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塩見周子「歴史の一歩目」
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1 :
羽衣小町ユニット曲実装記念SS
イベ終了しても誠に不思議なことに一向に羽衣小町SSが出てこないので自給自足しました
イベ2話直後の話を自分なりに考えたSSです。なのでデレステ時空注意
次から投稿してきます
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1517666301
引用元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1517666301/
2 :
お待たせーPさん。紗枝はんはお仕事押してて少し遅れるってさー。
ってどうせPさんにも連絡来てるよね。もう少し待ってよっか。
いやーしかしあたしたちを労って、こうしてすぐに打ち上げしてくれるなんてプロデューサーの鑑だねぇ。
それだけあたしたち羽衣小町のライブが最高だったってことかなー?
んー?もーっと褒めてもええんよ?
ライブではいつにも増して息が揃ってたって?
そりゃ紗枝はんとはもう長年の付き合いだし!
しかし今回ライブできて本当に良かったなー。
ここまで積み重ねてきたものを改めて実感する良いきっかけにもなったしさ。
まだ『紗枝ちゃん』、『塩見はん』って呼びあってたユニット結成直後の時から振り返ることができたし。
……え?そういやいつからお互いの呼び方を変えたんだって?
…………あれ?Pさんにはまだ話してなかったんだっけ?
あー……そっか、当時はPさんに乗せられたみたいでシャクだったから、この話のこと黙ってたんだ……。
すっかりその後どこかで話したもんだと思ってたんだけど、結局話してなかったかぁ……。
あー、そんな落ち込まないでよ!
当時はシャクだったけど今では感謝してるんだから!
ほら、元気出しなよ。まだ時間もありそうだし、折角の良い機会だから今日話しちゃうからさ!
ほんじゃ話そうか、紗枝はんと周子ちゃんの物語番外編の始まり始まりー。
それはね、羽衣小町としての最初のライブ直前の時で――
3 :
===========
『――夢に出会うーその日までー流れゆこうー』
『青の一番星』の音楽がレッスン室に鳴り響き、あたしはダンスを合わせながら歌う。
この曲は私の良く知る自分のソロ曲。
でも今のあたしはソロではなかった。
「よく仕上げてる。二人とも期待通りだ」
トレーナさんがそう言って褒めてくれる。
そう、一人ではなく"二人"。今、隣には同じ京都出身の小早川紗枝ちゃんがいる。
何故かといえば、つい先日あたしは紗枝ちゃんと『羽衣小町』というユニットを組み、
間近に迫った次のライブでユニットとして青の一番星を披露することになったからだ。
「よし、今日のレッスンは終わりだ。明後日が本番前の最後のレッスンだからな。それまで今の状態をキープしておくように」
今の状態をキープ……か。さっきトレーナーさんも褒めてくれたけど、確かに結構いい感じになってるかも。
4 :
ダンス、自分の曲ということもあり、振りはバッチリ。紗枝ちゃんも練習を重ねた成果かソツなくこなしてる。
体調、問題なし。寮の食事はバランス良いし、それに最近は夜遊びを控えて早寝してるしねー。
モチベーション、ユニットでの初披露ということでいつもよりテンション高め。
二人の息、京都出身という共通点もあってかユニット組んだばっかりにしては揃っている……と思う。
このまま行けばいつもより良い『青の一番星』が披露できそう。
……できそうなんだけど、何か、何かが足りない気がする……。
けどそれが何かなのかはさっぱりわからない。
5 :
「お疲れ様どす、塩見はん。明後日もよろしゅうな」
「うん、お疲れ様、紗枝ちゃん。また明後日ね」
なんとなくモヤモヤを抱えたまま、紗枝ちゃんに挨拶してあたしはレッスン室を後にする。
……ま、『悩みすぎてもしょうがない』よね。
明日は本番前の最後のオフだし、パーっとどっか遊びに行ってリフレッシュしてみますか。
そう自分に言い聞かせたものの、心の奥底につっかえてるこの気持ちは一人ではなかなか解決できなさそうだった。
6 :
■
翌日、お天道様がすっかり真上にあがる頃になっても、あたしは結局、寮の共有スペースでグダグダしていた。
寮住みのみんながあたしの傍を通りかかる度に、今度のライブ頑張ってねーとか、当日見に行くよーとか口々に応援の言葉をしてくれた。
けど、あたしはそれに生返事しかできてないくらい無気力だった。折角のオフなのに…。
どれもこれも全部昨日のPさんが悪い、とあたしは心の中で悪態をつく。
というのも昨日レッスン終わった後、モヤモヤが気になってしょうがなかったあたしは、結局その足でPさんの所に相談しに行ったのだ。
だが、Pさんはあたしの話が終わるなり、一言
「お互いに些細なことに気がついてへんだけどす。それに気がつけばいけるやろ」
「大丈夫、"周子はん"と"紗枝はん"なら乗り越えられるで」
などと何一つ具体性がないありがたいアドバイスをほざきおったのだ。
しかもエセ京言葉なんぞ使いおって……!
7 :
「……塩見はん?」
あたしが頭の中のPさんへ悪態つくのに夢中になっていると誰かがあたしを呼んだ声がした。
ん……?と思って顔を上げるとその声の主は紗枝ちゃんだった。
「おはよー紗枝ちゃん。どしたん?どっか出かけるん?」
「んー……。お洋服でも見に行こうと思うて……」
へー珍しい。いつも着物着てるイメージだったけどそんなことなかったんだ。
でもなんだか歯切れが悪い感じもするけど。
「……実は今度のお仕事で必要になったんどす。着物じゃあかんどすかと聞いたんどすけど……」
疑問が顔に出てたのか、紗枝ちゃんがそう続けて理由を口にする。
「せやけど、洋服なんて一人で買うことがあまりあらへんから……どないしよ思うて……」
8 :
「あー……なるほどねー……」
あたしは一人納得をする。
あたしのイメージはそんな間違っていたわけではなかったのだ。
ましてやしっかりしているように見えても紗枝ちゃんはまだ15歳。
東京で一人で洋服を買うのはなかなかハードルが高いイベントだろう。
それじゃ、まあ、ここはいっちょ遊び人の本領というものを見せてあげますかね。
「じゃあ良かったら一緒に行く?丁度あたしも出かけたかったところなんだよねー」
「ほんまどすか?えらい助かります」
「良いって良いって。じゃあ準備してくるからちょっと待ってねー」
今までだらっとしていたけど、ちょっと元気になってきたかも。
折角のオフだしやっぱ楽しまないとね!
9 :
■
その後、あたしたちは繁華街に繰り出し洋服を何着か見繕った。
最初は紗枝ちゃんもオドオドして遠巻きに服を見るだけだったけど、
あたしが有無を言わさず何着も持ってくるとたちまち試着室でのファッションショーとなった。
いやーしかし、元が良いだけあって何でも似合うね!
清楚感があるから何着せてもお嬢様感が出て良いし。眼福眼福。
聞けば撮影用に洋服が必要だったらしいけど、これならばっちりでしょ!
「せやけど、あんなにとっかえひっかえする必要があったんどすか?ウチ着せ替え人形ちゃいます!」
自分のプロデュースに満足しているあたしに気が付いたのか紗枝ちゃんがジト目で見てくる。
「ははは……いやー紗枝ちゃん意外に何でも似合うから楽しくなっちゃってさー。今度から偶には普段も洋服着なよー」
「全く、塩見はんったらいけずなんやから……」
あたしが褒めて宥めようとしても、紗枝ちゃんはちょっと怒った口調のまんま答える。
でも、買った洋服をそんなに大事そうに抱えてたら説得力なんてないって。
10 :
「さてと、買い物は終わったけど紗枝ちゃんはこれからどうする?まだ時間はありそうだけど」
「せやなぁ……」
紗枝ちゃんは少し考えた後、こう口にした。
「折角やし、塩見はんと一緒にどこかに遊びにいきとおす」
お?これは意外なお誘い。
そういや紗枝ちゃんとお仕事以外で一緒に出掛けることって今までなかったっけ?
折角の機会だし、一緒に遊びに行くとしますか
そうだなぁ……じゃあまずはあそこに行くとしますかね!
11 :
■
「だーつ?」
「そ、名前くらいは聞いたことあるでしょー?」
向かった先はあたし行きつけのダーツバーだった。
あたしの趣味っていったらやっぱこれだし、元々今日遊びに来ようと思ってたし。
紗枝ちゃんは物珍しいのか辺りをキョロキョロと見回して忙しなくしている
「紗枝ちゃん、やっぱ初めて?」
「そうどすなぁ」
だよねぇ……。じゃ、ルール説明から必要かな。
とりあえず分かりやすいカウントアップにしといて後は実践すればいいっか。
「えっとね。この矢を持って、この線に沿って立って、的に向かって。ほっ、と」
あたしの左手から放たれた矢は真っ直ぐな軌道を描き、見事Dブルに刺さる
あたしと紗枝ちゃんの間にDブル特有の心地良い音が響き渡る。
12 :
「ほー……見事やなぁ……」
あと2本も立て続けに投げる。20、18トリプル。
うん、久々に投げるけど結構いい感じかも♪
「こんな風に3回投げて当たった場所の得点を積み重ねてく感じだよ」
「なんやえらい構えとったんどすけど、塩見はんのを見とったら意外と簡単そうどすなぁ」
「そうそう簡単簡単。次は紗枝ちゃんの番だから早やってみなよー」
「そんなら。この矢を持って、この線に沿って立って、的に向かって。えいや、っと」
紗枝ちゃんの右手から放たれた矢は真っ直ぐな軌道を描き、見事地面に刺さった。
あたしと紗枝ちゃんの間にカツーンと良い音が響き渡る。
13 :
「……」
「……」
「塩見はん……?」
「……なんでしょうか……?」
「今のはわざと失敗したんどす。何事も経験や思うて」
「……」
「次はもっとあんじょうやります」
そう言って放たれた2本目の矢は紗枝ちゃんの空回りさを示すようにダーツボードの遥か上を通り過ぎて行った。
「…………」
「…………」
「……3度目の正直どす」
そう言って放たれた3本目の矢は言葉通り見事ダーツボードに当たる。
「ほら、塩見はん。言うた通り当たったやろ?」
そう言ってドヤ顔をする紗枝ちゃんと得点盤に表示される0の文字を見比べ、あたしは口をつぐむことを選んだ。
京都の女は怒らせるととても怖い。そんなのはあたしが一番よく知っている。
14 :
■
結局あの後、意地になった紗枝ちゃんが満足するまでダーツは続いた。
最後の方は投げることに関しては結構マシになっていたと思う。
スコアの方は……うん……。スコアだけが全てじゃないよね……。
途中紗枝ちゃんから勝負を持ち掛けられて、1ラウンド1本のみかつ右手のハンデをつけたのに圧勝してしまった時はどうしようかと思ったけど……。
「塩見はん?ウチ行きたいところがあるんやけど、ええやろか?」
ダーツバーから出た後、今度は紗枝ちゃんから提案があった。
いいよー、まだ時間あるしついてくよー、と気軽に返事したら、なんとたどり着いたのは着物屋だった。
「ここはウチの贔屓のお店なんどす。折角やし着物も見ていこか思うて」
そう言って紗枝ちゃんは物怖気もせず、どんどん店の中へ進んでいく。
え?ここ結構格式高そうな店だけど、マジ?
15 :
今度はあたしが借りてきた猫のようになっていると、店員さんと二、三言話した紗枝ちゃんが戻ってきた。
「塩見はんは京都にいたころは着物を着とったんどすか?」
「まあ実家の店にいた頃は着てたけどねー。でもこっちに来てからはさっぱり」
「ほー。せやったら折角やし、試着してきまへんか?ウチ着付けできますし」
「……え?」
唐突な提案に驚き、紗枝ちゃんの顔をまじまじと見返してしまった。
目をよく見ると獲物を狩る肉食獣の目をしていた。
あ、あれ、これもしかしてさっき着せ替え人形にした意趣返し……?
それともダーツでいじめすぎた仕返し……?
いずれにせよ黙って従ったほうがよさそうだ。
京都の女は怒らせるとやっぱり怖い。
16 :
「……じゃー折角だしお願いしようかな……」
その後、着物をとっかえひっかえさせられたのは言うまでもない。
しかも、こないに似合うのに着ーひんなんてもったいない、とお小言までもらってしまった。
確かに紗枝ちゃんが持ってきた着物は自分でも今までみたことないくらい似合ってた。
紗枝プロデューサー恐るべし……。このままだといつか着物でライブとか提案してみちゃったり?……なんてね。
17 :
■
「ふー……今日は色んなとこに行きはりましたなぁ」
遊びつくしたあたしたちはオシャレ目の某チェーンカフェに来て休憩していた。
紗枝ちゃんは今まで気になってたけど、なかなか一人で入れなかったみたい。
なので折角なので誘ってみた。紗枝ちゃん曰く念願のカフェらしい。
「しかし今日は塩見はんに付き合うてもろうてほんまに助かりましたわ」
「いやーあたしも紗枝ちゃんと遊べて楽しかったよー」
紗枝ちゃんは助かったと言っているが、助けてもらったのはあたしも同じだ。
抱えてたモヤモヤがだいぶ消えてリフレッシュできた。
あのままだったら寮でグダグダしてオフが終わっただろうし。
18 :
それに今日一日で紗枝ちゃんとだいぶ親しくなれた気がする。
そして、これからもっと仲良くなりたいなって気持ちが強くなった。
あたしたち、折角京都っていう繋がりがあるんだから、お仕事の時だけでなく普段からそれを大事にしてみるのもいいのかも。
紗枝ちゃんの京言葉を聞いたり、"塩見はん"って呼ばれると京都を思い出してなんだか懐かしい気持ちになるしさ。
折角だからあたしも京言葉で話してみる?あとは紗枝ちゃんの呼び名も……。
……。あ、そうか、そういうことだったんだ……。
なんだPさん、ちゃんと気が付いててアドバイスくれてたんじゃん。
言い方が回りくどすぎるし、先回りされたみたいですごいシャクだけどさ。
……まあ、でもこのアドバイスに乗らないわけにもいかないっか。
後はいつから実行するか、だけど……。
19 :
「なんか今日の御礼でもせんとあかんなぁ……」
あたしが一人頭の中で悩んでいると紗枝ちゃんがだしぬけにそんなことを言ってくる。
「え?御礼?そんなのいーよいーよ」
「お世辞でも何でもなく、今日は塩見はんにえらいお世話になったと思てんどす。御礼の一つでもしいひんと逆にうちの気がすまへんくらいどす」
あたしが軽く躱そうとするも紗枝ちゃんはさらに踏み込んでくる。
こういうところが、紗枝ちゃんの真面目だけではないところなんだよね。
でも今それを発揮されても困っちゃうなぁ……あたしとしては楽しく遊んでいただけなのに。
……ん?もしかしてこれって使えるんじゃない?
20 :
「じゃあさ……。一つお願いがあるんだけどさ」
「なんやろか?」
はにかみながら切り出すあたしに紗枝ちゃんは不思議そうに首を傾げながら尋ねてくる。
「…………紗枝ちゃんのこと、"紗枝はん"って呼んでいい、かな……?」
うわっ、なにこれ、こっ恥ずかしい……。顔から火が出そう……。
恥ずかしさのあまり紗枝ちゃんの顔をマトモに見れず、チラッとみてみる。
すると紗枝ちゃんはちょっとビックリした表情をしてたけど、直ぐにクスクス笑いながら、こう答えてくれた。
「なんどすやそれくらい、もちろんええどす」
良かった……。これで断られたら明日からどんな顔して会えばいいか苦悩するとこだったよ……。
とりあえず一安心。
21 :
と、あたしが安堵していると、紗枝はんが急に黙って考え込んでしまった。
え?どうしたの?あんな真剣な顔しちゃって……。
もしかしてよく考えたらやっぱり気に食わなかったとか……?
「せやけど、一つだけ条件があります」
やっと口を開いた紗枝はんは真剣そのもの面持ちで、そして凛とした声でこう宣言した。
嘘、なに?あたし一体何を要求されちゃうの?
22 :
「……うちも塩見はんのこと、"周子はん"って呼んでもええやろか…?」
先ほどまでの真剣な面持ちが嘘かのように、顔を真っ赤にして気恥しそうに口元を隠しながら紗枝はんはそう条件を口に出す
なにこの娘、凄い可愛い……。こんな表情できるなんて全然知らなかった……。
そんな顔されたらこう答えるしかないじゃん。
ううん、そんな顔じゃなくても絶対にこう答えるに決まってる。
もちろんええどす、と。
23 :
■
『――夢に出会うーその日までー流れゆこう』
『青の一番星』の音楽がレッスン室に鳴り響き、あたしは曲にダンスを合わせながら歌う。
この曲は私の良く知る自分のソロ曲。
でも今のあたしはユニットだった。
「よく仕上げた!二人とも期待以上だ!」
トレーナさんがそう言って手放しで褒めてくれる。
そう、一人ではなく"二人"。今、隣には同じ京都出身の紗枝はんがいる。
つい先日あたしは紗枝はんと『羽衣小町』というユニットを組み、
つい昨日あたしと紗枝はんはユニットになり、
そしてこれからユニットとしての歴史を一緒に積み重ねていくのだ。
24 :
ダンス、最初から二人の曲だったかの如く体に馴染んでる。
体調、万全で言うことなし。逆に力が湧きすぎて、じっとしていられないくらい。
モチベーション、早くライブしたくて堪らない。ここまで昂るのはきっと人生初。
二人の息、言わずもがな。
ユニットになったあたしたちに怖いものは何もない。
このまま行けば今までの中でも最っ高の『青の一番星』を披露することが絶対にできる。
25 :
「しかしここまでとは……お前たち、昨日一体なにをしたんだ?」
そう言われたあたしたちはお互い顔を見合わせ、そして示し合わしたように同時に笑顔になった。
「別に何にもないよねー、紗枝はん?」
「何もあらへんよなぁー、周子はん?」
その様子を見たトレーナーさんは一瞬怪訝な顔をするも、すぐに何かに気がつき、苦笑いながらこう呟くのだった。
これじゃあトレーナー業も商売上がったりだ、と。
26 :
===========
――それからの話?それはPさんの方がよく知ってるんじゃないかなー?
その後のライブでは今までにないくらい拍手をもらってさ。
それが評判を呼んで紗枝はんと二人のお仕事がバンバン入ってきて。
どんどん経験積ませてもらって、一緒に長い時間を過ごしてさ。
今じゃー公私ともにお互い引っ付いてばかりだよ。
あたしも組んでるユニットがどんどん増えてきたけどさー、やっぱ紗枝はんとが一番だよね。
え?紗枝はんもそう言ってた?いやだなー照れるわー。
27 :
「遅れてすんまへんなぁ」
お、噂をすれば早だね。紗枝はんこっちこっち!
Pさんと二人っきりもいいけどさー、やっぱ紗枝はんが隣にいないとねー。
「あらあら周子はんも口がお上手なんやからー。でもそう言うてくれて嬉しゅうわー」
なにー、口が上手いって。私は本心を伝えただけですよーっと。
「全く周子はんったら……。せやけど、ほんますんまへんなぁ……。随分待たせてしもて……」
んーん、紗枝はんこそお仕事大変だったでしょ?
それにPさんと話してたからあっという間だったし。
「せやったら良かったけど……。ちなみに一体どないな話しとったんどすか?随分楽しそな顔してはりましたけど?」
そんな楽しそうな顔してた?まあ実際楽しい楽しいお話だったからね。
え?結局なんの話かって?そりゃあもちろん決まってるでしょ?
28 :
京都の歴史にも負けないくらい積み重ねられてきた歴史の、その最初の一歩目のお話だよ!
29 :
おわり
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