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【閲覧注意】後味の悪い話『道の真ん中の赤子』


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3:
江戸川乱歩「お勢登場」
格太郎は肺病やみで寝たり起きたりしている。
女房のお勢は病気の父親を見舞うと称して家を空け、不倫を楽しんでいる。
弟の格二郎は不甲斐ない兄を責め、不倫汚嫁なんか追い出してしまえと言うのだが、格太郎は
「でもねえ、俺は肺病でどうせ長生きできない。子供から母親を奪うのはどうもねえ」
と煮え切らない。
格太郎は美しく熟れたお勢に執着していて、お勢もそれを知っている。
お勢がまた逢引きに出た日、一人息子の正一が
友達を連れてきたので格太郎も一緒にかくれんぼをした。
書斎の押し入れの古い長持に隠れたが、
子供たちが焦れているので出ようとしたが掛け金が下りてしまって出られない。
324:
分厚い板の四隅に金具を打った頑丈な長持の中、書斎は家の一番奥まった場所にある、お勢は留守、子供はかくれんぼに飽きて庭で遊んでいる、女中二人は台所。
堅牢な造りの古い長持ちは今時の物と違い、蓋がぴったり閉まる。
肺病やみの格太郎は息が苦しくなってきた。
お勢は三時過ぎに帰宅した。
書斎の隣の自室で着替えている途中、かすかな物音がしたので
襖を開けてみると、長持から夫の声がする。
子供とかくれんぼをしたのか、とわかって掛け金を外して
蓋を持ち上げてやったお勢は、いきなり蓋と掛け金を戻した。
こういう悪事をとっさに働くというのは、生まれついての悪女にしかできない事である。
(大丈夫、女中どもは何も知らない。大丈夫…)
325:
格太郎の死体は夜になってやっと発見された。
長持の蓋の裏側は無残な掻き傷だらけで、一際大きく
オ セ イ
の文字がある。
「義姉さんのことですね」
「……………それほどまでにあたくしの事を、心配してくだすったのでしょうか」
嘘泣きするお勢を見て、格二郎はその文字を中途で終った
ダイイング・メッセージではないかと疑うことなく、お勢に同情した。
愛人と別れたふりをしたお勢は予想外の分配金を受け取り、
屋敷を売って息子と二人各地を転々として親類の監視を逃れた。
お勢は長持ちをもらい受け、ひそかに売り払った。
次の持ち主は、蓋の裏の傷と「オセイ」の文字を見て何を思うのだろうか…
328:
乙、読んでみたくなった
昔の作品って上手いこと立ち回って罰されることなく悪事をはたらく悪女が多い気がするわww
373:
氷室奈美「保健室の怪人」2ndシーズンの一編
高校の保健室の天井裏に潜み、
保健の先生の目を盗んで生徒の悩みを解決してあげる「怪人」の活躍を描くシリーズ。
2ndシーズンでは女子高に潜入して悩める少女たちをサポートしてあげている。
ある女子生徒は、父親の浮気で両親が離婚してから男性を嫌悪している。
電車で痴漢に遭うが何も言えず、乗り合わせた坊主頭の少年が痴漢を捕まえてくれるが、やっぱり何も言えずに逃げてしまう。
生徒たちの間で伝説になっている「保健室の怪人」に愚痴をこぼすと、勇気を出してお礼を言ってみては?とアドバイスされたので、その通りにしてみると少年は案外普通の快活な男子で、
(なんだ、男でもちゃんと話せるんじゃない)
と安心する。
374:
一緒にライブに行った帰り、少年は彼女を、親が留守だからと家に誘った。
(みんなこうやってお付き合いしてるのね?)
とお邪魔してお茶をご馳走になっていると、少年はタコのように唇を突き出してキスを迫ってきた。
彼女が逃げ出すと、
「何だよ勿体ぶりやがって!本当は期待してたんだろ!?」
彼女はそのまま学校に駆け込み、
怪人に「女でなくしてくれ、私が女だからいやらしい男が寄ってくる!」
と訴える。
「終わりましたよ○子さん…聞こえませんか、補聴器を誂えるといいでしょう」
「やあ、美しい満月だ…見えませんか、老眼鏡を誂えるといいでしょう」
保健室のベッドには、老婆に変えられた彼女が…
願いを過剰にor文字通りに叶えてあげる繋がりで、フランケンふらんを思い出した。
409:
イラストレーター本秀康の漫画作品「アーノルド」
架空の国の架空の戦争のお話。
軍の重鎮、六頭(むとう)博士が新兵器アーノルドを連れて軍を脱走した。
六頭博士は名前の通り、脳が六個ある天才。
主人公の内山田君は大佐直々の極秘命令を受け、愛機トリ号で捜索に出た。
(トリ号は博士が作った知能のある戦闘機。白鳥型)
(アーノルドもやはり博士が作った知能のある人型戦闘ロボ。アーノルド砲で敵を焼きつくす)
大佐は万が一を考え、ロボット工学博士を五人誘拐した。
内山田君は、アーノルドと博士の信頼関係を利用した卑劣な、ただしアーノルドも博士も軍も幸せになる計画を進言した。
410:
博士とアーノルドは孤島に隠れていた。
あっさり見つけた内山田君は、アーノルドの良心プログラムを作り替える事を進言したが、博士は
「優しいアーノルドじゃなきゃヤダヤダ!アーノルドはワシが育てた!」
とごねる。
(六頭博士は自分が発明したアーノルド砲の威力を恐れて、保険のつもりで良心プログラムを強化した)
(そうしたらロボットなのに自責の念が芽生えて、アーノルド砲を発射すれば回路がショートして自爆するようになっちゃった)
内山田君が説得に努めるうちに、トリコプター(トリ型輸送機)がアーノルド2号を投下した。
2号に狙われたアーノルドは、アーノルド砲で2号を破壊したが、当然回路がショートする。
411:
内山田君が全部のスイッチをオフにしたので自爆は免れたが、
「アーノルドの人格が奪われた。ワシのアーノルドはもういない」
と博士が拳銃で頭を撃ち抜こうとする。
その直前、内山田君が博士の心臓を撃ち抜いた。
驚くトリ号に、内山田君は博士の頭部パーツを分解しながら説明した。
博士は軍が開発したロボットで、科学者から移植した本物の脳髄5個を人工脳が連動させていたのだった。
このシステムは実験中に偶然できたもので同じものは二度と作れない。
内山田君はこのシステムを奪還するのが本来の任務だった。
413:
"アーノルドはロボットなのになぜか心が通じるんだよね"って、そりゃ通じるだろ…とトリ号は思った。
大佐は人工脳から島での記憶を消し、誘拐した科学者の脳を移植して博士の人格プログラムを極悪モードに切り替えた。
すべてが終わり、うたた寝から覚めた(という記憶をインプットされた)六頭博士は、良心プログラムを極悪モードにしたアーノルドの大量生産に踏み切った。
アーノルド作戦は大成功。連戦連勝。
前線からの映像を見て祝杯をあげる大佐と博士を見て、複雑な表情の内山田君とトリ号。
414:
「…内山田君よかったね、博士嬉しそうじゃない…」
「うん、よかったね…」
「…アーノルドも仲間がたくさんできたし、大佐もご満悦…」
「うん、そうだね…」
イェーイ殺せー!!とはしゃぐ二人と内山田君とトリ号の沈んだ表情の対比が後味悪かった。
ファンシー系の絵柄なので後味の悪さ倍増。
418:
>>414
この動画の元ネタだよね
曲のPVなのに完全にストーリーの方が主体になってる不思議
421:
>>418
こんな絵だったのか!デビルマンみたいな絵で想像してたw
415:
うろ覚えだが、子供の頃に読んだ本が児童書が後味悪かったな
タイトルも忘れたから誰か知ってたら教えてほしい
主人公は外国(確かアメリカ)の小学生で、夏休みの自由研究のテーマに悩んでいた
過程は忘れたが、彼は「人間が光合成能力を得る方法」の研究をすることに決めた
光合成には葉緑素が必要なので、葉緑素を構成する物質を多く含む食事を摂り
また葉物野菜をミキサーに掛けたジュースを飲むことで葉緑素を直接摂取した
そんな生活を続けるうち、徐々に食事の量が少なくなってきた
普段の量を食べようとしても、どうにも身体が受け入れてくれない
晴れた日は身体の中から活力が湧いてくる反面、雨の日は何をする気力も起きなくなった
足の裏が硬くなり、妙なデコボコができている(のちに根が生える前兆と判明)
416:
その後も彼の身体はどんどん植物化が進む
彼は夏休み明けに担任教師に身体を見せる(宿題の提出)まで身体を維持しようと考えていたが
数日間の悪天候で衰弱死しかける、立ちっぱなしだと根が張りそうになるなど深刻な症状が出始めたため
彼は宿題の早期提出することと元の身体に戻る方法を考えるようになる
担任の女教師に電話で事情を説明するも、何をキテレツなことを言っているのだと軽くあしらわれる
それでも彼は食い下がり、担任に自宅訪問してもらう約束を取り付ける
次に彼は国の研究機関か何かに連絡して事情を説明し、元の身体に戻れるよう懇願した
電話の相手は担任とは対照的に少年の話を真摯に話を聞き、対策を考えると約束してくれた
数日後、担任は文句を言いながらも約束通り少年の家を訪れた
植物化が進み皮膚が緑色になった少年を見て担任は驚き、腰を抜かした
担任は少年の話を疑ったことを詫び、少年の研究成果は世界の食糧問題を解決するものだと言い共に喜んだ
417:
その直後、部屋のドアから黒スーツの男たちが素早く侵入して担任に何かを飲ませた!すると担任はみるみる内に植物化していく
そして男たちは植物化した担任を担いで運び出し、入れ替わりに一人の男性が少年の部屋に入ってきた
入ってきた男性はこの国の大統領だった
彼は少年の隣に座り、こう言った
「君の研究成果は素晴らしいものだが、この研究を世に出すことはできない。
 人類が君のように食事なしで生きられるようになれば食料や食器類の生産者、
 そして全ての飲食店関係者が職を失うことになる。どうか理解してほしい。」
そして大統領は懐からワクチンの入った小瓶を少年に差し出す
事態の重大さを理解した少年は強く頷き、受け取ったワクチンを飲み干す
みるみる内に少年の身体は人間に戻る
それを見届けた大統領は少年と握手を交わして去っていた  
最後のページは女物の服を着た木が山に植わっている挿絵でEND
422:
>>417
教師は口封じ?
少年にはワクチン与え教師は植物化させて放置って訳分からんな
少年の方は国がその才能を惜しんだのか
423:
>>422
口封じだろうね
少年は良いんかい!ってのは当時の俺も思ったw
449:
来年新作が発売される戦国BASARAの石田三成のストーリーがすごく後味が悪い
戦国BASARAというゲームは歴史上の有名な武将が
キャラクターとして出ているうアクションゲームなんだけれども、
BASARAアレンジといってゲームオリジナルのキャラクター設定がつけられている。
前提として、BASARA石田三成は豊臣秀吉を神の如く崇めていて、とても尊敬している設定。
盲目的かつ熱狂的な秀吉支持者で、ゲーム中ではいつも秀吉様秀吉様と秀吉の名前を呼んでいる。
(ゲームオーバー時の台詞も「まだ死ねるはずが無いっ!秀吉様ァ!」というくらい)
このBASARA世界の秀吉は力を何よりも大切なものだと考えていて、
圧倒的な力で敵をねじ伏せ天下を統一しようとしていた。
徳川家康も豊臣秀吉に負け傘下に一時おさまることになった。
このBASARA世界の徳川家康は人情家で、とても優しい性格。(史実の狸じじいとは違い明るい好青年という感じ)
豊臣傘下時代、三成と家康は秀吉に信頼され二人一緒に戦に出ることも多かった。
(BASARA世界ではこの二人は友人同士だったという設定)
しかし、上に書いた通り豊臣は力をもって戦火を広げ続けていく。
このままではいつまで経っても争いが終わらない。
そう考えた家康は、秀吉を倒し自分が天下統一を果たし平和な世を作ることにした。
戦国BASARA3はこの家康が秀吉を殺すシーンから始まる。
450:
信頼していた家康に裏切られ、崇めていた秀吉を殺された三成は泣き叫んで復讐を誓う。
睡眠も食事もとらず、家康を殺害することだけを考え戦いに明け暮れる日々を送る。
何度も家康の名前を呼び、家康殺す、殺すと繰り返す姿は狂人そのもの。
(公式曰く「復讐鬼」「復讐の狂気にとりつかれた」)
三成の設定は残忍で凶暴な性格で、ゲーム中もずっと
「死ね」や「殺す」といった怖い台詞を言っている。
そんな三成を恐れ家康のほうに味方しようと家康率いる東軍にはどんどん人が集まっていく。
(小早川秀秋も「僕は家康さんについていく!家康さんは君と違って優しいもの!」とはっきり言ってきたり)
真田幸村と長宗我部元親は三成率いる西軍に入るのだけれども「家康と対決したいから」とあくまで
三成の為ではなく家康と戦うことを目的としているので(二人とも理由があるんだけどここでは割愛)、三成は
「誰も彼もが家康の名を呼び、この世界は家康を中心に動いている!
私から世界の全てを奪った家康に全てが注がれている!何故家康なのだ!」と激昂する。
そして関ヶ原の地で家康と三成は対決する。
「家康…秀吉様に詫び、私に首を刎ねられろ!」
「三成…ワシは自分のしたことに後悔はない。
ワシはこの世が平和になるため秀吉を討った、だから謝ることもお前に殺されることも出来ない!」
「家康…私はどうすればいい!?貴様はそれで満足だろうな、しかし私は貴様に全ての絆を奪われた!
どうすればいい!?どうすれば良かったんだ!?」
家康との戦闘後ムービーが入り、三成の前で家康が死んでいる。
復讐を遂げた三成は高笑いし、復讐を遂げたことを喜んだ。
しかし、一しきり笑った後三成の顔から笑みが消える。
451:
「…なんだ、この空虚は?」
そして死んだ家康を再び起こそうと何度も揺すった。
「家康…立て!立て、そして私にもう一度殺されろ!」
もちろん家康は起き上がらない。死んだ家康の前で三成は呆然とつぶやく。
「私は…秀吉様の恩為に、復讐を遂げたのではないのか?
それとも、ただ私自身が生きる理由を欲し、私自身のために、家康を目指したのか?」
三成はかつて狂信していた秀吉を失い、
心の拠り所を無くした三成は、無意識の内に家康に依存対象をうつしていた。
家康を殺害すること=三成が生きること。
しかし、その家康も秀吉も死んでしまった。三成にはもう何も残っていない。
その事実に気付いた三成は発狂し、泣き喚いた。
血の涙を流し、精神が崩壊した三成はふらふらとした足取りでどこかに去っていく。
「行かなくては…この背徳の許しを乞いに…秀吉様…秀吉様…」
ここで三成のストーリーモードは終わり。
三成に救いが無いし、関ヶ原に勝利した西軍総大将の三成が発狂したので多分この後国も乱れたまま。
三成は主人公格の一人なので、始めにプレイする人も多くこの鬱な展開とラストに呆然としたと思う。
ファンの間では関ヶ原をもじって「鬱ヶ原」と呼ばれている。
452:
家康は人情家としての逸話おおいけどね
横柄で嫌われ者、て点は史実の三成をなぞってるのか
457:
>>452
歴史は勝者が作るものだからな
家康にそういう逸話が多くて三成が嫌われ者なのは当たり前
470:
>>457
まあ、石田三成は、頭が切れるが、脳筋の人らの気持ちを全く理解できない故にやたら武官に敵をつくりがちだったって部分は、どの資料見ても一致してあるな。
大谷吉継の手紙に、君の悪いところはそこだって、ズバリ批判されてる。
ただ、その大谷吉継何て、家康には勝てないと予想していながら、三成の友情に報いるために、西軍について討ち死にしたって言われてる。
不器用だが、身内になって、理解できればイイ人だったのかも知れないね。
474:
藤田あつ子「狼」
昔々、動物好きの優しいお爺さんが山に入ると、
岩の割れ目に狼の仔が落ちていたので可哀想に思って拾って育ててやりました。
名前をつけて可愛がっていますと狼の仔はお爺さんの手から餌を食べるほどに懐きましたが、だんだん大きくなってうっかりお爺さんの手を噛みそうになりました。
お爺さんは狼が一人前に育ったことを知って山に帰してやりました。
ある日山に入ったお爺さんは、あの狼を見つけました。
名前を呼ぶと尻尾を振ってやって来ます。
恩というものを理解しないけだものは、お爺さんを生きたまま食べてしまいました。
…という中国の昔話を元にした短編漫画。
475:
遠くで戦乱があり、この平和な地方にも難民や乞食が増えてきた。
ある人品卑しからぬ中年夫婦、お寺詣りの帰りに子供の乞食に小銭を与えた。
丁寧に礼を言うので哀れに思って連れ帰り、
汚れを落として娘のお下がりを着せてみるとなかなかの美幼女。
名前を尋ねると側にあった筆を取り、美しい字で「麗君」と署名した。
字が書ける事に驚いてさらに尋ねると、亡父は医者で読み書きも教えてくれました、と答えた。
こんなによくしていただいて、御恩は一生忘れません。と涙を流す幼女に同情した奥様は、麗君を一人娘「滴珠」に友達兼小間使いとして与えた。
476:
婆やは裏庭で煙管をふかし、
奥様は優しすぎる、金を与えて追い出すかせいぜい台所の下働きにしてやるだけでいいのに。
と毒づいている。
翌朝婆やは寝床で死んでいた。
(麗君が物陰から婆やを睨んでいる描写あり。医者の父から受け継いだ毒を盛ったと推測できる)
時が経ち、滴珠はやや残念なぽっちゃりに、麗君は玲瓏とした美少女に成長した。
(作者は主役と準主役以外はものっそい適当な顔にする人で、この滴珠は準主役なのに脇役顔)
主人夫婦は親に死なれた甥を引き取る事になり、麗君と同じ年頃の従僕「葉通」が甥付きになった。
477:
麗君は甥に、お嬢様が読みたがっておられるから、と嘘をついて漢詩の本を借り、滴珠には、
(甥)さんが貴女に読んでほしいのですって、葉通から預かったのだけど…と嘘をついて、麗君自身で恋愛詩の所にしおりを挟んだその本を渡した。
この嘘で滴珠の甥への片想いを後押しした麗君は、ご両親が留守の晩に庭の四阿で逢引きすればいい、ご両親も貴女がたを結婚させるつもりだし私も貴女に幸せになってほしい、と煽る。
主人夫婦は本当に甥を滴珠の婿にする予定だった。
麗君の事は、元乞食だと知れ渡っているからいい所にはやれない、
美人で教養もあるのに使用人と結婚させるしかない…と同情していた。
478:
葉通は麗君に結婚を申し込んだが、麗君は、
お嬢様"も"あなたを愛しているから私は身を引く、結婚してから私を妾にすればいい、と嘘をつき、
旦那様と奥様が留守の晩に庭の四阿で逢引きすればいい、と煽った。
しばらくして滴珠と葉通が駆け落ちした。
数ヵ月後、滴珠が川で水死した。妊娠していたと、検死でわかった。
奥様は心労で倒れ、葉通を恨みながら死んだ。
479:
しばらくして葉通が逮捕され、真相を吐いた。
庭の四阿で逢引きした滴珠は、いつも決まり悪そうだった。
恥ずかしがっていると思い込んでいたが、本当は甥を待っていたのだと気づいたのはずっと後になってからだった。
そうこうするうち子供ができてしまい、「親にはとても言えないから責任をとって駆け落ちしてくれ」と言われて駆け落ちした。
滴珠は目を離した隙に川に飛び込んで水死した。決して殺してなどいない。
好きでもない男と食うに困る暮らしをする事に耐えきれなくなったのだろう。
480:
「私たちは麗君に騙されたのです、旦那様も奥様も…やがて自分達を食い殺す事になる狼を大事に育てていたのです」
その頃麗君は、心労で倒れた旦那様に「亡父秘伝の疲れがとれる薬」と偽った毒を飲ませていた。終
忍法帖のおかげでぶつ切りになっちまった。
主人公麗君の気持ちとか心の動きが一切描かれないから、なんかこう、モヤモヤする終わり方だった。
495:
松本清張の初期の短編
「私」は義妹と不倫中。
不倫旅行で温泉地に出掛け、人目を避けるようにわざと寂れた旅館に泊まった。
義妹は「お姉さま(妻)に悪いワ…」としおらしくしているが、罪悪感が媚薬になっているようだ。
顔を隠すように帽子を目深に被った「私」は、宿帳の記入も女中との応対も義妹に任せている。
安っぽい部屋に入った「私」は、子供時代の事を思い出した…
…両親は場末で小さな店を出していた。
巡査と結婚した叔母(母の妹)は、夫が朝鮮半島に赴任したので「私」の家に居候していた。
ある日店が火事になり、数日前から病気で寝込んでいた叔母は逃げ遅れて死んだ。
496:
両親は警察で厳しく調べられたが、犯人不明の放火でケリがついた。
…後になって思い出してみると、叔母が寝込むようになる前に父と叔母が口喧嘩をしていて、父が叔母を酷く殴っていた。
叔母は病気ではなく、父に大怪我をさせられたのだろう。それこそ、火事になっても逃げられないような。
火事の数日前、叔母の夫がまもなく帰国すると報せがあった。
大人になった「私」は、父は叔母と不倫していて別れ話か何かで喧嘩になって叔母に大怪我をさせた。
帰国する叔母の夫(立派な髭の、押し出しのいい大男)にばれないよう火事を出して叔母を殺した。
という結論に達した。
497:
「私」は、嬉しそうな義妹を眺めて思った。
…今の私たちは父母と同じ事をしている…
…義妹は私を疑ってはいない…
…東京では妻が私のアリバイ工作をしているはずだ…
…帽子で顔を隠していたし手袋で指紋も残らない、大丈夫…
510:
情報番組な上に架空のキャラだけど「お願いランキング!」に出ていたロボット戦士の話。
この番組の司会は「お願い戦士」と呼ばれているアニメキャラたち。
時々キャラの声優が変わったり、人数が変わったりしているようだが、
主要メンバーは、男・セクシー系・男勝り・食いしん坊・幽霊(?)の五人とウサギが一匹。
……なのだが、その中に一時期だけ、銀髪の人間の女性型ロボットのお願い戦士がいた。
賑やかさをウリとした既存のお願い戦士たちとは、明らかに毛並みというか雰囲気が大きく異なっていて、
淡々とした物腰と口調で、何が起きても表情が変わらないという感じのキャラだった。
(実はロボット以上に無表情で喋らないキャラもいるのだが、彼女は今回の話とはあまり関係ないので割愛)
キャラ設定のせいか、追加キャラなせいなのかはよくわからんが、
このロボットは番組やお願い戦士という団体からはどうも浮いた感じだった。
そんなある日、客が資料画像を提示すればその画が描かれたオリジナルのケーキを作ってくれるという、
ユニークなサービスを行う店の特集が放送された。
番組側もこの店に依頼して、お願い戦士全員のイラストが入ったケーキを作ってもらったのだが……。
511:
「みんな聞いてくれ! 特別に俺たち全員のキャライラスト入りのケーキを作ってもらったぞ!」
「まあ! すごいわ! 私たちそっくり!」
「おいしそうだぞー! 早く食べたいぞー!」
という感じで、イラスト入りケーキを前にして和気藹々と盛り上がるお願い戦士たち。
しばらくしてから「あれ? 誰か一人足りないような……?」と気付く。
そう。ケーキにはロボットのイラストだけが描かれていなかったのだ。
さすがにこれにはロボットもショックを受けたのだろうか。
ウーウーとサイレンを鳴らしながら、しかし表情はいつも通り無表情のまま、
「非常事態ガ発生シマシタ!」と言ってロボットはどこかへ飛んでいってしまう。
「ありゃーロボットどっか行っちゃったー」
「悪気はなかったのよ……」
という他のお願い戦士が飛んでったロボットを見送る中、オフコースの『さよなら』がBGMに流れる。
その後、何事もなかったかのように番組は普段通りに進行しそのまま放送終了。
これだけならただのブラックジョークで終わりなのだが、
何が後味悪いかというと、この放送を最後にロボットは一切喋らなくなってしまったということ。
そして暫くしない内に、番組からそのロボットは何の説明もなしに消えてしまったということ。
通常、お願い戦士が諸事情で降板する時はどんな事情にせよ、
卒業式と称して、番組の中で降板のお知らせが大々的に行われるのが恒例となっているのだがそれも無し。
ゆるい感じの番組の、ゆるい感じのキャラ軍団にしては珍しく、後味の悪い話だったので数年経った今でも何故か忘れられない。
あのロボットはなんだったのか。
516:
>>511
銀色の子いたなーと思って公式HP見に行ったけどキャラ名しか載ってないっぽい?
http://www.tv-asahi.co.jp/onegai/character/index.html
おねランは前にもバックベアードみたいな変な犬出して攻撤去してたような気がする
キャラプランナーが病んでたのかな
517:
そういえば昔見たバレエの少女マンガががひどかった
主人公はトゥシューズも買えない様な典型的な貧しい少女
だが、有名な劇団のバレリーナが主人公を気に入り、バレエを習えるようにしてくれる
そのバレリーナは劇団のトップダンサー、その華やかな才能と踊るチャンスをくれたことで
主人公はバレリーナに心酔していた
だがある公演の主役を、そのバレリーナではなく、別の女性が演ずることが決まると
主人公は煩悶するようになる
主役を演じる女性はけして悪い人と言うわけでも腕が悪いというわけでもない
バレリーナほど華やかではないが、バレエへの誠実さは誰にも負けないものがある
もしかすると技術だけならバレリーナに勝るかもしれない
だが主人公は、尊敬する人の役を奪った相手を、認めるなどできるわけもなく
バレリーナと違う魅力の一つ一つがいちいち癇に触り、
主役の女性に足りないところを見つけては腹が立った
公演が近づくたびに、こんなのは間違っている、主役はバレリーナが演じるべきだと
いう思いが募り、ついに公演中、靴に細工をして、主役の女性を怪我させてしまう
もくろみは、転んで恥をかけばいい、と言う程度の軽いものだったが
実際には足を怪我した主役の女性は二度とバレエを踊れなくなってしまった
518:
しかもバレリーナは代わりという立場に甘んじるぐらいならば、と
代役を望む周りに嫌気が差して劇団を辞めてしまうのだ
主人公は貧しいながらも踊りに対する情熱、踊りたいと言う気持ちは誰にも負けなかった
バレリーナもそうだと信じていたのに、彼女はそうじゃなかった
プライドのほうが大切なんだ、簡単に放り投げられるものなんだ
バレリーナはバレエを愛してなんか居なかったと
主人公は裏切られた気持ちでいっぱいになった
それから主人公は主役の女性の踊りに対する情熱を知り、
本当に自分が尊敬すべき人はこの女性だったんだと自分のおろかさを嘆いた
それから女性の変わりにバレエをうまくなろうと努力して成長する話なんだが
最初の挫折が自分勝手すぎて、感情移入なんてできなかった
バレリーナも別に裏切ったわけでもない、主人公が勝手に想像してた人物と違っただけで
その真実の姿も悪い人間と言うわけじゃないし
521:
>>518
やってることが三下のゲスい脇役女そのもの
なのに主人公?意外性を狙ったんだろうか
524:
>>521
だいぶ古いからなー
当時は○○以外見れないって怖いぐらいの努力と執念のスポコン漫画がはやってた
ガラスの仮面とかもそうじゃない?
それに現実的な女の不の面を付け足した感じなんじゃないなと推測
526:
ふぉ・・・・ろお・・・・・・?
293 名前:山師さん 投稿日:2013/04/10(水) 15:33:41.20 ID:4UXf8mXT0
親に「人を殺してばっかのゲームやってるといつかリアルでも人殺しちまうぞ」って言われてどう弁解したものかと悩んでたときに、
妹が「大丈夫だよ、お兄ちゃん女の子を攻略していくゲームもやってるけど彼女出来たことないから!」ってフォローしてくれた。
528:
>>526
良い妹じゃないか。
533:
大学の頃、夜に酒が飲みたいってんで
国道沿いにあるコンビニまで自転車を走らせた。
五分くらいの道のり。
駅とスーパーしか目ぼしいものの無いようなシケた町なんで、
夜ともなれば閑散としている。
ただし、道は広い。酒買った帰り、車の一台も通らないような
広い国道を横切って渡ろうとしたとき、
路面の真ん中辺りに小さな黒い何かがモゾモゾしているのが見えた。
サイズは犬猫くらいか。
しかし、動物にしては動きが妙と言うかタルい。
街灯さえ薄暗いもんだから何だかわからない。
よく見ると赤子だった。
534:
思わず転びそうになり、次に逃げようと思ったが、
何度見ても赤子。目を凝らして見れば見るほどただの赤子。
近づくと、もう本当に赤子。霊じゃねえ!
恐る恐る、しかしクルマも来たので慌てて抱え、
歩道に退避。至近距離で見てわかったが
服が黒づくめで、これは余計に危なかったと思うも
問題はその後。どうすりゃいいものか。
警察か。でも誘拐犯扱いされそうだし……大体親とかどこ行ったんだ?
泣いたりされなかったのが救いといえば救いか。
アブアブ言ってる赤子を抱いたままでマゴマゴしていると、
スタスタと通行人まで歩いてくる。
なんとなく、あやしてる風に振る舞い、赤子が見えないよう
背中を向けてやり過ごそうと思った。
その通行人が背後を通り過ぎようとした時だ。
いきなりそいつは「ああーーーーーーーーー!」と絶叫した。
535:
俺は思わず赤子を落としそうになり、赤子も泣き出したんだが、
そいつ、その女性は俺から赤子をひったくり、抱きかかえ、
「ああーーーーーーーー、ああーーーーーーーーー、
 良かったあーーーーーー、探してたあーーーーーーー
 ありがとーございますー、探してたからあーーーーー
 良かったあーーーーーー、探してたんですうーーーー
 目を離したら×××(聞き取れなかった)からあーー
 目を離したらあーーー、探してたあーーーーー」
みたいなことをまくしたて、またスタスタと歩いていった。
死ぬほど怖かったのは、声量は大きいのに抑揚一切無かったのと、
薄暗いながら見えた顔に表情が一切無かったことだった。
赤子はひたすらに泣きじゃくっている。
一瞬警察に電話しようとも思ったが、
母親以外の人間があのタイミングで
現れて赤子をさらうとも思えないのと、何より怖かったから
出来る限りのさで家に帰った。
まあ、話はここで終わりなんだけど、今考えても不自然な点が多く後味が悪い。
あのオバサンの抑揚も感情も無い語尾の延ばし方と、
オバサンが見えなくなっても遠くから
ずっと響いてきていた赤子の泣き声が今でも耳に残ってるし……
541:
>>534
それ、一番怖いというか重要なのは、赤ちゃんが黒い服着てたことだと思うの
546:
>>534
気が狂った母親が自分の赤子ひき殺させようとしてたんかな
547:
『ライフ・オブ・パイ』
一人のカナダ人ライターがパイ・パテルという人物の元を訪ねる。
小説のネタを探し各地を放浪していたところ、
偶然知り合ったインド人ママジからパイの存在を聞かされたのだ。
「パイの話を聞けばきっと奇跡を信じるようになる」
是非にとせがむライターへ、パイは名付け親でもあるママジの頼みならばと自らの過去を話し始める。
1960年初め、インドのボンディシェリに一人の少年が生まれた。
少年の名はパイ。
動物園を経営する父、穏やかで美しい母、やんちゃだが弟想いの兄の元でのびやかに育った。
パイは本名をピシン・パテルという。
父の親友であるママジがくれた名前だ。
フランス語でプールを意味する。
フランスのプールは青く透明で限りなく美しい。
しかし、インドでピシンはおしっこを意味する。
このままでは確実にいじめられる。
そう思ったパイは小学校に入学して初めての自己紹介で策を講じる。
「僕の名前はピシン・パテル。パイという愛称で呼んでくれ」
そう告げると彼は黒板2枚を使ってびっしりと円周率を書き連ね始めた。
始めはピシンの響きにクスクスと笑っていた学友も終わらない円周率に沈黙し、
驚愕、やがてはπの大合唱に教室は包まれた。
パイは自分のこれからの生活を自身の聡明さで切り開いたのだ。
548:
パイは母からヒンドゥー、遊び場だった教会の司教からキリスト、
自宅近くに多くいた教徒からイスラムの教えを得た。
若く純粋なパイはどの宗教にも美しさを感じ、3つ全てを信仰していくようになる。
父からは「幾つもの宗教を持つことは何も信じないことと同じだ」と叱責されるがパイの信念は変わらなかった。
ある日、父の動物園に初めての虎が運ばれてきた。
虎の名は『リチャード・パーカー』書類上のミスで捕獲人の名前欄と虎の愛称欄が逆になってしまったらしい。
名前の間違いに親しみを覚えたパイは早虎に会いに行く。
彼はこれまでどんな動物とも仲良くやってきた。
こっそり借りた鍵で虎舎へ忍び込むと近くに置いてあった餌を取り、口笛で虎を呼ぶ。
向こうから歩いてくる虎の目にパイは不思議な光を見た。檻の向こうへと更に手を伸ばす。
途端、父が猛烈な勢いで虎舎へ飛び込んできた。
虎の檻の前にいるパイを青ざめながら引き剥がす。
「もう少しで殺されるところだったんだぞ」怒鳴る父にパイは歯向かう。
「リチャード・パーカーは賢い、目を見れば分かる」
言っても聞かない息子へ父は荒療治を取る。
生きた小鹿を連れてきて檻の前に縛り付けたのだ。
騒ぎに驚いて奥へと引っ込んでいた虎は、小鹿を見付けると再びゆっくりと近づいてきた。
一定の距離まで来ると、虎は小鹿へと飛びかかった。
細かく砕かれた小鹿はあっという間に檻の中へと引きずり込まれた。
ヒンドゥーの教えから菜食主義を貫いていたパイにとって、それは余りに衝撃的な光景だった。
「お前は虎の目に自分の心を映していただけだ」父の言葉に頷いたパイはそれ以後虎を恐れるようになった。
549:
年月は経ち、パイは16歳になった。
父は突然カナダへの移住を告げる。
政権が変わった影響で市からの援助金が打ち切られ、ボンディシェリで動物園を続けていくことが出来なくなったのだ。
知り合いの伝でカナダに働き口がある、動物たちもカナダの動物園が高く買い取ってくれる。
このまま此処で一家と動物たちの破滅を待つよりは、とパイも納得し大型船で一路カナダへと向かう。
航海初日の夜、甲板を打つ雨の音で目覚めたパイは外の様子を見に行く。
船は凄まじい雷雨の中を航行していた。
好奇心旺盛なパイは落ちないよう気を付けながら雨の中ではしゃいだ。
暫くすると、凄まじい衝突音と共に大きく船が傾くのを感じた。
船員たちの怒号と悲鳴を聞いたパイはただ事でない気配を感じ、家族のいる客室へと向かう。
階段を降りるとそこはもう水に沈んでいた。
船員に助けを求めようと再び甲板へ戻るも、客室には早々と見切りを付けられ、
パイは一人救命ボートへと突き落とされてしまう。
550:
嵐が過ぎ、意識を取り戻すと救命ボートにはパイ、シマウマ、チンパンジー、ハイエナ、そしてリチャード・パーカーが乗っていた。
転覆の衝撃で檻が壊れ、動物たちが解放されていたのだ。
虎は日の光を嫌い日避けの下へ潜りこんで休んでいる。
シマウマは負傷した様で後ろ足から血を流していた。
パイは沈没船の方から流れてきたバナナの房を引き寄せると、チンパンジーへ与える。
事故の興奮が落ち着いたハイエナはシマウマに狙いを付けるようになった。
パイはどうにか阻止しようとするが肉食獣であるハイエナには怖くて近寄れない。
シマウマの鳴き声とハイエナの唸り声に興奮したチンパンジーが暴れまわる。
ハイエナは騒ぐチンパンジーの喉笛も噛みきった。
目の前で動物の死を目の当たりにしたパイは錯乱し絶叫する。
それを機にしたかのように、日避けから虎が飛び出してハイエナを噛み殺した。
ハイエナを貪り始めた虎から逃げるように、パイは救命ボート付属の浮き輪にしがみついて海へと逃げ出す。
551:
その日から虎とパイの227日間の漂流が始まった。
虎は日避け付きの救命ボート、パイは浮き輪とお互いのテリトリーを守って暮らしていく。
漂流中、肉が尽きて虎は死にかけるが彼が生きていることに救いを得たパイは不殺の教えを破り釣った魚を殺して与えた。
虎との信頼関係の兆しも見え、生活が落ち着いてきたある日巨大な嵐に見舞われる。
なけなしの非常用食料と水を失ったパイは絶望し、いよいよ死を覚悟する。
すると、パイの前に不思議な島が現れた。
見たこともない植物に覆われたその島は透き通る真水と海藻があり、
そして無数のミーアキャットが暮らす楽園であった。
552:
安寧の地を見つけたパイは定住を考える。
簡易のハンモックをつくり夜を迎えたパイは近くの草に奇妙なものが挟まっていることに気付く。
それは人間の歯だった。
注意深く周りを見渡すと水は強い酸性に変わり、
ミーアキャット達は避難し、植物は不気味に蠢いていた。
この島は食人島だったのだ。
虎を呼び寄せ、慌てて船を出すパイ。
宛のない漂流が再び始まったことに茫然としながら、長い時間をただぼんやりと過ごしていく。
餓えと乾きの中で極限状態に陥ったパイは意識を失う。
次に目覚めた時は砂浜の上であった。
霞む視界には、こちらを振り返ることもなく森へと去る虎が映る。
訳もなく涙が出た。
パイは奇跡的にメキシコの海岸へとうちあげられたのだ。
病院へ運ばれ治療を受けたパイは日本の保険調査員から事故についてを聞かれる。沈没した船は日本の物であったためだ。
調査員たちは虎との幻想的な漂流を語るパイに強い不快感を示す。
「そんなおとぎ話は聞きたくない」
そこでパイは調査員向けに虎の出てこない別の話をする。
553:
救命ボートに乗ったのはパイと仏教徒の船員、パイの母、粗暴な船内コックだった。
船内コックは沈没する前の客船で、菜食主義のパイと母に「俺の作った肉料理に文句をつけるのなら勝手に餓えていろ」と暴言を吐いた人物。
仏教徒船員は困惑するパイと母に「カレーも駄目ですか?僕は仏教徒だけど食べちゃいますよ…アハハ」と軽口で気遣ってくれた人物。
船員はボートに乗り込む際足を強く打っていた。
コックは、「足を切断しなければ壊死して命に関わる 」と頻りに手術を勧める。
パイと母は暴れる船員を押さえつけコックが切断するのを補助する。
手術が響いたのか船員はすぐに死に、長期の漂流で餓えたコックはその足の破片で魚を釣り始めた。
母は嫌悪しながらコックを強く批難した。
通りがかったウミガメを捕まえれば餓えずに済むぞと言われ、
コックの手伝いをしたパイだが、失敗して大物を逃してしまう。
怒ったコックはパイを殴る。
息子の危険を感じた母は、パイをイカダに避難させた。
その行為が侮辱であると捉えたコックは母をも殺してしまう。
そしてその新鮮な遺体で再び釣りを始める。
怒りで我を忘れたパイはよろつきながらコックを殺そうとする。
さすがに自分の所業が行き過ぎであったと自覚していたのか、
コックは抵抗することもなく静かに殺された。
パイは、コックの遺体で釣りをして命を繋ぎ、メキシコへと辿り着いた…。
554:
以上の話を聞いて唖然とする日本人調査員たちにパイは告げる。
「どちらの話を信じるかはあなた方次第だ」
最終的に、保険調査の報告書には「虎との奇跡的な漂流を果たした少年」と記された。
全ての話を聞き終えたカナダ人ライター。
彼はかつてパイの名付け親、ママジからこう聞いた。
「パイの話を聞けばきっと奇跡を信じるようになる」
カナダ人ライターもまた奇跡を信じた。
580:
>>554
これ、前半の虎と漂流は主人公の空想で後半の話が真実だけど
周りの人間は主人公を慮って空想の方を信じてやったって解釈でいい…んだよな?
劇場で流れてた予告編は虎と少年のハートフル漂流譚みたいな作りになってたけど
こんな話だったのか
582:
上の虎の話読んでてふっと思い出した小説、一応小学生中高学年向け?
生まれて間もない子猫が荒野の真ん中に放りだされた
子猫は新しい遊びだと考え飼い主を待ち続けるが、車で走り去った飼い主は戻ってこない
やがて只事ではないと気がついた子猫は、戸惑いながらも歩き始める
僅かな食べ物を探し、外敵に追われる日々に、綺麗な毛並みと柔らかな肉球は見る影もなくなった
世間知らずの子猫は急に用心深い成猫へと成長していった
野生の獣、山火事、洪水、厳冬・・・いくつもの困難をくぐりぬけていく
583:
自分の子を産み、育て、失うこともあれば成猫として別れることもある
人間のもとに身を寄せることもあるが、その心境は保護されるというより利用に近い
安息というものが無いその日暮らしの年月を重ねて、やがて猫は老いていった
老猫が辿りついたのはとある老夫婦の家
夫婦は猫を強いて手元におこうとはせず、
猫もついに放浪の旅を終えて夫婦の家の軒先で暮らし始める
そんな暮らしが始まって間もないある日、猫は車に轢かれる
致命傷を負った猫は駆けつけた老夫婦に見守られながら、静かに息を引き取った
読む人によっては後味の悪い話にもなるし、不思議な感覚を覚える話にもなるかもしれない
猫には最初から最後まで名前がない
描写は常に淡々としてて、猫に対する同情の欠片もない
とても小学生の読み物とは思えないハードボイルドな感じの内容だった
592:
>>583
正統派子供に読ませたい本だね
当時の自分だったら「看取って貰えてよかったね」と思うかな
気になったので読んでみる
586:
アニメの「バトルスピリッツブレイヴ(以下、ブレイヴ)」について語りたいと思う
トレーディングカードゲーム「バトルスピリッツ(以下、バトスピ)」を題材にしたアニメ
そのシリーズの3作目で、2作目「バトルスピリッツ 少年激覇ダン(以下、激覇)」の続編
まず激覇のざっくりとした説明
バトスピのチャンピオンを目指す少年、馬神ダン
彼はある日、バトスピによる戦いが全ての世界へ飛ばされる
カードに描かれたモンスターからバトルのダメージまで、全てがリアルに伝わる世界に興奮するダン
だが、そこは「異界王」率いる異界人達が、そこに住む住民を支配する世界だった
そんな世界を仲間を増やしながら旅をし、やがてダンの世界まで巻き込みながらも、最後には「異界王」を打ち倒す
仲間を一人失うものの、概ねハッピーエンドで完結した
ここまでが激覇の話
587:
ブレイヴは激覇から2年後
世界を救った英雄として、ダン達は持て囃されていた
ダンはかつての夢を叶えて、多くのカード大会で優勝
殿堂入りカードバトラーとして、そして世界を救った英雄として、多くのカードバトラーの憧れとなった
だが、実際は違った
あまりに強すぎるため、あらゆるカードの大会などから追放されてしまったのだった
更に、かつて異界王と結託していた「組織」の陰謀によって、ダンの家族も彼の元を去ってしまう
他の仲間もその組織に追われ、ほとんどが消息不明、一部の人間に至っては暗殺までされてしまう
まるで「創作物の勇者の暗いその後」を体現したかのようなダン
かつての明るく熱い性格から打って変わって、全てに興味を亡くしたような荒んだ性格になってしまっていた
そんな彼の前に、かつての仲間の一人、紫乃宮魔ゐが現れる
彼女は現代の孤独な世界に失望し、再び未来の世界で過ごしていたのだ
その世界に魔族が現れ、人類を支配し始めた
ダンはそんな世界を救うために、再び未来へ向かう
余談ではあるが、ダンが未来世界で戦う時、わざとダメージを受けることで戦いを愉しんでいる描写があった
魔ゐの仲間である少年からは「あの人なにかおかしい!」と言われるレベルのバトルジャンキーとなったダン
もはやダンは戦いの中にしか生きる実感を見出せなかったのだ
(このゲームの戦略としてわざとダメージを受けるのは間違いではないが、リアルな痛みを感じるこの世界では異常な話である)
588:
新しい仲間や魔族のライバルと戦いを通じながら、大いなる力を持ったカードを求めて、ダンは世界を飛び回る
しかし、このままでは人類も魔族も全て滅びてしまうという事実が明らかになる
魔族との共存の道を探し、ダン達は世界を救おうとする
だが、魔ゐは突然ダンの元を去って、魔族と共に行動をするようになった
魔ゐの行動に疑問を抱きながらも旅を続けるダン
やがて、魔ゐから戦いの申し出があり、それを受ける事になった
魔ゐとの戦いの中で、ダンは真実を知る事になる
ダンが魔ゐに連れられて、現実世界を去った日
それはそのまま、ダンが元の世界から消えた日として伝えられていたのだ
「世界を救う引き金を引けば、貴方は元の世界に帰れなくなる」
「私は貴方の事が好き…!愛してる!私は、貴方を失うために未来に連れてきたんじゃ無い!」
涙を流しながら告白し、ダンを止めようとする魔ゐ
だが、ダンはそれでも止まろうとはしない
自分を必要としてくれた未来の世界を救うため、ダンは魔ゐに勝利する
その後、ダンも魔ゐの想いに応え、彼女を受け止める
「俺はこの時代に来て、生きる力を取り戻せた…お前が俺を救ったんだ」
「戻ってこいよ…俺にもお前が必要なんだ」
ダンの言葉に、涙を流す魔ゐ
こうして魔ゐはダンの元に戻り、世界を救う戦いに臨むのだった
589:
そして魔族と最後の戦い
この戦いでバトルフィールドにエネルギーを溜め、世界を救う
それが人類と魔族、共通の狙いだった
かつてない激しいバトルの末に、ダンは勝利を収める
その途端、バトルフィールドのダンの姿が輝き始めた
だが、フィールドからの脱出装置が作動しない
バトルの衝撃で脱出装置が故障していたのだ
魔ゐの、そして仲間たちの叫びも空しく、ダンは光の中へと消えていった…
全てが終わってから一か月後
魔族と人類の戦いの終結を誓う式典を開いていた
それを見届けた魔ゐ達は元の世界に戻る
だが、そこにダンの姿はない
「私は、もう一度この世界と向き合ってみる。少しずつ、出来る事から…そうしたらまた、いつかダンに会えるかもしれない」
魔ゐの頭上で、赤い星が小さく光った……
----------
かなり大ざっぱな内容で申し訳ない
ここへの投稿は初めてなんで自信がない…上手く伝わらなかったらごめんね
個人的には話としては素晴らしいと思うんだけど、やっぱりカード大好きな一人の少年の末路としてはあまりにも…って感じ
肝心の異界王と手を組んだ組織に関しては最後までノータッチだったし…
どのキャラも大好きだったから、みんなに幸せになってほしかったっていうのもある
ちょっと私情入ってるけど、個人的にはやっぱり後味悪いかな
592:
>>589
子供に世界預けちゃう系って昔のは結構にうつだったりするけど
割と最近らしいそれでその最期はえぐいね
604:
立ち読みしたホラー漫画
主人公は女子美大生。
いきなり体中に赤い糸の玉が出現する怪奇現象に襲われる。
糸は本物の古い木綿糸で70?80年前の物。
ふと父親が「戦時中の千人針に似てない?」と言い出した事で
主人公は手がかりを求め身内で唯一戦争体験している田舎の祖父に会いに行く。
その前日、主人公はもんぺ姿のやつれた女性が千人針の布を持ってさまよっている夢を見、
起きてその顔をスケッチに起こす。
田舎の祖父は寝たきり状態で主人公が聞いても「当時は子どもだったから全然分からん、覚えてない」の一点張り。
女性のスケッチを見せても同様だった。
主人公は近所の人にも聞き込みを始める。
年配の住人らはすぐに女性が誰か気付いたようで言い渋るが
主人公は頼み込んで話してもらう。
605:
女性(以後A)はやはりこの集落に住んでいた人で
戦争当時は教員の奥さんで三人の息子も独立していて幸せだった。
しかしある時いきなり夫にスパイ嫌疑がかけられ、疑いが晴れぬまま獄死。
妻であるAは村八分になってしまう。
不幸はそれだけに終わらず、三人の息子にも赤紙が届く。
当時出征する男性に千人の女性に赤い糸で玉留めしてもらった布を持たせると
弾除けのお守りになるという風習があり(これが千人針)で
他の家の人たちは互いに玉留めを結びあっていたのだけど、
Aは村八分にされていたためどんなに頼み込んでも村の女性誰からも千人針を縫ってもらえなかった。
Aは山を越え、隣村まで走って千人針を集めたが息子たちの出征には間に合わず、
それが原因でもないだろうが三人全員が戦死してしまったのだった。
その後発狂したAは自宅で割腹し息子の遺品を腹に詰め赤い糸で封じ
目も口も縫い付けるという恐ろしい死に方をした。
それ以来Aの話は村ではタブーとなっていた。
同時刻、主人公祖父は昔の事を回想していた。
覚えていないと言ったのは嘘で、当時子どもで母親と歩いていた祖父は道でAに出会い千人針を懇願された。
涙ながらに土下座してまで頼み込むAを母は無視し、祖父は面白がってAに石を投げ付けた。
石はAの眼にクリーンヒットし流血。Aは無事だった方の目から祖父を睨んでいた。
その夜主人公の目の前にAが死んだ時の顔と体中を縫い付けた姿で現れ
朝になると祖父は同じように目や口を縫い付けられた姿で死んでいるのが見つかった。
その後主人公の体に玉留めができる事もなく、Aが恨みの張本人である祖父を呪い殺して一件落着かと思いきや。
普通の学校生活を送っていた主人公がいきなり全身から血を吹き出して死亡した。
エピローグは死亡解剖医と助手の会話で締め括られる。
「こんなのおかしいです、有り得ないですよ!」
「長年やっているとこういう事もあるんだよ」
「おかしいじゃないですか、どうやって、誰が内側から肺と気管を縫い合わせるなんてできるんですか!?」
親(祖父だけど)の因果が子に報い?なのかもしれないが
その息子(主人公父)を飛び越えて孫の主人公が一緒に制裁されるのが理不尽。
607:
筒井康隆「ロートレック荘事件」
ミステリなのでネタバレ閲覧注意
浜口修は8歳の時、イトコの浜口重樹に脊椎を損傷する大怪我を負わせ、彼をロートレックと同じ奇形の体にしてしまった。
8歳の修は泣きながら、君には何も不自由はさせない、僕が君を守る、死ぬまでそばを離れない!
と誓い、実際その通りにした。
重樹はすばらしい個性の持ち主なので、修は喜んで従った。
20年後、重樹は美術評論家に、修は画家になっていた。
修と重樹が日本有数のロートレックのコレクターである木内氏の別荘に滞在した晩夏、事件は起きた。
同じように別荘に滞在していた3人の令嬢が相次いで殺されたのだ。
608:
木内氏の令嬢典子、その親友寛子と絵里を殺したのは重樹だった。
以下、重樹の供述。
奇形の自分には修という保護者が必要だった。
二枚目で才気煥発で明朗な修は、木内氏の縁で以前から知り合いだった美しい令嬢3人に取り巻かれて浮かれている。
修は誰と結婚するのか、誰と結婚してもこれまでのように自分を第一に考えてはくれまい。
美しい女性は鬼門だ。
女性は奇形の体に好奇心と母性愛をそそられはしても、決して愛してくれない。
今まで意地悪な女性にからかわれて涙を飲んだ事は一度や二度ではない。
傷つけられる前に殺し、同時に修を自分に繋ぎ止めよう。
と思って凶行に及んだのだった。
609:
木内夫人が典子の日記を差し入れた。恨み言は一つも言わなかった。
日記には重樹への愛が綴られていた。
重樹の著作を読んで惹かれ、実際に知り合ってみて才気と繊細な感受性に惹かれ、いつしか他の男性への関心を失っていたと、綿々と書き連ねていた。
重樹が典子に銃口を向けた時、典子は悲しそうな顔でかぶりを振った。
あれはただの命乞いではなく、
(私は貴方を愛しています。貴方は私を殺す必要などないのですよ)
と言いたかったのだ。
…保護者を求める私の我儘が、優しく美しく気高い典子さんを殺したのです。
…私はなんと大きなものを失ったのか。どうか私を死刑にして下さい。
?終?
612:
世界仰天ニュースであった後味悪い話。どちらかというと怖い。
不動産会社で成功したリンダという女性社長には、17歳の時に子供を出産したが両親の猛烈な反対により養子に出すことになった過去がある。
外科医の夫と再婚し54歳になったリンダはどうしても子供の事が忘れられなくなり2004に生き別れになった子供を探すサイトに息子の情報を提供。
2005年に息子と連絡が付き、37年ぶりに再開。名前はジョーバン・コリアー。
ジョーバンはアイオワ州の田舎町で子供のいない夫婦に引き取られたが、ジョーバンが14歳の時2人とも事故で亡くなったという。
その後親戚を転々とし働きながら大学を卒業、フロリダ州の建設会社に勤務していた。
今まで苦労させてしまった償いとして、リンダはジョーバンを自分の建設会社の秘書として雇い、同じ家に住むことになった。
順調にも見えたが、ジョーバンの恋人が遊びに来たとき彼女は顔に酷いアザを負っていたこと、時々見せる恐ろしい表情、突然人前で暴力的に豹変するなど、
リンダは彼が不気味に思えてきた。ある日ジョーバンの元恋人の女性から電話が掛かってくる。そこでジョーバンの恐ろしい過去が知らされる。
以下、元恋人の証言と探偵に依頼した結果分かった事実
613:
・14歳の頃両親が事故で亡くなったのは嘘
・ピーターという名前で育てられていたが、自分は養子だと知らされていなかった。
・遊びに来ていた叔母から自分は養子だと知り、殺意を覚える
・1983年5月、父親をピストルで射殺 母親と弟まで刃物で刺殺
・逮捕され新聞に記事も載ったが未成年なため名は伏せられた
・14歳の少年なので刑法で裁かれる対象でなかった
・19歳に更生施設を出、差別を受けないよう名前をジョーバン・コリアーと改名
・生活資金を手に大学を出て、様々な職業に就く間2度の結婚をした(リンダに電話をかけてきたのは2度目の妻。ジョーバンの暴力に耐えかね彼の過去を調べた)
あまりにも恐ろしかったためリンダは夫にすべて話した。夫は激しく取り乱し、とても同じ家には居られないとジョーバンに正直に話しジョーバンも渋々家を出て行く。
リンダは2度も息子と別れることになったのでとても悲しんだ。
一年後、ジョーバンはキャンディー(リンダにジョーバンの過去を知らせた二度目の妻)への暴力を振り裁判所から接近禁止命令を受けるも、キャンディーの車内で待ち伏せしナイフで脅すなど執拗な脅迫や怨みを繰り返したため3年半の実刑が下された。
服役中のジョーバンを取材した映像では反省している様子はなかった。
「リンダさんはまだショックから立ち直れないため仰天ニュースの取材には応じられなかった?(中略)?ジョーバンは(放送当時)来年2月に出所する予定。リンダさんはその日をどんな思いで迎えるのか」
というナレーションで終わり。今年の2月にジョーバンは出所済。リンダさんが心配。
629:
既婚男性板のまとめで見た話
報告者である夫はそこそこの大学を卒業しそこそこに稼ぐ中の上くらいのサラリーマン。
しかしその妻は法律系の院を出ており、結婚前はバリバリのエリートキャリアウーマンで夫よりも若い。
夫の希望で退職し専業主婦になった妻だったが、なかなか子宝に恵まれず不妊治療を始める。
検査の結果妻に異常はなく、原因は夫側にあると思われたが
夫は検査や不妊治療への協力を拒否し(睾丸に針を刺して精子を摘出する)
夫婦はこのまま子どもなしでやっていく事を決定した。
その内妻は元々勉強好きで向上心もあるため、医学部を受験し医者になりたいと言いだす。
既に医学部に合格できるだけの学力もあり、
貯金や妻実家からの援助もあって金銭的な問題もない。
夫実家も賛成して応援しているのだが、夫は家事が疎かになり一緒にいる時間が減ると拒否。
どうしたら妻が医学部受験を諦めてくれるか、嫌だった不妊治療を頑張り
子どもを作ればいいのではと考える報告者は住人に総叩きに合う。
原因のない奥さん一人に辛い不妊治療の苦痛を押しつけた上に
子なしでせめて別の道を頑張りたいと思う奥さんを邪魔するのか、
お前自分より優れた妻にコンプレックス持ってるだけだろう
今まで痛そうと拒否していたくせに奥さんの足をひっぱり
しょぼいプライドを守るためなら不妊治療やるんだな、親になる資格なしとフルボッコ。
キャリアの道も母としての道も報告者に断念させられたのだから
せめて奥さんの好きにさせてあげるのが情けではないかと諭されるのだが
報告者は妻に不妊治療してもいいと話す。
当然妻はぶち切れ、分かった、受験しないと言い放つ。
報告はこれでおしまいで奥さんが言葉通り受験しなかったかは不明だけど
報告者の身勝手さで未だにもやもやする一件。
奥さんも夫に見切りをつけて離婚するなり受験するなりしたらいいと思うけど
(確か20代後半?30代前半でどちらの道を選ぶにしてもまだやり直せる年齢)
自棄になってしまう気持ちも理解できるのでやるせなかった。
630:
>>629
クズだな
だが真に後味が悪いのはそういう男がまだまだ少なくないということ…
普通にいる
640:
実在する方々のお話なので、どうしようかと思ったけど、いろんな人に考えてほしいから書きます。
とある県に住んでいる重度障害児で、常に寝たきりというか車椅子状態。
調べると小学生前半は歩行器もかろうじて使ってたみたい。
でも基本は車椅子。
よく「小学校時代に池沼に迷惑かけられた」っていうじゃん?
ところがこの子の場合「親のせいで迷惑かけられた」状態なんだ。
「みんなが共存できる環境を!」って親が張り切って、
祖母(親の母)に反対されたのに小学校中学校と普通の学校に入れた。
車椅子なので階段は先生方が降ろしたり、生徒が手伝ったり。
それを「うちの子がいるから学べた!」みたいにブログとかに書いてる。
因みに子供は「はい」しかお返事できない。自由におしゃべりできないほどの障害。
なのに親は「おむつしてるからプールダメとかありえない!」だの「車椅子だから社会見学の移動は別でとかありえな!」
と事あるごとに学校に文句言いまくり。
さらには高校受験も普通高受験しようとして何年も浪人してる。
今はそれで更新途絶えてる。
個人的には親もマジキチだな、と思うけど、
親の自己満足で普通の学校に入れられて、適切な訓練やリハビリをさせてもらえず、
自分の意思とは反して周りの生徒に色々とさせてしまった障害児君がかわいそうだな、と。
「高校受験云々」は有名だから知ってる人もいるだろうし、
周囲の健常者が障害者を手助けするのはとてもいいことだと思う。
でも、親の方針で人生がめちゃくちゃにされたと言っても過言ではないから、
後味悪いな、と思った。
641:
追記する。
この子の障害はブログを読んだ限り、
・よだれ拭きタオル必要
・刻み食しか食べられないので、すり鉢(ミニサイズだろうけど)も学校に持っていく(給食食べる)
・お風呂も自分で入れないから、修学旅行は先生方(校長もだったか?)が抱っこして入浴
・なのでタオルも多めに必要で、旅館に上記の食事とタオル多めの注文する
修学旅行編読むだけでもかなりの障害を持ってると分かる。
なのに普通校に入れる親がほんとに疑問だわ。
あ、あと「18歳になったから」ってパチ屋連れてってたな。
障害児くんの意思かどうかはわからないけど。
648:
「よつばと!」のエピソード『復讐』より
主人公は外国で拾われた女の子(国籍不詳)、
自分を拾ってくれた人を「とーちゃん」と呼び慕い日本で平和に暮らしていた
ある日の主人公の家、父・父の友人・主人公の3人で復讐劇モノの映画を見ていると主人公は急に人が変わったように立ちあがり、
隣の部屋から持ってきた銃で映画と同じ台詞を言い放ち父の頭を撃ち抜く
咄嗟に反撃に出ようとした父の友人の腹部にも数発撃ち込んだところで再び人が変わったように(元の主人公に戻った)父に縋りついて
「とーちゃん、誰にやられた!」「仇は必ず取るからな…」と呟いて隣の家に乗り込む
隣の家に住んでいた家族(母・長女・次女・三女)は主人公達と家族ぐるみの付き合いがあり、母は主人公をあっさり家に入れてしまう
主人公は玄関に入るなり母を半殺しにし、三女の居場所を聞き出して母の頭に何発も撃ち込んだ
そんなことがあったと知らない三女は部屋で隙だらけだったところを撃たれ、次女も寝ている間に頭を撃たれた
残るは一人だけ…と主人公は電話中の長女に忍び寄るが、弾切れを起こし一瞬の隙を突かれて反撃されてしまい命からがら自宅へ逃げ帰る
すると父の友人がまだ生きており、「どうだった?」と主人公に問いかけ、主人公はいつもの笑顔で「しんだ」とだけ言った
白目で倒れている父の隣で父の友人が「復讐は何も生まないよなぁ」と呟いてエンド
いままでほのぼの路線の漫画だったのに急に主人公の人格が入れ替わって大惨事を引き起こしたのがショックだった
651:
>>648
あながち間違ってない紹介なのが悔しいwww
次女は鼻の穴も打たれたよな
650:
※水鉄砲です
665:
夜道を車で走っていたら突然の衝撃。
何か轢いたと思って車を停めるけど何もない。しかし万が一…ということもあり、警察に通報するも
「あの日からよくあるんですよ、轢いたのに何もないっていうの。気にしないでください」と言われた。
ちなみに福島に行った知り合いの話。ありきたりな話なんだけど、場所が場所だけになんか後味が。
666:
>>665 
警察が言うってことは浜通りか。
小学生の時住んでて、通っていた小学校も津波かぶった(崩壊するほどではなかった)。
自分は被害は放射能と地割れ程度の所に住んでるけど、
浜通りの友達に「こっちに避難する?」と言えなかった自分が後味悪い。
学生で家主でもないから、言える立場でもないが。
未だに連絡取れない(つかない)し。
732:
数年前に深夜にやっていた短編のホラードラマ
主人公は別居のため、妻に見送られ家を出た。
妻は美人で優しく家庭的な女性で、別居の準備も手伝ってくれた。
「あんな良い奥さんの何が不満なんだよ」と友人が訪ねても
「そういう所がつまらないんだよ」とウンザリしながら答える主人公。
主人公が借りたアパートに入ると、天井に不気味なシミを見つける。
「あれって霊の通り道らしいよ」と言う友人。
主人公は仕事帰りに入ったバーで女性と知り合い、交際を始める。
しかしその日から主人公の借りた部屋に、人影が現れるなど不可解な現象が起こり始める。
友人の言った言葉が気になり、霊媒師を読んでお祓いをしてもらうが
「おそらく生霊が原因、私には生霊は対処できない」と言われる。
それ以降も心霊現象が収まる事もなく、同居していた女性にも逃げられてしまう。
途方に暮れる主人公に金縛りがおき、突然背中に付きたてられる包丁。
痛みに耐えながら後ろを向くとそこには包丁を持った奥さんが居た。
場面は暗転し、主人公は植物人間になり病院に入院していた。
横には主人公の世話をする妻。
「旦那さん、こんな良い奥さんを持って幸せですね」と看護婦が言う。
微笑みながら「もう逃がさないわよ…」とつぶやく妻。
奥さん美人なのにこんな男のどこが良いんだと最後まで疑問だった。
734:
美人ほどプライドが高いので、
自分から逃げて行くものが許せないんだろう。
愛というよりはすでに復讐心。
764:
※ネタバレ注意
道尾秀介 「ケモノ」
主人公はエリート揃いの厳格な家族の中で唯一の劣等生で浪人中
ある日祖母が知人から譲り受けたという刑務所作業製品の椅子の脚がぽっきりと折れる
断面にはそれを作ったSという名の受刑囚のサインと
「犬」という字が含まれる不可解なメッセージのようなものが書かれていた
ネットでSが起こした事件について調べた主人公は妙に惹かれるものを感じて椅子の脚を持ち事件の地へと赴く
が主人公のそんな突飛な行動にも家族は何の関心も示さない
数十年前に起きたその事件とは当時18歳だったSが祖母と父と父の再婚相手である継母Y子の三人を惨殺したものだった
しかしY子が産んだ生後一週間ほどのSの異母妹だけは手にかけることができなかったという
未成年だったこともあり判決は無期懲役だったがSは刑務所内で病死した
(続く)
765:
(続き)
主人公は今では中年女となったSの異母妹がいるはずのY子の実家を訪ねるが当然にべもなく追い返される
しかし窓からちらりと見えたSの異母妹は車椅子に乗っており一目で重度の障害があると分かった
主人公はさらに事件の第一発見者の老人を探し当てる
老人は重い口を開き「あの人がやってたのは犬のやることだった」「あの子は全部を背負って生まれてきたんだ」と言う
その言葉と老人の表情から主人公は全てを理解する
名家の一人娘だったY子は職場の事故で体が不自由になったSの父を婿に取るような形で結婚した
しかし実際はY子の目当ては若く美男なSの体だった
拒めば祖母と父と自分が路頭に迷うため夜な夜なSは継母Y子の相手を続ける
やがてY子が産んだのはSの異母妹ではなくSの娘だった
そして悲劇が起きた
主人公は椅子の脚を老人に託しその地を後にして帰宅する
Sは狂気に走る前に家族と向き合ってやり直すべきだったのにと考えるが
自分もそうはできないことに主人公は気づく
家には椅子の脚が折れる直前に主人公が手にかけた
家族全員の死体が転がっているのだった
769:
私の読んでいる専門雑誌に載っていた話です。専門用語が多かったのでなるべく簡単に書きます。
ある小児科(そこの医者をBとする)にある親子(親をA,子をA子とする)が診察に訪れた。
A子は生後数か月なのに生後2ヶ月の体重よりも軽く体もアトピーだらけ。
また検査の結果栄養状態がかなり悪くなっていたため即入院となった。
入院中BはA子のレントゲン検査を何度もAに勧めたがAが拒否したためできなかった。
MRIについても
「電磁波を当てるなんて将来の副作用を考えると出来ない」
「検査で発達の遅れが分かっても治療法があるわけじゃないので無意味」
と拒否。
またぬり薬やアレルギー用の人工乳が必要なのに拒み離乳食を食べさせるよう強く要求した。
770:
最終的になんとか治療に同意し2ヶ月後にA子は退院。しかしその後もA子の発育は悪くBがAに食事内容について質問したところAが怒り出したため結局詳細を聞くことが出来なかった。
そしてA子2歳の時、骨が変形し始めた。Bは栄養不足からかかる骨の病気「くる病」を疑い全身のレントゲン検査を勧めたがAが拒否。足だけどうにか検査し「くる病」と分かった。
通院期間中Aは何度もA子の診察予約をキャンセルし、Bが入院の必要性を話してもなかなか耳を傾けなかった。
半年後、ようやくA子入院。入院後A子が何度も嘔吐し、その原因がおそらくAが持ち込んだ離乳食と考えられたためBはアレルギー用の牛乳を勧めたがAがやはり拒否。
またBが入院中にいくつかの検査を受けるよう説得したにも関わらずAが拒否したためA子は必要な時期に検査が受けられなかった。
771:
これでラスト
「入院の意味が全く理解できない」
「食事療法なら家で出来るし家の方がたくさん食べさせられるから明日退院させて」
とAは退院の旨を申し出たが同時にA子の治療薬について別のものと混同している発言をしていた。
またA子の病状から薬の増量が必要だったがなかなか同意せずBの長時間の説得によりやっと同意した。
これまでの経過からBはAが適切な栄養を与えなかったためA子が病気にかかった可能性が高くネグレクトの可能性が高いと児相に通告。
1ヶ月後A子の一時保護が決定しA子は施設で保護された。
しかしその後A子は施設で誤って出されたアレルギー源を食べ、アナフィラキシーで死亡した。
記事の主題は医療訴訟で、その後AがBが虚偽の事実で
児相に通告したと損害賠償を起こしたが棄却されたと続くのだが
ネグレクトの親からやっと保護され一安心と思ったら次の行で
「A子アナフィラキシーで死亡」と後味の悪い結果ですごくショックだった。
772:
やっと保護された先で亡くなったというか
そもそもちゃんとした食事を与えられていたら
施設に行くこともなかった訳だからな…
773:
ちなみに完全に余談ですが必要な医療を子供に受けさせないのも医療ネグレクトという虐待です。
子供を守るべき親が子供の健康を損なってまで一体何がしたかったのか、本当に理解に苦しみます。
779:
世の中にはどんなに子どもを望んでも授からない夫婦もいるのに
片やせっかく生まれた命を平気で捨てたり虐待したり放置する親(…と言いたくねぇなぁ…)が
存在するのがもうね…
784:
どこで見たかを忘れちゃったけど
風呂の水を換えない健康法だかを実践してる家庭が、ブログに経緯をあげ続けていたのを思い出した
風呂の水に日々抜け落ちてしまう生命エネルギー?だかを溜めることで、その水自体が強力な薬になる…という持論らしい
続けて〇日目!だいぶエネルギー溜まってきた☆とアップされた写真には、黒くドロドロのお腐れ水が写っていた
ある日その家の息子が転んで軽い怪我をする
消毒なんてせずにひたすらその水に浸ける親たち
たいした事なかった息子の怪我は日に日に悪化、グズグズに膿んでいく
それを「息子の体内で聖なる水が悪いものを排除している様子が分かりますね!」と喜ぶ親
悪いものはどう考えてもそのお腐れ水だと思うんだが…
今ごろどうしているのかが気になる
788:
>>784
これ嘘だよね?ネタだよね?
そうだと言ってほしい…
こんな奴らに子供育てる資格あるの
789:
>>788
マコモ風呂で検索してみ?
上の方に狂気な体験談出てくるからw
明らかに素人が見ても化膿、悪化、炎症してるのにマコモ風呂で直そうとして…gkbr
787:
スゲーな、世の中にはこんなトンデモ科学まであるのか
っていうか、これ風呂自体は汚水そのものでも利用者は効能について狂信的な信念持ってるから、
プラシーボ効果や暗示って意味では効果覿面なのかもしれないな・・・それでも理解できないけど( ´д`)
829:
アニメ版バットマンのコミカライズでの一話がすごく後味悪い
マフィアの謀略のせいで顔が半分ケロイドになった
怪人トゥーフェイスことハービー・デントの治療を支援してきたブルース・ウェイン
バットマンとしても、ブルース・ウェインとしても
友人同士だった二人の交友関係はトゥーフェイスになった後も続いていた
だが、ある日アーカム精神病院でジョーカーが面会に来た
恋人とキスをするデントをみて、あるアイデアを思いつく
ジョーカーはブルース・ウェインとハービーの恋人の恋愛(もちろんウソ)をデッチ上げた新聞をわざわざデントの独房に届ける
親友が裏切ったと思い込んだデントは脱走、
部下とともにウェインの屋敷に押し入り捕らえた恋人とともに殺そうとする
一旦ブルース・ウェインとともに捕らえられたバットマンだったが、
相棒ロビンが助けてくれたおかげで脱出
何とかデントを捕まえることに成功
「これで全て元通りだ!」と喜ぶロビンにバットマンは「それはどうかな」と指差す方向には
デントと口論をして、涙を流しながら去るデントの恋人の姿が・・・
ジョーカーの理由もひどくて「今日は火曜日だからさ!」とか半ば暇つぶし感覚でやってたのがさらにひどかった
ラストはセリフでは表現されていなかったけど、
絶望的な顔をするデントと涙を流す恋人の姿で別れを暗示させてたのも悲しかった
何よりも今まで支えてくれた恋人と親友の信頼を崩されるデントが可哀想でみてられなかった
830:
暇つぶしっていうかジョーカーの悪事に理由なんて特にないんだよ
しいて言えば「バットマンにいやがらせしたい」程度の動機
831:
>>830
確かにジョーカーはそういうキャラだけど
この話はそんなにバットマン関わってなかった
トゥーフェイスの読んだ新聞がジョーカーの仕業だったことを調べたりする以外でてこなかったし
ジョーカーもバットマンの正体がブルース・ウェインとは知ってなかった(後に知ることになる)
マジで退屈してたからトゥーフェイスに嫌がらせやりました程度で後味悪い
846:
>>831
>マジで退屈してたからトゥーフェイスに嫌がらせやりました程度
まあジョーカーだからな
832:
中井英夫「笑う椅子」
外国のファッション誌に夢中になっていた明子は、一人息子の声が聞こえない事に気づいた。
また姑の部屋だ、と舌打ちしたい気持ちで離れに行くが、息子はいない。
姑は電気もつけずに月光の庭を見ている。
「お義母さま、忠博はこちらに参っておりませんの?」
「さあね、おおかた庭で遊んでいるのだろうよ。お前さんに似て月の光が好きなようだから」
姑は明子が結婚前からの恋人と不倫中なのを気づいていた。
明子は夫の留守に恋人と庭で戯れていて、女中には口止め料を握らせていたが、姑はとっくに口を割らせていた。
「結婚前にケリをつけたものだと、探偵の報告を鵜呑みにしていたが…」
833:
「あたしゃよーく考えたんだ、忠博は息子の種じゃない、不倫の托卵だってね…どこにやった、って?さあね、古井戸のへんで遊んでいるのだろうよ」
古井戸の横に食堂の椅子が踏み台のように置かれていた。
井戸の蓋は外れている。
わざわざ椅子を運ぶくらいだ、幼児を椅子にのぼらせて井戸を覗かせ突き落とすだけでは足らず、細い首を絞め上げて死体を投げ落としたに違いない!
…明子は椅子を引きずって離れに戻り、
「どうおしだい、お前のかわいい忠博は」
と揶揄する姑を椅子で殴打した。
背後で忠博と女中の悲鳴がした。
姑は明子を問い詰める前に、ちゃんと孫を女中に子守りさせていたのだった。
短編の中の1エピ。これが一番後味悪かったのでピックアップした。
836:
角川ホラー文庫最初期のアンソロで読んだ短編をうろ覚えのまま投下
「私」は落ちぶれた旧家の次男、法事のために久しぶりに帰省した。
雨模様で、バス停には兄嫁の咲子が傘を持って迎えに来てくれていた。
兄より随分年下の咲子は相変わらず若々しく美しいが、片目を黒い眼帯で隠している。
まだ義眼を入れてないのか…と、「私」は愕然とした。
年の離れた兄が咲子と結婚した時、「私」はまだ小学生だった。
「本家のお嫁さん」である初々しい咲子を、皆ちやほやした。
おっとりした咲子は「私」にも優しかったが、思春期にさしかかっていた「私」はなんとなく眩しい存在と思って距離をおいていた。
837:
ある日「私」は咲子の用便を覗いた。
昔の農村なので、便所は汲み取り式。
低い位置の換気口(?)から覗くと白い脛と尻が見えた。
それだけでなく、何か赤黒い塊が便槽に落ちるのも見えた。
みんな咲子ねえさんが鬼女だって知らないんだ、咲子ねえさんが赤ん坊を食い殺して残骸を捨てた!
と思い込んだ「私」は昼寝中の咲子の片目に尖った物を突き立てた。
大方の予想通り、咲子は月経中で脱脂綿だか込め玉だかを捨てただけだった。
咲子はそのせいで障害者になり、兄が死んでも再婚もできず義親に仕えている。
実家に向かう途中、「私」は咲子に土下座して詫びた。
咲子は困ったような顔で、
「いいのよ、あなたは子供だったんですもの」
と微笑んだ。
838:
(「私」と咲子は事件以来顔を合わせていない。兄夫婦が独立したのか、「私」が親戚に預けられたのかは忘れた)
途中で実家に電話を掛け、咲子さんが迎えに来てくれた、雨宿りで少し遅れる、と伝えた「私」に母がわけのわからない事を言った。
…「オサキサマ」が「私」を連れて戻ってくる、「オサキサマ」さえ戻れば再興できる、と父が言った…
…「オサキサマ」なんかどうでもいい、「私」さえ無事ならお家再興なんかどうでもいい…
…事件直後の事はあまり覚えていないが、今ぼんやりと思い出した事がある。
咲子の目を刺したら、血と一緒に黒い毛がびっしり生えた触手のような物が飛び出したのだ。
「私」のうなじに生臭い息が吹きかけられた。終
839:
終始「私」視点で、真相が明かされないのが後味悪い。
たぶん咲子は守り神or生け贄が必要だが願いを叶えてくれる化け物なんだろうけど。
ずっと後に漫画版を読んだが、こっちはお寺に下宿してる女子大生と住職の孫だった。
856:
藤崎竜「milk junkie」
地球に似た惑星の無法地帯「ジャンク・ジャングル」
エンダー青年は違法行為もまかり通るこの場所にある薬局を訪ねてきた。
エンダーは低身長なのをコンプレックスにしており、背を高くする薬物を買いにきたのだった。
エンダーの悩みを聞いた薬局の女店主は秘薬として「背が伸びる牛乳」を売る。
牛乳は強烈な依存性があること、背が伸びすぎるおそれもあるので摂取量を守ることを女店主はエンダーに言う。
秘薬の牛乳を飲んだエンダーはぐんぐん身長を伸ばしてゆく。
「これからは普通の牛乳でも伸びてゆく。ただし使用上の注意は…」
エンダーは女店主の言葉を遮って帰宅。牛乳1リットルを飲んで眠りにつく。
翌日、エンダーは大男になっていた。
「摂取量を間違えたのか?」と不振に思ったエンダーは慌てて秘薬の牛乳瓶に書かれた注意書きを読む。
その注意書きをよく見ると、摂取量に細工がされていた。(一桁多く摂取量がシールで付け足されていた)
女店主に騙されたことを知ったエンダーは薬局に向かうも、既に店は潰れていた。
とぼとぼと町を歩く大男エンダー。
そこに漂う乳製品の香り。
過剰な牛乳の摂取により牛乳中毒となったエンダーは町中の乳製品を喰らって巨人化してゆく。
海外の軍が巨人エンダーにミサイルや核を打ち込むも効かず、エンダーの進行を食い止めることはできない。
ついにエンダーは牛乳を含めた惑星の全てを平らげてしまった。
857:
荒廃した惑星に座り「もうこの惑星には牛乳がないや。これから俺はどうなるんだろう?」と呟くエンダー。
そこに宇宙船に乗った薬局の女店主が現れる。
お前のせいでと責め立てるエンダーに「繰り返し注意はした」と返す店主。
女店主はエンダーの姿に哀れみを抱き、エンダーに近い大きさの巨人の星へ彼を送ると提案した。
「巨人の星に到着するころには牛乳依存症も治るでしょう」
女店主の言葉を信じ、エンダーは巨人の星へ旅立つ。
残った女店主は荒廃した惑星に薬局の看板を掲げる。
彼女は自らの営業成績を上げるため、エンダーを利用して世界中の生物を抹殺して惑星ごと手に入れることに成功したのだった。
それから半年後、地球と呼ばれる巨人の惑星にエンダーは到着。
痩せこけて骨皮になったエンダーを少女が発見する。
水を欲するエンダーに少女は「水は無いけどこれなら」と牛乳を差し出すところで終わり。
惑星を滅ぼしたエンダーが悔やんでいたのが人間を滅ぼしたことではなく
「牛乳がない」というところがエグかった。
藤崎竜の短編はポップな絵柄なのにエグい話が多い。
871:
自分が中学一年の夏休みの時の話。
当時自分は卓球部で、練習試合に他校に行くことになった。
事故ったりするといけないので、絶対に電車で来いとの話だった。
そのことを父親に伝えたら「電車代が勿体無い。何が何でも自転車で行く」と言い張られた。
父親は今で言うところのDV&モラハラ人間。
口も立つから、結局言い負かされて、半泣きで当日父親と一緒に自転車で他校に向かうことに。
今思えば、父親に内緒で勝手に一人で電車で行けば良かったのだが、確かお金がなかったのと、精神的に完全に親に支配されていたのかな。
で、自転車で向かう現場を途中でバッチリ部活の先輩に見られた。
他校に着いたら「お前、自転車で来ただろ!」と集団で責められ(当然とっくに父親は帰宅済み)、すぐに部長たちが顧問にそのことを報告していた。
顧問はガタイがめちゃくちゃ良い人で、部員を殴り飛ばしたりしたこともあったから、呼び出しにビクビクおびえていた。
けれど、その日は何も言われずに終了。
あれ?別に良かったのかな?と疑問に思いつつも帰宅。
ところが、その後いつまでたっても練習の連絡等が来ない。
当時は携帯も普及していなかったし、女子の部員は自分だけで、
おまけに嫌われていたから、誰にも聞けなかった。
873:
すみません、携帯からだったのでおかしくなっていました。
パソコンからですが、同じ人間です。続きですが多分これで終わります。
そうしたら、夏休みが終わる直前ぐらいに「お前が前に自転車で来たから、その後の練習には出さないっていう話になってた」と誰だか忘れたけど部員から連絡が来た。
私がいない間に練習試合とかも沢山あったみたいだけど、それも全部教えないようにと全部員に顧問が話したそうだった。
結局、夏休みが終わったらまた普通に部活には参加させてもらえたけど、
顧問からは一切直接その件に関しては触れられなかった。
自分が悪いことをしたんだから自分から言うべきだったんだろうけど、父親がそういう人でって説明出来る自信もなかったし、多分話しても言い訳だと思われたと思う。
何が後味悪いかって、最終的にその件で部活内のいじめが悪化して退部することにしたんだけど、それを父親に話したら「どうせそんなことだろうと思ってたよ!」と物凄く馬鹿にされたこと。
あれにはさすがに腹が立った。
更に後味が悪いのは、そんな父親が病気で見る見るうちにやせ細り、
数年後に呆気なく莫大な借金を残して死んでしまったことです。
父親のことは総合的には好きだけど、この一件はいまだに納得いかない。
死んじゃったから、もはや話すことすら出来ないっていうのが…
878:
>>873
何と言う……。あなたは悪くないよ
まあ、説明はしたほうがいいと思ったけど
その顧問も陰湿な野郎みたいだから聞かなかったろうな。
しかしまあ、陰湿なマッチョ野郎ってのは多いね。
あれ何なんだろうな。
882:
>>878
ありがとうございます。
顧問は陰湿というかとにかく単純で、立場が上の人間が言っていることを全て信じて、
何かとペナルティをつけるのが好きでした。
顧問のことは嫌いではなかったので、ちゃんと話して分かってもらいたかったかなと思います。
915:
森村誠一「黙契」
主人公は、ふとしたきっかけから世間に存在する「黙契」というものに気づく
黙契とは、法律で決められたわけではないし、常識ともまた少し違う
個人間や社会の間で何となく決められた、いわゆる暗黙の了解ってやつのこと
例えば、電車やバスに乗るときに互いのパーソナルスペースを極力侵さないとか
自分と相手との間柄において、何度目のデートでどこまで行くかとか
いくらくらいまでならご馳走になっていいとか、借金を申し込むとしたら
いくらくらいまでならOKかとか、いろいろな場面に黙契は存在し、
それを破るものは厄介な奴として疎まれる
さて、主人公が働いている某企業厚生課は、花形部署でこそないが
課員は皆仲が良く、和気藹々とした職場だった
そこへ、営業畑から異動してきた係長がやってきて状況は一変する
係長は営業畑出身者らしく「営業に直接関係ない部署でも
社の利益に貢献してもらわないと困る、鉛筆1本節約すれば
それは鉛筆1本分の利益を会社にもたらすのだ」と言い、
文具をケチったり、課員が就業時間中にトイレに立つ時間を密かに数えて
表にして張り出し「就業中に時間の無駄使いをするな」と説教したりした
つづきます
916:
今まで平和だった課の中に激しい不協和音が沸き上がるが、
上司の課長は人はいいけど何もできず、係長は課員の不満などどこ吹く風
係長は仕事のうえでも非常に締め付けが厳しいうえ、性格的にも強欲で図々しく
飲み会には必ず首を突っ込むが絶対に部下には奢らない、
課のアイドル的存在の女性社員にまとわりつく…など許し難い行動が重なった
ある日の飲み会で二次会に行くまでに係長を撒こうとしたのだにかなわず
係長がついてこようとしたとき、課員たちはついに行動を起こした
会場近くの自殺の名所に係長を連れていき、主人公は係長を突き落とした
その後、酔った係長が足を滑らせて海に落ちたと課員全員が口裏を合わせた
厚生課は再び和気藹々とした部署に戻り、主人公はアイドル女性社員と婚約した
主人公とアイドル社員との婚約は厚生課における「黙契」だった…で話は終わり
ごく普通のブラックな終わり方のミステリーと言えなくもないんだけど、
一見嫌な奴、不協和音を撒き散らすだけの係長にも一理あるのはあるんだよね
主人公の課は和気藹々としていて確かに居心地は良さそうなんだけど、
営業じゃないしノルマもないからと経費節減のこともほとんど考えておらず、
タイムカードを押してからダラダラと支度したりなど
いろんなことがナアナアになっててルーズっぽくて、
その上に成り立つ居心地の良さなんだろうなと推測できる描写がいくつかある
ちなみに、アイドル女性社員は就業時間中2時間45分をトイレ休憩に費やしている
(係長のカウントで判明)
そういう部分って、回り回れば会社には不利益をもたらすわけで
係長のやり方は極端すぎてまずいにしても、考え方の一部は共感できるんだよね
黙契を振りかざして自分たちの身勝手な権利を守る課員たちもどうなのよ、と
919:
>>916
〆の厚生課のgdgdを聞くと係長がマトモに見えるけど、
それ以外の性格面がアレだから結局どっちもどっちって感じがするな・・・だから殺していいって話にはならんがww
982:
世界の時間を巨大な時計が司っている、そんなファンタジーな世界が舞台。
主人公はとある島で、母と二人で暮らしている少年(父親は旅に出ている)
少年は一見元気だが、実は病弱で余命が残りわずかだった。
ある日、父の部屋にあった不思議な道具と、謎のハトを発見する。
ハトが言うには、その道具にはこんな効果があった。
『所有者の時間を進めて未来の自分になれる代わりに、時間軸にズレが生じ、使用者の事が周りの人間に忘れられてしまう』
未来の自分への興味を持ちながらも、母や周囲から孤立するのを恐れて、少年はその道具を使わずにいた。
丁度そのころ、島には一人の老人がマジックショーを開きに来ていた。
少年も見に行きたがるが、母は病気の少年の身を案じて、外出を禁じた。
しかし、少年はそれでも無理に飛び出してきてしまう。
ショーに到着した少年が目にしたものは、例の道具と似た物を使う老人の姿だった。
老人は時を操って自分の姿を若返らせたり、恐竜の化石を復活させて島の人々を襲っていた。
少年も襲われそうになるが、間一髪で母が主人公を庇い、怪我をする。
少年は母を、そして島の人々を守るため、父の部屋にあった道具を使い、老人に戦いを挑んだ。
983:
老人を撃退し、なんとか事なきを得た少年。
しかし、やはり母は、自分の事を忘れてしまっていた。
もうこの島には…いや、この世界には、自分の事を知っている者はいない。
いるのは、ハトの相棒だけである。
途方に暮れる少年に、ハトは言う。
「世界にはまだまだ似たような道具があり、中には時間を進めるだけでなく、『戻せる』道具もあるらしい」
自分の時間を取り戻し、母に自分を思い出してもらうため、少年は孤独な旅に出た。
物語のラストで、母は少年が残した置手紙を目にする。
誰の物か分からないはずの手紙を読んだ母の目には、何故か涙が溢れていた……
これで終わり
当時の本が手元にないから確認できなくて、細かい部分が違ってたらゴメン
一応希望を持たせた終わり方だけど、まだまだ子供だった主人公が孤独なまま旅立っていくのは辛いだろうな…って感じた
何より辛いのはこれが読み切りで終わって続きが見られなかったこと
ぜひ連載してもらって、続きが見たかった
そして少年には幸せになってほしかったよ…
99

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彡(^)(^)「遊泳禁止やけど飛び込んだろ!」

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陽キャ 「あっ!犬が溺れとる!…せや!まずカメラを…」 俺「どいてろ無能」

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【閲覧注意】後味の悪い話『道の真ん中の赤子』

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