればいいのだが…
そう願い、11日の夜は更けて行った。
残りは10日、時間は無い。
33: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/17(日) 21:35:03.53 ID:TCmNTYtA0
翌朝、起きて台所へ向かうと朝食だけが用意されており。
母の姿はなかった。
「ああ、今日は木曜日か…」
何年も前から母は木曜日の早朝からでかけ
泊りがけで仕事をする。
金曜の夕方まで帰ってこない。
冷めた朝食を食べ、学校へ行く準備をする。
昨日の後遺症だろうか、肩少し凝っている
コリを感じながら制服に袖を通し、玄関へと向かった。
36: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/17(日) 21:42:18.65 ID:TCmNTYtA0
玄関のドアを開け、鍵を閉めて植木鉢の下へと隠す。
バス亭へ向かう途中、着信があった。
メリーさんからだ。
おそらく、後ろにいるんだろうなと一瞬振り返ろうとしたが、
前それでスネられた事があるのを思い出し。
電話に出る事にした。
「もしもし私メリーさんですが。今、あなたの後ろにいます」
相変わらず、おかしなセリフだよなと思いながら振り返ろうとしたが
ちょっと僕の心にイタズラ心が芽生えた。
「おはよう、昨日はよく眠れた?」
「え?あっはい、おかげ様で」
振り返らないと言う、メリーさんの存在意義を全否定するような行動にでる。
37: 以下、
wktk
38: 以下、
メリーさんかわいい
46: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/17(日) 21:56:25.65 ID:TCmNTYtA0
世間話で間を持たせ、僕は決して振り返らない。
僕の後でてくてくと足音が聞こえる。
バス亭に着いた所で、メリーさんの声が涙声になっていた。
「お願いですから、振り向いてください…」
これ以上やったら本当に泣いてしまいそうだったので
僕は観念して振り向いた。
そこには半べそかいているメリーさんがいた。
「いじわる…」
む。しまったやり過ぎた。
メリーさんは本格的にスネ始めた。
僕はどうにかしようとあの手この手を使い。
結局は放課後にクレープを奢る事で和解した。
イタズラはほどほどに。
そんなやりとりをしていると定刻通りにバスが来た。
54: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/17(日) 22:05:35.50 ID:TCmNTYtA0
「今日は乗ってくの?」
メリーさんにそう聞きいた。
「そうしますでも…無賃乗車じゃ…」
と、お金の心配をしていた。
どこまでも律儀な子だった。
まぁ、それがメリーさんのいい所なのだが。
バスへ乗り込むと、いつものように一番後ろの席へ。
案の定、一人で5人分の席を占領する浩平の下へ
「おはよう、昨日はありがとな」
「やぁ、いいって事よ。お前の頼みだ
 いつでも手を貸そう」
そうさわやかに言いのける浩平。
「あの…この方が浩平さん?」
メリーさんが耳元で話しかける。
当たる息がくすぐったい。
僕以外に声は聞こえないのだからヒソヒソ話の意味はないのだが。
63: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/17(日) 22:19:31.29 ID:TCmNTYtA0
うん、そうだよ。と小声で言う。
怪訝そうな顔で浩平がこちらを見ている。
突然メリーさんが言った。
「はじめまして!私メリーと申します。
 このたびは協力していただいてありがとうございました!」
深々と頭を下げる。
無論、聞こえるはずは無いのだが。
この子の律儀さときたら。
と、浩平が見えるはずの無いメリーさんの方を見ている。
「まさかとは思うが、そこに誰かいるのか?」
一瞬僕は心臓が跳ね上がり、メリーさんは頭を上げ目をパチクリさせている。
69: 以下、
浩平wwww
70: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/17(日) 22:29:28.22 ID:TCmNTYtA0
「信じてもらえないかもしれないけど…いる
 ありがとうだってさ。」
僕は包み隠さずそう言った。
「ふむ、お前がいると言うならいるのだろう」
そう言うとバス中に響き渡る声で浩平は言った。
「俺は浩平!こいつの友達ならば俺にとっても
 友達だ、何か協力する事があったら言ってくれ!」
バス乗客全員が全員浩平の方を見ている。
メリーさんはポカンとした表情をしていたが
「はい!」
と、言ってもう一度深々と頭を下げた。
浩平。こいつはいったい何者なんだろうか。
浩平がすごいのかメリーさんの熱意が伝わったのかはわからないが
僕は少し嬉しくなった。
5人用の席を3人で占領し、
いつも通りの浩平のニュースの話と
世界の車窓からの話を聞きながら学校へと向かった。
71: 以下、
浩平wwwwwwwwww
72: 以下、
浩平……浩平wwwwwwww
73: 以下、
いいやつだな浩平
74: 以下、
また世界の車窓wwww
75: 以下、
浩平に萌えた
76: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/17(日) 22:37:22.28 ID:TCmNTYtA0
バス亭に着いてからも話は続いた。
意外だったのがメリーさんが
世界の車窓からのファンだった事。
浩平の話に興味深々だった。
時折、メリーさんが合いの手を入れるが
聞こえるはずが無い。無いはずなのだが
話が噛み合っている。
どこまでも恐ろしい男浩平。
僕はまたもや蚊帳の外だったのだが。
メリーさんの楽しそうな顔を見れただけでよかった。
でも少し嫉妬。
僕も世界の車窓から見ようかな。
そんな事を考えながら学校へと歩いていった。
86: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/17(日) 22:58:06.87 ID:TCmNTYtA0
下駄箱付近でメリーさんと別れる。
まぁ、また散策か花子さんと談笑なのだろう。
浩平と教室に着いた時には遅刻寸前だった。
席に着いた瞬間、担任が入って来てSHRをはじめる。
今日のSHRいつもよりさらに短かった。出席だけとって終わり。
別にいいが。
そして1時間目が始まる。
僕は読みかけの昨日の本の続きを読むことにした。
主人公に自分の姿を重ね合わせて読み進める。
やはりなかなか面白い本だ。
気がつくと本の残りも授業時間も残りわずかだった。
93: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/17(日) 23:21:16.91 ID:TCmNTYtA0
昼休みとなり、僕は読書をやめ
恒例のカレーパンタイムへと移る。
どんなに遅く食べても5分で無くなるのが
欠点だが今日もおいしくいただいた。
トイレへ行こうかと思ったが、連日トイレへ
入り浸っていると言う噂が流れたら
友達が減りそうだ。
どうせ、掃除で行かなければならないので
後回しにする事にした。
僕は本を手に取り残り3分の1を消化する事にした。
物語もいよいよ終盤。
主人公がどう動くのかが見ものだ。
151: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/18(月) 00:11:49.22 ID:Uc1dGiiD0
掃除開始のチャイムが鳴る。
いい所なのにとしぶしぶトイレへと向かう。
この調子なら6時間目まで読めば終わるだろう。
早く続きが読みたいが読んでしまえば物語が
終わる。すこし悲しい。
トイレのドアを開くと花子さん、
今日はメリーさんもいた。
「よぉ!」
「どうも」
なんだか機嫌がよさそうだ。
「まぁ、あらかたメリーに聞いたが
 その貼り紙作戦とやらはうまく行きそうか?」
「確証は無いけど少しでもアクションがあれば
 僕はそれを見逃さない。」
おうおう、頼もしいね?と花子さんがにやにやしながら言う。
僕は馬鹿にされているんだろうか。
332: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/18(月) 20:18:07.25 ID:Uc1dGiiD0
「まぁ、気が向いたら私も手伝ってやる」
と、花子さんは言った。
なんだろう、さっきからやけに機嫌がいい。
どうかしたのだろうか。
「小学生に頼るほど困っちゃいないよ」
「20だ!」
トイレットペーパーが飛んできた。
根本的な部分はいつもの花子さんらしい。
いや、トイレットペーパーなら軽い方か
やっぱり今日の花子さんはどこか優しい。
「よくわからない…けど、最後まで協力するってか」
かはははは、と花子さんは笑う。
このせいか!なんだか無償に恥ずかしくなってきた。
と言うか、メリーさんちょっと口が軽いんじゃないのか?
メリーさんの方を見ると白々しく窓から外を眺めていた。
僕、いじられっぱなし。
338: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/18(月) 20:41:53.63 ID:Uc1dGiiD0
その後もいじられっぱなしだった。
メリーさんに助けを求めたが。
相変わらず外を見ている。
僕が恥ずかしさで死にそうになっていると
いつもの予鈴。
掃除終了のチャイムに救われた僕。
さっさと、トイレを後する事にした。
ドアを開いたとき花子さんは言った。
「協力してやるのは本当だ。
 どうしても困ったら呼べよ」
僕は手を上げるだけのジェスチャーで答えた。
放課後まで後少し
後でメリーさんに文句言ってやる。
339: 以下、
メリーさんかわいいよ(;´Д`)ハァハァ
341: 以下、
お前らハァハァすんな
347: 以下、
メリーさんに裾をギュッとしてもらいたい
348: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/18(月) 21:19:17.37 ID:Uc1dGiiD0
メリーさんをトイレは置き去りにして教室へと向かう。
授業が始まるが当然僕は本を読む。
残り少ない物語を読み進めるために。
ゆっくりと時間をかけ
僕は読み終わらせた。
その物語を。
マジかよ…と、読み終わった僕の胸には
わだかまりが残った。
結局、この本の主人公は幼馴染の女の子を救えなかった。
さらに言うと最後の一押しを押したのは主人公自信だった。
自分の姿を重ね合わせて読んでいたので、
正直精神的なダメージは大きかった。
まるでこれからを暗示しているような。
だが、この本の物語は終わったが僕は続いている。
僕はこの主人公のようにはならないと心に誓った。
371: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/18(月) 22:05:35.38 ID:Uc1dGiiD0
放課後になり、いつものように校門へ向かう。
下校していく生徒達に混ざって校門の隅にメリーさんがたっていた。
メリーさんは僕に気づき、気まずそうな顔をしている。
僕はメリーさんの下へと近づき、言った。
「話があります」
「…はい」
メリーさんはしょんぼりと素直に聞き入れた。
「とりあえず言い訳は?」
「え、えっと…そ、そう朝のお返しです!
 全然、振り向いてくれなかったじゃないですか!」
しどろもどろにメリーさんは言った。
「じゃあクレープは無しで、これでお相子って事で」
「…ごめんなさい、言い訳しません」
メリーさんの中では怒られるより
クレープが食べられない事の方が一大事らしい。
373: 以下、
ク、クレープは大切だそ!
374: 以下、
メリーさんかわゆすぎだろ…常識的に考えて…
379: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/18(月) 22:16:14.47 ID:Uc1dGiiD0
そんな素直なメリーさんを見たら可笑しくて笑ってしまった。
そんな僕をメリーさんはきょとんとした顔で見ている。
他にも下校途中の生徒がこちらを白い目で見ていたが
最近じゃもう気にしなくなった。
「まぁいいや、クレープ食べに行こう」
きょとんとした顔が笑顔に変わる。
「はい!」
そう、元気よく返事をするメリーさん。
僕達は繁華街へと歩き始めた。
貼り紙というタネは蒔いた。
だが、犯人探しはメリーさんの果たせなかった事ではない。
果たせなかった事は別にある。
今日は、初めて出会ったときに言っていた
断片的な記憶の中で出てきた場所へ行ってみる事にする。
381: 以下、
メリーさんみたいな女の子いないかなぁ
385: 以下、
メリーさんカワユス支援
387: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/18(月) 22:34:58.07 ID:Uc1dGiiD0
この位置から行けば
川、神社、クレープ屋、屋上の順番だろうか。
曖昧な所もあるが、そこはメリーさんに案内して
もらう事にしよう。
最初に川に行くことにする。
この街を流れている川は一級河川でなかなかに広い。
とりあえず、川が見えるところまでメリーさんと行って見た。
流れる川を眺めていると、メリーさんは言った。
「知ってますか?この川って結構綺麗で
 夏になれば蛍も見れるんですよ」
「へぇ、それは知らなかった。」
長年この街に住んでいるが、初めて得た情報だった。
この川周辺に蛍の光が無数に飛んでいるのを想像する。
「あのさ」
「はい?」
「いや…ごめんなんでもない」
蛍を一緒に見に行こう。そう言いかけたがやめた。
蛍が飛んでいるのを想像した時、隣にはメリーさんがいた。
叶うはずも無いのに。
389: 以下、
悲しいこというなよ
391: 以下、
全俺が泣いた
ここから先何回泣くのか想像つかん
392: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/18(月) 22:44:12.23 ID:Uc1dGiiD0
でも、願う事ぐらいしてもいいだろう?。
僕は誰となく話しかけた。
ここに手がかりは無さそうだ。
気を取り直し、次の場所へと向かう事にした。
神社、と言っても漠然としていて
この街で一番大きな神社かと思っていたが
メリーさんが言うには違うらしい。
メリーさんに案内されるがまま僕は街外れへと向かった。
そこには、細く長い階段。
その先にはさびれた境内があった。
「ここ?」
「そうです」
そう一言言ってメリーさんはずんずんと階段を上っていった。
僕も後を追う。
小さな森の中にいるような気分だった。
木々が太陽の光を遮り、薄暗かったがなぜだか不気味な感じはしない。
398: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/18(月) 22:56:45.73 ID:Uc1dGiiD0
階段を上りきると、小さな社があった。
ちゃっちいなんて思わない。
小さいが、厳かな雰囲気があった。
無神派な僕でさえ、神様がいるような気分になる。
この社に用があるのかと思ったがそうではないらしい。
少し先の木製のベンチにメリーさんは座って手招きをしている。
近づいていくとポンポンと、ベンチの空いている部分を叩く。
隣に座れとの事らしい。
とりあえず、座ってみた。
「ここは、私が思い悩んだりした時によく来てたんです。
 目を閉じると結構気持ちいいんですよ」
まぁ、そのまま寝ちゃう事が多かったんですがとメリーさんが笑う。
僕は目を閉じてみる。
辺りが静寂に包まれ、車の騒音などは一切聞こえない。
木々の葉が擦れる音だけがする。
そして、涼しい風がどこからか吹いてきて
僕の頭を透明にする。
405: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/18(月) 23:10:05.47 ID:Uc1dGiiD0
月並みだが清々しい気持ちになれた。
確かにここはいい場所だな。
僕も思い悩んだら、ここへ来よう。
目を開けると隣でメリーさんが目を閉じていた。
僕も、もう一度目を閉じる。
二人の間を駆ける風が心地よかった。
結局、ここにも手がかりは無かった。
僕達は、繁華街の中にある公園前へと向かう
次はメリーさん待望のクレープ屋だ。
このクレープ屋は移動式で街の人間なら誰でも知ってるほど有名。
僕が中1頃にできた老舗だ。
今日も女子高生達でにぎわっている。
410: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/18(月) 23:20:06.24 ID:Uc1dGiiD0
メリーさんに何味がいいか聞くと
スタンダードなストロベリー味を所望した。
僕は新発売のパイン味を食べて見る事にした。
正直、男一人でクレープ屋に並ぶのは恥ずかしかった。
クレープ屋のおっちゃんが何故かおまけして
クリームもソースも多目に付けてくれた事が
気にかかるが、まぁ得したのだからいいだろう。
どで食べようかと悩んでいたが
メリーさんの提案で、最後の屋上で食べる事にした。
クレープを持ったまま、メリーさんの学校へと向かう
この屋上とはメリーさんの学校の屋上らしい。
中からは入れないが、外の非常階段から行けば入れると言う秘密を教えてもらい。
その通りに行くと本当に屋上へ入れた。
ここで何をするのかメリーさんに聞いたが
先にクレープを食べてかららしい。
僕はメリーさんにストロベリー味を手渡し、
座って給水塔へとよりかかった。
418: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/18(月) 23:29:56.02 ID:Uc1dGiiD0
「いただきます!」
と、行儀良く食べる前の感謝を忘れない。
口にクリームをいっぱい付けてメリーさんは
クレープを食べ始めた。
正直言って行儀は悪いが、その笑顔を見たら誰が責められるだろう。
僕は普段あまり甘い物は食べないのだがこれはうまい。
角切りのパインがいい味を出していた。
ふと、気がつくとメリーさんは
はむはむと自分のクレープを食べながら
僕のクレープへと目が釘付けだった。
まぁ言いたい事はわかる。
「…ちょっと食べる?」
「いいんですか?」
待ってましたと言わんばかりに大きく1口、
クレープ全体で言うと3割を攫っていった。
もぐもぐとメリーさんは満面の笑みで
おいしいを表現していた。
437: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/18(月) 23:43:32.34 ID:Uc1dGiiD0
なんだかデートみたいだな。
そう思った途端、なんだか照れてきた。
メリーさんが齧った部分を見つめる。
なんだか変な感情が沸く前に食べきる事にした。
やはり甘い。
クレープタイムもフィナーレを向かえた
「ごちそうさまでした」
二人で声を揃え、言った。
メリーさんが名残惜しそうにごみを片付ける。
と、メリーさんが指を指し、こう言った。
「そろそろですよ」
指差す先には夕日。
あの大河に反射して、二つの太陽が沈もうとしていた。
自分の街にもこんな絶景ポイントがあったのか。
僕の好きなテレビ番組、世界の絶景100選に応募してみようかな。
いや、みんなに教えるなんてもったいない。
ちょっとした独占欲が働いた。
484: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/19(火) 00:09:45.78 ID:zyEFlBf30
「綺麗…ですよね…
 この風景を誰かに見せたかったんです」
メリーさんフェンス越しには夕日を眺めていた。
夕日に照らされたメリーさんの顔がいつもより大人びて
それでいて儚げに見えた。
これほど絵になっている風景もなかなか無いだろう。
そんなメリーさんにドキッっとする。
だけど、同時に悲しくもなった。
メリーさんからこの日常を奪った犯人を僕は許さない。
だけど、今はこの景色を目に焼き付けておこう。
もしかしたら、二度と見れないのかもしれないのだから。
やがて、2つの太陽は地平線へと消えていった。
一気に辺りは薄暗くなる。
「帰ろっか」
メリーさんは目を袖でゴシゴシと擦り
いつもの調子でこう言った。
「はい!」
517: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/19(火) 00:51:08.50 ID:zyEFlBf30
自宅の前に着く。
「ここで、お別れですね」
と、メリーさんが言ったが僕はその気はなかった。
「今日、親が帰ってこないんだ
 よかったら晩御飯一緒に食べない?
 何か作るよ」
そう、勇気を出してダメ元で言って見た。
メリーさんはしばらく考えていた。
困った顔になったり赤面したりしていたが
やがて、それじゃあと言って承諾してくれた。
植木鉢の下から鍵を取りだし、ドアを開ける。
「お、お邪魔します!」
メリーさんが高らかに言った。
いつもは無断で入って来ていたのに
何をかしこまっているのだろうか。
台所へ直行し、冷蔵庫を開けると
たいした食材は入っていなかった。
ここはアレしかないだろう。
男の料理、チャーハン。
521: 以下、
若い男女が二人きりだと?けしからん!ワシも同席しよう
524: 以下、
>>521
私も同席させていただきますよ。
522: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/19(火) 01:00:36.29 ID:zyEFlBf30
メリーさんを椅子に座らせ。
調理に取り掛かる。
まず、ご飯を皿に敷き冷凍庫に入れる。
これがポイントだ。これでご飯がパラパラになる。
親父から受け継いだ技だった。
親父曰く、チャーハンの作れない男は男では無いらしい。
それからというものチャーハンの作り方だけはマスターした。
いつものように調理する。
何百回と繰り返した事なので特に支障はない。
フライパンを振り、
パラパラとしたご飯が宙を舞った時
メリーさんが、おぉ?!と歓声を上げた。
これで完成。
付け合せのインスタントスープと
適当に盛り合わせたサラダで食卓を彩った。
525: 以下、
チャーハン食いたくなった・・・
528: 以下、
wktk
529: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/19(火) 01:06:51.50 ID:zyEFlBf30
「いただきます!」
二人で手と声を合わせる。
メリーさんがチャーハンを口に入れると
おいしい!と言って喜んでくれた。
「料理お上手なんですね」
「チャーハンだけだけどね」
ちょっと得意げに言う僕。
女の子に食べさせるのは初めてだった。
ひそかな夢が一つ叶い、素直にうれしかった。
それがメリーさんであった事がさらに嬉さを引き立てる。
楽しい食卓だった、これ以上無いくらい。
メリーさんとの思い出がまた一つ増えた。
532: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/19(火) 01:12:59.33 ID:zyEFlBf30
食べ終えた食器を洗った所で
メリーさんはそろそろ帰りますと言った。
僕は玄関に出て見送りをする。
「それじゃ、今度こそこれで、ごちそうさまでした。
 今日はいろいろと楽しかったです。」
頭を下げるメリーさん。
いつもならそれじゃあ、また明日というのだが、
僕はずっと考えていた事を
思い切って言うことにした。
「今度、蛍…見に行かない?」
メリーさんは一瞬さみしそうな顔をしたが
「ええ、かならず行きましょうね」
と、いつもの調子で言ってくれた。
「それじゃあ、また明日」
「はい、また明日」
いつものあいさつを交わし、メリーさんは帰っていった。
540: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/19(火) 01:23:07.65 ID:zyEFlBf30
僕は上機嫌で風呂へ入った。
その後も顔のニヤけが収まらなかった。
布団へ入って電気を消す。
オレンジ色の光の中
メリーさんと蛍を見に行ける日の事を願い。
僕は寝ることにした。
夢の狭間をさまよっていると
突然の水の音で現実へと引き戻された。
ザーっと言う屋根に雨が当たる音が響く。
「…雨!」
僕は飛び起きた。
しまった、貼り紙が
なんの加工もしていないただの紙なので
ほとんどが水にやられるだろう。
なんでこんな事考えられなかったのか。
ガチャリ。
と、突然玄関のドアが開く音がした。
親かと思ったが、今日は泊まり込みの仕事だ。
時計を見ると2時を過ぎている。
お客さんって時間でもないだろう。
そもそもお客さんはインターホンというものを使う。
つまりお客ではない誰か…誰だ。
733: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/19(火) 21:02:19.19 ID:zyEFlBf30
ギシギシと音を立てて「誰か」が2階へ上がってくる。
音を立てないように気をつけているようだが
この家の古さから言ってそれは不可能だ。
僕の部屋の前で足音が止まる。
そしてガチャリ…と、小さな音を立ててドアがゆっくりと開いた。
オレンジ色の光の向こう。皮手袋に覆面、手に持っている中型ナイフを持っている人間。
誰が見ても強盗、もしくはそれに順ずるものだとわかるだろう。
けれど僕は違った。こいつこそ中山 准を殺した犯人だと直感で判断した。
だが、なぜ家の場所が?。貼り紙には電話番号しか書いていない。
それになんでこうも親がいないタイミングで…。
僕はこの突然ぎる状況に混乱する。
真っ直ぐベットの方へ歩み寄る覆面。
そして、一気にナイフを布団に突き立てた。
734: 以下、
逃げてえぇええ
735: 以下、
らめぇぇぇぇええええええ
737: 以下、
急展開キタァァァァァァァァ!!
738: 以下、
いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
739: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/19(火) 21:19:18.60 ID:zyEFlBf30
ドスン!っと言う音が部屋に響いた。
驚いた事に僕を殺す事に躊躇も迷いも一切ない。
車で跳ねた中山 准を河原へ落とす奴なのだから当たり前か。
見つかれば、確実にこいつは僕を殺すだろう。
心臓が跳ね上がり。冷や汗が吹き出る。
手ごたえの無い感触に覆面があせり始めた。
僕はこいつが来る前に布団の中にタオルケットを詰めて
偽装し、別の場所へと隠れた。
だが、タオルケットを入れたのがミスだったと
今更後悔する。
元から居なかった。と言う偽装をすればよかったのに、
危険を察知し自ら別の場所へ逃げた。
と言う事を知らせてしまったのだ。
この狭い部屋、隠れられる場所は限られてくる。
状況を把握しようと少し開けていた隙間。
それに覆面が気づく。
そしてゆっくりと近づいてきた。
僕が潜んでるクローゼットへ。
740: 以下、
急展開すぐるwwww
にげてえええええええええええええええええ
742: 以下、
これは・・・・・
wktkせざるを得ない
744: 以下、
今北wktk
752: 以下、
wktk支援
753: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/19(火) 21:57:50.48 ID:zyEFlBf30
まずい、さすがにこれは。
近づいてくる覆面。
このままで開けられた瞬間殺される。
こんな所で死ぬわけにはいかない
メリーさんとの約束が残ってるんだ。
ここは一か八か賭けに出た。
目いっぱい引き付けたところで
僕はクローゼットを蹴破る。
バン!っと勢いよく開かれる扉。
「!?」
覆面がひるんだ。
そのまま勢いにまかせ突進する。
こいつを転ばせてその隙に逃げる作戦だったのだが。
その作戦は失敗に終わった。
僕の体は受け止められてしまっていた。
身長差が結果に大きく響いたのだろう。
そのまま僕の力は受け流され
ベットの上へと投げ飛ばされる。
やばい。と、思った時にはもう遅い。
覆面が迫ってくる。
とっさに僕はこう叫んだ。
「待て!取引だ!」
これがダメだったら僕は死ぬ。
758: 以下、
こ れ は 気 に な る
759: 以下、
なにこの急展開
760: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/19(火) 22:12:51.85 ID:zyEFlBf30
覆面の動きが一瞬止まる。
僕は考える暇を与えず、すぐさま続ける
「僕はあんたが犯人だって言う証拠を持っている。
 それを渡すから命は助けてくれ。
 それに二度と犯人探しなんてしない」
証拠。と言葉に反応したのか
覆面が考えるそぶりを見せる。
そしてゆっくりと首を縦に振った。
おそらく、証拠を渡した後で僕は殺されるだろう。
だが時間は稼げた。この時間で状況を整理する。
ドアは遠い。走ってもドアノブに手をかけたところで
後ろから刺されるだろう。
窓は近いが鍵がかかっていて開けている間にやられる
それにここは2階、ジャンプした所で
足をやられ動けなくなった所をグサリだ。
と、なるとこれに賭けるしかない。
覆面が顎をしゃくる。
証拠はどこだと言う意味らしい。
「証拠は…その机の鍵付の引き出しの中だ」
777: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/19(火) 22:27:22.58 ID:zyEFlBf30
覆面はこちらの方を向きながら
ゆっくりと下がっていく。
ガチャガチャと引き出しを開けようとするが
鍵がかかっている。
「鍵はそこの猫の貯金箱の中だ」
と、素直に鍵の位置を教えた。
言われた通りに鍵を取り出し
ロックを外す覆面。
表向きの中身は文房具だ。
バラバラと中身を床に投げ捨てていく。
どこだ!っと言わんばかりに強く睨まれた。
「一枚、板が敷いてあるその下だ」
僕はタイミングを見計らう。
なかなか外れない板にいらだつ覆面。
と、瞬間一気に辺りが明るくなり、
火が勢いよく燃え上がる。
僕の仕掛けたトラップが発動した。
778: 以下、
なんという伏線・・・
784: 以下、
>>778
どこに記述があったんだったか
785: 以下、
>>784
俺の記憶によると1スレ目で新世界の神ネタがあった
783: 以下、
最初は単なるネタだと思っていた…
いま>>1の才能にビクンビクンしてる
786: 以下、
39 :以下、
右手にマグカップ、脇にバスタオルを抱え
自分の部屋へ入ると
メリーさんがベットの下を覗いていた
ドアが開く音に気づいたのか慌ててメリーさんが最初に座っていた
位置へ戻り、何もなかったかのような顔でおかえりなさいと言った
「何してたの?」
「い、いや!そのっ男の子の部屋に入るのは初めてでして
 そっそのやっおぱりあ?いうものがあるのかなと思いましてっ」
声が裏返っていたり
ごにょごにょと後半は聞き取りづらかったがあまりにも必死だったので
文字通りタオルを投げてやることにした
甘いな、俺の隠し場所は鍵付きの引き出しの中だしかも一枚の板の下。
その上特殊なあけ方をしないと燃えてしまう。ベットの下など馬鹿のやることさ
789: 以下、
>>785-786
ありがたう
ネタ程度にしか見てなかったわ
790: 以下、
>>786
すげぇ……
完全に忘れてた
788: 以下、
伏線回収ktkr
876: efficus ◆3dGTQi3jXk 2007/06/20(水) 00:06:54.17 ID:/iIPo7Fs0
覆面の腕に炎が回り、声にならない悲鳴を上げる。
この隙を見逃さない。
ベットの上から
僕は渾身のドロップキックをかました。
わき腹にヒットし、壁まで吹っ飛ぶ覆面。
僕も床に叩きつけられた
ごろごろと床に転がりながら火を消そうとしている
覆面に追い討ちをかけようと、僕は起き上がったが
火が消える方が早く、逃げ出す覆面。
すかさず追いかけようとしたが
カーテンに火が引火していた。
ドタドタと階段を駆け下りる音を尻目に
僕はカーテンを引きちぎり。
窓の外へと投げる。
幸い外は雨なのですぐに消えるだろう。
窓から覆面が走って逃げていくのが見えた。
今からではもう間に合わないだろう。
間に合ったところでおそらく返り討ちだ。
はぁはぁと、乱れた息を整える。
僕はなんとか生き延びた。
メリーさん「すみません、私メリーと言う者ですが・・・」
http://world-fusigi.net/archives/9151046.html
メリーさん「すみません、私メリーと言う者ですが・・・」2←今ここ
http://world-fusigi.net/archives/9151518.html
メリーさん「すみません、私メリーと言う者ですが・・・」【完結編】
http://world-fusigi.net/archives/9151519.html
※30分後(2018年6月27日)の23:30にアップします。
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コメント
1 猫田ニャン太 :2018年06月27日 23:02 ID:oarp.85V0*
(ФωФ) メェー
お待ちかね!
昨日のつづき
メリーさんだよ。
これを読んだらテレビでサッカー観てね。
明日も不思議ネットをヨロシクね。
2 不思議な

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