【アズールレーン】青葉「人気投票開始!」back

【アズールレーン】青葉「人気投票開始!」


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1:
【アズールレーン SS】です
――――ドック
青葉「というわけでまず最初はAグループ上位の方々から、意気込みなんかを取材させてもらいまーす!」
エンタープライズ「人気投票……? なんのことだ」
翔鶴「指揮官達の間で行われている、私達のことをどれだけ好きかを競い合うイベントだそうですよ♪」
高雄「わ、私はそのような浮ついたことを指揮官達がしているなど聞いていないぞ!」
翔鶴「あら? その割には高雄さん、水着を着て指揮官にアピールされていたような……」
高雄「見ていたのか翔鶴殿!?」
翔鶴「いいえ?? ただ『もしかしたら』のことを口にしただけでしたのに、本当にされていたなんて……ふふふ♪」
高雄「なぁ!? う……うぅ……」///
青葉「……あの、取材させてもらっていいんですよね?」
翔鶴「ええもちろん。この取材内容は指揮官に見せるのですよね?」
青葉「当然そのつもりですっ! なので指揮官にアピールしたいことがあるならどんどん喋ってくださいよ?」
2:
※青葉
※エンタープライズ
※翔鶴
※高雄
3:
エンタープライズ「しかし……人気投票という物もよく分からない上に、急にアピールと言われてもな」
青葉「お、さすがは現在断トツ1位に君臨してるお方! 『アピールなど必要なしと言わんばかりに、その姿は堂々としていた』と」カキカキ
エンタープライズ「い、いやまて、そういうことではない。戦争以外の賑やかな話は、どうにもまだ慣れていないだけだ」
翔鶴「うふふ、そうやって初な感じも見せる戦術だとしたら、なかなか強かですね?♪」
エンタープライズ「どうしてそうなる。けれど、そうだな、これは指揮官達が私達のことをどう見ているかの判断が出来るのだろう?」
青葉「ええ、まぁ、そうですね。投票数が多いほど、その人は好かれていると言っていいかと」
エンタープライズ「ならば私からは言うことなどない。いつも通り、期待に応えて動くだけだ。これまでしてきたのと同じようにな」
エンタープライズ「……それでもあえて言うことがあるとするならば……指揮官とこういう賑やかな時間を過ごせるのは悪くない」
エンタープライズ「だから、これからもずっと一緒に居たいものだ……だろうか」
翔鶴「わぁ……♪」
高雄「凛々しい顔で凄まじいことを口にする……やはり手強い相手だ」
エンタープライズ「な、なんだ、取材というから素直に答えただけだぞ? なにか問題のある内容だっただろうか?」
4:
青葉「いえいえ! とても良い回答をありがとうございますって! ……イケる、これは最高の記事になる!」カキカキ
エンタープライズ「そ、そうか。あまり詳しくは分からないが、喜んでもらえているのならば良かった」
翔鶴(どう聞いても告白としか思えない内容を理解していないなんて、いじり甲斐のありそうな人ですね……ふふ)ニコニコ
エンタープライズ「――うん!? なんだ寒気が……敵襲か!?」
青葉「ここに敵が来たら大問題っすから気のせいですって。エンタープライズさんはこんなとこかな。じゃあ次に現在2位の――」
ガコォンッ!
ポートランド「ちょーっとまったぁああ!!」
青葉「うわぁ!?」
ポートランド「ここ!? ここよねっ! 今回の人気投票に関する記事の取材現場は!!」
青葉「そ、そうっすけど……ポートランドさん? なにか御用で」
ポートランド「用!? 今回のことで指揮官達にどーしても言いたいことがあるからとんできたの! だから聞いて!」
青葉「や、あの、あなたへの取材はちゃんと別に時間を――」
ポートランド「いいから黙って聞きなさい! 吹き飛ばすわよ!?」ガシャ
5:
※ポートランド
6:
青葉「記者に暴力反対! わ、わかりましたよ……翔鶴さん、ちょっと待っててください」
翔鶴「いいですよ。なんだか面白い話になりそうですし♪」
青葉「だそうで。許可を貰ったのでポートランドさん、お話どうぞー」
ポートランド「じゃあまず一言……どうして! 私の!! インディちゃんが!!! 1位じゃないのよーっ!!!!」バンバン
青葉「…………は?」
ポートランド「あんなに物静かで大人しくてでも可愛くて可愛くて可愛いかわいいインディちゃんの順位がおかしいの!」バンバン
ポートランド「どうして!? どうして!? 可愛さならそこの三人より絶対ぜーったい上でしょ!? 指揮官達の目は節穴なの!?」
青葉「まぁ実際これだけ女の子に囲まれても誰かに手を出したって話を聞かない辺り、指揮官はやっぱり『アッチ系』の……」
エンタープライズ「アッチ系?」
高雄「なんだそれは」
青葉「えっ!? あ、いや、それはですね、ええと……ヤッバ、どう説明すればいいのこれ」
翔鶴「ちょっと人とは違う好みをしているってことですよ、お二人とも」
7:
高雄「そうなのか? ……確かに、拙者のような者といても楽しそうにしてくれる方達だからな……分からなくもない」
エンタープライズ「そもそも我々を従えながら平然としている時点で強い人達だ。そういうことなら理解できるぞ」ウンウン
青葉「ああはい、今はもうそれでいいで――ぐえっ!」グイッ
ポートランド「話をちゃんと聞きなさい記者なんでしょう! だから早く、指揮官達にインディちゃんに投票させる記事を!」グイグイ
ポートランド「というかインディちゃん特集を書きなさい! 私いくらでもその記事買うから!!」グイグイ
青葉「こ、公平な記者としてその提案には乗れないというかやめて首の引っ張らないで……い、いきが……」
ポートランド「息がなんなの!? 記者ならそれくらい我慢しなさい! いいからインディちゃんの可愛さや柔らかさを――」
ボコンッ!
ポートランド「はぐっ!? ……きゅー……☆」バタン
インディアナポリス「……ごめん、お姉ちゃんが迷惑かけた」
青葉「けほ……けほっ……いえ、助かりましたインディアナポリスさん」
8:
※インディアナポリス
9:
インディアナポリス「こういう取材があるって聞いて、嫌な予感がしたから……ちょっとまってね、お姉ちゃんしまってくるから」
瑞鶴「手伝うよインディ」
インディアナポリス「……うん、ありがとう」
翔鶴「あら瑞鶴? どうしてここに」
瑞鶴「姉がいる身同士でちょっと会話してたら、急にインディが走って行ってね。着いてきたんだ」
翔鶴「そう……瑞鶴に仲が良い相手が増えるのは、お姉ちゃん嬉しい♪」ナデナデ
瑞鶴「ちょ、ちょっと人前ではやめてよ翔鶴姉……」///
インディアナポリス「……瑞鶴のお姉ちゃんは、静かな人だね」
瑞鶴「でしょ? あ、でも青葉、一つだけ私から言っておくことがあるよ」
青葉「はい?」
瑞鶴「柔らかさでいえば翔鶴姉のほうが絶対上――」
翔鶴「瑞鶴?」ニコッ
10:
※瑞鶴
11:
瑞鶴「おわっ……!? あ、えと、とにかくポートランド運ぶよインディ!」ヒョイ
インディアナポリス「う、うん……それじゃあ……ええと、青葉さん、取材はまたあとでしてね……」スタスタ
青葉「わ、分かりました……はぁ……嵐みたいな出来事だった」ヒョコ
高雄「大丈夫か?」
青葉「なんのこれしき! 文屋魂はこれくらいでは燃え尽きませんって! というわけで取材再会させて貰います!」ペラペラ
青葉「それで……ええと、次は翔鶴さんでしたよね」
翔鶴「はーい♪」
青葉「では、現在Aグループ2位の翔鶴さんは人気投票に対する意気込みなどありますか?」
翔鶴「そうねぇ……私自身については、正直あまりないかな」
エンタープライズ「む、先程私に人気投票について教えてくれた所から見ても、かなり興味を持っていたのではないか?」
翔鶴「あくまで興味はあったけれど、それも瑞鶴のためでしたし……あの子が指揮官達に良く思われてくれていたら十分です♪」
高雄「どこまでもお姉ちゃん……か」
12:
青葉「ふむふむ……『妹への愛の強さを感じさせる優しい笑みを浮かべながら、彼女は語った』と」カキカキ
翔鶴「それに、うちには怖い「センパイ」達がいますからね……」
エンタープライズ「あぁ……そうか、彼女達か」
翔鶴「ええ。特に赤城先輩なんて指揮官が自分以外に投票したら、容赦なく焼き殺しそうな目をしていましたから」
青葉「ほんとですか!?」カキカキ
翔鶴「……ほんと、怖いセンパイ達です。だから青葉さん、センパイ達には注意するよう、記事にちゃんと書いておいてくださいね?」
青葉「そ、そうしておきます……痴情のもつれで指揮官不在なんて洒落にもなりませんから」
翔鶴「はい、全くですね……うん、私から伝えることは以上です♪」
高雄(気のせいだろうか。拙者には翔鶴殿のほうが恐ろしく思えたぞ……)
翔鶴「そんなことありませんよ♪」ニコッ
高雄「っ!?」ビクッ
青葉「どうしました高雄さん? 翔鶴さんへの取材も終わりましたから、次は現在3位のあなたの意気込みを聞かせてください!」
13:
高雄「え!? あ、う、うむ……拙者はそうだな。一先ず現時点で投票してくれた指揮官達には感謝したい」
高雄「拙者の剣は指揮官殿のためにあり、この身は指揮官殿に尽くすと決めた。認めていただいた恩義には必ず報いる」
高雄「絶対にそなたの元から去りはしないと約束しよう。なにがあっても生きて帰ることを誓おう」
高雄「だから、これからもどうか拙者を見ていてほしい。それだけで、拙者はいくらでも強くなれますから……」
青葉「『と、普段の武人らしさが嘘のように、乙女の表情で彼女は語った』……うんうん」カキカキ
エンタープライズ「……なんだ、その、この世にはこんなに聞いていて熱く……いや、恥ずかしくなることがあったのだな……」
翔鶴「高雄さんもなかなかどうして……ふふっ」
高雄「はっ!? い、いや拙者はその! それにエンタープライズ殿に比べればまだ普通のはずであろう!?」
エンタープライズ「なっ!? どういうことだ、別に私とて普通に!」
翔鶴「どちらも素敵な回答だったと思いますよー。指揮官が見たら、きっと嬉しそうにすること間違いなし、です♪」
14:
エンタープライズ「そ、そうか……? そうか……」///
高雄「……な、なら、まぁ……うむ」///
青葉(やっぱり戦闘以外のこととなると翔鶴さんに勝てる人はそういないって感じだな?。指揮官にはそう報告しとこ)パタンッ
青葉「さてさて、お三方とも取材に応えていただきありがとうございましたー! では私は次の取材に行きますのでっ!」
エンタープライズ「そうか。ちなみに、あと何人に取材するつもりだ?」
青葉「Aグループに選ばれてる人に片っ端から突撃するつもりですね。こういう機会こそ記者の本領っすから!」ニコッ
翔鶴「……投票が終わる前には、必ず記事を書き上げて指揮官に見せてくださいね?」
青葉「そ、そりゃもちろん! 特にあなた方は人気投票本戦に出る可能性が高い本命ですし、必ず指揮官に情報を届けますよ!」
高雄「あまり取材にかまけすぎて自分の身を疎かにするなよ。青葉とて、いずれ人気投票の対象になるのだろう?」
青葉「んー……ま、でも私はこういうネタになる機会があるだけで嬉しいっすから。それに今回上位になってる人を見るに……」
三人「「「?」」」
青葉「――いえ別に! ともかく、取材協力感謝します! またなにかあれば取材させて下さいね!」
15:
――――それから十数時間後。
青葉「――といった感じで取材した成果がこちら! どーぞ指揮官読んで読んで!」
Aグループに選ばれたメンバーの取材を終えた青葉は、自身も驚くほどの早さで記事を作り上げ、それを指揮官に提出していた。
上位3名の取材を終えてからは、他のメンバーを捕まえるのに苦労したが、それを指揮官に語るつもりは青葉にはなく、
ただ自分の取材の成果の感想を聞きたいつもりで指揮官のもとを訪れたというのに。
青葉「……え? これだけの人数の取材お疲れ? ……もう、そういうのいいってのに」
最初に取材したこと事態を褒められてしまうと、思わず顔が赤くなってしまう。記者として当たり前のことをしただけだが、
それでもやはり誰かに認めてもらえるのは心地よいことだ。
青葉「そんなことより、ほら、記事を読んでもっと艦隊の子のこと知ってあげてよ。いい子いっぱいいるよ?」
青葉「サンディエゴさんとか指揮官に対してぐいぐい迫る……え? 建造でよく会うから知ってる? そっか」
青葉「ならほらレナウンさんの記事どう? 真面目に取材受けてくれたんっすけど回答がちょっとズレてておもしろ……知ってる?」
青葉「えーとえーと、だったらサラトガさんの今後のいたずら予定の記事なんか……も分かってる!?」
しかし取材して特に読んで欲しかった内容を、指揮官が次々と知っていると反応する度に青葉は困惑し、同時に一つの
嫌な予感を覚える。
16:
青葉「も、もしかしてなんだけどさ……指揮官、艦隊にいる全員のこと、ちゃんと把握してる……?」
――コクンッ
青葉「うわーっぁ!? マジで……マジでー……あー、そりゃそうだ、指揮官ってそういうもんっすよねー……うぅ」
この艦隊は出来てから日が浅く、所属している面々の国籍もバラバラであり、全員の詳細を頭に叩き込むには時間がかかるはず。
ならば記者である自分がその手助けになればと初めた行為が、一瞬にして無意味になったことを知った青葉は頭を抱えてしまう。
青葉「はぁ……自分の指揮官のことを知れてないとか記者失格じゃん……いい記事書けたと思ったのになぁ……」
青葉「やっぱり……真似事なんてやめて、力不足でも戦闘にだけ集中したほうが指揮官の――え? そんなことない……わわっ!?」
今後の記者活動への自信すら失いかけていた青葉であったが、真面目な顔で手を握られ、そして指揮官から
理屈抜きに青葉の書く記事が好きだもっと読ませてくれ、などと言われれば、もはや先程までの落ち込み様はどこへやら。
青葉「もー……そういう風に言われると記者続けるしかなくなっちゃうでしょ! 読者が一人でもいるなら記者は頑張れるっての!」
青葉「その代わり覚悟してよー? 私を焚き付けた以上、今後はもっと容赦なく取材活動させてもらうからさ」
青葉「ここにいるみんなのことを書き記すだけじゃない、もっと沢山の記事を楽しみにしててよね、指揮官♪」
指揮官も見惚れるような晴れ晴れとした素敵な笑顔を浮かべて、青葉はそう宣言するのだった。
〈終〉
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