【ミリマス】P「ふーん……新しい娘が三人ねぇ」back

【ミリマス】P「ふーん……新しい娘が三人ねぇ」


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1:
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N(ナレーション)『今回のお話は、見るに堪えないプロデューサーの顔から始まります』
P「ぐぇっへっへっへっへ。今度入る青羽の美咲ちゃん。この童顔で二十歳だそうじゃあないですか」
秋月律子「楽しみですよね、私より一つ年上で……って、プロデューサー? 顔が悪いですよ、顔が」
P「やい律子! この顔に生まれてこのかた二十と数年。自分がイケメンじゃないことぐらい知ってらぁ!」
音無小鳥「いやいやいや」
小鳥「プロデューサーさん、悪い顔してますよって話ですよ」
2:
P「悪い顔? なーにを言ってるんですか小鳥さん」
P「新人ですよ? 二十歳ですよ? 新社会人としても初々しい後輩のカワイイ女の子が、新しく事務所に来るんですよ?」
P「これあーたっ! 不埒な妄想、いやさ素敵なアクシデントに期待するなってーのが無理な話!」
P「二人きりの深夜残業や、飲み会で酔っ払った彼女のお持ちか――介抱のことなんかを考えたら、顔も悪くなるってもんですよ!」
律子「小鳥さん。絶対に二人きりで飲ませないように」
小鳥「ガッテンです!」
3:
P「それにですね、慣れない事務所仕事を先輩として、手取り足取り腰取り教えてあげたりなんかしちゃったりして――」
N『その時、事務所の扉を開けて一人の少女がやって来ました。765新人アイドルの、白石紬くんです』
小鳥「あ、おはよう紬ちゃん」
律子「おはよう」
紬「はい、おはようございます小鳥さんに律子さ――あっ」
P「つ、つ、つむむ……!」
紬(そっと扉を閉めて出て行こうとする)
P「つーむーぎーちゃぁーんっ!!」
4:
 ガターンッ!!
小鳥「ああっ! プロデューサーさんが扉とキスを!?」
律子「いつものことです。ほっときましょう」
P「おいおいおいおい紬ちゃーん?」
紬「来ないでください! この変態!!」
P「てーれちゃって、かわいいんだぁ♪」
紬「ドアノブを……くのっ! 何て力……!」
P「扉開けてよ紬ちゃーん。朝のハイタッチしよ、ハイタッチ」
5:
P「まっ、勢い余って? ハイタッチならぬパイタッチになる可能性も無きにしもあらずではありますが?」
P「ってエ口ーイ! みだら! プロデューサー超みだら!」
紬「この人本当に社員なんですか!? 刑務所か病院から脱走して来たんじゃないですよね!?」
律子「慣れよ、慣れ」
小鳥「テンションがね、時々変な方向に振り切れるの」
6:
===
P「――で」
P「律子によって粛清と言う名のハリセン攻撃を受けた私は今、粛々とデスクワークに精を出すのであった」
紬「……やっぱりバカ」
P「いや、それは違うぞ白石君。あれはアイドルを大切に大切にプロデュースしようとする余り、
 時折我を失う職業病のようなものだ」
P「何も決してやましい気持ちなど……微塵も無い!」
紬『なら、こんなことしても手は出さないと?』
N『言うが早いか、Pの膝の上にふわりとその身を収める白石くん。
 彼女の髪からふわり漂う洗髪剤の清涼な香りがPのpすら刺激して――』
7:
紬「ストップ! 異議、申し立てますっ!!」ダンッ!
P「ふわっ!?」
N『ひぇっ!?』
紬「何を妄想の私に妙なことをさせてるんですか! 訴えますよ、本当に!」
P「あ、あれ? 膝の上にいたつむぎんは……?」
紬「変なあだ名もつけないでください!」
P「変かなぁ? 『つむじー』や『つるりん』なんてのもあるんだけど」
紬「刺されますよ? ホント」
N『全くダメなPですね』
紬「……アナタもしれっと立場を変えて。はぁ、頭痛い」
8:
 コンコンコン……。
N『おや、そんな話をしていると事務所の扉が遠慮がちにノックされましたよ? 
 次いで、一人の女性が少しだけ開けた隙間から顔を覗かせます』
N『彼女もまた、765プロの新人アイドル。桜守歌織くん』
歌織「あのぉ……すみません」
紬「歌織さん! 今はダメ――」
P「フッ……おはようございます歌織さん」
歌織「え、ええ。おはようございます」
N『一瞬の内に距離を詰め、Pは桜守くんの肩に手をやると、彼女の体を自分の胸に抱き寄せました。
 まるで恋人然と見つめながら、Pがきざったらしく続けます』
P「今日もまた、貴女はイベリスの花の如く美しい」
歌織「は、はぁ……あの、肩に回された手なんですが――」
P「いや! いや! いや! 言わずとも分かりますよ歌織さん。今日の貴女には昨日までとはまた違った輝きがその身にある!」
歌織「か、輝き?」
P「ズバリ歌織さん……化粧品を変えましたね?」
歌織「凄い! どうしてお分かりになったんですか?」
P「いやぁ、はっは! いつも貴女を見てるんです。どんな些細な変化も見逃したりなんてしませんよ」
9:
律子「てりゃあっ!」
N『刹那! 秋月くんの振り下ろしたハリセンがPの頭を豪快にはたき倒しました。
 堪え切れずに床にめり込んだPを見下ろして、秋月くんはおかんむりです』
律子「歌織さんを口説くのは止めろって、何度言ったら分かるんですか!」
歌織「な、なにもここまでしなくても……」
律子「いーえ、ダメです! こういう猛獣は痛みで従えるしかないと、サーカスの猛獣使いだって言ってます!」
P「猛獣? 猛獣だと!?」ガバッ
歌織「きゃっ!?」
紬「あ、起きた」
P「お前な、猛獣がアイドルのプロデュースなんて勤められると思うのか!」
律子「そう言う台詞は、抱き上げた歌織さんをおろしてから言ってください!」スパーン!
N『再度小気味のよい音が事務所に響き、桜守くんはようやく自由の身となりました』
歌織「ああ、驚きました」
紬「……その割に、どことなく嬉しそうですね」
紬「ハッ! まさか恋……この変態に!?」
律子「紬も、早やとちりを止めなさい!」スパーン!
10:
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小鳥「ところで――」
小鳥「歌織さん、何か用事があったんじゃないんですか?」
歌織「あっ、いらっしゃったんですね」
P「とっくに退場したと思ってた」
小鳥「居ましたよ! この高性能ハンディキャメラを構えてずっとここに!」バンバンバン!
N『机を叩きながら主張する。全く、いつもの見慣れた光景です』
小鳥「……っと、コホン!」
小鳥「ところで――歌織さん、何か用事があったんじゃないんですか?」
歌織「ああ、はい。そう、そうなんです! 私、皆さんにお聞きしたいことがありまして」
P「ええどうぞ、僕になんだって聞いてください」
P「むしろ、僕から教えて差し上げますよ。それこそアイドルとしての心構えを落ち着ける場所で手取り足取りこ――」
 スパン、スパンッ!
P「…………!」
律子「どうぞ」
紬「続きを」
歌織「お、お亡くなりになっていませんか……?」
11:
N『では、気を取り直して桜守くん。そろそろ続きをお願いします』
歌織「え、ええ。実は――」
小鳥「実は?」
紬「実は?」
P「僕のことが好きだっ」律子「だまらっしゃい!」スパーン!
歌織「……こほん!」
歌織「実は、本番前に最後の確認を。私が出るのはえぇっと……台本で言う、場面の8?」
律子「えっ?」
小鳥「あのー、歌織さん?」
歌織「はい」
律子「……もう、出てます。お話の中に登場してます」
歌織「そ、そうなんですか?」
紬「カメラ、そこにありますよ」
歌織「あら本当……いやだわ! 私ったらまたこんな……」
12:
P「はっはっは! なぁに、そんな所も可愛らしくって魅力的じゃあないですか」ババッ!
P「さささ、歌織さん。そろそろ話も終わりますし、これから僕と一緒にお昼でも――」
小鳥「えぇっ!? 何を勝手なことを言ってるんですか!」
紬「そうですよ! まだ台本の半分も行ってない!」
律子「認めませんよ、こんなグダグダな……撮り直しです!」
P「うるせーうるせっ! だったら休憩、休憩だ!」
 ワーワーギャーギャー!
歌織「……あの、結局私の出番は何番の場面なんですか?」
N『撮り直しだって言ってますからね。しばらくは待機じゃあないでしょうか』
歌織「あ、ご親切にありがとうございます」
N『いえいえなんの……ところで、待機中に一つお茶でも一緒に――』
 「あー! おいこらナレーター! 何をいい感じの雰囲気を出してんだ!」
 「騒いでないで戻って下さい! もう一度最初からですよ!」「ああ、今日もまた予定通りに終わらないわ」
 「では私、一旦廊下に戻りますね」「ああ、歌織さん行かないで! カムバークッ!!」
 ギャーギャーワーワー! スパーンッ!
紬「はぁ……」
紬「バカばっか、です」
13:
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 以上おしまい。呼称とか口調がわからないままに書くもんじゃないなとヒシヒシと。
 後深夜のテンションで書くものでもないなぁ。ちなみに自分は歌織さん派。プロデュースできる日が楽しみです。
 とはいえ、少しでもクスリとして頂けたなら幸い。
 お読みいただきありがとうございました。
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