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晶葉「できたぞ助手! アイドルのおっぱいが食べ放題になるスイッチだ!」


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・下品です。
晶葉「できたぞ助手! アイドルのおっぱいが食べ放題になるスイッチだ!」
P「さすがあきえもん! 涼しい顔をしたまま殴りつけるようなパワーワードで俺の理性の強度試験をやってのける! だがな、晶葉! 東京都には『東京都青少年の健全な育成に関する条例』が存在し、第十八条の六にはこう記されているのだ! 何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行ってはならないと! そもそも児 童福祉法第三四条一項六号によって児 童に淫行をさせる行為は禁じられている! よってそのスイッチの臨床試験は拒否する! というかお前には良心と言うものがないのか晶葉ァ!」
晶葉「マッドサイエンティストA・Iにそんなものはない! そして助手! 貴様に拒否権などないのだ! そもそも条例だの児 童福祉法だの持ち出す前に、母乳スイッチの件を忘れたのか!」
P「ん゛ん゛っ! その件に関してはですねぇ!? 『淫行』とは広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきでなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔(きもう)し又は困惑させる等、その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交、又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交、又は性交類似行為をいうものと解するのが相当であって、純粋な授乳行為そのものは成功類似行為ではないというのが私の解釈でして……」
晶葉「児 童福祉法三四条一項六号にいう淫行を『させる行為』とは、児 童に淫行を強制するだけでなく、児 童に対して、直接、間接、物理、精神を問わず、事実上の影響力を以て児 童が淫行することに原因を与え、あるいはこれを助長する行為をも包含するものと解されるのではないかな?」
P「ほ、ほほほ法解釈なんてどうでもええやろ!? とにかく御禁制! 御禁制ですよ御禁制! そんな条例にも法律にも引っかかるようなスイッチ、さっさと封印するのが世のため人のため俺のため!」
晶葉「ふはははは! だが断る! と言うか助手が法解釈なんぞ垂れるから脱線してしまったが、一体いつから――このスイッチが法に触れると錯覚していた?」
P「……何……、……だと……」
晶葉「助手、一度しか言わないからよく聞け。このスイッチは――合法だ」
P「馬鹿な! ありえない! あってたまるか! アイドルのおっぱいぷるんぷるんがGO-HOUなんて……!」
晶葉「そうだ、合法なんだ。お腹いっぱい食べても合法なんだ……!」
P「ほ、本当に……アイドルのおっぱい食っていいのか!!」
晶葉「ああ……しっかり食え。遠慮するな、今までの分も食え」
P「……そんな……今まで無自覚に、確信的に、事あるごとに、俺のY染色体を責め苛んできたあの罪深きおっぱいどもを……いや、しかし……俺はプロデューサー……アイドルを見守り、導き、尊ぶ者……そんなことは、そんなことは許されない……許されないんだ……!」
晶葉「野生を解き放て! お前は男だぞ!」
P「黙れ晶葉! お前に俺の不幸が救えるか! プロデューサーとしてシステムに徹し切ることも、男としてけじめをつけることも出来ぬまま、彼女たちの好意をのらりくらりと避け続けることしかできない、醜く哀れな意気地なしの俺を! お前に俺が救えるのか!」
晶葉「ああ、救えるとも。私に不可能はなかった。それを教えてくれたのは助手じゃないか」
P「晶葉……」ブワッ
晶葉「受け取ってくれ。これは私なりの感謝の印なんだ。そして心ゆくまで楽しんでくれ。おっぱいスイーツバイキングを」
P「おっぱいスイーツバイキング……だめだ……逆らえない……なんてパワーなんだ……これがY染色体の本能……」
晶葉「さあ、助手。これがおっぱいスイッチだ。握りしめろ。そして解き放て、君の心を。おっぱいを食べたいアイドルの名前とともに……さあ、今夜のご注文はどっち!」
P「えっ、二択!?」
晶葉「雰囲気で言っただけだ。アイドルなら誰でもいいし、もちろん食べ放題だ」
P「誰でもいいと言われてもな……やはり最初の一人は迷うな」
晶葉「そんなことを言いつつ心のなかでは決めているんだろう? 知っているぞ、助手」
P「ほほう。なら答え合わせといこうじゃないか。せーので同時にアイドルの名前を言うぞ。外れたら晶葉にはソロライブしてもらうからな」
晶葉「フン、いいだろう。では私が当てたら、助手にはひとつ、なんでも言うことを聞いてもらうとするか」
P「いくぞ……せーのっ!」
P・晶葉「「及川雫!」」
P「……まったく、晶葉には敵わないな」
晶葉「この狂気の天才科学者に挑むのがそもそもの誤りである。覚えておけよ、なんでも一つ、言うことを聞いてもらうからな」
P「もちろんだ。じゃあそろそろ押すぞ?」
晶葉「うむ、そして我が叡智を前にひれ伏すが良い!」
P「ふるえるぞハート(心臓)! 燃えつきるほどヒート(体温)!! おおおおおっ! 刻むぞ血液のビート(海綿体)!」ポチッ!
 キュラキュラキュラキュラ……
ウサちゃんロボ(キャタピラ)「ゴ注文ノ品ヲ、オ持チシマシタ。ゴユックリ」
 キュラキュラキュラキュラ……
P「……晶葉、これはなんだい?」
晶葉「クロッシュだ。料理にかぶせることで保温する他、料理番組などで演出を盛り上げるためによく使われる――」
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2: 以下、
P「違う、そうじゃない。俺はスイッチを押したのに、どうしてこれが運ばれてくるんだ?」
晶葉「言っただろう、おっぱいスイーツバイキングと」
P「つまり、本当におっぱいスイーツなのか? アイドルのおっぱいを象ったお菓子なのか?」
晶葉「その通りだが何か」
P「萎えるわー。俺の息子もドン引きだわー」
晶葉「性的な意味で食べ放題なワケがないだろう。助手が言ったようにそれは違法だ」
P「そっすね」
晶葉「いいから早く開けろ。そして私の力作を目に焼き付けるのだ」
P「えー……でもさぁ……ただのスイーツでしょ? おっぱいプリンとかそういう」
晶葉「助手よ、私は完璧主義者だ。おっぱいを再現するために可能な限りの調査をし、そして専門家のバックアップも受けて再現した。ことおっぱいに関しては私以上のこだわりを持つ彼女が合格点を出したのだ。助手ならばこの意味をわかってくれると思うのだが」
P「おっぱいの専門家……まさか!」
晶葉「そうだ、助手。お前の目の前にあるコレこそ……マエストロ棟方愛海が実地調査のもとに監修した、至高のおっぱいスイーツである!」
P「いっただっきまぁーす!!!」
 パカッ
P「デカァァァァァいッ! 説明不要!! バスト105cm!!! 推定重量5000g!!!」
晶葉「うむ。あまりの巨大さ故にプリンでは自重を支えきれずに崩れてしまうことから、外観を再現するためムースケーキを選択した。そのため重量の再現を諦めざるを得なかったマエストロ棟方の無念を覚えていてほしい」
P「すげぇなコレ……なんという偉大な渓谷(グランドキャニオン)……雄大な自然を前にしたのと同じような感動がある……ところで晶葉、この山頂部のディティールとペイントは、その、なんというか……再現率で言うとどれくらいなんだ?」
晶葉「マエストロ棟方は妥協しない。もちろん100%だ」
P「まじか……すげぇな……むしゃぶりつきたくなるような色と形だぜ……」ゴクリ
晶葉「おっと助手、待て。これを忘れていた」
P「それは……晶葉! お前、それは!?」
晶葉「及川牧場の牛乳で作ったコンデンスミルクですがなにか」だばあ
P「……おっぱいに練乳……あなたが神か?」
晶葉「いいえマッドサイエンティストです」
P「ところで晶葉、そろそろ食べたいんだが……スプーンが見当たらない」
晶葉「ははははは。助手、面白いことを言うな。この至高の芸術を前にしてスプーンだと? この場にマエストロ棟方がいなくてよかったな。乳首責めの刑に処されてメスイキさせられるところだぞ」
P「怖いこと言うなよ。というかまさか本当に、むしゃぶりつけと?」
晶葉「当たり前だ。それがおっぱいの正しい食べ方ではないか」
P「おいおいおいまったく、そんな下品なことできるわけがないだろう? じゅるるるるるるるる! こちとら二十一世紀を生きる文明人だぞ? ずぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞ! そもそも社会人ならテーブルマナーは必修科目。接待で相手を不快にさせないために俺がどれだけ勉強したか。もぐもぐうまうまお皿ペロペロ! それにしてもこのまったりとしたクリーミィなムースととろける練乳のマリアージュ。舌の上に広がる雄大でありながら優しい母性に拙者感服致した。シェフを呼べ」賢者タイム
晶葉「成人男性が巨大なおっぱいに顔を押し付け、血走った目で練乳を撒き散らしながら柔肌をすする光景……想像以上にひどい絵面だった! 見苦しいことこの上ないな!」
P「何をおっしゃるお嬢さん。これほどのおっぱいを前にして、見苦しくならない男がいようか。いやいまい。そして私も男である。かくなる上は落ちるとこまで落ちる所存。いざ禁断の酒池肉林……L.M.B.G.の食べ比べをここに敢行する! GO-HOU! GO-HOU! here we GO!!!」ポチィッ
3: 以下、
晶葉「できたぞ助手! アイドルと触覚を入れ替えるスイッチだ!」
P「さすがあきえもん! 用途も目的もわからない発明でも自信満々に発表する! というか感覚を入れ替えるとか恐ろしいことを、まるで焼きそばに青のりでもトッピングするかのような気安さでパパっとやってのけるゥ!」
晶葉「マッドサイエンティストA・Iに不可能はない! というか今回はマエストロ棟方への懲罰として作らされたのだ! 自腹でな! 怒り心頭ここに極まれり! だがCGプロの特高警察に睨まれては仕方ない! マッドサイエンティストといえども権力と暴力を容赦なく振るう綺麗なお姉さんは怖いのである! 十二時間の事情聴取の末、膀胱が限界に達した私は屈するしかなかった! そして半べそをかきながら作り上げたのがこのスイッチだ!」
P「意志薄弱! 意志薄弱!」
晶葉「ふはははは! 普段ならウサちゃんロボの実弾試験の標的にしてやるところだが、純情万力で頭をパイイイインされた助手に言われては腹も立たないな! では受け取るがいい! 触覚エクスチェンジャースイッチだ!」
P「はいキャーッチ! よし、押すぞ! いいな愛海!? 覚悟しろよ!」
愛海「あの、その前にさ……聞いていい?」
晶葉「なんだ。刑の執行を止めたいなら早苗さんに直談判するしかないぞ」
愛海「そうじゃなくて……さっきのやり取り、毎回やってるの?」
晶葉「ん? ああ。最初はもっとおとなしかった気もするが……私は開発の徹夜明け。助手は残業の徹夜明け。ハイな人間とハイな人間がハイタッチ。テンションがおかしくなるのは林檎が地面に落ちるのと同じくらい当たり前のことだろう」
愛海「アッハイ」
P「よし押すぞー。と言うか触覚を交換するだけとかあんまり罰にならないんじゃね?」
愛海「いやいや、あたしはすでに清良さんに『治療』されてるし……これ以上の罰は人権問題とか児 童虐待とかそういう方向でなんとかならないと思わない?」
晶葉「ふむ、一理あるな。ところでマエストロ棟方。私の胸はどう思う?」
愛海「素直に登攀です」ワキワキ
晶葉「だめだこいつ、早くなんとかしないと……やれ」
P「アイマム」ポチッ
P・愛海「「――っ!?」」ゾワワッ
愛海「い、今の怖気はいったい……これが触覚を入れ替えたってこと?」
晶葉「うむ。では早実験だ。マエストロ棟方、私の胸を好きにしていいぞ」
愛海「えっ!? ホント!? 触ったら電流が走るとか、ブラジャーに麻酔針が仕込まれてるとか、おっぱいじゃなくてミサイルだったとかじゃないよね!?」
晶葉「ないない。さっさと触れ。ちなみにノーブラだ」
愛海「の、のーぶらぁ!? うひゃ☆ いひひひ! ぐふふふっ! もう止めても遅いからね? やめてって言ってもやめられないからね? 行きます飛びますいただきまーすっ!」[わきわきハンター]
晶葉「…………んっ……/// これは……なかなか……激しいな……ぅ……///」
愛海「うへへへへ! お山! お山ァ! ぐへへへ……へ……? ……あれ? うそ……そんな……! なにも感じない!? なんで!? なんで!? やだ……こんなにもみもみしてるのに……全然よくない! どうして!?」モミモミモミモミ
晶葉「言っただろう、触覚を入れ替えると」
愛海「ま、まさか……!」モミモミモミモミ
晶葉「その通りだ、マエストロ棟方。お前が揉みしだいた私のおっぱいの感触は、余すところなく助手が味わっている」
愛海「鬼! 悪魔! マッドサイエンティスト!」モミモミモミモミ
P「そういうお前はいいから手を止めろ。何もしてないのに晶葉のおっぱいを揉みまくってる俺のほうが変になりそうだわ」
晶葉「それは獣欲とかそういう意味で?」
P「視覚と触覚の齟齬で頭が混乱するって意味だよ!」
愛海「うへぇ……手首まではちゃんと自分の身体なのに、そこから先の感覚がない……手だけマネキンになったみたい」
P「まるで義手だな。にしても感覚の境目を触るとめちゃくちゃ気持ち悪ぃ……腕時計外しとくか」
晶葉「ちなみに触覚を交換したのは手だけだ。さすがの私でも全身の触覚を交換するとなるとリスクが大きかったからな」
愛海「これいつまで続くの?」
晶葉「おおよそ一日ほどだ」
愛海「一日も触れないの!? あたし死んじゃう!」
晶葉「だから懲罰と言ったろうに」
P「この手でキーボード叩ける自信はないな……まあ分身に任せればいいか」
晶葉「では私は早苗さんに提出する書類を書いてくる。もう帰っていいぞ」
P「うーい」
愛海「……はーい」
4: 以下、
 ――事務所
P「というわけなんだ」
奏「なるほど。それでさっきから愛海ちゃんは壊れかけのRadioになっているわけ」
愛海「触りたい触りたい触りたい触りたい」ブツブツ
P「一日の辛抱だ、おっぱい星人。夏休みの宿題でもやってろ」
愛海「おっぱい……おっぱい……うっ、ううっ……」ポロポロ
奏「それにしても、触覚を交換するスイッチね……なるほど。つまりPさんの手は愛海ちゃんの手で、愛海ちゃんの手はPさんの手――閃いたわ」ニッコリ
P「すまし顔の奏さんが浮かべるかつてない邪悪な微笑み。その女神の如き笑みの下の悪魔の企みに俺の心胆納涼祭。これは全力で逃げなければならない悪寒」
奏「逃げても構わないけど、愛海ちゃんがどうなっても知らないわよ?」
愛海「えっ」
P「一体何が始まるんです?」
奏「ふふっ……ちょっとした悪戯……かしら? 本当の幸せを教えてあげる……♪」
愛海「あの、奏さん……なんでこっちに……あの、顔……怖いです……」
奏「ねえ、愛海ちゃん。そのスイッチの効果が切れたあとに、私のカラダを好きにしていいから……愛海ちゃんの手を、少しのあいだ貸してくれないかしら?」
愛海「ははーっ! どうぞお好きなようになさってくだせえ!」
奏「それじゃあ遠慮なく……ちゅっ?」
P「ちょ、かなッ! おま、おまっ!」
奏「……んっ……ちゅ、ちゅっ? …………ぺろっ?」
P「ぐふっ……ふお、お……///」
愛海「どうしたの、プロデューサー? いきなり前かがみになって……」
P「何も知らぬ愛海の純粋な眼差しがただただ痛い! くそがあああああ! 奏ェ、貴様ァ! やめてください死んでしまいます!」
奏「……ん、んっ……ちゅっ……ちゅ……ずずっ……あら、いったいナニをやめるのかしら? 私はただ、愛海ちゃんのちっちゃくてかわいい指にキスしてるだけなのだけれど?」
P「俺の知ってるキスはそんなねっとりした効果音はしないハズなんですがね!?」
奏「愛情表現よ、愛情表現……? それに、口では反抗しててもそっちのほうは大喜びじゃない……まともに立ってられないくらいにはしゃいじゃって……ふふっ……ス・ケ・ベ・さん♪」
P「健康な肉体がかつてこれほど恨めしいことがあっただろうか! ええいやめろ! 舌を艶かしく動かすんじゃない! なんという目の毒だ……クソ! こんなところにいられるか! 俺は帰るぞ!」
愛海「それ死亡フラグじゃ……」
 ――ガチャ
周子「おはようございますー」
美嘉「おはようございまーす」
フレデリカ「おっはよー」
志希「にゃはははー。みんなおはよー」
奏「あら、ちょうどいいところに……よかったわね、Pさん。愛海ちゃんの指はまだまだ余ってるし……このあとどうなるかなんて、言わなくてもわかるわよね?」
P「……神は死んだ……」
6: 以下、
 数十分後
愛海「プロデューサー、だいじょうぶ? 顔がやつれてるよ?」
P「……だいじょばない……なんだよあいつらしゃぶりつくしやがって……誰だよLiPPSとか考えたやつ……俺だよ……」
愛海「そ、それよりあの……プロデューサー。その、えっと……あたし、お手洗いに行きたいんだけど……」
P「うん? 行ってらっしゃい」
愛海「…………あの、その……どうすれば、いいのかな」
P「どうって、そりゃ…………………………………………」ヂット手ヲ見ル
P(俺があいつであいつが俺で。つまり俺の手は愛海の手で、愛海の手は俺の手。その状態でトイレに行くと、つまり――)
P「――君の名はッ!?」
愛海「気づくの遅くない!?」
P「待て待て待て待て。まずい、それはまずいぞ愛海。さっきのあいつらも大概まずかったが、今度ばかりは本当にまずいぞ。落ち着け、愛海。なにか方法を考えるんだ」
愛海「さっきから考えてるよ! でも何も思い浮かばなくて………………その、正直、もう……限界……っ」
P「落ち着け! 落ち着けって! できる! 愛海ならできる! 諦めるな! 一人では出来ないことも二人ならできる! 考えよう!? な!? 考えよう!」
愛海「早く考えてよプロデューサー! あたしもう我慢できないの!」
P「えっと! えっとォ! そうだ、手を使わずにするっていうのはどうだ!?」
愛海「広げないとびしゃびしゃになるじゃん!」
P「めっ! めッ! 広げるとか女の子が言っちゃいけません! お父さんはそんな娘に育てた覚えはありません!」
愛海「知らないよ! もうお父さんでもおじいちゃんでもお兄ちゃんでもなんでもいいから! なんとかしてよ!」
P「オーケー。よし、任せろ。まず深呼吸して副交感神経をリラックスさせる……すー、はー。すー、はー。よし落ち着いてきた。大事なのは俺の手が愛海の手になっていること。スイッチの効果は明日まで。スイッチの効果を無効化するスイッチの開発は……晶葉がいくら天才でも愛海の膀胱があっぱらぱーするのが先だから……うーん、これはもう詰んでるな!」
愛海「諦めないでよ! あたしがまだ諦めてないんだから! プロデューサーも諦めないでよ!」
P「すまん! 俺が悪かった! でもぶっちゃけ無理じゃね!? 漏らすしかないよね!」
愛海「この歳でおもらしとか恥ずかしくて死んじゃうよ!?」
P「……そっ、それだ愛海ィ!」
愛海「ハァ!? マジで漏らすの!?」
P「違う! 俺が死ねばいいんだ! 死ななくとも気絶するほどの衝撃を与えれば、その間は感覚が遮断される! というわけで屋上までひとっ走りしてアイキャンフライくるから愛海は今すぐトイレに――」
愛海「アイドルのためとは言え流石に自分を投げ打ちすぎでしょ!?」
P「しかしそれしか迅かつ確実な方法が――」
愛海「あ、あるよ」
P「マジで? 助かったわー。流石に屋上から飛び降りたら後片付けが面倒だからな!」
愛海「変なこと言わないの! そ、それよりプロデューサー、大事なことだからはっきり答えてね」
P「なんだ愛海。どうした?」
愛海「お、お母さんが……こ、ここは赤ちゃんを産むための大事な大事なトコだから……大切な人にしか触らせちゃダメって言ってて……///」
P(至極まっとうな教育である。うんうん)
愛海「だから! だから……あの、プロデューサーは……あたしのこと……一生、大切にしてくれます、か……?」
P「そら(プロデューサーだし)そう(するのは当然)よ」
愛海「……わかった……じゃあ……お手洗い行ってくる、ね……///」
P「ん? いや、待て。それがどうしてトイレにつなが――行ってしまった」
7: 以下、
 ――女子トイレ
愛海(……なんとか間に合った……)
愛海(でも、あたしの手……いまはプロデューサーの手、なんだよね……)
愛海(……プロデューサーの手……プロデューサーの指……///)
愛海「…………んっ、……ぁ……、……っ?」
 ――十数分後
P「……あー、愛海……その……なんだ」
愛海「……ごめんなさい」
P「う、うん……反省してくれてるならいいんだ」
愛海「……ところで、プロデューサーは、お手洗い、行かなくていいの?」
P「はっはっは。何をおっしゃるお嬢さん」
愛海「……なんだったら、手伝ってあげてもいいけど……///」
P「濃いのが出るだろバカ」
晶葉「できたぞ助手! アイドルがどんなことでもやってくれるスイッチだ!」
P「さすがあきえもん! 恐怖と混沌をもたらす狂気の科学者を自称しつつも、ありとあらゆる問題児が在籍するCGプロの風紀を是正すべく乾坤一擲の一石を投じるゥ! なんと素晴らしき奉仕精神! そもそも開発者本人とプロデューサーであるこの俺が問題児という根源的な大問題は後回しにしてだな! そのスイッチさえあれば! 交換条件ナシで二十五歳児に断酒宣誓させたり! 飴ちゃんナシでだらだら妖精を馬車馬の如く働かせたり! 俺の私物を勝手に新品と交換しようとするアイドルたちを思いとどまらせることができるんだよな!?」
晶葉「マッドサイエンティストA・Iに不可能はない! その通りだ助手! ただしこのスイッチは六時間という効果時間を重視したため、一人のアイドルにしか使えない! くれぐれも使う相手を間違えるなよ、助手!」
P「臥薪嘗胆! 臥薪嘗胆!」
晶葉「ふはははは! 誰に復讐するつもりか知らんが、アイドルに嫌われないように程々にな! スイッチの効果によって生じたあらゆる損壊、傷害、被害、並びにそれらを起因とするすべての事象に対して、私はアフターサービスを行っていない! PL法なんか知らんぞバカ! では行け、助手よ! 私はこれから太陽フレアの計測と影響を観測せねばならんのでな!」
P「こ・の・う・ら・み・は・ら・さ・で・お・く・べ・き・か」
P「ちひろォ! 出てこいゴラァッ!」
ちひろ「出てこいも何も、ちゃんと出社してるんですが」
P「ケッ! その愛らしいすまし顔も今日までと知れ! 控えぃ、控えぃ、控えおろう! このスイッチが目に入らぬか!」
ちひろ「また晶葉ちゃんに作ってもらったんですか? で、いったいなんのスイッチなんです?」
P「聞いて驚け! アイドルがどんなことでもやってくれるスイッチだ!」
ちひろ「……へえ。それで、アイドルにどんなことをさせるつもりなんです?」
P「それなんですけどねぇ。このスイッチは一人にしか効果がないから、俺も必死に考えたんです」
ちひろ「なるほど。ちなみにどんなことです? プロデューサーさんの趣味からして、ビジャ? エム書店? 金槌頭?」
P「ちひろさんが何を言ってるのかは全くわからないけど、まず頭に浮かんだのは仁奈でした」
ちひろ(……仁奈ちゃんのためにもコイツを秒殺してせんば山に埋めなきゃ)
P「ほら、仁奈ってまだ小さいのにいい子すぎるじゃないですか。やりたいこととかしたいこととかいっぱいあると思うんですよ。でも人に迷惑をかけちゃいけないって思って、自分の気持ちを抑えてるところがあります。それでこのスイッチを使って、ちょっぴりわがままになってもいいんだよって。仁奈のわがままなら、俺がなんでも聞いてやるぞって言ってやりたいんですよね。まあいい子って言うなら舞もそうなんですけど、仁奈のほうが溜め込んでそうですし……あれ、どうしましたちひろさん。頭を抱えて」
ちひろ「……いえ。てっきりアイドルに乱暴でもするのかと思って……エロ同人みたいに」
P「信頼されてないなぁ……いや、そもそもちひろさんが他人を信頼するはずもないか」
ちひろ「ご自身のですね? 普段の言動を、微に入り細に入り、重箱の隅から隅まで、心から反省してから、納得してくれませんか?」
P「ゲフンゲフン。まあそれは横に置いておいて……思いついたんですよ。このスイッチを使うにふさわしい相手が」
ちひろ「はあ。で、どなたです? 場合によってはアイドルに避難勧告をしますので早く教えて下さい」
P「それは……お前だよちひろォ!」ポチッ!
ちひろ「なっ!?」
P「へっへっへ。油断大敵だな、ちひろ。アイドルがどんなことでもやってくれるスイッチと聞いては無理もないが……ククククク」
ちひろ「ど、どういうことです? あくまでアシスタントです私はスイッチの効果対象外では……」
8: 以下、
P「それが油断だというのだ! 晶葉のスイッチの効果対象は『アイドル』……しかし、スイッチ自体が効果対象を識別しているわけではない……対象が『アイドル』であるかどうかを判定する基準は、押した人間の価値観に準拠するのだ……つまり! 俺という人間にとって……千川ちひろ! 貴様は『アイドル』なのだッ!」
ちひろ「……………………は、はい?」
P「すっとぼけた顔をしやがってコイツめ! いくらコスプレが趣味だからってな、季節のイベントごとにおめかしするとかかわいすぎるわ! いったいどんだけ立ち絵あるんだよ! 絶対アイドルより多いだろ!? あとエイプリルフール! 歌って踊れるアシスタントとか聞いたことねーわ! 好きになるだろバカ! ソロライブ仕込むぞこの野郎! 来年もよろしくお願いシンデレラ!」
ちひろ「わ、わたしにお願いされても困りますっ……///」
P「おっと話がそれてしまった。ではそろそろ本題といこうか、ちひろ! このスイッチの効果により貴様はもう俺に逆らうことは出来ない! 覚悟しろ!」
ちひろ(ああ、プロデューサーさんがとうとうその獣性を露わに! きっと乱暴されちゃうのね……ばけねこ屋のエロ同人みたいに!)
P「スイッチを以て命ずる……ちひろよ、SSRを寄越せ!」
ちひろ「……え?」
P「え、じゃねーよSSRだよ! 出せよ! 早く! 二周年記念の毎日10連ガシャ! 知ってるんだからな! お前が俺の銀刺繍封筒と白封筒を入れ替えてたってことは! 隠し通せるとでも思ったのか!? 馬鹿め! 俺の頭のなかでとっくに調べはついてんだよ! だから今すぐしゅがはと森久保を寄越せ!」
ちひろ「いや、そのりくつはおかしい。」
P「おかしくないもん! 今年に入るまでは毎月一枚は必ず60石であんたんしてたのに! それが今年になった途端さっぱりじゃないか! 確率は倍になってるはずなのに出現率は落ちてる! こんなの絶対おかしいよ!」
ちひろ「いや、そのかくりつはおかしい。」
P「SSR置いてけ! なあ! 元締めだ!! 元締めだろう!? なあ、元締めだろう、おまえ!」
ちひろ「どこの薩摩人ですかアンタは! いいから落ち着いてください!」
P「わかりました」
ちひろ「……え?」
P「どうかしましたか、ちひろさん」
ちひろ「いやいや、どうかしたのはプロデューサーさんでは? さっきまでみっともなく喚き散らしていたのに、すっかり静かになって……賢者タイムですか?」
P「賢者タイム……言われてみれば……心に満ちるこの静謐……だが虚しさはない。しかし……いや待て。そもそもどうしてちひろさんは俺にSSRをくれないんだ?」
ちひろ「くれないというか、そもそも元締めじゃないですし。諦めてください」
P「そうですね。今回は縁がなかったと思って撤退します」アッサリ
ちひろ「………………あの、プロデューサーさん。本当にどうかしました? なにか……たとえば志希ちゃんに頭がおかしくなるやべーやつ飲まされてませんか?」
P「飲まされてませんが……あれ? どうして俺はあんなにも恋しかったしゅがはと森久保を諦めて……?」
ちひろ「プロデューサーさん、ちょっと失礼しますね。晶葉ちゃんに電話します」
P「はあ、どうぞ」
晶葉『――はい、池袋未来ガジェット研究所』
ちひろ「あ、もしもし晶葉ちゃん?」
晶葉『これは珍しい、ちひろさんか。何か用でも? 卑金属を金に変換するスイッチならもう少しで……』
ちひろ「その件じゃなくて。あの、プロデューサーさんの様子がおかしいんですけど……」
晶葉『おかしいのが平常運転では?』
ちひろ「それはそうなんですけど。アイドルがなんでもするスイッチ? を使ってから特に変なんです」
晶葉『あー……あー。うん、そうか。やっぱりそうなったか』
ちひろ「なにか心当たりが?」
晶葉『うむ。実はついさっきその可能性に気づいてな。いくつか実験して確証を得てから助手に警告しようとしていたのだが……遅かったようだ』
ちひろ「……つまり?」
晶葉『太陽フレアの影響で、おそらくスイッチの効果が反転している。この場合の反転というのは、効果そのものではなく効果対象のほうだな』
ちひろ「一言でいうと?」
晶葉『プロデューサーがどんなことでもやってくれるスイッチだ』
ちひろ「……事務所が更地になってはかなわないので、プロデューサーさんを早退させますね」
晶葉『そうだな。私からもみんなに注意喚起をしておこう』
ちひろ「ええ、お願いします」
晶葉『プロデューサーがどんなことでもやってくれるスイッチを押してしまった。しばらくアイドルの言いなりになってしまうので、くれぐれもこの事態を悪用しないように――送信、っと』
ちひろ「鬼ィ! 悪魔ァ! マッドサイエンティストォ!」
9: 以下、
晶葉『はははっ。ちひろさんに言われるとは私も鼻が高いな』
ちひろ「褒めてない! 褒めてない! 晶葉ちゃんのバカ!」
P「一体どうしたんですかちひろさん、いきなり声を荒げて……」
ちひろ「ええいこの火中の栗め! 今日の仕事は全部キャンセルです! とにかく逃げますよ!」
楓「……あら、どうかしたんですか、ちひろさん」
ちひろ「か、楓さん!? 今日はオフじゃ……」
楓「ええ。そうなんですけど、これから飲み会でして。事務所で待ち合わせをしているんです」
ちひろ「飲み会……それだ!」
楓「はい?」
ちひろ「ちなみにその飲み会、参加者はどうなってます?」
楓「私と美優さん、瑞樹さんに留美さん、それにはぁとちゃんに菜々さんですけど」
ちひろ(そのメンツならいける! 事務所の中でも良識派……それに戦闘力ガチ勢でも居酒屋という場所ならTPOをわきまえて、カチコミをかけては来ないはず……!)
ちひろ「楓さん! 急で申し訳ないんですが、そこに私とプロデューサーさん……いえ、プロデューサーさんだけでもいいんで、なんとかねじ込んでもらえないでしょうか!?」
楓「えっ? それは願ったり叶ったりですが……でもどうして?」
ちひろ「太陽フレア」
楓「委細承知」
 ――数時間後。居酒屋・個室
美優「それにしても、Pさんがどんなことでもやってくれるスイッチ、でしたか? ……大変な騒ぎになりましたね」
瑞樹「いやー、事務所を出るまでホント怖かったわね。針の筵よ、針の筵! 特に凛ちゃんとまゆちゃんの……アレ見た?」
心「思春期の女の子がしていい顔じゃなかったなぁ……はぁと、ぶっちゃけ殺されるって思ったぞ☆」
菜々「それにしても、本当にどんなことでもやってくれるんでしょうか?」
ちひろ「試してないですけど……晶葉ちゃんの発明ですし……」
瑞樹「そ、そうね……///」
留美「藪蛇と言うし、むやみに試すのはどうかと思うわ……///」
楓「でもどこまでやってくれるかわからないと困りますし。ここはものの試しということで……プロデューサー、お手」
P「わん」
楓「おすわり」
P「わん」
楓「伏せ」
P「わん」
楓「……ちんちん///」
ちひろ「なに言ってんですかアンタは!?」
P「わん!」カチャカチャ
ちひろ「ナニ出そうとしてんですかアンタは!?」
菜々「ストップ! ストップですプロデューサーさん! ベルト外しちゃダメです!」
P「わん」
ちひろ「……これマズくないですか」
菜々「何がどうとはいいませんがマズいですよね……」
心「うんうん。すっげえ簡単に既成事実をメイク☆ラヴできそうだよね」
楓「それにお酒で皆さんを潰してしまえば……あくまでも不可抗力ですけど、プロデューサーを独り占めしてしまいますよね」
「「「……………………………………」」」ゴクリ
10: 以下、
瑞樹「と、とりあえず頼みましょう! 喉乾いてきちゃったし!」
菜々「今日はパーっと飲んじゃいましょう!」
美優「すみません、私、今日は休肝日でした。なので烏龍茶でお願いします」
留美「嘘をつくならもう少し申し訳なさそうな顔でやってくれる?」
楓「では、グラスを一杯飲み干すごとに、それぞれプロデューサーに簡単なお願いをする、というのは」
瑞樹「なるほど。それならみんなのの酔いも均等に回るし、飲まないという選択肢もなくなるわね。もちろん潰れたら脱落ということで」
心「勝っても負けても恨みっこなし☆ よっし、はぁとがんばるぞー!」
ちひろ「……えらいこっちゃ」
 ――数時間後
心「っぷっはー! えっぷ……ぶっちゃけもう飲みたくねぇぞ☆」
楓「とかいいつつ素敵な笑顔ですよ、はぁとちゃん。それで、今度は何をお願いします?」
心「えー? もうやってほしいことは大体やったからなあ……ハグでしょ、マッサージでしょ、腕枕……あとは、うーん……じゃあキスとか?」
菜々「ちょ、はぁとちゃん!? アイドルなんだから、そ、そういうのは……」
心「ははっ☆ ジョーダンでーす! 菜々センパイってば焦りすぎじゃないですかー?」
瑞樹「んー、でもでもぉ。キスくらいならセーフだって、ミズキ思っちゃう!」
菜々「瑞樹さんも煽らないでください! どう考えてもアウトですよアウト!」
瑞樹「ええー? けどぉ、やっぱり愛されてるっていう実感がオンナを綺麗にするのよ? その点でいえばP君のキスは最高ね! なにせ足腰立たなくなるまでメロメロに愛されちゃうんだから!」
美優・心・菜々・楓・留美・ちひろ「えっ」
瑞樹「あっ」
心「詳しく……説明してください。今、私は冷静さを欠こうとしています」
瑞樹「は、はぁとちゃん? いきなり敬語はお姉さんちょっと怖いかなーって」
菜々「とりあえずスピリタス(alc.96%)注文しときますね」
瑞樹「落ち着いて! はぁとちゃんも菜々さんも落ち着いて! 不可抗力だったの! 突然、休日に部屋にP君が現れて……無理やり!」
心「プロデューサー、瑞樹さんはこう言ってるけど、キスしたあとはどうしたの?」
P「一緒に買い物に行ったあと、瑞樹さんの部屋でDVD見て夕飯をご馳走になりました」
瑞樹「Pくんのばかぁ! それは二人だけの秘密だって言ったじゃない!」
菜々「無理やりキスされたあとで、お家デートですか? 本当に無理やりだったんでしょうか」
心「絶許」
楓「でもそうなると……不公平ですよね。瑞樹さんだけプロデューサーとちゅっちゅしてるわけで。ああ、いけません。アイドルとしてのモチベーションが下がってしまいます。よよよ」
留美「……そ、そうね。ここは平等を期するべきじゃないかしら」
心「んー。それなら仕方ないよね。というわけでプロデューサー、はぁとにキスしろよ☆」
P「しろといわれてもな。どんなキスをすればいいのやら……」
心「そんなん決まってるだろ☆ とびっきりの、甘いヤツ……だよ///」
ちひろ「言い終わるやいなや押し倒しましたね。知ってますよ、私。これはもう収拾がつかなくなるヤツです」
瑞樹「両手首を掴んでの床ドンですね。これは乙女的にポイント高いです」
留美「見つめ合ってのアイコンタクト。完全に二人の世界ね」
菜々「両者、目を閉じました。唇と唇が第一種接近遭遇」
楓「ついばんでますね。あ、もう舌が入りました」
美優「ナメクジの交尾みたいです」
ちひろ「たれてきてますね」
瑞樹「首までべたべたですね」
留美「吸ってるわね」
楓「飲んでますね」
11: 以下、
美優「腰にキテません?」
菜々「ヘロヘロになってるけど横になってるから逃げられないっていう」
瑞樹「マウントポジションね」
楓「愛のマウントポジションですね」
留美「口の中を隅々まで滅多打ちになってる感じかしら」
ちひろ「なってますねアレは。腰がガクついてますから」
瑞樹「ということはそろそろ?」
楓「そろそろですね」
ちひろ「タオルの代わりにおしぼりでも投げたほうがいいですかね」
菜々「あとでマジギレされるのでやめてください」
美優「あっ」
留美「あー」
菜々「終わりましたね」
瑞樹「フィニッシュのあとに額へキス……完璧に堕ちたわね」
ちひろ「堕ちましたねぇ」
美優「心さん、幸せそうですね」
留美「メイクぐちゃぐちゃだけどね」
楓「プロデューサー、耳元でなにか囁いてますね」
瑞樹「はぁとちゃんのカラダがビクンビクンしてるんだけど」
ちひろ「たぶん甘い言葉で追い打ちかけてるんじゃないですか」
瑞樹「最高に可愛かったよ、続きは二人きりの時に……みたいな?」
菜々「はぁとちゃんが起き上がる気配がないんですけど」
美優「……Pさん、こっち見てますね」
留美「完全に正気を失った目をしているのだけど」
瑞樹「野獣の眼光ね。わかるわ」
楓「次の獲物を物色してますね」
ちひろ「物色されてますね……次は誰が犠牲になるんでしょうか」
菜々「では自己犠牲精神を発揮してここはナナが」
瑞樹「いいえ私が」
留美「いえいえ私が」
楓「飲み会を企画した私にこそ責任が」
美優「楓さんに言われて皆さんをお誘いした私が」
ちひろ「いけません。アイドルの皆さんを守るためにもここは私が……」
菜々・瑞樹・留美・楓・美優「どうぞどうぞ」
ちひろ「えっ……!? そんな! あっ、あっ! 待ってください、違うんですプロデューサーさん! 私はあくまで、あっ……ぁ、……だめっ……ストッキング破いちゃ……んっ……! だめっ……?」
12: 以下、
 ――翌日
飛鳥「昨日は災難だったようだね、プロデューサー」
蘭子「繰糸に囚われし哀れなるマリオネット! 我が友よ、汝の縛めは解けたりや?」
P「それなんだがな……ちひろさんとなにか会話したっていうような記憶しかねえ」
飛鳥「というと、飲み会に行った後のことは?」
P「飲み会? 俺が? 誰と?」
蘭子「ちひろさんたちと共に、バッカスの宴へ繰り出したとは聞いているが」
P「そうなんですか、ちひろさん」
ちひろ「ええ。でもプロデューサーさん、たくさん飲んでいらっしゃいましたから、そのせいで記憶がないんじゃないですか?」
P「え、そんなに飲んだの? やだなあ……俺、酒癖悪いんですよ……だからあんまり飲まないよう、なるだけ飲み会も断ってたのに……あの、ちひろさん。俺、なにか変なことしませんでしたか?」
ちひろ「別に何もありませんでしたよ?」
P「そうですか……ならいいんですけど」
飛鳥「……蘭子。気づいてるかい?」ヒソヒソ
蘭子「……うん。ちひろさん、さっきから一度もプロデューサーの顔を見ようとしない」ヒソヒソ
飛鳥「……これは顔も見たくないようなことをされたか……」ヒソヒソ
蘭子「……あるいは顔が見れなくなるようなことをされたか……」ヒソヒソ
あすらん(……確認しないと……!)
飛鳥「……あれ、ちひろさん。今日はどうしたんです?」
ちひろ「えっ? 何がですか、飛鳥ちゃん」
飛鳥「いつもは二、三〇デニールくらいのストッキングなのに……今日は随分と濃いストッキングじゃないですか」
ちひろ「そっ、それは……もう九月ですから。衣替えですよ、衣替え」
蘭子「真冬でもそんなストッキングしてたところ見たことないんですけど」
ちひろ「え゛っ……そ、そうだったかしら……あはは」
飛鳥(……なにかあるな。カマをかけてみるか……)
飛鳥「ところでちひろさん、気づいてますか?」
ちひろ「な、なんでしょう……」
飛鳥「伝線したところから透けて見えてますよ?」
ちひろ「う、うそっ!? やだっ! やだ……見ないでぇ……///」
飛鳥(……記憶を失ったプロデューサー……アイドルのいいなりになってしまう状態での飲み会……プロデューサーの顔を見ようとしないちひろさん……推定一〇〇デニール以上の極厚ストッキングに隠された、人に見られたくないもの……ふっ、真実とはいつだって残酷なモノだね……)
蘭子「ちひろさん……そうだったんですね……」
ちひろ「そんな純真な目で汚れた私を憐れむのはやめて!」
蘭子「大丈夫です! ちひろさん、これを使ってください!」
ちひろ「……これ、は……?」
蘭子「雪菜さんイチオシのニキビクリームです! ちひろさん、足に出来たニキビを隠したいからそんなストッキングを履いてたんですよね?」
飛鳥(蘭子……キミというやつは……)
ちひろ「私が隠したいのはニキビじゃなくてキスマークですッ!」
蘭子「ん……うん? なんでそんなとこにきすまーくがあるんですか?」
飛鳥(蘭子! キミというやつは……ッ!)
13: 以下、
ちひろ「なんでって……そ、そんなこと言わせないでください……///」
P「そうだぞ、蘭子。ちひろさんにだってプライベートがあるんだ。まあ恋人がいるという事実には俺も衝撃を隠しきれないわけだが」
ちひろ「なにを他人事のように! あなたがちゅっちゅちゅっちゅしまくったんでしょうが! つま先から内股まで! 心ゆくまでNaked Romanceしたじゃないですか! その上、私の初めてまで奪って……!」
P「それって……I will give you all my love……?」キテレツ大百科
あすらん「!?」
ちひろ「そうです! それです!」はじめてのチュウ
あすらん「!!!???」
飛鳥(お、落ち着けボク! 聞き間違いだ……きっとそうだ! 落ち着いて考えればなんてことはない、なんでもないことのはずなんだ……えっと訳は……『I will』……私はするでしょう……『give you』……あなたにあげる……『all my love』……私のすべての愛を……)
蘭子(え? え? すべての愛を捧げた上で? 初めてを奪う……? えっ……それって……婚前交渉……だよね? ……プロデューサーと……ちひろさんが……えっちな……ことを……)
飛鳥「………ふふっ、ふふふっ!」
蘭子「……やだ……やだぁ……」
ちひろ「えっ、ちょ……」
P「おいどうした二人とも……」
飛鳥「アハハハハ! ボクとしたことが……こうなってから自分の本心に気づくとは……何もかも遅いというのに……クククッ!」
蘭子「……ふけつ……きたない……ばっちい……おぶつ……しょうどくしなきゃ……!」
P「おっとぉ? 飛鳥くーん? お前いま、ソレどっから出した?」
飛鳥「フフッ。何を言ってるんだい、プロデューサー。この剣はキミがボクに与えてくれたものじゃないか。この剣はボクのツバサ。実体こそないけれど常にそばにある。たとえ全てが無駄だとしても、ボクが祈りを以て羽撃こうとするならば、ツバサはそれに応えてくれる。ただそれだけのことさ」
P「んんー、これは話が通じないパティーン。すみません、ちょっと蘭子さんの方からですねぇ……おっとそちらも剣をお持ちでしたか」諦観
蘭子「我が友よ! 二つに分かたれし永遠の魂の片割れよ! 無限に繰り返す輪廻の内ならば! かような悲劇を迎えることもあろう! しかし我と汝に終わりはない! この結末もまた、星辰の瞬きに過ぎ去る一つの通過点に過ぎぬ! であるならば! 此度の逢世は! 欲望に汚れしその身を我が『真紅の熱』によって清め、その焼却を以て終劇とせん!」
P「熊本弁の死刑宣告ってロマンチックなんだな」
 飛鳥「響け! これが『双翼の独奏歌-アリア-』だッ!」
 蘭子「届け! これが『双翼の独奏歌-アリア-』よッ!」
P「灰も残りそうにないんですがそれは」
  ?Fin?
ちゃまと一緒に無人島でキャンプして満点の星空を見上げたいだけの夏だった。終わります
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1505232484/
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