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【ミリマス】桃子「私のサンタさん」


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1:
前作
【ミリマス】静香「未来はサンタさんに何をお願いしたの?」 未来「へ?」
のサイドストーリーてきなやつです
端的に言えば、桃子がサンタさんを信じていない話です
2:
 近々、劇場でクリスマスパーティをするらしい。
 俺がその情報を得たのはほんの数日前。クリスマスの装飾をしている最中に、この劇場のアイドル???佐竹美奈子からそう提案されたのだ。本来はこちらからクリスマスパーティの企画を持ち寄るつもりであったが、アイドル主体のパーティというのもおもしろいと思い、この件はアイドルたちに一任することにした。
 最初は美奈子とその周辺のメンバーが準備をしてくれていたのだが、噂は広がり、今ではほぼ全員が手伝いに参加している状況だ。各々の得意なことを活かし、装飾、料理、出し物、などただの身内パーティで終わらすには勿体ないほど豪勢なものが出来上がりつつある。アイドルたちが、パーティを楽しいものにしたいと思う気持ちを、すぐに仕事に結び付けて考えてしまうのは俺の悪い癖だろうか。
3:
 そんなことを考えているうちに、あれよあれよと日は過ぎ去りパーティ当日、24日になった。天井まで届きそうなクリスマスツリー、壁一面の切り絵、ツリーに負けないくらいの高さを誇るクリスマスケーキ、テーブルいっぱいに並べられたサンタコスチュームの茜ちゃん人形…… は違うか。劇場の小さな一室が、無限大の夢が詰まったテーマパークへと変化を遂げた。
 会場を見渡す。本当によくぞこれまで立派な会場を準備してくれたと思う。この絵は可奈が描いたもので…… こっちのは育か…… それとこの良く分からないのは…… 静香だな。
 会場一つにつけても、アイドル一人ひとりの個性が眩しいくらいに光を放っていて、これを見れただけでも全員のスケジュール調整を頑張った甲斐があったと思う。あとはこの輝きが連鎖反応を起こして相乗効果を生み出すようにするのが俺の仕事だ。無限の可能性に興奮を覚え、年甲斐もなくワクワクしてしまった。
4:
 部屋の鑑賞を続ける。本当にどれも面白いものばかりだ。しかし、まつりが未来に馬乗りになっているものだけは良くないのだろうか…… 後で未来は説教だな。
 一つの絵を見つける。母親と父親に挟まれて嬉しそうにしている女の子の絵だ。プレゼントを貰って嬉しそうにしている。この絵を描いたのは、
「あ、こんな所で何してるのお兄ちゃん?」
突然、背後から声をかけられ振り向く。声の主は周防桃子、765プロライブシアターの一員で、この絵を描いた張本人だ。
「何を面白そうに見ているのって、あっ……」
桃子の顔が僅かに暗くなる。それもそうだ。彼女の家庭事情は決して円満とはいえないものである。少々焦りを含んだ声で続ける。
5:
「へぇ? いい絵だね。誰が描いたんだろうね? 育とかかな?」
周防桃子を深く知らない人間なら見逃していた違和感だろう。しかし、俺はこれを見逃さず、そして確信に至った。この絵を描いたのは間違いなく桃子だ。99%の予想が100%の確信に昇華した。俺は気づいていないふりをする。
「そうだな。俺も全然分からないけど、みんなが集まった時に聞いてみるよ」
「お兄ちゃん、せっかくのパーティなのに犯人捜しみたいなことしちゃ空気を悪くしちゃうよ。知らないからこそ、いいこともあるんだよ」
「そう言われちゃしょうがないな。この件に関しては胸の中にしまっておくよ」
 そう言うと桃子は安心したのか、頬を緩ませた。しかし、俺の頭の中では依然、バツの悪そうな桃子の顔が消えることはなかった。
6:
それから程なくしてアイドルたちは全員集合しパーティは始まった。企画までしっかりと練られていてビンゴ大会や、プレゼント交換など楽しいものばかりだ。俺はというとこの日のために準備してきたプレゼントを皆に配っている。子供組はもちろんのこと、大人組には特に喜んで貰えたみたいでよかった。そして次は、桃子の番だ。
「メリークリスマス、桃子。俺からのクリスマスプレゼントだ」
「お兄ちゃん、みんなの分準備したんでしょ? 大変じゃなかった?」
「いや、みんなの喜ぶ顔が見れると思うと全然苦じゃなかったよ」
「随分自信家だね。呆れた。それにしても……」
桃子は俺の姿をジロジロと見る。
7:
「あはははは! お兄ちゃん、サンタの格好全っ然にあってないね!」
「うぐっ…… まぁ分かってたけどさ……」
「これ見て似合ってるなんて言ってくれる人は誰もいないんじゃない?」
思い返してみれば、確かに誰にも言われてないような…… いや、星梨花だけは言ってくれたような……?
「うっせえな。そんなこと言うならプレゼントは没収するぞ」
「!! 嫌だよ、これはもう桃子のだもんね♪」
「ははは、冗談だよ」
桃子にプレゼントを渡し終えて、俺はまだ渡せてないアイドルたちに残りのプレゼントを配った。全て配り終えるころにはもう十分な時間になっていた。大人組が二次会の予定を立てているのをよそ目に、俺は未成年組を家まで送り届ける。
8:
「プロデューサーく?ん! 終わったらいつものところ行くわよ?!」
俺は分かりました、と告げるだけして送迎の準備に取り掛かる。音無さんや青羽さん、社長と協力して、家までの距離や年齢を考慮し、順番に車で送り届けていく。そして最後の一人となった
「悪いな、杏奈。最後になってしまって」
「ううん…… 杏奈、いつも遅くまで起きてるから…… 大丈夫です」
「何度も言ってるけど夜更かしはあまりしないようにな…… サンタさんは眠っている良い子のもとにしか来ないんだぞ?」
「大丈夫…… お母さんが、昼間においてくれる……」
こいつ、確信犯か。こういう媚びの売り方は芸能界でも使えるのだが…… 複雑な気持ちだ。
9:
「全く…… 杏奈よりも下の子でもプレゼントを貰ってない子はいるんだぞ?」
そう言うと杏奈は少し声音が上がった。
「それって…… 桃子ちゃんのこと……?」
急に桃子の話を振られて、少し動揺してしまう。思い返してみれば、桃子は俺たちにサインを示していたではないか。桃子が描いた家族の絵、冗談を言った際も少し過剰な反応だった。そしてクリスマスプレゼントを貰っていないという事実。全てが今繋がった。
10:
「プロデューサー……?」
「す、すまん。運転に集中しててな。それよりさっきの話、本当か?」
「うん…… 本人がそう言ってたし……」
「……」
桃子は賢い子だ。自らの家庭環境を理解し、これ以上の破滅を防ごうとしている。劇場でこそわがままお姫様だが、家に帰ればわがままなどは一切言わないだろう。クリスマスを楽しみたい、という欲求も胸の中で押しつぶしていたに違いない。
しばし会話が止み、俺は無言で車を進めた。最後の角を曲がったところで杏奈が口を開いた。
11:
「……プロデューサー」
「ん? 何だ、杏奈?」
「杏奈、いくらクリスマスでも…… クマよりもウサギのぬいぐるみがいい…… だから、このプレゼント…… プロデューサーの、ガールフレンドとかに…… 渡せばいいと、思うよ……?」
「杏奈…… ありがとう」
「ううん、忘れないでね…… 杏奈は、ウサギのぬいぐるみを…… ご所望♪」
「あぁ、トクベツいちばんデカいのを準備するよ」
12:
家族に杏奈を渡して俺は急いで劇場に戻る。本来、杏奈に渡すべきだったプレゼントは今もトランクに入ったままだ。時計を見れば11時を指している。あまり猶予はない。
劇場に戻ると既に音無さん以外の大人組が揃っていた。俺は息を切らせながら、口を開く。
「はぁはぁ…… すいません、みなさん! 少し、やらなくてはならないことができたので、 申し訳ありませんが、今日は帰らさせていただきます」
え?? などの非難の声が少々飛んでくる。構うものか。俺は周防桃子に笑顔を取り戻さなくてはならないのだ。
13:
「…… 何やら、訳アリのようだね? 真剣な眼差しをみて分かるよ。……プロデューサーの仕事はただアイドルに仕事を持ってくるだけでは務まらない。アイドル自身が楽しい、と思えるような、そんなプロデュースをしなくてはならないのだよ。くれぐれもアイドルを悲しませないでくれよ?」
「社長…… ありがとうございます!」
「君が来るのは一段落してからで全然構わないよ。その時は酒の肴になるようないい話を持って来てくれよ?」
「はい!」
社長から後押しを貰い、さっきまで着ていたサンタ服に着替え、再び劇場を出る。時刻は11時45分。随分と時間を食ってしまった。俺は急いで桃子の家に向かった。
14:
 サンタさんはトナカイに乗って空からやってくる。
 そんな幻想は私が女優を始めたその年に消えた。
 私が女優を始めて以来、母親と父親の関係は急に悪くなった。それまでは家族でどこかに出かけたり、誕生日を祝ってもらったり、と仲の良い一家だったと思う。しかし、私の女優業が波に乗り出した頃、私の教育方針で両親は真っ二つに分かれ、そのまま妥協点を見いだせずに今に至っている。怒りの矛先が私に向くこともしばしばあり、その時は決まって口を閉じて黙っていることしかできない。当たり前の幸せが、突然失われる悲しさを知って、私は大人にならざるをえなかった。
15:
 そして今年もクリスマスが来てしまった。世間が浮足立つのに対して、うちはいつも通り。しかし、今年は嬉しい出来事もあった。なんと劇場のみんなとクリスマスパーティができたのだ。私にはサンタは来ないけど、あんなに楽しかったんだからこれ以上望んだら欲張りだよね。そういえば、環と育にはちゃんとサンタが来たのだろうか。あの二人は私と違っていい子だから…… きっと今頃、枕の横にはプレゼントが置かれていることだろう。
 サンタのことを考えているとふと思い出し、時計を見た。時刻は11時57分、ちょうどいい時間だ。そろそろ夢から現実に戻らなければ、周防桃子でなくなってしまう。私は自分への戒めとして部屋の窓から夜空を眺めた。
16:
 3分後、日付が変わった。ずっと夜空を見ていたが何ら変化はなかった。はぁ…… やっぱり今年もサンタさんはいなかった。数年前から毎年行っている儀式のようなものだが、もう今年で潮時だろうか。1時1分になったらやめよう。そう決めて最後、窓の外に目を遣る。……時間だ。我慢していた寒さが急に強みを増した。もう寝よう、そう決めて振り向きかけた時、視界の隅で何か動いてるものを捉えた。
 私は驚き、もう一度、窓の外を見た。夜空は依然と静かなままである。しかし、見間違えではなかった。それは道路をせっせと走って私の家へと向かって来た。遠目で暗くて良く見えないが、帽子を被って大きな袋を持っている。あれは…… サンタなのだろうか?
17:
 私は興奮してそれに注目した。私の家に着いたと同時にインターホンを鳴らした。母親が出た。何やら話をしている。話が終わったのかそれは家の中に入った。足音が聞こえる。私の部屋へと向かってきている。私は慌てて布団に潜り込んで、寝たふりをした。
 「桃子ちゃん、お邪魔しまーす」
 声が聞こえる。きっとサンタだ。
 「プレゼント持ってきましたよ? 枕元に置いておきますね?」
 「……ねぇ」
 「おぅ!? 桃子……ちゃん!? 起きてたの!?」
 「サンタさん……なの!? 本物の!?」
 「えっと…… そうだよ。僕は本物のサンタだよ」
 「プレゼント持って来てくれたんだ! ありがとう! でも、どうしてここ最近持って来てくれなかったの?」
18:
 「うっ、え?っと、そうだねぇ、あはははは、実は地図を失くしちゃってね。桃子ちゃんの家を忘れちゃったんだ? 本当にごめんね?」
 「もう! さみしかったんだからね! 本当に…… 今年は来てくれてよかったよ……」
 「大丈夫! もうこれからは来年も再来年もぜ?ったい、来るから安心しててね!」
 「ふふふ、ありがとう。本当に、ありがとう、……プロデューサー」
19:
 「……いつから気づいてたんだ」
 「最初からだよ。こんな夜中にサンタの格好して走ってきて。そんな事する人、桃子、プロデューサーしか知らないよ」
 「あ?あ、やっぱり俺には演技の才能は無いな。何か、根本的にダメな気がする」
 「そんなので桃子を出し抜こうなんて、十年早いって思うな♪」
 「流石、元天才子役ってとこだな。でも、無理しなくてもいいんだぞ?」
 「っ!」
 「お前は天才子役になったと同時に、失ったものも大きすぎる。俺はそれを少しづつ取り戻してほしいんだ」
 「……無理だよ、周防桃子は結局、女優なんだよ。それは、お兄ちゃんが知ってるでしょ?」
20:
 「確かに、桃子の仕事の大部分は演技だ。でもお前の今の仕事は女優でも天才子役でもない。アイドルだ。だからお前を役者としては売り出さない。アイドルとして俺がプロデュースする」
 「でも、だからといって昔と変わんないよ!」
 「変わる!!!」
 「!」
 「俺がプロデュースする以上、大切な何かを犠牲にしてまでトップになってもらおうとは考えていない。これが俺の、765プロの方針だ。大切なアイドルに悲しい顔させたくないからな」
 「本当に……? 信じていいの……?」
21:
 「あぁ。それとも桃子は劇場のみんなを信用できないのか?」
 「そんなことっ……! ……ないけど」
 「だったら大丈夫だ。辛いときは俺や劇場のみんなを頼れ。一人で持てない荷物でもみんなで持てば軽くなるもんだ。だから……、辛さや悲しみは俺たちと分け合おう」
 「お兄ちゃん、そんなカッコで、キザっぽくしても、決まらないよ…… 本当に…… うぅ…… ぐすっ……」
22:
 涙が止まらない。まさかお兄ちゃんに泣かされる日がくるなんて。でも、胸のつかえは随分と軽くなった気がする。久しく触れてなかった人の温もりも十分に感じることができた。
 「桃子、今すっごく幸せ」
 「この程度で幸せになってもらっちゃ困るよ。桃子にはトップアイドルになってもらわなきゃだめなんだからな」
 「当然! 桃子を誰だと思っているの?」
23:
 「天才アイドルの周防桃子だよ!!」
2

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