【バンドリ】羽沢つぐみ「叱られたい」back

【バンドリ】羽沢つぐみ「叱られたい」


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※キャラ崩壊してます
2: 以下、
――羽沢珈琲店――
羽沢つぐみ「……叱られたい」
宇田川巴「え?」
上原ひまり「どしたの、つぐ?」
つぐみ「……え? あれ、もしかして声に出てた?」
巴「ああ、バッチリ出てたぞ。叱られたいって」
ひまり「何かあったの?」
つぐみ「う、ううん、別に何かあったって訳じゃないんだけど……」
巴「本当か? 急に叱られたいだなんて呟くとちょっと心配になるぞ」
ひまり「気になることとかあるなら話しちゃいなよ?」
つぐみ「え、えっと、それじゃあ……あのね? ちょっと恥ずかしいんだけど、その……私って一人っ子だからさ……」
巴「うん」
つぐみ「年上のお兄ちゃんとかお姉ちゃんに叱られる、っていうのに少し憧れがあるんだよね……」
ひまり「あー」
巴「うーん……?」
つぐみ「……巴ちゃんはあんまりピンと来てないみたいだね」
ひまり「巴は根っからの姉御肌だもんね?」
巴「そうだなぁ、アタシはどっちかっていうとあこを叱る側だしな」
つぐみ「…………」
ひまり「…………」
巴「ん? どうしたんだ2人とも。そんな何か言いたげな顔して」
----------------------------------------------------------------------------
3: 以下、
ひまり「いや、ねぇ……」
つぐみ「うん……」
巴「え、なんだその反応?」
ひまり「うーん、なんていうか……」
つぐみ「巴ちゃんがあこちゃんを叱ってるところ、見たことないなって思って」
ひまり「むしろいつもすんごく甘やかしてるよね。あこちゃんと話すときは声がすごく優しくなるし」
巴「いやいやそんなことはないぞ。それは外だからあんまりってだけで、悪いことをしたらキチンと叱ってやったりもするさ」
ひまり「じゃあ例えばだけどさ」
巴「ああ」
ひまり「あこちゃんが巴のドラムスティック勝手に持ち出して、ついうっかり折っちゃったらどうする?」
巴「そりゃあ……あこが理由もなしにそんなことする訳ないからな。まずはどうしてアタシの物を持ってったのか聞かないと」
ひまり「あこちゃんが何も理由を話さなかったら?」
巴「そうだな……アタシにも話せない理由ってことは、きっとすごく大事な理由なんだろう。別にスティックはまた買えばいいさ」
巴「それよりも、あれだけ「おねーちゃん、おねーちゃん」って懐いてたあこがアタシにも話せないことが出来た。それだけ大人になったんだって思うと感慨深いよな」
つぐみ「…………」
ひまり「…………」
巴「え? 2人とも、どうしてそんな呆れた顔してるんだ?」
つぐみ「ううん、何でもないよ。ただ、やっぱり巴ちゃんってあこちゃんに優しいなって」
ひまり「そりゃーあこちゃんも巴にべったりになるよ。この姉にしてこの妹あり、って感じだね」
巴「……何かおかしなこと言ったかなぁ、アタシ」
ひまり「んーん。何もおかしくないから、巴はそのままでいいと思う」
つぐみ「うん。仲良しっていいことだと思うよ」
巴「なんだかちょっと腑に落ちないけど……まぁいっか」
4: 以下、
巴「って、何の話してたんだっけか」
ひまり「えーっと、つぐが叱られたいって話?」
つぐみ「それだけだと語弊があるような……」
巴「あーそうだそうだ。アタシにはイマイチそれがピンと来ないんだよな。なんで叱られるのに憧れてるんだ?」
つぐみ「えっと……本気で叱ってくれると、私のことを心配してくれてるんだなって思えて……ちょっと嬉しくなるんだよね」
つぐみ「あ、もちろんみんなに心配されることも嬉しいよ?」
つぐみ「でも……年上の人にね、ちょっと大人っぽく叱ってもらいたいなー、なんてたまに思うっていうか、なんていうか……。分かり辛くてごめんね?」
ひまり「いやいや、分かるよつぐ!」
つぐみ「え、そ、そう?」
ひまり「うん! 私も叱られたいって思うもん、薫先輩に!」
つぐみ「……え?」
ひまり「普段はすっごく優しくて紳士的な薫先輩に、ある日校舎裏に呼び出されて……人気のないそこで、ちょっと強引に壁ドンとかされちゃってさ……」
ひまり「『こんなにも私を惑わせるなんて、イケない子猫ちゃんだ。もしかしてわざとかい? それなら、ちゃんと叱ってあげないとね……』なんて甘い声で言われたら……きゃーっ!! 叱って下さーい!! ってなるよね!」
つぐみ「…………」
巴「…………」
ひまり「……あれ? どしたの、2人とも」
巴「いや、なぁ……それは違うんじゃないか?」
つぐみ「う、うん……」
ひまり「え、え? つぐが言ってるのってこういうのじゃないの?」
つぐみ「ちょっと……違うかなぁ……」
ひまり「そっかぁ、違うのかー」
巴「そもそも薫先輩はそんなことしなさそうだしな」
ひまり「違うんだよ巴っ、やらなそうだから実際にされたらすごくキュンキュンするんだよっ! そのギャップがいいの、グッとくるの!」
巴「いや、そんな熱弁されてもアタシには生涯理解できないと思うから」
ひまり「あー、まーそうだよね。巴はする方だもんね、壁ドンとか股ドンとか床ドンとか」
巴「……いや、それもないと思うぞ」
5: 以下、
巴「ってまた話がずれたな。えーっと、つぐは大人っぽく叱ってもらいたい……だったか」
つぐみ「う、うん……」
ひまり「んー、薫先輩とかじゃないなら……誰がいいかなぁ」
巴「実際に妹か弟がいる人で考えてみるか」
つぐみ「2人とも、考えてくれるのは嬉しいけど……ちょっと恥ずかしいし、別の話しない?」
ひまり「いやいや、つぐの悩みはみんなの悩みだからね! 大丈夫、任せて!」
巴「ああ。悩みも分かってやれずに何が幼馴染だ。しっかり考えるから安心してくれ」
つぐみ「そういう言葉はもっと別の場面で欲しいかなぁ……」
ひまり「うーん、実際に姉弟、姉妹がいる人かぁ」
巴「えーと、羽丘だと……知ってる範囲じゃアタシだけか?」
ひまり「だねぇ。一人っ子か妹ばっかりだ」
巴「じゃあ花女だな。あっちだと……紗夜さん、沙綾」
ひまり「あと彩さんと千聖さんにも確かいたね」
巴「それと香澄にもいるって沙綾から聞いたことあるな。あ、あと美咲もだ」
ひまり「まぁこんなところかな。じゃあつぐ、とりあえず誰がいい?」
つぐみ「誰がいいって言われても……」
巴「候補が多いと迷っちゃうよな。んじゃ、年上って言ってたし同い年は除外しとくか。そうなると紗夜さん、千聖さん、彩さんの3人だな」
ひまり「それじゃあこの3人だとどうなるか考えてみよっか」
ひまり「あ、でも紗夜さんは……」チラ
6: 以下、
――別テーブル
氷川日菜「おねーちゃんおねーちゃん、ケーキ一口ずつ交換しよ!」
氷川紗夜「別に構わないわよ」
日菜「ありがとっ! それじゃ、あーん!」
紗夜「…………」
日菜「どしたの? ほら、あーん」
紗夜「私がいいと言ったのは一口ずつ交換よ。食べさせ合いっこは許可してないわ」
日菜「えー、いーじゃんいーじゃん! ほらほら、恥ずかしがってないであーんして、あーん!」
紗夜「やらないわよ。それと、周りの人の迷惑になるから声は抑えなさい」
7: 以下、
巴「……店内にいるし、本人に頼んでみるか?」
つぐみ「う、ううん、ウチにお客さんとして来てくれてるし、流石にそれはちょっと……」
ひまり「頼めば叱ってくれそうだけどねぇ」
巴「やたらとつぐに優しいもんな、紗夜さん」
つぐみ「でもいきなり『叱ってください』なんて言えないよ……」
巴「そっかー。じゃあとりあえず彩さんと千聖さんで考えてみるか」
ひまり「んー……名前を挙げといてなんだけど……彩さんが叱るってあんまりイメージできないね」
巴「……言われてみれば。千聖さんだとすぐに思い浮かびそうなんだけどなぁ」
ひまり「こういう時は難しいのから考えた方が後が楽かもね」
巴「だな。じゃあ彩さんがつぐを叱るとしたらどんなシチュエーションになるかな」
つぐみ(あ、本当に考えるつもりだったんだ……)
ひまり「そうだねぇ……楽しみにしてたスイーツを勝手に食べたつぐ、とか?」
つぐみ「ええ……」
巴「普通それだけで叱るか?」
ひまり「えー、私は怒るけどなぁ」
巴「そりゃひまりはな。アタシはあこにスイーツ食べられたって怒らないし、そんなに食べたいなら今度から買って帰ってやるし」
つぐみ(これが家では妹なのとお姉ちゃんなのとの違い……なのかな)
巴「……まぁいっか。とりあえず、勝手にスイーツ食べたつぐが彩さんにどう叱られるか考えてみるか」
ひまり「だね。彩さんのことだから……」
――――――――――――
8: 以下、
――丸山家 リビング――
丸山彩「ふんふんふーん♪ あー、今週も頑張ったなぁ」
彩「学校にパスパレにアルバイト……三足の草鞋は大変だよ」
彩「ふふ、だから今日は1週間頑張った自分へのご褒美をあげなくちゃ!」
彩「えーっと、昨日の番組スタッフさんから頂いた高級スイーツセットは、確か冷蔵庫の中に……あれ?」
彩「えっ……あれっ?」
彩「……ない」
彩「丁寧に『彩のスイーツ! 食べちゃダメ!』って書いといたのに……ない」
彩「お、お母さんに捨てられちゃったのかな……」
つぐみ「お姉ちゃん、どうかしたの?」
彩「うん? ああ、ううん、ちょっとね」
彩「ねぇねぇつぐ、冷蔵庫に入れといたスイーツセット知らな――あああ!!」
つぐみ「え?」
彩「それっ! 今食べてるそれ!!」
彩「それっ、私が楽しみにしてたスイーツ!!」
つぐみ「え、そうだったの?」
彩「そーだよぉ?!! どうして食べちゃったの!?」
つぐみ「だって、『食べちゃダメ』って書いてあったから……お姉ちゃんが自分に言い聞かせてると思って……」
彩「違うよぉ! なんでそんな解釈になっちゃったのさ!」
つぐみ「千聖さんがこの前、『また彩ちゃんは甘いものばかり食べて……お説教が必要みたいね』って言ってたから……そうなのかなって」
彩「うぐっ……そう言われると……」
9: 以下、
彩「う、うう……た、確かに私が悪いかなって部分もなくはないけど……でも、勝手に食べちゃダメでしょ、つぐ!」
つぐみ「うん……勘違いして食べちゃってごめんね、お姉ちゃん……」
彩「う……そうやって素直に謝られるとあんまり怒れない……」
つぐみ「その、半分くらいもう食べちゃったけど……食べる?」
彩「…………」
つぐみ「……そうだよね、食べかけなんて嫌だよね。楽しみにしてたんだもんね。勝手に食べて本当にごめんね、お姉ちゃん……」
彩「う、ううん! つぐ、ちゃんと反省してる?」
つぐみ「うん……今度からはちゃんとお姉ちゃんに確認するよ」
彩「じゃあ……今回はいいよ。その、私も悪かったかなって部分があるからさ」
彩「それにほら、確かに最近食べ過ぎだって千聖ちゃんにも釘刺されたし……半分くらいの方がちょうどいいかもしれないしね!」
つぐみ「お姉ちゃん……えへへ、ありがと」
つぐみ「あ、お詫びって言ったらなんだけど、お姉ちゃんの飲み物淹れてくるね」ガタッ
彩「うん、おねがーい」
つぐみ「えーっと、確か紅茶が……」パタパタ
彩「……はぁ、まるまる全部、食べたかったなぁ」
彩「でもまぁ……しょうがないか。つぐ、普段はそういうことしないし」
彩「私の方がお姉ちゃんだもんね。ここはしっかり我慢しなくちゃ」
つぐみ「お姉ちゃん、お待たせ。はい、紅茶だよ」
彩「ありがと、つぐ。それじゃあ私も、いただきまーす……あむ」
彩「ん?! 甘くて美味し?!」
つぐみ「このスイーツ、すっごく美味しいよね」
彩「うんうん、1週間頑張った甲斐があったよ!」
彩「えへへ?、つぐがこれを食べられたのもゲーノージンであるお姉ちゃんのおかげだぞ?」
つぐみ「そうだね。ありがと、お姉ちゃん」
彩「ふふ、分かっていればよろしいっ。あ、つぐももう少し食べる?」
つぐみ「いいの?」
彩「いいよー。ほら、あーん」
つぐみ「ありがと?。あーん……えへ、美味しい」
彩「ね?、美味しいよね?。またスタッフさんに貰えたら、今度は一緒に食べようねっ」
つぐみ「うん!」
――――――――――
―――――――
――――
……
10: 以下、
つぐみ「…………」
ひまり「うーん……」
巴「……なんか違うな」
ひまり「だね。友達みたいな姉妹になっちゃった」
巴「まぁ彩さんって親しみやすいしな。しょうがないか」
ひまり「それじゃ、気を取り直して千聖さんにいってみようか」
つぐみ「……まだやるんだ」
巴「そりゃやるさ。つぐの為だしな」
つぐみ(また目の前で変な妄想聞かされるのかな……ちょっとヤだなぁ)
巴「えーと、千聖さんの怒りそうなポイント……」
ひまり「ちょっと怖い印象あるけど、理不尽には怒らないよね」
巴「ああ。筋はきっちり通すタイプの人だろうな」
ひまり「じゃあ……心配のあまり怒っちゃうとか?」
巴「あー、ありそうだな」
ひまり「テレビで電車の乗り換えが苦手って言ってたし、そうなると……」
――――――――――――
11: 以下、
――都内 某駅――
白鷺千聖「…………」
千聖「私としたことが、つぐみとはぐれちゃうなんて……とんだ失態だわ」
千聖「電話は繋がらないし……もしかして地下鉄の乗り場に行っているのかしら……」
千聖「地下鉄……」キョロキョロ
千聖「……駄目ね。どう歩いて行けば地下鉄の改札にまでたどり着けるか全然分からないわ」
千聖「そもそも自分が今、駅のどの辺りにいるのかも分からないし……どうしてこう、大きい駅の案内図はこんなにも分かりづらいのかしら」
千聖「似たような名前の改札が多すぎるのよ。中央西口と普通の西口って何が違うのかしらね、まったく……」
千聖「……今はそんなことを愚痴ってる場合じゃないわ」
千聖「つぐみ、大丈夫かしら……悪い男に騙されてついて行ったりしてないわよね……」
千聖「あの子はとても純粋だし……ちょっと心配ね……」
千聖「…………」ソワソワ
千聖「落ち着かないわ。やっぱり頑張って地下鉄の改札まで――」
つぐみ「あ、ここにいた! おねーちゃーん!」
千聖「つぐみ! 無事だったのね!」
つぐみ「え?」
千聖「もう、急にいなくなるから心配したのよ。大丈夫? 怪我とかしてない? 変な人に絡まれなかった?」
つぐみ「う、ううん、大丈夫だよ」
12: 以下、
千聖「なら良かった。駄目よ、こういう人の多い場所で私の手を離しちゃ。電話も通じなかったし本当に心配したのよ? あなたにもしも何かあったらって思うだけでも私は悲しいんだから」
つぐみ「そ、そこまでのことかな……」
千聖「そこまでのことよ。こんな魔境みたいな場所ではぐれて連絡もつかないなんて恐ろしいわ。それに東京には怖い人がたくさんいるんだから。お姉ちゃんは芸能界でずっと生きてたからそういう人を多く見て来たわ。特に純粋なつぐみみたいな子は悪い人の標的にされやすいんだから、ちゃんと自覚を持たなきゃ駄目よ」
つぐみ「う、うん……心配かけさせちゃってごめんね、お姉ちゃん」
千聖「いいえ、反省してくれたのならそれでいいのよ。あなたが無事なら何よりだもの。さ、それじゃあ行きましょうか。今度は私の手を離しちゃ駄目よ?」
つぐみ「うん――って、ちょ、ちょっとお姉ちゃん、そっち違う! 目的地と逆方向の電車になっちゃうよ!」
千聖「あら……そうなの?」
つぐみ「そうだよ。そっちじゃなくて、こっちの方のホームに行かないと……」
千聖「……つぐみ、電車に詳しいのね」
つぐみ「詳しいっていうか当たり前のことだと思うけど……」
千聖「小さい頃は『おねーちゃん、おねーちゃん』って後ろをついてきてたあなたもこんなに立派になって……ちょっと感慨深いわ」
つぐみ「大げさだよ、お姉ちゃん」
千聖「いずれはつぐみも私の元を離れて遠くへ行っちゃうのかしらね……少し寂しいわ」
つぐみ「だ、大丈夫だよ、そんなのまだまだ先のことだから。ほら、早く行かないと電車に間に合わないよ?」
千聖「そうね。こうやって一緒にお出かけできる日も段々と少なくなってしまうものね。貴重な1日を無駄に潰すわけにはいかないわ」
千聖「それじゃあ案内を頼むわね、つぐみ」
つぐみ「うん。任せてね、お姉ちゃん」
つぐみ(……お姉ちゃん、いつもはすごくしっかりしてるのに、駅にいると本当にすぐ迷子になるんだもんなぁ)
つぐみ(駅構内で後ろを振り返ったらお姉ちゃんがいなかった時の恐怖……ちょっとでいいから分かって欲しいな……)
つぐみ「はぁ……」
千聖「……? どうかしたの、つぐみ?」
つぐみ「ううん、なんでもないよ。楽しみだね、水族館」
千聖「ええ、そうね」ニコ
――――――――――
―――――――
――――
……
13: 以下、
つぐみ「…………」
ひまり「うーん……これもなんか違うね……」
巴「いや、正直すまん。アタシの気持ちをちょっと入れすぎたと思う」
ひまり「まーでも、千聖さんって今の話みたく妹には甘々でべったりって意外にありそうだよね」
巴「今の話ってそんなにべったりしてたか? それに普段はしっかりしてるけど妹には甘々なんて人、そうそういないだろ」
つぐみ「…………」
ひまり「…………」
巴「ん? どうかしたか、2人とも?」
つぐみ「……ううん、なんでもないよ」
ひまり「案外自分のことって見えないよね」
巴「……?」
ひまり「まぁそれは置いておいて……どう、つぐ?」
つぐみ「どうって聞かれても……」
巴「どっちの感じで叱られたい?」
つぐみ「いや……どっちもそんなに叱ってないような気がするなぁ……」
ひまり「んーそっか、つぐのお気には召さなかったかぁ」
巴「じゃあ最後に紗夜さんのシチュエーションも考えて――」
日菜「やっほー!」
ひまり「きゃっ」
巴「うぉっ」
つぐみ「わっ。……あ、あれ、日菜先輩?」
14: 以下、
日菜「えっへっへー、なーんか楽しそうな話してるね」
つぐみ「話、聞いてたんですか?」
日菜「うん、ちょこちょこね。それで、次はおねーちゃんの番って感じなんでしょ?」
巴「え、ええ、そうですけど……」
ひまり「紗夜さんはどうしたんですか?」
日菜「おねーちゃんはお会計とお花摘み! それでさ、あたしも手持無沙汰だから、よかったらあたしがおねーちゃんの真似してあげよっか?」
つぐみ「えっ……日菜先輩が、ですか?」
日菜「うん! 最近おねーちゃんのモノマネにハマってるんだよね。彩ちゃんなんかすーぐ騙されちゃって、面白いんだよ?!」
ひまり「え、えーと……どうしよっか?」
巴「日菜先輩の厚意を無下にするのもなんだし……いいんじゃないか?」
日菜「じゃー決まりだね!」
日菜「それで、つぐちゃんは叱ってもらいたいんだよね?」
つぐみ「え、えーと、はい。なんていうか、ここまでかなり話が脱線してるような気がしてますけど……一応……?」
日菜「ん、オッケー! じゃあ『あの頃』のおねーちゃんのモノマネしてあげるね!」
つぐみ「は、はぁ……」
ひまり「『あの頃』ってなんだろ? 巴、何か知ってる?」
巴「いや……知らないなぁ」
日菜「それじゃあいくよー」
15: 以下、
日菜「ゴホン。……つぐみ」
つぐみ「っ!?」ビク
ひまり「えっ」
巴「……すっげー冷たい声……」
日菜「つぐみ、聞こえなかったかしら」
つぐみ「は、はいっ……な、なんでしょうか……」
日菜「あなた……また私の真似をしてバンドを始めたそうね」
つぐみ「え、えっと……」
日菜「口答えは結構よ。……まったく、どうしていつもあなたは私の真似ばかりするのかしらね。自分から何かを始めようと思ったことはないの?」
つぐみ「え……その……ご、ごめんなさい……」
日菜「……謝るくらいなら最初からやらないで頂戴。どうしてあなたのせいで私がこんな気持ちにならないといけないのよ……」
つぐみ「あっ……あの、お姉、ちゃん……?」
日菜「なに?」ギロ
つぐみ「えと……ごめんなさい、何でもないです……」
日菜「はぁ……用もないのに呼ばないでくれるかしら」
巴「うわ、ガチで機嫌悪そうなため息……」
ひまり「怖っ、日菜先輩、超怖いっ……」
日菜「……あなたが何をやろうとあなたの勝手よ。ただ、今日みたいに部屋にまで入ってきて、私の邪魔するのだけはやめて」
つぐみ「…………」
日菜「返事も出来ないの? それとも、私のことを邪魔したいからバンドを始めたの、あなたは?」
つぐみ「い、いえ……違います……ごめんなさい……」
日菜「もういいわよ。私からの話はそれだけだから、分かったなら早く部屋から出て行っ――てえぇぇ」グイ
紗夜「……日菜、何をしているの」
ひまり「さ、紗夜さん……」
巴「首根っこ掴まれる人、初めて生で見たな……」
16: 以下、
日菜「あ、おねーちゃん! お会計終わったの?」
紗夜「ええ。それより、あなたは一体何をしていたの?」
日菜「え? 『あの頃』のおねーちゃんのモノマネ?」
紗夜「やめなさい。他は百歩譲るけど、それだけは外でやるのは絶対にやめなさい」
日菜「え?? だってつぐちゃんが叱ってくれーって言うから?」
紗夜「他人のせいにしないの。……つぐみさん」
つぐみ「っ、はい……っ」
紗夜「……すみません、日菜がご迷惑をおかけしました」
つぐみ「い、い、いえ、別に、全然、大丈夫ですっ……」
紗夜「巴さん」
巴「は、はいっ」
紗夜「上原さん」
ひまり「ひゃ、ひゃいっ」
紗夜「……出来れば、今の日菜のモノマネは忘れてください。その、昔の話なので……」
ひまり「だ、大丈夫です、すぐ忘れます!」
巴「え、ええ! ですからどうぞ気にしないでください!」
紗夜「気を遣わせてしまってすみません。それでは、私たちはこれで失礼します」
日菜「つぐちゃん、ひまりちゃん、巴ちゃん、またね?!」
つぐみ「…………」
ひまり「…………」
巴「…………」
17: 以下、
ひまり「……行っちゃったね」
巴「……ああ」
ひまり「……怖かったね、日菜先輩」
巴「……ああ、怖かったな」
ひまり「昔の紗夜さんって……あんな風だったのかな……」
巴「詮索するのは止めとこうぜ……何が出てくるか分からないし……」
ひまり「……そうだね」
つぐみ「…………」
巴「って、放心してるけど大丈夫か、つぐ」
ひまり「その……ごめんね? 私と巴のせいで怖い目に遭わせちゃって……」
巴「ああ、ホントに悪かったよ。まさかあんな大物が出てくるなんて思わなかったからさ……」
つぐみ「う、ううん、大丈夫だよ、2人とも」
ひまり「そ、そう? でもちょっと顔も赤いし……」
巴「もし夢とかに出て眠れなくなったら遠慮なく電話してくれよ……?」
つぐみ「夢……夢でまた叱られる……」
つぐみ「……そっかぁ……えへへ……」
ひまり「え、本当に大丈夫?」
巴「なんか上の空っていうか、変な表情になってるぞ?」
つぐみ「大丈夫、大丈夫だよ」
巴「……ホントか?」
ひまり「無理してないよね?」
つぐみ「ううん、平気だよ。なんていうかね、ちょっと言葉にしづらいんだけど……」
ひまり「うん……?」
巴「おお……?」
つぐみ「紗夜さんにああいう風にされるの……ちょっといいかもって思ったから」
ひまり&巴「……え゛っ!?」
それから後、紗夜さんの前で失態を演じては何かを期待するような瞳になるつぐみさんが散見されるようになって、ひーちゃんとトモちんが妙な罪悪感に苛まれるのはまた別の話。
おわれ
18: 以下、
つぐみさんごめんなさい。つぐみさんが好きな方もごめんなさい。
出来心だったんです。頑張って書いた真面目な話が上手くまとまらなくてむしゃくしゃしていただけなんです。
こんな自分をかのちゃん先輩に叱ってもらいたい気持ちです本当にすいませんでした。
HTML化依頼出してきます
19: 以下、
ワイはすこ。また書いてくれ
おつ
20: 以下、
最近バンドリss増えてきて嬉しい
元スレ
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紅莉栖「とある助手の1日ヽ(*゚д゚)ノ 」全編AAで構成。か、可愛い……
岡部「まゆりいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」SUGEEEEEEEEEEEEEEEEE!!
遊星「またD-ホイールでオナニーしてしまった」……サティスファクション!!
遊星「どんなカードにも使い方はあるんだ」龍亞「本当に?」パワーカードだけがデュエルじゃないさ
ヲタ「初音ミクを嫁にしてみた」ただでさえ天使のミクが感情という翼を
アカギ「ククク・・・残念、きあいパンチだ」小僧・・・!
クラウド「……臭かったんだ」ライトニングさんのことかああああ!!
ハーマイオニー「大理石で柔道はマジやばい」ビターンビターン!wwwww
僧侶「ひのきのぼう……?」話題作
勇者「旅の間の性欲処理ってどうしたらいいんだろ……」いつまでも 使える 読めるSS
肛門「あの子だけずるい・・・・・・・・・・」まさにVIPの天才って感じだった
男「男同士の語らいでもしようじゃないか」女「何故私とするのだ」壁ドンが木霊するSS
ゾンビ「おおおおお・・・お?あれ?アレ?人間いなくね?」読み返したくなるほどの良作
犬「やべえwwwwwwなにあいつwwww」ライオン「……」面白いしかっこいいし可愛いし!
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