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勇者「世界の半分くれるっていうから魔族側についた」


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魔王「暇だ」
勇者「そりゃあ世界征服終えたからな。統治や政治は優秀な部下がやってくれるからすることないしな」
勇者「というか、俺はお前が働いている姿を一度として見たことがないわけだが」
魔王「まさか、こんなにも暇になるとは思わなかった」
勇者「話しを聞けよ。まあ、いいや。約束を守ってくれるんならなんでもいいよ」
魔王「ああ、世界の半分だな。やるよやるよ。そんくらい」
勇者「随分と適当だな」
魔王「だって私を殺せるのはお前くらいで、そのお前が仲間になるんなら、これくらい安い安い」
勇者「ビジネスパートナーだと思って欲しいね」
勇者シリーズ
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3: 以下、
むしろ魔王を殺して全世界を掌握すべき
6: 以下、
魔王「そういうお前は随分とドライだ。損得で全てを判断するのは楽しくないぞ?」
勇者「そういうもんさ、人間は」
魔王「そういうもんかね。だとしたら私は魔族でよかったよ。私はあんなにも簡単に仲間を裏切り、背後から突くようなことなんてしたくない」
勇者「仕方ないだろ。あいつら、絶対説得になんか応じなかったぜ。だまし討ちでもしないとこっちが危なかったよ」
魔王「相当なゲスだね、お前は。まあ、いいよ。ゲスでも。私はどんな奴でも仲間は大切にするんだ」
勇者「お優しいこって」
魔王「ところで領土の話しだけれど、めんどくさいからこの地図を半分に線をひいて、右が私。左がお前でいいかな?」
7: 以下、
適当すぎんだろwwwwwww
8: 以下、
魔王ヤル気ねー
10: 以下、
勇者「まあ、それでいいかな。後、すこし部下をわけてくれよ。流石に俺一人じゃ統治できないって」
魔王「そうだな……。おい、幹部A」
幹部A「お呼びでしょうか?」
魔王「これから勇者のサポートにつけ。お前の所の血族も一緒にだ」
幹部A「御意に。これから一族共々よろしくお願いします、勇者様」
勇者「あー、こっちもよろしく。じゃあ、さっそくだけれど、これからのことについて話し合おうか」
12: 以下、
勇者「おーい。王様。お久しぶり」
王様「貴様! ……裏切り者がなんのようだ。殺すならさっさとしろ」
勇者「うんうん。冷静さを直ぐ取り戻す辺りが、流石王様だよね」
王様「魔族に世界が支配された今、王もなにもあったものではない。人は皆、家畜同様だよ」
勇者「今までのパワーバランスが逆転しただけで随分とまあ、すごいことを言うね。王様。」
王様「王などここにはいない。いるのはただ敗北した惨めな老兵だ」
勇者「いやいや、それがそうでもないんだな、王様。まだまだ引退してもらっちゃ困るんだよ」
13: 以下、
王様「……どういうことだ?」
勇者「まあ、なんというか。もう一度、統治して欲しいんだよね。国を。名目だけでもいいから」
王様「なんだと!?」
勇者「ほら傀儡国家ってやつ? 生き残った人間に暴れられても困るし。やっぱり顔ってのは大切だよ」
王様「断るとは、言えないのだろうな」
勇者「賢明すぎると生きてるの辛いよね。無駄な脅しをしなくてすんだよ」
94: 以下、
>>13
☆新一っぽい
14: 以下、
勇者「やー、うまくいったよ。王様怒りすぎて憤死したらどうしようとか思ってたけど、案外に冷静だったね」
幹部A「おめでとうございます。これで統治は少し楽になりましたね」
勇者「まーね。既存のシステムを乗っ取る方が楽だし、効率的だし」
幹部A「彼の治めていた国は西国国土にして約七割になります。ほかの部分はいかがしましょうか?」
勇者「統合しちゃうよ、そりゃ。にしても西国って何? もしかして俺と魔王の国を西国と東国にしたの?」
幹部A「少なくとも、魔王様のところではその名称で定着しているようです」
勇者「なんか、本当にびっくりするぐらい適当だよね。あの魔王」
幹部A「いい加減を絵に描いたような魔族ですから」
16: 以下、
勇者「まあいいや。とりあえず、国境付近には関所みたいなの建設しといてね。海域には結界でも俺が張っておくから」
幹部A「結界なんて張れるのですか?」
勇者「勇者は昔から人が出来ることなら何でも出来るんだよ。そういうふうになってるから」
幹部A「そういうものですか」
勇者「そういうものだよ。後、無計画な人間捕獲は赦さないから。それは君の一族にも言っておいてね。必要数はこっちで用意するから」
幹部A「それはまた何故?」
勇者「解らないかな。国民がいなければ、国なんてものは意味がないということだよ。魔族と俺とでは価値観が違いすぎるから、人間風な国造りをさせてもらうよ。」
勇者「もちろん、君たち魔族は人間よりも上位におかせてもらうけれどね」
幹部A「御意に」
18: 以下、
サクサク世界征服してくな
なんで最終決戦まで大人しく冒険してたんだ勇者
19: 以下、
憤死って歴史ものだとよくあるけどどういう死に方なんだろな
20: 以下、
魔王「おい、お前!」
勇者「……あれ? なんで魔王がここにいるの?」
魔王「暇すぎて仕方ないから遊びに来た」
勇者「俺はそこそこ忙しいのだけれどなあ」
魔王「馬鹿な。忙しいだと。私はこんなにも暇だというのに」
勇者「無能な怠け者は司令官向きだからいいんじゃない」
魔王「褒められた気が全くしないな」
勇者「事実、褒めてないからね。で、どうしたの。随分とご立腹なご様子だったけれど」
21: 以下、
魔王「そうだ! 勇者、お前! あの結界はなんだ。すぐ取り払え」
勇者「えー、やだよ。そっちは凶悪な魔族もいっぱいいるし。最近ようやく安定してきたのに、そんな危険分子に不法侵入とかされたくない」
魔王「むむむ」
勇者「こっちの法律とそっちの法律は違うんです。それに適応できないでバカバカ人間が殺されたら洒落にならないよ」
勇者「それにどうしたのさ。急に。文句があるなら張った時に言えばよかったじゃない」
魔王「すり抜けるのにあんなに痛いと思わなかったんだよ!」
24: 以下、
わざわざ結界を通り抜けたんかいwww
25: 以下、
関所通してくれなかったのかwwww
22: 以下、
勇者「……幹部A」
幹部A「ここに」
勇者「魔王って馬鹿なの?」
幹部A「馬鹿ではありません。阿呆なだけです」
勇者「そうか。そうだな。じゃあ、お帰りはあちらだ、阿呆魔王。悪いけど案内してやってくれ部下A」
幹部A「御意に」
魔王「お前、昔から口悪いよな。本当に私の部下なの?」
幹部A「今は勇者様の部下です」
魔王「ですよねー」
26: 以下、
勇者「……大人しく帰るのか。かなり以外だな。終わったから扉の外で待ってなくていいよ、王様」
 ギィィィ(扉が開く音)
王様「……」
勇者「芋虫を噛み潰したような顔は止めて欲しいかな。というか老けたね、顔が」
王様「昨日一日で、ついに千人が魔族に喰われたよ」
勇者「魔族も数が増えてるからね。大丈夫だよ。千五百人が産まれたから」
王様「無理矢理、鎖につなげて孕ましてか!」
勇者「うん。解ってるじゃない」
王様「貴様! それでも人間かッ!」
勇者「嫌だな。人間だよ。彼女たちには悪いと思うけれど、五万人の犠牲で、一億人以上が救われるのだからいいじゃない。
勇者「彼女らのおかげで、一般人は襲われないわけだし」
27: 以下、
> 芋虫を噛み潰したような顔
やな想像させるなよ
つーか完全に勇者の方が魔王より外道じゃねーかwww
28: 以下、
王様「その一般人の七割は奴隷だ!」
勇者「やー、三年くらいかな。ようやく魔族側もお金という概念を認識し始めてくれたからね。三割も対等に立てることができて本当によくやったよ、王様」
王様「ギリィ(歯を食いしばる音)」
勇者「これからもよろしく。王様、有能だから。僕は今の人口の半分くらいになるものだと思っていたし、いや、ホント、よくやってるよ」
29: 以下、
まー侵攻した側が悪いとは言え
魔族大虐殺でめでたしめでたしとどっちが人道的かと言うと難しいところやね
30: 以下、
勇者、魔王よりおっかねえ
32: 以下、
幹部A「……というわけで、魔族の増加も頭打ちになり、一時懸念されていました人間の減少はまず起こらないでしょう」
勇者「いやいや、素晴らしいね。というより、魔族の増加の頭打ち早いね。国が出来てまだ五年くらいだよ」
幹部A「魔族はマナの絶対量で総数が決まりますから」
勇者「限界ってことね。後、報告書で気になったけれど、魔族の中でも貧富の差が出てるみたいだけど」
幹部A「ええ。金という思想を得たためだと思われます。どうしても知能の低い魔族は、貧困に陥りやすいようで」
勇者「差別は始まってる?」
幹部A「始まっております。我が一族でも魔族の奴隷を購入しておりますし」
勇者「ある程度は自然淘汰させるけれど、度がいきすぎれば問題だよ。東側にも人間のような生活を魔族にさせるな、って向こうの幹部さんに怒られたし」
33: 以下、
これ、このままだと冷戦に発展しね?
34: 以下、
東側がどんな惨状になってるのか考えると怖い
35: 以下、
魔王「私も仲間は大切にするべきだと思うな。魔族はみな兄弟。大切にすべきだ。おっと、勇者もその中に入るから心配するなよ」
勇者「気配を消して俺の後ろに立つなよ。びっくりするだろ」
魔王「ふん。あの滅茶苦茶痛い結界のお返しだ」
勇者「一応、上級モンスターも消し炭にするくらいの勢いでつくったんだけどなー」
勇者「人間の限界レベルをそんな簡単に超えられるとちょっと凹むかも」
魔王「簡単じゃない! 絡まるし、まとわりつくし、べたべたするし、びりびりするし、最低だぞ、あれ」
勇者「ていうか、そんなに嫌なら関所から来ればいいじゃない」
魔王「お忍びにならんだろう、それじゃあ」
勇者「どうせ仕事もないんだからお忍びじゃなくてもいいだろ……」
36: 以下、
勇者「いやー、魔族で議会を開いて、憲法をつくるところまで来たか。早いね」
幹部A「まあ、事実上の最高決定者は勇者様ですけれど」
勇者「王様も去年死んじゃったし。丁度よかったかな」
幹部A「彼は優秀でしたから。正直、議会なんてものよりも彼が一人いたほうがよっぽどよかったですよ」
勇者「あらら、珍しい。どうしたの?」
幹部A「議会というやつは遅すぎます。無駄な事務ばかり増えて。ああ、彼が存命中はもっと実りがあったというのに」
勇者「俺は仕事熱心な幹部Aに涙が出そうだよ」
37: 以下、
魔王「暇だ」
勇者「背後に立つなよ。ホント、なんでこんなやつに仕えていたの?」
幹部A「強いですから」
勇者「なるほど。道理だね。で、何用?」
魔王「おおう、そうだそうだ。幹部Dに伝言を頼まれたんだ」
勇者「(ぱしらされる魔王って何なんだろう)」
魔王「人間を少しわけてくれんか? こっちだと繁殖に失敗してしまってなあ」
勇者「どうせ無計画に殺し回ったんだろ」
魔王「うーん。人間殺しのどこが楽しいか私には解らないんだがなー、こう、ブームが……」
勇者「魔族に関しては馬鹿みたいに福祉厚生しっかりしているのに、人間に関しては本当に滅茶苦茶だね。笑えないよ」
42: 以下、
幹部A「……?(ここまで棘のある言い方は珍しいですね)」
魔王「頼むよー。ほんの二万人でいいんだ。今度はちゃんと繁殖させるからぁ」
勇者「駄目駄目。そうやってまた殺しちゃうんでしょ。管理が出来ないなら渡せません」
幹部A「(なんか犬を飼いたいとだだをこねている子供をあやしている、お母さんみたいだ)」
魔王「なあー頼むよー」
勇者「だーめ」
魔王「なあなあなあなあなあ」
勇者「プランをもってこい、プランを」
幹部A「(お母さんだな。本当に)」
 結局、二万人を二十ヶ月かけて東国におくる条約を結びました。
43: 以下、
しえん
45: 以下、
幹部Aと勇者の心情に含みがあっていいね
魔王自身の人間の扱いが魔族的じゃないのも面白い
47: 以下、
>>45
まだ魔王以外の魔族の生態がはっきりしないけど
ここで魔族的っていうのは主に暴力衝動とか征服欲みたいなもんと考える?
ほんと東側がどうなってんのかこわいわ
50: 以下、
>>47
まあそんな感じ
人間なんてヒャッハー!!、じゃなくて
あくまでそれなりに管理する気があってアホだから失敗してるだけだよねこの魔王
46: 以下、
勇者「街を散策できるくらいには暇になってきたなー」
幹部A「私は仕事量が激増ですよ。無意味な事務仕事は嫌いです」
勇者「君の所の一族を使えばいいのに。有能すぎて、他の者にやらせるとイライラするのかな?」
勇者「無能の使い方を覚えないと、後々で困るよ」
幹部A「最近、それを実感しております。我が一族も名誉心ばかり高くなってしまい……」
勇者「まあ、最も高貴な血、とか雑誌でも言われているしね」
幹部A「止めて下さい。恥ずかしい」
勇者「そこで恥ずかしいと言えるから、幹部Aはずっと僕の右腕なんだろうと思うよ」
51: 以下、
久々に面白いと思った
よし続けてください
52: 以下、
面白いぞ
支援
53: 以下、
一人称をたまに俺を僕に間違える低脳でごめんねー(^q^)
魔王「勇者ー!」
勇者「なんだ、最も阿呆な血の奴か」
魔王「? なにか言ったか」
勇者「べーつに。で、どうしたのさ、魔王。そんなに嬉しそうにして」
魔王「人間の繁殖に成功したんだ! お前にもらった人間が十万にもなったぞ!」
勇者「おお! すごいじゃないか。どうせ殺してしまうのだろうと思っていたけれど、やれば出来るんだな。東国」
魔王「私自ら運営をしていたからな(ふふん)」
勇者「なん……だと……」
54: 以下、
えっ?
55: 以下、
魔王がさいのうをはっきしだした
56: 以下、
魔王「大変だったんだぞー。人間は脆いからな。びっくりしたよ。あいつら一週間飯喰わないだけで死ぬんだな」
魔王「病気で死ぬし、怪我で死ぬし、疲れて死ぬし。死に安すぎだろ、人間!」
魔王「それなのにな私の部下ときたら、それはもう乱雑に人間を扱うんだ。もうね、見てられない。私がやるしかないと思ったよ」
勇者「まともな……ことを言っている……」
魔王「褒めていいぞー、勇者ー」
勇者「お前は誰だあーッ! この偽物め!!」
魔王「おおい! 何をする、私は本物だぞ」
勇者「馬鹿を言え! 魔王はもっと、こう、残念なやつなんだああああああ!!!!」
59: 以下、
作物育ててる感覚だな
58: 以下、
勇者内心穏やかじゃないぞ
魔王暗殺近いで
62: 以下、
勇者「……(ボロボロ)」
魔王「すまん。やりすぎた」
勇者「いいよ、俺が悪いし。魔王のほうが強いなんてことは最初から知ってたし」
魔王「でも、お前も私を殺せるくらいには強いよ」
勇者「それは俺が勇者だからだよ。実力的には人間の限界点くらいしかないさ、俺は」
魔王「そうかなー。お前と対峙すると命の危険というやつを感じるのだけれど」
勇者「魔王の本能だろ。きっと」
魔王「そうかもな。私は三十七回目の生まれ変わりだから、三十六回は勇者に殺されているわけだし」
66: 以下、
勇者「百回中三回くらいだよ。お前を殺せるのは」
魔王「まあ、勇者と私は仲間なわけだから、関係ないけどな」
勇者「ビジネスパートナーだと最初に言ったろうが」
魔王「私が仲間だと思ったから、それでいいんだ」
魔王「勇者は自分の仲間を平気で裏切るゲスだけど、私はそんなゲスを仲間にひきいれた。だから勇者は私の仲間なんだ」
魔王「たとえ裏切られても後悔はないよ。私はゲスな勇者と違って、仲間が大切なんだ」
68: 以下、
( ;∀;)イイハナシナノカナー
69: 以下、
勇者「……」
魔王「じゃあな、勇者。勇者は、勇者だけど、一応は人間なんだから身体に気をつけろよ。本気で攻撃して悪かったな」
勇者「……待てよ」
魔王「なんだ?」
勇者「人間、よくそこまで増やしたな。すごいな、お前」
魔王「! ま、まあな。じゃあ、私はこれでいくぞ」
勇者「……」
幹部A「なんか、滅茶苦茶部屋に入りにくい」
72: 以下、
勇者「なんか議会が俺に逆らい始めてワロタ」
幹部A「基本的に名誉のために議員やっているような連中ですし、選挙選挙で馬鹿ばかりです。やはり彼は素晴らしかった」
勇者「本当に王様をリスペクトしてるな、幹部A」
幹部A「ええ、本当に。彼が生前だった頃は何も感じませんでしたが、やはり死んだ後にその者の本当の価値が解りますね。彼がいかに聡明で、理知的だったか……。惜しい人をなくしたものです」
勇者「王様か……。なつかしいな。天国でのんびり暮らしているといいね」
幹部A「そういう思想は魔族にはありませんが、そうですね。死後、彼の魂が安息であればと思います」
74: 以下、
魔王「そういえば勇者って人間なのに歳をとらないな」
勇者「勇者は魔王を倒すためだけに産まれてくるから、幼年期で肉体がピークを迎え、それ以降は老いないんだ」
魔王「ほほう。それは知らなかったな」
勇者「寿命も人よりは長い。そうだな、百五十年くらいは生きられるぞ」
魔王「そうかそうか。ちょっとほっとしたよ」
勇者「どうして?」
魔王「人間は直ぐ死ぬからな。仲間が五十年やそこらで死んでしまったら悲しいじゃないか。まあ、百五十年も十分に短いけれど。ちなみに今、何歳だ?」
勇者「……二十二、だったか」
魔王「早熟すぎだろ!」
77: 以下、
それは本当に人間なのか
76: 以下、
しかしほんと面白いから困る
80: 以下、
勇者「大分国も発展してきたなあ」
議員A「やや、もしやとは思いましたが、もしやもしやの勇者様ではありませんか」
勇者「え、ああ。なんだ。第一党の議員Aじゃないか。何してるの?」
議員A「我輩はあそこの建築現場の視察がありましてな。ここで会ったのも何かの縁。ささ、ご一緒に」
勇者「(まいったな。でも、こういうところで議員と縁を深めていかないといけないし)」
勇者「まあ、暇ですし。お供しますよ」
議員A「お供などととんでもない。勇者様にそのようなことを仰るような奴がいれば、そいつは国家反逆罪で逮捕ですな!」
勇者「まあ俺の国だしね」
81: 以下、
職員「これはこれは議員A様。よくぞいらっしゃ……勇者様!? あ、ああ、あの、これはどういう……?」
議員A「騒がなくともよいよい。まあ、勇者様を見て騒がずにいられる者なんて、そうそういないでしょうがな、がははは」
勇者「(権力の誇示に使われるっていうのは気分悪いね)」
勇者「悪いね。ちょっと一緒に視察することになってさ。まあ、迷惑かけないから」
職員「い、いえ! 是非ともよろしくお願いします!」
82: 以下、
職員「私どもの会社では魔族の奴隷は倫理的に反するということで、人間の奴隷のみを採用しております」
奴隷A「ううぅー、あー」
奴隷B「ぐうううう、畜生。あれだけの飯で力がでるか。くそったれ……」
奴隷C「あぁああぁああぁあ……」
勇者「(体中擦り傷だらけ。頬はこけて、目はくぼんでいる。栄養状況が悪いのだろうな)」
職員「未だに劣悪な環境で魔族を働かせるという、企業もございますが、私どものところではそんなことは一切おこなっておりません」
議員A「すばらしい主義ですな! 勇者様もそう思われるでしょう?」
奴隷D「ふぅ、ふぅ、ふぅ(足を止めて少しばかり休憩している様子)」
現場監督「(石を投げつける)」
 奴隷Dは一瞬、身体を強ばらせ、びくびくと怯えながら業務に戻った。
勇者「ああ、そうだな。東国ではもっとそういった魔族権利というものが充実しているし、西国もそういうところは見習わなければならないな」
85: 以下、
支援
86: 以下、
勇者「……」
幹部A「ああ、勇者様。探しましたよ(酒臭い?)」
勇者「幹部Aか。すまないな。俺のことなんか探させてしまって」
幹部A「何を言っているのです。飲み過ぎですよ(勇者様が酒を飲んでいるなんて初めてだ)」
勇者「駄目だ駄目だ。飲み足りない。死ぬまで飲むんだ、俺は」
幹部A「何を馬鹿なことを言っているのです。さあ、帰りますしょう」
勇者「馬鹿だよなぁ……。本当なあ……」
幹部A「ほら、肩をかしますから」
勇者「なあ、知ってか。幹部A。俺、魔法使いのこと好きだったんだぜー」
幹部A「魔法使いって誰ですか。さあ、しっかり(誰かにふられたのかな。そんなそぶりは全くみせなかったけれど)」
勇者「馬鹿だよなぁ……」
95: 以下、
これは面白そうだ。
109: 以下、
?
141: 以下、
勇者「頭が痛い。爆発するの? え、なにこれ。炸裂するわけ?」
幹部A「飲み過ぎですよ」
勇者「くそー。殊勝に議員Aの宴会についていくんじゃなかった。人生、初酒でこれは酷いよ。二度と酒なんて飲まないね」
幹部A「お水です」
勇者「ありがとう」
幹部A「やるべきことは一段落ついてますし、今日一日くらいゆっくり休養なされたらいかがですか? 建国以来、働きづめですし」
勇者「悪いけどそうしようかな。脳味噌じゃなくて鉄球がつまっているような気分だ……」
142: 以下、
素直に支援
177: 以下、
魔王「どうした、勇者。ついにお前も私みたいに暇になったのか」
勇者「二日酔いというやつだよ。頭が痛いから、あまり話しかけるな」
魔王「人間は脆くていかんな。私を見ろ。いつも超絶元気だぞ」
勇者「馬鹿は風邪をひかないというのは本当だったようだ」
魔王「ゲスは風邪をひくんだな」
勇者「ゲスだからな。恨みをかっているんだろうよ、きっと。それに風邪じゃねえ」
子供「……」
勇者「ところで、あの子供はなんだよ。見たところ人間ぽいけど」
184: 以下、
魔王「ああ、私の人間農場で育てた人間だよ。私の付き人にすることにしたんだ」
勇者「へえ。それは酔狂なことをするな。なんでまたそんなことを」
魔王「情がうつった」
勇者「は?」
魔王「情がうつった」
勇者「魔王が人間に情をうつすとかあるんだな。信じられん」
魔王「まあ、人間農場の経営者だしなー。愛着くらいはでるさ」
子供「……」
勇者「ふーん」
子供「……」
194: 以下、
魔王、幹部Aにも会いたいとこの場を去る。
子供「……(じー)」
勇者「……」
子供「……(じー)」
勇者「なんだよ、じっと見て。気になるじゃないか」
子供「なんで、勇者様は人を捨てたの?」
勇者「誰でも躊躇うだろうことを平気でやる子供って凄いよね。尊敬するけど、とても真似できない」
子供「?」
勇者「力量差と、相手が自分にとってどういう関係か。それは知るべきだ。その質問は賢明でないよ」
勇者「世の中、事実を言われると怒る輩もいるんだ」
子供「怒った?」
勇者「怒ってないさ。ただ、賢く生きることを、先輩として子供に教えているだけだよ」
子供「?」
勇者「まあ、賢明すぎると生きてるの辛いけれどね」
195: 以下、
どんなエンドが待ってるんだ
196: 以下、
面白い
197: 以下、
幹部A「どこの誰にふられたのか知らないけれど、この国の持ち主なんだから力ずくでものにすればいいのに」
幹部A「まあ、おかげで休んでもらう口実になったから別にいいか」
幹部A「それにしても、やはり、この書類の山をどうするべきか……」
魔王「やあ、幹部A」
幹部A「ああ、魔王様。またいらしてたのですか」
魔王「なにせ暇だからな。人間農場の運営も、もはや私がいなくてもなりたつし」
幹部A「はあ、そうですか。では、私は仕事がありますので。お帰りはあちらですが、お一人で大丈夫でしょうか?」
魔王「まあから思ってたけど、幹部Aは私のこと嫌いだろ」
幹部A「いえいえ、滅相もない」
魔王「まあ、いいけど。勇者をいたわってやれよ。あれは勇者でゲスだけど、人間なんだ。びっくりするくらい脆いぞ、あれ」
魔王「勇者はいつも忙しそうにしている。知ってるか? 人間は忙しくても死ぬんだ」
199: 以下、
間違えて書き込むを押しちゃう低脳でごめんねー(^q^)
読みにくいだろうから、一行空けverもおいておくよー。
幹部A「どこの誰にふられたのか知らないけれど、この国の持ち主なんだから力ずくでものにすればいいのに」
幹部A「まあ、おかげで休んでもらう口実になったから別にいいか」
幹部A「それにしても、やはり、この書類の山をどうするべきか……」
魔王「やあ、幹部A」
幹部A「ああ、魔王様。またいらしてたのですか」
魔王「なにせ暇だからな。人間農場の運営も、もはや私がいなくてもなりたつし」
幹部A「はあ、そうですか。では、私は仕事がありますので。お帰りはあちらですが、お一人で大丈夫でしょうか?」
魔王「まあから思ってたけど、幹部Aは私のこと嫌いだろ」
幹部A「いえいえ、滅相もない」
魔王「まあ、いいけど。勇者をいたわってやれよ。あれは勇者でゲスだけど、人間なんだ。びっくりするくらい脆いぞ、あれ」
魔王「勇者はいつも忙しそうにしている。知ってるか? 人間は忙しくても死ぬんだ」
200: 以下、
幹部A「驚きの貧弱さですね」
魔王「そうそう。貧弱なんだ。しばらくベットにでもくくりつけとけ」
幹部A「失恋で心も弱っているでしょうし、勇者様のほうにご提案してみたいと思います」
魔王「失恋?」
幹部A「ええ、どうも、魔法使いという輩がどうのこうのと……」
魔王「んー、その名前、どっかで聞いた気が?」
幹部A「それでは、本当に私は仕事がありますので」
魔王「どこだったかなー?」
魔王「あれ、幹部Aがいなくなってる」
魔王「……」
魔王「……帰るか」
202: 以下、
勇者「奴隷の人間が反乱?」
幹部A「ええ、どうやら。まあ三時間で鎮圧しましたが」
勇者「まあ、所詮は人間だからね。栄養状態も悪いし、健康状態も悪い。よぼよぼの身体じゃあ反乱だってまともにできない」
勇者「それどころかそんな真似をしようと考え、行動できる奴がどれだけいることか。これを煽動していた奴は大した奴だよ」
幹部A「それなのですが」
勇者「うん?」
幹部A「その首謀者と思われる男が『自分は勇者だ』と名乗りをあげているらしく」
勇者「ふーん。偽物?」
幹部A「そのように思われていたのですが、どうもマナを見てみると……」
勇者「勇者が一世代に二人か。珍しいこともあるものだ。捕まえた?」
幹部A「いえ、逃げられてしまいました。深追いした隊はどれも全滅に近い有様で」
勇者「魔王にも、伝えたほうがよさそうだね」
203: 以下、
しえん
206: 以下、
勇者「魔王を呼んできてもらえるかな?」
幹部A「御意に」
 ぶん、と音をたてて幹部Aが消える。
勇者「……さて、と。これで俺の策が全て成ったわけだけれど」
勇者「勇者は人の希望。絶望が大きければ、また勇者も強くなる」
勇者「俺は人間の限界点程度の力しかなかった」
勇者「魔王は強すぎる。あれには勝てない。まず、勝てない」
207: 以下、
この勇者は、もはや世界から勇者って認められてないんだろうな
208: 以下、
なるほど、自分より強い勇者を生み出すために…
209: 以下、
勇者「人間を守りながら、強くなろうと思った。人々が苦しめば、勇者は強くなる」
勇者「けれども、俺の力は上下しなかった」
勇者「得心がいった。新たな勇者のほうに力がいっていたのだ」
勇者「そして、古い勇者は……」
 しおしおしお
勇者「老いていくか。世界も人も、あちらを正しい勇者として認識したようだ」
勇者「俺はもう、ただの男だ。老兵だ」
 しおしおしお
勇者「ああ、これは死ぬな。老いる度に体力がついていっていない」
 しおしおしお
勇者「……最期に、報われた気分だよ」
勇者「魔法使い……。すまなかった」
214: 以下、
勇者マジいいやつ
216: 以下、
てか戦争に負けた種族なんて生かしてもらってるだけありがたく思えよ。
人間側が勝ったらどうせ魔族を皆殺しにするくせに。
やってることはどっちも変わらんな。
218: 以下、
魔王「死んでいる」
幹部A「これは……どういうことでしょうか」
魔王「安らかな顔だ。こんな表情を浮かべることができたんだな、お前は」
幹部A「魔王様……」
魔王「ゲスな勇者はいない。幹部A。これからはお前がこの国の最高責任者だ」
幹部A「……」
魔王「私はお前に世界を半分こにできて、本当によかったよ」
魔王「ああ、そうだ。ようやく思い出した」
魔王「魔法使いはお前の仲間だったな」
魔王「後悔だらけだったんだろうな、お前の人生は」
魔王「死ねて、よかったな。私は少し、悲しい」

223: 以下、
>>218
後の勇者との描写も欲しかったけど、結局前勇者の頑張りが実って世界が平和になっておしまいなんだろうなぁ。
乙。面白かった。
221: 以下、
大層乙であった
222: 以下、

224: 以下、
昨日一睡もできず、ノープランで投下したSSがここまで続くとは思わなかった。
まさしく皆のおかげ以外のなにものでもありません。
本当にありがとう。
SS投下自体も初めてで、凄くどきどきしました。
今はすごく眠いです。
なんか質問があったら答えようかと思うけれど、そういうのは蛇足かな?
235: 以下、
>>224
書き溜めてたの?書きながらストーリー考えたの?
後は書き手のイメージしてた勇者の姿や魔王の姿、幹部Aの姿が知りたいな。
237: 作者 2010/07/16(金) 23:59:38.90 ID:PNiTFqhe0
>>235
書きながら考えてたよー。
いま少し計算したけれど、五時間くらい書いてたわけだね。
楽しかったけれど、疲れたな。眠いし。
勇者→死んだ魚みたいな目で、なんかニタニタしているイメージ。ちなみに一番尊敬していた人は王様。
魔王と幹部Aは正直、あまり想像をしていなかった。
ちなみに幹部Aはスライム系上級種。
227: 以下、
お疲れさん
229: 以下、
おつ
231: 以下、

232: 以下、
一瞬で第2章の「悪魔的な強さを得た勇者と人間的な心を得た魔王」まで脳内補完しちゃったぜ

242: 作者 2010/07/17(土) 00:05:08.24 ID:C2uC8R4P0
>>232
なにそれ、凄く読みたい。
233: 以下、

この後の勇者は魔王を倒したのかな
それもまた切ないな
236: 以下、
おつ
いろいろ考えてしまう終わりだった
250: 以下、
>>1乙
おもしろかたよー
それにしても、この勇者頑張ってるな。人生的に
253: 以下、
最初はほのぼのギャグかと思ったら後半シリアスで正座して読んでしまった
283: 以下、
これは久々に面白かった
302: 以下、
二回読むと勇者の印象が全然違うな
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コメント
1 不思議な
ノリが気持ち悪い。
2 不思議な
おもしろかったぞ
3 不思議な
魔王倒せるなら倒した方が世界掌握できるだろ
4 不思議な
懐かしい 同じ作者かな?
5 不思議な
でたでた、超絶有能完璧魔族の幹部。
6 不思議な
野暮な事言うけど別に勇者と魔王である必要性がないよね
7 不思議な
※6
背景描かなくても関係性を察せる最強の代名詞だからSSには必須でしょ
8 不思議な
懐かしいな…好きだわこれ
9 不思議な
なろうに似たようなのあったな
お前か?
10 不思議な
まおゆう時代の産物だな
好きだったがオリジナルがやらかしたからな
もう流行らん
11 不思議な

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