【前編】たまにはおっさんの恋愛話でも聞いてくれ※バッドエンドback

【前編】たまにはおっさんの恋愛話でも聞いてくれ※バッドエンド


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書き溜めはないからダラダラ書いてく
てか既に飲んでる
2:
ヅラがバレて破局とかかw
9:
>>2
まだフサフサだぞ!
将来は確実に禿げる遺伝子だがな
3:
山崎美味い
白州より山崎のほうが好き
4:
ラフロイグ飲んでるわ
9:
>>4
うちにはない酒だわ
今度先輩にきいてみよ
5:
きいたるやん
9:
>>5
ありがと
10:
実はおっさん。
最近離婚したんだわ。
元嫁は
そりゃあ可愛かった。
胸もでかかった。
でもビッチだった。
16:
元嫁と出会ったのは、今もおれが雇われ店長してる居酒屋。
当時はまだただ店長なりたてで、右往左往してた頃。
元嫁はそこにバイトで入ってきた大学生だった。
17:
面接したのはおれが店長として初めて面接した子が元嫁だった。
めっちゃ緊張してたのが可愛かった。
目がクリッとしててリスみたいで、正直タイプだった。
その場で採用を伝えた。
18:
俺は元嫁に一目惚れし、なんだかんだで付き合うことに…
2年経った元嫁の誕生日に思い出の場所ディズニーシーで結婚わ申し込ん
24:
ディズニーシーはよく行ったぞw
東北方面から出てきた子で、これでいつでもディズニーに行けるってはしゃいでたわw
とまぁ、時期も今と同じ頃。
元嫁の他に二人の新しいバイトと、店長のおれ。チーフのY。ほかにもう三人のアルバイトという新体制でスタートすることになる。
25:
>>24
おっさん大人だな…すまん邪魔すんのやめる
みんなごめんなさい
続けてくれ
26:
バイトは見た目で採用を決めました。
エロオーナーは喜んでたなぁ。
元嫁は飲食店でのアルバイトは初めてで、最初はまともにトレンチも持てなかった。
それでも一生懸命頑張る姿は好印象だったけど、まだ付き合うとかそういうことは想像もしてなかった。
むしろ、当時は付き合ってた彼女もいたしね。
27:
でもその彼女とはすぐに別れることになる。
おれは居酒屋で働いてて、基本的な仕事時間は夜。
彼女は短大を卒業して新卒OL。
昨年度まで、うちの店でアルバイトをしてた子だったし、それからもちょくちょく使ってくれた良客だった。
だが、生活リズム、生活時間が合わないってのは致命的だった。
彼女は土日休みだったが、おれは平日休み。
休みがない週もザラ。
離れるまではあっという間だった。
薄々気付いてはいたけど、別れ話をしたときには、もう新しい男もいたみたい。
最後まで隠してくれたのは、まぁ、ありがたかったな
28:
彼女とはGW前に別れたが、大型連休はこっちも稼ぎ時なわけで、グダグダしてるわけにもいかなかったし、相棒のYが毎晩おれの絡み酒に付き合ってもくれた。
仕事に逃げたっていうわかりやすい形だけど、打ち込めるものがあれば立ち直れなくても倒れないってのは男の良いとこだな。
そうして、なんとかGWも乗り切って、連休明けにお店を閉めて、新人の歓迎会とGWのお疲れ会を兼ねて飲み会を開くことにした。
オーナーのこういうことをすんなり許してくれるところは好きだ。
29:
飲み会といっても、メインの新人は三人とも未成年。
というわけで、お店のメニューを覚えてもらうという名目で、なんでも好きなものを好きなだけ食べて良いということに。
酒好きなYには残念だが、おれと一緒に厨房で頑張ってもらった。
皿も出揃い、乾杯をした。
お節介な先輩アルバイト1♀が、ソッコーで恋愛話にぶっこんで場を盛り上げてくれた。
元嫁は地元に彼氏がいると言っていたが、そこでその彼氏がおれと同い年ということが判明した。
マジか。
見た目小動物系なのに、なかなかやるな。
元嫁同期A子は、現在フリーだが、付き合ってる人はいるとなんとも意味深な答え。
同期B♂は、堂々と童貞だとカミングアウト。見た目イケメンのスポーツマンなのに、中身は優秀かつ真面目だった。
30:
楽しい飲み会も終わり、それぞれの帰り道。
同期♂はバイクで帰り、A子は付き合っているという彼氏?が迎えにきた。同業者だった。後日、何故彼氏?の店で働かなかったのか聞いたところ、彼氏?の彼女から嫌われているからとの答え。まぁ、若ければそういうこともあるか。
で、元嫁はおれが送っていくことに。
実は、新人を採用するにあたり、電話口だが全員の親御さんに子供さんがうちの店で働くことを告げて、責任を持って預かるということを話していた。
中にはそれで親御さんから反対にあって、辞めざるを得ない子もいた。
でも、片足とはいえ夜の世界、社会に出る以上は、その責任なり家族の理解なりが必要だと、おれは考えてる。
この電話は、今でも続けている。
そのお陰なのか、うちの店のバイトの離職率は他店と比べてもとても低いと思ってる。地元の子の親御さんの中には、子供がバイトを辞めたあとも贔屓にしてくれている方も何人もいる。
31:
元嫁の場合、父子家庭でお父さんの心配も大きかった。
それで、帰りが遅くなる場合は自分が送っていくと伝えてあったので、その日もその通りに送っていくことになっていた。
32:
元嫁の彼氏も心配だったのだろう。
帰り道に、よくその彼氏から電話がかかってきた。
これだけ可愛かったら、彼氏の心配も頷けると思っていたが、元嫁は鬱陶しそうに電話に出ていた。
バイトが終わったら電話
お店を出るとき電話
うちに着いたら電話
寝る前に電話
毎週末に元嫁の所まで会いに来る
その間はバイトにも出て貰えないから、お店としてもちょっとアレではあった
やがて、その彼氏の行為もエスカレートしていく
33:
元嫁は学費とアパート代は仕送りだったが、生活費は自分で稼いだアルバイト代から出していた。
その為、本人の希望もあり、多めにバイトのシフトにも入れていたのだが、毎週末来る彼氏に付き合うと、稼ぎどきの週末に働けない。
彼氏も毎週末通うのはキツクなったのか、地元にも帰って来いと、催促するようになった。
正直キツイ。
これじゃあやっていけない。
というのを、週に二回くらいの帰り道に元嫁から聞かされるようになった。
季節は7月になっていた。
34:
そんなある日、事件が起こる。
彼氏襲来。
サプライズで上京してきた彼氏が、バイト終わりの彼女を送ってきたおれを浮気相手とみなして襲いかかってきた。
35:
建物の陰から叫びながら現れた彼氏に、元嫁は悲鳴をあげ、おれはとっさに元嫁を庇った。
それが余計に逆鱗に触れたらしい。
胸倉を掴まれて、
「おまえ!なんなんだよ!」
と凄まれるおれ。彼氏でかい。
でもヒョロい。細すぎる。
現時点では元嫁の彼氏でもなんでもなく、いきなり現れたただの暴漢。
もしくは変質者。
ビックリはしたが、とりあえず突き飛ばして前蹴り。
良いところに入って、うずくまる彼氏。
36:
そこでようやく元嫁も、その暴漢が彼氏だと気付いたようだった。
彼氏だと気付いていたが驚いて声が出なかったのかわからないが。
「知り合い?」
と聞くと
「彼氏…」
と答えた。
でも、おれの後ろに隠れてシワシワになるくらい服を掴んでる元嫁の目は、彼氏を見る目ではなく完全に変質者を見る目だった。
それも仕方ないだろう。
おれもバックバックしていた心臓が、全然治らない。
結果厨二っぽいことにはなったが、基本的に喧嘩なんかほとんどしたことのない人種です、おれ。
37:
下っ腹を抑えながら立ち上がった彼氏は、尚も吠えた。
「誰なんだよそいつは!ああん!?」
あ、彼氏ヤンキーだ。
「ごめんなさい。今、付き合ってる人…」
はいぃ?
ここで華麗に右京さんのモノマネが出来ていたら、おれの滑らない話が一つストック出来たのに…
今でも悔やまれる
38:
「はぁ?なんだよ!訳ワカンねぇ!ふざけんなよ!」
大体おれの心情は、ニュアンスは違えど彼氏が代弁してくれた。
「ごめん。本当にごめんなさい」
元嫁泣き出す。状況としてはどう見ても悪者なので、おれもその涙に乗っかることにした。
「聞いた通りだから。とりあえず落ち着いて」
「訳ワカンねぇ!訳ワカンねぇよ!なんだよこれ」
ごめん。
おれもだ。
状況は彼氏が悪者だが、冷静に考えれば彼氏は被害者であり、一番悪いのは元嫁。今だから言える。
悪いのは元嫁。
39:
元嫁は彼氏に近づき、
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
と泣きながら謝っている。
「どういうことだよ!説明しろ!」
メダパニ状態の彼氏は、元嫁の腕を掴もうとしたが、元嫁はその腕を振り払った。後ろから見ていても、元嫁がビクっと跳ねたのが見えた。
「なんだよ…マジかよ…」
彼氏、泣いてた。
彼氏はメダパニが解けないまま、急に立ち上がり、なんだよ!と叫びながら白いコンパクトカーに乗り込んで、そのまま走り去った。
40:
「巻き込んでごめんなさい」
元嫁が深々と頭を下げた。
「良かったの?別れて」
「もう無理だと思いましたから」
「怖かった?」
元嫁は頷いて、ポロポロと泣き出した。
おれもそれなりに覚悟を決めて、元嫁を抱き締めた。
思った以上に、元嫁は震えていた。
41:
「一緒にいようか?」
「ごめんなさい。お願いします」
その夜、初めて元嫁のアパートに泊まった。
でも、その日は本当にそれだけ。
何にも手は出していない。
シャワー浴びてる元嫁を待つ間は、正直モンモンしたが、頑張って耐えた。
元嫁がシャワー浴びてる間も、彼氏からの着信でバイブレーションフル稼働だったが、二桁以上の着信履歴を見た元嫁は、イライラした様子で携帯の電源を落とした。
急に静かになった。
42:
シャワーを浴びて、だいぶ落ち着いたようで、とりあえず二人で話し合うことに。
「本当に、巻き込んでしまってごめんなさい」
「うん。本当にね。おれは大丈夫だよ。で、どうする?」
「……あの、付き合ってるって言ったことですか?」
「うん」
「私じゃ、ダメですか?」
伏し目がち、上目遣い
破局修羅場直後
シャワー浴びて良い匂い
彼氏の愚痴はずっと聞いていたし
元嫁からのさりげないアプローチも気づいてはいた
そして
元嫁はおれのタイプ
断ることは無理だった。
43:
「良かった!嫌われると思ってました」
「これくらいじゃ嫌いにならないよ」
「でも、バイトは」
「問題ないよ。ただ、彼氏とは、ちゃんとキッパリ別れて欲しい。ああいうタイプは、変に曖昧な態度をするとストーカーになりかねないから」
実際、彼氏はストーカーというか、なんというか、その後もしばらく今までと同じように電話をかけてきた。
まるでこの日のことはなかったかのように、明るく電話口で喋る様子は、正直怖いものがあった。
おれが元嫁に代わって電話に出ると攻で切って、すぐ掛け直してきて
「ビックリした!今の誰?」
と言ったのは本当に怖かった。
「おれだよ」
もちろん彼氏ガチャ切り。
元嫁は8月からの夏期休暇で、地元に帰ってキッパリ別れてくる、ということになった。
44:
とりあえず今夜はここまでにしとく。
眠くなってきたし、帰ってシャワー浴びてダラダラする。
もし読んでくれた人がいたなら、ありがとう。
続きはまた明日の深夜過ぎか、暇なときにでもポツポツ書く。
長文書くのって結構気力いるんだね。
45:

46:
>>45
おまえ…何て律儀な奴なんだよ…
47:
>>45
最近おっさん涙もろいんだからw
こんな時間まで付き合ってくれてありがとう
一人で飲んで話してたつもりだったけど、vahが一緒に飲んでてくれたんだなって思ったら、な。
美味い酒だった。ありがとう
また一緒に飲んでくれ
48:
さてと
ビール飲みながらぼちぼちと
49:
8月になって元嫁が長期休講に入り、すぐに実家に帰って行った。
おれは相変わらず仕事。
夏場は年末年始程ではないが、客入りも多くて忙しい。
職場のみんなにはおれが元嫁と付き合うことになった経緯を話してあったし、一応オーナーの耳にも入れておいた。
「やったな!ロリコン」
「オーナーに言われたくないです」
このオーナー、嫁は自分よりも20も下で、しかもおれよりも年下というのに。
50:
元嫁の帰省は半月程の予定で、その間に元彼との決着もつけてくるとのこと。
ちょっと心配でもあったが、そこはグッと堪えて待つことにした。
毎晩仕事が落ち着く頃に元嫁からも電話があり、他愛もないことを話す。
付き合ってる感覚ってのは、やっぱり楽しかった。
51:
お盆に入る頃、そろそろこっちに帰るとのこと。
元彼との決着はあっさりついたらしい。
既に新しい彼女を作っていて、何故か自分が振られる形になって、物凄くムカついたと話していた。
めっちゃ荒れてた。
多分、元彼なりの仕返しだったんだろうな。
同じことをやり返したわけで。
52:
元嫁が帰ってくるのを、駅まで迎えに行くと、元嫁ともう一人女の子がいた。
元嫁の妹と紹介されたその子もまた美人だった。
中学生ということだが、田舎の垢抜けない感じがまた可愛かった。
妹はこれから、割と重要な役回りになるが、年もおれの半分くらいということで、本当の妹のようにおれのことを慕ってくれたし、おれも可愛がった。
53:
ここからしばらくは特に変化もないまま、彼氏と彼女という関係が続く。
バイトの学生連中と肝試しにいって、その後閉店後の店が怪奇スポットになったり、童貞イケメンが結婚を(前提としたお付き合い)申し込んで承諾されたり。
サイドでは色んなイベントが起こっていた。
54:
てか、思い出すと本当に色々あるな。
オーナーの幼妻がバイトし始めて、幼妻目当てのストーカーが現れる。オーナーに秘密裏に撃退。
チーフYがいつの間にか結婚していた。言えよ。
チーフYに子供が生まれる。出来婚でした。
チーフY、嫁に逃げられる。元から二股だったらしい。
チーフY失踪。一ヶ月後、土下座で戻ってくる。
イケメン、童貞卒業。モテキがやってきて、許嫁発狂寸前。でもイケメンは心もイケメンだった。許嫁一筋に生き、評価を上げる。
同期A子、あの同業者と不倫を始める。じつは既婚者だったらしい。彼女というのは嫁とはまた別だった。その本妻がうちの店にきて大暴れ。警察沙汰になる。
同期A子、その同業者と駆け落ち。同業者は店の金に手を付けてたらしく、これまた警察沙汰。逮捕され、同期A子も戻ってくるが、流石にクビにする。
おれがクビ宣告した唯一のバイト。
先輩A子。街コンにハマる。そして、結婚詐欺にあい、貯金がなくなる。恋愛脳って怖い。詐欺師は捕まったが、金は返ってこなかった。
これが、一年くらいで全部起こった。
おれは割と平凡に生きているが、何故か周りにはこういうトラブルが頻発する。
おかげで暇はしないが、流石にお腹いっぱい。
55:
ようやく自分の話に戻る。
元嫁との転機が訪れるのは、おれの引越し。
オーナーが持っていた物件に空きが出来るというので、そのマンションを借りることにした。
一人で暮らすにはなかなか広いので、元嫁も一緒に住まないかと誘った。
未だに生活費は自分で賄っていたので、それで多少は楽になるんじゃないかと。
と、そのことの報告もあり、おれは元嫁のお父さんと会うことに。
元嫁には帰省の度に手土産を渡していたし、長期休暇になれば妹が毎回遊びに来る。おっさん、おこすかいあげたりもしていたので、○○おにいちゃんと呼ばれて懐かれて、すっかり舞い上がってた。
年の離れた妹って可愛いもんだね。
久しぶりに連休をもらい、元嫁と一緒に帰省。
そのときに初めてスーツを買う。
10万はしなかったが、結構するのね。でも、それなりのものを用意しとけば色々役に立つと腹を決めて購入。一時期太って着られなくなることもあった。
やっぱり高い買い物って怖いな。
56:
お父さんと会ったのは、なんか立派な門がある割烹料亭だった。店員の女性は着物だし、刺身とかめっちゃ分厚いのに全然生臭くない。卵焼きも口に含んだ瞬間ダシがじゅわーって。
一応料理もするから、そこのレベルというか、格式というか、すごく驚いた。
一応コースだったので、話は食べながら進めた。
お父さんもスーツだったが、元嫁と妹は私服。それなりに綺麗な服装ではあったが、お店の人はどう思ってたんだろうか。
57:
お父さんは恰幅の良い紳士で、訛りはあったが、ヒゲがカッコよかった。
元嫁からは、お父さんは普通の会社員だと聞いていたが、聞けばやっぱりそれなりの役職についていた。
貫禄あるもん。
同棲の許可を貰うだけのはずが、どうやら、結婚を前提とした付き合いということになった。
薄々覚悟はしていたが、元嫁はここに来るまでめっちゃ軽いノリだったし、おれも甘かった。
型にはめるというのはこういうことか。
でもそれは、ただ単におれ自身が甘えていただけで、キチンとした付き合いをするのには大切なことだったんだろうな。
このときの態度が気に入ってもらえたのかはわからないが、それからもお父さんからは本当に良くしてもらった。
58:
少し身の上を話すと、おれの両親はおれが20歳前後に相次いで亡くなった。
結構若かったんだけど、わからないもんだ。
おれは高校卒業して、バイトやら派遣やらでプラプラしていたが、そこを親父とおふくろの知り合いだった今の店のオーナーに拾われて、今もそこで働いている。
その席で、こうした身の上も全部お父さんに話した。
そして今度は、元嫁家の話を聞くことになった。
59:
元嫁家は、元々代々農家だったが、先の震災もあり、祖父母はまだ元気だが畑の大部分は処分し、今は老後の楽しみとして細々と続けているとのこと。
父子家庭である事情も、このとき話された。
元嫁も20歳になり、妹も高校生になり、今まで黙っていたことも含めて全部話してくれた。
なぜこの場で。
60:
元嫁のお母さんは、妹を生むとすぐに男が出来て不倫。
だが、相手の男がそれなりに力と金のある人物だったらしく、ケジメとして慰謝料は受け取ったが、その後の養育費などは受け取っていない。お父さんは、
「これでもプライドもあるからなぁ」
と笑っていたが、だからこそ、意地になって働いて、今の地位も築けたし、娘たちも育てることができたと言っていた。
娘二人が重度のファザコンなのも納得した。
そして、今まで黙っていたこととは、二人の母親が今も元気で、二人が望めばいつでも会いに行けるということ。
元嫁はそれを聞いて泣きながら怒り、
「今さら母親なんて思えないし、会いたいとも思わない!」
しかし妹は、
「もし、自分にちゃんとした母親がいるなら、一度でいいから会ってみたい」
と、泣きながら答えた。
元嫁は薄っすらとではあるが母親の思い出はあると言っていたが、妹は本当に生まれて間もない頃だったので、母親については何も無かったのだろう。その分、母親に対する思慕も、元嫁以上にあったし、何よりまだ高校生だ。
「わかった。今まで黙っていて悪かった。娘から一言でも、母親に会いたいと言われれば教えようと思っていたが、俺も意地になってた。もっと早く、こうして話しておけば良かった」
お父さんの目にも涙が浮かんでいる。
おれは情けないけどダラダラともらい泣き。
お父さん、カッコ良すぎだろう。
61:
お父さんは、このタイミングでインターホンのボタンを押した。
みんな焦って涙を拭いたが、元嫁も妹も、化粧は崩れている。
すぐに襖が開き、着物姿の店員さんが何も言わずに深々と頭を下げた。廊下で土下座している形だ。
「女将の○○です。ようこそいらっしゃいました。
本日は大切な会席に…」
と、挨拶は続けてたが、無駄に勘の良いおれは薄々気づいていた。答えはすぐにお父さんの口から、その場に伝えられた。
「この人が、お前たちのお母さんだ」
ああ…やっぱり…
元嫁と妹は完全にフリーズしたまま、女将さんの顔を凝視している。
女将さんは、綺麗に化粧をしていたが、くっきりと筋が出来るほど、涙のあとがついていた。流石というか、それでも顔を上げてしっかりこっちを見ていた。
「本当に?」
妹が聞くと、お父さんは頷いた。
妹は決壊したわように泣き出した。
元嫁は隣にいるおれの手を力一杯握っていた。
このとき、元嫁がどんな気持ちでいたのかはわからないが、大人しそうに見えて気が強い元嫁のことだ。
色んなことを必死に耐えていたんだろう。
62:
今日はこれくらいで。
おっさん、昨日ここで夜更かしし過ぎて弱ってるので、今日は大人しく帰って寝ます。
63:
なんという展開
65:
>>63
ほんとにね。
今でも、なんでおれここにいるの?
みたいに、妙に冷静だったのを覚えてる。
66:
さて、お母さん登場まで話したんだっけな。
昔よくテレビでやってた徳光さんが泣く番組は全く泣かなかったが、目の前でこういうの見せられると本当にクルものがあった。
妹がお母さんに抱きついて、お母さんが謝りながら頭撫でてるのを見たら、もうね。
そこが第一のピークだった。
その後はお母さんが、気を遣ってお酒を出してくれた。
「娘たちを不幸にしてしまったとばかり思っていました。あのとき自分が連れていけばと。でも、ここまで立派に育ってくれたのは、ひとえにお父さんのおかげです。どこまでも自分勝手だった昔の自分では、こんな素晴らしい子育てはできなかったと思います」
お父さんと元嫁、妹に謝罪と感謝の言葉を伝えると、お母さんは座敷から去っていった。
67:
「元嫁からも、話は聞いているし、俺もイチくんと会えてよかった。こんな娘だが、これからはよろしくお願いします」
テーブルに手をついて頭を下げるお父さんに、
「ありがとうごさいます。責任を持って、元嫁を幸せにします」
と答えたおれ。
同棲の許可だったはずが、結婚の許可をもらいにきたみたい。
事実、この日のこの会食が結婚申し込みの挨拶として認知されることになった。
68:
このとき元嫁は学生で20歳
おれは26歳
正直、結婚なんて考えてなかったのだが、この辺りからおれも元嫁も将来について真面目に考え出す。
元嫁はその年に無事に卒業して、就職もなんとかなった。まともな就活とではなく、おれ繋がりでコネを使っての入社だった。
69:
今日はこのあと用事があるのでこの辺で。
あとGW中は仕事柄来られないと思います。
ちゃんと時間があるときにメモ帳にまとめとこう。
70:
GWどうお過ごしですか?
もっと飲みに来てください。
年々飲み客が減っているのを肌で感じていて怖い。
食事に力を入れてなかったら潰れてたんだろうなぁ
そんなわけで、今日は書き溜めたのを一気に投下します。
71:
卒業、就職、即結婚というのはアレだったので、同棲してから一年経ってから籍を入れようということになった。
そのことはGWに帰省した元嫁からお父さんに報告。手土産にお父さんの大好きな日本酒を、居酒屋店長の立場を駆使して入手。
たいそう喜んでくれた。
後に、その日本酒の入った桐箱に達筆で日付けと「元嫁、イチ、結婚の報告」と、書かれているのを見せられた。気が早いぞ、お父さん。
72:
二人の関係はというと、一人暮らしが長かったおれと、父子家庭で育った元嫁。家事は二人とも問題なし。
一応料理はおれのほうに分があったが、掃除洗濯は元嫁のほうがマメ。
家賃は折半で光熱費はおれ。通信費はそれぞれ。貯金もそれぞれ。
それなりに上手くやれていた。
ただ、元嫁が就職してからはやはり、時間的なすれ違いが増えていった。
元嫁の休みは日曜プラス週の何処かで1日休みというシフト制。おれはその休みに合わせて休みを取る。
休みが楽しみだった。
73:
平日なんかは、暇ならおれも早く店を閉めて帰るし、そういう日は元嫁も昼寝して夜更かししてくれた。
安定して幸せだったのは、やっぱりその頃だと思う。
元嫁と付き合って二年半。そして、一緒に暮らして一年。
約束通り、おれと嫁は籍を入れた。
結婚式はせず、おれが働いている店で知り合いを集めての簡単なパーティーをした。
バイトたちがお金出し合って、サプライズで元嫁はレンタルのウェディングドレスを着せられた。
おれは元からスーツだったので、横に並んで写真を撮った。
その写真はイケメンの手で加工され、どこぞの写真館で撮ったような写真へと生まれ変わった。
おれはあんまりパソコンとかは使えないんだが、ああいうのが簡単に出来るって凄いと素直に感動した。
74:
年末年始には、二人揃って元嫁の実家に帰省。
娘のドレス姿にお父さん、惜しげも無く泣く。
おれはキチンとした式を挙げられなくて申し訳ないと謝ったが、それはいずれ二人で挙げなさいと諭された。
田舎はそういうしがらみが多いもんだと勝手に思ってたが、お父さんは完全に抜けてたみたい。
一応親戚の方々には丁寧に説明していたけど、今はそういう時代じゃないとハッキリ言っていた。
お父さんかっこいい。しかしおれ、ちゃんと式を挙げられなかったことを、いまもちょっと後悔してる。
おれのワガママも大きかったからね。
75:
おれのワガママというのは、そのまんま親がいないこと。
親が亡くなってからは親戚とも没交渉。結婚式という願望がなかった。
元嫁も、自分の両親を見ていたからか、お金をかけて式を挙げても必ずしも幸せにはなれないと何度も言っていた。
本気かどうかは判断しかねるが、おれはそれを元嫁の気遣いとして素直に受け取った。
76:
あと、お金がなかったわけじゃない。
小さくてもそれなりの式を挙げることくらいは出来た。
飲食店で働いてると、いつかは自分で店を…みたいなことは、自然に考えるようになる。おれもそうだった。
だから少しずつではあったが、貯金はあった。
それについても元嫁は、そのお金はおれの夢のためのお金だから、そのためだけに使って欲しいと言っていたんだ。
もうここまで読んでもらったらわかるように、正直おれにはもったいないほどの出来た嫁だった。
少し時間を進める。
ちょっとかわり始めるのは四月になってから。
今でも断言出来る。
元嫁と出会ってから3年間は、おれの人生の中で最高の3年間だった。
77:
元嫁と出会ってから丸3年。
元嫁働き始めて丸1年。
おれは相変わらず居酒屋の雇われ店長。オーナーが新しく店を出すとかで、おれもちょっと、忙しくなる。
元嫁は新人の教育係に任命され、ちょっと昇給。肩書きもついたと喜んでいた。
簡単に言えば、すれ違いが大きくなっていったんだ。
78:
夜中に帰っても疲れて寝ている元嫁。
元嫁の朝の出勤に合わせて仮眠を取って、一緒に朝食。お弁当を持たせて見送り、おれ再び眠る。
子供は、元嫁の希望で作ってはいなかった。それでも週イチ前後で夜の生活は有り。
休みの日は合わせてはいたんだけど、やっぱりお互いに忙しくなったせいか、なかなか合わなくなった。
元嫁も休みが日曜日だけだったりしたし、おれも希望通りのシフトを組めなくなっていた。
なるべくして、なったんだろうな。
この結末も。
79:
平日、おれは早ければ1時には家に帰る。
その日は前半で売り上げも立ったので、少し早めに閉店。早目に帰宅した。
9月も終わりそうなころだ。
いつも元嫁の寝顔を眺めて、ただいまのキスを勝手にして、リビングでゲームしたり携帯いじったりしてから寝る。
おれはいつも通りの儀式のために元嫁の部屋に入ると、枕元の元嫁のスマホにちょうどラインの着信が入った。
元嫁は寝たら起きないタイプなので、そのまま寝続けているが、そのほんの二行の文面はおれの目を覚ますのに充分だった。
85:
「××さんとの旅行どうだった?楽しかった?」
誰だよ、××って。
なぁ?同期A子。
とりあえずその文面で大体のことを察したので、トイレに行って吐いた。
元嫁に対する嫌悪感と、今までの幸せが一気に壊れた恐怖感。
漫画の読み過ぎかもしれないが、頭の中の思い出の映像が、ピシッてヒビ割れてガラガラ音を立てて崩れていくのが面白かった。
いや、なんも面白くないけど、全くなにも感じずにただただ眺めている自分が確かにいたのよ。
86:
すぐに考えたのは、どうすればやり直せるかだった。
元嫁を許せるかどうか。
生活系のまとめでよく見る復讐なんてのは、このときは全然考えてもいなかった。
この日のおれの行動は、逃避だった。
再び店に戻って、Yを呼び出して泣きながらヤケ酒。実費で結構高いワインも開けて、朝まで飲んだ。
今までの元嫁との思い出を語る

なんで浮気なんか
のループでうざかったとのちにYから暴露された。
記憶無くすくらいまで飲んだのは人生で初めてだった。
87:
起きたのは昼頃で、おれは店のソファで寝ていた。
配達に来た八百屋に起こされた。
携帯には元嫁からラインが何件か来てたし、着信もあった。
全く気付かなかったけど。
ラインの文面にはおれを心配しているとか、何かあったの?とか、終いにはなんでラインを読みもしないんだと怒ってもいた。
とりあえず返信で詫びて、店でお酒を飲んで寝てしまったと言い訳をしておいた。
88:
頭がガンガンして気持ち悪いので、近くの薬局で液○ャベと頭痛薬を買ってきて飲んだ。
いつもの出勤時間よりかなり早かったが、昨夜の店の掃除と、仕込みを始めた。
何にも考えずに体が動くってのは、こういったときにすごく助かる。
フラッフラだったから休み休みだったけど。
89:
そして、これもいつもより早くYが出勤してきた。
「死んでないか心配だった」
と冗談ぽく言ってたが、目が笑ってなかった。かなり本気で心配してくれたらしい。
こいつは女運はないが良い奴だと思った。
90:
で、これからどうするのか?
という話になった。
開店まではまだかなり時間もあるし、既に仕事としてやらなきゃいけないことは終わっている。
昨夜と違い、かなり冷静に頭が回っていた。自分の吐く息が酒臭いことを除けば絶好調だ。
薬も良く効いて、すこし気持ち悪い気もするが、頭は痛くない。
絶好調だ。
多分。
結論はすぐに出た。
やり直したい。
正直な気持ちを言った。
91:
でも、ケジメはきちんと付けないとダメだとも言った。
Yは驚いていた。
おれの性格から考えて、相手を徹底的に締め上げて潰して搾り取るもんだと思っていた、と。
おれ、どんな風に思われてたんだよ。
まずおれは浮気相手や、元嫁の本気度などを調べることにした。
早まったら負け。
焦ったら負け。
生活系まとめサイトで何度も見た鉄則が、おれを押し留めてくれた。
先人の知恵に感謝。
とにかくおれは知りたかった。
なんで浮気したのか、相手は誰か。いつからなのか。
そして何より、元嫁は本気なのか。
ターゲットは元嫁が就職するときにおれが頼った元嫁会社の役員の人と、今回のきっかけとなった同期A子。そして、異常に仲の良い元嫁妹。
この三人にそれぞれアプローチして情報を集めることにした。
92:
まずは元嫁妹にから当たってみることに。
おれと付き合う前から、恋愛相談やら愚痴やら、おれとの喧嘩まで全て筒抜けになっていたくらいなんでも話していたので、もしかしたら妹なら何か知っているかもしれないとおもった。
結果は白。
最近あまり連絡もなくて寂しいと言っていた。浮気のことは伏せて、元嫁に変わったところはないかと聞いてみたのだが、
「イチ兄さんと付き合うようになって、初めてまともな男の人と姉が付き合うようになって、本当に感謝しています」
とまで言われた。
ひょっとしたら元嫁を庇っているのかとも疑いはしたが、話しても話してもおれへの感謝の言葉しか出てこない。
冬休みにこっちに遊びに来ると話は締められて、妹との話は終わった。
妹ちゃんマジ天使。
93:
次に同期A子。
ラインの友達一覧には知らない男とピースしている写真があるが、A子をクビにしてからは全く連絡もとっていない。
未だに元嫁とA子が繋がってたことにも驚いたくらいだ。
しかし、A子は地元生まれの地元育ちで、地元のアホ大学の四年生。調べようはいくらでもある。
うちのバイトの友達、という思ったより短い繋がりで、A子の知り合いに辿り着いた。
そこからはもう簡単だった。
元嫁とA子がどうして繋がってたのかもわかったし、浮気相手A、Bが特定できたので、調査対象にそのA、Bも追加する。
ちなみに、バイト連中には全て打ち明けた。あと、浮気相手判明までかかった時間は2週間。
おれは死んだように生き、働き、そして死にたくなる気持ちで毎日自宅へと帰った。
元嫁とは完全にレス状態。
というか、ぶっちゃけエレクトせんかった。
元嫁からは病院を勧められたが、ちょっと疲れてると言い訳して逃げていた。
おれヘタレ。
94:
最後に元嫁の会社役員、おれの立場からすると常連さん。以降は常連さんで。
この人には本当に本当に世話になった。
浮気発覚から1ヶ月。いつものように夜中の閉店間際に一人でフラッと現れて、ビールを二杯、つまみを一品。
バイトにも気を遣ってくれる、良い常連さん。
その常連さんに心配されるくらいおれの見た目が変わっていたらしい。
何かあったのか?と、常連さんから話を聞いてくれた。
やっぱり上に立つ人ってのは、小さな変化もすぐわかるもんなのかな?
おれの場合は小さな変化でもなかったかもしれないが。
95:
一人だけで喋って辛かろうバッドエンドマン
97:

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