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彡(゚)(゚)「エニグマ解読……?」


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(´・ω・`)「うーん、どうしたものか……」
(´・ω・`)「今回の世界大戦はドイツの敗北で終わった……。でも戦火はくすぶり続けてる」
(´・ω・`)「きっと近いうちにまた新たな大戦が始まるはずだよね。これにドイツが参加しないはずがない」
(´・ω・`)「軍に役立つものの開発に専念しようかな。となれば、何がいいかだけど」
彼の名は『アルトゥール・シェルビウス』 第一次世界大戦の敗戦国ドイツの発明家である
3:
シェルビウスの心は常に、新しいものへの挑戦と野心に溢れていた
(´・ω・`)「まず、兵器の開発なんか論外だね。僕にそんな技術はないし」
(´・ω・`)「僕が持ってる技術といえば、大学時代に学んだ電子工学程度」
(´・ω・`)「戦争において十分な活躍が期待出来る、僕にでも開発できそうなものか」
(´・ω・`)「何があるかなぁ……」
(´・ω・`)「暗号技術? いや、暗号は紙とペンの世界だ。電子工学が関与する余地なんて無いよね」
(´・ω・`)
(´・ω・`)「いや、ありかも。暗号機か。もしかしたら、僕にも……」
彼は、ドイツの暗号システムを刷新せんと、20世紀の技術が詰まった暗号機の開発に着手した
この暗号機こそ『エニグマ』 後に、第二次世界大戦下の情報網を蹂躙する暗号機である
5:
時が経ち……
(´・ω・`)「チクペーン中将、私のようなものにお時間をとって頂き、誠にありがとうございます」
(●゚◇゚●)「かまわんよ。これも仕事だからね。してシェルビウス君。君の発明品『エニグマ』について聞きたいんだが」
(´・ω・`)「はい。エニグマは、機械式暗号機です。キーボードにメッセージを打ち込むだけで難解な暗号に変換できます」
(´・ω・`)「また、鍵さえ知っていればそこからの複文も容易です」
(´・ω・`)「構造が少し複雑なので、簡易化したエニグマを用いて、その仕組みを説明したいと思います」
※チクペーン中将は実在の人物ではありません
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8:
(´・ω・`)「エニグマは、おおざっぱに分けると『プラグボード』『ローター』『リフレクター』の3つからなっています」
(´・ω・`)「プラグボードは、2つの文字信号を入れ替えて、ローターへ送信するものです」
(´・ω・`)「例えば、AとEをプラグで繋げば、A→E、E→Aと変換されます」
(´・ω・`)「キーボードでAを押したとしても、その信号はEとして、ローターに送られるわけです」
11:
(´・ω・`)「ランプボードの上にあるスロットマシンのようなものがローターです」
(´・ω・`)「左から順に低ローター、中ローター、高ローターと呼びます」
(´・ω・`)「プラグボードを通して低ローターに入力された字は、また別の文字に変換され、中ローターに」
(´・ω・`)「同じように変換され、文字信号は中ローターから高ローターへ、そしてリフレクターへ送信されます」
(´・ω・`)「リフレクターはその名の通り、電気信号の反射装置とお考え下さい」
(´・ω・`)「高ローターより受信した文字を、ローターを通じ、ランプボードへと送る機能を持っています」
※ランプボード……暗号化された文を表示するランプが並んだもの。キーボードの上に位置する。
13:
(;●゚◇゚●)「うむ……なにかわかったような、わからんような……」
(●゚◇゚●)「しかし、暗号化の過程が複雑なだけで、これは換字式暗号だな?」
(´・ω・`)「そうですね」
(●゚◇゚●)「正直、この程度の暗号ならすぐに解読されるぞ。解読者でない私でも、時間をかければ解読できるだろう」
換字式暗号は、単純すぎれば容易に解読される。
例えば、A→N、B→S、C→Q……と適当に換字表を作り、長い英文を作ってみると良い
「E」「H」「T」が何に換字されるのかは、すぐに特定されるだろう
なぜなら、この3つは英文で頻繁に見られる単語「the」を構成する文字だからだ
いくら信号を変換させようが、ある文字に対する換字が常に同じである暗号(=単一換字式暗号)なら、恐れるに足りない
これまでの説明からだと、エニグマは単一換字式暗号機だと見ざるをえなかった
14:
(´・ω・`)「確かにそうです。これだけだと、頻度分析によってすぐに解読されてしまいます」
(´・ω・`)「よって、エニグマには、ある工夫を加えています」
(´・ω・`)「一文字打つたびにローターが一目盛ずつ、回転する仕組みになっているのです」
(●゚◇゚●)「回転……?」
(´・ω・`)「はい。これにより、換字先を常に変化させることができます」
(´・ω・`)「『AA』と打ったとしても、『CC』だとか『SS』だとかになることは無いということですね」
(´・ω・`)「詳しく説明すると……」
16:
(´・ω・`)「例えば、ローターの初期設定が下のようになっているとします(左から順に、低、中、高ローターとする)」
A→D A→B A→C
B→A B→D B→D
C→E C→A C→F
D→B D→C D→B
E→C E→F E→A
F→E F→E F→E
(´・ω・`)「この時『A』を打てば、A→D、D→C、C→Fを経て『F』に変換されます」
(´・ω・`)「そして、この後、一番右側のローター(高ローター)が一目盛分回転します」
(´・ω・`)「その時の、ローターの状態はこうです」
A→D A→B A→E 
B→A B→D B→C
C→E C→A C→D ↓変換先の文字が下向きにずれている
D→B D→C D→F
E→C E→F E→B
F→E F→E F→A
(´・ω・`)「この状態でもう一度『A』を押せば、A→D、D→C、C→Dを経て『D』となりますね」
(´・ω・`)「よって『AA』という同じ文字が『FD』という違う二文字に変換されるのです」
※説明の簡略化のため、ここではプラグボード、リフレクターを無視している
実際には、これら2つによって、『AA』は『FD』にならず、別の文字になる
リフレクターについては、後述する
17: ■忍法帖【Lv=5,ミニデーモン,DKr】 2017/08/08(火)14:45:43 ID:8kR
入力と出力が常に変化して出るけれど原器があれば解読できるってことでええんか
21:
>>17
後で説明するけど、原器があっても、鍵を知っとらん限り解読はできひんで
24:
(´・ω・`)「そして、高ローターが一回転すると、中ローターが一目盛だけ回転します」
(´・ω・`)「中ローターが一回転すれば、低ローターが……あとはおわかりですね」
(●゚◇゚●)「低ローターが回転し、元の初期設定に戻る、か」
(´・ω・`)「はい。いま説明に使った簡易版エニグマでは、初期設定に戻るまでの換字パターンは216通り(=6^3)ですが……」
(´・ω・`)「正規品は26目盛。よってその換字パターンは17576通り(=26^3)になります」
(;●゚◇゚●)「……!?」
(´・ω・`)「要するに、エニグマの暗号化とは、一文字ごとに換字表を差し替えているようなものです」
(´・ω・`)「人間がするとしたらあまりにも膨大な作業となりますが、暗号化のプロセスを機械に任せたエニグマなら造作も無いことです」
(´・ω・`)「少なくとも、初歩的な頻度分析など、この暗号機の前では何の役にも立たないでしょう」
31:
(●゚◇゚●)「うむ……確かに、エニグマの解読難度の高さはわかった」
(●゚◇゚●)「しかしだ。暗号化された文章を、元の文章にするにはどうするのだ?」
(●゚◇゚●)「複文方法があまりに複雑だと、末端の兵が使えなくなるが……」
(´・ω・`)「それなら簡単です。初期状態、つまり「ローターの初期設定」「プラグボードの配線」「ローターの配置」を、送信者のそれと合わせます。いうなれば、この初期状態がエニグマの『鍵』です」
(●゚◇゚●)「ローターの配置とは?」
(´・ω・`)「ああ、説明していませんでしたね。ローターは取り外し可能で、その並びを変えることが出来るのです」
(´・ω・`)「当然、ローターの並びによっても、暗号は変化します」
33:
(´・ω・`)「送信者の初期状態に合わせたあとは、送信された暗号文を打ち直せばいいだけです」
(´・ω・`)「『QGAMOU』といった暗号文を複文するには、『QGAMOU』と打ち込めばいいわけですね」
(●゚◇゚●)「それだけなのか? なぜ、暗号文を打っただけで……」
(´・ω・`)「それは、エニグマの換字に反転性があるためです。AがQに変換されるなら、QはAに変換されるという性質ですね」
(´・ω・`)「そして、その反転性を作り出すものがリフレクターなのです。くわしく説明します」
34: ■忍法帖【Lv=5,ミニデーモン,DKr】 2017/08/08(火)15:01:02 ID:8kR
成る程
37:
はえ〜すっごい...
39:
(´・ω・`)「これまでの説明の図式化も兼ねて、簡易版エニグマの仕組みをあみだくじで表してみました」
(´・ω・`)「下の図が、リフレクターを除いたエニグマです」
(´・ω・`)「ご覧の通り、反転性が無く、これでは先程の方法で解読できません」
(´・ω・`)「ですが、リフレクターをつけたエニグマならこうなります」
(´・ω・`)「リフレクターによる、二本の回路を1つにつなぎ合わせる働きが、反転性を作り出しているのです」
41:
>>39
なるほど分かりやすい
でもわからん
42:
仕組みはシンプルそうやけど解読は難しそう
45:
(●゚◇゚●)「なるほど……。しかし、これほど複文方法が単純だと、解読も容易に思えるが……」
(´・ω・`)「先程も申しました通り、この暗号を解読するには、送信者の「ローターの初期設定」「プラグボードの配線」「ローターの配置」を知っている必要があります」
(´・ω・`)「ローターの配置は3!=6通り」
(´・ω・`)「ローターの初期設定は、26^3=17576通りです」
48:
(´・ω・`)「そして、この暗号機を難解たらしめる要素が「プラグボードの配線」です」
(´・ω・`)「26文字の内、12文字(6組)の文字をプラグでつなぐ組み合わせを求めると、100391791500通りです」
(´・ω・`)「よって、このエニグマの初期状態の組み合わせは……」
(´・ω・`)「6×17576×100391791500=10586916764424000(約1京)通りです」
(;●゚◇゚●)「……!」
50:
解読できませんね(フラグ)
52:
まだPCない時代やしな
53:
こんなん誰も解けへんわな!(フラグ)
56:
(●゚◇゚●)「なるほど。この暗号機は大したものだ。たしかに、これなら解読は困難を極めるだろう」
(´・ω・`)「で……では、どうかこの暗号機を使っていただけないでしょうか」
(●゚◇゚●)「うむ……」
(●゚◇゚●)「断る」
58:
ファッ!?
62:
(;´・ω・`)「な、なぜですか!? これを使えば、情報戦で遅れをとることはないはずです!」
(●゚◇゚●)「まず、一つは費用面だ。エニグマ一台の値段はいくらと言った?」
(;´・ω・`)「……最低でも、200万円はします」
(●゚◇゚●)「買い取るのは一台や二台じゃない。何百何千という単位になるはずだ。これほど高価なものを大量に購入する余裕はないのだよ」
(●゚◇゚●)「そしてもう一つ、すでに解読不能な暗号システムは整っていることだ。我々としても、無理にエニグマに頼る必要がない」
当時、ドイツ軍は、第一次世界大戦時に使用していた『ADFGVX暗号』をそのまま採用するつもりだった
この暗号は、換字式と転字式を組み合わせた強力な暗号で、解読は不可能と考えられていた
66:
だが、大戦後に得た2つの文書が、ドイツの機密保護意識を根底から揺るがすことになる
1つは、ウィンストン・チャーチルの『世界の危機』
これには、ロシア軍が、撃沈したドイツ軍の艦船からコードブックを奪い取り、それをイギリスに譲渡した過程が記されていたのだ
そして、もう1つが英国海軍の公式記録
この文書に書かれていることは、ドイツ軍への重い一撃となる事実
つまり、暗号は既に解読されており、それが連合国の勝利に繋がったということだ
イギリスの巧妙な情報操作によって、ドイツ軍は戦後もこの事実に気づけていなかった
(;●゚◇゚●)「なんということだ……我々は手の内を見せながら戦っていたというわけか!」
(;●゚◇゚●)「敗戦も当然のことだ……。我々の情報管理はこれほどまでに杜撰なものだったのか」
(;●゚◇゚●)「このままの暗号システムではまずい! 金のことなど気にしている場合ではない!」
こうして、ドイツ軍は、エニグマ機の採用へ踏み出した
67:
(´^ω^`)「やった! やった! 採用してもらえた! さっそく大量生産に取り掛かろう!」
シェルビウスは、発明家としてはこの上ない成功をしたといえるだろう。なにせ、エニグマはそれからの20年で、30000台売り上げることになるのだから
そう、「それからの20年」を生きることが出来ていれば……
69:
1929年 アルテゥール・シェルビウス 死去
死因は、馬車の制御が利かなくなったことによる事故死
エニグマを本格的に売り出してから、わずか四年後の出来事であった
72:
>>69
えぇ…
73:
生きてたら30年代の技術進歩と相まって暗号記改良したりしてたんやろなぁ…
74:
ほなここで終わるわ
次は、エニグマ解読編や
補足 プラグボードの組み合わせの計算式
nCrはC(n,r)と表す。
まず、26個のアルファベットから2個選ぶ組み合わせを求める
次に、残った文字24個から2個選ぶ組み合わせを求める
次に、残った文字22個から……というのを6回繰り返す。(プラグで結ぶアルファベットのペアが6組であるため)…[1]
こうしてできた6つのペア全体を「ペア群」と呼ぶ
[1]の過程で求めた、6つの数字を掛け合わせる。だが、ペア群は、ペアを選び取った順番によって区別しないので6!で割る必要がある
よって、式は下のようになる
(プラグボードの組み合わせ)=C(26,2)×C(24,2)×C(22,2)×C(20,2)×C(18,2)×C(16,2)/6!=100391791500
補足 ローターの初期設定とは
下の画像の状態で暗号文の一文字目を打つ場合、初期設定はRDKPである(ただし、エニグマのローター数は基本的に3つなので、初期設定も3つのアルファベットになるのが普通)
そして、一文字打つたびに、一番右のアルファベットが一目盛ずつずれていく仕組み
86:
1929年 ポーランド ポズナン大学 数学科
(*^◯^*)「〜♪」
同期生「あ、マリアン君。ちょっとちょっと」
(*^◯^*)「同期生君? 僕に何か用があるんだ?」
同期生「さっき、クリゴフスキ教授に、マリアン君を呼ぶように言われたんだよ」
(*^◯^*)「え、どうして? 要件はなんなんだ?」
同期生「うーん、そこらへんは聞いてなかったなぁ。ごめんね」
(*^◯^*)「しゃーねーんだ! 伝言ありがとうなんだ!」
89:
(*^◯^*)「失礼します!」ガラガラ
教授「やあ、レイェフスキ君。来てくれてありがとう。とりあえずその椅子に座ってくれ」
(*^◯^*)「ありがとうございます」
――――
(*^◯^*)「ところで、教授。なぜ、私は呼び出されたのでしょう?」
教授「うん……そのことだがね」
教授「実は、この大学で、暗号解読に関する講座が開かれることになってね」
教授「レイェフスキ君、その講座に参加してみないか?」
(*^◯^*)「暗号解読……ですか?」
90:
(*^◯^*)「なぜ、いきなりそんな講座が?」
教授「話せば長くなるのだがね……ポーランドの存亡に関わることというか」
(*^◯^*)「ポーランドの存亡? どういうことですか?」
教授「先の大戦で、ドイツ軍が敗北したのは、周知の通りだろう。我々が今いる「ポズナン」も奴らの敗戦を機にポーランド領となった地だ」
教授「ドイツ軍の敗因、その一つに、自軍の情報が筒抜けだったことが挙げられるそうだ」
教授「つまり、戦前も戦後もドイツの暗号は問題なく解読できていたということさ。連合国の優秀な暗号解読者によってね」
教授「ところが、1926年のある日を境に、解読できない暗号が出てきはじめたそうだ」
教授「その量は日に日に増え、とうとう送信される暗号のほとんどが解読できないという状況に……」
91:
教授「当然、連合国側も手をこまねいていたわけではないよ」
教授「だが、頻度分析、総当たり攻撃、線形解読法、差分攻撃法……そのどれもがまるで通用しなかったようだ」
教授「また、ドイツは今や瀕死の状態だ。そんな敵国に対して、逼迫感など無いのだろう。解読にそこまで力を入れていないらしい」
教授「ところが、ポーランドはそういうわけにいかない。我が国は独立したばかりで不安定だ」
教授「これにつけ込み、隣国ドイツが侵攻しないとも限らない。不可侵条約を結んでいるが……まあ、相手がドイツではあてにならないだろう」
教授「ポーランドはドイツの情報を常に確保しておく必要がある。いつ寝首をかかれても、対応できるようにね」
(*^◯^*)「なるほど……」
92:
(*^◯^*)「つまり、その人材集めのために、講座が開かれていると?」
教授「そういうことだね。もっとも開講したのは、軍の暗号局であって私ではないが」
教授「『数学理論に長けた者を求む』と向こうから要望があったので、こうして数学科の成績優秀者を推薦しているというわけさ」
(*^◯^*)「そういう事情なら、わかりました。ポーランドの力となるのであれば、喜んで参加します!」
教授「色よい返事をしてもらってなによりだ。ではよろしく頼むよ」
96:
――
(*^◯^*)「あっという間に、一日目の講座なんだ」
(●△●)「あ、レイェフスキ君! こんにちは」
(*^◯^*)「あ、ジガルスキ君なんだ! 君も参加してたんだ?」
(●△●)「うん。教授に呼び出されてね、「参加してみないか?」って。レイェフスキ君も?」
(*^◯^*)「全く同じなんだ。一緒に頑張ろうなんだ!」
(●△●)「うん、頑張ろうね」
(●△●)「ところでさぁ、なぜ数学科でこんな講座を開くのかなぁ」
(*^◯^*)「どういうことなんだ?」
(●△●)「暗号解読っていうのは、本来は言語学者や古典学者の仕事なんだよ。僕たちはそうした分野に携わってないのにね……」
(*^◯^*)「お偉いさんの考えることはわからねえんだ。たぶん、数学の力が暗号解読に有効だと判断したからなんだ」
(●△●)「数学がねぇ……」
98:
(*^◯^*)「そういえば、僕も不思議に思うことがあるんだ」
(*^◯^*)「なんで、この大学で開講するんだ? ここよりも、数学の研究が進んでるところはあるはずなんだ」
(●△●)「教授が言うには、ドイツ語を使える生徒が多いかららしいよ」
(●△●)「戦前、ここら一帯はドイツに占領されていただけあって、皆ペラペラだしね」
(*^◯^*)「なるほど……合点したんだ」
講師「はい、本日はこの講座に集まっていただきありがとうございます。私は……」
(*^◯^*)「あ、授業が始まるんだ」
(●△●)「おっとおっと、お話もここまでみたいだね」
101:
――
暗号局員1「……というわけで、講座の全てが終了しました」
暗号局員2「成果はどうだった?」
暗号局員1「20人のうち、この講座を修了した者は、3人いました」
('ω`) イェジ・ルジェツキ
(●△●) ヘンリク・ジガルスキ
(*^◯^*) マリアン・レイェフスキ
三年後、ポーランドの暗号局『ビュロ・シフルフ』はこの三人を正式に採用した
102:
入局日
( ・`ω・´)「さて、では君たちの名前を聞こうか」
(*^◯^*)「きょ、今日、入局することになりました、マリアン・レイェフスキです」
(●△●)「同じく、ヘンリク・ジガルスキです」
( ・`ω・´)「君たちがあのポズナン大学から来た数学者だな?」
( ・`ω・´)「私は、局長のグヴィド・ランゲル。階級は少佐だ」
( ・`ω・´)「さて、では君たちが相手にする暗号を見てもらおうか。こちらだ」
(*^◯^*)「これは……」
(●△●)「なんの機械でしょうか?」
( ・`ω・´)「これはドイツ軍が使っている『エニグマ』という暗号機、ギリシャ語で『謎』を意味するそうだ」
( ・`ω・´)「文字通りの難解さだよ……。未だに解読方法は確立していない」
(*^◯^*)「見た目はただのタイプライターですが……」
( ・`ω・´)「そうなんだ。サイズも非常にコンパクトで、持ち運びできるほどだ」
( ・`ω・´)「だが、この小さなボディに内包されるは、1京にも及ぶ膨大な数の組み合わせなのだよ」
(*^◯^*)「……なるほど。数学者が呼び出されるわけですね」
( ・`ω・´)「『膨大な数』なんてものは、数学者にとっては見慣れたものだろう。その扱い方も、言語学者より深く理解しているはずだ」
(●△●)「それが数学者を採用した理由ですか……適材適所と言えばそうかもしれませんね」
( ・`ω・´)「……さて。では、さっそく、局内の案内をしよう。これは、暗号化されたメッセージを受け取る受信機で――」
この日より、レイェフスキたちはエニグマ解読に挑むこととなる
103:
手に入ってるのか…
104:
手に入るの早すぎない
107:
>>103
>>104
これについては進行上少し脚色しとるところがあるで
補足で説明するわ
105:
――
一方、ドイツ軍では……
部下「チクペーン中将。少し、お話の時間をとっていただけないでしょうか」
(●゚◇゚●)「うん? どうした?」
部下「いえ、暗号局の連中にせがまれましてね。今のエニグマの運用状況について聞きたいと申しておりました」
部下「例えば、『鍵』はどのように扱っているか……など」
(●゚◇゚●)「運用状況か……。現在、エニグマは一日に一回『鍵』を変えている。我々はこれを『日鍵』と読んでいるがな」
(●゚◇゚●)「そして、オペレータ全員に一月分の『日鍵表』を渡している。これで、その日の日鍵に合わせ、メッセージを複文するというわけだ」
(●゚◇゚●)「今日の日鍵は……これだったらしいな」ペラ
ローターの初期設定 H-Q-M
ローターの配置 3-1-2
プラグボードの配線 A-M、C-P、F-O、J-K、N-Q、R-S
部下「なるほど……」
(●゚◇゚●)「もしかして、『日鍵表』が敵に奪われるのを心配しているのか?」
(●゚◇゚●)「それなら大丈夫だ。兵士は皆、敵に襲撃されたとき『日鍵表』を処分するよう、徹底的に訓練を受けている」
部下「いえ、暗号局の懸念はどうやら別のところにあるようです」
108:
部下「今のこの方法だと、問題点が二つあります。一つは、文字の打ち損じによって、その後の暗号文が読めなくなってしまうことです」
部下「例えば、暗号文の1288文字目に『T』があるとします。これを複文するには1288回目のタイピングで『T』を打たなくてはなりません」
部下「ところが、それより前に打ち損じてしまうと、1288回目のタイピングで別の文字を打つことになり、その先の文が滅茶苦茶になってしまいます」
部下「修正するには、最初から打ち直すほかありません。情報の伝達スピードが何よりも優先される戦場において、こうした時間のロスは致命的です」
部下「そして、二つ目の問題点は、解読されるリスクが高いことです」
(●゚◇゚●)「……どういうことだ?」
部下「このエニグマが一日あたりに送信する文字数は、恐らく5〜7万字程度か……戦争に突入すれば何十万という数に上るでしょう」
部下「それだけの文字を分析されると、規則めいたものを発見されたとしても不思議ではありません」
部下「エニグマは確かに強力な暗号機ですが……過信してはなりません。さもなくば、ADFGVX暗号の二の舞を踏むことになります」
(;●゚◇゚●)「……ああ。そのとおりだな」
111:
部下「この2つの問題点なのですが、暗号局は解決策を練りだしたらしいです」
(●゚◇゚●)「本当か!? なんだ、その解決策とやらは?」
部下「はい、まずは『日鍵』のことなのですが――」
――――――
(*^◯^*)「〜♪」
(●△●)(入局から、ずいぶん経つけど、まだ解読できないなぁ)
(●△●)(彼はご機嫌だけど、解読につながるものでも見つけたのかな?)
(●△●)「レイェフェスキ君、なにか、わかった?」
(*^◯^*)「さっぱりなんだ!」
(;●△●)「そ、そう……」
(*^◯^*)「うーん、こりゃただじっと見つめても解読できねえと思うんだ」
(*^◯^*)「やっぱり注目すべきはここなんだ!」
(●△●)「……だね」
OQWNEA JVWOLA NQSJEW OUYNTM ……
たびたび送信される『6文字』だけの暗号文
レイェフェスキ達は、この6文字の暗号文を全て書き留めていた
彼らは、暗号解読の肝はここにあると踏んでいたのだ
113:
(●△●)「この6文字は何を意味しているのかな……? 機体の名前とか?」
(*^◯^*)「僕も考えたけど、戦争に突入してるわけでもないのに、機体の名前がポンポン出るのは不自然だと思うんだ」
(●△●)「うーん、固有名詞の線は薄いかな。もしかして、全部同じ単語だったりして」
(*^◯^*)「さすがにドイツ軍がそこまで愚かだとは思えねえんだ。『反復は機密保護の敵』なんて奴らも重々承知のはずなんだ」
(●△●)「せめて、何らかの共通性が見つかればいいんだけどなぁ」
(*^◯^*)「共通性……」
OQWNEA JVWOLA NQSJEW OUYNTM ……
(*^◯^*)
(*^◯^*)「……!」
114:
(*^◯^*)「同じなんだ……!」
(●△●)「ん? なにが?」
(*^◯^*)「1文字目がOの時、4文字目はNになるんだ!」
(*^◯^*)「これは、6文字暗号に限って言えば、全て同じなんだ! 1文字目がOなら、4文字目は絶対にNになるんだ!」
(●△●)「OQWNEA、OUYNTM……ホントだ!」
(*^◯^*)「あと、これだけじゃねえんだ。1文字目がJなら4文字目はOになるし、1文字目がNなら4文字目はJになるんだ!」
(●△●)「この呼応関係は、どうやら全てのアルファベットにあるみたいだね……」
115:
(*^◯^*)「しかも、この呼応関係は1文字目と4文字目だけじゃねえんだ!」
(*^◯^*)「OQWNEAとNQSJEWを見てみるんだ! 2文字目がQだと、5文字目がEになってるんだ!」
(●△●)「ということは、呼応関係は2文字目と5文字目の間にもあるってこと?」
(*^◯^*)「その通りなんだ。この調子で行くなら、3文字目と6文字目にもこの関係はあるはずなんだ!」
まず、レイェフスキは、1文字目と4文字目 2文字目と5文字目 3文字目と6文字目の間につながりを見出した
これは、エニグマ暗号機に潜んでいたわずかな隙
そして、解読不能神話の決壊へとつながる小さなひび割れだった
116:
逆にどうすればばれなかったんや
117:
今日はここで終わるわ
レイェフスキ編は次で完結するやろ(適当)
補足
話の都合上省いているが、本当はこの時点でエニグマは手に入っていない
フランスがドイツの内通者からエニグマに関する情報を得る

その情報をポーランドに渡す

それを元にして、レイェフスキが配線を復元

エニグマのコピー器を作成
というのが正しい
118:
おつやで
最初からローター数とプラグ数を多めにしてたらもう少し手こずったんじゃない(適当)
119:
配線を復元!?えぇ…どんな情報やねん…内通者も何ものやねん…
120:
現代だと絶対解けない暗号ってのは不可能って結論に達して解読の仕方を知ってても非現実的なほど膨大な労力がかかるから解読できないって方向が主流らしいな
ほんで暗号マニアどもが頭ひねって考えだした暗号方式から選び抜かれた最精鋭が通信技術に使われてるとかなんとか
122:
興味あるならサイモンシンの暗号解読って本オヌヌメ
128:
――
(●゚◇゚●)「『日鍵』で新たな鍵を送信する?」
部下「そうです。これにより、エニグマの安全性はさらに高まります」
(●゚◇゚●)「理解が追いつかないな。一から説明してもらおうか」
部下「はい。2つの問題点の元を辿れば、膨大なメッセージを1つの鍵で暗号化していることにあります」
部下「それならば、そのメッセージを分割し、それぞれに異なる鍵を割り振ればよいのです」
129:
部下「メッセージを読むための鍵……なのでこの鍵を『メッセージ鍵』と呼びましょうか」
部下「こうすれば、一つの鍵に対する文字の量をうんと減らせます。恐らく、数百字程度に収まるはずです」
部下「ということは、打ち損じたときに再入力する文字の量も、分析される文字の量も減らせるということです。解読難度も跳ね上がることでしょう」
部下「そして『日鍵』の使用を、メッセージ鍵の送信の時のみに限定すれば、日鍵自体も解読されにくくなります」
部下「今まで、日鍵で何万字と打っていたわけですが、千単位に落ち着くと思いますよ」
130:
部下「実際の手順を踏まえて説明します。私が送信者になりますので、中将は受信者を担当していただけますか」
(●゚◇゚●)「ああ、わかった」
部下「『日鍵』は今日使ったものを用いましょうか」
部下「まず、送信者は『メッセージ鍵』を適当に決めます。ただし、決めるのはローター設定だけで、他は『日鍵』と同じにします」
部下「『メッセージ鍵』は一日に何百回と変更するわけですからね……プラグボードの配線まで変えるのは手間です」
部下「ひとまず、『メッセージ鍵』はZ-X-Cとしましょう」
部下「次に、『メッセージ鍵』を2つ並べたものを『日鍵』で暗号化し、送信します」
部下「『ZXCZXC』を日鍵で変換したら……『YAAEYQ』になりますね」カシャカシャ
部下「あとはローター設定をZ-X-Cに直して、メッセージを打ち込めばいいだけです」
131:
部下「次に受信者側の対応です。まず6文字暗号が出た時点で、設定を『日鍵』に合わせます」
(●゚◇゚●)「ふむふむ」カチカチ
部下「そして、受信した『YAAEYQ』を入力すれば……」
(●゚◇゚●)「おお、ちゃんと『ZXCZXC』に複文されたな」カシャカシャ
部下「『メッセージ鍵』を2つ並べる理由はここにあります。複文の正否がわかりやすいこと。仮に受信者がタイプミスしたとしても、すぐに気づけることです」
(●゚◇゚●)「そうか……。仮にタイプミスで『ZXC』が『ZXV』となっても受信者は気づかないだろうが……」
(●゚◇゚●)「『ZXCZXC』が『ZXEZXV』となっていたら気づくはずだな。事前に、同じ文字列が2つ並ぶと知らされているのだから」
部下「仰る通りです」
132:
部下「そして、『ZXCZXC』が判明したので、ローター設定をZ-X-Cにしていただければ、そのあとの暗号文は問題なく複文できます」
部下「まとめるとこうですね」
送信者側の暗号化手順
[1] 『メッセージ鍵』となるローター設定を適当に決める
[2] 設定を日鍵に合わせ、『メッセージ鍵』を2つ並べた文字列を暗号化する
[3] 設定を『メッセージ鍵』に合わせ、メッセージを打ち込む
受信者側の複文手順
[1] 6文字暗号を受信したら、設定を日鍵に合わせる
[2] 6文字暗号を複文し、そこに書かれているローター設定(メッセージ鍵)に合わせる
[3] 次の6文字暗号を受信するまで、その設定で複文を進める
(●゚◇゚●)「うむ、だいたい理解した。しかし、こう一手間加えるだけで、解読が難しくなるのか。暗号というのは奥が深いな」
部下「一つの小さな発見やアイデアが、その機密性をより強固にしたり、脆弱にしたりする……そういった世界ですからね」
――
(*^◯^*)「『日鍵』と『メッセージ鍵』か……ドイツ軍も考えたものなんだ」
ビュロ・シフルフは、フランスから受け取った情報によって、このシステムの存在を知った
(●△●)「呼応関係が生じた理由もこれで説明出来るね。1文字目と4文字目、2文字目と5文字目、3文字目と6文字目が同じだったからか」
134:
(*^◯^*)「さて、問題はここからなんだ。この呼応関係から、どうやって日鍵を特定するかなんだ」
(●△●)「とりあえず、1文字目と4文字目の対応を表にしてみたよ」
※便宜上、この表を1-4表と呼ぶ。画像にはないが、2-5表、3-6表もある
(●△●)「関係を割り出せても、そこから先が手詰まりだね。恐らく、この表から発想を飛躍させないと解読にたどり着かないんだろう」
(*^◯^*)「発想の飛躍……」
135:
しばらくの時が流れ……
(*^◯^*)「さっぱりなんだ。頭が痛くなるんだ……」
(●△●)「しかも、一日ごとに表が変わるし、対応しきれないや……」
(*^◯^*)「うーん、こういうときは原点回帰。呼応関係を見つけ出した日を思い出してみるんだ」
(●△●)「レイェフスキ君が『1文字目がOの時、4文字目はNになるんだ!』って大喜びしてたときだね」
(*^◯^*)「『1文字目がJなら4文字目はOになるし、1文字目がNなら4文字目はJ』とも言っていたんだ」
(*^◯^*)「あれ?」
(*^◯^*)「1文字目がOなら、4文字目はN……」
(*^◯^*)「1文字目がNなら、4文字目はJ……」
(*^◯^*)「1文字目がJなら、4文字目はO……」
(●△●)「1文字目がOなら……はっ!」
(●△●)「ループしてる……?」
137:
(*^◯^*)「そうなんだ。O,N,Jの三文字でループしているんだ」
(*^◯^*)「もしかしたら、他の文字でも、ループしているのかも……あの日の1-4表から、ループを探し出すんだ!」
(●△●)「了解! 表にまとめてみるよ!」
(*^◯^*)「調べてみたら、2-5表や3-6表にも、このループ構造はあるみたいなんだ。1-4表のものとは、全く違うけど」
(*^◯^*)「あと、別の日の1-4表でもループ表を作ってみたら、これもまた今日の1-4表で作ったやつと違うんだ」
(●△●)「一日ごとに変化する、か……。このループ構造は、日鍵によって変化すると見て間違いないね」
138:
(*^◯^*)「『日鍵によって変化する』?」
(*^◯^*)「それって、このループ表から、日鍵を求めることが出来るってことじゃ……」
(●△●)「え?」
(*^◯^*)「だって、それは『日鍵』と『ループ構造』が一対一で対応してるってことなんだ」
(*^◯^*)「ということは、『ループ構造』から『日鍵』を割り出せるはずなんだ!」
レイェフスキは日鍵特定の糸口を、このループ構造から見出した
犯罪現場の指紋からその犯人を特定するように……1つの『ループ構造』から『日鍵』を特定することも可能では、と考えたのだ
139:
(;●△●)「い、いやでも、日鍵の組み合わせは1京通りもあるんだよ?」
(;●△●)「まさか、それら全てを一つずつ検証していくつもりかい?」
(*^◯^*)「……」
(*^◯^*)「忘れてたんだ……んなもん検証しているうちに、宇宙が滅んでるんだ」
1京という数には、あらゆる総当たり攻撃を不可能にさせる並々ならない重みがあった
142:
しかし、レイェフスキはループ構造からの解読を諦めきれなかった
(*^◯^*)「日鍵と対応する構造……解読において、こんなおいしい情報めったにないんだ」
(*^◯^*)「必ずあるはずなんだ。ループ構造から日鍵を特定する道が……」
(●△●)「プラグボードさえ何とかできればいいんだけどなぁ……プラグボードの配線だけでも約1000億通りだよ」
(*^◯^*)「その時点で、もう光が見えねえんだ……」
(*^◯^*)「でも、プラグボードが無かったとしたら、何通りなんだ?」
(●△●)「約10万通りだね。これぐらいだったら、人間の手で何とかなる範囲だけど」
(*^◯^*)「そう……」
143:
(*^◯^*)(プラグボードの機能は文字を入れ替えること……ここだけ見れば、たいしたことないんだ)
(*^◯^*)(組み合わせの数が異常なだけで、エニグマを複雑化させているものはむしろローターなんだ)
(*^◯^*)(入れ替える? もしかして……)
(*^◯^*) ブチブチ
(●△●)「レイェフスキ君? プラグボードからプラグを抜いてどうするの?」
(*^◯^*)「ちょっとした、実験なんだ!」
146:
(*^◯^*) ガチャガチャ
(*^◯^*)「よし、ループが2つできたんだ。他にもあるけど、これ2つで実験するんだ」
A→U→F→H→K→W→A
B→N→M→B
(●△●)「6文字ループと3文字ループだね」
(*^◯^*)「次に、N-U F-M をプラグで繋ぐんだ」
(*^◯^*)「そして、再度、ループを調べてみると……」ガチャガチャ
A→N→M→H→K→W→A
B→U→F→B
(●△●)「あれ? プラグで結んだ文字が入れ替わっただけ?」
147:
(*^◯^*)「そうなんだ! プラグボードの配線を変えても、文字の配置が変わるだけで、ループ内の文字数は変わらないんだ!」
(*^◯^*)「つまり! 『ループ内の文字数』だけに着目すれば、プラグボードの配線は考えなくていいんだ!」
(*^◯^*)「よし! これで、ローターの配置と設定だけなら特定できるんだ!」
(*^◯^*)「さっそく、ループ構造とローター設定の対応表を作るんだ!」
(;●△●)「ちょ、ちょっと待って! ローター設定はそれでいいとして、プラグボードの配線はどうやって特定するの?」
(*^◯^*)「なんとかなるんだ!」
(;●△●)「はへ?」
(*^◯^*)「くわしくは、あとで説明するんだ! さっそく対応表づくりにかかるんだ!」
(;●△●)「ええ……」
ローター設定はA-A-AからZ-Z-Zまで
ローター配置は1-2-3から3-2-1まで
レイェフスキ達は、105456通りの初期設定における、ループ構造を全て調べ上げ、それを一覧にした
その作業量は並大抵のものではなく、この対応表の完成に1年を要した
150:
――
(;*^◯^*)「やっと……やっと完成したんだ」
(;●△●)「長かった……長かったよ、レイェフスキ君……」
(;*^◯^*)「でも……この長さに見合う成果はあるはずなんだ」
(;*^◯^*)「じゃあ……さっそく、この対応表で解読を試みるんだ」
(;●△●)「そうだね……。まず、今日の暗号のループを調べてみよう」
(●△●)「まず、1-4表に、5文字ループが1つ、7文字ループが3つあったよ」
(*^◯^*)「1-4(5,7,7,7)……次は」
(●△●)「2-5表に、3文字ループが3つ。そして……」
(*^◯^*)「ふむふむ……」
(*^◯^*)「まとめると、こんな感じなんだ!」
1-4(5,7,7,7)
2-5(3,3,3,5,6,6)
3-6(3,5,9,9)
(*^◯^*)「このループ構造と対応する設定は……」ペラペラ
(*^◯^*)「あったんだ! ローター配置1-2-3 ローター設定H-D-Xなんだ!」
(●△●)「第一段階は攻略……だね。さっそく、その設定に直そう」
※このレス上のループ構造、およびそれによって求められたローター配置・設定は適当に選んだものなので正確でない
151:
(*^◯^*)「後は、最後の難関。プラグボード配線の特定なんだ」
(●△●)「うん、レイェフスキ君のあの方法なら大丈夫だよ」
(*^◯^*)「ありがとうなんだ……さて――」ブチブチ
〜〜〜〜〜
(●△●)「プラグを全部抜くだって?」
(*^◯^*)「そうなんだ。そして、日鍵で暗号化された文をかたっぱしから打ち込んでみるんだ」
※日鍵はメッセージ鍵を暗号化する時以外に使わないと前述したが
よりい情報伝達が求められる場所には、日鍵で暗号化したメッセージを送っていたと思われる
〜〜〜〜〜
(*^◯^*)「これも違う……これも違う……」ガチャガチャ
(*^◯^*)「!」
(*^◯^*)「ジガルスキ君、これを見るんだ! プラグなしの状態で、複文したものなんだ!」
(●△●)「これは……」
152:
〜〜〜〜〜
(●△●)「でも、プラグボードがある以上、複文することは出来ないと思うんだけど……」
(*^◯^*)「考えてみるんだ。プラグボードの機能といえば、文字を入れ替えるだけなんだ」
(*^◯^*)「だから、ローターが正しい位置にあれば、意味の分かる箇所もちらほら出るはずなんだ」
〜〜〜〜〜
BELRIN
(●△●)「これって……」
(*^◯^*)「恐らく、平文では『berlin』なんだ」
(*^◯^*)「つまり……『L』と『R』がプラグで繋がれていて、『B』『E』『I』『N』がプラグで繋がれていないことが分かるんだ」
(*^◯^*)「これを繰り返せば、プラグボードで繋がれている6組の文字が判明するんだ」
レイェフスキは1京通りの組み合わせに対して、馬鹿正直に突っ込むのではなく
プラグボードとローターに問題を分け、各個別々に解決する手法を取ったのだ
この手法によって、相手にすべき組み合わせを105456通りに圧縮し、厄介なプラグボードをほぼ無力化することに成功する
153:
そして――
(*^◯^*)カシャカシャ
(●△●)「……」
(*^◯^*)「『BWEBWE』『ABCABC』『KUTKUT』『VERVER』……」
(*^◯^*)「6文字暗号全て……解読できるんだ……」
(●△●)
(●△●)「や……」
(●△●)「やったあああああああああああ! ホントにエニグマを解読したんだ!」
(*^◯^*)「やったんだ! これで、ドイツ軍の情報全てかっさらえるんだ!」
(*^◯^*)「アッハッハッハッハ! 笑いが止まらないんだ! やったぁ!」
1933年 ポーランドの暗号局がエニグマ解読に成功
難攻不落の暗号が、初めてその姿を露わにした瞬間であった
179:
(*^◯^*) ペラペラ
(*^◯^*)「ん、今日の日鍵は『3-1-2』の『M-W-C』なんだ」
(●△●)「了解。んじゃローターを動かして……」
(●△●)カシャカシャ
(●△●)「よし、プラグボードの配線は特定したよ」
(*^◯^*)「あとは、メッセージ鍵を解読して……」カシャカシャ
(●△●)「その鍵で、それぞれの暗号文を解読……と」カシャカシャ
(*^◯^*)「ふむふむ……今日も特に目立った動きは無さそうなんだ」
(●△●)「いやぁ、敵の動向がわかる安心感たるや、解読前には味わえなかったものだね」
(*^◯^*)「今にドイツ軍が襲ってくるんじゃないかとビクビクしてたのが嘘みたいなんだ」
エニグマの解読システムが確立したことによって、ポーランド軍の対外的な緊張は和らいだ
対ドイツにおいて、不意を打たれないというアドバンテージは、彼らにこの上ない安堵感を与えたのである
181:
だが、6文字暗号の脆弱性に気付いていなかったものの、ただ解読されて終わるだけのドイツでは無かった
1937年
('ω`)「皆……大変」
(●△●)「?」
(*^◯^*)「ルジェツキ君? 何かあったんだ?」
('ω`)「ドイツ……暗号の送信方法……変えた」
('ω`)「あの対応表で……解読できない」
(*^◯^*)
(;*^◯^*)「え?」
(;●△●)「なんだって……?」
ドイツ軍がリフレクターを別のものに交換し、これまでの対応表が使えなくなったのだ
183:
(;●△●)「そんな……じゃあ、もう一度対応表を作れというのかい?」
(;●△●)「もう一年かけて? そんなの無理に決まってるよ!」
(;*^◯^*)「落ち着くんだジガルスキ君! 何か方法があるはずなんだ!」
(●△●)「で……でも、あの対応表が使えないとなると、もう解読しようがないよ」
(*^◯^*)「……」
(*^◯^*)(もう一度、対応表を作る……は論外なんだ。時間のこともあるけど、今回のようなことが起これば、またおじゃんになるんだ)
(*^◯^*)(同じ轍は踏まねえんだ。多少、送信方法が変わろうが、対応できる解読方法が必要になるんだ)
(*^◯^*)(幸いにも、6文字暗号はまだ続けてやがるんだ。付け入る隙はあるはずなんだ)
――
184:
(*^◯^*)「ふう……たまには、こんな店でのんびりするのも悪くないんだ!」
(*^◯^*)「ジガルスキ君、なに食べるんだ?」
(●△●)「……それじゃあ、このアイスクリームにしようかな」
(*^◯^*)「じゃあ、同じやつにするんだ!」
(●△●)「……」ブツブツ
(●△●)「……」ブツブツ
(●△●)「もうダメかも……」ブツブツ
(*^◯^*)「……」
(●△●)「だって……対応表使えないし……作ったとしても送信方法が変われば……」ブツブツ
(*^◯^*)「……」
(●△●)「だいたい……マシンに人間が敵うわけが……」ブツブツ
(*^◯^*)「……」
185:
(*^◯^*)「マシンに人間は敵わない?」
(●△●)「そうだよ……だって処理度が違いすぎるよ」
(●△●)「暗号化のスピードも人力でやるのとは桁違いだし」
(*^◯^*)
(*^◯^*)「クックック……その通りなんだ」
(●△●)「……どうしたの、レイェフスキ君?」
(*^◯^*)「本当に僕は馬鹿だったんだ。なんで、こんな簡単なことに気づかなかったんだ」
(*^◯^*)「動作性能において、人間はマシンに敵わない……なら、マシンと戦うべくは人間じゃないんだ」
(*^◯^*)「目には目を、歯には歯を、マシンにはマシンで対抗すればよかったんだ」
(●△●)「マシンで……?」
(*^◯^*)「ジガルスキ君は『暗号化のスピードも人力でやるのとは桁違い』と言ったけど……」
(*^◯^*)「それは『解読』においても同じことが言えるんじゃない?」
187:
(*^◯^*)「僕はさっそく解読マシンの制作に取り組むんだ」
(*^◯^*)「ドイツ軍のメッセージを解読できないままにしておくだなんて、僕には出来ないんだ」
(*^◯^*)「……もう二度と、侵攻の恐怖に慄きたくないんだ」
(●△●)「レイェフスキ君……」
(●△●)(そうだ……そうじゃないか。レイェフスキ君はいつだってそうだ)
(●△●)(一つ一つの小さな発見から解読原理を編み出して、僕らに希望を与えてくれた)
(●△●)(そして、今も諦めないでいる。ドイツに支配されまいという執念を糧にして……)
(●△●)(僕は……僕はなにが出来る? なにが出来た?)
(●△●)(希望を無くさせるようなことをグチグチ言ってるだけで……)
(●△●)(僕は……!)ギリッ
190:
(●△●)「レイェフスキ君、僕も手伝うよ!」
(*^◯^*)「おお、ありがとうなんだ! ジガルスキ君がいれば百人力なんだ!」
(●△●)「……レイェフスキ君」
(●△●)「あんな愚痴をこぼした僕が言うのもなんだけど……」
(●△●)「マシンと人間、どちらが優れてるのかを上げるなら、やっぱり人間かなって思ったんだ」
(●△●)「だって、レイェフスキ君が成し遂げたこと全て、マシンじゃ出来なかったことだから……」
(●△●)「6文字暗号から呼応関係を発見、それを元にしたループ構造の構築、プラグボードとローターを分離するという発想……」
(●△●)「これも、全てマシンじゃ出来なかったんだ。これから作るマシンでも不可能だと思う」
(*^◯^*)「……」
191:
(●△●)「レイェフスキ君は、『人間はマシンに敵わない』と言ってた……というより言わせちゃったんだけど」
(●△●)「よく考えれば、僕達の力は、確かにあのエニグマに通じたんだ。だからその……」
(●△●)「人間は……いやレイェフスキ君がマシンに劣っていることはないと……そう言いたかった」
(*^◯^*)「……ありがとうなんだ」
(*^◯^*)「もちろん、人間が完全にマシンに劣っているとは思っていないんだ」
(*^◯^*)「それは、ジガルスキ君が言っていた『発想』という点でもそうなんだけど……」
(*^◯^*)「マシンに無くて、僕らにあるもの……。そして、解読の原動力となったもの。それは『恐怖』なんだ」
(●△●)「……そうだね」
(●△●)(『……もう二度と、侵攻の恐怖に慄きたくないんだ』 これはレイェフスキ君だけじゃなく、僕達みんなの行動原理だろう)
(●△●)(機械には危機意識がない……けど人間にはある。そして、それを力に変える能力を持っている)
(●△●)(僕たちはマシンに負けやしない。ドイツ軍、少し送信手順を変えただけで、僕達から逃れられると思うなよ……!)
そして、レイェフスキ達はエニグマ解読機『ボンブ』を開発した
名前の由来は諸説あるが、レイェフスキが食べていたアイスクリームの名前が『ボンブ』だったからと言われている
この機械は、17576通りのローター設定の中から、正しい設定を総当り方式で特定していくといったものだった
ローターの配置は6通りなので、機械は6台設置。これにより、ポーランドは再び、エニグマを解読できるようになる
193:
そして、彼らの快進撃はこれだけではなかった
(*^◯^*)「ジガルスキ君。ループ構造についてちょっとした発見があるんだ」
(●△●)「どれどれ?」
(*^◯^*)「全て要素数2のループである置換が2つあるとするんだ。この置換を組み合わせたとき、同じ要素数のループ構造が――」ペラペラ
(●△●)「な、偶数になるだって! まさかこれは逆も成り立つんじゃ……だって――」ペラペラ
(*^◯^*)「そうなんだ。任意の要素をa1とすれば、a2、a3……と順列が出来上がり――」ペラペラ
(;・`ω・´)「待て……お前たちの言ってることが全くわからんぞ!」
レイェフスキは、ループ構造の法則性と群論を組み合わせ、『レイェフスキの定理』を構築する
この定理は、正解の候補を絞り込み、解読度をめるのに役立った
194:
『どうせ解読されまい』というドイツ軍の慢心と油断も、エニグマ解読を助ける結果となる
(●△●)「また、メッセージ鍵が『ABCABC』だね。他にも『AAAAAA』とか『BBBBBB』とか、ドイツ軍ってこういうところがルーズだなぁ」
(●△●)「そりゃ、何百回と変えるわけだし、ずっとランダムに選ぶのも骨が折れるんだろうけどさ……」
(●△●)
(*^◯^*)
(●△●)「いや……これって」
(*^◯^*)「ああ、使えるんだ」
(*^◯^*)「今日届いた6文字暗号の中で、一番出現頻度が高いのはなんなんだ?」
(●△●)「えっと『BOYLLQ』だね」
(*^◯^*)「ならそれが『ABCABC』を換字したものと決め打ちするんだ」
(*^◯^*)「これで、当たれば儲けもんなんだ」
この特定法を『レイェフスキの定理』と組み合わせることで、エニグマの暗号はより解読しやすくなった
195:
(●△●)「レイェフスキ君、新しい解読法を考えてみたよ!」
(*^◯^*)「え、ホントに?」
(●△●)「うん、この穴の空いたシートを6枚使うんだけどね」
(●△●)「これで、穴の空いた所に書いてある文字から、平文を絞り込んでいくんだ」
(●△●)「この方法の特筆すべき点は、プラグボードの配線を全く考慮しなくてもいいということなんだ」
(*^◯^*)「おお! それは便利なんだ! 1000億通りを最初から考えなくていいのはやっぱり強いんだ」
レイェフスキだけでなく、ジガルスキやルジェツキ、ビュロ・シフルフの局員各々による創意工夫が実を結び、送信される暗号の7割を解読することができるようになった
レイェフスキ自身は、もう少し人手があれば、9割解読することも可能だったと後に語っている
196:
(*^◯^*)「あ! また三番ボンブが故障してるんだ! ルジェツキ君、修理頼むんだ!」
('ω`)「はい……」
(;●△●)「うわぁ! 大量に暗号が! みんな、手伝って!」
(*^◯^*)「今行くんだ!」
局員「おーい! 五番ボンブも故障してるぞ!」
(;*^◯^*)「な! 一週間前に修理したばっかなのに! しゃーねーんだ、また修理するしかねえんだ!」
('ω`;)
(;●△●)
(;*^◯^*)
( ・`ω・´)「……」
( ・`ω・´)(フフ……うまくいっているようだな)
( ・`ω・´)(やはり、彼らに『日鍵表』を見せないでいたのは正解だったかな?)
197:
〜〜〜〜〜
(;・`ω・´)「な……これは、我々が欲してやまなかった日鍵表ではないですか!」
上司「ああ、例によってフランスからのプレゼントだ」
( ・`ω・´)「これさえあれば……もう彼らの仕事は終わりですね」
上司「まあ、解読作業は引き続き進めてもらうわけだが、今までより作業量は少なくなるだろうな」
( ・`ω・´)「……ありがとうございます。活用させていただきます」
上司「ああ、よろしく頼んだぞ。ランゲル少佐」
( ・`ω・´)「……」
( ・`ω・´)「この日鍵表があれば、彼らに過重な負担をかけることはなくなる……」
( ・`ω・´)「彼らのことを思うなら、これからは日鍵表によって解読を進めるべきだが……1つ問題がある」
( ・`ω・´)「日鍵表が無くなったら、その後はどうする?」
198:
( ・`ω・´)「日鍵表はいつか、入手できなくなるだろう。戦争に突入すれば、ドイツの内通者も動きづらくなるだろうしな」
( ・`ω・´)「つまり、いずれは日鍵表無しに解読を進めなければならんということ……」
( ・`ω・´)「……」
( ・`ω・´)「……彼らには悪いが、この日鍵表は引き出しに隠しておくか」
( ・`ω・´)「来るべきときに備え、彼らに解読の訓練を積ませておかねばならんのだ」
〜〜〜〜〜
( ・`ω・´)(ボンブ、ジガルスキのシート、その他もろもろの解読システム……)
( ・`ω・´)(血肉を振り絞る思いで作り上げたであろうこのアイデアも、日鍵表を見せていたら生まれなかったのだろうな)
ランゲル少佐のこの判断は、レイェフスキ達に、技術革新の余地をもたらしたと言えるだろう
思考の全てを暗号解読に注ぎ込む毎日を送らせていたからこそ、彼らは画期的な解読法を紡ぎ出すことが出来たのだ
199:
しかし、どうしようもなく残酷な現実は唐突にやってくる
1938年
(*^◯^*)「あれ? ボンブでの解読が進まないんだ」
(●△●)「……僕のシートでも、うまくいかないや」
(*^◯^*)
(;*^◯^*)「なんか、嫌な予感がするんだ」
(;●△●)「ドイツ軍がまた何かやってきたのかな?」
――
(;・`ω・´)「な……なんだと!?」
(*^◯^*)「ど、どうしましたか局長」
(;・`ω・´)「エニグマに……2つのローターが追加されたようだ!」
(;*^◯^*)「え?」
(;●△●)「そんな……!」
今まで、ローターの種類は1,2,3のみだったが、新たに4,5が追加
よって、ローター配置の組み合わせは、P(5,3)=5・4・3=60通り
今までの10倍に膨れ上がった
200:
(;*^◯^*)「な……なら、ボンブを60台設置するんだ! それなら、対応でき――」
(;-`ω-´)「無理だ……ビュロ・シフルフの年間設備費用は知っているだろう」
(;-`ω-´)「その15倍もの費用がかかる……それだけの予算はポーランド軍に残されていない」
(;・`ω・´)「それに、それだけのボンブをどう管理する? 毎日のように修理に追われ、6台の運用ですら大変だったろう」
(;*^◯^*)「……」
(*^◯^*;)「ジガルスキ君!」
(;●△●)「僕のシートの枚数も、10倍に膨れ上がるわけだけど……それだけのシートを作り上げるには、時間が足りない」
(;●△●)「何より、ローター4,5の配線を知る必要がある。ドイツ軍の情報が必要になるよ」
(;・`ω・´)「わかった……上司にかけあってみよう」
(;・`ω・´)(そして、日鍵表を……今こそ、これが必要なときだ!)
201:
――
(;・`ω・´)「な、なぜです!? なぜ、内通者がフランスとの接触を拒んでいるのですか!?」
上司「さあな……しめつけが厳しくなったのか、理由はわからんが」
上司「そういうわけで、日鍵表は手に入らなくなった」
(;・`ω・´)「馬鹿な……こんな馬鹿な話があるか」
(;・`ω・´)「いざ、必要になった時に限って手に入らなくなるなど……」
202:
そして一ヶ月後、4本のプラグが、ビュロ・シフルフに追い打ちをかける
これによって、プラグボードで交換される文字は6組から10組に増えた
ローター数は3個から5個に、プラグは6本から10本に
これだけ見ると大したことがないように思えるが……
初期状態の組み合わせは 158962555217826360000(約1垓5900京)通りという、宇宙すらかすめる膨大な数となった
この圧倒的な組み合わせを前に、ビュロ・シフルフの局員達は為す術が無かった
『膨大な数』に対抗するため呼び出されたレイェフスキだったが、彼を負かしたものもまた『膨大な数』だったのだ
204:
――1939年9月1日 ドイツ軍がポーランドへ侵攻開始
( ・`ω・´)「みんな、準備はいいか」
(ヽ*´◯`*)「……」
(●△●)「……」
( ・`ω・´)「急いで、この国から出るぞ」
(ヽ*´◯`*)「ランゲル少佐……」
(ヽ*´◯`*)「僕は……僕のやってきたことはいったいなんだったでしょうか……」
( ・`ω・´)
(ヽ*´◯`*)「結局、肝心な時に限って、役に立てませんでした……」
(ヽ*´◯`*)「この最悪の事態を回避するための暗号解読だったのに……」
(ヽ*´◯`*)「僕たちがやってきたことは全て無駄――」
( ・`ω・´)「その先は言わせんぞ、レイェフスキ」
205:
( ・`ω・´)「君たちが作り上げたものは、断じて無駄ではない」
( ・`ω・´)「なぜなら、それらは、とある二国へ受け継がれているからだ」
(ヽ*´◯`*)「……え?」
( ・`ω・´)「解読が進まなくなったとき、私はある考えに至った」
( ・`ω・´)「物資が不足するポーランドでは、君たちの着想を最大限に生かせなかった」
( ・`ω・´)「しかし、大国イギリス、フランスなら、それが可能ではないか……とね」
( ・`ω・´)「そして、この二国の上級暗号担当官をワルシャワに招き、我々の成果の全てを託したのだ」
( ・`ω・´)「鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたよ。あの弱国ポーランドが、すでにエニグマを解読していたというのだからね」
( ・`ω・´)「恐らく、我々からの情報を元に、この二国はさらに高度なエニグマ解読法を確立することだろう」
( ・`ω・´)「もう一度言う。君たちが作り上げたものは、断じて無駄ではない」
( ・`ω・´)「君たちの執念の結晶は、場所を変えてより高い次元へ昇華されるのだ」
( ・`ω・´)「何時間と暗号文を睨み通していたことも……机が黒ずむほど計算式を書き続けた日々も……」
( ・`ω・´)「今日までの何をとっても、無駄なことなど一つも無いんだ」
(ヽ*´◯`*)
(*;◯;*)
( ・`ω・´)「……さて、出ようか。ドイツ軍がいつここまでくるか分からない」
(*;◯:*)「は……い」
207:
同年10月6日、ポーランド侵攻が完了した
これを受け、英仏がドイツに宣戦布告
第二次世界大戦へと突入する
208:
これで、レイェフスキ編は終わりやで
ほな……
補足 初期状態の組み合わせ
ローターの配置は、5個のローターの内、3個を並べる順列なので、P(5,3)=5・4・3=60(通り)
ローター設定はこれまでと変わらず、26^3=17576(通り)
プラグボード配線の組み合わせは、>>74と同じように求めればよい
ただし、プラグが10本なので、[1]の操作を10回繰り返すことと、6!ではなく10!で割ることに注意する
C(26,2)×C(24,2)×C(22,2)×C(20,2)×C(18,2)×C(16,2)×C(14,2)×C(12,2)×C(10,2)×C(8,2)/10!=150738274937250(通り)
以上より、初期状態の組み合わせは
60×17576×150738274937250=158962555217826360000(通り)
補足 ソ連の脅威
ビュロ・シフルフは、ドイツだけでなく、ロシア(ソ連)にも通信監視を行っていた
その成果が如実に現れたのが、ポーランド・ソビエト戦争
ソビエト軍がワルシャワに迫った1920年の8月だけでも、400件もの暗号を解読していた
レイェフスキが入局していないときから、その解読能力はトップクラスだったといえるだろう
209:
面白かったンゴ
Aに真水が不足
211:
かっよすぎて鳥肌たつわ
213:
おつおつ
おもしろかった!
216:
イギリス ブレッチリー・パーク 政府暗号学校
校長「……次は数学者か」
校長「まったく、面白い顔ぶれだな。言語学者、古典学者の採用はわかるが……」
校長「チェスのチャンピオンに、クロスワードの名人だと? 暗号解読に関係あるのか……?」
戸<コンコン
校長「お、時間丁度だな。入りたまえ」
校長「さて、その椅子にかけてくれるかな? まず君の名前を聞こうか」
彡(゚)(゚)「私の名前はアラン・チューリング。数学者です」
218:
校長「ふむふむ、チューリング君はなかなかすごい業績を残しているようだね」
校長「ケンブリッジ大学のキングス・カレッジに入学し、22歳で特別研究員に選ばれる……」
校長「その後、渡米し、プリンストン大学にて、博士号を1年半で取得……か」
校長「普通は、取得に三年かかると聞いたがね……まさしく天才と呼ぶにふさわしいな」
彡(゚)(゚)「はえ〜そうですか」
校長「……ああ、そうだと思うよ」
校長「さて、チューリング君、私達が君を招聘した理由はわかるだろう?」
彡(゚)(゚)「ドイツの難解な暗号に対抗するため、暗号解読者を集めていると……」
校長「その通りだ。ポーランドが数学者を起用していたことに倣い、イギリスも数学者を採用する方針を固めたそうだ」
校長「受けてくれるな?」
彡(゚)(゚)「まあ、受けるも何も、一年ほど前からこの暗号学校で働いてましたからね」
彡(゚)(゚)「場所が変わっただけですし、引き続き、ここブレッチリー・パークで解読に励みますわ」
校長「そうか、それなら『これからもよろしく』が正しいかな。ついてきなさい。ドイツの暗号機をお見せしよう」
220:
校長「これが、暗号機エニグマだ」
彡(゚)(゚)「はえ〜、こんな小さい箱があの暗号を……」
校長「ポーランドの暗号局はその暗号を解読したらしいがな」
彡(゚)(゚)「ファッ!?」
校長「大戦前に、その解読方法を英国に伝えてきたようだが、いやはや驚いた。ポーランドの解読技術は我々の10年先をいっていたのだ」
校長「だが、そのポーランドも今ではああなった……。これからは我々がエニグマを解読せねばならない」
彡(゚)(゚)「……お言葉ですが、そのポーランドが渡してきた解読法でええんちゃいますか?」
校長「もちろん、そうするつもりだ。だが、この解読法は、6文字暗号というシステムが使われているからこそ可能なのだ」
校長「ドイツが6文字暗号の弱点に気付いたら? このシステムは改変され、ポーランドの解読法は使えなくなるだろう」
校長「つまり、6文字暗号に依らない解読法が必要になる。それを見つけるのが君の仕事だ」
彡(゚)(゚)「ほーん。まあ何とかしてみます」
221:
彡(゚)(゚)「あの後、解読法聞いてみたけど、ポーランドも上手くやったもんやなぁ」
彡(゚)(゚)「結局、物資と人手不足で断念か……。まあ、ボンブ60台用意すんのも、イギリスやったら楽勝やろ」
彡(゚)(゚)「とはいえ、安心はしてられんな。校長の言うとおり、いずれはボンブも使えなくなるやろうし」
彡(゚)(゚)「6文字暗号に依らない解読法……」
彡(゚)(゚)「要するに、暗号文から直接、平文にいたる何かを見出す方法ってことやな」
222:
――
彡;(゚)(゚)「ぜえ……ぜえ……」コギコギ
彼の一日は、自宅からB.Pまでの5kmの道を自転車で踏破することから始まる
彡;(゚)(゚)「ぜえ……やっとついたで」
彡(゚)(゚)「さて、今日も、解読法を考えなあかんな」
彡(゚)(゚)「ん? これまでに解読された暗号が溜まっとるやんけ! 解析したろ!」
彡(゚)(゚)「えーと、これはX月X日6時5分『今日の天気は晴れ、……』。気象観測所からのメッセージやな」
彡(゚)(゚)「お、これも気象観測所のやつや。Y月Y日6時5分『今日の天気は晴れ、……』」
彡(゚)(゚)「これもやんけ! Z月Z日6時5分『天気は……』」
彡(゚)(゚)「はえー、気象観測所は6時5分に天気予報を通知するんやな」
彡(゚)(゚)「……」
彡(゚)(゚)「『天気』?」
彡(゚)(゚)「ドイツ語やと……えっと『wetter』やな」
彡(゚)(゚)「なんや、これはつまり……」
彡(゚)(゚)「気象観測所が6時5分に出す暗号文には、必ず『wetter』が入ってるってことちゃうんか?」
223:
( ゚∀゚)「チューリング? どうした」
彡(゚)(゚)「ヒューか。いや、『wetter』が必ず含まれる文があるって話なんやけど……」
( ゚∀゚) ヒュー・アレグザンダー 英国のチェスチャンピオン チューリングと同じ第八兵舎の解読員
( ゚∀゚)「ほうほう、そいつは興味深い。解読された暗号文を詳しく調べてみようか」
彡(゚)(゚)「ふむふむ……」
彡(゚)(゚)「ほとんどの文書に入っとるのは『EINS』(英語でいうa,an)やな。」
( ゚∀゚)「『FORT』(前の文と続く)なんかも頻度が高いぜ」
彡(゚)(゚)「『WEWA』(wetter warte=気象観測所)とかもよく出る単語やな」
こうした、暗号文中に高い確率で含まれる単語や決まり文句を『クリブ』と呼ぶ
クリブはエニグマ解読への重要な足がかりとなるもので、戦争が進むにつれ、より洗練されたクリブが生み出されていく
224:
しばらくして……
( ゚∀゚)「ククク……あれから解読員が全力でクリブを探してやがるぜ」
( ゚∀゚)「しかし、笑えるのが『Heil Hitler』(ヒトラー万歳)っていうクリブだな。忠誠心が仇になってんじゃねえか」
( ゚∀゚)「もっとも、これらが暗号文のどこに入るのかわからなければ、意味が無いんだがな」
彡(。)(。)「その通りや。『wetter』みたいな位置が確定しとるクリブもあるけど、全てのクリブがそうというわけやない」
彡(゚)(゚)「100%特定……とまではいかずとも、いくらか候補を除外できる方法があればええんやけどな」
225:
開戦からの1ヶ月は、いかなる解読法をもってしてもエニグマを解読することが出来なかった
彡;(。)(゚)「あかん! どないすればええんや!」
(;゚∀゚)「もしかして、新しいローターを追加しやがったか……?」
彡;(゚)(゚)「……ポーランドの解読者らは今どこに居るんや?」
( ゚∀゚)「確か、パリに亡命中だとか何とか……」
彡(`)(´)「もう我慢ならんわ! ワイは会いにいくで!」
(;゚∀゚)「へ!? もしかして、彼らにか?」
彡(゚)(゚)「ああ、そんで助言を貰うんや。解読のヒントがあるかもわからんしな」
チューリングと数人の解読者は、知識の補填、問題解決のため、パリへ渡った
226:
1940年 1月
彡(゚)(゚)「こんにちは、ポーランドの解読者の方々ですね。ブレッチリー・パークより来ました、アラン・チューリングです」
(*^◯^*)「こんにちは……マリアン・レイェフスキです」
(●△●)「ヘンリク・ジガルスキです」
(*^◯^*)(この人が、僕たちを継ぐ解読者……。でも、数学者といっても、暗号に関しては初心者なんだろうなぁ)
彡(゚)(゚)「ほんで――というところに困ってまして……」
(*^◯^*)「それなら――ということで……」
(●△●)「僕らは他にも――といった方法で……」
彡(゚)(゚)「はえ〜なるほど。そういう方法もあるんですなぁ」
(*^◯^*)(もう理解したのか……早いんだ)
(●△●)(エニグマに対して、深い知識を持っているなぁ)
(*^◯^*)(この人達になら……)
(●△●)(託せるかもしれないね……)
227:
そして、解読が進まなかった原因だが、実に単純なことだった
(;*^◯^*)「……」
彡(゚)(゚)「ん? どないしはったんですか?」
(;*^◯^*)「僕たちがイギリスに渡したローター4,5の情報なんだけど……」
(;*^◯^*)「そこに間違いがあったみたいなんだ」
彡(゚)(゚)
(;*^◯^*)「いや……まあ、人間、間違いはあるってことで……許してほしいんだ」
(;*^◯^*)「ホントにもう……笑えちまうんだ。アッハッハ……」
彡;(^)(^)「そ、そうやな、間違いくらいあるわな! アッハッハ……」
(*^◯^*)「「アッハッハッハ……」」彡(^)(^)
229:
1月17日 この滞在中にエニグマを解読
戦時に送信された暗号を解いたのは、これが最初となる
230:
彡(゚)(゚) カチャカチャ
帰国後、チューリングはあるマシンの開発に取り掛かる
パリ滞在のときにはすでに、そのマシンのシステムを考案していた
以前に、クリブからの解読法を編み出していたが、それも限界に近いからだ
〜〜〜〜〜〜〜〜
彡(゚)(゚)「……」
彡(゚)(゚) 
彡(゚)(゚)「そういえば、エニグマって同じ文字に換字せえへんよな」
( ゚∀゚)「?」
彡(゚)(゚)「言葉足らずやったな。『A』を打ち込んだら、絶対『A』に換字されへんやろ?」
( ゚∀゚)「ああ、そういうことか。そうだな、換字前の文字と換字後の文字が一致することは絶対にねえ」
彡(゚)(゚)「……」
自己換字不可性――これは、エニグマ暗号機の構造からくる致命的な弱点だった
231:
そもそも、なぜ、このような性質が生じたのだろうか
>>33>>39を思い出していただきたい
ここでは、エニグマの換字に『反転性』があることを説明した
『反転性』というのは、対応する二文字が互いを換字しあうことだ
この時、対応する二文字がA-Qとなることはあっても、A-Aとなることはありえない
なぜなら、リフレクターは、異なる文字信号が流れる2つの回路を結んでいるためだ
>>39の下の画像を見れば一目瞭然である
A→Aと変換されるには、電気信号がリフレクターに到達した後、バックするという不可解な動きをすることになる
電気信号がリフレクターを通過する以上、Aは必ず別の文字に変換される
リフレクターは、複文を容易にする『反転性』を生み出したかわりに、こういった厄介な性質も残してしまったのだ
233:
彡(゚)(゚)「この性質を使えば、かなりの候補を除外できると思うで」
( ゚∀゚)「……換字先の候補が26通りから25通りに減っただけだろ? どうやってだ」
彡(゚)(゚)「『ZUSTANDOSTWAERTIGERKANAL』(東海峡の状況は)という、24文字のクリブを使って説明するで」
彡(゚)(゚)「例えば、下の暗号文のどっかが、このクリブの変換された箇所やとするやろ?」
※画像に誤字 平文→クリブ
彡(゚)(゚)「この時、暗号文の最初の24文字がクリブと対応してることはない。なんでか分かるか?」
( ゚∀゚)「……わかんねーな」
彡(゚)(゚)「『W』の位置で衝突しとるからや。W→Wと変換されることはないんやから、この位置にクリブが来ることはありえへん」
234:
彡(゚)(゚)「次に、クリブを1字ずらして、同じように検証する」
彡(゚)(゚)「さて、2〜25文字目がこのクリブと対応しているかどうか……」
( ゚∀゚)「……対応してねえな。『O』で衝突している」
( ゚∀゚)「つまり、ここにクリブが位置することもねえわけか」
彡(^)(^)「その通りや。これを繰り返して、どの文字とも衝突せん箇所が、クリブの位置候補というわけやな」
彡(゚)(゚)「この方法は、クリブが長いほど効果があるで。間違った位置で検証したとき、衝突する確率が高いしな」
( ゚∀゚)「ほう……これは使えるな。大方の位置が分かるときの絞り込みに使えばいいのか」
この方法で、暗号文とクリブの位置関係を明確にし、エニグマをいじって設定を特定する……
ローターをぐるぐると回していることからだろう。この解読法は『ぐるぐる回し(twidding)』と呼ばれた
〜〜〜〜〜〜〜
彡(゚)(゚)(ぐるぐる回しは、最初こそ解読できてたんやが、あんま成果が上がらんようになってもうたからなぁ) キューンキューン
彡(゚)(゚)「この解読マシンでなんとかせなあかんな」ガガガガガ
235:
彡(゚)(゚)「よっしゃ、できたで! みんな、見てくれや!」
( ゚∀゚)「お、とうとう出来たのか。例のマシンが」
(☆…●)「さて……どんなものか見せてもらおうか」
(☆…●) ゴードン・ウェルシュマン ケンブリッジ大学の天才数学者
彡(゚)(゚)「ワイの魂を込めたマシン、見て驚けや!」
彼がお披露目したそれこそ、エニグマ解読の大きな前進へ繋がるマシン
『ボンベ』であった
236:
デカァイ!
237:
ほな今日はここまでや
※第八兵舎は、1940年にチューリングが作り上げた海軍のエニグマ機を解読するチームである
厳密に言うと>>223の時点では第六兵舎にいるが、ここらへんは略す
239:
『金の卵を産む、鳴かないガチョウたち』すこ
チャーチルはこう言ったフレーズからも文才が滲んでいるわ
242:
( ゚∀゚)「こいつが『ボンベ』か……なんか、縦に3つ並んだ筒が、横にずらっと並んでいるな」
彡(゚)(゚)「これは疑似ローターや。3つの筒が1つのエニグマになっとるわけやな」
(☆…●)「仕組みが気になるな……簡単にでいいので教えてくれないか」
彡(゚)(゚)「了解や」
彡(゚)(゚)「まず、解読機と銘打っとるが、なにもスカンピンで解読できるようなハイパーマシンやない。解読するにはクリブが必要や」
彡(゚)(゚)「クリブをどういうふうに使うかっちゅうことやが……ポーランドの解読法を覚えとるか?」
(☆…●)「確か、6文字暗号の中からループを見つけ出したのだったな」
彡(゚)(゚)「せや。連中はx文字目とx+3文字目の対応から、ループ構造を見出したわけやけど……」
彡(゚)(゚)「ワイは、暗号文と平文の対応からのループ構造を利用しようと考えたんや」
彡(゚)(゚)「いくら、エニグマの構造や送信方法が変わろうが、暗号文と平文だけは絶対あるしな」
243:
彡(゚)(゚)「具体的に説明するで。まず『wetter』が『ETNWGH』に換字されると仮定する」
彡(゚)(゚)「最初の一文字『w』を入力するときのローター設定を『S』としとくで。この設定Sを求めたら、解読できるわけや」
彡(゚)(゚)「そして、『w』を打ったあと、ローターは1目盛動くやろ? その時の設定は『S+1』や」
彡(゚)(゚)「これを表にするとこうなるで。」
彡(゚)(゚)「そして、この中にあるループは次の通りや」
彡(゚)(゚)「設定Sでの w→E  設定S+1での e→T 設定S+3での t→W」
(☆…●)「w→E、e→T、t→W…… W→E→T→Wでループするわけか」
245:
彡(゚)(゚)「そして、ループと聞いて、身近にある、あれを思い浮かべへんか? 『一周』と言い換えてもええ」
( ゚∀゚)「……マシンに関わるもんなんだろ? だいたい想像はつくな」
( ゚∀゚)「『電流』か?」
彡(^)(^)「ご名答や。ボンベは、正しい設定を見つけた時、電流が流れるような仕組みになっとるんや」
彡(゚)(゚)「なんでそんなふうになるのか……少し難しくなるんやけどな」
彡(゚)(゚)「『設定Sで、w→Eに変換される』を言い換えれば、『設定Sだと、入力端子(w)からの電気信号は出力端子(e)へと流れる』ってことや」
彡(゚)(゚)「同様に、設定S+1では、入力端子(e)から出力端子(t)へと流れるし……」
彡(゚)(゚)「設定S+3では、(t)から(w)やな」
246:
彡(゚)(゚)「そして、エニグマを三台用意する。全て、同じローター設定にしてから、一台は1目盛、もう一台は3目盛進ませておくんや」
彡(゚)(゚)「これにて、設定?、?+1、?+3のエニグマができたことになる」
彡(゚)(゚)「さて、これからや。設定Sでの出力端子は(e)、設定S+1での入力端子も(e)やろ?」
彡(゚)(゚)「これを結ぶ。つまり、設定?と設定?+1の端子(e)を導線でつなぐんや」
彡(゚)(゚)「他の端子も同様につないでいく。そうすれば、1つの回路が完成するはずや」
彡(゚)(゚)「後は、ローター設定を1目盛ずつずらしていって、電流が流れる設定を見つけ出したら勝ちや」
彡(゚)(゚)「間違った設定やったら、換字先の端子と導線で結ぶ出力端子が一致せず、電流が流れへんしな」
彡(゚)(゚)「小難しくいったけど、図解すればこんな感じや。四角いのがエニグマやで」
247:
彡(゚)(゚)「この仕組みを、機能化したもんがボンベというわけや」
( ゚∀゚)「ほうほう、しかしよく一からこんなもん作ったな……」
彡(-)(-)「今までの研究が役立ったのもあるで。『万能チューリングマシン』っちゅうやつなんやけどな」
( ゚∀゚)「万能チューリングマシン?」
彡(゚)(゚)「せや。これは、無限の長さのテープに入力することで、いかなる演算をも可能にするっちゅう、思考実験上の仮想機械や」
彡(-)(-)「決定不可能な問題を探し出すためのアイデアやったんやがな……残念ながら、全て探し出すことは叶わんかったわ」
真偽を定められない命題も少数ながら存在するという『決定不可能性』
それならば、真偽をはかれるマシンを作り出せばいいのでは? という発想から生み出されたのが『万能チューリングマシン』である
『いかなる演算をも可能にする』 我々はこれに近しい機能を持つ利器を知っている
コンピュータ――アラン・チューリングは紛れもなく、現代コンピュータの父と言えるだろう
248:
1940年 3月18日より、初期型ボンベ『ヴィクトリー』が導入される
しかし、ボンベはチューリングの想定通りには、機能しなかった
1つの暗号の解読に一週間近くかかったのだ
彡()()「あかんか……やっぱ、プラグボードがネックやな」
チューリングは、プラグボードを考慮しなくてもよい配線を見つけ出していたが、それでも電気ループ26通りを検証する必要があった
17576通りを26回分検証するというのは、決して短時間に行えるものではなかった
(☆…●)「うむ……」
(☆…●)「チューリング君。このボンベだが、改善余地があるぞ。ここをこういうふうにして……」
彡(゚)(゚)「……はえ〜」
(☆…●)「ここをこんな感じにすれば……これで、26通りの電気ループを一気に検証できるはずだ」
彡(゚)(゚)「ファッ!? こんなんでええんか! 改造したろ!」
チューリングとウェルシュマンは、改良を重ね、最新型ボンベ『スパイダー』を完成させる
解読時間は大幅に削減され、実用的な解読法が新たに生まれた
249:
ドイツ側のエニグマ運用面上のミスも、ボンベの解析を早めた
( ゚∀゚)「……クックック。ドイツ軍も迂闊だな」
彡(゚)(゚)「?」
( ゚∀゚)「ローター配置のことだがな……同じ位置に同じローターが、2日連続で配置されないことに気づいた」
( ゚∀゚)「つまり前日の配置が1-2-3だった場合、1-3-4とか、5-2-4とかはありえないんだ」
( ゚∀゚)「この法則に従えば、ローター配置は28通り除外できる。半分近くは削れるぜ」
彡(゚)(゚)「はえ〜、撹乱するためかもしれんが、ワイらからしたらとんだ愚策やな」
( ゚∀゚)「そして、プラグボードも隣り合う文字は繋がねえ。配線も特定しやすくなるな」
( ゚∀゚)「極めつけはこれだ。メッセージ鍵も『Q-W-E』とか『B-N-M』とか、キーボードで隣り合っている文字が出やすいんだ」
彼らは、出現頻度の高いローター設定を『シリー』(cilli)と呼んだ
解読者達は、こういったショートカットを余すこと無く利用し、暗号を解読していったのである
250:
このころ――大西洋上のイギリス船に、不吉な影が忍び寄っていた
船員「大変です! 右舷船首と船尾全体に大きな攻撃を受けました!」
船長「くそっ! まさか……奴らか」
船員「あ! またもや衝撃が!」
船長「ぐっ! 沈む! 沈んでしまう!」
船長「おのれ……ドイツ軍めがああああああああああ!」
――
海へ消え行くイギリス船を見届けた後、3つの影は姿を消した
一糸乱れぬ統制、集団攻撃、襲撃されるまで気づきえぬ隠密性――それはさながら狼のように
ドイツ軍の潜水艦『Uボート』が牙をむき出した
251:
Uボートの強さはその戦術にあった
?敵船を見つけ次第、本部に連絡
?本部が、送信地点に近いUボートに、敵船の場所を送信
?複数のUボートで囲い、敵船を沈める
カール・デーニッツ考案の『群狼戦術』は、イギリスを兵糧攻めにするうえで、絶大な効果を上げる
なにせ、イギリスは植民地からの補給に頼らざるをえず、海路を使うことは必須だった
その補給線すら、Uボートに断たれてしまうなら、その先に待つのは飢えだけである
252:
時は戻り、1939年
Uボートで使われる海軍エニグマの解読は、イギリスの存亡がかかる、第八兵舎の重要な任務であった
しかし、おいそれと解読させてくれるほど、海軍エニグマは甘くない
(;゚∀゚)「……だめだ。わからねえ」
(☆…●)「うーむ……」
海軍エニグマが難解である理由の1つとして、使っているローターの種類の多さがあげられる
陸空軍は5種類だけだが、海軍は8種類
単純に組み合わせを比べると、60:336 陸空軍の5倍以上である
もう1つ、鍵の送信方法が、独自であったことだ
エニグマで暗号化してから、手動でもう一度暗号化するという二重暗号化
たとえ、エニグマを解読できても、手動の暗号化のプロセスがわからなければ、解読不可能なのだ
この送信方法を取るネットワークは『ドルフィン』と呼ばれた
ドルフィンは数あるネットワークの中、一番解読が困難なものだった
253:
彡(゚)(゚) カリカリ
彡(゚)(゚) カリカリ
彡()()「あかん、この方法でも無理やったか……」
彡(゚)(゚)「ヒント……ヒントがほしいな。やっぱ、あれしかあらへんか」
チューリングが取り出したのは、ポーランド人が偶然解読できた、ドイツ海軍の電報である
彡(゚)(゚)「ふむ……」
彡(゚)(゚)
彡(゚)(゚)「……あ」
1939年 冬
ある一夜、チューリングは、平文と暗号文と鍵の関係から、手動の暗号化プロセスを導き出す
この夜は、戦争において、最も重要な夜だった
254:
――
( ゚∀゚)「『ドルフィン』の暗号化方法が、わかっただと!?」
彡(゚)(゚)「せや。やつらは二文字ごとに換字しとったんや。送信者側で説明するで」
彡(゚)(゚)「例えば、メッセージ鍵が『S-D-G』とするやろ? まず、『SDG』をエニグマで換字する。換字先が『WFU』とするわ」
彡(゚)(゚)「次に、『WFU』の下に、適当な三文字を並べる。これはホンマになんでもええ。敵を撹乱するのが目的やしな」
彡(゚)(゚)「その三文字を『YAJ』とするなら、こうなるで」
WFU
YAJ
彡(゚)(゚)「そして、縦の二文字に注目や。この二文字を別の二文字に変換するんや」
彡(゚)(゚)「仮に WY→ER FA→BU UJ→NT に変換したら、さっきの文字列はこんな感じや」
EBN
RUT
彡(゚)(゚)「後は、『ERBUNT』っちゅう文字を、電文の始めにつけるだけや。複文するには、今の手順の逆をすればええで」
(☆…●)「ほう……あのわずかな資料から、よくそこまでたどり着いたものだな」
(☆…●)「だが、このままだと解読できんな」
彡(-)(-)「二文字の換字表……『二連字表』が必要やからなぁ」
( ゚∀゚)「こればかりは、どうしようもねえ。俺らの力が及ぶ範囲じゃねえな」
彡(゚)(゚)「……『ピンチ』にかけるしかあらへんな」
『ピンチ』とは、敵船を拿捕し、船内にあるエニグマ機、日鍵表など、解読に繋がるものを奪取することである
チューリング達は解読の望みを、『ピンチ』に託した
255:
だが――
彡(゚)(゚)「……今回のピンチはどうやったんや?」
( ゚∀゚)「お目当てのものは無かったようだぜ。追加したローター3個の内、2個が見つかったようだが」
彡(-)(-)「そか……まあ、それも重要なもんやしな」
二連字表は、なかなか手に入らない
こうしている間にも、Uボートはイギリス船を次々と喰らい尽くしていく
――三週間前に着港するはずの船ですが、今もなお――
(;゚∀゚)
――〇〇沖で、3隻のイギリス船が沈没――
(;☆…●)
――商船二十隻が、一晩で沈められ――
彡()()
解読者達は、歯を食いしばり、それを黙って見続けるしかない
開戦から1940年12月までに、Uボートに沈められた商船は585隻にのぼった
256:
風向きが変わったのは、1941年3月のこと
イギリスがクレイモア作戦を実施した月である
彡(゚)(゚)「……」ソワソワ
( ゚∀゚)「持ってきたぜ……」
(☆…●)「今回のピンチで奪った文書か」
彡(゚)(゚)「頼むで、二連字表……二連字表を……!」
( ゚∀゚) ガサガサ
( ゚∀゚)
( ゚∀゚)「おい……」
( ゚∀゚)「ねえぞ……」
258:
彡()()「……」
(☆…☆)「……」
( ゚∀゚)「いや待て。確かに二連字表は無かったんだが……」
( ゚∀゚)「プラグボードとローターの設定表があるんだよ」
彡(゚)(゚)
彡(゚)(゚)「ファッ!? むっちゃ重要情報やんけ! ホンマにそんなんゲットできたんか!?」
彡(゚)(゚)「ちゅうか、んなもんあれば、二連字表も復元できるんちゃうか!?」
( ゚∀゚)「で、できるのか?」
彡(゚)(゚)「おう、やったろうやないか! ようやく、海軍エニグマ解読の光が見えてきたで!」
259:
二連字表の復元に必要なものは、暗号文の開始位置設定――ローターの初期設定
これを求める重要な単語が、先に挙げたクリブの1つ『EINS』だ
( ゚∀゚)「ほら『EINS変換表』を持ってきたぜ」
彡(゚)(゚)「よっしゃ、取り掛かるで」
『EINS変換表』は、17576通りのローター設定における、『EINS』の変換先を表にしたものである
例えば、ローター設定『G-S-C』において、EINS→KRFG と変換されるものとしよう
彡(゚)(゚)「……ん?」
彡(゚)(゚)「あったで! 114文字目から『KRFG』や!」
(☆…●)「つまり、114文字目におけるローター設定は『G-S-C』ということだな」
( ゚∀゚)「114文字目……つーことは、『G-S-C』から113目盛ローターを巻き戻せば……」
彡(゚)(゚)「ああ、そこが開始位置設定や」
こうして、チューリング達は二連字表の復元に成功する
その後のピンチによる有用な情報も相まって、海軍エニグマを日常的に解読することが可能になった
解読者だけでなく、ピンチを命がけで敢行した兵士たち
彼らの一年以上に及ぶ死闘の末、とうとう、Uボートの全容が明らかになったのである
260:
彡(-)(-)
陸海空……全てのエニグマは丸裸にされた
残るは、ただ一つ
ヒトラーと将官、 および将官と将官の通信に使われた、エニグマを超える暗号機
彡(゚)(゚)
『タニー』
これがイギリス解読者に立ちはだかる最後の壁であった
266:
なぜ、タニーがエニグマより解読し難いのかというと、暗号機の現物を手に入れられないからだ
エニグマ暗号機は、ドイツ軍の内通者、ピンチから、その構造を知ることができた
だが、タニーは上層部間の通信にしか使用されない――いわば、トップシークレットであるため、秘密裏に回収することはほぼ不可能だった
そして、暗号文もエニグマのそれとはまるで違う
エニグマは、1文字が別の1文字に換字されるが、タニーでは、1文字が5つの数字(1と0のみ)に換字される
内部構造の複雑性は言うまでもないだろう
カイ・ローター5個、サイ・ローター5個、モーター・ローター2個、計12個のローターが、エニグマとは違うルールで文字を換字する
ループ構造を元にする『ボンベ』でタニーを解読することはできない
実を言うと、戦争前には、エニグマ暗号機の技術は古いものとなっていた
より洗練された技術と理論によって、エニグマを凌ぐ安全性を付与された暗号機
それが『タニー』だ
267:
だが、タニーを破る突破口となるものは、今までと同様、ドイツ側の怠慢だった
送信オペレータが、二本の電文を同じ設定で送っていたのである
これを『デプス』と呼ぶのだが、『デプス』は暗号解読における絶好の材料であった
1941年 夏
政府の暗号学校で働いていた、ジョン・ティルトマン少佐が4000字のデプスを解読した
彼は、暗号化のキーを特定し、タニーが加算式暗号機であることを明らかにしたのだ
だが、これだけではタニーの全てを解するにいたらない
そもそも、暗号文と平文のみで、暗号機の内部構造を暴き出すなど、想像を絶する難度であるはずだ
もっとも、それをやってのけたのが、数学者ビル・タットだったのだが……
彼の偉大な功績が、生前に認められることはなかった
268:
1942年
ジョン・ティルトマンの解読、ビル・タットの構造解明により、タニーの正体は露わにされた
チューリングが、タニーの解読に乗り出したのはこの頃である
彡(゚)(゚)「はえ〜。とうとうタニーの解読システムが、判明したんやなぁ。これが、タニーのレプリカか」
彡(゚)(゚)「よっしゃ、ここからはワイの仕事やな」
数週間後、チューリングは『チューリング式』と呼ばれる解読法を確立する
解読者たちはさっそくチューリング式をもって、タニーの解読を進めた
269:
ところが、10月以降、この解読法は使えなくなってしまう
解読員「大変だ! 12個のローター配置を送信しなくなったぞ!」
彡;(゚)(゚)「ファッ!? クッソ、ローター配置がわからん限り、この解読法は使えへんやんけ!」
解読員「さらに悪い事に『デプス』も傍受できなくなった……ここにきて、セキュリティを固めてきやがった!」
彡()()
デプス……そして、ローター設定を暗号化せずに送るという間抜けな運用
この2つがあってのチューリング式だったのだが、とうとう対策されてしまったのだ
270:
彡()()(あかん……チューリング式が使えへんぞ)
彡;(゚)(゚)(解読機を作っても、タニーの膨大な組み合わせの前では年単位はかかる……)
彡;(>)(<)(どないすればええんや……人力も無理、機械でも無理……)
( ´∀`)「機械で解読すればいいじゃないですか」
彡(゚)(゚)「ふ、フラワーズ!? せやけど、暗号機作っても、24時間以内に解読すんのは不可能ちゃうか?」
( ´∀`)「チューリングさん。タニーはエニグマから進化した暗号機です」
( ´∀`)「それなら、我々の使う解読機も進化させればいいのですよ」
( ´∀`)「機械式から……電子式へとね」
トミー・フラワーズ――最終的にタニーを打ち破るのは、チューリングではなく、技術者である彼だった
273:
彡(゚)(゚)「電子式っていうたら、真空管使うあれやな。あれで解読機作れるんか?」
( ´∀`)「はい。機械式暗号機より高で解読できると思いますよ」
彡(゚)(゚)「はえ〜高化の目処は立っとるんか?」
( ´∀`)「はい、現在最も複雑とされる電子装置は、真空管を150本使っていますが」
( ´∀`)「私は、1000〜2000本使おうかと考えています」
彡(゚)(゚)「ファッ!? そんなん無理やろ! 真空管っちゅうのはたたでさえ脆いんやぞ」
彡(゚)(゚)「1000本もあれば、必ずどっかの真空管が壊れるはずや。それだけで、装置が止まってまうやんけ!」
( ´∀`)「ところが、そうではないんです。真空管が壊れやすいのは、ON/OFFの瞬間のような、不安定な状態の時なのです」
( ´∀`)「逆に言えば、常時ONにしておけば、状態として安定するため、真空管が壊れることはほぼ無くなります」
彡(゚)(゚)「はえ〜そうなんか」
彡(^)(^)「なかなか、おもろそうやんけ! 上にかけあってみようや」
( ´∀`)「ありがとうございます!」
――
彡()()「あかんかったな……」
( ´∀`)「やはり、真空管1000本というのが、懸念材料になったみたいですね」
( ´∀`)「僕は、一旦ロンドンの研究所に戻って、この解読機を設計しようと思います」
彡(゚)(゚)「そうか……力になれなくてすまんな」
( ´∀`)「いえいえ、チューリングさんの力添えは有難かったです」
彡(^)(^)「……がんばってくれやで」
( ´∀`)「はい!」
274:
1944年 1月
フラワーズと彼の仲間が作り上げた解読機『コロッサス』がブレッチリー・パークへ持ち込まれた
彡(^)(^)「久しぶりやな、フラワーズ」
( ´∀`)「ええ、ご無沙汰です」
彡(゚)(゚)「ほーん、これがコロッサスか。ボンベ以上に巨大やな」
( ´∀`)「あれから、真空管を3000〜4000本に増やしましたからね」
彡(゚)(゚)「思い切ったことするもんやなぁ。未だに、これが動くなんて信じられへんで」
( ´∀`)「あはは、それは動かしてみればわかることですよ」
配置から二週間後、コロッサスはドイツ軍の暗号を解読し始める
成果が出たのは、2月5日土曜日のことだった
その後、コロッサスは改良されていき、毎秒25000字を処理することが出来るようになった
コロッサスにより、タニーの解読量は3倍、4倍に増えていき、ついには、ネットワーク中枢へのアクセスを可能にした
275:
作戦、司令、日時――全てが筒抜けとなったドイツはもはや、裸の王様であった
イギリスは、ここしかないと、勝利の根幹をなす重要作戦を実施する
『ノルマンディー上陸作戦』および『フォーティテュード作戦』である
『フォーティテュード作戦』とは、大規模な欺瞞作戦の一部で
「ノルマンディー上陸に見せかけ、パ・ド・カレーへ上陸するのがイギリス軍の狙い」とドイツ軍に思わせる作戦だった
戦車や施設の模型を設置したり、中立国を通してあえて情報を漏洩したり
いもしない部隊の無線通信を偽装したりもした
作戦が順調に進行しているのは、タニーからの情報で確信し
『ノルマンディー上陸作戦』は問題なく成功した
ドイツへジリジリと攻め入るイギリス軍
それを懸命に押し返すドイツ軍
硝煙弾雨、阿鼻叫喚、死屍累々――火薬の臭いと耳をつんざく銃声に支配されたこの戦争も、とうとうその時を迎える
276:
1945年
ラジオ<
( ゚∀゚)「……」
(☆…●)「……」
彡(゚)(゚)「……」
ラジオ<アドルフ・ヒトラー自殺 5月8日にドイツ軍が降伏――
( ゚∀゚)
( ゚∀゚)
( ゚∀゚)「は……」
( ゚∀゚)「ハッハッハッハッハ! 勝った! イギリスが勝ったぞおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
(☆…●)「フフ……これで、解読の日々ともおさらばだな」
( ゚∀゚)「おい、チューリングうううう! 俺達勝ったんだぜ! 勝ったぜ俺ら!」
彡(゚)(゚)
彡(^)(^)
ブレッチリー・パークに勤める約7000人が、勝利の報を受け、歓喜の渦に飲まれた
彼らの長きに渡る解読戦争は、こうして幕を閉じたのである
277:
これから先に語ることは、その功績に比した扱いを受けられなかった者たちの後日譚である
280:
暗号ってやっぱ大切なんやな
282:
すごくためになる
287:
1946年
(*^◯^*)「戦争が……終わったんだ」
(●△●)「……そうだね」
(*^◯^*)「長かったんだ……」
(●△●)「……そうだね」
レイェフスキとジガルスキは、フランス降伏の後、イギリスに亡命し、暗号解読に従事していた
しかし、その暗号はエニグマではなく、彼らの能力に見合わない低レベルなものだった
ブレッチリー・パークが彼らを採用しなかった理由は不明である
288:
(*^◯^*)「でも……みんな、いないんだ」
(●△●)「……」
(* ◯ *)「ルジェツキ君も……局長も……いないんだ」
(●△●)「……そうだね」
イェジ・ルジェツキは、もうこの世の人ではなかった
1942年1月9日 大型客船ラモリシエール号に乗って、フランスへ戻る途中、船が沈没し水死したのだ
彼は、ポーランドから脱出する際、妻と子を共倒れにさせまいと、4ヶ月の子供を窒息死させるという、余りに辛い決断をした
そこまでして、生きていてほしかった妻に会えぬまま、異国の海に沈んだ無念は察するに余りある
289:
ビュロ・シフルフの局長 グヴィド・ランゲルは――
( -`ω-´)
( ・`ω・´)「終わったか……」
戦時中、イギリスに亡命する道中、ドイツ軍に捕縛された
その後、シュロス=アイゼンベルクの捕虜収容所に入れられる
だが彼は、ドイツ軍の執拗な尋問に負けず、一切の秘密を漏らさなかった
290:
終戦後、連合国によって開放され、イギリスへ渡ったのだが……
( ・`ω・´)「……」
( ・`ω・´)「将校殿がこないな……」
( ・`ω・´)「ここにきて、数カ月は経つのだが」
将校「グヴィド・ランゲル少佐、だな?」
( ・`ω・´)「しょ、将校殿!」
将校「ランゲル少佐、君に聞きたいことがある」
将校「フランス脱出の際、ベルトラン(ドイツの内通者と通じていた人物)に力を借りたようだが……」
将校「そのとき、断固とした態度を取らなかったことは本当か?」
(;・`ω・´)「な……誤解です! それは……」
将校「フランスに媚びへつらいおって……このポーランド軍の面汚しが!」
(;・`ω・´)「違います! 私は……」
――
(;・`ω・´)「聞き入れてもらえない……か」
( ・`ω・´)「こうなれば、この戦争での回想録を残すとするか……」
( ・`ω・´)「この回想録を通して、私の正当性を訴えねばなるまい」
291:
彼は、1945〜1946年に、回想録を書き上げたのだが……
(;・`ω・´)「な……世に出すことはできないだと!?」
当時、エニグマに関する文書を公表することはできなかったのだ
(;・`ω・´)「それなら……私はどうなる?」
(;・`ω・´)「自らの汚名を晴らせぬまま、朽ちていけというのか?」
( ;`ω;´)「私は……私は誰よりもポーランドのために生きていたのに……そのことを伝えられぬまま……」
(;-`ω-´)「ウッ!」
(;-`ω……
(;…………
(……………
1948年 グヴィド・ランゲル 死去
ビュロ・シフルフを指揮した男は、1つの勲章も授かれず、失意のうちにこの世を去った
292:
――
(* ◯ *)「……」
(●△●)「……」
(*^◯^*)「やっぱ、やめるんだ。別れの時は、締まった顔でいるんだ」
(*^◯^*)「ジガルスキ君……」
(●△●)「レイェフスキ君……」
(*^◯^*)「さよならなんだ! またいつか会おうなんだ!」
(●△●)「さようなら、レイェフスキ君!」
ヘンリク・ジガルスキはイギリスに残り、ロンドンで教職に就く
294:
ポーランド
(*^◯^*)「ただいまなんだ!」
レハ ゚ヮ゚ノ!「あなた……」
レハ ;ヮ;ノ!「ううう……おかえりなさい! おかえりなさい!」
アンジェイ「……お父さん!? お父さんが帰ってきたんだ!」
ヤニナ「んだ! 帰ったんだ!」
(*^◯^*)「アンジェイとヤニナ? しばらく見ないうちにずいぶん大きくなったんだ!」
レイェフスキは、7年ごしに、愛する家族の元へ帰ることができた
295:
その後、彼らは北西部の都市ビドゴシュチに移住する
だが、現地でレイェフスキを快く思わない者がいた。共産党幹部である
幹部1「レイェフスキというやつ……どうやら、戦中に海外に住んでいたらしい」
幹部2「海外住みだと? まさか、やつは退廃しているのではないか?」
幹部1「そうだな……いずれ、この地区の人々に害をなす日が来るかもしれん」
幹部2「監視しやすいよう、製造業に就業させるか……」
レイェフスキは、こんな馬鹿らしい偏見のせいで、製造業の中間管理職に就くよう要請されてしまった
その類まれなる数学の才能を発揮できる場に立てなくなったのだ
結局、年金を受け取る年齢になるまで、数学に関する職に就くことはなかった
――
296:
彡(^)(^)「〜♪」
彡(^)(^)「とうとう、終戦や! やりたかったことをやりまくるで!」
チューリングは、常人の数倍、数十倍のスピードで戦後を駆け抜けた
『機械は人間のように思考できるのか?』
その答えを求めようとする過程で、数ある功績を残したのだ
ざっと挙げてもこれだけある
1945年(終戦)
世界初、蓄積プログラム方式の電子式デジタルコンピュータ『ACE』の設計図を書く
『電子式計算機の提案』という企画書を提出
1948年
『知能機械装置』という報告書を作成
(後に人工知能の中心となる数々の概念について紹介したもの)
1950年
世界初、楽音を発するプログラムを書く(音楽ソフトの原形)
チューリング・テスト(イミテーション・ゲーム)の提唱
1951年
ロンドンの王立協会特別研究員に就任
1953年
遺伝的アルゴリズムを用いたチェス・プログラミングの論文を提出
だが、時代が彼の先見性に追いつかず、生前に評価されないものも多くあった
299:
1951年12月 マンチェスター オックスフォード通り
彡(゚)(゚)(……ん?)
男「……」
彡(゚)(゚)
彡(^)(^)
彡(^)(^)「こんなところで寒いやろ? よかったら食事せえへんか?」
男「……はい」
その男は、アーノルド・マレーと名乗った
後に、チューリング破滅の引き金となる男である
301:
数日後
彡(^)(^)「さ、上がってくれやで」
マレー「……すごく大きな家ですね」
彡(゚)(゚)「大したことあらへんあらへん。それより、散らかっててすまんな」
マレー「いえ……それよりあの部屋は? 薬品らしきものが、たくさん並んでますが」
彡(゚)(゚)「あれは悪夢部屋やな。あそこで、いろんなもんを電気分解して遊んでるんや」
彡(^)(^)「スプーンを金メッキで包んだり、青酸化合物の結晶を作ったりとかやな」
マレー「せ、青酸化合物!? それって危険な薬品では……」
彡(゚)(゚)「へーきへーき、さあ飯食おうや」
マレー「は、はい……」
――
彡(-)(-)「ふう……食ったな。なあ、マレー」
マレー「はい?」
彡(゚)(゚)「ワイの家……大きいと言ってくれたんやが、ベッドの方もそれなりにでかくてな」
彡(゚)(゚)「一人で寝るにはちょっと大きすぎるんや」
マレー「……」
彡(゚)(゚)「……」
その夜、チューリングはマレーと行為を交わす
学生時代、1つ年上の男の子に恋をしたときには、自分が同性愛者であることを自覚していた
303:
それからしばらくして
彡(゚)(゚)「……荒らされとるな。いろんなもんが盗まれとる」
彡(゚)(゚)「……」
――
彡(゚)(゚)「なあ、マレー。ワイの家のもの盗んだか?」
マレー「ななななななに言ってるんですか、そんなことないですよ」
彡(゚)(゚)「……そか」
その後、チューリングはマレーの所持品を警察に提出
指紋が一致し、マレーは逮捕された
問題はその後である
当時、同性愛は『刑法一八八五年改正法第十一条』に抵触する犯罪行為だったのだ
チューリングは警察に、マレーとの関係を深く考えず話してしまい、起訴された
304:
――
(;゚∀゚)「な! チューリングが逮捕されただと! 同性愛がバレたのか!?」
(;゚∀゚)「……」
(;゚∀゚)「こんな馬鹿みてえなことを許してたまるか……あの英雄を犯罪者にさせてたまるか……!」
ヒュー・アレグザンザ―は、チューリングの人格を絶賛する陳述書を提出した
だが、それも効果がなく、判決は有罪
チューリングは、入獄を逃れるため、女性ホルモンを身体に投与する化学療法を受けることになる
判決が下される前、チューリングはこのように述べた
『事実について争うつもりはありません。しかしその上でわたしは無罪を主張します。わたしの行いが罪であるべきでないからです』
305:
(:゚∀゚)「チューリング……」
彡(゚)(゚)「ヒュー、ワイのために陳述書出してくれたんやってな」
彡(^)(^)「ありがとうやで」
(;゚∀゚)「すまねえ……俺は……」
彡(^)(^)「まったく、アホみたいやな。女性ホルモンで生まれついての性質が矯正されるなんてな」
彡(゚)(゚)「化学療法のことは心配いらんわ。どうせ一年だけやしな」
彡(゚)(゚)「そんなことよりもや! ワイな、生物学者になろうと思っとるんや」
(;゚∀゚)「せ、生物学者ぁ?」
彡(^)(^)「せや。戦前は論理学、戦後はコンピュータ科学に打ち込んどったんやがな」
彡(^)(^)「生物を『数学』で捉えようと考えたんや。いやぁ、やること考えただけでわくわくするで!」
( ゚∀゚)「……」
306:
彡(゚)(゚)
彡(。)(。)
彡( )( )
『その時』が来るまで、彼が何を考えて生きていたのかなど、彼自身にしかわからないだろう
308:
1954年6月7日 アラン・チューリング 死去
死因は、シアン中毒
化学療法が彼の精神に悪影響を及ぼしたことによる自殺説
青酸化合物が手に付着し、その手で何かを食したことによる事故死説
秘密を知るチューリングを、裏の誰かが殺害したという他殺説
様々な憶測が飛び交うも、確たる証拠は見つかっていない
その真相は、未だ謎のままである
彼の死体のそばには、一口かじられたリンゴが残っていた
だが、このリンゴに毒物が塗布されていたという記録は残っていない
リンゴをかじるのは彼の習慣であり、この日だけかじっていたというわけでもない
彼の死とリンゴに関わりがあるのかどうかも現時点では不明だ
309:
どうして、彼らは悲劇的な末路を辿ったのだろうか
もし、グヴィド・ランゲルが、自分の回想録を公にすることができたら?
もし、マリアン・レイェフスキが、共産党幹部に対し、エニグマ解読に従事していたことを言えたら?
もし、アラン・チューリングが、1400万人を救い、戦争終結を2年早めた自分の功績を主張できたら?
だが、政府は徹底してエニグマを秘し、これに関する情報漏洩を許さなかった
政府の身勝手によって、惨めな思いをしたものは彼らだけではない
暗号解読に携わったもの全員、自らの功績を語ることができなかったのだ
「前線に出なかったお前は母国の恥さらしだ」という手紙を送られた解読者もいたという
歴史の闇に埋もれた解読者たち――彼らに、光が指すのは終戦より30年たった後だ
311:
1974年
情報管理責任者 F・W・ウィンターボサムが『ウルトラ・シークレット』を出版
1982年
ゴードン・ウェルシュマンが『六号舎の歴史』を発表
エニグマ秘匿の呪縛が解かれ、解読者たちの活躍が、人々の目に触れることとなる
313:
1966年
第一回チューリング賞がアラン・パリスに授与される
チューリング賞とは、計算機科学において、優れた活躍をした人に授与される賞である
計算機科学のノーベル賞といえるだろう
1978年
死の二年前、マリアン・レイェフスキが『ポロニア・レスティトゥタ勲章』を受勲する
生前にその功績を評価され、この名誉ある勲を授かれたのは、幸運であるとしか言いようがない
くしくも、ヘンリク・ジガルスキが死去したのは、ちょうどこの年である
314:
1979年
レイェフスキ・ジガルスキ・ルジェツキを主人公とした『エニグマの秘密』という映画が上映開始
後に、8回シリーズのテレビドラマにされる
1986年
ロンドンのウェストエンドで、ヒュー・ホワイトモアの戯曲「ブレイキング・ザ・コード」が初演される
これは、チューリングの生涯を描いた作品で、テレビドラマ化もされるほどの人気作となった
316:
2001年6月23日
サックビル・パークに、ベンチに座るチューリングの銅像が設置される
2006年1月23日
ビドゴシチ・カジミエーシュ大学の講堂に、『マリアン・レイェフスキ講堂』という名がつけられる
講堂内には、彼の像の複製が設置してある
317:
2009年
化学的去勢を受け、不遇の死を遂げたチューリングに対して、当時首相であった『ゴードン・ブラウン』が謝罪した
彼は、謝罪の中で、このように述べた
チューリングは当時の法律によって扱われ、時計の針を戻すことはできないが
彼への治療は公正なものではなく、彼に対して起きたことに対して
われわれがいかに深く謝罪しているかを伝える機会ができたことを喜ばしく思う
318:
第二次世界大戦下――誰にも知られない、静かなる戦争が繰り広げられていた
使うものは、爆薬でも戦車でもない
紙とペンとマシン、そして常人を超えた発想力である
一方が解読されぬよう対策をし、もう一方がそれを打開する策を練る
この暗号攻防史は、表舞台の歴史と同様、後世に受け継がなければならない
その影に、暗号では隠しきれないような、執念と悲劇に満ちた物語があったのだから
【完】
319:
おつやで
320:
これで終わりや ほな
321:
おもしろかったで
322:
おつやで
325:
面白かったやで
326: 【62】【18】【64】 2017/08/29(火)05:18:36 ID:Ppg
サンガツ
為になったで
・SS宝庫のオススメSS (2017/07/15追加)
・カテゴリー「ブーン系・なんJ・おんJ」のSS一覧
・元スレ:彡(゚)(゚)「エニグマ解読……?」
・橋本甜歌(てんちむ)ヌード画像43枚!乳首丸出しレズ濡れ場を演じた元てれび戦士がエ□い!
・【正常位GIF画像】コレ見てセッ●スしたくならないやつはインポ確定!乳揺れ激しい正常位のエ□GIF画像
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