少年「学校が大ピンチだ!」霊感少女「学校七不思議の霊の仕業だわ……」back

少年「学校が大ピンチだ!」霊感少女「学校七不思議の霊の仕業だわ……」


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<教室>
児 童A「先生!」
教師「なんだ?」
児 童A「なんだか気分が悪いです……」
教師「む、そうか。では保健室へ行きなさい」
児 童B「先生、ぼくもー……」
ボクモー… アタシモー…
少年「…………」
----------------------------------------------------------------------------
2: 以下、
友「俺も早退しよっかな……さっきから吐き気がする……」オエッ
少年「君もか……」
少年(ここ最近、ずっとこうだ)
少年(学校にいるとみんな体調が悪くなる。ボクたちみたいな児 童だけじゃなく、先生たちも)
少年(いったいどういうことなんだろう?)
少年(ずっとこんなことが続けば、学級閉鎖どころか学校閉鎖になってしまう……!)
3: 以下、
少年(でも、こんな中、一人だけ平然としてる子がいる)
少年(あの子だ……)
霊感少女「…………」
少年(いつも無口でなに考えてるのか分からないけど、あの子は特に体に異変はないみたいだ)
霊感少女「……ねえ」
少年「!?」ビクッ
少年(この子が自分から話しかけてくるなんて……雪でも降ったりして!)
霊感少女「これは……霊の仕業よ」
少年「……え?」
4: 以下、
少年「霊って……なにいってんのさ」
霊感少女「この学校に伝わる七不思議、あなたも聞いたことあるでしょう?」
少年「そりゃ、もちろんあるけど……」
トイレの花子さん
校長室の怒る初代校長の写真
夜になると一段増える十三階段
音楽室に鳴り響くピアノ
理科室のしゃべる人体模型
プールに潜む河童
図工室のしかめ面のモナリザ
少年「この七つでしょ?」
霊感少女「そう」
6: 以下、
少年「こんなの……ただの言い伝えじゃないの? 信じてる奴なんていないよ」
霊感少女「ただの言い伝えなんかじゃないわ。七不思議は実在する」
霊感少女「学校七不思議を司る霊たちが、なにかしらの不安や不満を溜め込んでしまってるから」
霊感少女「その怨念が学校中を包み込み、児 童や先生たちに悪影響をもたらしてしまっているのよ」
少年「そ、そんな……」
霊感少女「私が何とかしてあげたいけど、一人だけだと不安があるわ」
霊感少女「だからあなた、手伝いなさい」
少年「え!?」
7: 以下、
少年「なんでボクが!?」
霊感少女「あなたも私ほどじゃないけど霊感が強そうだし、それに元気そうだから」
少年「でも……霊と戦うなんて……」
霊感少女「学校がずっとこのままでもいいの?」
少年「う……」
霊感少女「それに今のうちになんとかしないと、怨念がさらにひどくなって」
霊感少女「誰かの命がなくなるような、取り返しのつかない事態になる可能性もあるわよ」
少年「…………!」
少年「わ、分かったよ……ボクも手伝うよ」
霊感少女「決まりね。じゃあ放課後、七不思議に会いに行きましょう」
少年(とんでもないことになっちゃったなぁ……)
8: 以下、
放課後――
<教室>
霊感少女「じゃ、行くわよ」
少年「う、うん」
教師「おーい何してる! もう授業は終わったんだから、すみやかに帰るように!」
少年(ゲ、先生に見つかっちゃった……)
霊感少女「帰りません。だって、これから七不思議に会いに行くんだから」
教師「七不思議ィ??」
少年(すごい、先生にまでハッキリ言った!)
9: 以下、
教師「ふんっ、バカバカしい!」
教師「先生もその話は聞いたことがあるが、あんなものは迷信だ!」
教師「先生だって多少体調を崩してるが、きっとただの風邪――」
霊感少女「…………」ギロッ
教師「え」
霊感少女「……呪うわよ」
教師「ええっ……」ゾクッ
霊感少女「分かったら、許可しなさい」
教師「は、はいっ!」
少年(弱っ!)
霊感少女「あ、そうだ。先生も多少霊感あるみたいだし、私たちを手伝いなさい」
教師「は、はははは、はいっ!」
少年(弱すぎ!)
10: 以下、
少年「七つのうち、まずどこに行く?」
霊感少女「あなたが決めていいわよ」
少年「んー……じゃあトイレの花子さんから行こうか」
霊感少女「ベタな怪談から攻める……いい判断だわ」
少年「ど、どうも」
霊感少女「じゃあ行きましょう」
教師「まったく……花子さんなんかいるわけないだろうに……」ブツブツ…
教師「いいか、何も出なかったらすぐ帰るんだぞ!」
11: 以下、
<トイレ>
少年「言い伝えによると、このトイレに花子さんが現れるらしいけど」
教師「フッ、やっぱりいないじゃないか」
霊感少女「……花子さん」
霊感少女「私の声が聞こえたら、出てらっしゃい」
花子「はーい!」ボワンッ
少年「うわっ!」
教師「おぎょわわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
少年(花子さんより、先生の声にビビった!)
12: 以下、
教師「あわわわわ……花子しゃんや……」ガタガタ…
花子「花子でーっす!」
花子「あたしになにか用?」
霊感少女「今、霊たちの怨念によって、学校中の児 童や先生の体調が悪化する事件が起きてるの」
霊感少女「私たちはそれを解決したいんだけど……あなた、なにか不満を抱えてない?」
花子「不満? 特にないけどー?」
少年「え、ないの?」
花子「あー……でもぉ、強いていうならぁ……」
13: 以下、
花子「トイレにずっと座ってるの飽きたから、もっといいイスに座りたいかなーとは思ってる!」
少年「アハハ……」
少年「たしかに便座って、冷たくて固いしね」
霊感少女「とりあえず、職員室にある先生の座布団をプレゼントしましょうか」
教師「ええ、俺の!? そんな勝手なこと――」
霊感少女「呪うわよ」
教師「ご自由にどうぞ」
少年(彼女が強すぎるのか、先生がヘタレすぎるのか、どっちなんだろう)
14: 以下、
スタスタ…
少年「これで一つ目解決か、なんか拍子抜けしちゃうな」
少年「次はどうする?」
霊感少女「そうねえ……」
霊感少女「ベタ続きで、理科室の人体模型にしましょう」
教師「ええ!? あれ、霊とか関係なしに怖いから後回し――」
霊感少女「…………」ギロッ
教師「行くぞ理科室へ! 二人とも、先生についてこい! 俺の生徒に手は出させない!」
15: 以下、
<理科室>
人体模型「…………」
少年「これだ」
霊感少女「人体模型さん、私の声が聞こえる?」
人体模型「ああ、聞こえるともさ!」
少年「しゃべった!」
教師「あぎゃはわぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
16: 以下、
霊感少女「あなた、なにか不満や怒りを抱えてない?」
人体模型「うーん……そうだねえ」
人体模型「私のこの肉体を存分に生かすようなことがしたいねえ!」
霊感少女「じゃあ、先生とプロレスごっこでもしたら?」
人体模型「そうさせてもらおう!」
教師「は!?」
人体模型「コブラツイスト!」グググッ…
教師「いだだだだだ……!」メキメキメキ…
少年「お気の毒に……」
霊感少女「しょうがないわよ。私たちじゃ体格が違いすぎてプロレスにならないもの」
17: 以下、
<音楽室>
ポロロロン… ポロロロロロン…
少年「誰もいないのに、勝手にピアノが……!」
教師「ひいいぃぃぃぃぃぃ……! 祟りだ、祟りだぁぁぁぁぁぁ……!」
霊感少女「ピアノを弾いてる霊さん、現れてちょうだい」
ボァァ…
幽霊「はぁい」
少年(男の子の幽霊だ!)
18: 以下、
少年「君、なにか悩みや不満を抱えてない?」
幽霊「うーん……ぼく、本当はノーベル賞を取るような学者になりたかったんだ」
少年「学者に?」
霊感少女「それなのに、どうしてピアノを?」
幽霊「ムリヤリ習わされてたんだ。パパもママも音楽関係の仕事してたから」
幽霊「それで、ピアノ教室やだなーと思って歩いてたら、車にひかれちゃったってわけ!」
少年「恨みや怒りなんかはないの?」
幽霊「ないかなぁ……。ボケッとして赤信号渡っちゃったの、ぼくだしね」
霊感少女「このあまり過去を引きずらない性格は、研究者向きかもしれないわね」
19: 以下、
少年「でも君のピアノの腕、かなりイケてると思うよ!」
幽霊「そうかな?」
霊感少女「ええ、自信を持っていいと思う……だから元気出して」
幽霊「あ、ありがとう」
教師「そうかぁ? ムリヤリ弾かされてる感があって、イマイチな演奏だったが」
少年「…………」ギロッ
霊感少女「…………」ギロッ
教師「さ、最高の演奏でした。君ならベートーベンになれる!」
20: 以下、
スタスタ…
少年「あの男の子の霊もおだてて自信をつけさせて、これで三つクリアだ!」
霊感少女「それじゃ四つ目は、図工室に行きましょう。ここから近いし」
少年「しかめっ面のモナリザ、だね」
教師「アホらしい。モナリザは微笑んでるんだ。しかめ面なわけが――」
21: 以下、
<図工室>
モナリザ「…………」ムスッ
教師「ホントにしかめっツラぁぁぁぁぁっ!!?」
少年「もういい加減に慣れてよ、先生……。さっきからうるさい」
霊感少女「モナリザさん、昼は美しく微笑んでるあなたが、どうして今はしかめっ面をしているの?」
モナリザ「…………!」ビキッ
22: 以下、
モナリザ「あんたたちに……話すつもりはないわぁぁぁぁぁっ!!!」
ゴォッ!!!
霊感少女「きゃああっ!」
少年「うわあああっ!」
教師「ぎょええええええっ! 図工室の外に飛ばされるぅぅぅぅぅっ!」
23: 以下、
スタスタ…
少年「……追い出されちゃったね」
霊感少女「うん……なすすべがなかったわ」
教師「ったく、なんつう女だ! カリカリしやがって!」
教師「俺の昔の彼女があんな感じだったなぁ……腹痛の時なんかすぐ当たり散らして……」
少年「でも、ボクたちをふっ飛ばしたことで、多少はスッキリしたんじゃない?」
霊感少女「そうだといいんだけどね」
少年「七不思議、残りは三つ……次は夜中に十三段になる階段に向かおう!」
24: 以下、
<階段>
少年「数えてみるよ!」
少年「いち、にー、さん、しー、ごー、ろく、しち、はち、きゅー、じゅう、じゅういち、じゅうに……」
少年「じゅうさん……」スタンッ
少年「増えてる……いつもは十二段のはずなのに」
教師「怖いよぉぉぉ……!」
霊感少女「ねえ、階段の十三段目さん」
十三段目「あぁん、なんだよ!?」
教師「階段がしゃべった!」
25: 以下、
十三段目「悩み? 不満? 怒り? そりゃあるさ!」
十三段目「オレは……目立ちたいんだよぉぉぉぉぉっ!!!」
少年「へ……?」
十三段目「だってよ、他の七不思議はわりとド派手なのにさぁ……」
十三段目「階段が一段増えるだけ、なんて地味すぎるだろぉぉぉぉぉっ!」
十三段目「オレはもっと……劇的に自分を表現したいんだよぉぉぉぉぉっ!」
少年「分かった、分かったよ。愚痴を聞いてあげるから……」
十三段目「聞いてくれるの!?」
26: 以下、
スタスタ…
少年「うへぇ?……長かった」
霊感少女「まさか、一時間も愚痴られるとはね」
教師「なんて話好きな階段だ! 校長といい勝負だ!」
教師「校長も職員会議の時、いつも話が長いのなんのって……」ブツブツ…
少年「……校長」
少年「じゃあ次は校長室にある“怒る初代校長の写真”に会いに行こう!」
27: 以下、
<校長室>
初代校長「うぬぬ……」ムカムカ…
霊感少女(怒ってる……)
少年(怒ってる……)
少年「どうしようか?」
霊感少女「私にいわれても……」
教師「ふっふっふ……二人とも、こういう時は俺に任せておきなさい!」
教師「怒ってる人をなだめるには、いい手がある!」
28: 以下、
教師「これはこれは初代校長先生、ご機嫌うるわしゅう」モミモミ…
教師「いつ見ても精悍な顔つきをしてらっしゃいますなぁ?」モミモミ…
教師「つきましては、あなたのお力で私を学年主任に……」モミモミ…
初代校長「…………」
霊感少女「ごますりで機嫌を取ろうってわけね」
少年「でもたしかにいい手かも……。褒められて嬉しくない人っていないし」
29: 以下、
初代校長「バッカモーン!!!」
教師「うわっ!?」ビクッ
初代校長「キサマはワシのことなーんも分かっておらん!」
初代校長「ワシはおだてられるのが大嫌いなんだ!」
教師「す、すみませんすみません!」
初代校長「ホントはワシは痛めつけられるのが好――いや、なんでもない!」
初代校長「とっとと出てけえっ!!!」
教師「は、はいぃぃぃぃぃ!」
30: 以下、
スタスタ…
教師「ハァ……初代校長を怒らせてしまった……」
少年「まあまあ、あくまであの校長先生は幽霊なんだから。先生の出世に影響はないよ」
少年(でもあの校長先生、なにか言いかけてたよな……)
霊感少女「二人とも、気を取り直して」
霊感少女「最後の七不思議、“プールに潜む河童”のところに向かいましょう」
31: 以下、
<プール>
霊感少女「河童さん……いるのなら出てきて……」
ザバァッ!
河童「出てきたっパーッ!」
少年「河童だ!」
教師「あんぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
32: 以下、
ザブザブ… ブクブク…
河童「っぷはぁっ! やっとプールサイドにたどり着けたッパ!」
少年「河童さん、河童のわりにあまり泳ぎうまくないね。ボクのがうまいくらいだ」
河童「ふん、河童だからって泳ぎがうまいという偏見はやめて欲しいッパ!」
河童「せっかくプールサイドに上がったんだから、水で絵を描くッパ!」
少年「水で絵を?」
河童「こうやって地面を濡らして、絵を描くッパ! オイラの特技ッパ!」ビショビショ
少年「へぇ?、うまいもんだなぁ」
霊感少女「お上手……」
河童「水が蒸発したら、消えちゃうッパけどね」
33: 以下、
河童「楽しかったッパー」
少年「じゃーねー」
スタスタ…
少年「……さて、これで七つ全部回ったわけだけど――怨念は消えた?」
霊感少女「いいえ……」
霊感少女「少し減っただけで、まだまだ怨念は渦巻いてるわ」
少年「ってことは、学校の七不思議たちの不満は解消されてないってことか……」
霊感少女「そういうことね」
少年「うーん……どうすればいいんだろう?」
34: 以下、
教師「ハッ、俺たちのような生きてる人間が、霊の不満を解消しようってのが無謀だったんだよ」
教師「霊や妖怪には、そいつらしか分からない事情ってもんがあるだろうしな!」
少年「そうかもしれないけど……」
教師「だいたいさっきの河童なんか、明らかに絵描きの方が向いてるじゃないか!」
教師「それがなんでプールにいるんだ! 適材適所って言葉を知らないんじゃないのか!?」ブツブツ…
少年「…………」
少年(河童は……絵描きの方が向いてる……)
少年「――――!」ハッ
少年「そうか! そうだったんだ!」
35: 以下、
霊感少女「……何か分かったの?」
少年「うん、分かった!」
少年「七不思議は、みんな間違った場所にいたんだよ!」
教師「どういうことだ?」
少年「ようするに、七不思議のみんなは、みんないるべき場所が一つずつズレていたんだよ!」
少年「たとえば、河童は図工室にいるべき、という風に!」
霊感少女「……なるほど。このズレがつもりつもった怨念を生み出したというわけね」
少年「だから……みんなを正しい場所に移せば、学校を包み込んでる怨念は晴れるはずだよ!」
霊感少女「やってみる価値はありそうね」
36: 以下、
<トイレ>
少年「花子ちゃん!」
霊感少女「花子ちゃん」
教師「は、花子しゃん」
花子「なーに?」
少年「騙されたと思って、ボクたちと一緒に校長室に来てみてよ!」
花子「…………?」
37: 以下、
<校長室>
花子「わーっ! フカフカーッ! このイス、最高!」フカフカ
花子「こんないい場所を紹介してくれて、ありがとう!」
少年「やったぁ!」
霊感少女「怨念がかなり減ったわ。花子ちゃんの不満が解消された証拠……」
教師「まさか、こんなことで……うーむ、教育って奥が深い」
少年「よぉし、この調子で他の七不思議がいる場所を一つずつズラしていこう!」
38: 以下、
<トイレ>
教師「いいのかなぁ……モナリザの絵をこんなとこに置いて」ゴトッ
霊感少女「学校を救うためなんですから」
少年「そうそう!」
モナリザ「ここは……トイレね!? やっと用を足すことができるわ!」
モナリザ「私ずっとお腹が痛かったの! 三人ともありがとう!」パァァ…
少年(うわ、ものすごくいい笑顔)
39: 以下、
<図工室>
河童「おお……!」
少年「ここでなら、絵の具やスケッチブックもあるし、好きなだけ絵を描けるよ!」
河童「すごいッパ! こんなとこあったなんてッパ!」
河童「ありがとうッパー! 必ずいい作品を描いてみせるッパ!」
少年「頑張ってね!」
霊感少女「作品ができたら見せてね」
教師「図画工作の教室に河童……なんというミスマッチだ」
40: 以下、
<プール>
少年「うわぁ?……」
霊感少女「いわね」
ザバッ ザバッ ザバッ
人体模型「これだ! これだったんだ!」
人体模型「私がやりたかったことは!」
人体模型「水泳こそ、私の肉体を100%生かせる全身運動!」ザバァァァッ
41: 以下、
<理科室>
幽霊「ここは……」
霊感少女「あなたが好きな理科室よ」
霊感少女「もうあまり好きじゃないピアノなんか弾かなくていいのよ」
幽霊「うん……ここでいっぱい実験するよ! やっとピアノから離れられる!」
少年「先生の“ムリヤリ弾かされてるようなイマイチな演奏”ってのは正しかったわけだ」
教師「そういうことだな!」ムフッ
幽霊「じゃあさっそく、この先生で人体実験を……」
教師「やめて!!!」
42: 以下、
<階段>
教師「階段なんかどうやって動かすんだ?」
霊感少女「増えた一段は、霊的な物質だから持ち上げることができるはずよ」
少年「先生、頑張って!」
霊感少女「先生……お願い」
教師「んもう、こんな時だけ先生扱いして……よいしょぉ!」グイッ
十三段目「うおお! オレをどこに運ぶ気だ!?」
少年「音楽室だよ」
霊感少女「あなたが自分を表現するのには、うってつけな場所でしょ?」
十三段目「音楽か……たしかに!」
43: 以下、
<音楽室>
十三段目「Yo! Yo!」
十三段目「オレは階段! 増えた一段! かなり大胆! 趣味は猥談!」
十三段目「夜になると、増えてる一段! 泣く子も黙る、怖い怪談!」
十三段目「十三といったら不吉な数字! 起きる気しまくる不吉な凶事!」
十三段目「だけどオレはホントは無害! もっとみんなと仲良くしたい!」
十三段目「オレはやるぜ、みんなと仲良く! 少しずつやるぜ、だんだん仲良く!」
十三段目「チェキラァ!!!」ビッ
少年「……う、うーん」
霊感少女「まさか、こういう音楽でくるとはね……」
44: 以下、
教師「階段くん」
十三段目「なんだい?」
教師「俺はちょっとラップにはうるさいんだが……」
十三段目「ほう?」
教師「今のはもっと改良の余地があるな……たとえば……」
十三段目「ふむふむ、なるほど……」
少年「なぜか意気投合してるよ……」
霊感少女「ま、いいんじゃない」
45: 以下、
<階段>
教師「ここへ初代校長の写真を置けばいいんだな?」ゴトッ
初代校長「キサマら、なぜワシをこんなところへ!?」
霊感少女「階段に潜んでれば、思う存分踏まれることができるわよ」
初代校長「あっ、そうか! ナイスアイディア!」
霊感少女「じゃあ、階段を踏みましょう」スタスタ
少年「うん」スタスタ
初代校長「た、たまらんっ! もっと踏んでぇぇぇぇぇんっ!」ビクビクッ
46: 以下、
少年「これで七不思議、全てのズレを解消できたね!」
霊感少女「ええ……怨念がすっかり消えたわ」
教師「たしかにさっきより、体が軽くなって、気分が楽になったような……」
霊感少女「怨念が消えた証拠よ、先生」
少年「明日からはもう、みんなが学校で体調を崩すことはなくなるわけだね!」
パァァァ…
三人「!」
47: 以下、
花子『フカフカ椅子に座らせてくれてありがとう!』
モナリザ『とてもスッキリしたわ!』
河童『三人のおかげッパ!』
人体模型『もう怨念で君たちを苦しめるようなことはないだろう!』
幽霊『今までのことは許してね』
十三段目『これからは音楽室にたまに現れる段差として頑張るYo!』
初代校長『学校の児 童たちと職員たちに幸あれ……』
パァァァ…
少年「みんな……スッキリした表情してたね」
霊感少女「うん、彼らはもう人々を苦しめる悪霊じゃない。立派な守護霊よ」
教師「さ、もう夜中だ! 親御さんも心配してるだろうから、帰るぞ!」
少年「はいっ!」
霊感少女「はい」
48: 以下、
その後しばらくして――
<教室>
友「なぁなぁ!」
少年「ん??」
友「うちの学校って七不思議があったじゃん?」
少年「! ……うん、あったね」
友「だけど今は、七不思議が新しくなったって噂が立ってるんだ」
少年「へぇ?、どんな風に?」
49: 以下、
友「聞いた話じゃ、こんな具合だな」
校長室で偉そうにしてる花子さん
階段であえぐ初代校長の写真
音楽室でラップをかます謎の段差と教師
理科室で生き生きと実験する男の子
プールで泳ぎまくる人体模型
図工室でうまい絵を描く河童
トイレでやたら満面の笑みのモナリザ
少年「……アハハ」
友「どれも邪悪な感じじゃないし、むしろ出会うと幸運になるらしいぜ!」
少年「へぇ?」
少年(って先生、あの人何やってんだよ……)
50: 以下、
少年(そういえばあれ以来、彼女はまた元の無口に戻ってしまったけど……)
少年(それでも話しかけると――)
少年「新しい七不思議ができたみたいだね! みんな楽しそうだよ!」
霊感少女「……そうね」クスッ
少年(明るく笑いかけてくれるようになった!)
―おわり―
51: 以下、
以上でおしまいとなります
53: 以下、
そうきたか
お見事!
54: 以下、
おつおつ
元スレ
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麦野「どうにかして浜面と付き合いたい」レベル5で楽しくやっていく
ミサカ「俺らのこと見分けつく奴なんていんの?」蒼の伝道師によるドタバタラブコメディ
一方通行「あァ!? 意味分からねェことほざいてンじゃねェ!!」黄泉川ァアアアアアアアアアア!!
さやか「さやかちゃんイージーモード」オナ禁中のリビドーで書かれた傑作
まどかパパ「百合少女はいいものだ……」君の心は百合ントロピーを凌駕した!
澪「徘徊後ティータイム」静かな夜の雰囲気が癖になるよね
とある暗部の軽音少女(バンドガールズ)【禁書×けいおん!】舞台は禁書、主役は放課後ティータイム
ルカ子「きょ、凶真さん……白いおしっこが出たんです」岡部「」これは無理だろ(抗う事が)
岡部「フゥーハッハッハッハ!」 しんのすけ「わっはっはっはっは!」ゲェーッハッハッハッハ!
紅莉栖「とある助手の1日ヽ(*゚д゚)ノ 」全編AAで構成。か、可愛い……
岡部「まゆりいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」SUGEEEEEEEEEEEEEEEEE!!
遊星「またD-ホイールでオナニーしてしまった」……サティスファクション!!
遊星「どんなカードにも使い方はあるんだ」龍亞「本当に?」パワーカードだけがデュエルじゃないさ
ヲタ「初音ミクを嫁にしてみた」ただでさえ天使のミクが感情という翼を
アカギ「ククク・・・残念、きあいパンチだ」小僧・・・!
クラウド「……臭かったんだ」ライトニングさんのことかああああ!!
ハーマイオニー「大理石で柔道はマジやばい」ビターンビターン!wwwww
僧侶「ひのきのぼう……?」話題作
勇者「旅の間の性欲処理ってどうしたらいいんだろ……」いつまでも 使える 読めるSS
肛門「あの子だけずるい・・・・・・・・・・」まさにVIPの天才って感じだった
男「男同士の語らいでもしようじゃないか」女「何故私とするのだ」壁ドンが木霊するSS
ゾンビ「おおおおお・・・お?あれ?アレ?人間いなくね?」読み返したくなるほどの良作
犬「やべえwwwwwwなにあいつwwww」ライオン「……」面白いしかっこいいし可愛いし!
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