市原仁奈「マンモスの気持ちになるでごぜーます!」back ▼
市原仁奈「マンモスの気持ちになるでごぜーます!」
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仁奈「ぱおーんっ♪」
ちひろ「あら、仁奈ちゃんご機嫌ね」
仁奈「はいでごぜーます!」
ちひろ「読んでるのは……超人大全集?」
仁奈「ちひろおねーさん! 仁奈は、このちょーじんが好きですよ!」
ちひろ「この超人って……マンモスマン?」
仁奈「はいっ♪」
ちひろ「……」
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2: 以下、
ちひろ「……ダメよ、仁奈ちゃん」
仁奈「えっ? どうしてでごぜーますか?」
ちひろ「マンモスマンはね、とーっても悪い超人なの」
仁奈「でも、キグルミを着てるでごぜーますよ?」
ちひろ「マンモスマンはね、今は、超人刑務所に捕まってるの」
ちひろ「刑務所っていうのは、悪い人が入る所っていうのは知ってるよね?」
仁奈「おー、確かに、その通りです!」
仁奈「……そっかー、マンモスマンは悪い奴なのかー」
https://www.youtube.com/watch?v=UTSEe0NiWSs
3: 以下、
・ ・ ・
看守「……」
カツ…カツ…
マンモスマン「――いよう、看守さん」
看守「!? ま、マンモスマン……!?」
看守「お前が声をかけてくるなんて、珍しい……」
マンモスマン「なあに、そういう日もあるって事よ」
看守「……?」
マンモスマン「ふはは……そう怖がる事は無いだろう」
マンモスマン「今のオレは、檻の中なんだからな」
看守「……ああ、そうだな」
4: 以下、
マンモスマン「アンタは、他の看守とは違ったからな」
マンモスマン「このオレを囚人としてでなく、超人として扱っていた」
看守「それは……当然だろう」
マンモスマン「ほう?」
看守「お前と、ロビンマスクの熱いファイト!」
看守「あんなものを見せられて、熱くならない男はいない!」
看守「……私は、あの時会場で、あのファイトを見ていたんだ」
マンモスマン「……はっはっは! そうか、そういう理由だったか!」
看守「しかし……何故、今そんな話を?」
マンモスマン「少しばかり気になったからに過ぎん」
マンモスマン「オレの中で、そいつだけがひっかかっていただけの話よ」
看守「……?」
5: 以下、
・ ・ ・
「大変だ――ッ!! 囚人が脱走したぞ――ッ!!」
看守「何っ!? 脱走だって!?」
看守「一体誰が――」
・ ・ ・
マンモスマン『オレの中で、そいつだけがひっかかっていただけの話よ』
・ ・ ・
看守「! まさか――」
「牢屋の壁を、ぶち破って逃げたようだ!」
「なんてパワーだ……!」
「そんな事を言ってる場合か! 追えっ! なんとしても探し出すんだ!」
看守「――マンモスマン……!」
6: 以下、
・ ・ ・
キン肉マン「何ーっ!? マンモスマンが脱走しただって!?」
ミート「そうなんです! 超人刑務所の牢を破って……!」
キン肉マン「妙におとなしいと思っていたら……!」
キン肉マン「こうしちゃおれん! 今すぐ私が――」
ロビンマスク「――待て、キン肉マン」
ウォーズマン「ああ、お前が焦る必要はないぜ」
キン肉マン「ロビン……? それに、ウォーズマンまで!」
ロビンマスク「キン肉マンよ。キン肉星の大王のお前が、そんな事でどうする」
ウォーズマン「その通りだぜ。脱走犯に構ってる場合じゃないだろう」
キン肉マン「しかし……!」
ロビンマスク「マンモスマンは、私達が追う」
ウォーズマン「アイツには、オレも借りがあるからな!」
キン肉マン「おおっ! 二人が行ってくれるなら、こんなに頼もしい事は無い!」
キン肉マン「――任せたぜ、二人とも!」
ロビンマスク・ウォーズマン「ああ! 任されたぜ、キン肉マン!」
7: 以下、
・ ・ ・
仁奈「……今日は、お仕事は無いでごぜーます」
仁奈「事務所に行っても、誰も居ないし……」
仁奈「……お家に帰っても……」
仁奈「……」
「……ぐはぁっ!」
仁奈「? 今の声は、なんでごぜーますか?」
仁奈「公園の方から……とっても、くるしそうな声が……」
仁奈「……」
仁奈「行って、確かめてみよー!」
8: 以下、
・ ・ ・
マンモスマン「……ぐううっ……!」
マンモスマン「さすがは、超人を収監しておくための、超人刑務所……!」
マンモスマン「ただでは逃さんと言う訳か……!」
マンモスマン「……ハァ……ハァ……!」
マンモスマン(腹に負った傷が癒えるまで……此処は動けん)
マンモスマン(もし、誰かに見つかったら、その時は……!)
「そこに、誰か居るでごぜーますか?」
マンモスマン「!」
マンモスマン「ノーズ・フェンシング――ッ!」
ヒュッ――
仁奈「ひっ!?」
マンモスマン「ちいっ!」
――ピタァッ!
マンモスマン「……ただのガキか」
仁奈「……ぞ、ゾウさん……?」
9: 以下、
マンモスマン「……まさか、こんなガキに見つかるとは」
マンモスマン「このオレ様も、運が尽きちまったようだぜ!」
マンモスマン「……うぐぅっ!」ズキッ!
仁奈「もしかして……マンモスマンでごぜーますか?」
マンモスマン「……ほう、このオレを知っているのか」
仁奈「はいっ! とーっても悪い超人でごぜーます!」
マンモスマン「……ふははははっ! その通りよ!」
マンモスマン「だったらどうするつもりだ、ガキ!」
仁奈「ここで、待っててくだせー!」
たたたたっ…!
マンモスマン「……」
マンモスマン「……ふはは、脱走してすぐ捕まるとは、な」
10: 以下、
・ ・ ・
仁奈「――待ちやがりましたか?」
マンモスマン「? おい、ガキ」
仁奈「もー! 仁奈は、ガキじゃなくて、仁奈でごぜーますよ!」
マンモスマン「そんな事はどうだって良い」
マンモスマン「どうして、一人で戻ってきやがった」
マンモスマン「それに、その手に持ってる袋は何だ」
仁奈「これは、オニギリと、パンです!」
マンモスマン「……何?」
仁奈「……仁奈は、マンモスのキグルミを持ってね―ので」
仁奈「だから、オニギリか、パンか、どっちか決められなかったです……」
マンモスマン「……」
11: 以下、
仁奈「オニギリは、ツナと、オカカと……あと、シャケ!」
仁奈「パンは、タマゴと、ハムと?」
マンモスマン「そんな事を聞いてるんじゃねえ!」
仁奈「ご、ごめんなさい……どっちも嫌でごぜーましたか?」
マンモスマン「お前、どうして誰にも知らせなかった?」
マンモスマン「このオレを悪行超人と知っているのに、何故だ」
仁奈「えと……仁奈は……仁奈は、むずかしいことは、よくわからねーです」
仁奈「マンモスのキグルミもないから……」
仁奈「だから、頑張って、頑張って、いーっぱい考えました」
マンモスマン「……」
仁奈「だけど……その前に、お腹をおさえてたから……」
仁奈「お腹が空いてやがるのかなー、って思ったでごぜーます……」
マンモスマン「……」
12: 以下、
マンモスマン「……ふん、おかしなガキだ」
仁奈「でも……だけど、オニギリでも、パンでもなかったんですね」
仁奈「あとは、えーっと、えーっと……!」
仁奈「――あっ! アメ! アメが、ありやがりました!」
仁奈「これなら……どう?」
マンモスマン「……」
仁奈「……」
マンモスマン「……」
マンモスマン「――ちっ! そいつをよこしな、ガキ」
仁奈「! はいっ! どーぞっ♪」
マンモスマン「……」
仁奈「ふおお……! マンモスマンの手は、大きいでごぜーますなぁ!」
マンモスマン「……」
仁奈「美味しいですか?」
マンモスマン「……ふん! まあまあだな」
仁奈「えへへっ♪ 良かったでごぜーます!」
マンモスマン「……」
13: 以下、
・ ・ ・
ロビンマスク「あれから一週間……奴の足取りは、この公園で途絶えている」
ウォーズマン「オレのコンピューターの計算によると……そう、遠くへは行っていないはず」
ロビンマスク「この血の痕から察するに、かなりの深手だ」
ウォーズマン「それなのに見つからないのは……」
ロビンマスク「誰か、協力者が居るか……」
ウォーズマン「……もしくは、脅して協力させている、か」
ロビンマスク・ウォーズマン「……」
ロビンマスク「……考えていても始まらない」
ウォーズマン「ああ! 今は、一刻も早くマンモスマンを捕まえなくては!」
ロビンマスク「借りがあるとは言え、熱くなりすぎるなよ、ウォーズマン」
ウォーズマン「わかっているさ」
ウォーズマン「だが……首を洗って待っていろよ、マンモスマン!」
ロビンマスク「ふっ……マンモスマンはついていないな」
ロビンマスク「ウォーズマンの心に、火を灯してしまったのだから!」
14: 以下、
・ ・ ・
仁奈「パオー♪ パオーパパオー♪」
ちひろ「ねえ、仁奈ちゃん」
仁奈「? なんでごぜーますか、ちひろおねーさん」
ちひろ「何か……内緒にしてる事、無い?」
仁奈「はいっ、あり……な、ないでごぜーます!」
ちひろ「仁奈ちゃん」
仁奈「……」
ちひろ「学校からね、最近来てないって連絡があったの」
仁奈「そ……それは……」
ちひろ「それに、事務所に来る時も泥んこで……」
仁奈「……」
ちひろ「お願い、仁奈ちゃん」
ちひろ「危ない事に巻き込まれてるんじゃないかと、心配に――」
仁奈「危なくなんてねーでごぜーますっ!」
ちひろ「に、仁奈ちゃん……?」
15: 以下、
仁奈「全然! 危なくなんてない!」
ちひろ「お、落ち着いて、仁奈ちゃん!」
仁奈「仁奈は、仁奈って呼ばれなくても、ガキって呼ばれても良いでごぜーます!」
仁奈「キグルミを着てる人に、悪い人はいやがりません!」
仁奈「なのに、なんで……なんで危ないなんて……」
仁奈「悪いちょーじんだなんて、言うでごぜーますか!?」
ちひろ「悪い超人……?」
ちひろ「! まさか、最近ずっとニュースでやってる、脱走したっていう――」
仁奈「マンモスマンは、良いちょーじんでやがります!」
ちひろ「マンモスマンに!?」
ちひろ「ダメよ、仁奈ちゃん! マンモスマンは、危険な超人なのよ!」
仁奈「そんな事ない!」
仁奈「皆……皆、嘘つきだっ!」
ちひろ「あっ、待って仁奈ちゃん! 仁奈ちゃん!」
16: 以下、
・ ・ ・
ちひろ「……はぁ……はぁ……!」
ちひろ「こんな事なら、普段から運動しておくんだった……!」
ドンッ!
ちひろ「きゃあっ!?」
ロビンマスク「――おっと、こんな所で走ると危ないぜ、お嬢さん」
ウォーズマン「そんなに慌てて、一体どうしたんだ?」
ちひろ「ろ、ロビンマスクに、ウォーズマン!」
ちひろ「大変……大変なんですっ!」
ロビンマスク「これは……ただ事じゃなさそうだ」
ウォーズマン「良ければ、オレ達に話してみてくれ」
ちひろ「仁奈ちゃんが……」
ちひろ「仁奈ちゃんが……マンモスマンにっ!」
ロビンマスク・ウォーズマン「!!」
17: 以下、
CMタイミングなので休憩
18: 以下、
・ ・ ・
森の中
仁奈「――マンモスマンっ! マンモスマーンっ!」
…ガサガサッ
マンモスマン「――うるせえガキだ」
マンモスマン「隠れ場所を教えたとは言え、毎日来ちゃあ――」
仁奈「マンモスマンっ!」
ぎゅっ!
マンモスマン「おっ、おい!?」
仁奈「んー! んー!」
ぐりぐりっ!
マンモスマン「何をしやがる。さっさと離れろ!」
仁奈「嫌でごぜーます! だって、危なくない!」
仁奈「マンモスマンは、良いちょーじんだもん!」
マンモスマン「……」
19: 以下、
仁奈「……マンモスマンは、言葉が乱暴でごぜーます」
仁奈「でも……仁奈が来たら、絶対出てきてくれやがります」
仁奈「ちゃんとお話してくれて、相手をしてくれるでごぜーます」
仁奈「とってもでっかくて、とってもあったけー……」
仁奈「マンモスのキグルミを着た、良いちょーじんでごぜーますよ……!」
マンモスマン「お前……」
仁奈「なのに、皆はマンモスマンを悪く言う……」
仁奈「だから……悪いのは、マンモスマンじゃなくて皆!」
仁奈「皆が嘘をついて、マンモスマンをいじめてやがります!」
マンモスマン「……」
ロビンマスク・ウォーズマン「――そこまでだ、マンモスマンっ!」
マンモスマン「! ロビンマスクに、ウォーズマン……!」
20: 以下、
ちひろ「仁奈ちゃん! 早く、こっちに!」
仁奈「嫌でごぜーます! マンモスマンは、悪くないもん!」
仁奈「マンモスマンは、良いちょーじんでごぜーます!」
マンモスマン「……」
ウォーズマン「おのれ、マンモスマン! いたいけな少女を騙すとは!」
ロビンマスク「マンモスマン! その子から離れろ!」
仁奈「マンモスマン! 仁奈は、マンモスマンから離れねーです!」
仁奈「だから、ぎゅっとしててくだせー!」
仁奈「仁奈は、マンモスマンの味方でごぜーますよ!」
マンモスマン「……」
マンモスマン「――ふははははっ! こうなったら遊びは終わりよ!」
マンモスマン「ガキぃ! お前はもう用済みだぁーっ!」
仁奈「ま……マンモスマン?」
21: 以下、
仁奈「用済みって……えっ……?」
マンモスマン「まさか、このオレがガキの相手を本気出すると思ったかーっ!」
マンモスマン「全ては演技! お前を騙すための作戦よーっ!」
マンモスマン「だがっ! 奴らに見つかった今、お前に用はないっ!」
仁奈「嘘……嘘でごぜーますっ!」
マンモスマン「お前にオレの何がわかる!」
マンモスマン「このオレは、悪行超人――マンモスマン様よ――ッ!」
マンモスマン「パワフル・ノーズ!」
グワアッ!
仁奈「お、お鼻が……!?」
ちひろ「キャアア――ッ!? 仁奈ちゃん! 仁奈ちゃ――ん!」
ロビンマスク「やめろ、マンモスマン! その子を離すんだ!」
ウォーズマン「マンモスマン……! お前は、やはり最低の野郎だ――ッ!」
マンモスマン「ふはははははっ! 今更何を言っている!」
22: 以下、
マンモスマン「コイツを離せと言ったな、ロビンマスク!」
仁奈「降ろして……降ろしてくだせー、マンモスマンっ!」
マンモスマン「……――あばよ」ボソッ
仁奈「えっ――?」
マンモスマン「そうらっ! 受け取れッ!」
ポイッ――!
仁奈「う……わあっ!?」
ロビンマスク「! いかん! とあっ!」
ヒュンッ――パシッ!
ロビンマスク「……怪我はないかい、お嬢ちゃん」
仁奈「は……はいでごぜーます」
ロビンマスク「……」
…スタッ!
マンモスマン「はっはっは! ナイスキャッチだ、ロビンマスク!」
23: 以下、
ちひろ「仁奈ちゃん……!」
ぎゅっ!
仁奈「ち、ちひろおねーさん……?」
ちひろ「もう……もう! 心配したんだから……!」グスッ
仁奈「ちひろおねーさん……」
マンモスマン「……」
ウォーズマン「マンモスマンよ! オレは、お前を許さんッ!」
ウォーズマン「今ここで、オレが引導を渡してやる!」
マンモスマン「……ほう? お前如きが、オレを倒せると?」
ウォーズマン「抜かせ! オレが、あの時のままだと思ったら大間違いだぜ!」
ウォーズマン「受けた借りはきっちり返させて貰う!」
ロビンマスク「……――待て、ウォーズマン」
ウォーズマン「ロビンマスク、どうして止めるんだ!?」
24: 以下、
ロビンマスク「今此処で戦っては、彼女達に被害が及ぶかもしれん」
ロビンマスク「それに……マンモスマンは、一度真剣勝負をした相手だ」
ウォーズマン「だが……!」
ロビンマスク「だからこそッ!」
ロビンマスク「マンモスマン! 今のお前は、許してはおけないッ!」
マンモスマン「面白い……ならば、二人まとめてかかってこい!」
ロビンマスク「……焦るな。お前の相手は、リングの上でしてやる」
マンモスマン「ほう……!」
ロビンマスク「これも運命、か」
ロビンマスク「マンモスマン! この子の所属する事務所――」
ロビンマスク「――346プロダクションが、お前を裁く場所だッ!」
ロビンマスク「まさか……逃げるとは言うまいな」
マンモスマン「……良いだろう! その話、乗ってやる!」
マンモスマン「だが……返り討ちにしてやるぜ――ッ!」
25: 以下、
・ ・ ・
ロビンマスク・ウォーズマン「……」
ロビンマスク「!」
ウォーズマン「……来やがったか」
マンモスマン「さあて、どっちを先に血祭りにあげてやろうか!」
マンモスマン「ふははははっ!」
ロビンマスク「……まずは、リングの用意をしよう」
ゴゴゴゴゴゴゴッ…!
ロビンマスク「346プロダクションは、芸能プロダクションとして存在していたのではない!」
ロビンマスク「遥か古来より、罪を犯した超人を――裁く方法を決める場!」
ロビンマスク「その本来の名は――Missing law(ミッシング・ロウ)プロダクション!」
ロビンマスク「あの屋上に現れたリングが、お前を裁く場だーっ!」
マンモスマン「……面白い! やれるものなら、やってみろーっ!」
26: 以下、
お昼寝
28: 以下、
・ ・ ・
吉貝「さあて! 遂に始まります、裁きの超人デスマッチ!」
中野「この試合を見るためなら、女房を質に入れても惜しくありまへんで?!」
吉貝「実況は私、吉貝と」
中野「解説は、おまたせシマウマ?! 世界に羽ばたくアデランスの中野さんです?!」
吉貝「――で、お送りします!」
ロビンマスク「……!」
ウォーズマン「コー……ホー……!」
マンモスマン「……」
ロビンマスク「マンモスマンよ、二対一だが、異論はあるまい?」
ウォーズマン「これは、古来より超人界に伝わる審判の方法……!」
マンモスマン「罪を犯した超人は、二人の超人を同時に相手せねばならない……」
マンモスマン「だが、間違いを犯していないのなら、勝利の女神は微笑む……!」
マンモスマン「ふははははっ! なんとも残虐な方法を思いつく女神よ!」
29: 以下、
ロビンマスク「本当ならば、一対一の真剣勝負をしたかった」
ロビンマスク「しかしッ! 今のお前にそんな価値は無いッ!」
ウォーズマン「この裁きから逃れた超人は一人も居ないッ!」
ウォーズマン「お前は、オレ達が地獄に送ってやるぜ――ッ!」
マンモスマン「抜かせ、正義超人の甘ちゃんどもが――ッ!」
マンモスマン「このオレは、もう誰の指図も受けんッ!」
マンモスマン「お前達を倒し、自由を掴み取ってみせるぜ!」
マンモスマン「パオオォォ――ンッ!」
カ――ンッ!
吉貝「今、裁きの始まるを告げるゴングが鳴った――っ!」
30: 以下、
ウォーズマン「まずはオレからだ、マンモスマン!」
ウォーズマン「ベアークロー!」
シャキンッ!
吉貝「ウォーズマン、その代名詞でもあるベアークローで先制攻撃だーっ!」
ウォーズマン「コー……ホー……!」
マンモスマン「ふん! ぬるいぬるい!」
マンモスマン「そんな攻撃、ハエが止まっちまうぜーっ!」
スッ、スッ…!
吉貝「しかし、マンモスマン! ウォーズマンの猛攻を華麗に避けるーっ!」
中野「マンモスマンは、パワーと知性だけでなく、テクニックもありますからねぇ」
ウォーズマン「! 今だっ、ソリャアア――ッ!」
ドカアッ!
マンモスマン「うぐうぅ!? 何ぃっ!?」
吉貝「ああ――っと! ウォーズマン、強烈なソバット――っ!」
中野「ベアークローは囮だったようですね」
中野「エッチな本のもっと奥に、もっとエッチな本を隠すのと同じでおま」
31: 以下、
マンモスマン「ぐ……おおっ……!」ズキッ!
マンモスマン「くっ……腹の傷が開きやがったか……!」
ウォーズマン「マンモスマン! お前に受けた屈辱、返させて貰う!」
ウォーズマン「二刀流、ベアークロー!」
吉貝「ウォーズマン、ベアークローの二刀流だーっ!」
ウォーズマン「とあっ!」
ヒュッ――!
吉貝「そのまま、高く! 高く飛び上がるーっ!」
ウォーズマン「二刀流! スクリュー・ドライバ――ッ!!」
ギュオオオオオッ!
吉貝「そのまま高で回転! 光の矢となって、マンモスマンへ目掛けて飛んでいく――ッ!」
32: 以下、
マンモスマン「そうはさせん!」
マンモスマン「ビッグ・タスク!」
ギュワアアッ!
吉貝「それに対しマンモスマン、巨大な牙、ビッグ・タスクを伸ばしたーっ!」
中野「二つが激突すると、すごいことになるでしょうねぇ」
中野「テレビの前の皆さん、サングラスのご用意を」スチャッ
ウォーズマン「ソリャアアア――ッ!」
マンモスマン「うおおおおお――ッ!」
ガリガリガリガリガリガリガリッ!
吉貝「相手を貫こうとするスクリュー・ドライバー!」
吉貝「それを挟み込み、突き刺そうとするビッグ・タスク!」
吉貝「勝つのはどっちだ――ッ!」
33: 以下、
ウォーズマン「う……お……おおおッ……!」
マンモスマン「……考えが甘かったな、ウォーズマン!」
ガリガリガリガリガリガリッ!
ウォーズマン「まだ……まだァッ!」
マンモスマン「二刀流スクリュー・ドライバーだろうと、所詮は1200万パワー……」
ガリガリガリガリッ…
マンモスマン「このオレの敵ではないわッ!」
ウォーズマン「っ!」
ピタァッ!
吉貝「ああ――っと! 止まった! 止まりました!」
吉貝「ビッグ・タスクの前に、ウォーズマンの回転が止まってしまった――ッ!」
マンモスマン「パワフル・ノーズ! パオーン!」
ウォーズマン「うおおおっ!?」
ヒュウンッ!
吉貝「マンモスマン! そのままウォーズマンをパワフル・ノーズで宙へ放り投げる――ッ!」
34: 以下、
マンモスマン「ウォーズマン、お前の理論をオレも使わせて貰おうか!」
マンモスマン「このオレが普通にビッグ・タスクを使えば、7800万パワー!」
マンモスマン「だが、落下エネルギーが加わる事により、その倍!」
マンモスマン「神をも超える、1億5600万パワー、ビッグ・タスクよ――ッ!!」
ギュワアアッ!
吉貝「こ、これはっ! ビッグ・タスクが宙のウォーズマンに狙いを定めているっ!」
吉貝「ウォーズマン、このまま串刺しになってしまうのか――ッ!」
ウォーズマン「うおおおおっ!?」
マンモスマン「まずはお前だ、ウォーズマン!」
ロビンマスク「そうはさせんッ!」
ロビンマスク「トアア――ッ!」
ドカアッ!
マンモスマン「うぐおおぁっ!? 何ぃっ!?」
バタンッ!
吉貝「ロビンマスク、ここでカットに入る! マンモスマン、意表を突かれダウーンッ!」
35: 以下、
ロビンマスク「悪く思うな、マンモスマン!」
ロビンマスク「言ったはずだぞ、油断は禁物だとな!」
マンモスマン「う……おおっ……!」ヨロヨロッ
吉貝「マンモスマン、予想外のダメージに立てないッ!」
中野「思わぬ所からの攻撃は、びっくりする程効きますからねぇ」
ウォーズマン「助かったぜ、ロビンマスク!」
ロビンマスク「そのまま体勢を立て直せ! そして――」
ウォーズマン「ああ! アンタの言いたいことはわかっている!」
ウォーズマン「倒れて腹がガラ空きのマンモスマンへ向けて――」
ギュオオオオオッ!
吉貝「ああ――っと! ウォーズマン、これはまさか――っ!」
ウォーズマン「お前が放り投げた落下エネルギー、利用させて貰うッ!」
ウォーズマン「垂直落下式! 二刀流! スクリュー・ドライバァァ――ッ!!」
ガリガリガリガリガリガリッ!
マンモスマン「ウギャアアアア――ッ!!」
吉貝「マンモスマン悶絶――っ! 二刀流スクリュー・ドライバーの直撃だ――っ!!」
中野「は??っ! あれは痛そうですね、ああ、見てるだけで痛い!」
36: 以下、
・ ・ ・
仁奈「急いで! 急いでくだせー!」
衣装部「う?ん、どこにしまったかなぁ」
仁奈「アレがあれば、仁奈は……仁奈は……!」
『ウギャアアアア――ッ!!』
仁奈「っ!?」
衣装部「ひええっ、おっかない! 今の叫び声は、マンモスマンか」
衣装部「悪行超人なんてやっつけてくれよー、正義超人のお二人さん!」
仁奈「……!」
衣装部「お、あったあった!」
仁奈「! ありがとーごぜーます! あとはこれを……!」
キュキュッ!
衣装部「ああっ、こら! 勝手に落書きしちゃダメだよ!」
仁奈「落書きじゃねーですよ! 色塗り!」
衣装部「色塗り……?」
37: 以下、
・ ・ ・
ウォーズマン「……これであの時の借りは返したぜ、マンモスマン」
マンモスマン「……ぐはあっ!」
マンモスマン「はぁ……はぁ……!」
ヨロヨロッ…
ロビンマスク「……ウォーズマン、後は私にまかせてくれ」
ウォーズマン「ロビンマスク?」
ロビンマスク「頼む」
ウォーズマン「……ああ、わかったぜ」
パンッ!
マンモスマン「……ふふ……次はお前か、ロビンマスク……!」
マンモスマン「さっきは油断したが、今度はそうはいかんぞ!」
ロビンマスク「……マンモスマン、ギブアップするんだ」
マンモスマン「何ッ!?」
38: 以下、
マンモスマン「何を言っている、ロビンマスク!」
ロビンマスク「元より、二対一ではお前に勝目は無い!」
ロビンマスク「何より、私と真剣勝負をしたお前の、今の姿を見たくないのだ!」
ロビンマスク「大人しく従ってくれ、マンモスマン……!」
ロビンマスク「刑期を終えた後、また改めて勝負をしようではないか!」
マンモスマン「……ふ……ふふふ」
ロビンマスク「マンモスマン……?」
マンモスマン「ふははははっ! 甘い甘い! どこまでも甘いな正義超人!」
マンモスマン「ロビンマスク、お前はアイドル超人と呼ばれてもいたな?」
マンモスマン「――くだらんっ!」
マンモスマン「あのガキもそうだが、このオレに情けをかけるんじゃあね――ッ!」
ロビンマスク「そうか……それがお前の答えか」
マンモスマン「このオレはマンモスマン! もう、何者にも縛られるか――ッ!」
39: 以下、
ロビンマスク「……そもそも、話し合って決着が着くわけが無い、か」
マンモスマン「おうともよ! お前ならばわかるはずだ、ロビンマスク!」
ロビンマスク「ああ! 我らの間に、言葉は不要!」
マンモスマン「力と力! 技と技のぶつかり合いこそが相応しいッ!」
吉貝「交渉決裂です! ファイト続行――っ!」
中野「私と女房の喧嘩と同じですね?っ」
マンモスマン「くらえいっ! ビッグ・タスク・ドリルーっ!」
ギュアアアッ!
ロビンマスク「甘いぞマンモスマン!」
ガキィンッ!
吉貝「ロビンマスク! 回転する牙をそのヨロイで受ける!」
中野「ロビンマスクのヨロイは硬度9、サファイアと同じ硬さを誇りますからね?」
40: 以下、
マンモスマン「やるな、ロビンマスク!」
ロビンマスク「お次はこっちの番だ!」
ガシッ!
ロビンマスク「トアア――ッ!!」
マンモスマン「うおおおおおっ!?」
ギュオオオッ!
吉貝「ロビンマスク! マンモスマンを抱え上げ、回転し跳び上がる――ッ!」
中野「あの技は――」
ロビンマスク「ロビン流! アイス・ロック・ジャイロ――ッ!!」
マンモスマン「おお……おおおおおっ!?」
パキパキパキパキッ…!
吉貝「マンモスマンの体が、みるみる凍りついていく――ッ!」
ロビンマスク「マンモスマンよ! あの時は不発に終わったが、今度はそうはいかんぞ!」
トンッ――ガシイッ!
マンモスマン「うぐおおっ!?」
吉貝「両脚で首をロックし、そのままリングへ落下! あれは――!」
ロビンマスク「ロビンスペシャル!」
マンモスマン「……!」
マンモスマン「ぐぶふぁっ……!」
41: 以下、
マンモスマン「ぐ……おおっ」
…ドサッ!
ロビンマスク「……私たちの勝ちのようだな、マンモスマン」
ロビンマスク「お前とは、対等な条件で……一対一で戦いたかった」
マンモスマン「ふはは……そのようだな」
マンモスマン「だが、勝負は勝負! 情けは無用!」
マンモスマン「来い! トドメを刺せ、ロビンマスクよ――ッ!」
ロビンマスク「……良いだろう」
ロビンマスク「両手両脚の揃った、完璧なタワー・ブリッジ!」
ロビンマスク「そいつをお前にお見舞いしてやるぜ、マンモスマンッ!」
マンモスマン「ふっ……今度は、超人刑務所でなく、超人墓場か……」
マンモスマン「今度、この太陽を拝むのはいつの事になるやら……」
??「マンモスマン! マンモスマ――ンっ!」
マンモスマン「なんだ……この声は……?」
42: 以下、
吉貝「ああ――っと! リングサイドに、乱入者が! あれは――」
仁奈「立って! 立ってくだせー! マンモスマン!」
吉貝「なんと! マンモスマンに騙されていたという、アイドル、市原仁奈ちゃんだーっ!」
中野「あのキグルミは、ゾウですか?」
中野「それにしては、茶色く塗りたくったような後がありますねぇ」
マンモスマン「……何しに来やがった、クソガキ」
仁奈「仁奈は……仁奈は、マンモスのキグルミを着てるでごぜーます」
仁奈「だけど……マンモスの気持ちは、わかりやがらなかった……」
仁奈「でも、でも! マンモスマンがいなくなるのは、嫌でごぜーます!」
吉貝「あれは……まさか、アイドルが悪行超人であるマンモスマンを応援しているのかーっ!?」
中野「これはいけませんねぇ、イメージに傷がついてしまいます」
マンモスマン「とっとと失せろ、このクソガキが――ッ!」
マンモスマン「男と男の真剣勝負に、割って入ってくるんじゃねえ――ッ!」
仁奈「っ……!」
43: 以下、
仁奈「……嫌でごぜーます! 仁奈は、マンモスマンの味方なんだ!」
マンモスマン「味方だと……?」
仁奈「だから……だから、立ってくだせー、マンモスマン!」
マンモスマン「……」
仁奈「???っ! ぱおーん! ぱおーん!」
マンモスマン「……」
仁奈「ぱおーん! ぱおーん! ぱおーんっ!」ポロポロッ
ロビンマスク・ウォーズマン「……」
仁奈「ぱおーんっ! ぱおーんっ! ぱおお――んっ!」ポロポロッ
マンモスマン「……うるせえガキだ」
グ……ググッ……
マンモスマン「おちおち……ぐうっ! 寝ていられやしねえ……!」
ググッ……!
仁奈「ぱおーんっ! ぱおーんっ! ぱおお――んっ!」ポロポロッ
マンモスマン「ピーピー泣くんじゃねえクソガキ――ッ!!」
マンモスマン「本物のマンモスの鳴き声はこうやるのよッ!!」
マンモスマン「パオオオォォォ――――ンンッッ!!!」
吉貝「ああ――っと! マンモスマン、立った! 立ち上がったああ――ッ!」
44: 以下、
マンモスマン「悪いが……気が変わった」
マンモスマン「このままトドメを刺させてやるわけにはいかんぜ――ッ!」
マンモスマン「パオオオォォォ――――ンンッッ!!!」
ビリビリビリビリッ……!
ウォーズマン「何だっ!? あの、マンモスマンから溢れるパワーは!」
ロビンマスク「今までとはまるで違う……! あの、目の光は一体……!?」
マンモスマン「ロビンマスク、ウォーズマン……いや、正義超人共よ!」
マンモスマン「お前達の後ろには、多くの仲間と、多くの人間がついているのだろうぜ!」
マンモスマン「それに対してオレは――」
仁奈「マンモスマンっ……!」
マンモスマン「――ふははははっ! 小さなガキ一人よ!」
マンモスマン「だが! それで十分! 十分すぎる!」
マンモスマン「オレの背には――小さいが、誇り高いマンモスが居るッ!」
マンモスマン「パオオオォォォ――――ンンッッ!!!」
45: 以下、
ロビンマスク「そうか……奴は、今までチームメイトに恵まれていなかった」
ロビンマスク「誰もがマンモスマンを利用し、仲間とは思っていなかった」
ロビンマスク「だが、あの子は違った」
ロビンマスク「自らの立場を顧みず、マンモスマンへと声援を送った」
ロビンマスク「それが、奴を――マンモスマンを新たな力へと目覚めさせたのだ!」
ウォーズマン「……な……なるほど」
吉貝「ああ――っと! ロビンマスク、ここでウォーズマンを強烈にディスる――ッ!」
中野「自分もバラクーダ時代を考えると、あまり言えないと思うんですけどねぇ」
マンモスマン「さあ、仕切り直しだ!」
ウォーズマン「ロビンマスク……ここは、オレが行こう」
パンッ!
ロビンマスク「ああ……任せたぞ、ウォーズマン」
吉貝「ここでタッチ! リングにはウォーズマンがあがる!」
マンモスマン「……!」
ウォーズマン「……!」
46: 以下、
マンモスマン「ウォーズマン、お前にはまた地獄を見せてやるぜ……!」
ウォーズマン「抜かせ――ッ!」
ジャキンッ!
吉貝「ウォーズマン、再びベアークローでマンモスマンに襲いかかる――ッ!」
ウォーズマン「コー……ホー……!」
マンモスマン「このオレに同じ手が通用すると思っているのか――ッ!」
ウォーズマン「いいや、違うぜッ!」
ヒュッ――
マンモスマン「何ッ!?」
吉貝「ウォーズマン、スライディングでマンモスマンの脚をくぐり抜けて後ろを取った!」
ウォーズマン「狙いはコレだッ! くらえ、マンモスマンッ!」
ガシイッ!
マンモスマン「ぬおおっ!?」
中野「あれは、ウォーズマンの伝家の宝刀――」
ウォーズマン「パロ・スペシャル!!」
ギリギリギリギリッ!
マンモスマン「ぐおおおおあっ!?」
47: 以下、
ウォーズマン「このままジ・エンドだ、マンモスマン!」
ギリギリギリギリッ!
マンモスマン「うお、ぐ、うううおおおっ!?」
仁奈「マンモスマ――ンっ!」
マンモスマン「!」
マンモスマン「パオオオォォォ――――ンンッッ!!!」
ギュワアアアッ!
吉貝「これはっ! マンモスマンのビッグ・タスクが伸びて行くっ!」
吉貝「そして、そのまま――」
マンモスマン「くらえいっ! ウォーズマン!」
ザシュウウウッ!
ウォーズマン「!? ぐああああっ!」
吉貝「無防備なウォーズマンの背中に突き刺さる――ッ!」
48: 以下、
マンモスマン「そりゃああ――ッ!」
ウォーズマン「うお、お、おおっ!?」
ヒュウンッ!
吉貝「そしてっ! 先程と同じように、ウォーズマンを宙へ放り投げた――ッ!」
ロビンマスク「! いかん! あの体勢はッ!」
マンモスマン「ふふふ……! 今度は邪魔させんぞ、ロビンマスク!」
マンモスマン「くらえ、ウォーズマン!」
マンモスマン「これが本家本元! アイス・ロック・ジャイロよ――ッ!」
マンモスマン「パオオオォォォ――――ンンッッ!!!」
ウォーズマン「うわああああっ!?」
パキパキパキパキッ…!
吉貝「ウォーズマンの体が、物凄い勢いで凍りついていく――っ!」
ロビンマスク「あれは、今までのアイス・ロック・ジャイロではない!」
ロビンマスク「今までの倍……いや、10倍の威力がある!」
マンモスマン「パオオオォォォ――――ンンッッ!!!」
49: 以下、
マンモスマン「こいつでトドメだッ!」
ウォーズマン「……!」
吉貝「マンモスマン、氷漬けになったウォーズマンをパワフル・ノーズで抱え込み――」
マンモスマン「パワフル・ノーズ・ブリーカー!!」
ガキィンッ!
ウォーズマン「……!」
……パリイィンッ!
吉貝「立てた片膝に、叩きつけたぁ――ッ!」
吉貝「あまりの衝撃に、ウォーズマンを覆っていた氷が全て砕け散る!」
中野「あれ、やった本人の膝は痛くないんでしょうかねぇ」
ウォーズマン「……!」
ウォーズマン「グハアッ!」
…ドサッ
マンモスマン「まずは……一人!」
吉貝「ウォーズマン、ダウーン!」
50: 以下、
マンモスマン「次はお前だ……ロビンマスク!」
ロビンマスク「くっ……! マンモスマン……!」
マンモスマン「勝利の女神の微笑みなんぞ、オレはいらん!」
マンモスマン「そんな気まぐれな笑顔なぞ、叩き潰してくれるわ!」
仁奈「……マンモスマンっ!」
マンモスマン「この、湧き上がる力っ!」
マンモスマン「勝利の美酒さえもいらぬっ!」
仁奈「マンモスマン、ファイトでごぜーます!」
マンモスマン「……アメ玉一つで、十分よ」
仁奈「パオオ――ンッ!」
マンモスマン「パオオオォォォ――――ンンッッ!!!」
ロビンマスク「マンモスマン……お前は……」
ロビンマスク「……」
ロビンマスク「ふははははっ! どうやら、私は勘違いをしていたようだなッ!」
ロビンマスク「マンモスマン! お前は、やはり真剣勝負の相手に相応しい!」
51: 以下、
ロビンマスク「嬉しいぞ、マンモスマンよ!」
マンモスマン「ほう? 何を喜ぶ事がある?」
ロビンマスク「こんなに嬉しい事はないさ!」
ロビンマスク「かつての強敵が、戻ってきた!」
ロビンマスク「それも……より大きく! 強くなってだ!」
ロビンマスク「それを喜ばずして、超人レスリングのリングに上がる資格は無いッ!」
マンモスマン「……ロビンマスク」
マンモスマン「はっはっは! お前はオレをどこまで楽しませてくれる!」
マンモスマン「男と男の、真剣勝負の醍醐味!」
マンモスマン「その続きを見せてくれるとは、夢にも思わなかったぜ――ッ!」
ロビンマスク「それはお前が相手だからだ、マンモスマン!」
マンモスマン「ロビンマスクよ! お前はオレを熱くさせるのが上手い!」
ロビンマスク「行くぞッ、マンモスマ――ンッ!!」
マンモスマン「来いッ、ロビンマスク――ッ!!」
52: 以下、
ゲームしてきます
54: 以下、
ロビンマスク「トアア――ッ!」
ヒュッ!
吉貝「ロビンマスク! 矢の様なドロップキックでマンモスマンに一気に迫る――ッ!」
マンモスマン「ふん! その程度、キャッチして――」
マンモスマン「……!?」
ロビンマスク「くらえいっ!」
ドカアッ!
マンモスマン「ぐおおおっ!?」
吉貝「綺麗に決まったああ――ッ! マンモスマン、たまらずよろめくーっ!」
マンモスマン「……今度はこっちの番だぜ、ロビンマスク――ッ!」
バウンッ!
吉貝「マンモスマン、よろめいた先のロープの反動を利用し――」
マンモスマン「パオオオォォォ――――ンンッッ!!!」
ドゴオッ!
ロビンマスク「うおおおっ!?」
吉貝「その巨体を活かした、強烈なタックルで反撃――ッ!」
56: 以下、
マンモスマン「お前に受けた技、そのまま返してやるぜ――ッ!」
バウンッ!
吉貝「そしてっ! そのまま再度ロープの反動を利用し――」
マンモスマン「ソリャアア――ッ!」
ヒュッ!
吉貝「ドロップキックだーっ! しかし、ロビンマスクのものとはまるで違います!」
中野「ロビンマスクが相手を貫く矢だとしたら、マンモスマンはまるで投石機ですねぇ」
ロビンマスク「甘いぜっ、マンモスマン!」
ガシイッ!
マンモスマン「ぬうっ!?」
吉貝「しかし、ロビンマスク! マンモスマンの巨体を流れるようにキャッチ!」
ロビンマスク「テリャアアア――ッ!」
ブンッ……ブンッ……ブンッブンッブンブンブンブンッ!
マンモスマン「うお、お、おおおおおっ!?」
吉貝「ジャイアントスイング! ロビンマスク、マンモスマンの巨体をグルグルと回している――ッ!」
57: 以下、
ロビンマスク「くらえいっ、マンモスマン!」
ブオンッ!
マンモスマン「うおおおおおっ!?」
吉貝「ロビンマスク、マンモスマンを勢いのまま放り投げた――ッ!」
中野「あの先にはコーナーがありますね。大ダメージですよ、これは」
マンモスマン「……!」
マンモスマン「ビッグ・タスク――ッ!」
グサアァッ! ガガガガッ!
吉貝「マンモスマン、ビッグ・タスクをリングに突き刺し、勢いを殺す!」
マンモスマン「ぐはあぁっ!?」
ドガァンッ!
吉貝「しかし! 勢いを殺しきれずコーナーに激突――ッ! これは強烈だ――ッ!」
58: 以下、
マンモスマン「……ぐふうっ!」ヨロヨロッ
ロビンマスク「……」
吉貝「これはどうしたことだ!? ロビンマスク、このチャンスに動かない! 動きません!」
中野「何か、気になることでもあるんでしょうかねぇ」
マンモスマン「どうした……ロビンマスク……!」
ロビンマスク「マンモスマンよ……」
ロビンマスク「いつものお前ならば、両腕でコーナーをキャッチ」
ロビンマスク「そして、追撃に来た私をビッグ・タスクで迎え撃っただろう」
マンモスマン「……」
ロビンマスク「だがッ! お前はそうしなかった! いや、出来なかった!」
ロビンマスク「お前の両肩は、既にウォーズマンのパロ・スペシャルによって――」
マンモスマン「……」
…だらんっ
ロビンマスク「――既に、破壊されているからだ――ッ!」
59: 以下、
マンモスマン「……ふははははっ!」
マンモスマン「それがどうしたッ!」
ロビンマスク「この試合方法を選んだのは私だ……!」
ロビンマスク「だが、今はあの時の私を殴り飛ばしたい気分だぜ!」
ロビンマスク「かくなる上は、私も両腕を――」
マンモスマン「余計なマネをするじゃねえ、ロビンマスク――ッ!」
ロビンマスク「しかしッ!」
マンモスマン「オレに情けをかける気か!」
マンモスマン「そんな事は、他の誰が許そうとも、このオレが許さんッ!」
ロビンマスク「だが……!」
マンモスマン「お前は二対一だったのを気にしているようだが……」
仁奈「……!」
マンモスマン「――ウォーズマンが倒れた今!」
マンモスマン「二対一で追い詰められているのはお前だぜ、ロビンマスク――ッ!」
ロビンマスク「マンモスマン……お前という奴は……!」
60: 以下、
仁奈「パオオ――ンッ!」
マンモスマン「パオオオォォォ――――ンンッッ!!!」
ロビンマスク「……わかったぜ、マンモスマン」
ロビンマスク「全力で、お相手しようッ!」
ロビンマスク「両腕が使えなくても、容赦はしないぜ――ッ!」
マンモスマン「ノーズ・フェンシングーッ!」
ビュオオッ!
吉貝「マンモスマン! ノーズ・フェンシングで牽制――ッ!」
中野「腕が使えないようですから、攻撃方法は限られますからねぇ」
ロビンマスク「甘いと言ったはずだ、マンモスマン!」
ガキィンッ!
吉貝「ロビンマスク! 剣のような鼻をヨロイで弾くっ!」
中野「牙で貫けないヨロイですからねぇ、鼻ではもっと無理だと思いますです、はい」
61: 以下、
ロビンマスク「ソリャアア――ッ!」
ダダダダダッ!
吉貝「迫る! 迫る! ロビンマスク、マンモスマンに迫っていく――ッ!」
中野「これは、このまま勝負が決まるかも知れませんよ?」
仁奈「マンモスマンっ!」
マンモスマン「……ふはははっ! ロビンマスクよっ!」
マンモスマン「真剣勝負に、油断は禁物だぜ――ッ!」
ロビンマスク「!? 何ッ!?」
ピタッ!
吉貝「何だ!? ロビンマスクの勢いがピタリと止まった―っ!?」
マンモスマン「ノーズ・フェンシングが弾かれるのは百も承知!」
マンモスマン「オレの狙いは、お前の体に鼻を巻きつける事よ――ッ!」
吉貝「ああ――っと! マンモスマンの鼻が、ロビンマスクの体を捕らえている――っ!」
62: 以下、
マンモスマン「例え両腕が使えなくとも!」
マンモスマン「オレには、この鼻と――」
ロビンマスク「うおおおっ!?」
グワッ!
吉貝「マンモスマン! パワフル・ノーズでロビンマスクを頭上に抱え上げ――」
マンモスマン「この牙が残っている!」
ギュアアアッ!
ロビンマスク「こ、これは……まさかッ!?」
吉貝「ビッグ・タスクがロビンマスクの首と脚をロックした――っ!」
吉貝「これはっ! この体勢は――っ!」
マンモスマン「ロビンマスク! お前がオレのアイス・ロック・ジャイロを使うように!」
マンモスマン「このオレも! お前の技を使わせて貰うぜ――ッ!」
仁奈「行くでごぜーます! マンモスマ――ンっ!」
マンモスマン「マンモス流! タワー・ブリッジ!!」
ガシイイッ!
ロビンマスク「……!」
ロビンマスク「ぐはあっ!?」
63: 以下、
マンモスマン「うおおおおおっ!」
ギチギチギチギチギチッ!
ロビンマスク「ぐうううううっ!?」
吉貝「締める! 締める! 締め上げる――っ!」
吉貝「マンモスマン、ロビンマスクの体を鼻と牙で締め上げていく――っ!」
ロビンマスク「……ま……マンモスマンよ……!」
マンモスマン「ああ……ロビンマスク……!」
ロビンマスク「お前とは……また、戦いたいものだ」
マンモスマン「奇遇だな……オレも、そう思っていた所だ」
マンモスマン「……――ぐはあっ!?」
…ドサッ!
ロビンマスク「……」
…スタッ
吉貝「ああ――っと!? これはどうしたことだ!?」
吉貝「技をかけていたはずのマンモスマンが、逆にダウ――ンっ!」
64: 以下、
ロビンマスク「私達、超人の技はかけている者自身にも負担がかかる」
ロビンマスク「マンモスマンは……とうに限界を越えていたのだ」
ロビンマスク「故に……タワー・ブリッジに体が耐えきれなかった」
マンモスマン「……」
ロビンマスク「万全の状態であったならば、今ので勝負が決まっていたかもしれん」
ロビンマスク「……やはり、お前は強い」
ロビンマスク「そして、素晴らしい超人だ……マンモスマンよ」
吉貝「なんという幕切れ……! この、壮絶な戦いを制したのは――」
仁奈「まだでごぜーますっ!」
一同「!?」
仁奈「まだ、仁奈が残ってるでごぜーますよ!」
仁奈「パオオォォ――ンッ!」
65: 以下、
一同「……」
仁奈「パオオォォ――ンッ!」
ウォーズマン「……ロビンマスク」
ロビンマスク「! 気がついたか……ウォーズマン」
仁奈「に、二対一でも、仁奈は負けねーです!」
仁奈「だって、今の仁奈はマンモスの気持ちでやがります!」
仁奈「だから……だから……!」
仁奈「マンモスマンと一緒に、絶対勝つでごぜーますよっ!」
仁奈「パオオォォ――ンッ!」
ロビンマスク「ウォーズマンよ……お前は、今の私の気持ちがわかるか?」
ウォーズマン「ああ、もちろんだとも」
仁奈「どっからでも、かかってきてくだせー!」
ロビンマスク・ウォーズマン「……」
ロビンマスク・ウォーズマン「ギブ・アップ!!」
カンカンカンカンカンカンカンカ――ンッ!
吉貝「なんと、ギブ・アップ! ロビンマスク、ウォーズマンペア、ギブ・アップだーっ!」
66: 以下、
仁奈「えっ……? えっ……?」
ロビンマスク「お嬢ちゃん、私たちの負けだ」
ウォーズマン「オレのコンピューターも、勝ち方がわからないとさ!」
仁奈「仁奈が……勝ったでごぜーますか?」
ロビンマスク「その通りだ! 小さなマンモスの少女よ!」
ウォーズマン「勝者はキミと――マンモスマンだ!」
仁奈「……やったー! やったでごぜーます!」
たたたたっ!
仁奈「マンモスマン! 勝った! 勝ちやがりましたよ!」
ぎゅうっ!
マンモスマン「おい、ガキ……鼻水をつけるんじゃあねえ……」
仁奈「パオーンっ♪ パオーンっ♪」ニコニコッ
ロビンマスク「ふっ……まさかの完敗だな、ウォーズマンよ」
ウォーズマン「負けで良いさ……あの笑顔には、誰も勝てない」
仁奈「パオーンっ♪ パオオォォ――んっ♪」ニコニコッ
68: 以下、
・ ・ ・
キン肉マン「ひぃ……はふぅ……!」
ミート「はい! こっちの書類にもサインしてください!」
ドンッ!
キン肉マン「のわーっ!? ま、まだこんなにあるの!?」
ミート「当たり前じゃないですか!」
ミート「マンモスマンを自由にするための許可!」
ミート「それに、普通の人間の会社で働かせようっていうんですから!」
キン肉マン「くっそーっ! それもこれも、全部あの二人のせいではないか!」
キン肉マン「ロビンとウォーズマンはどこへ行ったのだ!」
キン肉マン「じぇ?んじぇん姿を見せんではないか!」
ミート「あの二人なら、ボディーガードはいくらいても困らないって……」
キン肉マン「そんな事を言って! アイドルのLIVEに行っているだけではないか!」
キン肉マン「……くっそーっ!」
キン肉マン「私も、アイドルのLIVEを見に行きた――いっ!」
https://www.youtube.com/watch?v=nySV38_V8qU
おわり
69: 以下、
こんなくだらないもん最後まで読んでくれてありがとう
HTML化依頼出しときます
71: 以下、
乙乙
>>25で腹筋が負けたわ
72: 以下、
乙乙
王道で良かった
あえて主人公が目立たないってのは珍しいな
73: 以下、
乙でした
分かりきった展開の連続だったのにグッときたわ
74: 以下、
乙
やっぱりこういうの好きだわー
75: 以下、
マンモスマンがみんなのきもちのMVに出てくるところまで夢想した
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1519617184/
キン肉マン 62 (ジャンプコミックス)
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高級な腕時計を欲しがらない若者は意味不明。自分にステータスが無いって言ってるようなもの
【画像】清宮幸太郎、完全に生気を失う
【勘助】「彼女と別れたけど(私)はタイプじゃないからアタックしても無駄」という同僚。別の同僚が「だって(某俳優)が好きだもんね」と言うと妙なメールを大量に送りつけてきた
隣の部屋のやつがYouTuberっぽいんだが
ビル・ゲイツが「リーマン危機が再びくる」と不吉な予言をしている
【閲覧注意】レ●プされすぎて亡くなった女性の ”股間” がやばい…(画像あり)
【悲報】声優の竹達彩奈さん、78900円のスニーカーを履いてしまうwwwwwwww
パチンコ屋でトイレ入ってたら『くせぇんじゃてめぇコラ!!』って怒鳴られながらドア蹴られまくった
ガンプラの旧キットの箱絵カッコイイよな
人気ゲーム実況主26歳の月収WWWWWWWWWWWWW
従妹が私の親の遺産を貰えると勘違いして通夜の時に「自分は家と駐車場でいいから」って言い出した
【悲報】 石川県さん、うっかり同じ人(72)に28年知事をやらせてしまう
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