みほ「フリースタイルバトル?」back

みほ「フリースタイルバトル?」


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【文部科学省学園館教育局】
理事長(戦車道連盟)「…………」
理事長(大学選抜と大洗の件はすでに済んだはず……この急な呼び出しは一体なんなのだ)
理事長(2年後の戦車道世界大会について何かしら相談でもあるのだろうか?いや、それならば戦車道連盟を通さずに私に直接連絡はしないはず……)
理事長(……今考えても仕方あるまい。とりあえず話を聞いてからにするとしよう)コンコン
役人「どうぞ」
理事長「失礼します」ガチャ..バタン..
理事長「……お疲れ様です。急なご連絡で驚きました。どのような……」
役人「うぇいよー!」
理事長「………………は?」
役人「♪YO!私は役人 国家公務員 事務的トーク かなりDope Shit」
理事長「………………」
役人「♪メガネはもちろん高級ブランド 高給取りで余裕で豪遊!」
理事長「………………」
役人「♪それが役人 辻廉太 理解したら今すぐput your hands up!イエー!」
理事長「………………」
役人「…………………」
----------------------------------------------------------------------------
4: 以下、
理事長「……………………あの、ご用件は……」
役人「フリースタイルダンジョンというテレビ番組をご存知ですか?音にノリながらラップで言い合いをする、俗に言う『MCバトル』ですね」
理事長「え?あ、ええ。存じておりますが」
役人「それならば話は早い。今回ご足労いただきましたのはフリースタイルバトルについてなのです」
理事長「……は、はあ…………何故そのような話を私に?」
役人「私がある日、ふと何気なくテレビを付けた時に偶然あの番組が放送されていましてね。最初は内容もよくわからず流し見していたのですが……」
役人「スキルだけではなく生き様や駆け引き、音楽的センスなど諸々を含んだ彼らの熱いバトルにいつの間にか引き込まれ、そのバチバチなバイブスにアガってしまいましてね。今やレペゼン文部科学省学園館教育局ですよ」
理事長「は、はあ……なるほど。それは結構なことですな。しかし、何故私が呼ばれたので…」
役人「文部科学省学園館教育局に勤めるブラザーとチル(リラックス)してた時にフリースタイルの話になりまして、ブラザーから理事長のお名前が出たのですよ。なんでも、昔フリースタイルをかじっていたとか」
理事長「……!」
役人「フリースタイルと戦車道を秤にかけ、結果戦車道を選び現在に至る……確かKODAMAと名乗っておられましたか。いやはや、意外すぎて驚きましたよ」
理事長「……隠していたわけではないのですが」
役人「他にも調査をした結果、この国にはフリースタイルロード……通称FSRというものがあったというじゃありませんか。今では連盟は解体し、その名を聞くことすらありませんが」
理事長「剣道や戦車道のように健全な精神を培う目的意識をもった競技ではありませんから……あ、いえ、この言い方では語弊がありますな。フリースタイルを勉強の枠内に入れることがナンセンスという意味です」
役人「わかります。ラップの基礎を講師に教わるのが悪いとは言わないものの、誰かに習うよりも自分自身や仲間と向き合いながらラップをしていく方が自然、ということでしょう?」
理事長「はい。クローズアップされるのは喜ばしいことですが、どん底から這い上がるようなハングリー精神に満ちた匂いが消えてしまうのはHIPHOPの良さを薄めてしまいかねません」
役人「その気持ちもわかります。しかし!」
理事長「?」
役人「……その考えが、すでに前時代的だと私は思います」
理事長「え?」
役人「フリースタイルバトルをあの番組による一時のブームで終わらせないためにも、ラップをする環境を設ける必要があるとは思いませんか?」
理事長「それは……」
役人「人の顔色を窺い、空気を読むことが重視される昨今、フリースタイルバトルで相手のコアをディスし合える環境があるということが重要です」
理事長(さっきから口調にちょくちょくスラングが混じっている……堅い人だと思っていたがずいぶん染まったものだ)
役人「場所さえ用意すれば、人は十人十色。それぞれが個性をビートに乗せてラップして熱いバトルを繰り広げてくれるでしょう」ウンウン
理事長「確かに。しかしHIPHOPは別に路上の片隅でもどこでも人間さえいればできるものでして、わざわざ第三者が場所を提供…」
役人「うぇいよー!」
理事長「っ!」ビクン!
役人「細かい話はやめにしましょう……今から通達するのは確定事項ですのでよく聞いてください」
理事長「え?あのしかし……」
役人「うぇいよー!よく聞いてください」
理事長「…………はい」
理事長(うぇいよーで誤魔化されてしまった……)
5: 以下、
役人「文部科学省学園館教育局の許可が下りましたので、FSRの復活が正式に決定しました」
理事長「…………え!?」
役人「それに伴い、大々的に宣伝するため、戦車道履修校の協力の元、フリースタイルバトル大会の開催が決定。日程は未定ですが、遅くても3ヶ月以内の予定です」
理事長「ちょ、ちょっと待ってください!何故そこで戦車道が出てくるのです!?私が昔ラップをしていたと言っても、彼女たちには関係ないでしょう!?」
役人「理事長の過去とは無関係です。2年後の世界大会やプロリーグなど、戦車道は注目を集めていますので、彼女たちに依頼するのがベストと判断しました」
理事長「いやいやいや……」
役人「当然、プロとして活動しているラッパーを集めたイベントであれば盛り上がるのは確実ですが、それよりも戦車道の子たちがラップをする方が意外性があります。FSR連盟の復活には若い力が必要とされていますしね」
理事長「であれば高校生ラッパーでもいいのではないでしょうか?レベルの高い人は数多くおります。わざわざラップの素人である彼女たちを無理 矢理引っ張り込むのは……」
役人「彼女たちが女性であるからこそ意味があると言えます。今現在フィメールラッパー(女性ラッパー)はあまり多くありませんが、FSRが存在していた時代は男性とほぼ変わらない人数だったらしいではないですか」※ガルパン世界でのおはなし
理事長「……確かに、熱い時代でした」
役人「であれば女性がFSRに参加しやすい状況を作るにはもってこいの人選だと思います。それにFSR連盟と復活を支援する企業各社から寄付金などが寄せられています。その中からイベント開催費用の一部を優勝賞金とすれば、優勝校はなかなかの額の資金が得られます。そうなれば戦車の購入とまではいかなくとも、パーツ代や戦車の修理費用など、使い道は充分にあるでしょう。もちろん、寄付していただいた各社からの了承は得ています」
理事長「しかし、高校生が賞金を巡ってバトルするというのはイメージが良くないと思いますが……」
役人「…………確かに。では寄付金は戦車道連盟へとしましょう。賞金が無いからといって適当にやる子たちでもないでしょうし」
理事長「ほう……意外と言ったら失礼ですが、彼女たちを認めてくれてはいるのですな」
役人「……あくまでも客観的意見です。それはともかく、私が理事長をお呼び立てしたのは、大会についてお知らせするのともう1つ、審査員をお願いしたかったからなのです」
理事長「審査員……」
役人「ええ。他の方数名にもお声かけしております。司会は私が務めますが、審査はやはり経験があり信頼のおける方でなければいけませんから。その点、理事長は完璧に条件を満たしていますから。一緒にフリースタイルバトルを最高に盛り上げましょう」
理事長「辻さん……」
役人「RENTA THE FUTUREで構いません。今この時から、私たちはドーグ(仲の良い友達)です」
理事長「……いえ、やはり戦車道の子たちにやらせるのは難しいのでは?イベントは失敗するわけにはいきないでしょう?素人が3ヶ月間の練習だけで客前に出てまともなバトルができるようになるとは思え…」
役人「うぇいよー!」
理事長「っ!」ビクン!
役人「確定事項ですので何を言われてもうぇいよーです。ここに誓約書を用意しました。ご協力いただける旨、記載をお願いします。口約束は約束ではありませんので」
理事長「しかし…」
役人「うぇいよー願います!」キラリ!
理事長「う…………」
理事長「………………わかりました……」
理事長(勢いで押されてしまった……一体どうなるのだ……)サラサラ..
6: 以下、
【大洗女子学園 体育館】
みほ「ふ、フリースタイルバトル?」
杏「そ。うちも出場するから早いとこ強くなんなきゃねー」
優花里「急すぎて何がなんだかわかりません!」
麻子「寝耳に水……」
沙織「麻子が寝すぎだからだよ!起きてたら水入らないもん!」
華「沙織さん、そういうことわざですので……それに水が無ければ花を生けれません」
麻子「人の耳に生けないでくれ」
桂利奈「私知ってるー!テレビでやってるやつだよね!」
スズキ「んー、観たことあるようなないような……」
典子「バレー部は復活しないのにFSRは復活するのか……理不尽な世の中だ!」クッ
そど子「なんで私たちがラップなんてしなきゃいけないのよ。断ればいいじゃない」
柚子「別に強制参加ではないみたいだけど…」
桃「戦車道連盟が関わっているからな。戦車道履修校は参加した方がいいだろう」
杏「実際、全国大会に出てたチームもほとんど参戦するみたいだし。ほら、これ参加校一覧のプリント」
あゆみ「あ、やっぱりサンダースは出るんですね。ラップってアメリカって気がするもん」
梓「アンツィオも参加するみたい。お祭り騒ぎがしたいだけって感じがするけど」
ねこにゃー「く、黒森峰も出るんだ……」
みほ「あ、ほんとだ。さすがにお姉ちゃんはこういうの参加しないだろうけど」
杏「というわけで大洗も参加することになったからねー。で、練習は明日からすぐやるよー♪今日はルールとかをざっと説明するから。小山よろしくぅ」
優花里「なんかとんとん拍子で話が進んでいきますね」
華「大人に振り回されている感じがアクティブです」ニコニコ
麻子「いや、受動的だから非アクティブだろう」
柚子「では説明を始めます。まずフリースタイルバトルのルールだけど、各校メンバーはレギュラーが3人。試合では1対1の戦いになります」
妙子「1人ずつなんだぁ。コンビネーションを見せるチャンスがないよー」
忍「ほとんどが素人だから1人の方が安定するんじゃない?」
柚子「バトルは8小節の3ターン」
みほ「え、ええと……?8小節はなんとなくわかるんですけど、3ターンってどういう意味なんですか?」
杏「例えば、西住ちゃんと私がバトルするとしたら、西住ちゃんが8小節をラップしたら、次は私が8小節やる。これが1ターン。それを3回繰り返したら終了ってことね」
みほ「あ、なるほど……3往復という意味なんですね」
柚子「8小節3ターンが1ラウンドになります。ラウンド数は最大3つ。そしてラウンド毎に5人の審査員による審査でどちらが勝ったかを判定。もちろん、数の多い方の勝利です」
桂利奈「じゃあ1ラウンド目で5人全員に選ばれたら超有利なんですね!」
柚子「あ、ううん。そこはちょっと違うの。判定の数は次のラウンドに持ち越せなくて、ラウンド毎の勝ち負けで決めるんだ。ようするに、3ラウンドのうち2ラウンド獲った方が勝ち」
桂利奈「なんだー……残念」
柚子「そうでもないよ?5対0で勝った場合、クリティカルヒットとしてその時点で試合に勝ったことになるよ」
桂利奈「ええっ!?すごい!クリティカルヒットってすごい!なんか響きが!」
沙織「…えっと、例えば1ラウンドを3対2で勝ったとしても、2ラウンドに0対5で負けたらおしまいってことですか?」
柚子「うん、そうなるね」
沙織「ええー!油断できなくて超怖いじゃん!」
7: 以下、
エルヴィン「逆に言えば、戦闘を長引かせないよう迅に仕留めるのも可能か。電撃戦なら任せろ」
おりょう「二の太刀いらず……示現流ぜよ」
ホシノ「ただロケットスタートで決めにかかったもののオーバーテイク出来なかった、なんて展開になると後半息切れするかもしれないな」
左衛門佐「兵糧攻めか!」
カエサル「おのれ姑息な!」
麻子「それはただの自滅だろう……だがその辺りは相手や自分のコンディションやらを考慮する必要がありそうだ」
柚子「うん。このルール自体はあの番組と同じというかパクリなんだけど、1つ違うのが勝ち抜き戦ってことなの。相手チーム全員倒さないといけない」
妙子「えーーっ!?」
紗希「………………」
あや「紗希もすごくビックリしてる!」
ももがー「そ、そうは見えないナリ」
優花里「戦車道で言う殲滅戦のようなものですか……ではワンマンチームでも勝ち上がれる可能性があるというわけですね!」
みほ「でも、プロでもないのにそんなに続けて戦えるかな……」
杏「確かにね。素人の私たちじゃ引き出しもそんなないし。だからストックと即興のバランスが重要ってことだね」
華「なるほど。事前にラップの内容を準備するにしても、用意周到すぎるとネタ切れ時の落差が露わになってしまうというわけですね」
ナカジマ「じゃあ逆に何も考えない方がいいのかな?って、それだとグダグダになっちゃうか……難しいところだね」
杏「まー、その辺はおいおい考えよーよ。小山、続きおねがーい」
柚子「はい。次はバトルでは何が重要かについて説明します……って、これも例外があるというかいくつもの要素が混じり合ってるから一概には言えないんですけど……」
杏「だろうねー」
柚子「パンチライン、フロウ、ライム、バイブス、キャラクター、ワードセンス、アンサー、ディス……この辺りが重要、と思います」
優花里「ぱ、パンチラ!?に、西住殿のパンチラ……///」
みほ「な、なんで私なの!?」
柚子「うん、ベタベタだけどそうなると思った。パンチラじゃなくてパンチラインね。ジョークの混じった気の利いた決め台詞のような?うーん、説明難しい」
杏「例えば『負けるためによく来たな』に対するアンサーで『そういうでかいクチ叩くヤツが負けた時の顔を来たんだ』みたいな感じ?」
桂利奈「わかんなーい」
杏「相手の言葉に対して気の利いた言い回しをするいうか……アメリカンジョーク的な感じ?かなぁ」
あゆみ「あ、でもちょっとわかるかも。映画とかでありがちなウィットに富んだセリフみたいな?」
優季「そうなんだ??例えばどういうの?」
あゆみ「例えは…………ちょっと1個も出てこないけど」
優季「あはは。ダメダメだ?♪」
柚子「フロウはラップのアプローチの仕方。声の高低、強弱、スピード、リズムに乗ったりちょっとズラしたり、喋るようにとか歌うようにとかだね」
杏「フロウはちょー重要だけど……まぁ、上手く伝わらないからねぇ」
柚子「……会長のおっしゃる意味がよくわかりません」
杏「いや、聴けば『おおー』ってなるとしてもまぁ………ねぇ……」
柚子「………………」
杏「…………………」
柚子「……次はライムですね。言葉の母音を合わせること。韻を踏むという意味です」
優花里「に、西住殿に踏まれるなんてぇ……///」モジモジ
みほ「そっち!?母音の方じゃないんだ!?」
8: 以下、
そど子「ぼ、母音を合わせるってどういうことよ!校則違反なんじゃないの!?」
パゾ美「絶対ならないよそど子。落ち着いて」
麻子「『回転』と『採点』がそうか。『aien』で一緒だ」
柚子「さすが冷泉さん!その通りよ!」
優花里「ち、ちなみに小山殿。バイブスの説明だけ西住殿に代わっていただけないでしょうか…//」ハァ..ハァ..
みほ「それ、ひどいセクハラだからね優花里さん」
柚子「ごめんね秋山さん。西住さんも知らないと思うから私が説明するよ」
優花里「そうですか……」シュン
華「ドンマイですよ優花里さん。諦めずチャレンジを続けましょう!」
沙織「いや、反省させるべきだと思う」
柚子「バイブスの意味は、『ノリ』とか『テンション』、『フィーリング』、『雰囲気』、『気合い』とまぁ……色々な意味で使われる言葉で、簡単に言うと『場を盛り上げる』とか『熱量を高める』……説明が難しいけど、熱い感情をぶつけるようなラップだったり、テクニックとかでお客さんを盛り上げることがバイブスによる評価に繋がる……という感じかな?」
優花里「難しいですね……この……ば、ば…………なんでしたっけ?西住殿」チラ
みほ「他の要素はどういう意味なんですか?」
優花里「うぅ……目もくれないとはこのこと……」ガクッ
杏「残りのはもうそのままの意味だねぇ。ワードセンス、キャラクターとか。で、アンサーは相手のラップに対する返答。このアンサーがかなり大事だね。即興性の証明にもなるから的確な返しが出来ると盛り上がるし、審査員のポイントも高いよ」
華「あのー『でぃす』とはなんなのでしょうか?ディスカウントの略でしょうか?」
杏「んー、違うねー」
柚子「ディスはディスリスペクトの略で、他人をけなすことだよ」
麻子「そど子が日常的にやっているな」
そど子「やってないわよ!人聞きの悪いこと言わないで!」
優花里「そ、そんなぁ……西住殿にメスブタなんて言われたら私……どうにかなっちゃいますぅ///」
みほ「言わないからどうにもならないままでいてね」
杏「ま、説明はここまで。このあとはあのメガネ役人がハマったっていう番組の鑑賞会するから、それ観てイメージを掴もう」
?鑑賞後?
みほ「こ、これは大変だよ……」
沙織「う、うん」
杏「んー、やっぱりラップの時は『だぜ』とか『どきな』とか、男言葉の方が良さげだね。使い勝手がいいし、聴く方もしっくりくる」
柚子「や、やっぱりそうですよね……『○○じゃないの?』より『○○だろ?』の方がコンパクトですし。あ、このですます調でディスも迫力欠けますもんね」
杏「キャラにもよるけどね」
柚子「でも……うぅ、抵抗あるなぁ……桃ちゃんみたいな喋り方するの」
桃「どういう意味だ!」
麻子「ふむ……ライムというのは面白いな。面白い……このひどい、園みどり、子の祈り……こういう踏み方もアリか」
そど子「何を祈ればいいのよ!教えなさいよ!」
ゴモヨ「いちいち真面目に返すよねそど子は」
杏「このDVDは視聴覚室に置いとくから観返したかったらいつでも言ってね?。んじゃあこれから早バトルしよっか。とにかく数こなしてスキルを上げてかないとね」
ぴよたん「さ、早バトル……会長が本気っちゃ」ゴクリ
9: 以下、
1ヶ月後
【体育館】
杏「これから大会に出るメンバーを発表するんだけど………みんなよく頑張ったねー。特に西住ちゃん。ディスとか苦手っぽいのにさ」
みほ「ふぇ!?あ、は、はい。でもその……割り切ってズバッて言うのが結構その……気持ちよかったので……///」
華「ここ最近のみほさんのディスは容赦なかったですものね」
沙織「……私、みぽりんに『散々バカやらかしたお前の三段腹にメガネ挟んでやる』って言われた時、ショックでマイク落としちゃったよ……」
みほ「ご、ごめんね沙織さん!悪気はないの!」
桃「しかし……意外となんとかなるものというか……みんな大分上手くなったな。最初の頃が嘘のようだ」
優季「だって楽しいんだも?ん♪」
桂利奈「ちょー熱中しちゃったよね!」
あや「というか桃ちゃん先輩が下手すぎ……」
桃「なんだと!」
杏「これなら大会でも戦える……と思う。相手がどれだけスキルがあるかわかんないからあくまで希望的観測だけど」
優花里「申し訳ありません……偵察を試みたのですが……どこの学校もガードが固くて……」
杏「しゃーないよ」
優花里「でも……///」
杏「ん?」
優花里「偵察失敗後の西住殿とのバトルで『3秒待機することも出来ないくらい痛めつけてから放り出す お前なんか産業廃棄物』ってディスられて……あぁぁ?///」トローン
みほ「ご、ごめんなさい!でも微塵も思ってないことなの!」
沙織「でもなんかグサッとくるよね……」
麻子「相当ストレス溜まっているのか?」
華「みほさんは意外とドライな一面がありますよ?会長が思い出話をしていたら『いや、思い出話はいいですから』とバッサリ切り捨てられたと聞きました」
沙織「ええっ!?みぽりん……」
みほ「ま、待って!そこだけ切り取られたら本当に私が嫌な感じになっちゃう!」
杏「……さて、んじゃあメンバー発表といこうか。かぁしま」
桃「はい!ではメンバーを発表する」
全員「………………」ゴクリ
10: 以下、
桃「まずは会長!」
杏「ん」
桃「次に冷泉!」
麻子「…………」コクリ
桃「そして……西住!」
みほ「は、はい!」
桃「この3人がレギュラーメンバーだが、体調不良等で出場できない選手が出た時のための補欠が1人必要になる。その補欠選手は……」
全員「…………」ゴクリ..
桃「……阪口!」
桂利奈「えっ!?は、はいー!?わ、私!?」
桃「そうだ」
梓「やったね桂利奈ちゃん!」
桂利奈「な、なんで私なんですか?」
杏「アニメとか漫画ネタの知識量では圧倒的で、意外とハートも強かったからね。リズム感もいいし」
麻子「確かに……バトルの時、アニメネタに対するアンサーは意外と難しかった。苦戦した憶えがある」
柚子「でも反省会でその議題が上がったあとに開催した、アニメと漫画知識の共有会でみんなかなり鍛えられたよね」
みほ「はい……でもあの鑑賞会は辛かったなぁ」
沙織「そうだね……桂利奈ちゃんの早口解説付きの名作アニメ一挙全話とか……」
優花里「ええ……解説はわかりやすいのですが、その声を受けつつ、時短のために再生度を上げているアニメの内容もちゃんと聞いていないといけませんでしたから……」
麻子「眠気が一番の敵だった」
杏「まーまー。みんな知ってる作品はお客さんのレスポンスも得やすいから観ておいて損はないよ」
桃「実際、作中のセリフ回しや構成などから学ぶこともたくさんあったはずだしな」
みほ「それは……」
麻子「確かに」
桃「……というわけで大会に出場するメンバーが決まったわけだが、不満のある者はいるか?」
全員「……………………」
桃「……いないようだな」
柚子「うん。みんな納得できる人選だと思う。会長の総合力は頭一つ抜けてるし、西住さんのディスと返しは抜群。ライムでは冷泉さんに誰も勝てない」
桃「よし!では今日からは代表メンバーを徹底的に鍛えていく!だが他のメンバーも仕事はあるぞ!対戦相手を務めるのはもちろん、様々なサポートに従事してもらうぞ!」
全員「はい!」
11: 以下、
1ヶ月後
【フリースタイルバトル会場】
みほ(ライブハウスなんて初めてだから緊張するなぁ……)ドキドキ
ギィ..
みほ「うわ、すごい人だかり……200人くらいいるのかな?」
沙織「2階席もあるしもっといるんじゃないかな?それにしてもお客さんが戦車道の時とはちょっと違うね。服装とか」
華「HIPHOP好きの方と戦車道好きの方が混じり合っている感じでしょうか?」
麻子「しかし2階席があるとはいえそれほど広くはないんだな。会場に来られるメンバーを抽選で決めたのはそういうわけか」
杏「そ。みんな連れてきたかったんだけどね」
みほ「あ……ステージの上にいるのって……」
沙織「?」
役人「声上げてけ!SAY HO?!」
ho?!
役人「SAY HO?!」
ho?!
役人「うぇいよー!さわげー!」
ウォォォォォ!!
優花里「…………誰ですかあの人は」
桃「スーツにメガネはしているから……役人だろうな」
杏「ドハマりしたにしてもさー……ああまで変わるもんかね」
華「あら!?」
みほ「どうしたの華さん」
12: 以下、
華「審査員席に……新三郎がいます」
みほ「新三郎さんって……あの鼻水の?」
麻子「不名誉な覚え方はやめてやれ」
桃「なんでも昔ラッパーとして活動していたらしい。『Shin?Zabrow』という名前でな」
沙織「意外?!でも元ラッパーで人力車操るとかってちょっとカッコいいかも」
麻子「そうか?」
柚子「割と名の通った人みたい。だから審査員に選ばれたんじゃないかな?」
華「知っていれば練習中に助言をもらえたのに……残念です」
桃「いや、元々審査員に選ばれた時点で参加校への技術提供等は禁じられているから無理だ」
華「あら。そうなのですか。それはそれで残念ですわ」
みほ「それもそれだから同じなんだけどね……」
桂利奈「あっ!島田愛里寿のお母さんもいるよ!?」
あゆみ「ちょっと!転入はなくなったんだから呼び捨てはダメだって」
あや「なんであの人が審査するんだろう?」
ねこにゃー「し、島田千代さんは島田流戦車道を世界中に広める活動の時にコミュニケーションの一環として現地の人とフリースタイルとかサイファーしてたって」
優花里「そうなのですか!?何故ねこにゃー殿がご存じなのですか!?」
ねこにゃー「ね、ネットに出てた。ソースも確かだから、ま、間違いない」
沙織「サイファーってなんだったっけ?」
みほ「何人かで輪になってフリースタイルラップすることだよ」
麻子「意外な過去を持っているんだな……あとの3人も似たようなものか?」
柚子「審査員は『新三郎さん』、『島田千代さん』、『蝶野教官』、『戦車道連盟理事長』、『篠川香音さん』……篠川さんは戦車道の審判員で主審を務めてた人ね」
杏「蝶野教官は数々のバトルで優勝してるんだってさ。それが撃墜率120%の要員の1つっぽいね。理事長も昔やってたらしい。篠川さんは大学でHIPHOPのサークルを掛け持ちしてたってさ」
華「名前に『し』が入ってる人が多いですね」
みほ「うん、あんまり関係ないけどね」
麻子「それに『戦車道連盟理事長』の『し』は名前じゃないしな」
杏「本名は児玉七郎だから『し』入ってるよん」
華「まあ!素晴らしいですわ!ね?みほさん!」ニコニコ
みほ「いや、入ってても別に……ううん、なんでもない」
13: 以下、
あや「あ!あそこのディスプレイにトーナメントの組み合わせが映ってます!」
みほ「本当だ。うわぁ、戦車道の全国大会と変わらないくらい出場チームが多い……」
優花里「ですねぇ……むしろ増えてるのでは?大洗はどの辺りに…………あ!一番最初の試合ですぅ!」
華「それに1回戦の相手は…………」
ダージリン「お久しぶりね」ザッ!
麻子「聖グロリアーナ……」
ダージリン「まさかこのような形で再会だなんて、運命かしら?」クス
みほ「ダージリンさんもメンバーとして出場されるのですか?」
ダージリン「さあ?どうかしらね?」
麻子「キャラ的にこういうのには参加しないと思っていたが」
ダージリン「戦車道での借りはフリースタイルバトルで返す……優雅だと思わない?」
みほ「え?いや、意味がまったくわかりませんけど……」
ダージリン「うふふ、今のはジョークよ。わたくしたちが参加を決めた理由は簡単。ただ戦車道をするだけが戦車道では無い、それだけのことよ」
みほ「??」
オレンジペコ「とりあえずわからない時は笑顔で頷いてください。私はそうしてます」
みほ「は、はい」コクコク
アッサム「ダージリン、オレンジペコ、そろそろ準備しましょう」
ダージリン「そうね。ではわたくしたちは行きますわ。ステージでお会いしましょう」ザッ
オレンジペコ「失礼します」ペコリ
みほ「あ、はい……」
華「……今のセリフでダージリンさんが出場すると暗に示してしまっていますね」
沙織「うん。わざとなのか天然なのか、わかりづらいよねあの人」
みほ「………聖グロリアーナが相手、かぁ……」
杏「西住ちゃ?ん」ポンポン
みほ「ふぇ?」
杏「戦車道の試合では2回負けてるけどさ、フリースタイルバトルは別物だかんね。気負わない気負わない。それとも緊張してる?」
みほ「え?それは…………はい。やっぱりこれだけのお客さんの前でステージに上がるのは緊張します……」
杏「だったら……えいっ!ほっぺぐりぐり?♪」グイグイグイ
みほ「あうっ!?ふぁ、ふぁいひょう!?その……///」
杏「いっひひ。練習通りやればだいじょぶだって」
スタッフ「大洗女子のみなさん、スタンバイお願いします」
杏「はい」
14: 以下、
【大洗 1回戦 オーダー】
先鋒:冷泉麻子(MCネーム REZE) >>0?C・・・master of ceremonyの略。ラッパーやマイクを持った司会者
次鋒:西住みほ(MCネーム MIHO)
大将:角谷杏(MCネーム アンジー)
沙織「麻子!頑張って!私たちは2階席で応援してるから!」
麻子「ああ」
そど子「べ、別に冷泉さん個人を応援するわけじゃないわ。大洗を応援するんだからね!」
麻子「そうか……一番手のプレッシャーはキツイんだけどな。そど子の個人的応援が無いと負けるかもしれない……」
そど子「え!?そ、そうなの!?だ、だったら仕方がないわね……その…………れ、冷泉さん……勝って?」チラ
麻子「おおおお?……上目遣いが可愛いぞそど子ぉ?」ダキッ
そど子「だ、抱きつかないでよ!ま、周りの人に付き合ってるとか思われるじゃない!」
杏「……私が先鋒ゃなくてよかったの?一番最初って結構ムズそうだよ?」
麻子「いや、大丈夫だ。そど子の応援もあるしな」
杏「そっか。っていうかむしろ抱きつきたいがために一番手に立候補したんじゃ」
麻子「さあな」
スタッフ「それではもうまもなく始まります」
みほ「麻子さん、頑張って!」
沙織「麻子、落ち着いてね!」
ガンバッテー レイゼイサーン ワイワイガヤガヤ
麻子「ん。じゃあ行ってくるぞ、そど子」
そど子「え、ええ……//」
15: 以下、
【ステージ上】
役人「みんな待たせたな!準備はいいか?!?これから熱いバトルが始まるぞ?!?」
ワァァァァァ!!!
役人「OK!それじゃあ1回戦第1試合行ってみようか!選手はこいつらだ!」
麻子「………………」ザッ!
アッサム「…………」ザッ!
役人「両者中央へ」
麻子(……アッサムさんだったか。さて、どう攻めるか)
役人「先攻、後攻をじゃんけんで決めてください」
麻子(……この役人、妙に生き生きしてるな)ジャンケンポイ
アッサム「私の勝ちね。後攻で」
麻子(やはりか。基本後攻の方が戦いやすいからな)
役人「勝負は8小節3ターンです。それではDJ ルミ、ビートを聴かせてください」
ルミ「」コクリ
♪? ※以後、ビート確認は省略します
麻子(大学選抜の人……DJやっていたのか?人は見かけによらないな)
16: 以下、
◇◇◇◇◇◇このSSにおけるフリースタイルバトルの説明◇◇◇◇◇
ビートは↑にあるようにYoutubeのリンク先の動画です
試合前に、PCの人は別タブ、スマホの人はバックグラウンドで再生してもらうなどしながら読んでもらえると、より楽しめると思います
バトル中のセリフは全てラップになってます(セリフ口調もありますが)

麻子「○○○○○○○○○○○○」 この1行で1小節になっています。文字数によって早口だったりゆっくりだったりします
麻子「○○○○○○○○○○○○」×8でターン終了。スクラッチきっかけで、次は相手のターンになり、3ターンで1ラウンド終了です
役人の「終了ーーー!」がラウンド終了の合図になります
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
17: >16 訂正します。正しくは↓ 2017/05/29(月) 22:44:58.54 ID:dhZtfbkHo
◇◇◇◇◇◇このSSにおけるフリースタイルバトルの説明◇◇◇◇◇
ビートはYoutubeのリンク先の動画です。ラウンド毎にリンクを貼っています
試合前に、PCの人は別タブ、スマホの人はバックグラウンドで再生してもらうなどしながら読んでもらえると、より楽しめると思います
バトル中のセリフは全てラップになってます(セリフ口調もありますが)

麻子「○○○○○○○○○○○○」 この1行で1小節になっています。文字数によって早口だったりゆっくりだったりします
麻子「○○○○○○○○○○○○」×8でターン終了。スクラッチきっかけで、次は相手のターンになり、3ターンで1ラウンド終了です
役人の「終了ーーー!」がラウンド終了の合図になります
18: 以下、
役人「……それではいよいよ始めましょう!」ワァァァ!
麻子「………………」
アッサム「…………」
役人「先攻REZE、後攻アッサム……DJルミ、かまーせー!」
ルミ「ッ!」キュルッ!
19: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=GtDtvnQAzJQ
♪真っ向勝負 / KEN THE 390
<先攻REZE VS 後攻アッサム ラウンド1>
麻子「最初のお相手 紅茶好き軍団」
麻子「私に勝てる その確率は」ワァ!
麻子「0.0000000……」
麻子「つまり不可能 アッサム a.k.a 生命線ねぇ」ワァァア! ※a.k.a・・・「also known as」の略。「またの名を」、「?で知られてる」
麻子「底辺で這いつくばる 穴があればあいつ埋まる」ワァァ
麻子「聖グロ 出させてやるぜエクトプラズム スクラム」ワァァ!
麻子「組んで夢膨らむ?いや、行き先は刑務所」
麻子「動揺か?ステージ上の高揚感はすぐ去る」ワァァ!
アッサム「私、実は生命線の長さが自慢ですの」
アッサム「楽勝で優勝できますわ 手相コンテスト」ワァァ!
アッサム「手の平も見ずに決め付ける あなた独裁者ですか?」
アッサム「視力か脳に異常? お客様の中にドクターいませんか?」ワァア!
アッサム「いないなら完治しません あ、勘違いしないでくださる?」
アッサム「私は心配してない 関知する気ないという感じ」ワァァァ!
アッサム「勝手に名前をいじるREZE a.k.a とか知りません」
アッサム「こちらの心配よりも せいぜい気にしなさいな世間体」ワァァ
麻子「世間体 てんで 気にしないけど 今後の君次第で」
麻子「変わるかも 軽い言葉 レベル この位置にないね」ワァァァア!
麻子「日々鍛えてきた この数ヶ月間 つーか血管」
麻子「切れそうなほどラップしてきた 大洗の連中ナメんな」ワァァァ!!
麻子「ガラにもなく 熱くトークすると ソウルフル」
麻子「こうなるとウルウル 涙目になってしまう でも仕方ない」
麻子「大洗の先駆け 絶対に負けらんねぇ」
麻子「ガチなんで だからこのバトル 勝ってランウェイ!」ワァァ!
20: 以下、
アッサム「落ち着いてくださいな そんな早口でまくしたてず」
アッサム「でも確かに先攻ですものね まず仕掛ける」ワァァ!
アッサム「ただ普段のやる気のなさも個性ですわよ?」
アッサム「バトルだからといって 自分の持ち味消すなど」
アッサム「論外 ドンマイと言われても取り戻せない」ワァ
アッサム「こう言ったところで伝わらない 今のあなたはどうせハイ」ワァァ
アッサム「そんなあなたに おすすめの紅茶専門店を紹介」
アッサム「プリミアスティー でも飲む前にクリティカルヒット!」ワァァァァ!!
麻子「紅茶?確かに飲みたい 方言で言えば『やったるきん』」
麻子「ぐらい熱くなってるのは確か だが飲むならアッサムティー」ワァァァ!
麻子「お前を飲み干して 恥を知れ とばかりに残りの紅茶も」
麻子「はしごして 私の胃の中で大洗の勝ちを知れ!」ワアァァァァ!
麻子「胃の中のお前も気付けば背後にいて って背後霊?」
麻子「悪いなそんな最期で でもこの結末が大本命」ワァァ!
麻子「そうだろう?一目瞭然 スキルの差」
麻子「一族茫然 愚痴るのさ」ワァァァァァァ!!
アッサム「アッサムティー 飲み干した瞬間にあなたも道連れ」
アッサム「私は猛毒だから やはり必要ドクターが」ワァァァ!
アッサム「ラップは聴くもの 一目瞭然は大間違い」ワァァア!
アッサム「愚痴るというか 朽ちるのは あなたの方なんじゃない?」ワァァァ!
アッサム「背後霊が見えるって 霊能力者? うさんくさいです」
アッサム「まるでスカンク 匂いきついからしますか冷凍即座」ワァァア!
アッサム「胃の中の私というより 井の中の蛙」
アッサム「悲しいREZE 自分がそうであるとわからず」ワアァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!!」
ワァアァァァァア!!!!
21: 以下、
麻子「っ………」ハァ..ハァ..
アッサム「………………」
麻子(なんだこれは……思った以上に頭も体も熱くなってくる。アドレナリンが出てるのか?過去味わったことのないレベルだ。それにこの人、思った以上に強い)
役人「これより判定に入ります!」
亜美「………………」
千代「………………」
理事長「………………」
香音「………………」
新三郎「………………」
役人「先攻、後攻……勝ったと思う方の札を上げてください」
役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」
ババン!
亜美:REZE
千代:アッサム
理事長:アッサム
香音:REZE
新三郎:アッサム
役人「先攻2の後攻3!ラウンド1は後攻アッサムの勝利です!!」
麻子「っ……」
アッサム「……ふぅ……」
役人「コメントを聞いてみましょう。では蝶野さん」
亜美「私は先攻のREZEさんに入れたんだけど、ライムが固くて安定してたところを評価したわ」
亜美「アンサーもナイスな具合に返せてたし。それはアッサムさんもそうなんだけど、ライムの手数でREZEさんが上回ってたからね」
役人「ありがとうございます。それではラウンド2に入ります。じゃんけんを」
麻子「」ジャンケンポイ
麻子「!後攻で」
アッサム「…………」
役人「では先攻アッサム、後攻REZE、第2ラウンド……DJルミ、かまーせー!!」
ルミ「っ!」
22: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=YoCx-3mDRx0
♪中盤戦 / KREVA
<先攻アッサム VS 後攻REZE ラウンド2>
アッサム「1本目 打ったのは釘 いわば前フリ」
アッサム「その次 ここで振りかぶる金づち」
アッサム「空振りなんて 絶対しない必中」
アッサム「それが道理 勝利は私の手中」ワァァァ!
アッサム「主従関係は明白 いちいち勘繰られては迷惑」
アッサム「ああだこうだとガタガタ言う輩の方々は征伐」ワァァ
アッサム「その中には見たことのある姿」
アッサム「そう、REZE 気付いたのはあくる朝」ワァァァ!
麻子「主従関係?何の話か知らんけど 丸ごと吸収しちゃうぜ」
麻子「悠々自適に 急襲し敵に 抜け落ちてた釘 打ち込む素敵に」ワアァァ!
麻子「金づちだけで武器になる なのに釘にまず 頼るなんてナンセンス」ワァァ!
麻子「お前が振りかぶって髪の毛振り乱す その隙に出す クリティカル!」ワァァァァ!!!
麻子「というか武器出したところで あんたなんか 素手で対応できる」
麻子「連れて帰ろう いや 埋めて排除 そのあとは 素で寝たいよ」ワアッァ!
麻子「さっきの後攻かなり決まってたけど あんたの実力はわかった」
麻子「ぜってー 決定 能ある鷹じゃないね 爪出た以上」ワァァァァ!!!
アッサム「抜け落ちた釘?見間違い ちゃんと見て真剣に」
アッサム「落ちたのはあなたの錆びた金メッキ」ワァァ!
アッサム「能ある鷹もたまにはライオン」
アッサム「のように爪を出す ライドオン」ワァァ
アッサム「マウントポジション 結果爪が生きる」
アッサム「と見せかけて血管噛み千切る」ワァァ!
アッサム「優雅から獰猛 切り替えるモード」
アッサム「勝利の雄たけびと 共に踊る輪舞曲(ロンド)」ワァァ!
23: 以下、
麻子「ゆったりたっぷりのーんびり 余裕綽々なスローテンポっすね」
麻子「ローテンションのままなら あっさり崩そう聖グロトーテムポール」ワァァァ!
麻子「その一番下にいちゃ帰還できない 横から金づちでスコーン」
麻子「あんたらが食べ飽きたスコーンじゃない 真横からデスゾーンへ」ワァァァ!
麻子「ご招待 後生大事にしてたティーカップ 遠くに行っちゃう」
麻子「小さくなって意味なくなって 死期がわかって死にたくなる」ワァァァ!
麻子「視界は真っ暗な ブラックライト」
麻子「バトルで勝つなら これぐらい上手くないと」ワァァァァ!
アッサム「喋った量ごとに ポイント貯まるとお思い?」
アッサム「だとしたら勘違いも甚だしい 相当ひどい」
アッサム「もしも横からスコーンとされても 全く問題ないわ」
アッサム「即リスポーンして復活 トーテムポール リラックス さっきまでとおんなじ会話」ワァァァァ!
アッサム「どんなに大胆に攻めてきても 定位置に戻る形状記憶」
アッサム「どんなに失敗したとしても 最後には上がる経常利益」ワァァ
アッサム「『バトルで勝つなら』なんて 未勝利の人が述べるのかい?」ワァァ!
アッサム「優勝は諦めなさい 紹介するビジネスホテルのバイト」ワァァァ!!
麻子「今さら後半テンポアップ しても遅いよ完成度がグッと」
麻子「落ちてる 初戦飛ばすことも出来ない 所詮度が過ぎたんだあんたには」ワァァァッァア!!!
麻子「ビジネスホテル?意味不明 勝利への道は生きてるのです」ワァァァァァ!
麻子「太いライムで聞き手蠢く それぐらいの美技で仕留める」ワァァァァ!
麻子「踏み外しも時にご愛敬 今度はこっちが逆にライドオン」
麻子「っていうか私とライオンの勝負 必要ないでしょ?トライオン」ワァァァァァ!
麻子「飽きが来てる 勝負は着いた 今後一切動じないよ」
麻子「紅茶もすでに飽きた ステージ降りたら用意する コーヒーサイフォン」ワァァァァァァ!!!
役人「終了ーーーーーーーー!!!!!」
ワァァァァ!!
24: 以下、
麻子「…………っ!」
麻子(手応えあり!)
アッサム「…………」
役人「これより判定に入ります!先攻アッサム、後攻REZE……勝ったと思う方の札を上げてください」
亜美「………………」
千代「………………」
理事長「………………」
香音「………………」
新三郎「………………」
役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」
ババン!
亜美:REZE
千代:REZE
理事長:REZE
香音:REZE
新三郎:REZE
役人「クリティカルヒット!!ラウンド2で決着?!!REZEの勝利です!!」
麻子「よしっ!」グッ!
アッサム「っ……!」ガクリ
役人「1敗の状況からのクリティカルヒットが決まりました。審査員に聞いてみましょう。えー、島田さん」
千代「はい、私はラウンド1、アッサムさんに入れてるのですが、実際は僅差で迷った末でした。でも今回は……そうですね、アッサムさんは1勝したことで少し気が緩んだのかもしれませんね」
千代「釘とか金づちとか割と暴力的なワードチョイスが少し相性悪かったのかな、と。そこを違う言葉で攻めてたらラウンド1のように安定したアンサーを返せてた気がします」
役人「ありがとうございました。ではもう1人……新三郎さん」
新三郎「あ、はい!私は大洗の人間ですけど、判定に身内びいきは絶対しないと言いますか、むしろ厳しめに付けるくらいの気持ちで審査に臨んでいますのでその辺のご理解をお願いします!」
新三郎「で、判定ですが……REZEさんがラウンド1の時よりもバイブスが高まっていて、さらにライミングもバシバシ決めてきました。これはもう文句なしということでREZEさんに挙げました」
役人「ありがとうございました。ということで1回戦第1試合の勝者は……大洗女子学園、REZEーーーーー!!!」
麻子「…………」ペコリ
25: 以下、
役人「2人に大きな拍手を!」
パチパチパチパチ!
アッサム「……負けたわ」
麻子「……ん、あぁ……」
アッサム「でもまだ2人いるんだからね」
麻子「…………」コクリ
ガッシリ(握手)
麻子(……おしとやかな見た目なのに強敵だった)
麻子(でもその相手にクリティカルで勝ったことで会場の空気は大洗に少し傾いたはず。このまま連勝を狙う)
役人「それでは第2試合です!REZEと戦うのはーーーー?」
ザッ!
ダージリン「…………」ウフフ
麻子(!最後じゃないのか)
役人「次鋒、ダージリン!!」
ワァァァァ..
ダージリン「アッサムに勝つなんて、お見事ね」
麻子「…………」
ダージリン「でも勝ち誇るのはまだ早いわ。こんな言葉を知ってる?……………………」
麻子「?」
ダージリン「……いえ、なんでもないわ。ペコがいないなら格言の言い甲斐がないもの」
麻子(……よくわからん)
役人「では先攻後攻ジャンケンをしてください」
ジャンケンポイ
麻子「!後攻で」
ダージリン「あら負けちゃった」ウフフ
麻子(…………というか……)チラ
ダージリン「」ウフフ
麻子(右手にマイクを持つのは普通。ただ左手にティーカップを持ったままバトルするのか?相変わらずと言えばそうだが……)
役人「それでは1回戦第2試合ラウンド1、先攻ダージリン、後攻REZE、DJルミ、かまーせー!!」
ルミ「っ!」キュッ!
26: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=tf6_rXf9Xqg
♪シド&ナンシー / 餓鬼レンジャー
<先攻ダージリン VS 後攻REZE ラウンド1>
ダージリン「ご機嫌いかがですか?ミスREZE」
ダージリン「バトルですもの 多少失礼で」
ダージリン「あっても 冷静にハンティング、狩り」
ダージリン「しっかりお湯入れたあとの ジャンピング待ち」ワァァ
ダージリン「愛情を込めて 会場の熱量」
ダージリン「アゲて差し上げますわ さもあるべし」
ダージリン「サモワールで淹れるのも乙なモノ」 ※サモワール・・・ロシアで紅茶を飲む際に使用する器具
ダージリン「リング上でわたくしが得るゴールデン・リング」
麻子「言いたいことはそんだけか?紅茶ネタ」ワァ!
麻子「仕込むのはティーバッグの中だけにしてな」ワァァ!
麻子「私の嗅覚は 紅茶じゃ誘惑されない」
麻子「それよりも好きなのは ビートルズや2Pac」ワァァァ!
麻子「英国って異国ネタで挑む」
麻子「ことで築く帝国 定刻で終わらせる」ワァァァ!
麻子「クリティカルだ ダージリン」
麻子「一番罪深い 一番摘み 既視感生み出す」ワァァァ!
ダージリン「ファースト・フレッシュは全然健全よ?」
ダージリン「悪徳で あるはずないわ 罪悪感不要」
ダージリン「当然無罪放免なので」
ダージリン「警察もごめんなさいと謝る」
ダージリン「いえ、まず最初に誤ったのはあなただった」
ダージリン「浅はかだったわね REZE」
ダージリン「踊らされてしまったようねライムに」
ダージリン「偶然だけれど この左手にはライムティー」ワァァ!
27: 以下、
麻子「え?左のそれがライムティー?」
麻子「いやいや!匂いが違うぞ!嘘つき嘘つき!」ワァァァ!
麻子「おったまげながら DOTAMAネタ 打ち出す」ワァァ!!
麻子「紅茶詐称で警察に突き出す」ワァァ!
麻子「てか嘘つくとか 淑女が泣くぞ」
麻子「あんたを慕う全員裏切った ウルトラ悪女」ワァァァ!
麻子「地面に膝 突くのが末路」ワァァァ!
麻子「着地点に落ちてた クズの鼻くそ」ワァァァ!!
ダージリン「下品極まりない 堪忍できません」
ダージリン「タンニンの苦い部分 味わわせたいですわ」
ダージリン「これはライムティー 誓って正真正銘」
ダージリン「嘘ではないわ 騙せないもの後進の目」ワァァ
ダージリン「問題は香りを察せられない嗅覚ね」
ダージリン「風格を付けるためにも留学でもしたらどう?」ワァァ!
ダージリン「要望は聞くわ でもあなたの風貌では中坊と」ワァァァ!
ダージリン「思われてしまってやり直す中 学生」ワァァァ!!
麻子「お上品で向上心もおありで」
麻子「将来有望のお方とは思えない Do you know 『中坊』?」ワァァ!
麻子「あんた高嶺の花どころか浅瀬?あ、さーせん」
麻子「買いかぶりがいかついだけかイカ釣り くらいもう興味ない」ワアァァァ!
麻子「大失態 稼いだ信用舞い散った」
麻子「アンサーも微妙で 韻も大したことない」ワァァァァァ!
麻子「最初に言った 既視感が蘇る」ワァァ!
麻子「クリティカルだ 審査員さん 票はこちらです」ワァァァァ!!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァァ..!!
28: 以下、
麻子「ふぅ……」
ダージリン「熱いですわね……」
麻子(ライムティーをあらかじめ持ってたことをいじった方がよかったか?それならライムも…)
麻子(用意周到……この20秒……この地球上……掃除するよ……講義注文……お前との二重奏……うん、色々踏めたか)
役人「ではこれより判定に入ります!先攻ダージリン、後攻REZE……勝ったと思う方の札を上げてください」
亜美「………………」
千代「………………」
理事長「………………」
香音「………………」
新三郎「………………」
役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」
ババン!
亜美:REZE
千代:REZE
理事長:REZE
香音:REZE
新三郎:REZE
役人「なんとまたもクリティカルヒット!!ラウンド1で決着?!!REZEの勝利です!!」
麻子「!」グッ
ダージリン「………………」フゥ..
役人「審査員のコメント聞いてみましょう。理事長」
理事長「先攻のダージリンさんですけれども、最初のバースなどはいい具合にリズムキープしていたのですが、REZEさんの早口と押韻につられたのか、だんだんペースがくなってしまって、自分のスタイルを崩されてしまったんだと思いますが、そこが少し残念でしたね」
役人「ありがとうございました。篠川さんはどうでしたか?」
香音「あ、はい。REZEさんがDOTAMAさんをサンプリングしたりとテクニック面でも上回っていたと思います。ダージリンさんは物腰の柔らかいラップで面白かったんですけど、REZEさんが1試合目の勢いにのっていたのもあってなかなか抑えるのが難しかったのかな、と」※サンプリング・・・引用
役人「ありがとうございました。第2試合の勝者は……大洗女子学園、REZEーーーーー!!!」
ワァァァッァ!
役人「2人に大きな拍手を!!」
パチパチパチパチ!
ダージリン「熱いのね冷泉さん」ガシッ(握手)
麻子「……お互いさまじゃないか?ここに立つとなんかそうなってしまう」ガシッ
ダージリン「確かにね」クスッ..
29: 以下、
【舞台袖】
ダージリン「…………」コツコツコツ...
アッサム「お疲れ様ですダージリン」
ダージリン「……やっぱりわたくしではダメね」
アッサム「……向き不向きがありますから。でも全然悪くなかったですよ」
ダージリン「ありがとう」
オレンジペコ「……お疲れ様です」
ダージリン「……ペコ」
オレンジペコ「私がなんとか……してみます」テクテクテク...
ダージリン「……ええ、お願い」ニコリ
アッサム「頑張って」
ダージリン「…………」
アッサム「……心配ですか?」
ダージリン「……少しは。でも無用な心配よね。聖グロリアーナ最強はペコですもの」
アッサム「意外に毒舌ですし、ステージに立つとスイッチが入るタイプですから」
ダージリン(さて、それでもREZEさんに勝てるかどうか……)
30: 以下、
【ステージ】
役人「それでは第3試合に入ります!聖グロリアーナは3人目、最後の選手、オレンジペコ???!!」
ワァァァ
オレンジペコ「…………」テクテクテク
麻子(…………気合いの入った顔してるな。油断は禁物か)
役人「それでは先攻後攻じゃんけんで決めてください」
ジャンケンポイ
オレンジペコ「……後攻で」
役人「OK!1回戦第3試合ラウンド1、先攻REZE、後攻オレンジペコ、DJルミ、かまーせー!!」
ルミ「っ!」キュルッ!
31: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=BeXIyOD3w4Q
♪AREA AREA / OZROSAURUS
<先攻REZE VS 後攻オレンジペコ ラウンド1>
麻子「憧れのお姉さまの墓参り?」
麻子「安心しな あんたもすぐ仲間入り」ワァァァ!
麻子「半ば意地だ 頭握って 逆さにして」ワアァ!
麻子「REZE プレゼンツ Sucker(サッカー)退治」ワァァァァァァ! ※sucker・・・下手な、未熟な
麻子「人のこと言えないが お前お子ちゃまサイズ」
麻子「目の前には ライムの殿様がいる!」ワァァァ!
麻子「勝利は確実さ 白日の元に晒す」
麻子「証明する 超Aクラスの確率論」ワァァ
オレンジペコ「……この人 頭良さそうに見えてバカ?」
オレンジペコ「調子に乗ってるのが見え見えでヤダー」ワァァ
オレンジペコ「自分のフィールドをわきまえない」
オレンジペコ「脇が甘い それじゃ明日が無い」ワァァァ!
オレンジペコ「そういう人ほど急転直下」
オレンジペコ「100点満点のテストで9点とった」ワァァァ!
オレンジペコ「みたいに一気に反転 完全に勝利を断念」
オレンジペコ「残念ですねぇ あと殿様は男性ですよ?ふふっ」ワアッァァァ!!
麻子「何言ってるんだ?歴史上いたんだよ女城主」
麻子「そんなドープじゃない浅い情報 5秒で」
麻子「わかるようなソースなのに ヤバい症状」
麻子「なのに笑ってるこいつかなり 情緒不安定」
麻子「読めないんだろ 目次の項目さえ」ワァァ
麻子「理解できない簡単な 用語すらね」ワアァァ!
麻子「わかんないことは先輩である 私に聞け」
麻子「バカでもわかるよう ちゃんと形にしてやる」ワァァァ!
32: 以下、
オレンジペコ「私に聞け?あーあー、迷惑だー」
オレンジペコ「説教くさそう あんたK DUB SHINE?」ワァァァァァ!
オレンジペコ「セイブザグロリアーナのつもり?余計なお世話」
オレンジペコ「お下品な言い方しますよ?『そこをどけや』」ワァァァア!
オレンジペコ「韻が誇りなんでしょうけど ジタバタホコリ立てないで」ワァァァ!
オレンジペコ「たった2試合目の時点で 驕り高ぶり」ワァァァ!
オレンジペコ「そこに山積み なのでサッサッとちり取り」ワァァ!
オレンジペコ「意気込みは買いますが いちいちゴミ生まないで」ワァァァァ!!!
麻子「大したディスじゃない先端が丸い」
麻子「非鋭利だから悲鳴にならないし全然効かない」
麻子「真っ直ぐ突き刺しても 無駄無駄無駄」
麻子「ライム臭が強い マスクしないと 臭くなるさ」ワァァァ!
麻子「刺激臭すら襲撃して終劇に」
麻子「持ち込む急激なREZE 大洗の遊撃部隊」ワァァ
麻子「スキルの違い見せつける それがこの舞台上」
麻子「手数と頭の回転のさは ハヤブサ以上」ワァァァ!
オレンジペコ「ハヤブサの脳みそって何グラム?」
オレンジペコ「人間以下じゃないですか?軽すぎる比較対象」ワァッァア!
オレンジペコ「手数というか手羽?まぁ自画自賛も好きにすれば?」ワァァ!
オレンジペコ「ディスというか忠告 天狗の鼻にレーザーポインター」ワァァ
オレンジペコ「『これこそ韻だー!』 ちゃちな誇大広告」ワァァァァ!
オレンジペコ「ライム臭以上に小物臭が鼻につく」ワァァ
オレンジペコ「人の鼻にまで関与 あなた『ハナ』大好きですね」
オレンジペコ「そういえば大洗女子にもいましたね『華』って人」ワァァァァ!!
役人「終了ーーーーーー!!!!」
ワァァァ!
33: 以下、
麻子(くっ……かなり返された……!会場の空気を持っていかれたか!)チッ
オレンジペコ「…………」
役人「ではこれより判定に入ります!先攻REZE、後攻オレンジペコ……勝ったと思う方の札を上げてください」
亜美「………………」
千代「………………」
理事長「………………」
香音「………………」
新三郎「………………」
役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」
ババン!
亜美:オレンジペコ
千代:オレンジペコ
理事長:オレンジペコ
香音:オレンジペコ
新三郎:オレンジペコ
ワァァッァア!!
役人「クリティカルヒット!!勝者オレンジペコ!!」
麻子(!マジか……負けはともかくクリティカルか……)
オレンジペコ「」ホッ
役人「REZEの連勝を止めましたオレンジペコ!コメント聞いてみましょう。新三郎さん」
新三郎「いやー、これはもうオレンジペコさんのアンサーが的確でしたね」
新三郎「REZEさんの1バース目の『墓参り』、『仲間入り』とか、入りは最高だったんですけど、そのあとのアンサーで会場全体の空気をモノにしたオレンジペコさんに脱帽ですね」
役人「ありがとうございました。蝶野さんどうですか?」
亜美「ここまでのバトルを見たオーディエンスは、後攻が絶対有利という風に見えたと思うけれど、それは少し違っていて、このラウンドに関しては勢いに乗ってるREZEさんに先攻は味方したはずなのよ」
亜美「でもそれをオレンジペコさんが今までの2人と一風変わった返し方をすることで、オーディエンスを『おや?』と思わせた。皮肉の利いたパンチラインもベリーグッドだったわ」
役人「ありがとうございました。第3試合、勝者は聖グロリアーナ、オレンジペコ!!」
ワァァァァ!!!
麻子(くそ……)
34: 以下、
【舞台袖】
みほ「あわわわ……麻子さんが負けちゃった……」
杏「スタイルの相性かねぇ」
麻子「……すまん、3人抜き出来なかった」
みほ「お、お疲れ様!」
杏「だいじょぶだいじょぶ。2人に勝った時点で充分すぎるし、それに……」ナデナデ
みほ「ふぇ?」
杏「西住ちゃんがここで本番に慣れておく方が、後々生きてくるだろうしねぇ」ナデナデ
みほ「あ、あの……か、会長……な、なんで撫でるんですか///」
杏「西住ちゃんが緊張してるから♪」ニヒ
みほ「うー……//」
麻子「……西住さん。ステージに立つとアドレナリンがやばいぞ。冷静でいるのが難しいくらいだ。あまり熱くなりすぎないよう注意した方がいい」
みほ「麻子さん……」
杏「確かにいつもの冷泉ちゃんじゃなかったもんね」
麻子「だが…………気持ち良かったし、楽しかった」
杏「だってさ。西住ちゃんも楽しんできなよ。もし負けても私がいるから安心でしょ?」
みほ「会長……」
みほ「……はいっ!」
杏「じゃ、行ってきな」
みほ「!行ってきます!」タタッ!
麻子「………………はぁ」ストン
杏「疲れた?」
麻子「……というより、負けたのが結構堪えた」
杏「ありゃ。意外な一面。ま、戦車道でも練習試合以外負けてないからねー」
麻子「…………いや、個人対個人だからだと思う。しかも年下……」
杏「……1回戦突破したらまた頼りにしてるからさ」
麻子「…………ん」
杏「………………」フフ
杏(さて……頭の回転が早くて機転が利き、意外とディスが強烈な西住ちゃん。ライムの手数では冷泉ちゃんに負けるけど一撃の重さはある……本領発揮できればいい勝負になるはずだけど……どうなる?)
35: 以下、
【ステージ】
役人「それでは第4試合ラウンド1、オレンジペコとMIHOの勝負です」
オレンジペコ「…………」
みほ「………………」キョロキョロ
ワァァァ..
みほ(すごい人、それに熱気……なんだかお腹の底からジワジワ熱くなってくる……)ゴクリ
役人「先攻後攻のじゃんけんをお願いします」
みほ「あっ、は、はい!」
ジャンケンポイ
みほ(!負けちゃった)
オレンジペコ「…………先攻で」
みほ(!?わざわざ先攻をとった?そうか、私にプレッシャーを与える気なんだ……それか……侮られてる)
みほ(……だったら最初のバースでオレンジペコさんもお客さんもビックリするぐらいのインパクトを見せてみせる)キリッ!
役人「OK!それでは第4試合ラウンド1、先攻オレンジペコ、後攻MIHO、DJルミ、かまーせー!!」
ルミ「っ!」
36: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=J54caLdNARg
♪最ッ低のMC / 般若
<先攻オレンジペコ VS 後攻MIHO ラウンド1>
オレンジペコ「クリティカルだったけど REZEは強かったですよ大洗女子」
オレンジペコ「でも残り2人のメンバーは お笑い女子」ワァァァ!
オレンジペコ「言葉に詰まったら披露してね あんこう踊り」
オレンジペコ「合いの手ぐらい入れますよ 感情込めずに」ワァァァ!
オレンジペコ「あら?もしかしたら震えてるんじゃない?緊張しいかな?」
オレンジペコ「それとも周りに流されて バトルに便乗した?」ワァァァ!
オレンジペコ「フリースタイルできるんですかあなた 割といいスタイルに顔」
オレンジペコ「だけど実力は伴わない 確定 2人抜きだよー」ワァァァァァ!!
みほ「先攻攻撃が雑 それなんか焦りに似た気持ち」
みほ「震えてて悪い?だってこの勝負 賭けにきた命」ワァァァア!
みほ「相手がそんなんじゃ 全然ヒリヒリした勝負できない」
みほ「黒タイツ伝線させて直々にビリビリに引きちぎってギリギリ」ワァァァ!
みほ「しきりに生き死にを意識させてピチピチの肌ミシミシ」ワァァァァ!
みほ「言うまでニギニギしてビビりにさせようかなー?お嬢さん」ワァァァァ!
みほ「そろそろ紅茶も冷める時間じゃないですか?」
みほ「お湯沸かしに行くフリして 逃げてもいいんですよー!?」ワァァァァア!!
オレンジペコ「普段は元気はつらつじゃないのに やたらいい滑舌」
オレンジペコ「早口で調子に乗った相手倒す気分は格別」ワァァ
オレンジペコ「黒タイツ破るのは腕力 でもあなたの持ち味は跳躍力」
オレンジペコ「それと私、責められるの嫌いじゃないので超役得」ワァァァ!
オレンジペコ「だから今日約束 そして今度会いましょう」
オレンジペコ「黒タイツのくだりを是非実現させましょう」
オレンジペコ「今から楽しみですね? 秘密の逢引き」
オレンジペコ「…って嘘だよ! 今からミンチにする つまり合い挽き肉」ワァァァ!
37: 以下、
みほ「一言忘れてますよ? うっかり屋さんですね」
みほ「ハンバーグ師匠やるなら最後に『ハンバーグ』って言わないと」ワァァァア!
みほ「ていうかハンバーグ師匠やる時点で そっちがお笑い女子」ワァァァ!
みほ「全っ然足りてませんよ 細かいオチ!」ワァァァ!
みほ「『嘘だよ!』ネタのチョイスも そっち系を意識」
みほ「嘘でもタイツ破られフェチでも どっちでもいいし」ワァァァ!
みほ「土下座して頼むなら破くのも ちょっとならいい」
みほ「相手は人間じゃない 腐ったオレンジ ノットバヤリース」ワァァァ!!
オレンジペコ「そうバヤリースじゃない正解 だからこそこうやって」
オレンジペコ「ロゴみたいに横向かずに正対 してフリースタイルしてる」ワァァァ!
オレンジペコ「ちなみにオレンジペコのオレンジは果実じゃないんで」
オレンジペコ「マジだっせーですね 恥100パーセント」ワァァ!
オレンジペコ「上り調子だったのに こういうところ崩れた分」
オレンジペコ「負けてあとで後悔する 自問自答ググレカス」ワァァアァ!
オレンジペコ「はあ……講義の為に使った時間 かなり無駄」
オレンジペコ「でも納得もできる だってあなたの髪色 腐ったミカン」ワァァッァア!
みほ「お笑いに対する アンサーはどこへやら」
みほ「そんなザマじゃこのバースで ワンパンなトドメかな」ワァァァア!
みほ「髪色だけで腐ったミカン?それうがった見方」
みほ「自分も似たような髪色 ブーメラン放っちゃいかん」ワァァァ!
みほ「ダージリンさんの髪型真似してすっかり上機嫌 小物臭の」
みほ「詰まった編み上げ 掃き溜めに落ちた毛程度しか価値がねぇ!」ワァァァアア!
みほ「総括 あなたの吐く言葉って軽いんじゃない?」
みほ「ダージリンさんが いなけりゃ借る威がない!!」ワァァァ!!
役人「終了ーーーーーー!!!!」
ワァァァッァァァァ!!!
38: 以下、
役人「これは……いい勝負だったのではないでしょうか?」
みほ「…………」ハァ..ハァ..ハァ..
みほ(緊張したぁ……それに『価値がねぇ』とか男の人っぽい言葉使うのって未だにドキドキするよぉ)
みほ「」チラ
オレンジペコ「っ……」
みほ(でもイメージしてたより上手くいった。ここで1勝しておきたいけど……)
役人「ではこれより判定に入ります!先攻オレンジペコ、後攻MIHO……勝ったと思う方の札を上げてください」
亜美「………………」
千代「………………」
理事長「………………」
香音「………………」
新三郎「………………」
役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」
ババン!
亜美:MIHO
千代:MIHO
理事長:オレンジペコ
香音:MIHO
新三郎:MIHO
ワァァァッァア!
役人「先攻1、後攻4、ラウンド1の勝者はMIHOーーーーー!!」
みほ(やった!)
オレンジペコ「………………」
役人「審査員にコメントを聞いてみましょう。蝶野さん」
亜美「両者ともグッジョブベリーナイスファイトだったんだけど、オレンジペコさんが最初に『お笑い女子』って言っておきながらサイプレス上野さんの『嘘だよ』をサンプリングしたりして、ちょっとブレてしまったかな?」
亜美「そこをMIHOさんが上手く突いた。オレンジペコさん2バース目の『ミンチにする』、『合い挽き肉』という言葉から、お笑い芸人さんのハンバーグ師匠というネタと繋げて『そっちの方がお笑い女子』という返しはファンタスティックスチューデントだったわ!」
役人「ありがとうございました。理事長はどうでしょうか?」
理事長「家元のむす…あ、いえ、MIHOさんのえげつないくらいのディスをよくしのいだという点でオレンジペコさんに入れました」
理事長「それと3バース目のバヤリースに対するアンサーで『ロゴみたいに横向かずに正対』っていうラインに痺れましたね」
理事長「まぁ、細かく言ってしまうと、バヤリースのロゴは段々変わっており、正面を見ていたり顔自体がなかったりしてるんですが、やはり横向きのロゴの印象が強いですから」
役人「なるほど。ありがとうございました。では第4試合ラウンド2に入りたいと思います。先攻後攻じゃんけんで決めてください」
ジャンケンポイ
オレンジペコ「!後攻で」
みほ「っ……」
役人「OK!ではラウンド2いきます!DJルミ、かまーせー!!」
ルミ「っ!」
39: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=jjXEiben_rg
♪RGTO / AKLO
<先攻 MIHO VS 後攻 オレンジペコ ラウンド2>
みほ「試合開始してから 紅茶一滴も飲んでないよ?」
みほ「余裕ないの?無表情で まるでポンデライオン」ワアッァァア!
みほ「もはや後無し がけっぷちの1勝0(れい)敗」
みほ「これで負けたら ダージリン教に 一生礼拝できない」ワァァァ!
みほ「流れをキープしたまま勝つ勢い 尋常でない」ワアァァァ!
みほ「人をナメた罰が当たったね 窮鼠猫を噛む」
みほ「ノックアウトで突っ伏した体……」
みほ「今から シュートで転がす!」ワァァァァァ!
オレンジペコ「前時代的な暴力が西住流の本質」
オレンジペコ「門下生たちが たちどころに言う『もうギブ』」ワァァ
オレンジペコ「ただ攻撃は直線的な猪武者 マタドール」
オレンジペコ「みたいにまた上手に避けてからグサリ 血を見るさ」ワァァ!
オレンジペコ「って、猪じゃなくて鼠だった 放り込むミルサー」ワァァ!
オレンジペコ「スイッチオンであっという間に液状化」
オレンジペコ「これは暴力というより行うべき浄化」
オレンジペコ「元の優しいMIHOさんに戻ってね どうか」
みほ「むごたらしい 暗黒な返事のせいで」
みほ「青少年に衝撃 まるで 残酷な天使のテーゼ」ワァァァァァァ!!
みほ「みんな見たくなるのは 神話になる景色」
みほ「使徒を仕留めるように 韻吐き出す敵に」ワァァッァア!!!
みほ「それと例え話でも鼠いじめないで」
みほ「薬打ってるの?ってくらい狂気じみてサイケ」ワァァァァ!
みほ「想像上の鼠もいたわる 私の背後万歳」
みほ「しているのは 動物愛護団体」ワァァァ!
40: 以下、
オレンジペコ「万歳三唱 いつの時代ざんしょ?」
オレンジペコ「勝手に鼠になりすましたのはあなたでしょ?ガンショット」ワァァ!
オレンジペコ「このステージ上 人間対人間 最初と変わんない」
オレンジペコ「だからとっとと帰って 動物愛護団体」ワァァ!
オレンジペコ「1対1なら あなたの惨敗」
オレンジペコ「すでに見えてるイメージ 祝勝会で最後乾杯」ワァァァ!
オレンジペコ「ちなみに紅茶飲んでないのは 喉潤ってるから」
オレンジペコ「MIHOじゃ カラカラになるほど圧力ないから」ワァァァ
みほ「ガンショット?突然の銃撃?」
みほ「あれ?撃たれたはずなのに全然呼吸できる」ワァァア
みほ「つまり嘘 張りぼて 粉飾ラップ」
みほ「ここに来て何それ すっごくショック」ワァァ!
みほ「いやペコさんに限ってそれはないか あるいは空砲?」
みほ「または単純に狙い外したヘタクソ?」ワァァァ!!
みほ「腕が無さすぎでしょ この超近距離」
みほ「次は私の番 燃やす押韻の火」ワァァァァァ!
オレンジペコ「押韻 韻を『踏む』ってことは火消しみたいなもの」
オレンジペコ「あべこべ理解不能 先輩アホなの?」
オレンジペコ「ステージ上で 急に強気のあなたの方が粉飾」
オレンジペコ「戦車道で尊敬してた分ショック」ワァァ!
オレンジペコ「韻が好きなのは 大洗の校風?」
オレンジペコ「ワンパターンで 面白味のない型通り」
オレンジペコ「だったら さっきと同じようにかわすマタドール」
オレンジペコ「韻だけに縛られない 私こそがドープ!」ワァ!
役人「終了ーーーーーー!!!!」
ワァァァア!!
41: 以下、
みほ「……………」ハァ..ハァ..ハァ..
オレンジペコ「………………」フィッ!
役人「それではこれよりラウンド2の判定に入ります!先攻MIHO、後攻オレンジペコ。勝ったと思う方の札を上げてください」
亜美「………………」
千代「………………」
理事長「………………」
香音「………………」
新三郎「………………」
役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」
ババン!
亜美:MIHO
千代:オレンジペコ
理事長:MIHO
香音:MIHO
新三郎:MIHO
役人「先攻4、後攻1。勝者、MIHOーーーー!!!!」
ワァァァァァァァ!!!
みほ「やった!」グッ
オレンジペコ「っ!」
役人「今の試合、どうでしたか?篠川さん」
香音「MIHOさんの韻が最初から最後まで高水準をキープしていたのが素晴らしかったです。ディスも強烈で……オレンジペコさんはラウンド1のダメージを引きずって本調子を出し切れなかった気がします」
役人「ありがとうございました。えー、島田さんはどうでしょうか?」
千代「MIHOさんのライムはハイレベルで思わずうなりましたけれど、私はオレンジペコさんのアンサー力の方に痺れていて、ラウンド1でのMIHOさんの暴力的な攻撃は受け流したんですけど、ラウンド2ではあえて自分も暴力的なアンサーをするんですね」
千代「でも同時に『こんな風に言われたら嫌でしょ?』っていう意味が込められてる。その後の『元の優しいMIHOさんに戻ってね』が象徴してますよね。その上で『マタドール』っていう攻撃を受け流すスタンスは保っていますし、パンチラインが効いててよかったのでオレンジペコさんに挙げました」
役人「なるほど。ありがとうございました!」
役人「えー、第4試合の勝者はMIHOということで………………大洗女子、1回戦突破です!」
ウォオォォォォォォ!!!
オレンジペコ「……おめでとうございます」
みほ「あっ……あ、ありがとうございます。あの……色々ひどいこと言っちゃって……」
オレンジペコ「それがバトルですよ?」ニコリ
みほ「あ……」
オレンジペコ「優勝目指して頑張ってくださいね。応援しますから」
みほ「……はい!ありがとうございます!」
42: 以下、
【舞台袖】
杏「おかえりー、西住ちゃん」
麻子「お疲れ」
みほ「た、ただいま戻りました」
杏「やー、バシバシ決まってたねぇ」
麻子「戦車道で相手の弱点や隙を見抜く洞察力は伊達じゃないな」
みほ「い、いえそんな……」
杏「どーだった?楽しかった?」
みほ「………………はい。戦車道をやってる時と同じくらい……気分が高揚して、冷静になるのに必死でした」
杏「ほうほう。冷泉ちゃんが熱くなるくらいだもんね」
麻子「……まぁな」
杏「さて、無事1回戦突破したことだし、客席で観てるみんなのところに顔出したいところだけど……このまま他の学校の試合を見よっか」
麻子「賛成だ。どこが勝ち上がってくるか、そしてどんなスタイルなのかを知っておけばバトルに役立つ」
みほ「しっかり研究しましょう」コクリ
杏「――――お、これからやるのは……継続とプラウダだね」
麻子「勝った方と次戦うのか」
みほ「どんなスタイルなんだろう?」
ミカ「」
ノンナ「」
みほ「ミカさんがトップバッター……」
杏「どっちが勝つんだろねぃ」ニヒヒ
役人「それではDJルミ、かまーせー!!」
ルミ「っ!」キュル
ミカ「星は昨日と変わらない 例え私たちがどう過ごそうと 目に映るありのまま以上を世界にもたらす 恩恵と言うのも憚られるけれど美しさから得るものは何も感情を震わせるものだけじゃあない 私たち人間を構成するナニカの一部に組み込まれ……いや、組み込んだと思いたくもなるさ」
麻子「……おい。ラップしてないぞ」
みほ「ただの朗読会みたい……」
杏「リズムとか無視だねぇ……ある意味キャラが立ってるけど」
43: 以下、
ノンナ「よそでやれ 退屈な朗読会」
ノンナ「やる気のない輩は 総取っ替え」ワァァ!
ノンナ「バラエティ番組のやる気ない番宣俳優か?」ワァァ!
ノンナ「四肢をバラバラにして物語は最終回」ワァァ!
麻子「……ふむ。プラウダの方はかなりまともだな」
杏「残る2人はカチューシャと……クラーラさんかな?」
みほ「………………」
みほ(ノンナさん、クールな表情のまま淡々とラップしてる……お客さんがだんだんその雰囲気に呑まれて、どんどん歓声が増していく……)
ノンナ「お前が行くべきなのは 星を見る会だけ」
ノンナ「戦場に来たのは間違い ここで散る定め」ワァァァァ!!
継続高校VSプラウダ高校戦終了――――
麻子「ノンナさんの3人抜きか……」
杏「安定して強いというかブレないね」
みほ「継続高校はなんというか……」
杏「はっきり言って微妙だったね。それほどやる気じゃなかったのかもね」
麻子「先鋒は論外として、後の2人も聖グロほどのレベルではなかったからな」
杏「お、次はサンダースとワッフル学院だね」
ケイ「」
杏「いきなりおケイか」
役人「DJルミ、かまーせー!!」
ルミ「っ!」キュル
44: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=-W3UoYkGjic
♪Guess Who’s Back / Rakim
<今回はケイのバースのみ>
ケイ「みんな盛り上がってるー?(ウォォォォ)……オッケー!」ワァァ!
ケイ「ならこっちも全開でいっちゃおうかなー!?」ワァァァ
ケイ「アイムケイ サンダースの特攻隊長」
ケイ「攻退場 させちゃう 1バースで散弾銃バン!」ワァァ
ケイ「あなたのMCのアカウントごとBAN!」ワァァ!
ケイ「言葉!の弾丸!勝利へのカウントダウン!」ワァァ!
ケイ「ティロリーンってトロフィーゲットするわ フォローミー」ワァァァア!
ケイ「あ?!本当にビックリするくらい楽し?!」ワァァァ!
ケイ「ねぇねぇどうしてそんなにケンカ腰?」
ケイ「仲良く戦わないとされちゃうよ えんがちょ」ワァァァ
ケイ「あ、みんなもこれ知ってるんだ?結構古い記憶だけどねー」
ケイ「私って意外と古風なのよ 年末にはちゃんと出す年賀状」ワァァァァァ!
ケイ「変なのー!って顔のお客さんが1、2、3、4…」
ケイ「数えきれないくらい多いねー でもいい感じ」ワァァァ!
ケイ「あなたもリラックスしなよ?ほらほら眉間のしわ」
ケイ「気付いてないの?みんな見てんのになぁ?」ワァァァァ!
ケイ「もうこれが最後のバース?あっという間ねー」
ケイ「時間って経つの早いよね じゃあ最初からもっかい…」
ケイ「ってそんなの無理よね 一発勝負」
ケイ「クリティカルで私の勝ち だってあなた失策上手」ワァァァ!
ケイ「ノリ悪くていけずなまま自滅していってる」ワァァァ!
ケイ「まさに棚ボタ でも勝ちはすぐ拾うわ 3秒ルール!」ワァァァ!
ケイ「感情クール だからあなた印象薄い 物足りない」
ケイ「だから??……カモーン!ネクストチャレンジャー!」ワァァァァ!!
役人「終了???!!!!」
ワァァァァ!
麻子「……完全に観客を味方に付けるスタイルだな」
みほ「うん、相手よりお客さんの方を向いてる時間の方が長かった。それでいてところどころでパンチラインは決めてくる」
杏「フロウもリズムに合わせたり会話風にしたりと器用だし、さすがおケイだねぃ」
麻子「私にとってはやりづらい相手かもしれない」
杏「かもね……ああいうタイプは乗せたら怖いから要注意だね」
その後も、みほたちは試合観戦を続けた――――
45: 以下、
杏「とりあえず1回戦は全部終わった。このあと各校が予想通り順当に勝ち上がった場合、うちが当たる可能性があるのは、プラウダ、サンダース、アンツィオ、それと黒森峰かBC自由学園だね」
みほ「サンダースはケイさんの3人抜き。アンツィオは先鋒のペパロニさんがクリティカルで負けちゃったけど、次に出てきたカルパッチョさんが強かった」
麻子「ああ。ライミング重視で共感できた」
杏「それと黒森峰……」
麻子「……逸見エリカか。すごかったな」
http://www.youtube.com/watch?v=Y32qOQDbWok
♪GOLDEN MIC / ZEEBRA
エリカ『このクソビッチ、見た目だけのタンカス女!』
エリカ『根性叩き直せ 行ってこいよタンカスロン!』ワァァァ! ※タンカスロン(強襲戦車競技)。リボンの武者より
エリカ『薄化粧が逆に気持ちわりぃよドブス』
エリカ『男誘う ゲロ臭いフェロモン漂う動物!』
エリカ『戦車道やってるくせに 爪伸ばしてるんじゃねぇよ!』
エリカ『どっちつかずの優柔不断女!載っちまえ戦死者名簿』
エリカ『このマイクでどついて その歯並びガタガタにしてぇ!』
エリカ『道空けろ雑魚 マザーフ○ッカー 死ねェ!』
麻子「……バトルだと割り切っているんだろうが……ああも口汚く人を罵れるものなのだな。それとも普段からああか?まさかな……」
みほ「さ、さすがにあそこまでひどくないよ」
杏「でも意外と小節の最後は堅実に韻踏んでるし、あの声量と勢いは観客を味方につけるよ。サンプリングもあったし、ただのヒステリックじゃないからねー」
麻子「結果3人抜きしたしな。強いのは強い」
みほ「相手の人、完全に呑まれてたね……」
杏「ただ、黒森峰が当たるであろうBC自由学園。知波単が3人抜きで負けたでしょ?ここがかなり強かった」
麻子「……確かに。ムール、ボルドー、アスパラガス。この3人の強さは図抜けている。勝ち上がってくるとしたらBC自由学園の可能性が高いだろうな」
みほ「BC自由学園の強さはどこから来るんでしょうか?」
杏「んー、もともとBC高校と自由学園って別々の学校で校風も違う。それが統合したんだけど、今でも学園艦内は右舷と左舷で両校が分かれてるんだよ」
杏「それでも争い事が多くて大変らしいよ。その解決策の1つとしてフリースタイルバトルをやってたみたいだね。ガス抜きみたいなものかな」
みほ「経験者ってことですか……」
麻子「なるほどな。なかなか厄介だ」
杏「で、最近はタンカスロンっていう競技を通して不仲が解消されたらしいから、チームワークもそこそこ良し」
みほ「煽って不協和音を誘うのも難しいですね」
杏「逸見エリカが絶好調だったとしても………3人抜きは無理かなぁ」
麻子「先鋒のレッドスターだったか?あの人では太刀打ちできないだろうしな……」
スタッフ「大洗女子学園のみなさん、2回戦の準備をお願いします!」
杏「わかりました。今度は……西住ちゃん先鋒、私が次鋒、冷泉ちゃんが大将で行こう」
みほ「わ、私が先鋒ですか?」
杏「そそ。さっきの調子でちゃちゃっとやっちゃってよ」
みほ「は、はい。がんばります……」
46: 以下、
【ステージ】
役人「それではこれから2回戦を始めます!大洗女子学園対プラウダ高校の戦いだー!」
ワァァッァア!
役人「うぇいよー!盛り上がってきたぜー!それじゃあ第1試合、先鋒の登場だ!」
みほ「」ザッ
ノンナ「」ザッ
ワァァッァア!
みほ(の、ノンナさんが相手か……)
ノンナ「………………」
みほ(う……じっとこっち見たまままったく目を反らさない……怖い……)
役人「先攻後攻、じゃんけんをお願いします」
ジャンケンポイ
ノンナ「……後攻で」
役人「OK!では大洗女子学園対プラウダ高校、第1試合、ラウンド1……DJルミ、かまーせー!!」
ルミ「っ!」キュルル!
47: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=Co-WEAxmr1Q
♪一網打尽 / 韻踏合組合
<先攻MIHO VS 後攻ノンナ ラウンド1>
みほ「先手でかます あんこうチーム」
みほ「フロウ、ライム、感情、リズム」ワァァ!
みほ「全て揃えてく プロフェッショナル」
みほ「その威力さながら ロケットアーム」ワァァァ!
みほ「急所を撃ち抜く 一撃KO」
みほ「無駄な動きなく 理知的でしょ?」ワァッァ!
みほ「フリースタイルバトルを 上手くやろうと」
みほ「したのにてんでダメな プラウダ高校」ワァァァ!
ノンナ「韻はともかくディスの斬れ味全然ない」
ノンナ「もしかして年下にしか威張れないのか?」ワァァ!
ノンナ「年上絶対、年功序列?」
ノンナ「ならお前は 初戦で 健闘終える」ワァッァ!
ノンナ「先攻ドS 火花散らせると思ってた」
ノンナ「それなのに このザマじゃしらける」ワァァ!
ノンナ「牙ないなら勝っても 意味がないわけでは」
ノンナ「ないけどここで死になさい」ワァァァ!
みほ「っ…別に年上年下 関係ない」
みほ「決め付けた罰として 反省会」ワァァ!
みほ「お客さんに聞けばわかる あなた歓声ない」ワァァ!
みほ「っていうか フリースタイルが安定しない」
みほ「年上って言ったってたった 1年差」
みほ「それを ああだこうだぐちぐち いじめんな」ワァ!
みほ「私のスキル見せる 異次元だ」
みほ「滅多打ちにされても くじけんな!」ワァァ
48: 以下、
ノンナ「ようやく少しかかったエンジン」
ノンナ「でもそれは 馬の鼻先ぶら下がった人参」ワァァァ!
ノンナ「遮二無二なだけで 方向性皆無」
ノンナ「目の前にイレ込んだ 高校生がいる」ワァァァア!
ノンナ「プラウダに 歯向かうのならば 無期限拷問」
ノンナ「その代わり許してやるよ 敵前逃亡」ワァァァ!!
ノンナ「むざむざ怪我したくないなら 逃げなさい」
ノンナ「私も出来ればこの手 穢(けが)したくないから」ワァァァッァア!!
みほ「拷問とか何それ 縄文時代みたい」
みほ「私ならば軽くかわし 生存しハイになる」ワァァ
みほ「時代錯誤な相手 理解が不能」
みほ「このまま耕してく 未開拓の地」ワァァ!
みほ「敵前逃亡なんてしない ご機嫌上々」
みほ「言ってることつまらない あなた落研の子?」ワァァ!
みほ「もちテンションも 上がる一方の先鋒」
みほ「これが大洗の一番手 見違える戦法!」
ノンナ「結局こいつ韻だけ 他はこの程度」
ノンナ「意味も不明、ようはビビッて縮こまったってことでしょ?」ワァァッァア!!!
ノンナ「心は折れて 求めてる救護室 リクエストに」
ノンナ「応え連れて行く プラウダ寮209号室」ワァァァ!!!
ノンナ「仕方ないだろう、所詮ないんだよ覚悟」
ノンナ「悲しいまでに哀れ 敗者の末路」ワァァァ!
ノンナ「戦車がないMIHOは ただのMIHOだ」ワァァァ!
ノンナ「散々に嬲られて 生ゴミと化す」ワァァァァァ!!!!!
役人「終了ーーーーーー!!!!」
ワァァァァ!!
49: 以下、
みほ「………………っ」
ノンナ「………………」
みほ(ダメだ……完全にノンナさんの雰囲気に呑まれちゃった……)クッ
ノンナ「………………」
役人「ではこれより判定に入ります!先攻MIHO、後攻ノンナ……勝ったと思う方の札を上げてください」
亜美「………………」
千代「………………」
理事長「………………」
香音「………………」
新三郎「………………」
役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」
ババン!
亜美:ノンナ
千代:ノンナ
理事長:ノンナ
香音:ノンナ
新三郎:ノンナ
ワァァァァ!
役人「クリティカルヒット?!勝者!後攻……ノンナ????!!!」
みほ「っ……!」
役人「このような結果になりましたが……篠川さん、どうでしょうか?」
香音「はい。MIHOさんは前回のバトルでかなりの攻撃性とライミングをバシッと決めていたので、私を含めお客さんも全員がこの試合でも期待を込めて見ていたと思うんです」
香音「でもライムはところどころでちゃんと決めてるんですけど、期待があった分だけ、攻撃に少し物足りなさを感じてしまったのが正直なところです」
香音「そこをノンナさんが『年下にしか威張れないのか?』っていうラインでお客さんと審査員のクエスチョンマークを『なるほど!』に変えて空気をかっさらった感じがありますね。さらに付け入る隙も与えず攻撃しつづける容赦の無さがカッコよかったです」
役人「なるほど……ありがとうございました」
みほ(……ノンナさん相手にディスしにくかったのもあるけど……でもここまで押されるなんて……っ)
役人「バトルを終えた2人に大きな拍手を!」
パチパチパチ!
役人「では第2試合に移ります!」
50: 以下、
【舞台袖】
麻子「………お疲れ」
みほ「………………すみませんでした」
杏「まーまー、そうゆーこともあるよ」
みほ「はい…………でも悔しいです」
杏「おろ?」
みほ「なんか……自分でもビックリするぐらい悔しいんです」
杏「……そっか」
みほ「だから……次は絶対に勝ちたいです」
麻子「……よくわかる。もう二度と負けたくないというその気持ち」
みほ「麻子さん……」
杏「んじゃま、私も頑張んなきゃねー♪行ってくるよ」テクテク
みほ「……お願いします!」ペコリ
麻子「…………もし負けても問題ない。私が絶対に勝つ」
杏「頼もしいねー♪んじゃ気楽にいこっかな」アッハハ
【ステージ】
役人「それでは第2試合、先攻後攻を決めてください」
ジャンケンポイ
杏「後攻でー」
役人「OK!ではラウンド1を始めます!先攻ノンナ、後攻アンジー。DJルミ、かまーせー!!」
ルミ「っ!」キュッ!
51: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=abfMiEZ-GDQ
♪Turn Up / KEN THE 390
<先攻ノンナ VS 後攻アンジー ラウンド1>
ノンナ「大洗アンジー 第2の獲物」
ノンナ「ウォーミングアップに ちょうど手頃」ワァァ
ノンナ「若手で充分 片手で充分」ワァァ!
ノンナ「どんどん寿命を 縮めてゆく」ワァ!
ノンナ「そこの 子供 元々 小物」ワァァ
ノンナ「やる気があるなら いたぶるとことん」ワァァ!
ノンナ「戦車道で負けた ヘイト大量」
ノンナ「だから覚悟しなよ 生徒会長」ワァァ!
杏「戦車道とバトル それがリンク?」
杏「なんか反則じゃね?トラベリング」ワァァ!
杏「それはそれ でしょ マジな話」
杏「バカに思われちゃうよ?八つ当たり」ワァァ!
杏「戦い方に出るのは 個性と執念」
杏「思考が老けてるから トメィト食って」ワァァ!
杏「スッとしたならフットワーク」
杏「軽くなってポジティブ案 フッと沸く」ワァァァ!
ノンナ「アンサーに全くなってない」
ノンナ「そんなザマじゃ ここじゃ勝てない」ワァァ!
ノンナ「何一つ お前わかってない」
ノンナ「クリティカル追加 下がってな」ワァァ!
ノンナ「ダジャレとライムを 混同してる」
ノンナ「そんな初心者は どんどん消える」ワァ
ノンナ「プラウダ高校 2回戦突破」
ノンナ「こっぱ微塵にしてやるアンジー」ワァァ
52: 以下、
杏「バラバラにされたら 甚だ迷惑」
杏「だけどその場で くっつく復活」ワァァ
杏「負けないやつが 最後に勝つ」
杏「夢中で攻撃中 背後に立つ」ワァァァ!
杏「この大会きっかけで ラップを始めた」
杏「立場同じなのに 私だけ初心者?」ワァァ
杏「自信あるんだねぇ 自分の才能」
杏「周り見えてないけど 気分は最高?」ワァァァ!
ノンナ「人によって違う成長度」
ノンナ「とくと感じろ スキルの違いを」ワァァ
ノンナ「理解度に関しちゃ 言うだけ無駄か」
ノンナ「意味不明な言葉を叫ぶバカ」
ノンナ「相手にするだけ 時間の浪費」
ノンナ「私が勝つのは みなさんご存じ」ワァァ
ノンナ「楽勝で達成 2人抜き」
ノンナ「スキルと身長の差 まるでスカイツリー」ワァァア!
杏「スカイツリーと何を比べたの?」
杏「ドバイのブルジュ・ハリファなら私の勝ちだよ?」ワァァァ! ※ブルジュ・ハリファ……ドバイにある、世界一高い超高層ビル
杏「828メートル、ブルジュ・ハリファ」
杏「2人抜きどころか 続くラリーが」ワァァア!
杏「『みなさんご存知』って 調子乗りすぎだー」
杏「興奮わかるけど ちょっち落ち着きなー?」ワァァァァ!!!
杏「この人 無表情だけど『うっひょー』とか思ってるよぜってー!」
杏「家で1人の時は テンション高い 内弁慶?!」ワァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!!」
ワァァァァ!
53: 以下、
役人「それでは判定に入ります!先攻ノンナ、後攻アンジー!勝ったと思う方の札を上げてください」
亜美「………………」
千代「………………」
理事長「………………」
香音「………………」
新三郎「………………」
役人「………全員決まったようです。それでは…………どうぞ!」
ババン!
亜美:アンジー
千代:ノンナ
理事長:アンジー
香音:アンジー
新三郎:ノンナ
役人「先攻2、後攻3!ラウンド1、勝者は後攻、アンジー!!」ワァッァァ!
杏「よっしゃーい!」ワァァァ!
ノンナ「………………」
役人「蝶野さん、いかがでしたか?」
亜美「2バース目まではノンナさんかなという感じだったけれど、最後で逆転したわね。グランドスラム!」
亜美「個人的には、スカイツリーに対するアンサーでは、日本にあるスカイツリーより高いものの名前を挙げたくなるのね、富士山とか。でもアンジーさんは世界に目を向けたのスケール感と、ブルジュ・ハリファの高さをちゃんとラップに組み込んで、お客さんに理解してもらうっていう細やかさ。抜け目ないわね?」
亜美「あと所々で『トメィト』だったり、『無表情だ』と『うっひょーとか』のライミングとか、力が抜ける感じのワードセンスもよかったわ。グッジョブベリーナイス!」
役人「ありがとうございました。ではラウンド2に入りましょう。先攻後攻じゃんけんをお願いします」
ジャンケンポイ
杏「後攻でー」
ノンナ「!」
役人「OK!ではラウンド2に入ります……先攻ノンナ、後攻アンジー。DJルミ、かまーせー!!」
ルミ「っ!」キュッ!
54: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=4dmcGml5jAk
♪com on! / ACE
<先攻ノンナ VS 後攻アンジー ラウンド1>
ノンナ「連続で後攻 まさに臆病もん」
ノンナ「与えてあげましょう 極上の死」ワァァ
ノンナ「ラウンド1 勝てたのはただの幸運」
ノンナ「本腰入れて 額に合わせる照準」ワァァ!
ノンナ「私はプラウダの先鋒にして 最終兵器だ」
ノンナ「逆転への伏線は 回収できた」ワァァア!
ノンナ「今度はクリティカルだちゃんと勝つ」
ノンナ「一撃必殺 魔弾の射手」ワァァァ!
杏「怖い怖?い 魔弾の射手」
杏「でも私 視力良いから避けちゃう 裸眼のヤツ?♪」ワァァァア!
杏「忖度(そんたく)を せず全弾回避 最後は弾切れ」
杏「さようならして 帰るよ もう不必要だもんねコンタクト」ワァァァ!
杏「あとさ、最終兵器とか自分で言うのってさあ」ワァァ!
杏「中二病を自白するぐらいしらけるよなぁ」ワァァ!
杏「……うん、でも付き合ってあげよう私も大人だ!」
杏「『さ、最終兵器!?一体どうしたらいいんだぁああ!?』」ワァァァァ!!
ノンナ「まったく付き合いきれない 三文芝居」
ノンナ「そんなラップじゃ 会場内の誰も 感動しない」ワァァ
ノンナ「お客さんも 愛想つかして 去るのみだ」
ノンナ「お前のラップで沸くのは 動物園の猿のみだ」ワァァ
ノンナ「もはや何も言えない 屍にするしか手が無い」
ノンナ「アンジー 大惨事の事件現場 仕立てあげる」
ノンナ「もはや二度と 干し芋は食せない」
ノンナ「チームメイト 生徒 ショック隠せない」ワァァ!
55: 以下、
杏「『去るのみだ?』、『猿のみだ?』」
杏「ダジャレとライムを混同してる?」ワァァッァァ!!!
杏「そう言った1本目の話どうなります?!?」
杏「ちょっとちょっと!親父ギャグ言っちゃ困ります?!」ワァァァ!
杏「『あのノンナさんが!?』って空前絶後」
杏「ひょっとして酔ってるの!?お客さん終点ですよ?!?」ワァァッァア!
杏「すごいなぁ スカイツリーだけじゃないんだもんなぁ」
杏「空前絶後のぉ??? サンシャインノンナ!」ワァァァァ!!
ノンナ「自分で言って 自分で決め付け」
ノンナ「後攻だから出来る技 使ってるだけ」
ノンナ「ただの悪ノリ 低レベル文化祭のノリ」
ノンナ「芝居がかった ダサイ口調で舞い踊り」ワァァ
ノンナ「結局はあんこう踊りが お似合いなんだ」
ノンナ「なんか半端なまんまな あんたじゃ」ワァァ
ノンナ「話にならない こんなんじゃ ノーアンサー 聴覚異常者」
ノンナ「このままじゃ一体 どうなる日本は」ワァァ!
杏「急に政治が出てきちゃったねー 池上彰の」
杏「番組観て影響された? それはミーハーっぽい」ワァァ!
杏「聴覚はちゃんとあるし 耳はちゃんとついてる」
杏「あ、もしかして……これは耳じゃなくてツインテール」ワァァァ!
杏「文化祭 レベル低いのそっち プラウダかわいそー」
杏「お客来ないのかな?でも大丈夫 私が行こう!」ワァァァァ!
杏「あんこう踊り 大洗の宣伝ありがとねー」
杏「でも宣伝だけじゃなくて 本当は 感想も欲しい」ワァッァア!!
役人「終了ーーーーーー!!!!」
ワァァァァ!
56: 以下、
杏「……ふー」
ノンナ「……………………………………」
役人「ではこれより判定に入ります!先攻ノンナ、後攻アンジー……勝ったと思う方の札を上げてください」
亜美「………………」
千代「………………」
理事長「………………」
香音「………………」
新三郎「………………」
役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」
ババン!
亜美:アンジー
千代:アンジー
理事長:アンジー
香音:アンジー
新三郎:アンジー
役人「クリティカルヒットーー!!!勝者、後攻、アンジー!!!」
ワァァァァァ!
役人「ではコメントを…………新三郎さん」
新三郎「いや、なんて言ったらいいんでしょうか……この場を完全にコントロールしましたよね。ええ」
新三郎「ユーモアのあるパンチラインでお客さんをガンガン盛り上げて……ノンナさんはやりにくかったと思います。言うこと全部返される上に会場の空気をかっさらっていかれるので。これは文句なしにアンジーさんかな、と」
役人「ありがとうございました。島田さん、どうでしたか?」
千代「そうですね。やはりアンサーが上手で面白かったです。2バース目の『コンタクト』という言葉も、視力がいいからコンタクトレンズは必要ないというのと、魔弾の射手、つまり遠距離攻撃の人で、しかも弾切れになったからもうコンタクト(接触)をとることはない、というダブルミーニングになっていてお見事でした」
千代「それに加えて、アンジーさんの見た目が小柄で可愛らしいですよね?そのフォルムが人を小バカにするスタイルとマッチしていて良いですね」
役人「ありがとうございました。では第3試合に移りたいと思います。熱いバトルをしてくれた2人に拍手を!」
パチパチパチパチ!
57: 以下、
【舞台袖】
みほ「うわ……すごい……ノンナさんを一蹴しちゃった」
麻子「ラウンド1は会場の空気を読み、ラウンド2で仕留めにかかった……会長のシナリオ通りだろうな」
みほ(私が負けてプラウダ側に流れていった会場の空気をあっという間にこっちに持ってきた……)
みほ(……このムードメーカーぶりは天性のものだよね……真似できないよ。さすが会長)
【ステージ】
役人「では第3試合を始めたいと思います!」
杏「…………」
クラーラ「…………」ザッ
杏(やっぱカチューシャは大将か)
役人「先攻後攻じゃんけんをお願いします」
ジャンケンポイ
杏「後攻で」
役人「それでは先攻クラーラ、後攻アンジー……ラウンド1、DJルミ、かまーせー!!」
ルミ「っ!」キュルッ!
58: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=q3y_HOnS82s
♪SWAG IN DA BAG / AK?69
<先攻クラーラ VS 後攻アンジー ラウンド1>
クラーラ「ここから先は 一歩も通さない」
クラーラ「あなた向かってくるのならば 容赦ない」ワァァ!
クラーラ「私はカチューシャ様を守る ガーディアンになる」
クラーラ「賛否があっても アンチアンジーだ」ワァァァ!
クラーラ「勝利して歌うのは プラウダの讃美歌」ワァァ!
クラーラ「大洗の校歌はここじゃ流さない せいぜい半地下」ワァァ
クラーラ「あなたとカチューシャ様では 大将として格が違う」
クラーラ「ここで終わりアンジー 私が第2の刺客」
杏「半地下?いいねぇ 洒落たレストランで祝勝会するよ」
杏「そこの半地下っつーか 店内で叫ぶ アンチカチューシャ!」ワァァァ!
杏「と、その前に……ガーディアン名乗るとか寒くね?」ワァァ!
杏「サーティワンアイス 何品か 一気食いレベルに凍える」ワァァァ
杏「心もすっげーかじかんじゃった マジなん?あんた」
杏「ガーディアン、つまり守護者……あ、やっぱ寒い 欲しいカーディガン」ワァアァア!
杏「プラウダはいいよね 寒さに慣れてて ホントしょうもねー」
杏「ことを言っても全然平気 いとも簡単に温度調整?♪」ワァッァァァ!
クラーラ「忠義 尊敬を茶化すしかできない 生徒会長」
クラーラ「程度が非常に 低いですね 追加される阻害要因」ワァァ!
クラーラ「黙らせるために 閉じ込めてあげましょうか冷凍庫」
クラーラ「それまでにすませておきなさい 会長職の継承を」ワァァ
クラーラ「心が かじかんだならば 作戦は成功」
クラーラ「悪戦苦闘せず あなた下がらせてやりました」
クラーラ「心を入れ替えて励みなさい 生徒会長」
クラーラ「そんなあなたでも一応 大洗の顔だもの」
59: 以下、
杏「閉じ込める冷凍庫って プラウダにあるんだよね?」
杏「一歩も通さないどころか 懐につれてゆくことになるよ?」ワァァァ
杏「お前は伝説の爆撃機じゃない この街は危なくないね!」ワァァ
杏「ダンスナンバーで踊り続けても 全然安全なんだー!」ワァァァァ! ※※月の爆撃機、ダンスナンバー、共にTHE BLUE HEARTSの曲
杏「でも部外者に お説教されるのは辛いなー」
杏「やたらめったらにクレームするタイプだよ ウザいなー」ワァァァ!
杏「心がかじかんだ 私はお前を倒し熱を使って」
杏「カチカチな氷溶かしたりしガチで勝ちを得がち そんな価値観だ」ワァァァ!
クラーラ「何故か急に出てきた THE BLUE HEARTS」
クラーラ「あなた青いのは 心じゃなくてお尻」
クラーラ「未だに残っている 蒙古斑(もうこはん)が」
クラーラ「バレてしまった 3ターン目 もう土壇場」ワァァァ!
クラーラ「ダンスが踊りたいのなら 勝手に踊りなさい」
クラーラ「おちゃらけた態度では この先に手が届きはしない」ワァァ
クラーラ「中身の薄いディスとライムに 尊厳は無い」
クラーラ「去りなさい大洗に あなたはここで 門前払い」ワァァァ!
杏「蒙古斑はないよ? クレーマー独特の思い込み」
杏「人のことばっか気にするのは 心の中にある重いゴミ」ワァァ
杏「ノンナさんもあんたも足りてないよ 笑顔がさぁ」
杏「美人でスタイルいいけど……なんていうか根がおばさん?」ワァァァァ!
杏「道塞ぐのはいいけど ぶっちゃけ今カチューシャは無防備」
杏「『すでにここまで2000の部下を放った』としたら?」ワァァァア!
杏「あれ?今までのネタわかってないの? 甲本ヒロトにthe BOSS」 >>0??he BOSS……THA BLUE HERBのMC
杏「鈍すぎてガッカリ バッチリ決まったじゃん こうもお見事に」ワァァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!!!」
ワァァァ!!
60: 以下、
役人「それでは判定に入ります!」
役人「先攻クラーラ、後攻アンジー……勝ったと思う方の札を上げてください」
亜美「………………」
千代「………………」
理事長「………………」
香音「………………」
新三郎「………………」
役人「……審査員のみなさんの心は決まったようです。それでは…………判定をどうぞ!」
ババン!
亜美:アンジー
千代:アンジー
理事長:アンジー
香音:アンジー
新三郎:アンジー
役人「クリティカル!勝者、後攻アンジー!!!」
ワァァァッァア!!
杏「うぃーす!」
クラーラ「………………」
役人「理事長、いかがでしたか?」
理事長「アンジーさんの最後の『すでにここまで2000の部下を放った』という、ブルーハーブを引用しましたが、途中で出てきた『ガーディアン』というワードであったり、クラーラさんの『一歩も通さない』をブルーハーツの月の爆撃機の歌詞と捉えた流れの中から使っている、という点がテクニカルでした」
役人「ありがとうございました。篠川さんいかがでしたか?」
香音「えー、クラーラさんですが、プラウダと大洗の両校を主軸にした流れがあまり機能しないとわかると、上手に切り替えて外見ディスにした。決断が早いと感心しました。『蒙古斑が』、『もう土壇場』のライムもよかったです。でも…」
香音「その外見ディスに対して、先鋒のノンナさんまで巻き込んだ『笑顔がさぁ』、『根がおばさん』というのが強烈でしたね」
香音「お2人が将来おばさんクレーマーになってしまうのかな……と想像すらさせてしまうラインで……アンジーさんを挙げました」
役人「ありがとうございました。バトルを終えた2人に拍手を!」
パチパチパチパチ!
61: 以下、
クラーラ「……絶対止めるつもりでしたが」
杏「悪いねぇ」
クラーラ「…………いえ、泣きながらうつむくカチューシャ様を慰めるチャンスであり、今よりさらに深い関係を目指せる可能性が生まれたと考えれば満更悪くない展開かもしれませんがいやしかし……」ブツブツ..
杏「……ま、まぁ頑張ってよ」
役人「……それでは第4試合を始めます!プラウダ大将、ステージへ!」
カチューシャ「………………」トテトテトテ..
杏「………………」チラ
ザワザワザワ..
杏(……会場でカチューシャを知らない人は外見を見て驚いてる……というかナメてる感じか)
杏(でも私は油断しないよー)
杏(カチューシャは天然で子供っぽいところはあるけど賢いし、自分より強い人間がいるならわがままを押し通して参加したりしない)
杏(つまり、プラウダのトップスリーなのは間違いない。気を抜いたらこっちが3人抜きされる可能性だってある)
杏(でも、それはそれとして……)
杏「やあ、カチューシャ。久しぶり。舞台袖からここまで遠かったでしょ?100歩くらいあるもんね」
カチューシャ「たった数メートルよ!私の歩幅はそんなに狭くないわ!」プンスカ!
杏「あっはは!そっかそっか」
カチューシャ「この?……カチューシャをばかにして……」ヌヌヌ
杏(挑発に弱いのは確かだから……そこを狙う。冷静さを失えば負けるのがバトルだもんね)
役人「では先攻後攻じゃんけんをお願いします!」
ジャンケンポイ!
杏「後攻で」
カチューシャ「あ、あんた後攻ばっかじゃない!」
杏「そだっけ?」??
カチューシャ「とぼけるんじゃないわよ!だってずっと……」
役人「あ、あの……バトル前の私語は控えてください」
カチューシャ「……っ、わかってるわよ!」プイ
杏「………………」
杏(あと1人……気を抜かずにいこう)ウンウン
役人「それでは2回戦第4試合……ラウンド1、先攻カチューシャ、後攻アンジー……DJルミ、かまーせー!!」
ルミ「っ!」キュラッ!
62: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=etBoFzACPkA
♪Beats & Rhyme / MACCHO,NORIKIYO,般若&DABO
<先攻カチューシャ VS 後攻アンジー ラウンド1>
カチューシャ「私が3人目 負けたら全部おわり」
カチューシャ「でも3人に勝てば 2回戦突破し」ワァァ
カチューシャ「そのまま 勢い特化でドッカンドッカン突貫」
カチューシャ「快進撃の小さな巨人が スキルフルに駆逐する」ワァァッァア!!!
カチューシャ「本家フリースタイルダンジョン テレ朝 Abema」
カチューシャ「スキルと生き様 ぶつかり合う 新木場ageHa」ワァッァア
カチューシャ「でもアンジーの本音は『この大会はあれとは別だね』」
カチューシャ「『楽に勝てるよ 人気があれば!』」ワァァァァァ!
杏「悟り、悟られ、罵詈雑言」
杏「そんな気持ちこれっぽっちも 無いよお嬢」ワァァ!
杏「似てないし演技下手だよ 劇団カチューシャ」
杏「それじゃ食えない炭坑夫のバイトで 石炭かつぐか?」ワァァァァ!!!
杏「快進撃の前に チビなあんたじゃ持てないマイクだって」
杏「このちっちゃい穴の中に入るわけ?」ワァァァ!
杏「さて!ここで私の本音『楽に勝てるよ』」
杏「『踏みつぶせる 身長 数十センチがあれば!』」ワァァッァァ!!
カチューシャ「体格差 だけじゃないはずだ 思考にバイアスが」
カチューシャ「かかってる最悪なアンジー 今のは挨拶代わり」ワァァァッァア!
カチューシャ「小柄と強さは別 例えば マイクタイソン」
カチューシャ「アンジーより小さいけど私の方が ライム倍以上」ワァッァ!
カチューシャ「大舞台にも 堂々 屁理屈に 対する返しも」ワァァァ!
カチューシャ「全てにおいて高水準 エリートコースに準じる」ワァァ!
カチューシャ「図星で言葉失ってるのかい?超ショック」
カチューシャ「プライド粉々 辞しなさいよ 会長職」ワァァァ!
63: 以下、
杏「確かにライムやばいね 私より小さいけど」
杏「質もかなり高いね 私より小さいけど」ワァ
杏「会場盛り上げてる 私より小さいけど」ワァァ
杏「内容も割と長けてる 私より小さいけど」ワァァァ!
杏「先攻なのに押してる お子様だけど」ワァァ
杏「遠慮せずに勝ちを欲してる お子様だけど」ワァァァ
杏「お子様だけど 将来もそのままだけど」ワァァァ!
杏「お子様だけど……いや、やっぱりこの場で果てろ!」ワァァァァァァ!!
カチューシャ「お子様とか小さいとか何度も何度もうるさいのよ!」
カチューシャ「毎日牛乳飲んでるし ぶら下がり健康器だって使ってる!」
カチューシャ「ナメんじゃないわよ!絶対大きくなるわ!ナイスバディ!」
カチューシャ「あんたなんか こーやって 上から見下ろしてやるんだから!フン!」ワァァ!
カチューシャ「それにあんたの髪型だって子供みたいじゃないツインテールで!」
カチューシャ「……可愛いから ちょっとやってみたいの我慢してるのにムカつくわ!」
カチューシャ「あ!それとこないだ買ったサプリメントはすごく効くみたい!」
カチューシャ「だから身長伸びるし あんたなんかあ?っという間に」
カチューシャ「追い抜いてやるんだから!絶っ……」
杏「あーあーあー、割り込むなら一言『お邪魔します』な?」
杏「生徒会長アンジーそゆとこ こだわりますから」ワァァァ!
杏「挑発に全乗っかりの 快進撃の小人(しょうじん)」
杏「あんたに比べたら大人びてるよ うちの親戚の小2」ワァァァァァ!!
杏「ツインテールに憧れても 長さ的に無理でーす」
杏「純真で騙されそう 使い分けようフリーメール」ワァァァァ!
杏「まずい健康食 よりかいいんじゃない?サプリメント」
杏「私は身長より辛勝が欲しい だから 勝つ気全力!」ワァァァァァァ!!!
役人「終了ーーーーーー!!!!」
ワァァァァ!!!!!!
64: 以下、
杏「………………」フィー
カチューシャ「????っ!」ギリギリギリ!
役人「ではこれより判定に入ります!先攻カチューシャ、後攻アンジー……勝ったと思う方の札を上げてください」
亜美「………………」
千代「………………」
理事長「………………」
香音「………………」
新三郎「………………」
役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」
ババン!
亜美:アンジー
千代:アンジー
理事長:アンジー
香音:アンジー
新三郎:アンジー
役人「クリティカルヒット??!なんと3連続!!勝者、後攻アンジーーーーーーー!!!!」ワァァアァァァァ!
杏「よし……」フゥ
カチューシャ「くぅぅう???」ギロリ
杏「睨むなって。作戦作戦」
役人「審査員にコメントを聞いてみましょう。新三郎さん、どうでしたか?」
新三郎「2バース目のカチューシャさんのバース終わった時点ではカチューシャさんが優勢かなと思ったんですけど……アンジーさんの返しがまた執拗な……と言ったら語弊があるんですけど、効果てきめんでしたね……3バース目を普通ぐらいの出来で終わらせてたらカチューシャさんの方に挙げてたと思います」
役人「ありがとうございました。蝶野さんはいかがでしょう?」
亜美「新三郎さんが言ったように、2バース目がターニングポイントだったわね。アンジーさんはグッジョブベリーナイスパートスリー!」
亜美「カチューシャさんの性格を読んだ上での作戦でしょう。ビックリするぐらいピタッとハマってこういう結果になったけど、実はすごいリスキーな手法よね」
亜美「不発に終わったら悔やんでも悔やみきれないでしょうね。カチューシャさんが挑発に乗らなければ逆に2バース目がネックになってクリティカルでアンジーさんの負けもあったと思うわ。でもそれに賭けた……いえ、成功すると読み切った感性が素晴らしいわ!」
役人「ありがとうございました。みなさん、バトルを終えた2人に拍手を!」
パチパチパチパチ!
杏「ごめんよカチューシャ。勝つために仕方なかったんだよぅ」ヒソヒソ
カチューシャ「ふんっ!いっぱい悪口言っといて今さら遅いわよ!」ヒソヒソ
杏「胸とか身長に効く運動とか食事の情報を見つけたら教えたげるからさ」
カチューシャ「ホント!?」パァッァア!
杏「うん。まぁ、その……私も……ん…………だし、ねぇ?」
カチューシャ「……ふふっ!さっきあれだけ言ってたのに」クス
杏「それはそれ、これはこれ」
カチューシャ「ま、いいわ。じゃあまた今度ね」
杏「うん、じゃあね。カチューシャ」ニコリ
カチューシャ「っ……う、うん」
カチューシャ「……な、なによ……無邪気に笑っちゃって……///」ブツブツ
65: 以下、
【舞台袖】
杏「やあただいま」
みほ「お疲れ様です!」
麻子「さすがだったな」
杏「カチューシャは結構ヤバかったけどねー。自滅してくれなかったら危なかった」
麻子「……確かにかなり強かったな。私がやるとしたら……」
杏「お?なんかワクワクしてる?」
麻子「……ん。ちょっと戦ってみたかった」
杏「うーむ。冷泉ちゃんとカチューシャの試合も面白そうだ。西住ちゃんとの試合も見たいけど」
みほ「わ、私だと負けちゃうと思います」
杏「やっぱ年上は苦手?」
みほ「は、はい。なんか……やりづらいです。ノンナさんの場合は迫力があった分、余計……」
杏「そっかぁー……じゃあどうしよっかな。次に当たりそうなのはサンダースなんだよねぃ。おケイとナオミちゃんが年上か……」
麻子「……優勝を目指すなら西住さんが年上に慣れるのが必要だ。大洗の3年生相手には普通に戦えていた。となればあとは慣れの問題だろう」
杏「……だね。身内以外の年上に慣らそう。オーダーは西住ちゃん、私、冷泉ちゃんの順で行こう」
麻子「わかった」コク
みほ「すみません、私…」
杏「や、優勝するためには西住ちゃんの力が必要だから気にしなくていーよ♪それじゃあ他の試合見に行こうか」
杏「――――やっぱサンダースが勝ったか……」
麻子「バランスがいい。攻撃的なアリサ、柔軟性のあるナオミ、そしてカリスマ性と天性の明るさでムードを作り出す隊長……」
みほ「特にケイさんが強いというかやりづらそう……ムラッ気があるんだけどそれがプラスになるというか会場全体と一体化する感じがすごい。どことなく……」チラ
杏「……私と似たようなスタイルだよね」フフ
麻子「2人でやったらどうなるんだろうな」
杏「バッチリ噛み合うか……どちらかの一方的な展開になる、かな?」
みほ「あ、黒森峰の試合が始まりますよ」
66: 以下、
役人「――――勝者、先攻エリカーーー!!!」
杏「2人抜き、か」
麻子「ベルウォールも悪くはなかったがな」
みほ「うん。2対3ばかりの接戦だった」
杏「ガラ悪い同士で見てて面白かったねー」イヒヒ
役人「第4試合を始めます!ベルウォール学園、大将!ステージへ!」
みほ「あっ……!!」
麻子「?どうした」
エミ「」
みほ「エミちゃん……」
杏「あー、ドイツ行ったり来たりしてた子だっけ?」
みほ「はい。友達です!」※リトルアーミーに登場。戦車道全国大会後に行われた、優勝校主催の優勝記念杯にて再会、大洗とも対戦している
杏「こういうの出るタイプなの?」
みほ「……でも無さそうですけど……意外と似合ってもいると言いますか……」
麻子「どっちなんだ」
みほ「私とかお姉ちゃん……ううん、戦車道に関わる人たちが出てるから参加を決めたのかも」
杏「あるいは周りにケツ叩かれたかだね。チームのブレーンでしょ?」
みほ「はい」
杏「じゃあ逸見エリカとどう戦うのか、楽しみだ」
【ステージ】
役人「では先攻後攻じゃんけんをお願いします」
ジャンケンポイ!
エリカ「先攻で行くわ!」
役人「OK!それでは第4試合ラウンド1、先攻エリカ、後攻エミ、DJルミ、かまーせー!!」
ルミ「っ!」キュルッ!
67: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=gnsih1UHL1A
♪ビートモクソモネェカラキキナ 2016 REMIX / DJ RYOW
<先攻エリカ VS 後攻エミ ラウンド1>
エリカ「不良どもをかきわけて 登場したのは赤髪女」
エリカ「心細さにクソ震えながら 日和りな ビッチが」ワァァァ!
エリカ「一番最後の大トリがてめぇかよ 久しぶりだな」
エリカ「なんだその目は? 必死か? 反抗的なクソアマ」ワァァ!
エリカ「おい 髪色 そんだけ赤いなら ペンキ塗ってんのと一緒だろ」
エリカ「顔色ごと青くしてやるから ペンキぶっかけさせてくれよなぁ」ワァァ!
エリカ「それとあんた さっきまでのワルと違いますオーラ出してるけど」
エリカ「あんたも性格悪いクソなスケ番と変わらねーんだよ」ワァァ
エミ「ビートモクソモネェカラキキナ」ワァァァ
エミ「だからってわけでもないのね ただの悪口なら意味ないビギナー」ワァ!
エミ「こんな隊長じゃ 黒森峰の最強説は崩れちゃいそう」
エミ「だって冷静じゃないよ 前隊長と全然違うよ偏差値も」ワァァ!
エミ「会場のみなさん 魅力感じますか?こんな女に」ワァァ!
エミ「クソとかカスとか叫んで ドヤ顔で『どんなもんだい!』」ワァァァ!
エミ「バトルでも 知性は見せるべきでーすやっぱ」
エミ「それが最低限できてこその フィメールラッパー」ワァァァァ!
エリカ「前の隊長の方がすごいに決まってる当たり前じゃない!」
エリカ「私が一番よく知ってるのよ!余計な口挟むな!」
エリカ「ネチネチネチネチ 女の一番 嫌な部分」
エリカ「1つのこといつまでもほじくり返す 貴様クズ!」ワァ!
エリカ「フィメールラッパー?ラッパーじゃねぇよ私は戦車道」
エリカ「この大会はあくまで企画 本職のラッパーの人をナメてんのかよ!」ワァァァ!
エリカ「だからてめぇは クズでダボなビチグソ!」
エリカ「言えないような目に遭わせてあげましょうか?私は鬼畜よ!」ワァァ!
68: 以下、
エミ「ラッパーを舐めてないわ むしろリスペクト」ワァァ!
エミ「だからせめて自分の持ってる 最低限のスキルベスト」ワァァァ!
エミ「尽くすべく動く あんたは最初から最後まで節操」
エミ「無さすぎて 嫌んなる 吠えるだけの単なる狂犬」ワァァァ!
エミ「今日エンド 迎えてもいいでしょ? そこそこあるでしょう貢献度」ワァァッァ
エミ「私の中ではあんたのバッドエンド がトレンド パッと面倒」ワァァァァ!
エミ「片付けちゃ『ゴメン』と 言ったあとは お勉強」ワァァァァ!
エミ「正直あんたに興味ない テレビなら全カットですもん」ワァァァ!!
エリカ「最後にライムをごちゃごちゃとうっさいのよバカ女!」
エリカ「テレビなら ってテレビじゃねーのに言ってんなアホか!?」
エリカ「貢献度とかうぜーんだよ!狂犬らしく噛みついてやろうか?」
エリカ「それか髪の毛掴んで浴槽に顔沈ませるか 息できねーだろうが!」ワァァ!
エリカ「バッドエンドがトレンドなのはこっちだって同じだ!」
エリカ「ボロ雑巾になったてめぇの姿 見下ろしてモナリザ」ワァァ!
エリカ「みてぇな微笑を浮かべてやるよ 勝者は私だからな」
エリカ「散々調子乗ったクソな お前もここで終わりだ!」ワァァァ!
エミ「モナリザのような微笑みは 死ぬ間際のあんたが浮かべる」ワァァァ!
エミ「全てから解き放たれて穏やかな表情 参列者に私も連なる」ワァァ
エミ「生前はスキルの無さ暴かれて ヤバさだけ 際立たせ」
エミ「誤魔化してきただけ それでなんとか未だ負け知らず」ワァァァァ!
エミ「でもそろそろ限界間近 主役交代の展開が来た」ワァァァ!
エミ「天界行くか?いや無理絶対 地獄行き までが一区切り」ワァァァ!
エミ「嫌われエリカが三途の川 渡れないように六文銭」
エミ「タンスの中に 隠すように しまっとくもんねー」ワァァァァァ!
役人「終了ーーーーー!!!!」
ワァァァァァ!
69: 以下、
【舞台袖】
みほ「エミちゃん……強い」
杏「……結構テクニカルだね。フロウもいい感じに決まってた」
麻子「ディスも強力だ。性格悪いのか?」
みほ「そ、そんなことないよ!ちょっと恥ずかしがり屋さんなだけで……」
麻子「いや、バトルを見てる限り……」
ワァァァァ!!
みほ「!」
杏「クリティカルで…」
麻子「ベルウォールの大将の勝ちか」
杏「これで大将同士の戦いになるねー」
みほ「黒森峰は誰が大将なんだろう……?」
杏・麻子「………………」
みほ「あ、あれ?どうしたんですか?2人とも」
杏「いや、おそらく……というかまず間違いなく……」
麻子「……逸見エリカが次鋒で出てる時点で……」
みほ「?」
70: 以下、
ワァァァァァァ!
みほ・杏・麻子「!」
まほ「」ザッ!
みほ「お、お姉ちゃん!?」
杏・麻子「やっぱり」
みほ「えっ、えっ!?で、でも……お姉ちゃんがこういうの出るわけないよ!だってラップなんて今まで全然…」
杏「それは私たちも一緒っしょ?」
麻子「後輩に頼まれたんだろう。黒森峰のためにとか、最後の思い出作りにとかな」
みほ「あっ……そんな頼まれ方したらお姉ちゃん、引き受けちゃいそう……優しいもん」
杏「西住まほがラップバトル……にっひひ。どんな感じなんだろね??」
麻子「未経験者なら私たちとスタート地点は同じか」
杏「エミって子はかなりやるよー?さあどうなる」
みほ「……お姉ちゃん」
【ステージ】
エミ「………こんな形で会うとは思いませんでした」
まほ「私もだ」
エミ「負けませんよ」
まほ「……ああ」
ジャンケンポイ!
まほ「後攻で」
役人「OK!では第5試合ラウンド1、先攻エミ、後攻西住まほ、DJルミ、かまーせー!!」
ルミ「っ!」キュキュッ!
71: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=7QMuFtaGjOE
♪NITRO MICROPHONE UNDERGROUND / NITRO MICROPHONE UNDERGROUND
<先攻エミ VS 後攻西住まほ ラウンド1>
エミ「黒森峰の最後の砦」
エミ「大トリで文句なしのカリスマ」
エミ「後輩たちが まるで蟻塚」ワァァ
エミ「の中から群がるみたいに 好かれる先輩」
エミ「でもそれってなんか疲れる絶対」ワァァァ!
エミ「心労で緊張で そのうち使うペースメーカー」
エミ「いっそここで 負けてくれれば 結構安息」
エミ「すっきりしたら一緒に行きましょうか 健康ランド」ワァァァ
まほ「健康ランド好きなら見るはずお年寄り」
まほ「それなのにペースメーカーをネタにする外道」ワァァァ
まほ「お前のやりたいエンターテインメントがコレか?」ワァァァァァァ!
まほ「そもそも後輩は仲間 蟻なんて発想が無い」ワァァァ
まほ「あるのは性格悪い お前の中にだけだ」ワァァァ!
まほ「そして今日、今ここで漏れたお前の外に」ワァァァ!
まほ「最初にカリスマと持ち上げて最後に落とすつもり」
まほ「お前の希望する就職先は マスコミだろ絶対」ワァァァァァァ!!!
エミ「この人カリスマじゃなく ただの成りすまし」
エミ「韻が思い付かない タイプらしい」ワァ
エミ「ならクラシック でも家で聴いてれば?」
エミ「この場で情けは無用 韻で蹴散らす メシアすら」ワァ
エミ「救えない傷 負わせる 拭えない血の量」
エミ「二度と 逆らえずにそう 致死量まで突破」ワァァ
エミ「派手そうな 事件現場 ハンパない危険性だ」ワァァ!
エミ「異次元的な 韻連発してたらもう勝てそうだ」ワァァ!
72: 以下、
まほ「まず1つ 韻が思い付かないわけじゃない」
まほ「必要か不必要かで使い分けるだけだ」ワァァァァ!
まほ「韻踏まないだけでクラシックを薦める」
まほ「その思考回路こそが異次元的 コミュニケーションとれない」ワァァァァ!!
まほ「『思ってはいない』、『でも近い』、『韻が踏める』、『じゃあ言おう』」
まほ「その価値観こそ メシアすら救えない」ワァァァァァァァ!!!!!
まほ「健康ランド行ったり 致死量まで出血とか」
まほ「本当のお前はどっちなんだ?エミってのは誰だ?」ワァァァァ!
エミ「エミは私だ だからこう笑みを浮かべつつ」
エミ「韻を繋げてく そしてゲットする勝利」
エミ「押韻が足りないくせに 偉そうな態度」
エミ「観客が沸くのはおそらくワイロ 渡し済み」
エミ「悲しい罪 きっと後悔というか……っ……間違いない」ザワ..
エミ「この場に立つことが場違いだ 恥かいた」
エミ「その上に弾かれた そんな立場にある」
エミ「西住まほ 楽勝 必要ない 息継ぎなど」ワァァ!
まほ「ワイロなんて渡すわけない この子かわいそう」
まほ「被害妄想 お前が一番よくわかってる旗色」ワァァァァ!
まほ「途中詰まったな 私の図星が当たったか?」ワァァァ!
まほ「目が泳いだところバッチリ見てたよ この事件現場でな」ワァァァァ!
まほ「恥かいたとか場違いな立場とか」ワァァ!
まほ「この辺のラインは 全部自分自身に言ってたな」ワァァァァ!
まほ「『西住まほ』、『息継ぎなど』」
まほ「最初から言うって決めてた このネタ以外はな」ワァァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!!!!」
ワァァァァ!!
まほ「………………」
エミ「っ……っ……」ギリッ..
73: 以下、
【舞台袖】
みほ「………………」
麻子「これは…………」
杏「………………」
役人「クリティカルヒット!!勝者、後攻西住まほ!!!3回戦突破したのは、黒森峰女学園ーーー!!」
ザワザワザワ...
麻子「韻をほとんど踏まず、相手の核心を突くアンサー……」
杏「それに加えて、カリスマ性と迫力だね。それに声質もいい。あの距離で正対すると……多分、呑まれる」
みほ「お姉ちゃん……」
杏「……西住ちゃんのお姉ちゃんやるねぇ♪会場を一気に自分のホームにしたよ」
麻子「…………」
杏「……3人とも結構強いBC自由学園が勝ち上がってくると思ったんだけど……これは黒森峰もあり得るかもねー」
麻子「勝ち抜きである以上強いのが1人いれば勝ち目はあるからな。もし勝ち上がってきたらどう戦うべきか……」
みほ「バトルでは相性の問題が割と大きいですよね」
麻子「そして先攻後攻もな。あの人は後攻が特に強いだろうが……私との相性は微妙だな。やりにくい部類に入るか?」
杏「んー、私の場合は……後攻とれるし、相性もそこそこ悪くないってとこかな」
麻子「会長はじゃんけんで絶対負けないからな。卑怯なレベルだ」
杏「褒め言葉として受け取っておこう」ニヒヒ
みほ「……私とお姉ちゃんの相性はどうなんでしょう?」
麻子「悪くはないと思う……が、それは西住さんが力を発揮できればの話だ」
みほ「う……」
麻子「年上で威圧感のある相手だ。大洗以上の身内ではあるが……どうなるだろうか」
みほ「それは………………」
杏「……まあまあ、戦うかどうかもわかんないんだし、その辺にしとこう。次の相手に集中しよう」
74: 以下、
【ステージ】
役人「さあいよいよ4回戦、準々決勝が始まるぞー!うぇいよー!」
ウォォォ!!!!
役人「準々決勝最初のカードはこれだ!大洗女子学園VSサンダース大付属高校ーーー!!!」
ワァァァアァァ!
役人「盛り上がっていくぜー!先鋒、カモン!!」
みほ「」ザッ
アリサ「」ザッ
みほ(アリサさんは同い年……でも高圧的だから気持ちで負けないようにしないと)
役人「先攻後攻じゃんけんをお願いします!」
ジャンケンポイ
アリサ「後攻で」
役人「ぅぅぅOK!それでは準々決勝第1試合ラウンド1、先攻MIHO、後攻アリサ!DJルミ、かまーせー!!」
ルミ「っ!」キュリキュリ!
75: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=Z537RF0S8K0
♪GONE / DJ RYOW
<先攻MIHO VS 後攻アリサ ラウンド1>
みほ「サンダース大雑把な アメリカンスタイル」
みほ「前の試合見てたけど 粘ってたね時間使い過ぎ」ウォォォォ!!
みほ「粘着質な卑怯者 控室 盗聴の雰囲気」
みほ「でもある意味覚悟決まったよ 武器の使用の踏ん切り」ワァァァァ!
みほ「イライラして じだんだ踏む 足りないビタミン みかんは食う?」ワァァ!
みほ「効き目は後から 時間差生む それまで我慢しな ひがんだブス」ワァァ!
みほ「さっきの試合も唾飛ばし過ぎ 挑発する仕草をやりすぎ」ワァァァ!!
みほ「冷静なのは10分の1 自分の器は重々承知?」ワァァァ!
アリサ「重々承知?は?バカ言ってんじゃないわよ」
アリサ「成長って言葉知らないわけ?この子、はいアホとても」ワァァ
アリサ「相手にならないくらいの低次元 贈るのは称賛じゃなくて アイダホポテト」ワァァァ!
アリサ「車長だったのにできてない状況把握 病状早く進行」ワァァ
アリサ「手術して治してもらいましょうか 呼ぶブラックジャック」
アリサ「でもこの子の価値考えたら いらないかも このジャップファ○ク」ワァァァ!
アリサ「だけど見た目と体は一丁前 だからとりあえず私が勝った後に」
アリサ「ナオミにパスザマイク じゃなくMIHOをパスザボディ」ワァァァ!
みほ「リスペクトや 愛などとても 抱(だ)けないただイラつく」
みほ「あ、でも アイダホポテト だけはいただきます」ワァァァァァ!
みほ「なんか誇大妄想癖が どだい放送できない 堂々出来ない」ワァァァ!
みほ「ぐらいだ 消えてくれないか?Xの『紅(くれない)』かそれぐらいのBPMで」ワァァァ!
みほ「ブラックジャックで目覚めたんですか二次元?」
みほ「じゃあTさんはどうなるんですかね?行き詰まり 完結ない事件」ワァァ
みほ「でもまぁ結局落ち着くのはこの一点 この人性格悪い」
みほ「だから みなの嫌われ者 孤独 きっと聖夜辛すぎ」ワァァ!
76: 以下、
アリサ「残念だけどクリスマスは みんなでパーティー」
アリサ「色々踏んでるつもりだろうけどあんた 韻がヘタッピ!」ワァァ
アリサ「あんたの返しの方が100倍性格悪い」
アリサ「少しは真っ当になれるよう 腐った心へ効かすワクチン」ワァァ!
アリサ「注入 そして支払いなさいよ ポテトの代金」
アリサ「あ、やっぱりいいわ 感染する性悪のあんたのばい菌」
アリサ「それよりかハイキングにでも行って気分転換」
アリサ「あんたのこと思い出すのは 正味2分でいいわ」
みほ「ハイキングよりもこの場はライミング 考えなよタイミング」ワァァ
みほ「ポテトは贈ると言っていた なのに代金請求 私腹を肥やす」ワァァ
みほ「内心デブ こんな女 恋人は無理 よくて愛人です」ワァァァ!
みほ「最新センス 程遠い 身内も即背信で不快『死んで』って思ってる」ワァァァ!
みほ「大した韻すら 踏めてない人が 踏んでる私を責めている」
みほ「勘弁いざこざ イケてない雑魚が だったら見せてよせめてILL(イル)なトコ!」ワァァァ!! >>0?LL……かっこいい、ワイルドなどの意味
みほ「ん?ちょっと怒った?表情に火が灯ったね 自覚はあるの?」
みほ「でも気を付けて 脂ぎってるんだから 火だるまなるよ」ワァァァ!
アリサ「火だるまになったら抱きついて道連れにしてやる」
アリサ「焼死体2つになることで この勝負が引き分けだと実証したい」ワァァァ!
アリサ「それともシンゴジラのように 口から炎を吐いてやる」
アリサ「生意気な口も目も耳も鼻も 燃やして溶かして壊してやる」ワアァ!
アリサ「骨を拾いに来た REZEとアンジーも撃破しちゃう」
アリサ「戦車道での借りは返す 今のこの調子なら敵なしだ」ワァァ!
アリサ「見せてやるわよ3人抜きを 運よく勝ってきた大洗の憑き物」
アリサ「落として平凡な3人衆だったと 自覚させるいともたやすく!」ワァァ
役人「終了ーーーーーー!!!!」
ワァァァ!
77: 以下、
みほ「………………」
みほ(悪くない手応え……勝ったと思うんだけど……どうだろう?)
役人「ではこれより判定に入ります!先攻MIHO、後攻アリサ……勝ったと思う方の札を上げてください」
亜美「………………」
千代「………………」
理事長「………………」
香音「………………」
新三郎「………………」
役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」
ババン!
亜美:MIHO
千代:MIHO
理事長:MIHO
香音:MIHO
新三郎:MIHO
みほ「!」
アリサ「っ!」
役人「クリティカルヒット!!勝者、先攻MIHOーーーーー!!!!」
役人「このような結果になりましたが……島田さん、どうでしたか?」
千代「私自身もこの判定結果に驚いています。序盤はMIHOさんがかなり押していましたが、後半はアリサさんも盛り返してきていました。『火だるま』に対するアンサーも上手でしたし。私は、MIHOさんが頭から重厚な韻をぶつけてきたのでMIHOさんに入れましたが、でも差はそれほどでは無かったので、票は割れると思っていました」
役人「しかし結果はクリティカルになりました」
千代「はい、驚きました」
役人「ありがとうございました。バトルを終えた2人に大きな拍手を!」
パチパチパチパチ!
みほ「ぁ………」ペコリ
アリサ「……ったく、戦車道の時はともかく、バトルではさらに人が変わるのね。それともこっちが本当のあんたなの?」
みほ「い、いえ!そんなことは!」
アリサ「…………悔しいけど負けは負け。完敗だわ。でもサンダースが負けたわけじゃないからね」
みほ「!はい……」
78: 以下、
役人「続きまして第2試合です!」
ナオミ「」クチャクチャ..
みほ「…………」ゴクリ
みほ(ナオミさん……ガム噛みながらじっと見てる……うぅ……やりずらい)
役人「先攻後攻じゃんけんをお願いします」
ジャンケンポイ
ナオミ「……後攻で」
役人「OK!では先攻MIHO、後攻ナオミ、ラウンド1を始めます!DJルミ、かまーせー!!」
ルミ「っ!」キシュッ!
79: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=fEjZ6YzdFk4
♪雪ノ革命 / GAGLE
<先攻MIHO VS 後攻ナオミ ラウンド1>
みほ「1バース目 相手は2番手のサンダース」
みほ「片付けは楽 短時間屁のカッパっす」ワァァァ!
みほ「こんな柄にもない 下品さもテクニック」
みほ「アメリカにも遜色ない レベルで韻がとてもビッグ」ワァァァァ!
みほ「試合前からくちゃくちゃガム 鍛えてるのかな噛む力」
みほ「関係ない 斬りつける刀 肩口から」ワァッァア!
みほ「先鋒あんこうチーム つまりチョウチンアンコウ」
みほ「舐めてかかってたら もう死んじゃうよ?!?」ワァァァァ!
ナオミ「チョウチンアンコウが刀使う?意味不明」
ナオミ「アンコウは捌き、捌かれてってのが大洗の名物だろ?」ワァァァ!
ナオミ「でも確かにキミはチョウチンアンコウだろうな」
ナオミ「だってちょっと睨んだら 目が泳いでたもんなぁ」ワァァッァア!
ナオミ「というかチョウチンアンコウは 食用じゃなくて深海魚」
ナオミ「韻無いと 不安だからって無理 矢理引用されて可哀想」ワァァ!
ナオミ「それにしても好きだねぇ カッパとか水棲生物」
ナオミ「陸に上がった深海魚は『もう死んじゃうよ?!?』」ワァァァァア!
みほ「ロゴ デフォルメ 比喩に例え話」
みほ「いちいち真に受ける 実に歯止めが無い」ワァァ!
みほ「あんたはアリサさんがブラックジャック呼べると本気で思いますか?」
みほ「だとしたら世の中生きにくいはず 歯を食いしばる」
みほ「だから必要なのかな?ガム噛むのが」
みほ「イタい勘違いして言っちゃうのかな タイムハズカムとか」ワァァア!
みほ「どう思いますか皆さん?って聞けばこっちの支持者だいぶ集まる!」ワァァァ!
みほ「あんたよりも私の方が ハイクラスだ!」ワァァ!
80: 以下、
ナオミ「ガム噛んでたのは 歯応えが欲しいからさ」
ナオミ「柔いキミ相手じゃ スルリと飲み込んじゃいそうだからな」ワァァ
ナオミ「今も途中から 目を反らして観客にアピール」
ナオミ「金持ち校サンダースを前に よくハイクラスとか言えるなあ!オイ!」ワァァァァ!
ナオミ「お?デカい声に脅えて 硬直か子猫ちゃん?」
ナオミ「だったら銃のレーダーサイト 狙いはおでこだ」ワァァァ!
ナオミ「ショックの用意だけしときな 一応な」
ナオミ「あーだこーだ言ってたキミが 食用になっちまうなぁ」ワァァッァア!
みほ「遺体を移送せずに厨房に誘導して食用とか」
みほ「告訴レベル超えてる なのにほくそ笑んでる」ワァァ!
みほ「そんな精神性 カニバリズム 人喰える」
みほ「想像したくもない それってまさに地獄絵図」ワァァ
みほ「私だったらカニバリズムよりサンバのリズム」
みほ「それかヒーリングミュージック その方がなんか落ち着く」ワァァ!
みほ「あんたバッドガールな 猟奇的な彼女 私は」
みほ「審査員からプラスイメージを 押韻でいただくよ」ワァァァ!
ナオミ「最後踏み外してる 審査員も気付いてる」
ナオミ「焦りか嘆きが 口を滑らしたかな?」ワァァ!
ナオミ「サンバとヒーリングって全然別々じゃん」ワァァ!
ナオミ「ノリもリズムも逆 支離滅裂だ」ワァァッァ!
ナオミ「ちなみにキミが食用っても 比喩表現なんだけど?」ワァァァァ!
ナオミ「生徒に教わる先生みたいに 悲惨だねもう」ワァァァァァ!!
ナオミ「これがラストバースだよ 自称ハイクラス」
ナオミ「キミのミスの分 私のポイント 倍プラス!」ワァァァァ!!
役人「終了ーーーーーー!!!!」
ワアッァアア!!
81: 以下、
みほ「…………っ」
みほ(結構踏み込んだつもりだけど……じっと目を見れないとか、声でビクッとしちゃったのを指摘されたし、もしかしたらクリティカルとか……?)ドクン
役人「ではこれより判定に入ります!先攻MIHO、後攻ナオミ……勝ったと思う方の札を上げてください」
亜美「………………」
千代「………………」
理事長「………………」
香音「………………」
新三郎「………………」
役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」
ババン!
亜美:MIHO
千代:ナオミ
理事長:ナオミ
香音:ナオミ
新三郎:ナオミ
役人「先攻1、後攻4、ラウンド1はサンダース、ナオミの勝利です!」
ワァァァァ!
役人「理事長、いかがでしたでしょうか?」
理事長「韻はもう圧倒的にMIHOさんですが、バースごとの隙をナオミさんが的確に突いた結果ですね。MIHOさんが使った『比喩』というワードを最後に持ってくる辺りもアンサーとして上手であったと思います、特に1バースでMIHOさんが決めたフレーズのチョウチンアンコウに対する返しが有効打となりましたな」
役人「ありがとうございました。ではラウンド2に入ります!」
ジャンケンポイ!
みほ「!後攻で」
役人「OK!先攻ナオミ、後攻MIHO、ラウンド2!DJルミ、かまーせー!!」
ルミ「っ!」シュバ!
82: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=uHJ5J5lk3-g
♪ラパッ / Shingo★西成
<先攻ナオミ VS 後攻MIHO ラウンド2>
ナオミ「迷わず後攻 勝ってから宣言までコンマ何秒?」
ナオミ「逃げ道を 見出したからこその安息」ワァァ!
ナオミ「けれどまだ甘いぜ そこで ほっと一息」
ナオミ「それが命取り キミのプライドへし折るボキボキに」ワァァァ!
ナオミ「誤解しないで 別に嫌いじゃないよ?むしろ好み」
ナオミ「だけど大洗は キミも次の子もイイ」ワァァァ!
ナオミ「そっちの会長も 割と悪くないようだけども」
ナオミ「やっぱ うちの大将の隊長が一番最高!」ワァァァ!
みほ「私が好み?そうですか 相当な光栄の極み」
みほ「土下座して口説いてくる妄想 そんな情景をニヤリ」ワァァァ!
みほ「選ばれる立場 いわば勝ち組 未だ足踏みしないで」
みほ「突き進む 決勝まで行かなきゃ自負心 満たされない」ワァァァ!
みほ「それが大洗女子先鋒に 託された任務」
みほ「出てきた相手を倒す 楽じゃねぇがシンプル」ワァァッァ!!
みほ「0?1は言うなればそう 助走距離」
みほ「すぐ立ち上がり攻ボディ 入れるまるであしたのジョー!」ワァァァ!!!
ナオミ「あしたのジョー 対 猟奇的な彼女」ワァァァ!
ナオミ「どちらが勝つかは神のみぞ知るだろう」ワァァ!
ナオミ「というか あしたのジョーじゃなくて矢吹丈だよ」
ナオミ「タイトルと『マンモス西』的な リングネームは別物だ」ワアァ!
ナオミ「ってステージ上でする会話にしては昭和すぎ」
ナオミ「もしかして わざと間違えて誘い込んだのか?性悪め」ワァァァ!
ナオミ「超ワル目なこと言ってきたのに 漫画ネタで親しみでちまったよ」
ナオミ「この責任どうとってくれるんだよ MIHO おい」
83: 以下、
みほ「責任というかアドバイス 試合放棄して 漫画喫茶へGO」
みほ「バトルじゃないモード入ったなら無駄でしょ なんか言ったってもう」ワァァ!
みほ「ここで負けても あなたには性の対象の最高の隊長」ワアァァァ!
みほ「も大笑で愛情の大賞をはいどうぞ ってなりそう あなたは」ワァァァァ!
みほ「読んでな少年ジャンプ 読み終わる頃にはこっちが当然チャンプ」
みほ「いらない証言サンプル データに残すライムの総生産数」ワァァァア!!
みほ「間違っても読まないでね 週刊少年チャンピオン」
みほ「連載してるドカベンの真逆 あなた当然三振王」ワァァァ!
ナオミ「早口すぎ 落ち着け まるでデスノートやコナン」
ナオミ「ばりにセリフ詰め込みすぎだよな そこんとこどうなん?」ワァァ
ナオミ「別に漫画通じゃないんだ たまたま少し盛り上がっただけ」
ナオミ「そう、『結果だけだ この世には結果だけ残る』」ワァァ!
ナオミ「…的な有名どころしか知らない 仲間に好きなやつがいるだけだ」
ナオミ「だからジャンプもチャンピオンもマガジンも普段は読まない」
ナオミ「そういうわけだ 勝手なイメージで漫画好きな『あいつは暗い』」
ナオミ「とか言うなよ?もしそんなことしたら撃つぜ愛車ファイア・フライ」ワァァァァ!
みほ「そんなフォローしたところで 意味がないよ今頃」
みほ「私は内容重視したまま 結果残すディアボロ」ワァァァ!
みほ「ここから始まる連勝劇 『もうホントダメ』」
みほ「と言っても絶対止まらない ジョジョ5部 『黄金の風』」ワァァァ!
みほ「この辺のネタも友達から得た それが力になった」
みほ「マジハンパないくらい ありがとう桂里奈ちゃん」
みほ「薦められた漫画 ジョジョの奇妙な冒険」
みほ「血肉になった 勝利確信できるほどの異常な貢献!!」ワァァァァァ!!
役人「終了ーーーーーー!!!!」
ワァァァァ!!
84: 以下、
みほ「ふー……」
みほ(さっきのラウンドの時の怖さをまぎらわすために漫画に話題を反らせてよかった)
みほ(ちょっと前にウサギさんチームのみんな……というか桂利奈ちゃんに捕まって漫画鑑賞会に付き合わされたおかげで助かったよ)ホッ
役人「ではこれより判定に入ります!先攻ダージリン、後攻REZE……勝ったと思う方の札を上げてください」
亜美「………………」
千代「………………」
理事長「………………」
香音「………………」
新三郎「………………」
役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」
ババン!
亜美:MIHO
千代:MIHO
理事長:MIHO
香音:MIHO
新三郎:ナオミ
役人「先攻1、後攻4!ラウンド2の勝者は後攻、MIHO????!!!」
ワァァァ!
みほ「…………」ホッ
役人「えー、新三郎さん、いかがでしたか?」
新三郎「ナオミさんはしっかりとアンサーを返せていたのが良くて、ラウンド1で出た『猟奇的な彼女』というワードを使ったり、あしたのジョーはタイトルであって主人公の名前じゃないとかきちんと訂正した上で、マンモス西っていうリングネームの人がいるみたいな情報も1個乗っけて、3バース目もMIHOさんの早口を漫画で例える辺りも結構面白かったので、ナオミさんに入れました」
役人「ありがとうございました。ではラウンド3に入りたいと思います」
85: 以下、
みほ「………………」
みほ(ラウンド1はナオミさんの迫力に押された……だからラウンド2はその矛先をズラしてしのいだ)
みほ(ラウンド3もこのままの状態で戦いたいけど……)チラ
ナオミ「…………」ギロリ
みほ「っ!」ブルッ
みほ(……ナオミさん、私の怯えに気付いてる……次こそそこを徹底的に責められちゃう……冷静に……落ち着いてやらないと……じゃんけんに勝って絶対後攻をとらないと…)ウゥ..
ジャンケンポイ!
みほ(負けちゃった!!)
ナオミ「…………先攻で」
みほ「え?」
役人「OK!ではラウンド3!先攻ナオミ、後攻MIHO!DJルミ、かまーせー!!」
ルミ「っ!」シュキュ!
86: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=aOhDkNgZgyg&index=10&list=RDuHJ5J5lk3-g
♪Knock Out / UZI
<先攻ナオミ VS 後攻MIHO ラウンド3>
ナオミ「ラウンド1の時点で とっくに気付いてるけどさ」
ナオミ「ちょっと睨んだくらいで なんでビビってんだよ」
ナオミ「1人だからか? 確かにステージ上じゃ孤立無援だ」
ナオミ「でも仲間と学校背負って 漕ぎ続けんだ!」ワァァァ!
ナオミ「この勝負 あんたがハンパじゃ勝利の価値がなくなる」
ナオミ「年功序列か顔か 何が怖いか知らないけどさ」
ナオミ「やる気があるんだったら とっとと覚醒しろ!」
ナオミ「廃校乗り越える根性あっただろうが!覚悟見せろ!」ワァァ
みほ「…廃校の危機 乗り越えたあとの 最高の日々」ワァァ!
みほ「そこで気付けた 学校への愛情の意味」ワァァァ!
みほ「そう 戦車道では仲間がいたから平気だった」
みほ「すぐそばにいて励ましてくれていたから」
みほ「でもこのバトルは別 むき出しのヒト対ヒト」
みほ「自分に自信のない私は怖さを感じた」
みほ「…でもそれもここまで 敵からのエール」
みほ「そんな心意気 浴びせられて力も出る」ワアァァァ!
ナオミ「……その言葉に二言はないな?」
ナオミ「だったらその全力を叩き潰すさ!」ワァァ!
ナオミ「お前の100パーを乗り越えた上で」
ナオミ「REZEとアンジーを飛び越えてやるぜ!」ワァァ!
ナオミ「私はサンダース 最初からスケールが違う」
ナオミ「しみったれた攻撃はした方が恥かく」ワァァ
ナオミ「最終ラウンド 決着の時!」
ナオミ「タックルしてマウントとって必殺の武器!」ワァァァ!
87: 以下、
みほ「必殺の武器の条件が マウントポジション」
みほ「使い道少なそうだし なんとも微妙」ワァァ!
みほ「スケールも小さい 四畳半で事足りる」
みほ「それに比べ私のライム 怒濤なんでそこがILL」ワァァァ!
みほ「ドライブ感覚でトライするようにも愛する」ワァァァ!
みほ「5倍鬱にさせるよ怪物と言われても耐え抜く」ワァァッァ!
みほ「1つ1つのダメージレベルが 出血多量」
みほ「こういうのが必殺なんだって 言ってるだろう?」ワァァァァ!
ナオミ「調子出てきたみたいだな でも足りない」
ナオミ「なんだかんだディスを控えて遠慮してる」
ナオミ「後のことなんか考えてるんじゃねぇよ」
ナオミ「出し切ったあと怒られても きっとなんか得てる」ワァァァ!
ナオミ「それに会場にいた みんなの意識とか価値観も変えてる」ワァァ
ナオミ「言い過ぎか?でもそれぐらいの気持ちで戦う」
ナオミ「次が最後だ ちなみにこれはエールじゃない」
ナオミ「日和ったらお前がフェイクだと暴く作戦だ!」ワァァァ!!
みほ「戦車も飼い主に似るのかな ファイアフライ」
みほ「ステージ上で光れないホタル なんか最悪だし」
みほ「お前ナルシズムが におい立つ男女(おとこおんな)」
みほ「甘い体臭が気持ち悪いから オイまずそこ通んな!」ワァァァ!
みほ「もっと遥か遠くにある無人島で一生暮らせ!」
みほ「1人孤独 野獣 そこには吉報すらねぇ!」ワァァァ!
みほ「私を強くしてくれて ありがとうございます」
みほ「でももはや用済みだから 去りなしょうもないヤツ!」ワァァァァ!!!
役人「終了ーーーーーー!!!!」
ワァッァァ!!
88: 以下、
みほ「はぁ……はぁ……」
ナオミ「…………ふっ」
みほ「ナオミさん……」
みほ(……私が怖がっているのをわかった上で先攻を取って……しかも私を奮起させようとするなんて……)
みほ「あ、あの……ありが…」
ナオミ「勝負はまだ終わってない」
みほ「あ、す、すみません」
役人「ではこれより判定に入ります!先攻ナオミ、後攻MIHO……勝ったと思う方の札を上げてください」
亜美「………………」
千代「………………」
理事長「………………」
香音「………………」
新三郎「………………」
役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」
ババン!
亜美:MIHO
千代:MIHO
理事長:MIHO
香音:MIHO
新三郎:ナオミ
役人「先攻1、後攻4!勝者は後攻、MIHO????!!!」
ワァァァァァァァ!
89: 以下、
役人「蝶野さん、いかがでしたか?」
亜美「MIHOさんはプラウダ戦の時のように苦手な相手だと本領を発揮しづらいのかな?と思っていたんだけど、それをナオミさんがズバッとディスるのかと思いきや、逆に奮い立たせて弱点を克服させるかのように鼓舞して正面からぶつかり合う作戦に出た。これは甘さとも取れるし、ナイスファイトとも言えるわね」
亜美「これは意識の問題で、弱点を突くのは作戦上正しいし、卑怯でもないけれど、ナオミさんは真っ向勝負に出た。ただ、結果的に急にディスに力が入ったMIHOさんのラップは振り幅が大きくなって威力が増した。私はそこに心を鷲掴みにされたわね」
役人「ありがとうございました。篠川さん、いかがでしたでしょうか?」
香音「あ、はい。あの、MIHOさんはすごくライミングが上手で、そつなくこなしている印象があったんですけど、1回戦のオレンジペコさんとの対決では『腐ったオレンジ』とか強烈なディスがあったのに対し、ノンナさんやナオミさんにはそこまで攻撃できてなかったんだな、っていうのをラウンド3で再認識しました」
香音「それは年上とか背の高い人に対する苦手意識というか……遠慮なんでしょうか?それが今回取っ払われて、ナオミさんの言う『覚醒』したMIHOさんのディスは凄かったと思います。もちろん、そのように導いたナオミさんも素晴らしかったです」
ナオミ「ありがとう」ウィンク
香音「えっ!?あ、は、い、いえ……///」
役人「それでは熱戦を繰り広げてくれた2人に大きな拍手を!」
パチパチパチパチ!
みほ「……あの、ナオミさん、本当にありがとうございました。私…」
ナオミ「なんのことかな?私は私がしたいようにバトルしただけだけど?」クス
みほ「ナオミさん……」
ナオミ「それに、まだサンダースは隊長がいるからね。勝ったつもりになるのは早いよ?」
みほ「も、もちろんです!」
ナオミ「……ふふ、ではまたね」ガシッ(握手)
みほ「はい!」ガッシリ!
90: 以下、
【舞台袖】
ナオミ「」スッ
ケイ「負けちゃったわね♪」
ナオミ「ああ」
ケイ「でもいい戦いっぷりだったわ!」
ナオミ「……隊長ならああすると思ったからね。みほさんの全力を引き出した上で戦いたい、ってね」
ケイ「さっすがナオミ!私のことよくわかってる!」アッハハ!
ナオミ「それに」
ケイ「?」
ナオミ「可愛い女の子の成長を見守るのってなんか楽しいというか……応援したくなるじゃないか」
ケイ「……ナオミ、アイドルのスマホゲームとかハマりそう。お金たくさん使っちゃうみたいだから気を付けてね」
ナオミ「ははっ…………もう遅いさ。すでに…………いや、よそう」フッ..
ケイ「そ、そう」
ナオミ「ま。それはそれとして……隊長、あの子強いよ?」ニヤリ
ケイ「知ってる。だからワクワクしてるんじゃない」エヘヘ
ナオミ「私との戦いで自信を得ただろうし、意識も変わった。元々の強さにプラスアルファされた。それをあの子も自覚してる」
ケイ「顔には出してないけど、ノリにノってる状態ってわけね」
ナオミ「うん」
ケイ「さすがミホ!そうじゃなくっちゃ面白くないわ!」
ナオミ「……ふふ、さすが隊長。あとは任せた」
ケイ「オッケー!」ダッ!
91: 以下、
【ステージ】
ケイ「イエーーーイ!」タタタタッ!
役人「!?」
みほ「ふぇっ!?」
ケイ「ミホ!ナイスヴィクトリー!」ビシッ!
みほ「へ?あ、え、ありがとう……ございます……」
ケイ「でも私は負けないからね?!それじゃ先攻後攻のじゃんけんしましょ!せーのっ!じゃんけん…」
みほ「は、はい!」スッ!
ケイ「勝ったー!じゃあどうしよっかなぁ?…………先攻にしまーす!」
役人「OK!では…」
ケイ「みんなー!準備はいい?!盛り上がっていくよー!?」
ワァァァッァア!!!
みほ「!」
みほ(すごい……あっという間に会場の雰囲気がガラッと変わっちゃった……)
ケイ「先攻ケイ、後攻MIHOよ!DJルミ、ビートをお願い!」
ルミ「っ!」キュルッ!
♪?
ケイ「…………ありがとう!じゃあ早始めましょ!じゃあコールよろしくねー!」
役人「あ、ああ……こほん!第3試合ラウンド1、先攻ケイ、後攻MIHO!DJルミ、かまーせー!!」
92: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=bCWuENvt7B4&list=RDuHJ5J5lk3-g&index=23
♪Welcome To The Dungeon / SKY?Hi
<先攻ケイ VS 後攻MIHO ラウンド1>
ケイ「オーケーオーケー マイクの準備はパーフェクト!」
ケイ「ベスト尽くしましょう!さあレッツゴー!」ワァァ!
ケイ「あそこからこっちまでのお客さんのほっぺにえくぼ!」
ケイ「浮かばせてる隙にミホに『えいやっ』とエルボー!」ワァァァァ!
ケイ「ポジティブとネガティブと明と暗と……」
ケイ「えーとなんと……言おうとしたか忘れちゃった!」ワァァ!
ケイ「でもなんとかなるわよね人生!だから次のバース」
ケイ「MIHOのに攻撃されても生き生きとなーる!」ワァァァア!
みほ「金髪でネアカ 韻なくてテーマが…」
みほ「これもやっぱなし もはや待ったなし」ワァァ
みほ「今のがケイの最後の笑顔だったらしい」ワァァ
みほ「そう言わせる後世の歴史学者に」ワァァ!
みほ「明るすぎるナチュラリスト この響き危ないっすよ」ワァァ!
みほ「変なの鼻から口から入れて ヤバさが内から出てる?」ワァァァ!
みほ「じゃなきゃ説明できない ハイテンション」
みほ「私に言わせればホント 怪現象」ワァァァ
ケイ「ナチュラリストは自然が好きな人?♪」
ケイ「MIHOは英語が出来ないの?!?」ワァァァ!
ケイ「無理にカッコつけちゃダメよ『ダーリン』」
ケイ「ね?違和感にはみんな気付くもんね??」ワァァァ!
ケイ「それにどよーんとしてちゃ土曜も退屈」
ケイ「せめて心と表情は空と同じスカイブルー!」ワァァァ!
ケイ「MIHOは変なのを入れるとどうなるか知ってるんだ?」
ケイ「もしかしてMIHOは…コンプラ!なんちゃって!」ワァァァ!
93: 以下、
みほ「テレビで放送されないのに口で コンプラ必要ない」
みほ「理解できてないこいつ ボンクラいつもハイ」ワァァァ!
みほ「確かにダーリンは違和感 立った鳥肌」
みほ「会った時から テンション高め 葉っぱの力?」ワァァ
みほ「解毒するために必要だ なんかの御業(みわざ)」ワァァ!
みほ「効果あったらギブアップでも さっさとしたら?」ワァァァ!
みほ「拒否するならみぞおちの辺り殴る えぐり気味に」
みほ「内出血で着れなくなる セクシービキニ」ワァァァ!
ケイ「はーい!葉っぱとかミホが勝手に決め付けてるー!」
ケイ「ミホの方こそ偏ったヒップホップ像に毒されてるー!」ワァァァァ!
ケイ「解毒するために必要ね なんかの御業(みわざ)」ワァァ!
ケイ「こういう時頼りになるのは……美輪さん?」ワァァァァ!
ケイ「お腹へのパンチは浮き輪でガード!」
ケイ「それとお気にのビキニにワンピもあるの!」ワァァ!
ケイ「暴力的な発言はボコられクマの影響?」
ケイ「サンダースの力で動かそうかな?BPO!」ワァァ! >>0?PO……放送倫理・番組向上機構
みほ「!ぼ、ボコは勇気と希望の象徴」
みほ「少々のことでくじけない少年少女を」
みほ「たくさん排出するのは間違いない」
みほ「今後絶対に必要なコンテンツなのでなくしたら損です!」
みほ「1本の電話とか圧力とかそういう方がズルい」
みほ「よっぽどクズで卑屈な行為 そういう理屈になる」
みほ「ボコはこれからさらに盛り上がるべき作品」
みほ「汚すならケガするのも覚悟が必要、いや、そもそもけ、くぞ…苦情はよくない。そのせいで…」
役人「終了ーーーーーー!!!!」
ワァァァ!!
94: 以下、
みほ「うぅ……」
ケイ「?♪」
役人「ではこれよりラウンド1の判定に入ります!先攻ケイ、後攻MIHO……勝ったと思う方の札を上げてください」
亜美「………………」
千代「………………」
理事長「………………」
香音「………………」
新三郎「………………」
役人「…………さあ、決まったようです。それでは…………判定をどうぞ!」
ババン!
亜美:ケイ
千代:MIHO
理事長:ケイ
香音:ケイ
新三郎:ケイ
役人「先攻4、後攻1、ラウンド1の勝者はケイーーーー!!!」
ワァァァァ!
ケイ「イェイ!」
みほ「う……」
役人「コメントをいただきましょうか。えー、島田さんいかがでしたか?」
千代「私はMIHOさんに入れました。小節の最後で必ずと言っていいほどライミングを決めてくるのも見事ですし、フロウも早口を交えながらで変化もつけています。そのテクニック、そしてディスの部分を評価しました」
千代「ただ、3バース目はかなり崩されていたのと、ケイさんの明るくて……なんと言いますか、野球で例えるならばチェンジアップのようなものですね。球を抑えたタイミングをずらす球。そんなチェンジアップを中心に投げている中、時折ズバッとインコースに球で切り込んでくるのもまた素晴らしいと思いました。ですので、他の方の判定にも納得できますね」
役人「ありがとうございました。ではラウンド2に入りたいと思います。先攻後攻じゃんけんをお願いします」
ジャンケンポイ!
ケイ「んーーーー、後攻で」
役人「OK!では先攻MIHO、後攻ケイ、ラウンド2!DJルミ、かまーせー!!」
ルミ「っ!」キュルッ!
95: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=L5d6iUdHxTY
♪やべ?勢いですげー盛り上がる / 田我流
<先攻MIHO VS 後攻ケイ ラウンド2>
みほ「サンダース名門 大将ケイのラップかなりしょっぺー」ワァ!
みほ「後攻とるのはどうせ 自信の無さの表れでしょ はい証明」ワァァ
みほ「ノリだけで乗り切った アクセルベタ踏み ラウンド1」
みほ「ネガポジっていうか根がポジティブなだけ さあ敗北へのカウントダウン」ワァァ!
みほ「どよーんで土曜とか オヤジギャグ以下 『布団がふっとんだ』と同等」
みほ「困りますみんな 最終形はノムさんみたいに ぼやきだす気か?」ワァァァ!
みほ「このラウンドでそろそろ黙らせて 最終的には生死不明」
みほ「…と思ったけどやっぱり確実にこの場で ケイイズデッド!」ワァァァァ!
ケイ「後攻とったのは さっき先攻で勝ったからってだけ?」
ケイ「MIHOだってきっとじゃんけん勝ったら後攻選んでた?!」ワァァ!
ケイ「オヤジギャグも飛ばしちゃうよ? それに聞かせ方次第」
ケイ「アガるフロウで耳に響かせ聴かせ勝たしたいサンダース!」ワァァァ!
ケイ「判定総数3ダース!捕まえるポケモンサンダース!」ワァァァ!
ケイ「目指すは全部安打の3打数!MIHOはプレッシャーで胃酸出す!」ワァッァア!
ケイ「ノリに乗ったり糊(のり)を貼ったり ハッタリだったり 歯に海苔あったり」ワァァ!
ケイ「オヤジギャグでも楽しきゃオッケー 不満なら詰める棺桶?!」ワァァァ!
みほ「布団と一緒に吹っ飛んでくれれば良かったのに ほんと救いようがない」
みほ「もうこれっきりにしようか?だって 今後クズに用はない」ワアァァァ!
みほ「笑えないオヤジギャグ ほざき出す 結果お前の周り凍らす」
みほ「それに気付けないタイプ 我が強い自己中だ 社会崩落」ワァァ
みほ「典型的KY 不正解を無警戒で導き出す体裁」ワァァ!
みほ「寒い空気しか生み出せない 周りを巻き込む弊害」ワッァア!
みほ「ノリとフロウだけは 上手いと認めるけれどね」
みほ「最終的にはスキージャンプみたいに飛べるK点越え」ワァァァ!
96: 以下、
ケイ「私の周りが凍ってたおかげで出来たんだよスキージャンプ」ワァァァ!
ケイ「褒めて褒めて?私がいたから積めた K点越えって経験をね?」ワァァァ!
ケイ「というか布団と一緒に飛んでっちゃったMIHOがー!」ワァァァ!
ケイ「オーマイガッ!な状態だッ!このあとどうするか脳が今ッ!」ワァァ!
ケイ「考え中 1人ぼっち 私が進むべき道はどっち?2つに1つ?」
ケイ「というか自分だけ飛んでいくとか MIHOの方が自己中!」ワァァ!
ケイ「今 思い出したけど社会崩落って意味わかんないね??」ワァァ!
ケイ「でも私が凍らすことで温暖化防ぐ 社会貢献だ?!」ワァァァ!!
みほ「地球の温暖化とか そんなんは この場で関係ない」
みほ「必要なら出しておこうか 処方せん 精神安定剤」ワァ!
みほ「副作用で眠くなって大人しくなったケイは魅力ゼロ」
みほ「どこの誰も全く相手にしてくれない それって地獄でしょ?」ワァァ
みほ「だったら人気取りに利用しなよ そのボンキュッボン見せてさ」
みほ「ヤングマガジンとかヤングなんちゃら その辺の 今週号に出れば」ワァァ
みほ「ワーワー たくさん集まってくるよ 欲望の塊が」
みほ「こんな提案が 私からの粋な計らいだ」ワァァ
ケイ「出る出ないはともかく今週号 今から間に合うわけないよ?」ワァァ!
ケイ「そこに頭回らない状態でどうすんの?それ副作用?」ワァッァ!!
ケイ「全然粋な計らいじゃないし 共感できないよバカらしー」ワァァ
ケイ「頭に血が上っちゃってるのかな?しすぎたんじゃない逆立ち」ワァァァ!
ケイ「無免許で薬出すとか アリサ以上に信じてる?ブラックジャック」ワァァァ!
ケイ「それとも負けそうな精神状態が過去の栄光をフラッシュバック?」ワァァ!
ケイ「というかそもそもMIHOのライム なんか微妙になってない?」ワァァ!
ケイ「MIHOからライミングとったら魅力ゼロ」ワァァァッァ!!
役人「終了ーーーーー!!!!」
ワァァァァ!
97: 以下、
役人「……ではこれよりラウンド2の判定に入ります!先攻MIHO、後攻ケイ……勝ったと思う方の札を上げてください」
亜美「………………」
千代「………………」
理事長「………………」
香音「………………」
新三郎「………………」
役人「……みなさん、決まったようです。それでは…………判定をどうぞ!」
ババン!
亜美:ケイ
千代:ケイ
理事長:ケイ
香音:ケイ
新三郎:ケイ
役人「クリティカルヒット!!第3試合の勝者はサンダース、ケイーーーーー!!!!」
ワァァァァァァ!
みほ「っ……」
ケイ「えっへへ♪」グッ!
役人「理事長にコメントをいただきましょうか、どうでしたか?」
理事長「終始ケイさんがMIHOさんの攻撃を受けつつも的確に反撃していた印象ですな。ケイさんの1バース目の『サンダース』という言葉そのままで踏むのはオヤジギャグという攻撃に対する最大のアンサーになっていて、しかもその後の『ハッタリ、貼ったり』や『ノリと糊』などをフロウで気持ちよく聴かせるのは、まさに『聴かせ方次第』というのを体現していて、この1バース目で一気に優勢になった感じがしましたね」
役人「ありがとうございました。新三郎さんはいかがでしたか?」
新三郎「そうですね……MIHOさんのディスに全く動じないケイさんの精神力がすっげーと思いました。しかもバトルをこんな風に楽しそうにやられてしまうと、余裕な感じが会場に伝わって、ホーム感が出てきて、それがまたケイさんの力になり、MIHOさんへのプレッシャーになる。狙ってやってないでしょうけど、キャラクターを見事に有効活用したんじゃないかって感じっすね」
役人「ありがとうございました。次は第4試合です。熱い戦いを終えた2人に大きな拍手を!」
パチパチパチパチ!
ケイ「強かったよミホ。でも今回は私の勝ちね」ニコリ
みほ「はい。負けました……完敗です。でも」
ケイ「?」
みほ「まだ2人いますから。準決勝に行くのは大洗です」
ケイ「……………………」
みほ(あっ!?興奮と悔しさでつい偉そうなこと…)ハッ!
みほ「す、すみませ…!」
ケイ「ミホ!サイコーね!」
みほ「え?」
ケイ「バトルに負けて悔しいのは当たり前だもの!それを素直に表現できるのはナイスだわ!」ニカッ
みほ「…………はい」
ケイ「でも、準決勝に行くのはサンダースだけどね」ニヤリ
みほ「…ふふ、それはどうでしょう?」
98: 以下、
【舞台袖】
みほ「……すみません、負けちゃいました」
杏「おケイは盛り上げるの上手いからねー。そんで自分のテンションも上げて実力以上のモノを出すタイプ」
麻子「どちらにせよ、私は自分のスタイルを保って勝つだけだな」スッ
みほ「麻子さん……お願いします」
麻子「ああ。初戦は恥ずかしいくらい舞い上がって冷静さを失っていた。でも今は違う」
杏「ん?、確かにいつもの冷泉ちゃんだー。でも気合いは入ってんね」
麻子「……家を出る時、おばあに『優勝しちまいな』って言われたからな」
杏「……そっか。じゃあ優勝しちまおっか」
麻子「そのつもりだ」
みほ「頑張ってください!」ニコリ
麻子「ああ。行ってくる」
99: 以下、
【2階席】
客A「お、おい……なんかあの一角すごくねぇか?」
客B「ああ、近寄りがたすぎるぜ……椅子にテーブルにティーセットに……クラブに相応しくねぇけどなんか邪魔できないオーラがやべー……」
ダージリン「……ペコ、あなたはここまでの試合をどう見るのかしら?」
オレンジペコ「そうですね……アリサさんとみほさんの試合は順当に決着。ですが次鋒のナオミさんはあえて勝ちを捨てたような気がします」
ダージリン「あら?何故そう思うのかしら?」
オレンジペコ「みほさんは前の試合でノンナさんに負けてますけど、実力というより迫力に負けたように見受けられました。つまりビビらせてしまえば有利に戦える相手です」
ダージリン「ストレートな物言いね」クス
オレンジペコ「……べ、別に私が負けたからじゃないですよ?」
ダージリン「わかっているわ。続けて」
オレンジペコ「はい。でもナオミさんはみほさんを威圧して攻めるのではなく、むしろ成長を促すかのような、諭すような戦い方をしました。何故そういう戦い方を選んだのかはわかりませんが、それが結果的にナオミさんの敗因になったと思います。ケイさんとの試合に関しては……相性の問題が大きく占めているのと、ラウンド1のボコの話題の取り乱し方の印象が悪すぎたかと」
ダージリン「なるほどね。確かに、何故ナオミさんがみほさんの目を覚まさせるような戦法をとったのかは不明だけれど、戦車道ではあれほど勇敢に敵陣を突破していたみほさんがバトルでは弱気なのかは予想がつくわ」
オレンジペコ「どういった理由ですか?」
ダージリン「……おそらく自分に自信がないのね。少なくとも戦車道をしている時以外は」
オレンジペコ「何故でしょうか?」
ダージリン「去年の黒森峰在籍時の全国大会での出来事が大きいでしょうね。その件については学内のみならず、西住流の門下生の方たちからも非難の目を浴びてきたでしょうし」
オレンジペコ「で、でも!それらを乗り越えた上で大洗女子は優勝しました!」
ダージリン「ええ。でも戦車道は個人戦ではないわ。ステージに立てば1人だもの。勝手が違うわ」
オレンジペコ「……それは……」
ダージリン「みほさんのディスが強力なのは、洞察力に優れているのもあるけれど、自分に自信がない分、相手を攻撃せざるを得ない……自衛のための攻撃に近いんじゃないかしら」
オレンジペコ「なるほど……バトルではディスで攻撃する以外に自分のスキルを誇示したりしますが……みほさんは……」
ダージリン「後者の戦法は苦手ね。だからこそ、相手が年上や威圧的な相手だとひるんでしまい、ディスは中途半端になってしまい、戦いようが難しくなる」
アッサム「相手が威圧的であったり、怖い風貌ならともかく、年上というのは関係ないのでは?」
ダージリン「そんなことないと思うわ。黒森峰時代のみほさんは、まほさんの同学年からは嫉妬の目で見られていたでしょうし、西住流の門下生は年上が多い。となれば……」
アッサム「……あの決勝での一件で一番わかりやすい非難の目を向けられたのが年上だと言うわけですね」
オレンジペコ「そういった経緯での自信喪失なら、根深いトラウマとしてもっと尾を引いてもおかしくないと思いますけど……ナオミさんとの戦いの中であっさり克服してませんでしたか?」
ダージリン「そうね。でも戦車道大会での優勝という成功体験をしたことである程度の自信は取り戻したでしょう。その不足分が先ほどまで現れていたと考えれば、ナオミさんとのバトルを経て、不安を解消したと言えるのではなくて?」
オレンジペコ「なるほど……」
ダージリン「もちろん今のはわたくしなりの推測。だから本当に正しいかどうかはわからないけれどね。ただ、少なくともステージ上でバトルをする相手に対しては臆せず向かっていけるようになったでしょうね」
アッサム「ステージに立つと特別な気分になりますしね……スイッチが入ると言いますか。特にオレンジペコの毒がすごかったわね」
オレンジペコ「わ、私はあくまでバトルのために仕方なくですから!」
100: 以下、
ダージリン「うふふ。そう言いつつ生き生きとしていたペコは可愛らしかったわよ?あ、そろそろ次の試合が始まるわね」
オレンジペコ「REZEさんとケイさんのバトルですね」
アッサム「……ダージリンはどう見ます?」
ダージリン「会場の空気はケイさんの方に傾いているわね。ムードの作り方が絶妙だったもの」
オレンジペコ「聖グロの誰も出来ないですよね、ああいうのは……」
アッサム「ローズヒップ辺りがそういう雰囲気を持っているけれど……肝心のバトルがダメすぎますわね」ハァ
ダージリン「……わたくしはケイさんが勝つと読みますわ」
オレンジペコ「私もです。REZEさんのライミングは大したものだと思いますけど、ケイさんとは相性が悪い気がします」
アッサム「………私はREZEさんが勝つと思いますわ」
ダージリン「自分が負けたからかしら?」
アッサム「それもなくはないです。でも……」
ダージリン「?」
アッサム「私と戦った時よりも……今ステージに立っているREZEさんは冷静に見えるので」
オレンジペコ「……この状況でまでライミングしますか……」ハァ
アッサム「あ、そ、そういうつもりじゃないわ!」カァァ
ダージリン「ともかく、今は試合を楽しみましょう。たのしみ……たのし……カモミールティー♪」
オレンジペコ「はーい」
ダージリン「…………私も頑張って少し韻を踏んだのにペコがなんか冷たいわ」
オレンジペコ「気のせいですよ」
【ステージ】
役人「先攻後攻じゃんけんをお願いします」
ジャンケンポイ!
麻子「……後攻で」
役人「OK!では第4試合、ラウンド1!先攻ケイ、後攻REZE、DJルミ、かまーせー!!」
ルミ「っ!」キュルッ!
101: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=vu-xq0y7RIs
♪LUV SONG / D.O
<先攻ケイ VS 後攻REZE ラウンド1>
ケイ「また先攻とっちゃった 超ラッキーだわ!」
ケイ「さっきも先攻で勝った 縁起がいいから」ワァァ!
ケイ「ねぇねぇ バトルなのに どうして眠そうなの?」
ケイ「あ、そうだ 必要ならセロハンテープ でも貼ってく?」ワァァ!
ケイ「もしかして韻自慢しすぎて足りてないの?睡眠時間」ワァァ!
ケイ「それじゃ体が大変だ異変が すでに起きてるのかも?」ワァァ!
ケイ「助けたいけどまずは この勝負の決着つけなきゃ」
ケイ「ちょっと面倒だから もう私の勝ちでいいかなー?」ワァァ!
麻子「面倒だから 結構だがな 遠慮無さが厚かましい」ワァァ!
麻子「親切の押し売り鬱陶しい まぁ最後私が勝つからいい」ワァァァ!
麻子「眠そうなのは生まれつきだ 疲れる暇 ないほど韻に」
麻子「踏まれ過ぎた 深める自我 抜かれぬ牙 そんなREZE」ワァァァ!
麻子「本当超濃厚 お前に出来ないモノ見せたいよ」ワァァァ!
麻子「この次世代 のライムテク 大分エグイ 芸術性まるで俳句です」ワァァァァ!
麻子「お前はドレミファもわからない 明るいだけのコメディアン」
麻子「私のライム食べて叫びな 『トレビアン』」ワァァァ!
ケイ「ごめんねー?私が好きなのはライムじゃないのよね」ワァァ
ケイ「リズムとかフロウとかアンサーなの だから違うお店行くわ」ワァァ!
ケイ「でもあなたのライムがすごいのは認めるわ」
ケイ「そこはリスペクト でも私ドレミファちゃんと聴き取れるわよ?」ワァァァ
ケイ「あー、なんかたくさん踏まれるのが悔しくなってきた」
ケイ「ねぇ あなたがライムに自信あるなら挑戦受けてみない?」
ケイ「私からのクイズ出題で踏めるか勝負 REZE」
ケイ「ピザって10回言ってから踏んで?」
102: 以下、
麻子「ピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザ」ワァァァァ!
麻子「久々にやりましたニヤニヤしちゃいました今」ワァァァァァァ!!
麻子「1つサービス 人裏切る ことせず見せるテクを全部」ワァァァ
麻子「10回クリア 神業 まるで十戒受けるモーゼ風」ワァァ!
麻子「強烈に嫉妬されつつも しれっとした顔にし劣等感も無し」
麻子「とにかくライム その数はハンパない ゴミ出す回数以上」ワァァァ!
麻子「言葉尻は踏みつつ相手の注文に応える そこが粋だ」ワァ!
麻子「言い忘れていたがちなみに ここは肘な」ワァァアァァ!
ケイ「すごーい!クリアー!私もできるかな?」
ケイ「北南東…………無理だー!」ハハハハ..
ケイ「でも問題は『ここは肘ですが』って引っかけだったんだよねー!」ハハハ..
ケイ「やっちゃったー!1回お休み次のバースは終始無言だね!」ワァァ!
ケイ「ってわけいかないか じゃあどうしよう?私も韻踏もうか?」
ケイ「いや、それは不毛だよね 相手のリング上だもん」ワァァ!
ケイ「……あれ?でもあんな早口でライミングできるってちょっと変かも」
ケイ「わかった!用意してるでしょ?ネタ帳かカンニングペーパー」ワァァ
麻子「カンニングペーパー そんなこというお前は」
麻子「ランキング圏外 『私は韻踏めんわー』な敗北宣言」ワァァァ!
麻子「愛想尽きんぜ アイツを抜きん出る 意識で言葉を料理」
麻子「つまりこの場の調理 アドリブだ 気付けないなら そこらの病人」ワァァァ
麻子「10枚のピザ 2人じゃ無理だ 今日は集会の日か?」ワァァ!
麻子「とりあえず出題をクリアしたんだ 崇拝をしな」ワァァァァァ!!
麻子「このバースで攻で わかっただろ 私の即興性」
麻子「本領発揮した私のヤバさまるで 裸足のCoccoです」ワァァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!!」
ワァァァァァ!
103: 以下、
麻子「………………」
ケイ「んぬぅーーーー……」
役人「それではこれより判定に入ります!先攻ケイ、後攻REZE……勝ったと思う方の札を上げてください」
亜美「………………」
千代「………………」
理事長「………………」
香音「………………」
新三郎「………………」
役人「……さあ!みなさん決まったようです。それでは…………判定をどうぞ!」
ババン!
亜美:REZE
千代:REZE
理事長:REZE
香音:REZE
新三郎:REZE
役人「クリティカルヒット!!勝者、後攻REZEーーーーー!!!」
ワァァァァァ!
麻子「よし」グッ
役人「ラウンド1での決着となりましたが……篠川さん、いかがでしたか?」
香音「はい。ケイさんは終始ケイさんらしさを見せていて、顕著だったのが、途中でREZEさんに『これで踏めますか?』とピザ10回の出題を出すというラインです」
香音「あれはさっきの試合でもあったケイさんのチェンジアップのような作戦で、REZEさんの対応次第ではアンサーでズバッと球を投げ込んで一気に自分のペースに持ち込む狙いがあったんだと思います」
香音「ただREZEさんがあまりにも完璧に返してきたので、戦いようがかなり難しくなった。あそこが勝負の分け目だったと思います」
役人「ありがとうございました。蝶野さんはいかがでしたか?」
104: 以下、
亜美「始まる前の空気は完全にケイさんだったけれど、REZEさんのライムがズバズバッと決まって勢いをつけていったこと。そしてケイさんのフロウやユーモアをものともしない、軸のブレない戦い方が出来たことが勝因だと思うわ」
亜美「それとこれは判定とは別の話なんだけど、このビートは乗るのがかなり難しいわ。だから2人とも大変だったと思うけれど、よく頑張ったと拍手を贈りたいわ!クラッピング!」パチパチパチ!
ケイ「そうなのー!この曲難しくってさー!さっきのよりもさあ…」
役人「あ、あの、今はコメントの時間ですので。蝶野さん、ありがとうございました。そしてステージ上の2人に大きな拍手をお願いします!」
パチパチパチパチ!
役人「そして……REZEの勝利によって、準決勝進出は………………大洗女子学園に決まりました!!」
ワァァァァァ!
ケイ「んー……負けちゃった!REZE、あなた強いわねー!」
麻子「…いや、そっちも強かった」
ケイ「そう?ありがと!」ダキッ!
麻子「っ!?い、いや、別に……///」
麻子(というかスキンシップが激しい……//)
ケイ「ねぇ、REZE」ヒソ
麻子(っ……耳元で囁くな//)ムズッ..
ケイ「次があるかはわからないけど……もしまた戦う時があったら、今度は私が勝つからね」
麻子「!」
麻子「……いや、次も私が勝つ」
ケイ「ワオ!言うじゃない!」ニコニコ
麻子「ああ……というか、そろそろ離れてくれないか」
ケイ「ソーリー!離すの忘れてたね!」バッ!
麻子「いや、謝る必要はないが」
ケイ「じゃ、またねREZE!シーユー!」ダッ!
麻子「ああ」
ケイ「みんなありがとー!!楽しかったよー!!」ワァァァァ!!
麻子(最後まで会場を盛り上げるのを忘れない……根っからのスター気質というか……私にはできんな)
麻子(それはともかく……あと2つで優勝か……)
105: 以下、
【舞台袖】
杏「ふぉはへひー」モグモグ
麻子「ただいま……干し芋食べてるのか」
杏「んぐんぐ……まぁね。準決勝までの腹ごしらえだよぅ」
みほ「麻子さんお疲れ様!すごかったよ!」
麻子「…ありがとう」
杏「さーて、次は準決勝だけど……とりあえず他の試合を見ようか」
アンチョビ「あ」
杏「お?チョビ子」
アンチョビ「チョビ子って言うな!アンチョビ!アンチョビ!」
杏「これから試合か」
アンチョビ「ああ、そうだ。ここで勝ったら次はお前たち大洗女子と当たるぞ!」
杏「そだねー。ま、頑張ってよ」
アンチョビ「な、なんだ?応援してくれてるのか?嬉しいなあ」ニコニコ
杏「チョビ子たちが勝ってくれた方がありがたいからね」
アンチョビ「な、なにぃー!?お前ら、アンツィオをバカにしてるのかあ!」
みほ「し、してません!」
杏「ジョークだよジョーク。試合前にリラックスさせたげよーとしたんだよぅ」
アンチョビ「そ、そうか……怒鳴ってすまなかった……っと、そろそろ時間だ。いくぞ!」
ペパロニ「うっす!」
カルパッチョ「はい!」
ザッザッザッ..
杏「さて、アンツィオはどうなるか……」
ワァァァァ!
ペパロニ「すんません姐さん……また負けちまったっす……」
アンチョビ「き、気を落とすな!だんだん良くなってきてる!今だってラウンド3まで行ったじゃないか!」
杏「………………」
杏(ペパロニは韻をほとんど踏まない……というより踏めない、が近いかな?迫力と勢いはあるけどスキル不足。この準々決勝まで全敗)
杏(それでもアンツィオがここまで勝ち上がってこれたのは……)
106: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=4tfcxE6hS5U
♪START IT AGAIN/ AK?69
カルパッチョ「キミがラップの教科書?それただ基本に一途なだけ」
カルパッチョ「私は自分の理論信じる そして自問し生きる」ワァァア
カルパッチョ「偉人載ってるページに陣どってる私」ワァァ
カルパッチョ「キミは目次辺りで滲んじゃってるっていうか死んじゃってる」ワァァァァ!
カルパッチョ「だから無い肖像画 退屈で内容飽和」ワァァ!
カルパッチョ「愛情Noだ キミの存在価値 I don’t knowだ」ワァァァ!
カルパッチョ「どれもたわごと おままごと そのままゴトッと落とすよ騒ごうと」ワァァ!
カルパッチョ「沢ボートに乗ったままボーッとしても勝利 あたぼうよ」ワァァァ! ※あたぼうよ……江戸弁で「当たり前」
杏(カルパッチョが全部3人抜きしてるからなんだよなぁ……)
杏(チョビ子がどれだけできるかわかんないけど、カルパッチョ以上に強いとなると厄介……いや、でもそれはないかなー)
役人「――――勝者カルパッチョ!準決勝進出はアンツィオ高校???!!!」
ワァァァァ!
麻子「……あの人、強いな」
みほ「うん。とにかくライムっていうところが麻子さんと似てる」
麻子「ああ、戦ってみたい相手だ」
アスパラガス「ちょっと通るざますよ」
みほ「あ、すみません」サッ
麻子(!こいつらは……BC自由学園)
杏(アスパラガス。BC自由学園戦車道部の隊長。半ズボンと帽子がトレードマーク。1回戦の先鋒で3人抜き)
ムール「」
杏(ムール。額の広いセンター分けっぽい髪型のクール系。2回戦先鋒、3人抜き)
ボルドー「」
杏(ボルドー。黒髪で左側だけ長いアシンメトリー、割と陽気なタイプ。3回戦先鋒、3人抜き)
杏(うちと同じように毎回オーダーを変えてる。当日の試合勘を確かめるためだろうね……しかし、相手がそれほど強くなかったとはいえ全員3人抜きかぁ)
エリカ「あ」ザッ
みほ「あ」
エリカ「………………」
みほ「…………………」
107: 以下、
杏「久しぶりだね、黒森峰の新隊長さん」
エリカ「……ええ」
杏「それと……」チラ
まほ「…………」
杏「前隊長さんも」
まほ「ああ」
みほ「!お姉ちゃん……」
杏「相手はBC自由学園……優勝候補っぽいねー」
まほ「そうらしいな」
杏「ありゃ、ずいぶん余裕だねぃ」
まほ「余裕とは違うさ。ただ相手が誰であろうと勝つつもりで戦うだけの話だ」
杏「……ごもっとも」
まほ「では行くぞ。エリカ、赤星」
エリカ「はい!」
小梅「は、はい。失礼します……」コソコソ
みほ(お姉ちゃん……)
杏「……さて、どっちが勝つか……」
役人「――――それでは第2試合を開始します!先攻後攻じゃんけんをお願いします」
みほ「あぁ……」
杏「レッドスターは負けちゃったね」
麻子「仕方がない」
杏「問題はこれから。逸見エリカがどこまでやれるか、そして……」
みほ「お姉ちゃん……」
【ステージ】
エリカ「……後攻で」
役人「OK!それでは第2試合ラウンド1、先攻ムール、後攻エリカ!DJルミ、かまーせー!!」
ルミ「っ!」キュル!
108: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=9wqxd8wFGq0
♪1Shot1,Kill / Mr.MUSICIAN
<先攻ムール VS 後攻エリカ ラウンド1>
ムール「ツリ目でヤンキー風のくせに後攻で」
ムール「先鋒ザコ 黒森峰 どこが常勝?え?」ワァァ!
ムール「あなたが隊長になったせいと想像してる」ワァァ!
ムール「Go for it 結果度外視 ある意味神々しい」ワァァァ
ムール「真面目にずっとやってなよ 戦車道」
ムール「まぁメンバーの やる気削ぐ隊長じゃ 毎日ケンカも」ワァァ
ムール「起こるし チームメイトは怒るし 肩も凝るし」ワァァ
ムール「そういう時どうするんですか隊長?最後は握りこぶし?」ワァァァ!
エリカ「てめぇみてぇな クソとうちの仲間は別物」
エリカ「ボコボコにしてやりたいな そのデコのとこ」ワァァ!
エリカ「フリースタイルでは 別に常勝なんて言ってねぇ」
エリカ「ただここまで上昇してきた さらに目指す頂上!」ワアァァ!
エリカ「そのためには てめぇらがくたばる必要あり!」
エリカ「負ける要素のない こっちが勝つ確率超あり!」
エリカ「ひらひらな制服が 目障りなんだよクソが!」
エリカ「中身大したもの詰まってねぇんだろ つまり嘘だ!」
ムール「結局こぶしを使うことは否定しないのね」
ムール「この人ってなんか異常なまでに単細胞」ワァァァ!
ムール「ここまで上昇 それはお見事 でもそのプライドは」
ムール「ゴミのように ダストシュートに放り込もう」ワァァァ!
ムール「そっちこそ黒い制服が夏場とか爆破したくなる」
ムール「暑苦しい!引き裂くか 切り裂くか それも悪くない」ワァァァ!
ムール「確率とかわかるの?あんた頭悪いのに」
ムール「適当すぎる なんかバカな軽いノリ」ワァァァァア!
109: 以下、
エリカ「こっちから見たら てめぇだってバカに見える!」
エリカ「頭ハゲかけてんのか!?額がまぶしいんだよ!」
エリカ「てめぇごときに 折れないんだよこのプライド!」
エリカ「単細胞とか決め付けやがって マジでほんとうざいよ」
エリカ「ていうかそもそも てめぇらなんか知らねぇんだよ!」
エリカ「今年の戦車道大会で1回戦負けだろ しょうもねぇアホ!」
エリカ「ああだこうだできもしねぇこと ほざくなカス女!」
エリカ「もしこの手に拳銃あったら 眉間のとこにズドンだ!」
ムール「はい嘘つき 1回戦負けって私たちのこと知ってる」ワァァ!
ムール「この矛盾点 これを総じて頭悪いと言う」ワァァァ!!
ムール「私は好む沸点 低いやつ 倒しやすいから」ワァァ!
ムール「格好のカモ こいつ煽りやすいバカ」ワァァァ!
ムール「人のヘアースタイル気にするより 磨きなよフリースタイル」ワァァァ!
ムール「髪下ろしたら満足ですか? 帰っていただけますか?」ワァァァ!
ムール「こいつのラップ大声で ただ怒鳴る娯楽」
ムール「ガーガー言うだけ まるでドナルドダック」ワァァァァ!
エリカ「帰るわけねぇだろうが行くのよ決勝!」
エリカ「舐めたこと言ってると 最後は殺生!」
エリカ「貴族みてぇな制服着てるんだから守れよ節度!」ワァァ!
エリカ「ドナルドダックとか 全く意味わからないから!」
エリカ「ていうか聞こえてるから アンサー返してるんだろうが!」
エリカ「嘘ついて この場を切り抜けようとしてるんじゃねぇ!」
エリカ「バカって言った方が バカだって教わらなかったか?」
エリカ「ようはてめぇの方が バカでここで負けなんだな!」
役人「終了ーーーーーー!!!!」
ワァァァ!!
エリカ「っ!」ギリッ!
役人「それでは判定に入ります!勝ったと思う方の札を上げてください!」
110: 以下、
【舞台袖】
みほ「これは……」
杏「……決まっちゃったかな」
麻子「………………」
役人「クリティカルヒット!!勝者、先攻ムールーーーーーー!!」
ワァァァァァ!
杏「これで黒森峰は後がなくなった」
麻子「3人抜きするしかないな」
みほ「お姉ちゃん……」
まほ「エリカ」
エリカ「た、隊長……申し訳ありません……私……」グス
まほ「何を落ち込んでいる。勘違いするなよエリカ」
エリカ「ぇ……?」
まほ「まだ決勝があるのに意気消沈してどうする」
エリカ「あ……」
まほ「ここで終わりのような顔をするんじゃない」
エリカ「は、はい!」
まほ「私が帰ってくるまでには、今まで通り、自信たっぷりの顔に戻っておけよ?」クス
エリカ「は、はいぃ……///」
麻子「なんだあのやりとり」
みほ「お姉ちゃんかっこいい……//」
杏「……あれですぐ負けたらカッコ悪いよねぇ……」
杏(後に退けない言葉を口にすることで自分にプレッシャーをかけたのか、それとも本心か……さて……)
【ステージ】
役人「それでは先攻後攻じゃんけんをお願いします」
ジャンケンポイ!
まほ「先攻で」
ワァァ!
ムール「!」
ムール(登場時もそうだったけれど、先攻を宣言しただけで客が沸く?この存在感は……)
役人「OK!第3試合、先攻西住まほ、後攻ムール!ラウンド1、DJルミ、かまーせー!!」
ルミ「っ!」キュルッ!
111: 以下、
http://www.youtube.com/watch?v=n4CVk8uH2MU
♪波風 / 仏師
<先攻西住まほ VS 後攻ムール ラウンド1>
まほ「後輩が世話になったなムール」
まほ「借りは私が ここですぐ返す」ワァァ!
まほ「命狩りに来た このステージ上」
まほ「エリカじゃなくて お前がカモだってわからせてやるよ」ワァァァァ!
まほ「ずっと学内で揉めてる 旧BCと自由側」
まほ「そんなんでよく他校を語れるなぁ 評論家様」ワァァァ!
まほ「私はお前たちをよく知ってるよ だが私の」
まほ「記憶にないんだ お前たちが強いという印象 だから教えてくれよ」ワァァァ!
ムール「強いところ?前の試合観てませんでした?」
ムール「観ればわかるはず 活躍してた 勝利楽々」ワァ!
ムール「手にした 2人抜き レッドスターにエリカ」
ムール「それがムールが辿ってきた軌跡だ」ワァ!
ムール「奇跡という意見は否定 当然の結果」
ムール「てか最初から実力差が開いてた」
ムール「だから大将 あなたも教えてくださいよ」
ムール「黒森峰の強いところをさ」ワァ!
まほ「強さの証明がさっきの2試合か」
まほ「大したことない 台車転がした程度の小さな軌跡」ワァァァ!
まほ「浅すぎる足跡 もう消えそうになってるよ」ワァァァ
まほ「それに韻のクオリティ 急に落ちたがどうした?」ワァァァ!
まほ「アピールポイントでぐだぐだ 面接なら絶対タブー」ワァァァ!
まほ「誰も奇跡なんて言ってないのに 韻踏むために使ったり」ワアァァ!
まほ「こういう言葉の無駄遣いは 気になるから指摘する」
まほ「結局お前の主張わからない いや最初からないのか」ワァァァ!
112: 以下、

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