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( ^ω^)は最低な王様なようです


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むかしむかしのお話です
ブーンは歩くようです1『かつての世界と、文明の明日に心血を注いだ天才の話』
http://world-fusigi.net/archives/8873972.html
2: 以下、
ふむ
3: 以下、
あるところに野望に満ちた男がいました。
( ^ω^)「どいつもコイツもブーン様の肥やしにしてやるお」
やがて野望は暴走し、
( ^ω^)「とりあえず黒魔術だお!」
( ^ω^)「ククク…世界を僕の物にしてやるお!」
禁忌にまで手は及びました。
5: 以下、
壷に幾つかの材料を入れていきます。
ヤモリのしっぽ、
蜘蛛の足、
満月の涙、
夜を溶かしたスープ、
置き去りにした悲しみの香辛料、
最後に男の生き血を少し、たらします
( ^ω^)「さあ!邪悪な魔女さん!僕に力を貸すお!」
6: 以下、
支援
7: 以下、
おもしろそう
8: 以下、
もくもく、もくもく
壷から煙が立ち込めます。
そして立つのは一人の女性。
ξつ?-)ξ「なによもう……」
男が呼び出した、魔女。
どんな願いも叶え、代償に、
来世を貰う。
そんな伝説の、魔女。
9: 以下、
しえん
11: 以下、
( ^ω^)「へいへい!魔女さん!願いを叶えてくれお!」
ξ゚?゚)ξ「……いいけど、わかっているの?」
願いを叶えるということ。
それは呪縛、死して逃れられない地獄への道。
( ^ω^)「わかっているお!」
ξ゚?゚)ξ「……」
( ^ω^)「それでも僕はどんな奴よりも偉くなりたいんだお!」
そうして、
12: 以下、
「わかったわ」
願いは始まりました。
13: 以下、
しえーん
14: 以下、
( ^ω^)は最低な王様なようです
16: 以下、
(*゚ー゚)「……」
人々の足音に掻き消されそうな少女がいた。
純粋そうな瞳、しかしその実、何も見てはいない。
彼女には何も、ない。
(*゚ー゚)「今日はパン屋さんに行こう」
そこならば残飯を貰えるかもしれない。
もしも駄目なら?
その時はその時だ。
18: 以下、
wkwk
19: 以下、
( ^ω^)「クックック…」
男は歓喜していた。
手に入れた。力を。
この世で今、なによりも頼りになる力。
財力を。
ξ゚?゚)ξ「三つまでなら聞くけど?」
( ^ω^)「どうしようも無いときに他はたのむお」
ξ゚?゚)ξ「ふうん」
( ^ω^)「お金があればなんだってできるお」
20: 以下、
ふむふむ
21: 以下、
( ^ω^)「王様になるには使用人が必要だお」
金があれば、なんでも出来る。
食べ物が買える。
服が買える。
家が買える。
人が買える。
心だって、買える。
てくてくと町を歩いていく。
何を、買おうか。
23: 以下、
(*゚ー゚)「どうかパンを頂けないでしょうか?」
(*゚ー゚)「どうにもお腹が空いて仕様が無いのです」
媚びを売るのは慣れている。
始めは四つの時、数では既に数え切れないくらいに売った。
(*゚ー゚)「お願いします」
それでも、
「家無しは店にはいるんじゃない!」
(*゚ー゚)「お願いします」
うまく行かないときは、
(*;ー;)「お願いします」
どうしようもなく惨めになる。
25: 以下、
しえしえ
27: 以下、
とぼとぼと帰路に立つ。
(*゚ー゚)「……」
ああ、死んでしまおうか。
それとも既に死んでいるような物か。
そんな少女にとって、
( ^ω^)「さあさあ!誰か僕に命を買われたい物はいないかお!」
目の前で人々に叫ぶ男は、
(*゚ー゚)「……」
救いのようにも見えた。
30: 以下、
(*゚ー゚)「すみません」
( ^ω^)「なんだお?」
(*゚ー゚)「買われたらどうなってしまうのでしょう」
( ^ω^)「ふふふ…それはとてもひどいことになるんだお!」
(*゚ー゚)「ひどいこと?」
( ^ω^)「そうだおね、まず掃除や洗濯、食事の用意を全てさせるお!」
(*゚ー゚)「それから?」
( ^ω^)「以上!」
(*;ー;)「やります!嗚呼、神様ありがとう!」
(;^ω^)「え!?」
(*゚ー゚)
( ^ω^)
31: 以下、
wkwk
32: 以下、
まずは一人目。
使用人の少女を男は買いました。
( ^ω^)「え…ありがとうって…え…」
(*゚ー゚)「さあ!何を致しましょうか!」
( ^ω^)「ええ……」
( ^ω^)(もっと買われるって嫌がることな気が……)
(*゚ー゚)「さあ!」
( ^ω^)「えっとじゃあとりあえず、」
(*゚ー゚)「はい!」
( ^ω^)「僕の住んでる小屋掃除で……」
34: 以下、
まず家買えよwww
35: 以下、
「小屋…ですか…?」
「お城が建設に時間がかかるなんて知らなかったんだお……」
「小屋ですね!掃除します!」
「君はなんでそんな元気なんだお……」
39: 以下、
まずは一人目。
使用人の少女を男は買いました。
その様子を魔女は見ていました。
遠くからじっと見ていました。
ξ゚?゚)ξ「それであなたの願いは叶うのかしらね」
ξ゚?゚)ξ「時間は追ってくるわよ」
ξ゚?゚)ξ「逃げ切れるかしら」
ξ-?-)ξ「……まぁ、いいか」
「私には関係ないからね」
次の瞬間、彼女はそこには居ませんでした。
40: 以下、
しえーん
41: 以下、
その1 使用人の話
おしまい
42: 以下、
つぎつぎ!
43: 以下、
お城が建った時まで時間は進みます。
( ^ω^)「クックック…ついに僕も一国一城の主だお……」
(*゚ー゚)(掃除が大変そう)
<ヽ`∀´>(お城で迷いそうニダ…)
( ^ω^)(迷ったらどうしよう……)
次は先程まで居なかった<ヽ`∀´>のお話です。
彼は男に雇われたコックでした。
45: 以下、
ほうほう
46: 以下、
支援
47: 以下、
彼の一日は朝食の準備から始まります。
<ヽ`∀´>「朝ごはんはキムチと、」
<ヽ`∀´>「キムチと」
<ヽ`∀´>「キムチニダ!」
(*゚ー゚)「せめて卵ぐらい焼けるようになりましょうね…」
実は彼、全く料理が出来ません。
雇われるまではコソドロでした。
コックなんて縁のない仕事だったのです。
48: 以下、
おやおや
49: 以下、
少女を雇って少しした日の事です。
( ^ω^)「やはり王様にはコックが必要だお!」
(*゚ー゚)「包丁も無いのにですか?」
( ^ω^)
( ^ω^)「必要なんだお!」
男が目指すのは誰よりも上に立つ存在。
自分のイメージを崩すわけにはいきません。
男は町にコックを探しにいきました。
52: 以下、
<ヽ`∀´>「……たったこれっぽっちニダ」
手の平に硬貨を乗せて数える男がいました。
何日も何ヶ月もその行為を繰り返しました。
何日も何ヶ月も何年も。
数える硬貨はそんな毎日を変えてはくれません。
<ヽ`∀´>「お腹すいたニダ…」
53: 以下、
支援
54: 以下、
しえんだよ
55: 以下、
ふらふらといい匂いのする方へ歩きます。
何か買おう。
買って、それを食べて、考えよう。
こんな毎日はどうやったら変わるのか。
<ヽ`∀´>「……」
そんな時です。
<ヽ゚∀゚>「ニダッ!」
急に後ろから首を捕まれました。
58: 以下、
( ・∀・) 「なあなあオッサン」
<ヽ;`∀´>「ああ…」
( ・∀・) 「泥棒は悪いことなんだよ?わかる?」
<ヽ;`∀´>「あ、ああ……」
( ・∀・) 「わかってるよ。わかってないからするんだ、そうだろ?」
首を掴んだのは盗んだお金の持ち主でした。
(#・∀・)「なんでこんなことするんかなあ!」
ばきり、顔に痛みが走りました。
59: 以下、
支援
60: 以下、
何度も殴られました。
何度も蹴られました。
男、ニダーは謝るばかりです。
(#・∀・)「謝るくらいならなんでやるんかなあ!」
<ヽ ∀ >「ごめんなさい、ごめんなさい」
悪い事なのは知っています。
人に迷惑がかかるのも知っています。
それでも彼にはそれしかなかったのです。
63: 以下、
頑張れモララー!
64: 以下、
支援しておこう
65: 以下、
辞められるなら辞めています。
別の道があるならば、そちらへと。
でも、無い。
<ヽ-∀->「……」
他に道があったなら。
そんな事を思いながら道端にニダーは倒れていました。
こんな思いも一回や二回じゃありません。
66: 以下、
むう…
68: 以下、
( ^ω^)「コックはいないかおー」
男はコックを探します。
自分の、自分だけのイメージの王になるために。
人々に聞いて回ります。
( ^ω^)「コックにならないかお?」
しかし男の格好はみずぼらしくは無くても、極々普通。
そんな格好の男の誘いに乗るものは誰もいませんでした。
70: 以下、
「コックはいませんかおー」
「どこかにコックはいませんかおー」
そんな声が聞こえます。
仕事の募集は稀にある事です。
だけれどニダーにそんな技術はありません。
<ヽ`∀´>「……」
目を覚ましても、そこでその声を聞くだけでした。
73: 以下、
おもしろそう
しえん
74: ニダー終わったら一旦終わるよ 2010/07/05(月) 01:10:02.34 ID:A55ZIUfWO
<ヽ`∀´>「……」
いつからそうして居たのでしょう。
小一時間たったころです。
(;^ω^)「全然見つからないお…」
ふらふらと歩く男が見えました。
<ヽ`∀´>(まだやってるニダ……)
78: 以下、
(;^ω^)「こんなことならしぃにコックも兼任で……」
(;^ω^)「いやっ!コックが作った物を使用人が運んで王様の場所まで持ってくるのが理想系だお!」
(;^ω^)「この町にコックはいないのかお……」
( ^ω^)
( ^ω^)「……閃いたお」
( ^ω^)「どなたか!どなたか!」
( ^ω^)「コックになりたい人はいませんかお!」
<ヽ;`∀´>「……」
そんな馬鹿な。
遠くで聞いていたニダーは呆れます。
84: 以下、
支援
85: 以下、
思わず近づいて聞きます。
<ヽ;`∀´>「ちょっといいニダか?」
( ^ω^)「なんだお?」
<ヽ;`∀´>「なんでそんなわけのわからない事を…」
( ^ω^)「わけがわからないなんて事はないお、最終的にコックが手に入ればいいんだお」
( ^ω^)「一刻も早く王様になるんだお!」
<ヽ;`∀´>(そのためコックは必要なのかニダ……)
( ^ω^)「何なら君でもいいお!」
<ヽ;`∀´>「えっ」
88: 以下、
(*゚ー゚)「あ、お帰りなさい」
( ^ω^)「しぃ!みてくれお!」
<ヽ;`∀´>「……」
(*゚ー゚)「コックさんですか?」
( ^ω^)「そう!コック(未来の)だお!」
<ヽ;`∀´>(大丈夫…ニダ…?)
不安に満ちた始まりでした。
89: 以下、
「得意料理はなんなんですか?」
「……キムチニダ」
「始めて聞く料理だお……」
「きっと凄い料理ですね……」
<ヽ;`∀´>(不安ニダ……)
90: 以下、
その2
コックの話 終わり
91: 以下、
しえんえん
92: 以下、
頭がパーになってきたんで一旦終わり。
支援ありがとう。
一応その5で終わる予定。
95: 以下、
とりあえず乙
続き待ってるよ
96: 以下、
一旦乙
98: 以下、
面白い
99: 以下、
この空気好き
100: 以下、

雰囲気がいいな
105: 以下、
おもすれー!続き楽しみにしてるよ
乙!
113: 以下、

115: 以下、

116: 以下、
保守
120: 以下、
保守ありがとう
再開するよ
122: 以下、
ちょきちょき、ちょき。
(私はハートの形に切ってほしい)
ぱちぱち、ぱちん
(僕は綺麗に切り揃えて欲しいんだ、そのままの姿がいいんだよ)
124: 以下、
きた!
123: 以下、
「わかってる、わかってるよ」
じゃきじゃき、じゃきん
(ありがとう)(こんな風になりたかったんだ!)
(´・ω・`)「どういたしまして」
126: 以下、
僕は心を読めた。
人や、花や、木々の
どんな風に切れば木々が喜ぶかだって知っていた。
127: 以下、
支援よ
128: 以下、
嗚呼、だけど、
あなたの、あなたのためならば、
その3
庭師の話
129: 以下、
しえんしえん
130: 以下、
ショボンは心が読めました、
彼は庭師の息子に生まれ、
いつしか毎日仕事に励むようになりました。
(´・ω・`)「どうしたいのさ」
(星にしておくれよ、あの空に浮かぶ星に)
(´・ω・`)「わかったよ」
じゃきじゃき、じゃきん
(わあ嬉しいな!ありがとうショボン!)
(´・ω・`)「どういたしまして」
131: 以下、
ふむふむ
132: 以下、
植物の心を聞いて、切っていくと、
不思議と景色に彼等は溶け込んで、
世界を彩ってくれました。
「やあ!これは綺麗な庭だ!」
「きっと良い庭師がいるんだろうね!」
そんな声がよく聞こえてきました。
(*´・ω・`)(嬉しいな…)
ショボンもまんざらではありませんでした。
136: 以下、
ある日の事です。
ショボンはある良家の家に雇われました。
ショボンの腕を見込まれて、の事でした。
(;´・ω・`)(緊張するな……)
そこで彼は、
142: 以下、
「紹介しておこうか、こちらが娘のクーだ」
川 ゚ -゚)「よろしく」
(*´・ω・`)「あ、よろしくお願いします」
(*´・ω・`)(綺麗な人だな)
始めての恋をしました。
144: 以下、
しかし所詮、彼は庭師。
身分違いの恋に夢見る事など彼には出来ませんでした。
(´・ω・`)「どうする?」
(私はシルエットが三角形になるようにしてほしいな!)
(´・ω・`)「はいはい」
ちょきちょき、ぱちん
いつものように庭の手入れをしていた日の事です。
145: 以下、
(綺麗な庭だな)
(;´・ω・`)(あ、)
声が、聞こえました。
それはこの家の、
川 ゚ -゚) 「……」
お嬢様の心の声でした。
146: 以下、
ショボンは恋い焦がれました。
嗚呼、どうしたらあの人に見てもらえるだろう。
嗚呼、どうしたらあの人の心に触れられるだろう。
毎日、そんな事ばかり考えていました。
ちょきちょき、ちょき……
(-@∀@)「どうしたショボン?元気ないぞ?」
(´・ω・`)「いや、ちょっと疲れただけだよ、大丈夫」
仲間の庭師にもそんな事を言われてしまいました。
147: 以下、
しえしえ
148: 以下、
ある日、思いきってショボンはお嬢様に尋ねました。
午後の、彼女が庭でお茶をするときに勇気を出して。
(´・ω・`)「お嬢様」
川 ゚ -゚) 「ん?」
(´・ω・`)「お嬢様は、その、どのような庭がお好きですか?」
川 ゚ -゚) 「?」
川 ゚ -゚) 「私は今の庭が好きだぞ?」
(´・ω・`)「そうですか」
会話はそれだけ、ただそれだけでした。
でも、
149: 以下、
(この庭は好きだ)
(しいて言うなら、)
(私が好きな庭は……)
(こんな……)
(それで……)
その会話の中で、
お嬢様の心を覗きました。
どんな庭が好きなのか、
それをショボンは理解したのです。
152: 以下、
あなたが望むならそうしよう。
ちょきちょき、ちょき。
あなたがそれが好きならば、
ぱちぱち、ぱちん。
あなたが少しでも喜んでくれるなら、
じゃきじゃき、じゃきん。
例えそれが報われない思いでも、
155: 以下、
(´・ω・`)「……」
(待ってくれ!なんでそんな形に!)
じゃきじゃき、じゃきん。
(´・ω・`)「……」
(私はハートの形がいいの!どうして!?)
ぱちぱち、ぱちん。
あなたが、あなたが望むなら。
ショボンは植物達の声を無視し続けました。
159: 以下、
せつないの
160: 以下、
支援
163: 以下、
ショボンは心を読まなくても優秀な技術を持っていました。
じゃきじゃき、じゃきん。
ぱちぱち、ぱちん。
(´・ω・`)(お嬢様の好みはこんな庭なんだな)
少し、心が痛みました。
植物達の声を無視して、勝手に切っていく事は、
まるで暴力を振るっているようでした。
164: 以下、
やがて、
(頼むよ!どうして急に!)
彼には、
(聞いて……!いるん……!!)
ショボンには、
(……!……!!)
何も、
(…………)
何も、
165: 以下、
(´・ω・`)「静かだ……」
(´-ω-`)「とても、とても」
(´-ω-`)「押し潰されそうなくらい」
心の声が聞こえなくなりました。
166: 以下、
あぁショボン…支援
167: 以下、
(´;ω;`)
169: 以下、
やがて時が経ち、
お嬢様が結婚することになりました。
(´-ω-`)「……」
わかっていました、報われない、
元から叶わぬ恋なのです。
でも、一つだけ、一つだけショボンは望んでいました。
171: 以下、
結婚式では雇われている者たちが皆でお嬢様に贈り物をするのです。
コックは料理を、
使用人たちは職人に美しいネックレスを頼んだそうです。
そして、
そして庭師は、
「ひとつ、何か植物のオブジェを作ろうじゃないか!」
これがショボンの目標でした。
172: 以下、
ふむ
174: 以下、
オブジェは庭師が全員で作ります。
ただ、それを先導するリーダーは一人です。
長い間仕えました。
長い間庭の手入れをしてきました。
長い間お嬢様の望む庭を作ってきました。
(´・ω・`)(リーダーは、僕だ……)
ショボンはそう信じていました。
それで、それで僕の恋は報われる。
175: 以下、
何か怖い…
176: 以下、
しえん
179: 以下、
でも、
「オブジェを作る、リーダーは」
その願いは、
「アサピーだ」
(*-@∀@)「本当ですか!?」
「ああ、君だ」
(*-@∀@)「頑張ります!」
水泡に消えました。
180: 以下、
(;´・ω・`)「……え?」
誰よりもお嬢様の好みを理解した。
誰よりもお嬢様好みの庭にした。
ずっとずっと、
たくさんの声を無視してまで、
(;´・ω・`)「……」
ショボンは呆然と立ち尽くすだけでした。
182: 以下、
重いな……
支援
183: 以下、
ショボン… 。・゚・(ノД`)・゚・。
187: 以下、
(´・ω・`)「……」
夜に一人で庭の木々を見ていた時です。
とても懐かしい、彼等の声が聞こえてきました。
(アサピーは望んだように切ってくれたよ)
(私達の声は聞こえなかったけどね)
(彼は私達を見てくれていたよ)
いやだ、聞きたくない。
ショボンは耳を塞いでうずくまりました。
ずっと、ずっと。
190: 以下、
あなたのために切っていた。
あなたのために声を聞かなくなった。
あなたの望みを叶えたくて、
叶えたくて、
(´;ω;`)「……」
しくしくとショボンは泣くだけでした。
192: 以下、
おうふ
193: 以下、
支援
194: 以下、
結婚式の時です。
お嬢様と目が合いました。
川 ゚ -゚)
(´・ω・`)
とても透き通った目で、
ショボンには見つめる事など出来ず、
(;´・ω・`)「……」
思わず俯いてしまいました。
まるで、
まるでお嬢様の目が、
195: 以下、
「あの時の庭は素敵だったのに」
と、語りかけてくるようで、
196: 以下、
報われねえ…
197: 以下、
支援
198: 以下、
支援
199: 以下、
それからショボンは腑抜けてしまいました。
何をしてもぼんやりとして、
仕事にも身が入らなくなりました。
そして、
(´・ω・`)「さようなら……」
「さようなら」
ショボンは庭師を、
解雇されてしまったのです。
202: 以下、
(´;ω;`)
203: すみませんなんか回線?が重いです 2010/07/05(月) 19:34:58.30 ID:A55ZIUfWO
小さい時から庭師の仕事だけを教えられてきました。
ただそれだけをやってきました。
それ以外の仕事なんて知りません。
色々な家の庭師になりました。
色々な家の要望に応えてきました。
「いまいちだなぁ……」
(´・ω・`)「……」
「他の人のがいいや」
いくら望みに応えても……いや、応えようとすればするほど、
ショボンからは魅力の無い物ばかり生まれました。
204: 以下、
いつしかショボンはふらふらと、
ふらふらとふらふらと、
あてもなく、旅をするようになりました。
目的も何も、何も残っていないのに。
206: 以下、
そんな毎日を何年も繰り返したある日の事です。
(;´・ω・`)「うわぁ……」
とても、とても汚いお城を見つけました。
城のあちらこちらにツタが張り、
木々は伸び放題。
ちっとも手入れがされていないようでした。
(;´・ω・`)「これはひどい」
208: 以下、
(;´・ω・`)「……」
それは体に染み付いていたのかも知れません。
気がつけばショボンはハサミを手に持っていました。
伸び放題の木々をすこしづつ切り始めます。
ちょきちょき、ちょき。
ぱちぱち、ぱちん。
(;´・ω・`)「……」
何も考えず、ただ思うがままに切って行きます。
ショボンはそれをとても懐かしく感じました。
209: 以下、
見てるよ
210: 以下、
うむうむ!
212: 以下、
それは誰にも頼まれなかった事、
ぱちぱち、ぱちん。
それは自分で始めた事。
ちょきちょき、ちょき。
それは……
じゃきじゃき、じゃきん。
214: 以下、
これ絵本にしたいな
俺は出来ないけど
215: 以下、
(……)
(´・ω・`)「……」
(……!)
そしていつしか、
(ねえ……!…!)
(´・ω・`)「……」
無くしたはずの、
216: 以下、
おお・・・
218: 以下、
(僕はまあるくなりたいんだ!)
(私はハートがいいの!)
(綺麗にしてくれよ!伸び放題でうんざりなんだ!)
無くしたはずの声達が、
(((頼むよ!ショボン!)))
(´;ω;`)「うん、うん……」
帰ってきたのです。
219: 以下、
( ;∀;)イイハナシダナー
221: 以下、
うっ…
223: 以下、
(しえん!しえん!)
224: 以下、
感動なんかしてないんだからっ
226: 以下、
それはいつしか忘れていた気持ち、
ちょきちょき、ちょき。
ぱちぱち、ぱちん。
じゃきじゃき、じゃきん。
彼等は話します。
どんな風に変わりたいか。
どんな風になりたいか。
(ショボン、君はどうしたい?)
(´;ω;`)「僕は……」
233: 以下、
(´;ω;`)「僕は……」
ずっと庭師として育てられた。
ずっと庭師として生きてきた。
だけどそれがずっと続いてきたのは、
(´;ω;`)「庭師として…生きていたいよ……」
それが本当に好きだったから。
234: 以下、
しえーん
235: 以下、
そんな時です。
「な、なんか城が綺麗になってるお!」
「凄いですねー」
「魔法みたいニダ!」
(´;ω;`)「ん……?」
何やら城から声が聞こえました。
237: 以下、
( ^ω^)「ん?」
(*゚ー゚) 「あら」
<ヽ`∀´>「ニダ」
(´;ω;`)「……人がいる?」
放置されていると思っていた城から、
人が出てきたのです。
(ここの人だよ)
(太った人は王様なんだ)
植物達が教えてくれました。
238: 以下、
なんだか心が温かくなった
239: 以下、
支援
241: 以下、
( ^ω^)「これ、君がやったのかお?」
(;´・ω・`)「ええ…まあ……」
( ^ω^)「ふむふむ」
王様は考えました。
( ^ω^)(きっと彼は一流の庭師なんだお)
( ^ω^)(僕が城に引き止めれば彼の雇い主はとっても困るに違いないお!)
( ^ω^)(クックック…ノーとは言わせないお)
( ^ω^)9m 「君!」
(;´・ω・`)「は、はい!」
( ^ω^)9m「ここの庭師になりたまえだお!」
242: 以下、
王様最高すぎる・・・
243: 以下、
なんという…( ;∀;)
244: 以下、
かわいい
247: 以下、
「え、いいんですか、やります!」
「え!?あ、もちろんだお!」
「わー凄いですね」
「綺麗な庭ニダ!」
(何かおかしいお……まあいいお……)
248: 以下、
その3
庭師の話 終わり
249: 以下、
いいんだ
250: 以下、
(´・ω・`)「……」
(´・ω・`)(ありがたい話しだ、本当に)
(´・ω・`)(でも、だからこそ、)
(´・ω・`)(気になった事がある)
(´-ω-`)(さっき少しだけ王様の心が読めた)
(´-ω-`)(王様、あなたは、)
(´-ω-`)(あなたはどうしてそんなにも……)
252: 以下、
(ずっと悲しんでいるのですか?)
その3
庭師の話 今度こそ終わり
253: 以下、
乙!
いい話だ
254: 以下、
ほほう
257: 以下、
予定以上にその3が長くなってしまった……
支援どうもです。
疲れたんで少し休憩させてください。
出来たら今日のうちにその4も終わらせたい
258: 以下、
?
259: 以下、
了解
260: 以下、
とりあえず乙
261: 以下、
これから見るけど乙しとくよ
263: 以下、
いいスレやで
264: 以下、

265: 以下、

268: 以下、
心が洗われたな。
276: 以下、
保守ありがとう。再開します
277: 以下、
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!
278: 以下、
ある日の事です。
(*゚ー゚)「王様、買い出しに行ってきますね」
( ^ω^)「行ってくるお」
<ヽ`∀´>「王様、キムチの材料買ってくるニダ」
( ^ω^)「行ってくるお」
(´・ω・`)「王様、僕も買い出しに行ってきます」
( ^ω^)「行ってくるお」
280: 以下、
再開したか
ならば支援だ
283: 以下、
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「お城って、もっとこう」
( ^ω^)「買いに行くんじゃなくて」
( ^ω^)「確か商人とかが…」
( ゚ω゚)「そうだお!全然商人とかがこの城きてないお!」
(;^ω^)「ぬかったお!」
(;^ω^)「こうなったら一流の商人を捕まえてコキ使ってやるおおお!」
(;^ω^)「……」
(;^ω^)「と、とりあえず探しに町にいくお」
285: 以下、
その4
商人の話
288: 以下、
ダイオードは商人です。
西から東、南から北、
注文があればどこへだって行きました。
/ ゚、。 /「はい、ご注文の物を2キロね」
「ありがとう商人さん!」
/*゚、。 /「いえいえ」
あの町この町、
色々な町でかけられる「ありがとう」がダイオードは大好きでした。
290: 以下、
「ダイオードさん!ダイオードさん!」
/ ゚、。 /「ん?」
l从・∀・ノ!リ人「こんにちはなのじゃー」
/ ゚、。 /「こんにちは」
ある日、一人の少女に声をかけられました。
少女はいいます。
l从・∀・ノ!リ人「私もダイオードさんみたいに笑顔を届けたいのじゃ!」
/*゚、。 /「照れるな」
l从・∀・ノ!リ人「私も商人になるのじゃ!」
嬉しいことです。
ダイオードはなんだか暖かい気持ちになりました。
291: 以下、
/*゚、。 /(笑顔を届ける、か)
帰り道で少女の言葉を思い出します。
その度にダイオードの顔には微笑が浮かびました。
/*゚、。 /(ずっとこんな毎日ならいいな)
そう、ぼんやりと思いました。
292: 以下、
?
297: 以下、
けれども不穏な気配がありました。
/ ゚、。 /「槍、ですか」
「ああ槍だ!沢山頼むよ!」
/ ゚、。 /「一体なんのために…」
「なあに、ちょっと城の警備を強くするだけだよ!」
/ ゚、。 /「……そうですか」
始めは西のお城の注文でした。
ダイオードはその要望に応えます。
それが商人の仕事だから。
298: 以下、
ふむ…
300: 以下、
次は東のお城です。
/ ゚、。 /「弓矢、ですか?」
「ああ!弓矢さ!とびきり精度の良いものを頼むよ!」
/ ゚、。 /「一体どうして…」
「なあに!城で狩猟が流行っているだけさ!」
/ ゚、。 /「……そうですか」
何かがおかしい、そうダイオードは思いました。
けれどもダイオードは商人です。
それ以上は、何も言えませんでした。
301: 以下、
ふむふむ
303: 以下、
北のお城も
「剣を頼む!とびきり切れ味が良いものを!」
南のお城も
「鎧を頼むよ!どんな攻撃にも耐えられるやつをさ!」
みんな、普段とは違いました。
/ ゚、。 /(嫌な気持ちだ……)
ダイオードは不安でいっぱいでした。
307: 以下、
けれどもダイオードは商人です。
深入りなんて出来ません。
/ ゚、。 /(きっとこの仕事が終われば)
/ ゚、。 /(いつも通りさ)
そう思いました。
いや、そう信じたかったのです。
ダイオードは荷物を運びます。
西から東、南から北へ
309: 以下、
切ないな・・・
ブーンいい王様すぎる・・・
310: 以下、
しえん
312: 以下、
「ありがとう!助かったよ!」
「ありがとう!これで大丈夫だ!」
「ありがとう!百人力だ!」
「ありがとう!これで安心だ!」
西のお城も、東のお城も、
南のお城も、北のお城も、
みんな笑顔で「ありがとう!」といってくれました。
だけど、
313: 以下、
ゴクリ
314: 以下、
/ ゚、。 /(嫌な気分)
その「ありがとう」がダイオードには、
/ ゚、。 /(言葉はおんなじなのに、)
とても、とても、
/ ゚、。 /(二度と、聞きたくない)
嫌な言葉に聞こえたのです。
316: 以下、
そうして迎えたある日の事です。
318: 以下、
支援
320: 以下、
支援
324: 以下、
「大変だよ!大変だよ!」
/;゚、。 /「どうしたんですか一体」
商人仲間が大慌てでダイオードの下へ走って来ました。
息も絶え絶えで辛そうです。
なんとか落ち着かせよう、そう思った時でした。
「戦争だよ!戦争が始まったんだ!」
それはダイオードの視界すら歪めてしまう言葉でした。
327: 以下、
/ ;、。 /「戦争…ですか…」
何でも無い、そう言っていたのに。
その言葉を信じて、いや……信じたかったのに。
「ああ!西も東も南も北も!」
「みんな戦争を始めてしまった!」
/ ;、。 /(わかっていた……)
/ ;、。 /(こうなることを私は……)
ダイオードの目からは、ぽろぽろと涙が落ちていました。
330: 以下、
戦争は全てを奪っていきました。
ある少女からは家族を、
(* ー )
またある男からも家族を、
<ヽ ∀ >
みんな奪っていきました。
333: 以下、
やがて戦争は終わり、
西からも東からも南からも北からも、
335: 以下、
お城は見えなくなりました。
336: 以下、
ああああ
339: 以下、
/ ゚、。 /「……」
焼け落ちた町は復旧の兆しを見せています。
とんてんかんかん、とんてんかん。
とんてんかんかん、とんてんかん。
釘をうち、新しく家を建てる音も聞こえます。
でも、
/ ゚、。 /(誰も笑顔じゃあ…無い……)
みんな悲しそうな顔をしていました。
344: 以下、
/ ゚、。 /(私は……)
その時、いつかの言葉が頭に過ぎりました。
(私もダイオードさんみたいに笑顔を届けたいのじゃ)
/ ゚、。 /(笑顔を、届ける……)
/ ゚、。 /(私に出来る事は……)
347: 以下、
ダイオードは立ち上がり、動き出しました。
/ ゚、。 /(私は笑顔を、)
/ ゚、。 /(届けたいんだ)
西へ東へ
南から北へ
ありとあらゆる場所へ行きました。
349: 以下、
支援
351: 以下、
/ ゚、。 /「これ、注文されてた医療品です」
「おおお!ありがとう!」
そうして色々な場所へ行くうちに、
/ ゚、。 /「ご注文のお水です」
「まあ!ありがとう!助かるわ!」
人々にも笑顔が見えはじめました。
352: 以下、
「ありがとう商人さん!」
/*゚、。 /「どういたしまして」
行く先々で人々の、笑顔が見えるようになったころのことです。
ボロボロだった町も大分復旧していました。
/ ゚、。 /(次の仕事は、)
/ ゚、。 /(ここは……)
356: 以下、
(私もダイオードさんみたいに笑顔を届けたいのじゃ!」)
/ ゚、。 /(あの時の女の子がいた町……)
/ ゚、。 /(思えば私が頑張れたのもあの子の言葉のおかげだ)
思い出すだけで、じんわりとダイオードは心が暖かくなりました。
/*゚、。 /(また、会えるといいな)
ダイオードはウキウキしていました。
あの子になんてお礼を言おう。
私は笑顔を届けられているだろうか?
そんな事を考えました。
357: 以下、
む・・・
358: 以下、
これは…
362: 以下、
町ではやはり暖かい声がダイオードを迎えてくれました。
(*´_ゝ`)「やあやあどうもダイオードさん!相変わらず美しいね!」
(´<_`;)「兄者…ダイオードさんは男だぞ……」
( ´_ゝ`)
(´<_`;)
(#´_ゝ`)「し、知ってるよ!男に美しいって言ってもいいだろ!」
(´<_`;)「兄者…キモいぞ……」
/;゚、。 /「と、とりあえずご注文の食料です……」
特徴的な兄弟でした。
兄弟は一人を二人に分けたようなうりふたつの外見でした。
366: 以下、
(*´_ゝ`)「おお!どうもありがとうございます!」
(´<_` )「ありがとうございますダイオードさん」
/ ゚、。 /「いえいえ」
そうだ、この二人にあの女の子の事を聞いてみよう。
そう、ダイオードは思いました。
特に深い理由などなく、ただ、なんとなく。
/ ゚、。 /「すみません、お二人さん、ちょっと女の子を知りませんか?」
聞いてみたのです。
370: 以下、
( ´_ゝ`)「女の子ですか?」
(´<_` )「兄者に聞けばわかりますよ、リスト作ってるくらいだし」
( ´_ゝ`)「何故知っている……」
(´<_` )「昨日母者が見つけて燃やしてた」
( ´_ゝ`)「嘘だろ……俺のリストが……」
(´<_` )「諦めろ」
/;゚、。 /「あ、あの語尾に、のじゃー、って言ってた女の子なんですが」
( ´_ゝ`)「……ああ」
(´<_` )「妹者か……」
371: 以下、
母者ww
373: 以下、
( ´_ゝ`)「妹者は俺と弟者の」
(´<_` )「妹でしてね」
兄弟はぽつり、ぽつりと話し始めました。
/;゚、。 /「……」
ダイオードは不安を覚えました。
何か、何か二人の雰囲気が変わったように感じたのです。
375: 以下、
ひぃ
377: 以下、
うわああ
378: 以下、
ダイオードには
「妹者は■■■ね」
「屋根が燃えて■■■■■」
辛い、辛い、
「それの下■■で」
「■■■■■くて」
事実が待っていました。
「■■■しまったんだ」
380: 以下、
うあああ
381: 以下、
ああああ
385: 以下、
気づけばダイオードは泣いていました。
胸が、痛んで、涙が、あふれました。
/ ;、。 /
「あんたは何も悪くないよ」
「ダイオードさんはみんなに笑顔を届けているさ」
泣きじゃくるダイオードを兄弟は励ましました。
あなたは悪くない、ありがとう、と
/ ;、。 /(それでも、それでも私は)
389: 以下、
支援
390: 以下、
/ 、 /(自分が許せない……)
/ 、 /(私が、私があの子を、)
/ 、 /(殺してしまったような物だから)
(私もダイオードさんみたいに笑顔を届けたいのじゃ!」)
/ ;、。 /(君には、笑顔、届けられたのかな?)
392: 以下、
へ、へんだな……眼から墨汁が……
406: 以下、
>>392
変だな
393: 以下、
ダイオードはそれからも、それでも商人を続けました。
「ありがとうねダイオードさん!」
/ ゚、。 /「いえいえ」
それは贖罪でした。
ごめんなさい、ごめんなさい。
ダイオードの心はいつもそれでいっぱいでした。
399: 以下、
そうして町が完全に復旧したとき、
/ ゚、。 /(私は……)
/ ゚、。 /(これから何をすればいいのだろう…)
ダイオードには、
/ ゚、。 /(私は……)
何もありませんでした。
生きる目的も、理由も、
ただ、商人という仕事だけが彼にはありました。
401: 以下、
ただ町に行き、
ただ注文を聞いて、
ただその通り商品を運ぶ、
そんな、そんな毎日でした。
商品を受け取る人は笑顔でも、
「ありがとう!」
/ ゚、。 /「いえいえ」
ダイオードは笑顔ではありませんでした。
402: 以下、
そんな、ある日の事です。
404: 以下、
しえーん
405: 以下、
早く
407: 以下、
ダイオードの下へ一人の男がやってきました。
( ^ω^)「君は商人かお!」
/ ゚、。 /「そうですよ」
( ^ω^)「みつけたお!」
( ^ω^)「商人さん商人さん!僕のお城で働いてくれお!」
/ ゚、。 /「嫌です」
( ^ω^)「あ、えと」
/ ゚、。 /「絶対、嫌です」
( ^ω^)
409: 以下、
なんてこったい
410: 以下、
あら
411: 以下、
( ゜ω゜)「お断りをお断り」
413: 以下、
ダイオードはお城が嫌いでした。
大嫌いでした。
/ ゚、。 /「お城があって、領地があって、そんなのがあるから、人と人がバラバラになって」
/ ゚、。 /「そんなんだから」
( ^ω^)「……」
/ 、 /「戦争が…起こったんだ……」
/ 、 /「あの子が、いなくなっちゃったんだ」
ぽつぽつと、
ダイオードの感情がこぼれました。
415: 以下、
/ 、 /「あの子はなにも、」
/ 、 /「何も……」
/ ;、。 /「悪くなかったのに……」
( ^ω^)「……」
王様はただ、黙ってそれを聞き、
( ^ω^)フー
ひとつ小さく息を吐き、
( ^ω^)「商人さん」
言いました。
422: 以下、
( ^ω^)「それでもお城に来てくれお」
/#゚、。 /「だから私は!」
(  ω )「僕は!偉くならなくちゃいけない!」
(  ω )「誰よりも!他の奴らなんかより!ずっと!」
(  ω )「僕の!僕の目的は!」
/;゚、。 /
(  ω )
王様は、ダイオードにそっと耳打ちをしました。
428: 以下、
/ ゚、。 /「……」
( ^ω^)「……」
/ ゚、。 /「あなたは、」
( ^ω^)「なんだお」
/ ゚、。 /「とても哀れな人だ」
( ^ω^)「なんとでもいえお」
/ ゚、。 /「そんな理由で王様に、偉くなろうと?」
( ^ω^)「そんな、理由じゃないお」
( ^ω^)「それだけ、の理由だお」
/ ゚、。 /「……」
431: 以下、
ふむ?
432: 以下、
/ ゚、。 /「待っていてください」
そう言うとダイオードはいそいそと支度を始めました。
( ^ω^)「来てくれるのかお!?」
/ ゚、。 /「……あなたは、私と同じですから」
( ^ω^)「来てくれるならなんだっていいお!」
こうして商人は、
王様の下へ。
435: 以下、
「ただいまだお!商人を連れて来たお!」
「あ、王様、買い出し一年分終わりました」
「キムチも一年分買ったニダ!」
「ハサミも……」
「お!?おおお……」
(私は必要なんだろうか……)
442: 以下、
キムチ買ってんじゃねえよ作れよwwwwwwwwwwwwwwwww
437: 以下、
その4
商人の話 終わり
439: 以下、
支援
526: 以下、
彼は王様になりました。
使用人を見つけました。
コックを見つけました。
庭師を見つけました。
商人を見つけました。
彼は、自分の目標としていた王様になったのです。
527: 以下、
ツヅキハヤクー
529: 以下、
よし支援
531: 以下、
ξ゚?゚)ξ「それで?」
( ^ω^)「……」
ξ゚?゚)ξ「あなたの本当の願いは、」
王様が、本当に、本当に、願っていたことは、
ξ゚?゚)ξ「叶ったの?」
( ^ω^)「……まだだお」
未だに叶ってはいませんでした。
532: 以下、
ξ゚?゚)ξ「……」
( ^ω^)「……」
こうして魔女と話す事は何回目でしょう。
毎回おんなじ内容です。
「あなたの願いは叶ったの?」
答えはいつも同じでした。
533: 以下、
ふむ
535: 以下、
ξ゚?゚)ξ「ま、どうでもいいけどね」
( ^ω^)「……」
ξ゚?゚)ξ「でもね、」
( ^ω^)「……」
ξ゚?゚)ξ「時間はどんどん近づくわ」
( ^ω^)「わかっているお」
終わりはいつもこの会話。
そうして魔女はどこかへ行ってしまうのです。
538: 以下、
( ^ω^)「……」
王様一人の部屋に、響く音。
コンコン、げほげほ、
コンコン、げほげほ、
(  ω )「……」
王様の、咳込む音でした。
誰にも聞かせていない、音でした。
539: 以下、
なんと
540: 以下、
いう
541: 以下、
ことでしょう・・・
542: 以下、
(*゚ー゚) 「ねえ王様!今日はお皿をピカピカにしたんですよ!」
( ^ω^)「これは凄いお!輝いているお!」
それでも毎日は続きます。
(*゚ー゚) 「今日はお部屋の隅々まで磨いたんですよ!」
( ^ω^)「おおう!滑ってしまいそうだお!」
毎日は、続きます。
543: 以下、
支援
545: 以下、
<ヽ`∀´> 「王様!新しいキムチ料理ニダ!」
( ^ω^)「おっお!これは辛くて美味しいお!」
王様はそんな毎日を、
<ヽ`∀´> 「王様!キムチ以外の料理を作ったニダ!」
( ^ω^)「流石我がコックだお!これで僕もより一層偉くなるお!」
いつしか好きになり、
548: 以下、
(´・ω・`)「どうですか王様」
( ^ω^)「流石ショボンだお。美しい庭だお」
いつしか大切に思うようになり、
(´・ω・`)アイカッチュー
(;^ω^)「ん?」
(´・ω・`)「いえ、なんでもないです」
いつしか、
550: 以下、
/ ゚、。 /「今日は美味しいお肉ですよ」
( ^ω^)「素晴らしいお!夕食が楽しみだお!」
そんな毎日が、
/ ゚、。 /「まあキムチ……」
( ^ω^)「キムチ……」
何より愛おしく思うようになりました。
552: 以下、
でも、
561: 以下、
大切で
愛おしくて、
かけがいの無いものでも、
563: 以下、
王様の願いには変わりません。
コンコン、げほげほ、
コンコン、げほげほ、
(  ω )「……」
だから、だから、
だから王様は……
566: ゴメン「アイカッチュー」はただのパロ 2010/07/06(火) 21:20:21.45 ID:IkGv3Ac2O
( ^ω^)「おまえら全員クビ」
(*゚ー゚)
<ヽ`∀´>
(´・ω・`)
/ ゚、。 /
( ^ω^)「野垂れ死ねバーカ」
そういう道しか選べなかったのです。
568: 以下、
なんだとー
571: 以下、
*****
「しつもんがありまーす」
「なんだい?」
「魔女は伝説だとききました」
「そうだね」
「どうして伝説なのですか?」
「それはね、」
573: 以下、
「坊やに、魔女は願いを叶えると教えたね」
「はい、教えてもらいました」
「大抵の願いってのはね、」
「はい」
「魔女に頼む必要なんて無いんだ」
「?」
574: 以下、
ブーン、、、
578: 以下、
「地位が欲しい男は魔女を呼ぼうとした」
「……」
「だけど魔女を呼ぶよりも、努力して偉くなる方がずっと簡単だったんだ」
「……」
579: 以下、
支援
580: 以下、
「お金が欲しい男がいた」
「……」
「だけど同じような伝説の錬金術を探すほうが、」
「……」
「ずっとずっと簡単だったんだ」
「……」
「魔女には代償として来世も奪われるからね、みんなそっちを選んだ」
586: 以下、
「じゃあ、じゃあどうして王様は魔女を選んだんですか?」
「……世界のどこにもね、」
「……」
「人を生き返らせる伝説はなかった」
「魔女なら?」
「魔女でも無理さ」
「じゃあどうして!」
「魔女はね、自分が無いんだ」
「自分が?」
589: 以下、
ふむ
591: >>583ゴメン「が」だった 2010/07/06(火) 21:40:17.32 ID:IkGv3Ac2O
「魔女を呼び出すために必要な、悲しみの香辛料、呼び出す者の生き血、」
「……」
「その中にある、気持ちから魔女は、姿を作る、顔も性格も、」
「……」
「魔女の姿がここの文献に無いのはそういう理由なんだ」
「じゃあ、王様は」
「……」
*****
592: 以下、
その5
王様の話
594: 以下、
wktk
595: 以下、
しえんだ!
598: 以下、
本編支援!
599: 以下、
それは彼がまだ、幼かった日の事です。
( ^ω^)「僕は王様になるお!」
ξ*゚?゚)ξ「ふーん」
( ^ω^)「そしたらツンはお妃様だお!」
ξ*゚?゚)ξ「……ありがとう」
( ^ω^)「約束だお!」
ξ*゚?゚)ξ「うん……」
それは子供達の約束、
どこにでもある、小さな約束。
600: 以下、
ぉぉ…
603: 以下、
二人はとても仲良しでした。
ξ*゚?゚)ξ「お花の飾りはこうやって作るの」
( ^ω^)「おおー、ツンは物知りさんだお!」
ξ*゚?゚)ξ「ふ、普通だよ」
( ^ω^)「それでも僕は知らなかったお!だから凄いお!」
ξ*゚?゚)ξ「ありがとう……」
毎日のように二人は遊びました。
二人は毎日を輝くような笑顔で過ごしていました。
606: 以下、
やがて二人が大人に近づいていって、
関わり方が変わっても、
( ^ω^)「今日はお仕事だお!」
ξ゚?゚)ξ「……気をつけてね」
( ^ω^)「おっおwwwwツンにそう言って貰えるだけで百人力だおwww」
ξ*゚?゚)ξ「バカ……」
二人はとても仲良しでした。
607: 以下、
だけど……そんな日々は続きませんでした。
609: 以下、
支援。
610: 以下、
しえん
611: 以下、
西のお城と、
東のお城と、
南のお城と、
北のお城が、
みんながみんな、
戦争を始めたのです。
615: 以下、
ダイオードの闇
616: 以下、
ふむふむ
617: 以下、
二人は離れる事になりました。
男は戦場へ、
( ^ω^)「待っててくれお」
ξ;?;)ξ「絶対…帰って来てね……」
( ^ω^)「もちろんだお!」
彼女を守るために、
戦場へ。
622: 以下、
殺しました、
何人も何人も、
(# ω )「うおおおおお!!」
ただ、ただ守りたかったから、
ただ、ただ彼女の下へ帰りたかったから、
( ;ω;)「うおおおおお!!!」
その、一心で、
何人も、何人も、
殺しました。
623: 以下、
支援支援支援
624: 以下、
お、おかしいな、画面がぼやけるんだけど
626: 以下、
王様…
627: 以下、
だけど、だけど、
戦争が終わって、
ようやく、ようやく戦争が終わって、
628: 以下、
切ねェ…
630: 以下、
(  ω )「……」
彼が自分の居た場所へ帰った時には、
633: 以下、
(  ω )「どうして無いんだお……」
(  ω )「僕の家も、向かいのおじさんな家も」
(  ω )「となりのおばさんの家も、公園も、僕の町も」
(  ω )「ツンの、家も……」
(  ω )「どうして……」
( ;ω;)「どうして何も無いんだお!!!」
「どうして!!!!!」
636: 以下、
何も、残ってはいませんでした。
637: 以下、
支援
638: 以下、
むう…
641: 以下、
「あの村?」
「ああ襲われたんだって?」
「きっとみんな■■ちゃいないよ」
「みんなみんな■■じまった」
「酷いことをするよな」
642: 以下、
伏せんといて…
645: 以下、
不快な言葉を何度も聞きました。
何度も、何度も、
(  ω )「生きてるお」
だけど彼は、
(  ω )「きっとツンは生きてるお」
(  ω )「死体が無いお、墓が無いお」
(# ω )「だから絶対に生きてるお!」
それを信じようとはしませんでした。
647: 以下、
死者の思い出に縋る愚か者め…!
とは言えない
648: 以下、
彼は探しました。
ツンを、大切な人を、
西へ東へ、
南へ北へ、
彼は探しました。
649: 以下、
だけど、
(  ω )「見つからないお」
西も東も、
(  ω )「見つからないお」
南も北も、
(# ω )「どうして見つからないんだお!!!」
どこにも彼女はいませんでした。
651: 以下、
( ;ω;)「……」
西にも東にも南にも北にも、
どこを旅しても、
彼女はいませんでした。
( ;ω;)「ツン……」
悲しみに沈みそうな、
そんな時でした。
彼がそれを、
思い出したのは。
656: 以下、
「僕は王様になるお!」
「ふーん」
「そしたらツンはお妃様だお!」
「……ありがとう」
「約束だお!」
「うん……」
それは幼い日の約束。
658: 以下、
( ^ω^)「僕は、」
もしも偉くなったら、
もしも王様になったら、
彼女が僕を、
彼女が僕を見つけてくれるかも知れない。
( ^ω^)「王様に、なるお」
もう一度、会えるかも知れない。
659: 以下、
支援だ
664: 以下、
彼女を探す旅で彼は色々な事を知っていました。
魔法のような事だって、
錬金術だって、
なんだって知っていました。
だけど、
それでも彼は、
( ^ω^)「へいへい!魔女さん!願いを叶えてくれお!」
ξ゚?゚)ξ「……いいけど、わかっているの?」
魔女を、呼びました。
667: 以下、
もしかしたら、
もしかしたら、彼はわかっていたのかも知れません。
彼女が、
彼女が、もういない事を。
それでも彼は、王様は、
いびつに歪んだ夢を、それだけを信じて、
(; ω )「ガハッ!ガハッ……ツン」
生きてきたのです。
673: 以下、
(; ω )「……」
ξ゚?゚)ξ「……」
それはもう何回目かすらわからない会話の時でした。
ξ゚?゚)ξ「このまま、終わる?」
(; ω )「……」
ただ、
ξ゚?゚)ξ「まだ二つ、願いを叶えられるのに……」
(; ω )「……」
今日は少しだけ違いました。
675: 以下、
ほう
677: 以下、
それは彼の記憶が魔女に影響したのかもしれません。
ξ゚?゚)ξ「このままだと、死んじゃうよ?」
(  ω )「……」
ξ゚?゚)ξ「ねえ、それでもいいの?」
(  ω )「……」
ξ;?;)ξ「ねえったら!」
それは、
まるで、彼女が言うような言葉、
682: 以下、
だけど、
(  ω )「……いいんだお」
ξ;?;)ξ「……」
(  ω )「もう……いいんだお魔女さん……」
(  ω )「ツンは、ツンはきっと、」
王様は、彼は、
( ;ω;)「死んでしまったんだお……」
疲れてしまっていました。
685: 以下、
ξ;?;)ξ「……」
(  ω )「もう叶えられる願いなんて、しらないお」
ξ;?;)ξ「……」
(  ω )「……彼等に、」
ξ;?;)ξ「彼等?」
( ^ω^)「僕が、追い出してしまった彼等のために、」
「使ってくれお」
686: 以下、
しえんよ
687: 以下、
ふたつめの願いは、
家臣達の幸せ
691: 以下、
/ ゚、。 /「無くしたい事?」
ξ゚?゚)ξ「そう、無くしたい事」
ダイオードは城を追い出されても商人でした。
魔女の存在を知っても、
「ああ、そうだったのか」
と納得するだけでした。
いくら願いでも無条件に幸せには出来ません。
だから、代わりに彼等の、
後悔した事や、
忘れたい記憶を、
無くすことにしたのです。
694: 以下、
だけど、
/ ゚、。 /「無いよ」
ξ゚?゚)ξ「無い?」
ダイオードはそれを断りました。
/ ゚、。 /「ああ、私に消したい事なんて無いんだ」
ξ゚?゚)ξ「……」
/ ゚、。 /「忘れたい過去はあるけどね」
/ ゚、。 /「……でも、それは忘れちゃいけない事だ」
ξ゚?゚)ξ「……」
/ ゚、。 /「絶対に、忘れちゃいけない事なんだ」
695: 以下、
支援
698: 以下、
このスレ保存する
しえん
699: 以下、
ξ゚?゚)ξ「そう……」
/ ゚、。 /「ああ、だから他な奴のとこへ行きなよ」
ξ゚?゚)ξ「……わかったわ」
そういって、魔女が別の家臣の下へ行こうとした時です。
/ ゚、。 /「ああ、代わりと言ったらなんだけど」
ダイオードは言いました。
701: 以下、
/ ゚、。 /「王様を幸せにしてやってくれ、彼は私と同じだから」
703: 以下、
(´・ω・`)「消したい事?」
ξ゚?゚)ξ「そう、消したい事」
次は庭師のショボンです。
彼もまた、事情を話すと、
「ああ、知ってるよ」、と言いました。
708: 以下、
でも、
(´・ω・`)「消したい事なんて無いよ」
ξ゚?゚)ξ「……」
ショボンもまた、
消す事を、断りました。
(´・ω・`)「無いんだ、消したい事なんて」
ショボンの両目は、全てを見透かしているようでした。
714: 以下、
(´・ω・`)「後悔している事はあるけれど」
ξ゚?゚)ξ「……」
(ねえショボン!僕は星がいいなあ!)
(ショボン、四角とかはできないかなあ)
その時、魔女にも、声が聞こえました。
(´・ω・`)「声の大切さに気づけた、だから、いらないよ」
ξ゚?゚)ξ「そう……」
そうして魔女が他の家臣の下へ行こうとした時です。
(´・ω・`)「ああ、代わりに頼みたいんだけど」
ショボンが言いました。
718: 以下、
(´・ω・`)「王様を幸せにしておくれ、また声が聞こえたのは彼のおかげみたいな物だから」
722: 以下、
好奇心で覗いたら目から汗が出てきたでござる
723: 以下、
そうして次はコックです。
「いまさら何しに来たんだよ!」
<ヽ;`∀´> 「ごめんなさいニダ。本当に、すみませんニダ」
だけれど魔女は彼に近づけません。
彼が沢山の人に謝っていたから。
ずっと、ずうっと。
727: 以下、
ニダー改心してやがって泣かせるわ
729: 以下、
「これ、お詫びの料理ニダ……キムチじゃないニダ……」
「いらねえよ!そんなもん!」
そんなやりとりを何回もニダーはしていました。
何回も何回も、
そして、
「……まあ、受け取ってやるよ、二度と盗みなんてするなよ」
<ヽ*`∀´>「ありがとうございますニダ!」
許してくれる人も、
出てきました。
732: 以下、
ニダー…
733: 以下、
ああああああ目からあああああ
735: 以下、
これだからVIPはやめられない
740: 以下、
そうして、ようやく話せるようになりました。
<ヽ`∀´> 「消したい事?」
ξ゚?゚)ξ「そう、消したい事」
ニダーも魔女の事を聞いても驚きませんでした。
「王様は凄いから何でも出来るニダ」、と言うだけでした。
ただただニコニコしてました。
747: 以下、
そして、
<ヽ`∀´> 「消したい事なんて無いニダ」
ξ゚?゚)ξ「何も?」
<ヽ`∀´> 「なあんにも無いニダ」
ニダーも二人のように、
<ヽ`∀´> 「後悔している事はあるニダ」
<ヽ`∀´> 「でもそれを忘れちゃいけないニダ」
言ったのです。
755: 以下、
<ヽ`∀´> 「さ!まだまだ謝る人は沢山いるニダ!」
ξ゚?゚)ξ「そう……」
<ヽ`∀´> 「頑張るニダ!」
ξ゚?゚)ξ「……」
そうして魔女がまた別の家臣の下へ行こうとした時です。
<ヽ`∀´> 「あ!もしよければ!」
ニダーが言いました。
756: 以下、
これはいいニダー、いや稀なニダー
758: 以下、
支援
759: 以下、
<ヽ`∀´> 「王様に幸せを!王様はウリを助けてくれたニダ!」
760: 以下、
何を言うかわかってても涙が・・・
763: 以下、
うんうん
768: 以下、
(*゚ー゚) 「消したい事?」
ξ゚?゚)ξ「そう、消したい事」
最後は使用人のしぃでした。
(*゚ー゚) 「……」
ξ゚?゚)ξ「……」
彼女は、
(*゚ー゚) 「あるよ、消したい事」
ξ゚?゚)ξ「それは、なに?」
(*゚ー゚) 「……」
彼女だけは、
770: 以下、
「王様と会ってからの記憶を消して欲しいな」
消す事を、願いました。
771: 以下、
おい しぃふざけんな
キムチぶっかけるぞ
772: 以下、
いやいやここは何かあるんだろう
773: 以下、
多分しぃは強い子
774: 以下、
予想外
776: 以下、
(*゚ー゚) 「あんな楽しい毎日なんてなかった」
ξ゚?゚)ξ「……」
(*゚ー゚) 「もう、来ない日々なら、消して欲しい」
ξ゚?゚)ξ「……いいの?」
(*゚ー゚) 「うん……」
ξ゚?゚)ξ「……わかった」
(*゚ー゚) 「……」
そうして、魔女が魔法を唱えようとしたときです。
778: 以下、
むむっ
790: 以下、
「……!!!」
ξ;゚?゚)ξ「……!!!!」
無理矢理に口を押さえ付けられました。
ξ;゚?゚)ξ「ちょっと!何するの!」
(*;ー;)「駄目っ!絶対に駄目っ!」
ξ;゚?゚)ξ「あなたが望んだのよ!?」
(*;ー;)「忘れたい!忘れたいけど!」
「それでも毎日は本当に楽しかった!」
797: 以下、
支援
798: 以下、
頑張れ支援
801: 以下、
ξ;゚?゚)ξ「……」
(*;ー;)「私…楽しかった……本当に…楽しかった……」
ξ;゚?゚)ξ「……」
(*;ー;)「ごめんなさい、わがまま言って」
(*;ー;)「私…やっぱり何も、消したく無い……」
(*;ー;)「忘れたく、ない……」
ξ;゚?゚)ξ「……」
803: 以下、
しぃ・・・!
804: 以下、
ξ;゚?゚)ξ「じゃあ、何も、望まないのね?」
(*;ー;)「……うん」
ξ;-?-)ξ「……わかったわ」
ああ、またか、
そう思い、城に魔女が戻ろうとした時です。
(*;ー;)「もし、もしよかったら!」
しぃが叫びました。
806: 以下、
(*;ー;)「王様に幸せを!あの人が拾ってくれたから楽しい日々に会えた!」
807: 以下、
そうして、
商人と、
庭師と、
コックと、
使用人な願いを抱いて、
魔女は城へ戻りました。
818: 以下、
(  ω )「……」
そして、
(  ω )(なんだお……)
そして王様の病は治り、
(  ω )(なんだか…暖かいお……)
「…!……!!」
(  ω )(何か、何か聞こえるお……)
「…様!王様!」
(  ω )(みんなの…声?)
そして彼の周りには、
821: 以下、
wkwk
822: 以下、
支援
826: 以下、
(*;ー;)「王様!王様!」
使用人の少女と、
<ヽ*`∀´>「起きたニダ!」
泥棒だったコックと、
(´・ω・`)「よかった……」
心の読める庭師と、
/ ゚、。 /「……」
過去と向き合う商人と、
829: 以下、
と、!
832: 以下、
と!!!!
836: 以下、
「本当に、」
彼が聞いた声は、
(  ω )(え……)
(  ω )「……まさか」
そして、
「本当に王様になったんだ……」
そしてそれは、彼が求め続けていた、
844: 以下、
ξ*゚ー゚)ξ「おめでとうブーン」
845: 以下、
おおっ?
846: 以下、
支援
847: 以下、
支援
849: 以下、
彼女の、声でした。
856: 以下、
そこで王様は目覚めました。
(;゚ω゚)「ツン!」
聞いた、確かに聞いた。
彼女の声を、求めつづけた、
彼女の声を。
(;゚ω゚)「……」
だけど、彼の周りには誰もいませんでした。
あんなにも、あんなにもリアルに、
声が聞こえたのに。
857: 以下、
(´;ω;`)
859: 以下、
うわああああ
861: 以下、
やっぱりそうだよな・・・
863: 以下、
(  ω )「やっぱり……」
嗚呼、何も、何も無いんだ。
僕には、何も、無い。
再び王様が悲しみに染まり始めた時です。
(*゚ー゚) 「王様」
そこに使用人の少女が、いました。
872: 以下、
(  ω )「しぃかお」
(*゚ー゚) 「悲しい、夢を……見たんですか?」
(  ω )「……そうだお、悲しい、とても悲しい夢だお」
(  ω )「僕に、何も無い事を、実感してしまう……」
(  ω )「悲しい…夢だお……」
(*゚ー゚) 「王様」
(  ω )「なんだお」
(*゚ー゚) 「私には家族がいません」
(*゚ー゚) 「戦争で失いました」
(*゚ー゚) 「コックのニダーさんも、そうらしいです」
(  ω )「……」
875: 以下、
支援
877: 以下、
支援
878: 以下、
(*゚ー゚) 「でも、でも私は、手には、まだ残っている物があります」
(  ω )「……」
(*゚ー゚) 「王様、あなたがくれたのです」
(*゚ー゚) 「私だけじゃない……」
(*;ー;)「ニダーさんや、ショボンさんや、きっとダイオードさんだって!」
(*;ー;)「王様がくれた物を持ってるはずです!」
(  ω )「……」
(*;ー;)「王様……それでも、あなたには、あなたの手には、」
(*;ー;)「何もありませんか?」
883: 以下、
ぽたり、と
涙が落ちました。
893: 以下、
( ;ω;)「……あるお」
( ;ω;)「僕には…沢山の物が、まだ……」
ハラハラと、王様の目からは涙が落ちていました。
泣いて、泣いて
泣いて。
部屋には二人の泣く音だけが響いていました。
それと、
895: 以下、
<ヽ;`∀´>「王様泣いてるから励ましに入るニダ!」
(;´・ω・`)「やめなよ」
/;゚、。 /「やめといた方が……」
<ヽ;`∀´> 「な、なんで?」
(´・ω・`)/ ゚、。 /「空気を読んで」
部屋の外では不安そうにしている彼等もいました。
904: 以下、
一番に取り戻したい、無くした物は帰って来ませんでした。
しぃとニダーの家族、
ショボンのチャンス、
ダイオードの出会った少女、
だけど、だけで、
( ;ω;)
(*;ー;)
<ヽ`∀´>
(´・ω・`)
/ ゚、。 /
彼等には、まだ残っている物もありました。
906: 以下、
そして
909: 以下、
ξ゚?゚)ξ「最後の願いが決まった?」
( ^ω^)「そうだお」
家臣が城に帰ってしばらくした日の事です。
魔女と王様はいつもとは違う話をしていました。
ξ゚?゚)ξ「まあいいけど、どんな願い?」
( ^ω^)「それは」
915: 以下、
*****
「魔女はね、可哀相なんだ」
「魔女がですか?」
「呼び出した者から奪うだけ、」
「……」
「魔女には何もないんだ、何も」
「……王様は、どうしたんですか?」
「それはね」
*****
919: 以下、
( ^ω^)「魔女さん、あなたに」
ξ゚?゚)ξ「私に?」
( ^ω^)「『自分』を作ってあげたいお」
( ^ω^)「それが三つ目の願いだお」
そう、王様が言った時でした。
ξ;゚?゚)ξ「あ……」
魔女を、光が、包んだのです。
926: 以下、
そして、魔女は、自分を手に入れて、
ζ(゚ー゚*ζ「……」
( ^ω^)「ツンに妹がいたらこんなんだおね」
ζ(゚ー゚*ζ「……ありがとう」
( ^ω^)「おっおwwwたいした事ないおwww」
ζ(゚ー゚*ζ「私に頼った人は少ないけど、こんな願いあなたが始めてだよ」
( ^ω^)「おっおwwww」
ζ(゚ー゚*ζ「……お礼に、奪わないであげる」
( ^ω^)「お?」
次の瞬間には、魔女はもうそこにはいませんでした。
934: 以下、
*****
老人に近い男は子供に童話を話していた。
話しは時期に終わりそうで子供は興奮し、鼻息を荒げ、話しを聞いていた。
「それで!?それから王様達はどうなったんですか?」
「実はなあ、この先はなあ……」
「ええ!?わからないんですか?教えてくださいよ!王様!」
「おっおwwwwすまないおwww」
だってこのお話は、
937: 以下、
( ^ω^)「僕もよくわからないんだおwwww」
終わっていないのですから。
942: 以下、
むかしむかしのお話です。
周りの人の事など考えない。
自分のためだけに王様になった男がいました。
だけど、男はみんなに慕われて、
みんなからこう、言われました。
「あの王様は最高だよ!」
945: 以下、
( ^ω^)は最低な王様になるようです
おしまい
947: 以下、
オワッター!楽しかったwww乙wwww
949: 以下、
すばらしい
951: 以下、
タイトルが変わっただと
乙!
953: 以下、
>>1乙
気持ち良く寝れそうだぜ
955: 以下、
このお話は最高だよ!
956: 以下、

957: 以下、
乙!!!!!
面白かった感動した!!!
962: 以下、
よかった!

963: 以下、
あったかい気持ちになれた
>>1乙!
971: 以下、
おつ!
良かったブラボー
973: ◆fG1I1UcIeI 2010/07/07(水) 01:13:57.28 ID:zQYqJEL4O
その5終わりってやりわすれた…
支援ありがとうございました!駆け足でごめんね!
矛盾いっぱいでごめんね!
疲れたけど投下しててめちゃくちゃ楽しかったよ!
ありがとうございました!
982: 以下、
>>973ありがとう
久しぶりにいい作品が読めたよw
楽しかった!!
985: 以下、
絵本になったら買いたいレベル
983: 以下、
面白かった!乙!
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