【モバマス】バッドエンカウントback

【モバマス】バッドエンカウント


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2 :
美優「CoPさん………」
偶然が重なった場合、それは必然となる――俺がいつしか、どこかで聞いた言葉だ。
今のこの地獄のような状況も、偶然が重なったこと。これは果たして、必然、つまりあらかじめ決定されていたことなのだろうか。
休憩室には、今にも泣き出しそうな、恥ずかしそうな顔をした美優さんと、そして俺だけ。
美優さんが、手に持っている箱状のものと俺へ交互に目線を映しながら問うてきた。
美優「これは…?」
CoP「あの…げ、ゲームです!パソコンでやる…その…」
美優「ゲーム…なんですか…?これが…」
CoP「広義で言えば…はい…その、ゲームっちゅうか…ADVちゅっうか…」
美優「でもこれって…あの…そういう…タイトルも…ぎ、ぎ、ぎ…」
CoP「ぎ、…ぎ、『ぎり☆妹(いも)〜血のつながりはガン無視ですか!?〜』って…エロゲです……ついでに言うと貧乳マウスパッド付きの初回限定生産版、バージンエディション……」
美優「うぅ…」
これが運命で、必然というのなら、俺は運命を恨む。
引用元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1514632362/
3 :
CoP(事の発端を説明しよう)
CoP(俺は今日発売日の「スペースギャラクシーフォーゼ」と言う、宇宙と友情と青春を題材にした、極めて健全なゲームを朝一に買う予定にしていた)
CoP(すると、それを聞きつけた俺の友人から)
『今日都合悪いから代わりにエロゲ買っててくれないか?立て替えと上乗せして料金払うからなんとしてもバージンエディションを入手してくれ。ネットじゃ、もう手に入らねえんだよ』
CoP(と言われた)
CoP(特に断る理由も無いのでそれを了承し、早朝開店のゲームショップに行き無事に二つとも購入、そして出勤)
CoP(出勤してすぐに、会議があること、また美優さんに次の仕事の台本を渡さなければいけない事を俺は思いだした)
CoP(ちょうど休憩室にいた美優さんに台本を渡そうとした…時に、かばんから『ぎり☆妹』がこぼれ落ちて)
CoP(俺が拾い隠す前に美優さんが拾って、今に至る)
美優「うう…こんなものって…言ってしまったら…ダメなんでしょうけれど…」
CoP「あのー美優さん!ちょっとこれは違うんですよ!ええ!はい誤解なんです誤解!」
CoP(とりあえずは、一刻も早くこの状況を打破し、会議に行かねばなるまい)
CoP(そのためにはどうすればいい?『友人のために買った』、というのは嘘ととらわれかねない。誤魔化しの常套句で使われるからだ。他の方便で美優さんにこれが俺のものでは無いと認識させねば…)
4 :
CoP「ま、間違えて買っちゃったんですよねぇ!それ!…と言うことでこの後クーリングオフするんです!…さ、返してください」
美優「間違えて…これって間違えて購入するものなのですか…?」
CoP「ほ、本来買うのはこっちだったんですよ!ほら!『スペースギャラクシーフォーゼ』!これの限界ぶっ飛ばしVerと『ぎり☆妹』のバージンエディションを間違えて買って…!」
美優「…でも、間違えようがない気が、私はするのですが…」
CoP(うわぁ選択肢間違えた。そうだよね美優さんの言うとおりだよね、うん。エロゲは店の奥側にあるし、意図して間違えない限り無理だよねぇ)
美優「…CoPさん、本当のことを言って欲しいです。私は、どんなあなたでも、きっと理解しますから…」
CoP(何か哀れみの目で見られてるよ。違うんだよ、これ俺のじゃ無いんだよ。変態でロリコンの友人のやつなんだよ)
CoP(どうする?ここからどうやって巻き返す?考えろ…考えろ…!ダメだ、頭がこんがらがって何も思いつかねぇ、どうする、どうする…!?)
CuP「お〜〜い…あ、ここにいた。早く来いよCoP、もう会議始まるよ」
CoP「CuP!!」
CoP(思わぬ助け船だ。CuP、俺の知恵じゃあもう無理だ。お前の力を貸してくれ)
5 :
CoP「いいところに来た!ちょっと助けてくれ!」
CuP「ちょ、袖を引っ張らないで…」
CoP(俺はCuPにこれまでのあらましを簡単に説明した)
CoP「つまりだ、『俺が買ったが俺のものじゃ無い』ってことを美優さんに理解されないと行けないんだ」ヒソヒソ
CuP「いやもう普通に『友人のものです』って言えば良いじゃねぇか」ヒソヒソ
CoP「それはもう無理なんだよ」ヒソヒソ
CuP「やっても無いのに無理かどうかは分かんないでしょうが!とりあえずやってみてよ!」ヒソヒソ
CoP「あー美優さん、それ友人に頼まれて買ったんですけど…」
美優「…じゃあさっき『間違えて買った』…というのは嘘だったんですか?」
CoP「ああ違います、忘れてください」
CoP「ほらぁ」ヒソヒソ
CuP「『ほらぁ』じゃねぇよ!」ヒソヒソ
CoP「一手目が最悪手だったな」ヒソヒソ
CuP「ああもう…とりあえず、アレがお前のものじゃないようにすればいいんだよな?」ヒソヒソ
CoP「それが勝利条件」ヒソヒソ
CuP「なんだよそれ…よし、一つ作戦を思いついた。僕の嘘に乗ってくれ」ヒソヒソ
CoP「おお!ありがてぇ!」ヒソヒソ
CuP「もうすぐ僕がアレだから…」ヒソヒソ
6 :
美優「あの…お二人とも?」
CuP「三船さん!」
美優「は、はい!」
CoP「すいません、さっきの間違えて買ったというのは嘘なんです!」
美優「え…それではやっぱりこれは…」
CoP「しかしそれは俺のものではありません。確かに俺が購入しました。しかし、俺のものじゃあ無いんです」
美優「ど、どういうことなのですか…?」
CuP「…僕のものなんですよ」
7 :
CuP「来週、僕は誕生日を迎えます。その時のバースデープレゼントとして、CoPは『ぎり☆妹』を買ったに過ぎないのです!」
CoP「そうなんです!仲のいい同僚がほしがるものを俺は買っただけなんです!こいつの為を思っただけなんです!」
CuP「つまりそれは!」
CoP「俺が買った!」
CuP「僕のもの!!」
美優「……」
CoP(へっ、いい作戦じゃねぇか!これなら俺のものでは無いという証明、そして誰かへの贈り物ということもアピール出来る!)
CuP(僕の誕生日が来週で良かったね…さあ、早くのこの訳の分からない状況に終止符を打とうか)
美優「……」
美優「…CoPさんは、ご友人の誕生日にこんなものを送りつけるような人間だったのですか」グズッ
CuP(へぁ!?)
CoP(美優さん泣き出した!?)
8 :
美優「そんな人だとは…私…」グズッグズッ
CoP(やべぇよ!何かこっちが気の毒になるくらいしゃくり上げてるよ!もう引き返せない一線越えちまった気分だよ!)
CuP(ぼ、僕に任せろ!!)
CuP「違うんです!三船さん!これは僕がどうしてもって頼んだんです!
CuP「………いやこいつが買いました!こいつが主犯格で、こいつが実行犯です!!つまりこいつの罪でこいつのものです!!」
CoP「てめぇはてめぇで何口走ってんだてめぇー!」
CuP「しょうが無いだろうが!僕は変態じゃないしエロゲに興味も無い!よくよく考えたら何で巻き込まれた僕がお前の罪を被らなきゃいけないんだ!諦めてとっとと罪を認めろ!!」
CoP「うるせー!!俺は知ってんだぞお前が佐久間さんと同棲してるのこの犯罪者!これが変態じゃなかったらどう説明つけるんだよ!!」
CuP「それは言わない約束だろ!というかアレ同棲じゃ無くて座敷童みたいに住み着いてるだけだし!一切僕からは手を出してないし!」
CoP「『からは』ってなんですか『からは』ってぇ!?それに佐久間さんだけじゃ無くて一ノ瀬さんも住み着いてるらしいですなあー!爛れた生活送ってそうでチェリーの私には羨ましい限りですわー!あーあー!」
CuP「うるさいお前だってストーキングされてるだろうが!同じようなもんだよ同じような!」
CoP「それは俺が被害者側だろうが!どう考えても俺が弱者だろうが!!誰か分からねえからお前よりも恐怖度は上だからな!」
美優「あの…二人とも…」
CuP「ああもう頭来た!殴り合いじゃあ!」
CoP「やってやんよこの未成年連れ込み淫乱同棲生活野郎が!俺のチェリーエナジーでぶっ飛ばしてやんよ覚悟しろこの変態淫行エロゲプロデューサー!」
CuP「ゲス野郎が…よくそこまで汚い言葉をすらすらと出せるもんですなぁ!?ええ!?」
美優「あの…」
「「うおおおおおおおおおおおおおおおらああああああああああああああああああ!!!!!!!!」」
美優「…」
9 :
◆◇◆
部長「…で、なにか言うことはあるかね?」
CuP「ないです」
CoP「反省しています」
CuP「ただこいつが悪いんです」
CoP「いえこいつが諸悪の根源です」
部長「いい加減にしろよお前ら…はい、千川。二人への処罰を」
ちひろ「はい。えーっとお二人は『敷地内での私闘』、『わいせつ物の持ち込み』、『会議無断欠席』、『年少アイドルへ悪影響のある罵詈雑言』その他諸々で…」
二人「「……」」
ちひろ「…十年間の減俸です♪」
二人「「…はい」」
部長「…では、下がってよろしい。二度とこのようなことのないように」
CuP「…はい」
CoP「失礼しました…」
10 :
PaP「…ま、まあ二人とも元気だせよ!クビじゃ無くて良かったじゃん!」
CuP「次は僕が勝つからな」
CoP「ふざけろシャバ増が」
PaP(付き合いきれない…)
11 :
CoP(さてと帰るか…)
美優「プ、プロデューサーさん!」
CoP「!…ああ、美優さんですか。さっきはお見苦しいところをすいません」
美優「いえその………あの」
CoP「?、何ですか?」
美優「このゲーム…お返しします」
CoP「…ありがとうございます」
美優「これ…本当はCoPさんのものじゃないのですよね?」
CoP「…そう信じていただけると嬉しいです」
美優「プロデューサーさんが誕生日プレゼントに…ぎ、ぎ…」
CoP「ぎり☆妹」
美優「はい…それを、を贈る様な人じゃないと分かって、安心しました」
CoP「ははっ、そうですか…それはよかったです」
CoP(そもそもこいつさえなければ、こいつさえ無ければ…!)
12 :
美優「プロデューサーさんも…やはりああいうものに興味はあるのでしょうか?」
CoP「はい?…まあないと言えば嘘になりますが…どうしてそんなことを?」
美優「少し、気になっただけです…あの、プロデューサーさんはこの後どうされるつもりですか?」
CoP「え?…家に帰って、ゲームで遊ぶ予定ですが…」
CoP(それと友人にこのゲームを叩きつける予定)
美優「…私も、ご一緒していいでしょうか?」
CoP「ふぇ?」
美優「あのゲーム…私も興味があって…」
CoP「…美優さん?」
美優「今日、お家にお邪魔してもいいでしょうか?」
偶然が重なった場合、それは必然となる――俺がいつしか、どこかで聞いた言葉だ。
これが運命で、必然というのなら、俺は運命に感謝するべきなのだろう。
13 :
ここまでです、ありがとうございました
『ぎり☆妹』誰か作って下さい
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