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魔人「願いを一つかなえよう」


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魔人「願いを一つかなえよう」
魔人「ついでにお菓子も一つあげよう」
女「私はラッキーね。それなら願いはいいからお菓子をくれないかしら?」
魔人「わかった。では、願いの代わりのお菓子と、ついでのお菓子で二個のお菓子ね」
女「ちょっとまって、二個もいらないわ。おなかいっぱいになっちゃうじゃない」
魔人「じゃあ取り消すんだな?」
女「そうね。もう願い事とかいいからお菓子をくれるかしら」
魔人「私の役割は願い事をかなえることにある。お前が願いを言わなければ私は永遠にこの世をさまよう事になる」
女「それはかわいそうね。でも、残念ながら願い事なんてないわ」
勇者「魔王倒したし帰るか」【SS】
http://world-fusigi.net/archives/8897493.html
5: 以下、
女「悪いけど、私いらないわ、そんなの」
魔人「そんなはずはない。どんな人間にも欲はあるものだ」
女「ごめんなさい、私馬鹿だからよくわからないのよ」
魔人「ならば、頭を良くするのも願いの一つでよいではないか」
女「いやよ。そしたら私じゃないじゃない」
魔人「ではどうすればいいのだ」
女「私の願いが決まるまで、待ってればいいじゃない」
魔人「それもそうだな」
女「じゃあ、気が向いたらまた来るわ」
6: 以下、
魔人「・・・・・・・・・」
女「なんでついてくるのかしら?」
魔人「お前の願いが決まるまで待つといっただろう」
女「じゃあ待ってればいいじゃない」
魔人「ああ、だからお前の近くで待つだけだ」
女「えー、迷惑だから帰って」
魔人「大丈夫だ、私に実態はないし、お前以外の人間には姿は見えん」
女「だからと言ってついてくる理由にはならないでしょ」
魔人「お前がいつ願いが決まるかわからないからな。決意が揺らぐ前に聞いてしまえば早く済む」
女「よくわからないわ」
魔人「とにかく、しばらく世話になる」
7: 以下、
女「ただいまー」
魔人「一人暮らしなのか」
女「そうよ」
魔人「両親はいないのか?」
女「いるわよ、実家に」
魔人「お前は今何をやっているんだ」
女「介護施設で働いてるの。馬鹿な私でもやとってくれたからね」
魔人「ほう。ところで、一人暮らしは寂しくないか?よかったら代わりの人間を・・・」
女「さびしくなんかないわよ」
魔人「・・・そうか、残念だ」
8: 以下、
魔人「仕事はやめたいと思わないのか?」
女「別に。私にとっては引き取ってくれたチーフへの恩返しだと思っているから」
魔人「つらいとも思った事はないのか?」
女「別に」
魔人「給料に不満はないのか?」
女「何不自由なく暮らしているわよ」
魔人「・・・そうか、残念だ」
女「あんたさっきから不謹慎ね」
魔人「そうか?すまない、人間界のルールはいまいちよくわからないからな」
9: 以下、
女「そんなことよりお菓子ちょうだい」
魔人「すっかり忘れていた。しかし今はだめだ」
女「何でよ?」
魔人「お菓子をあげるのは願いをかなえた後だ」
女「なーんだ」
魔人「どうだ、早く願い事を言わないと賞味期限が切れてしまうぞ?」
女「そうやって私を脅すつもりね」
魔人「脅しでもしないとお前は願いを言いそうにないのでな」
女「残念ながら、そう言われても願い事がないから意味ないわよ」
10: 以下、
女「眠くなってきたわ」
魔人「良い寝場所を与えてやろうか」
女「いらないわよ。あ、それとお風呂入るからのぞかないでよね」
魔人「覗く?なぜ私が覗くのだ?」
女「いいから、とにかく覗いちゃだめよ」
魔人「よくわからんが、従おう」
11: 以下、
女「・・・本当にのぞかないのね」
魔人「何度も言うが、何故私が覗かなくてはならない」
女「あんた、女の子のからだとか興味ないのかしら?」
魔人「無い。じゃあ聞くが、お前らはイヌの裸を見て何か得になるものがあるのか?」
女「そんなの・・・別に、何ともないわよ」
魔人「そういう事だ。お前たち人間と私は別の生き物なのだ」
女「その割には、あなた人間の中ではかなりイケメンな方よ」
魔人「そうなのか?魔界ではよくブサイクだ、といじめられていたものだ」
女「なるほど、別の生き物だわ」
12: ぺロリマン 2008/08/11(月) 23:53:02.59 ID:mqQ6LXNS0
支援
13: 以下、
女「じゃあ私は寝るわね」
魔人「ああ、ゆっくり休みたまえ」
女「あんたは寝たりしないの?」
魔人「寝ることは寝るが、私の睡眠時間はこの世界の時間で平均14分程度だ」
女「へー、うらやましいわね」
魔人「なぜだ?」
女「それだけ時間があるんでしょ?今のサラリーマンとかだったらうらやましがるわよ」
魔人「私は、時間を長く感じてしまって不便だがな。時に、この能力はうらやましいか?ならばかなえてやろうか」
女「いいわよ、別に」
魔人「実に残念だ。ならさっさと寝たまえ」
14: 以下、
おもしろいかもw支援
15: 以下、
慈円
16: 以下、
期待
17: 以下、
ふむふむ
18: 以下、
魔人「おい、そんなに寝ていいのか?」
女「いいのよ、今日は休みなんだから」
魔人「健康的にも良くないだろう。早寝早起きが人間界の習慣だと聞いていたが、嘘のようだな」
女「そんなもの本気にやるのなんて、本当に健康に気を使っている人だけよ」
魔人「なるほど。ならば、お前は健康に気を使っていないのか?」
女「そういう訳じゃないわよ。ただ、いやな思いしてまで早起きするとストレスたまっちゃうじゃない?」
魔人「貴様は健康より精神状態を維持したいのだな」
女「メンタルも健康の内よ」
魔人「頭が悪い割には口だけはまわるようだな。このような輩を人間界では能書きったれというそうだ」
20: 以下、
女「さて、コンビニ行くわよ」
魔人「コンビニエンスストアだな。一日中営業し続けるお手軽な店」
女「あんた、意外とこの世界のこと知っているよね」
魔人「今秋葉原には外国人が多くを占めているだろう?私たちも異国の文化には興味を示すものなのだ」
女「なるほど」
魔人「ところで、何をしに行くつもりだ」
女「朝ごはんを食べに行くの」
魔人「それはおかしいな」
女「なんでよ」
魔人「今はすでに午後1時を過ぎている。もう昼御飯の時間ではないのか?」
女「私にとっての朝だからいいの」
魔人「そのような輩を能書きったれという」
21: 以下、
魔人良いな
22: 以下、
魔人「おい」
女「なによ?」
魔人「なぜおにぎりを選ばない。日本人なら米を食べるべきだ」
女「そんなこと言ってると、他国との交流が無くなっちゃうでしょ」
魔人「そうは言ってもだな・・・・おい」
女「なによ?」
魔人「なぜお茶を選ばない。日本人なら茶を飲むべきだ」
女「だから、そんなこと言ってると、他国の文化を取り入れられないでしょ」
魔人「お前たちは自国の文化に誇りはないのか」
女「そんなもん頑固オヤジに任せとけばいいのよ」
23: 以下、
魔人のくせに自己主張の激しい奴だなw
24: オワタマン 2008/08/12(火) 00:09:04.67 ID:GMVUfiEHO
>>1魔神、やるじゃねぇか
25: 以下、
へぇなかなか面白いじゃないか。
だけどもっとペース上げて欲しいね。
26: 以下、
魔人「お前は自炊をしないのか」
女「面倒くさいからね。でもするときはするわよ」
魔人「する時とは、いつのことだ?」
女「太り始めてから健康面には気を使うわね」
魔人「この国は、太ることに対して異様な嫌悪感があるようだな。なぜだ?」
女「見栄えが悪いでしょ。おいしいものはおいしそうに見せなきゃ」
魔人「おいしいもの?」
女「たとえの一つよ。料理と同じで、おいしそうじゃないと男は食べてくれないってこと」
魔人「人間のオスはメスを食うのか?」
女「そりゃ食うよ。ガツガツ食うよ」
魔人「聞いていたより残酷な生き物だな、人間とは」
29: 以下、
魔人「自炊をしないという事は、今は太っていないのだな」
女「最近ダイエットしたばっかだからね」
魔人「では、夕飯はどこで食べるつもりだ」
女「外食よ」
魔人「ファミリーレストランだな。家族向けに対応された、安価で良い品を提供するレストラン」
女「ホントに詳しいのね。その通りよ」
魔人「なぜ家族でいかないのだ?」
女「いいじゃない、別に。一人で食べたって」
魔人「それはおかしい。家族向けにしてある以上、家族で行くべきだ」
女「今に始まったことじゃないわよ。私以外に一人で来ている人はいるもの」
魔人「そうなのか?」
女「名前だけそうしてあるだけで、対象者は誰でもいいのよ。店の人も、客が増えれば何でもいいの」
魔人「ならなぜファミリーレストランなどという名を定着させるのか」
30: 以下、
女「んー。食べたいものがいっぱいあるわ」
魔人「なんなら無限に入る胃袋にしてやろうか」
女「そんなのいらないわよ。おなかいっぱいになるから幸せなんでしょ」
魔人「ならばすべての味を楽しめるような・・・」
女「だからいらないの。一回来ただけで全部の味わかっちゃダメでしょ」
魔人「なぜだ?」
女「何回も来て、そのたびに自分の食べたい物食べて・・・ってやらないと、前食べた料理が飽きないでしょ」
魔人「何度も食べると飽きがくるのか」
女「そう。だから、忘れたときに食べるのが一番いいのよ」
魔人「なるほど、食欲が人間の三大欲求に入る理由を理解した。なかなか奥深いものなのだな」
34: 以下、
女「いっぱい食べたわー」
魔人「満足か?」
女「そりゃもう。あとは寝るだけね」
魔人「もしかしてだが、明日も休みなのか?」
女「明日だけじゃないわ。5日連休よ」
魔人「という事は、あと4回は今日のような一日の繰り返しなわけだな?」
女「そういう事になるわね」
魔人「なるほど、太るわけだ」
35: 以下、
魔人「どうせなら自炊するところも見せてみろ」
女「なんでよ」
魔人「今日一日お前を観察して、とても自炊できるような性格じゃない。と悟ったからだ」
女「失礼ね。私だって女よ、それくらいできるわよ」
魔人「そうか。なら明日、楽しみにしているぞ」
女「まかせてちょうだい」
魔人「おい、もう11時だぞ。起きないか」
女「・・・・・・・・・・」
魔人「出だしから躓くか。昨日の気合いはなんだったんだ」
36: 以下、
女「こんなの計算の内よ」
魔人「ほう、2時に起きるのが計算か。是非式と回答を知りたいものだ」
女「とりあえずスーパーね。材料はここで集めるわ」
魔人「やっとまともになってきたな」
女「でもその前におなかがすいたから、コンビニで朝ごはんを買いましょう」
魔人「ツッコミを入れてほしいのか?」
37: 以下、
これはいい、中々だ
38: 以下、
魔人「意地でもおにぎりとお茶は買わないらしいな」
女「別に無理やりサンドイッチとコーラ買ってるわけじゃないわ。好きだから買ってるの」
魔人「自国よりサンドイッチとコーラを選ぶか」
女「それより、今日の夕飯決まったわよ」
魔人「とうとうその話題になったな」
女「今日はスパゲッティーにしましょう」
魔人「悪くない」
女「まぁ見てなさい」
39: 以下、
スパゲッティーはいいのか魔人
支援
40: 以下、
女「うんん、やっぱり私の作る料理はおいしいわ」
魔人「ちょっといいか。もう一度作り方を言ってみろ」
女「だから、スパゲッティをレンジで茹でて、レトルトのソースを5分くらいお湯であっためて、麺にレトルトかけておしまい」
魔人「どこを注意してほしいか聞いてやる」
女「スパゲッティをレンジでしょ?最近の科学は進歩しててね、レンジでもゆでられる入れ物があるの」
魔人「なるほど、確かにすばらしい進歩だな。鍋を使わないで茹でられるのか」
女「でしょ?さすがよね」
魔人「無粋なことを聞いたな。謝ろう。どうやら私の思ったとおり、お前は自炊ができないらしい」
41: 以下、
女「じゃあ、もう寝るわね」
魔人「ああ、ゆっくり休めよ」
女「・・・・・・・・・・」
魔人「起きるのは遅いくせに寝るのは早いんだな」
女「・・・・・・・・・・」
魔人「・・・・・・・・・・・」
女「・・・・・・・・・・」
魔人「就寝時間、21時42分か。今日はちゃんと記録を取っておいたぞ。起床時間が楽しみだ」
43: 以下、
女「うーん、よく寝たわ」
魔人「その通りだな。現在13時だ。お前の睡眠時間は約15時間という事になる」
女「いつもそんなもんよ」
魔人「それでよく仕事ができるな」
女「仕事は仕事よ。それとこれとは別」
魔人「プライベートと仕事を分けたがる人間は多いみたいだが、なぜだ?」
女「そうね。やっぱり疲れるか疲れないか、かしらね」
魔人「疲労はうつ病の原因でもあるらしいからな」
女「疲れない時間まで、疲れるようなこと考えたくないじゃない?」
魔人「一日の生活に一貫性を持たせるわけか。区切りをつけるのはいい事だ」
女「やっぱり、そう思うでしょ?」
魔人「だが、お前の場合は差がありすぎだ。もう少し意識していてもいいと思う」
女「あんた、私が仕事してるとこ見たことないのによく言えるわね」
魔人「お前の性格を考えれば、代替分かる」
45: 以下、
女「ところで、最近あんた願い事だのなんだの言わなくなったわね」
魔人「この世界と、人間という生き物により興味がわいてな。もう少しお前の様子を見ることにした」
女「こっちにしてはいい迷惑だわ」
魔人「安心しろ。当初の目的を忘れているわけではない。お前の願い事が決まったらすぐにかなえるつもりでいる」
女「だから、ないって言ってるでしょ」
魔人「逆に、それが興味をそそるのだ」
女「え?どういうこと?」
魔人「お前みたいな欲深そうな人間が、なぜ一つも願いがないのか。これほど興味を引き付ける対象は他を見ないぞ」
女「そんなもんかしら」
47: 以下、
ついてこないでと覗かないでを願いにカウントしない魔人が好きだ
49: 以下、
女「そもそも、適当にかなえていけばいいんじゃないの?願い事なんて」
魔人「それは駄目なのだ。願い事とは、その人間が心から『こうしたい』と望んだものでなければならない」
女「へー」
魔人「その対象が多い者もいれば、少ない者もいるのだが、無い者とは聞いたことがないのだ。お前のように」
女「私って珍しい人間なのかもしれないわね」
魔人「過信するな。珍しいのではなく異常なのだ」
女「どう違うのよ」
魔人「発酵と腐敗の違いだな」
女「だから、どう違うのよ」
50: 以下、
>>49なるほど
52: 以下、
魔人「ところで、今日は『朝ごはん』を食べないのだな」
女「そういえばおなかすいたわね。買いに行きましょうか」
魔人「なんだ、いつもと変わらないではないか」
女「朝ごはんは食べなきゃいけないのよ。朝の栄養補給は何よりも大事なんだから」
魔人「そうだな、その通りだ。朝のうちに食べていればな」
女「仕方ないから、今日はおにぎり食べるとするわ」
魔人「お前もやっと日本人の自覚が出てきたようだな」
女「でもコーラは譲れないわよ」
魔人「そうか。別に自覚を持て、という意味ではないが、おにぎりにコーラは許されるのか?」
女「コーラは何でも合うわよ」
魔人「人間に人間界の常識をツッコむのも失礼だが、それは無いと思うぞ」
53: 以下、
追い付いちまった・・・
54: 以下、
いいぞもっとやれ
56: 以下、
魔人「今日の夕飯はどうするつもりだ?」
女「安心して、ちゃんと作るから」
魔人「ちゃんと、とは昨日のようなことではないだろうな」
女「大丈夫。あんたに言われてから、久しぶりに本気になったの」
魔人「良い心がけだ」
女「今日はパエリア作るわよ」
魔人「期待しているぞ」
58: 以下、
女「・・・・・・・・・・・」
魔人「一口で何回噛むつもりだ。顎でも鍛えたいのか?」
女「うるさいわね、黙ってちょうだい」
魔人「そうか、お前は米の味を噛みしめているのだな。ではなぜパエリアにしたのか・・・」
女「・・・・・・・・・」
魔人「なるほど。お前は他国の文化を認めつつ、自国の文化を誇りに思っているのだな」
女「うるさいって言ってるでしょ」
魔人「どうした、なにか問題でもあるのか?」
女「どう見ても硬そうなのわかるでしょ?水を飛ばしすぎたのよ。わかる?」
魔人「そうだったな、すまない。失敗という結果を頭に入れてなかった」
59: 以下、
女「もう寝るわ。なんか疲れた」
魔人「なんだ、プライベートでも疲れるんじゃないか」
女「そういう時もあるのよ。おやすみ」
魔人「ああ。おやすみ」
60: 以下、
魔人「おい、起きろ。携帯電話が鳴っている」
女「なに?まだ朝8時じゃない」
魔人「いいから。携帯電話が鳴っているぞ」
女「あ、本当?ありがと」
女「もしもし。 あ、どうも」
女「え? 今から? ああ、大丈夫ですよ」
女「はい じゃあ10時に はい、失礼します」
魔人「どうした、仕事先からか?」
女「あんた、これから私の行くところについてきちゃ駄目だからね」
魔人「かまわんが、何があった?」
女「あんたには秘密よ」
61: 以下、
魔人「どうしたのだ。行くなと言ったからにはついて行ってはいけないし」
魔人「仕事ならば、私を止める必要もないだろう」
魔人「本当に何があったんだ?」
63: 以下、
女「ただいまー」
魔人「帰ったか。何かあったのか?」
女「ん?べつにー」
魔人「やけに上機嫌だな」
女「まぁね。でもあんたには関係ないからいちいち探らないでね」
魔人「そう言うなら従おう」
女「さて、じゃあ今日は朝ごはん自分で作っちゃおうかな」
魔人「どういう風の吹きまわしだ」
女「さぁねー」
64: 以下、
魔人「案の定、また失敗したな」
女「やっぱり駄目ね、私」
魔人「お前、自炊できると言っていたではないか。それはやはり嘘だったのか?」
女「そういう訳じゃないわ。ずっと前から料理は勉強してたの。馬鹿な私でもレシピぐらいは覚えたわ」
魔人「なら、レシピ通りに作ればいいではないか」
女「レシピ通りに作っても、昨日みたいなパエリアできちゃうんだよ?」
魔人「なるほど、もはや才能の問題だな」
66: 以下、
魔人「なら、私が料理を上手にしてやってもいいんだぞ?」
女「そうね、そうしてもらおうかしら」
魔人「なんだと?」
女「どうしたのよ、早く願い事かなえてちょうだい」
魔人「いや、まて。そうもあっさりと願い事を作られては逆に気になってしまうではないか」
女「いいじゃない。もともとあんたは私の願い事かなえるためにいるんでしょ?」
魔人「まぁそうなんだが」
女「ならかなえてよ。あとついでにお菓子も忘れないでね」
魔人「少し待ってくれ。私もこれについては少し考えざるを得ない」
女「なによ、今になって」
魔人「すまない。少し外を散歩してくる」
69: 以下、
魔人「奴が今になって願い事を作ったのには、やはりあの時の電話と外出が原因だろう」
魔人「だが奴は私に何一つとして教えてくれなかったからには探るのは難しい」
魔人「何があったのだろう」
男「いよっしゃあああああああああああああ!!!」
魔人「なんだ?急に大声なんて出して。人間は本当にわからないな」
70: 以下、
おいおい、男だと?
72: 以下、
男「よしっ!!やった!!!」
魔人「気になるな。少しばかり無茶をして聞いてみるか」
魔人「すまない御仁、そんなに喜んで何があったのだ?」
男「うわっ!!、あんたいつの間に?」
魔人「たまたまここを通りかかったら、あなたが雄たけびをあげていたので、気になってね」
男「そうか、それは見苦しいところを見られてしまった」
魔人「で、何があったのだ?」
男「あんなとこ見られちゃったから言うけど、俺結婚するんだ」
73: 以下、
魔人「結婚というと、人間の雌と雄が永遠の契りを結ぶという儀式だな?」
男「あんた、変な表現するな。ああ、そうだよ。正確には、まだお互いでしか話し合ってないけどね」
魔人「そういえば、結婚するためには両親の許可も必要だったな」
男「ああ。それはおいおい解決するとして、彼女は認めてくれたんだ」
魔人「彼女、というと?」
男「俺、介護施設で働いてんだけどさ。そこで働いてる女の子と付き合ってて」
魔人「なるほど。それで、今日告白をしたわけか」
男「そうなんだよ」
74: 以下、
魔人「もしかして、だが。その彼女には、ここへ電話して呼び出したのか?」
男「ああ。今日何としても伝えたくて、8時ごろ電話してさ」
魔人「で、ここで待ち合わせというわけか」
男「彼女なら、その時間絶対起きてないから、遅めに10時に待ち合わせしてたんだ。そしたら思ったより早く来てくれてさ」
魔人「ほう。それはそれは、よかったじゃないか。おめでたい」
男「ありがとう。なんか、あんた他人の気がしないな」
魔人「そうか?私はそんなことないが」
男「だよな。気のせいだ、ごめん」
魔人「では、私はこれで」
男「ああ。じゃあね」
76: 以下、
女「あ、やっと帰ってきた」
魔人「考え事が長引いてな」
女「じゃあパパッとやってちょうだい。早く上手になって、腕を試してみたいの」
魔人「その前に、ちょっと言いたいことがある」
女「なによ。やっぱり嫌ですとかやめてよね」
魔人「そうじゃない。私は願い事をかなえると、役目をはたして消えてしまうんだ」
女「ほうほう」
魔人「消える前に、私が見つけた結論を聞いてほしい。なぜ、お前に願い事がなかったのか」
魔人「そしてなぜ、急に願い事ができたのか」
78: 以下、
魔人「私は、てっきりお前が願い事を考えられないほどの馬鹿か、考える余裕のないほど忙しい人間かと思っていた」
女「馬鹿とは失礼ね。馬鹿だけどさ」
魔人「しかし、そうではない。なんだかんだ言いつつも、お前は今の生活で満足しているのだ」
女「まぁね。大きな不満なんてないからね」
魔人「そして、お前には今まで他にも願い事があったはずだ。親を心配させたくないだの、やとってくれたチーフに恩返ししたいだの」
魔人「しかし、それ全てを自分の力でかなえてきた。お前と初めて部屋に入った時の会話を思い出したら、そういう結論になった」
女「長い話ね」
魔人「良いから聞け。お前も、上下編の推理ドラマのトリックがわかったら人に言いたがったりするだろう」
女「トリックわからないから意味ないもん」
79: 以下、
この魔人なんとなく威厳があるけど言葉が軽いな
80: 以下、
魔人「最後に、お前がなぜ急に願い事ができたのか」
女「だから、料理が作りたいだけだって」
魔人「じゃあ聞こう。それはお前のための願いか?それとも、他人に捧げるための願いか?」
女「もちろん私の為よ」
魔人「それは嘘だな。お前の願い事は、いつだって自分のものではなかったはずだ。そして今回も例外ではない」
魔人「婚約者に捧げるための料理だろう」
女「あんたさ、探るなって言ったじゃん」
魔人「偶然の産物だ。それに、その反応なら間違いないらしいな」
女「しまった。しらばっくれてればよかったのか」
魔人「ここにきて馬鹿が仇となったな」
82: 以下、
魔人「お前はずいぶん前から料理は勉強した、と言っていたな」
魔人「お前のその性格で、そんな訳があるはずない。もちろんそれは、自分のために行動した時の話だ」
魔人「お前を本気で料理を勉強させるきっかけとなったのが、彼氏だろう」
女「あんた、意外と鋭いんだね。警察とか入ってみたら?」
魔人「願いをかなえたら消える身だ。転生したら考えておこう」
84: 以下、
いい感じだ、支援
85: 以下、
魔人「今までだったら、自分だけの努力で何とかなっていたはずだろう」
魔人「しかし今回のみ、才能という壁のおかげでお前は自ら願いを叶う事は出来なかった」
魔人「すなわち、これが『願い事』だ」
女「だってしょうがないじゃん。料理だけはどうにもなんないんだから」
魔人「別に責めているわけではない。願い事のある人間が正常なのだからな」
女「おお、異常じゃなくなったのか」
魔人「まぁ、私がその願いをかなえたらまた異常者に戻るがな」
87: 以下、
魔人「こんなところだ」
女「そこそこ面白かったよ。校長先生の演説よりはね」
魔人「例えが幼稚だが、よかろう。お前の願い、かなえてやる」
女「じゃあお別れだね。なんだかんだ言って楽しかったよ」
魔人「私もな。やはり他国の文化は見ておくものだ」
女「でしょ。私は間違ったことは言わないの」
魔人「そうだな。だが、おにぎりとお茶は好きになっておけ」
90: 以下、
女「別に嫌いってわけじゃ あれ」
女「いなくなってる。ってことは料理はどうなんだろ」
女「おお、すごい。見栄え、味すべて完ぺきだわ」
女「レシピ以上の出来なんじゃないかしら」
女「あ、お菓子」
91: 以下、
男「女!!やっぱりいてもたってもいられないよ!!」
女「あれ?男さん、なんでここに?」
男「両親に連絡しに行こう!!早めの方がいいって!!」
女「まぁ落ち着いて。お菓子でも食べましょうよ」
男「お菓子?」
女「海苔塩チップスですよ。自国と他国の文化をかみしめるのもいいんじゃないですか?」
男「よ・・・よくわかんないけど、いただくよ。ありがとう」
93: 以下、
男「あれ?女って料理作れたっけ?」
女「正確には作れるようになった、ですかね」
男「へぇ。やるね。それで、今どこへ向かってるの?」
女「スーパーですよ。素材集めが基本ですから」
男「そ・・・そうか」
95: 以下、
女「・・・・・・・・ん?」
 “どうやら、魔界の住人が今回の事件で人間に興味をもったらしい”
 “私は無理やり転生されて、この世界の偵察者となったんだが”
 “お前と関わるわけではないからな。肝に銘じておけ”
  “あくまで社会見学程度のものだ。まぁ、だが”
  “また会ったら、その時はよろしく頼むぞ”
男「女?どうしたの?」
女「・・・え?なんでもないよ?」
96: 以下、
女「仕事入ります」
男「お、丁度いいな、女。今新人を紹介するところなんだ」
女「あ、そうなんですか」
男「じゃあ、みんなやさしくしてくれ。こちら新入社員の・・・・・・・・・・・・・・・
END
98: 以下、
GJ、寝る前にいいショートショートだった
ありがとう
99: 以下、
乙!
100: 以下、
皆様こんな時間まで読んでいただきありがとうございました
一応、わかる人だけわかってくれればいいですが、
俺はさくらだふぁみりあです
101: 以下、
乙!
103: 以下、
乙!
106: 以下、
いちおつ!
108: 以下、
おもしろかった
またこんなのかいてくれ
109: 以下、
なかなか面白かった、またVIPのどこかで書いてくれよ
おやすみー
110: 以下、
ありがとうございます
また気が向いたら別の立てます
116: 以下、
乙 才能あるわ
123: 以下、
面白かったぜ!
乙!
124: 以下、
ほのぼのあったか。
オレこーゆーの好きです。>>1おつ!
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現場職員が当たり前に5連休を取れる介護施設なんて日本のどこにもあるわけないだろ。
今月末に親戚の結婚式があるので無理矢理有給1日取って2連休にした。かれこれ4ヶ月ぶりの連休。それでも上司や同僚からは嫌味たらたらだ。
それにしても普通、願いを叶える魔人は「ランプから出してもらった」等のお礼として願いを叶えているはずだが、こいつは一体何のために願いを叶えているんだ。消えるために願いを叶えるのなら、そもそもの目的は何なんだ。
細かい疑問ばかりが浮かんでくる。
3 不思議な
魔人「ああ、だからお前の近くで待つだけだ」
女「えー、迷惑だから帰って」
魔人「承知した」
---6で完結
4 不思議な
面白かったけど、できればもう少し魔人が女におせっかい焼いてやってほしかったな
彼女の願いはいつも他の人に向けられたもの。それは彼女自身の喜びであり、恩着せがましくなく自己犠牲をひけらかすこともない。
そこを魔人にもう少し掘り下げてほしかったな。
違った結末になったかもしれないけどね。
5 不思議な
なんか頑張ろうと思えた
ありがとう。
6 不思議な
???「賃金を上げてくれ」
7 不思議な
なんでもかんでもけなすんだな笑
8 不思議な
まあ2008年のスレだからいろいろと今とは事情が違うだろうな
9 不思議な
え、なにこれ
10 不思議な
なんで女は洋画の字幕版みたいな話し方なんだろ、勝生さんの声で再生される
11 不思議な
不自然な女言葉が気になって話が入ってこなかった
12 不思議な
くさすぎる話だな
こんなのがいいのか
マジで「なんだよこれ」ってなったわ
13 不思議な
面白かったけど女の口調の所為かずっと北欧のイメージがついて回ってたから
おにぎりとかのくだりはしっくりこなかった
14 不思議な
この駄文は貶されるのが妥当でしょ。
9年前つっても、2chの知的レベルなんて15年来こんなもん。
とっくに終わってる。
15 不思議な
女「えー、迷惑だから帰って」
女「いらないわよ。あ、それとお風呂入るからのぞかないでよね」
何度も願い事を言ってんじゃねぇか。
16 不思議な
長いから途中で飽きた。
17 不思議な

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