モバP「比奈、総選挙4位だってさ」back

モバP「比奈、総選挙4位だってさ」


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比奈「へえー」
比奈「もうそんな時期っスか」
比奈「いつも知らないうちにやってるから」
比奈「あんまり結果とか気にしてなかったっス」
モバP「上位5人でセレモニーやるらしいから」
モバP「なんかコメント考えておいてな」
比奈「了解っス、コメントでスね」
比奈「コメント、コメント……」
比奈「……」
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2: 以下、
比奈「うええっ!?」
比奈「よ、よよ、よん……」
比奈「4位っ!?」
3: 以下、
P「そう」
P「4位」
P「高垣楓さん、本田未央さん、藤原肇さんときて」
P「堂々4位です」
比奈「」
比奈「う、うそでスよね、Pさん」
比奈「なんかの間違いじゃ……」
P「これ見て、得票数」
P「607600票」
P「やばい」
比奈「ろくじゅうまん……」
比奈「いち、じゅう、ひゃく、せん……」
比奈「……ろくじゅう、まん」
P「比奈」
P「今めっちゃいい顔してるぞ」
4: 以下、
比奈「P、Pさんこれ」
比奈「ど、どうしたらいいっスかね」
比奈「これ、こんな、だって」
比奈「全然、あの、予想外すぎて……」アタフタ
P「まあまあ」
P「そのために今度セレモニーやるんだから」
P「投票してくれたみなさんに感謝の気持ちを込めて」
P「精一杯おめかしして、お披露目といこうじゃないの」
比奈「えぇ……」
比奈「だってアタシ賞状とかトロフィーとか、今まで一個ももらったことないっスよ?」
比奈「いっつも端っこの方で拍手しているだけのモブキャラだったのに」
比奈「それがこんな、よりにもよってアイドル総選挙で……」
比奈「そんな、そんな……」
比奈「うぁ?! どうすんスか??!」
P「わかる」
P「頭かかえちゃうよね」
P「俺もびっくりしたもん」
5: 以下、
P「しかし、決まったことは決まったことだから」
P「落ち着いたらコメント考えておいてな」
P「俺は当日の衣装とか手配してくるから」
比奈「は、はいっ」
比奈「あ、あの?、Pさん」
P「ん?」
比奈「衣装はあの、地味目なんでいいでスよ?」
比奈「あんまり目立たない感じのでお願いしまス」
P「……なんで?」
比奈「だって入賞したと言っても4位ですし……」
比奈「それにアタシがキラキラしすぎるのはちょーっと、その」
比奈「キャラじゃないかなーって、えへへ……」
P「……」
6: 以下、
比奈「あ、大丈夫っスよ! 当日は脇役に徹するつもりでスから!」
比奈「コメントも無難なのにして、他の人たちを立てるようにしてでスね……」
P「いや」
P「ダメ」
比奈「え?」
P「よっしゃ、当日はめっちゃ派手なドレスで行くぞ」
P「1位の楓さんのお株を奪うくらいの勢いでいくからな」
比奈「え、ええっ、な、何ででスかっ!」
P「背中も胸元もおっぴろげのにしてやる」
P「許さんからな、覚悟してろよ」
比奈「ちょ、あの」
比奈「許さんって……」
P「比奈、当日までまだ時間はある」
P「その間によく考えることだ」
P「60万票という結果が、どういう意味を持つのかを」
7: 以下、
比奈「え……?」
P「じゃ、俺行くから」
P「コメントの下書きができたら見せてくれな」
P「空いてるときにでも声かけてくれ」
比奈「あ、ハイ」
P「あと、言い忘れてた」
P「おめでとう、比奈」
P「今回の結果、俺はすごく誇らしいし」
P「めちゃくちゃ嬉しいって思うよ」
比奈「」
比奈「あ、ありがとうございまス」
P「じゃっ」
バタン
比奈「……」
比奈「ろくじゅうまんの、意味……」
8: 以下、
―――
――
9: 以下、
カチャッ
比奈「……あの」
??「うーん、こっちですかね……」
カチャッ
比奈「ちょっと」
??「あーこれもいいですね?!」
カチャッ
比奈「春菜ちゃん」
春菜「これ! これですよ!」
春菜「グッドルッキング! 比奈ちゃん、このフレームで行きましょう!」
比奈「……」
10: 以下、
スッ
春菜「ああっ! 外しちゃだめですよっ!」
比奈「言いにくいんでスけど」
比奈「当日は、コンタクトかもしれないんでス」
春菜「」ガーン
春菜「な、なん……」
比奈「あー、いや、アタシじゃないッスよ?」
比奈「Pさんがそれでいくって」
春菜「Pさんが……」
春菜「ありえません! 断固抗議します!」
春菜「コンタクトなどという蛮行、断じて許すことはできません!」
春菜「全国の眼鏡ストに対する背信行為に他なりませんよ!」
比奈「は、はあ……」
春菜「何より、せっかくの晴れ舞台ですもんね!」
春菜「比奈ちゃんも、目一杯お洒落していきたいですよね?」
春菜「そのためにも、眼鏡は必須じゃないですか!?」
比奈「……」
比奈「それなんでスけど……」
11: 以下、
――
春菜「――なるほど」
春菜「60万票の意味、ですか」
比奈「正直、こういうの全く経験なくて」
比奈「全然実感が湧かないんスよね」
比奈「途方もない数字ということは分かるんでスけど……」
春菜「そうですね」
春菜「困惑してるって感じですか?」
比奈「それっス」
比奈「これまで日陰の方でのんびりやっていたのが」
比奈「突然ひっぱり上げられて、スポットライト当てられるわけじゃないっスか」
比奈「もう場違い感が半端じゃないっスよ」
春菜「そんなこともないと思いますけど……」
12: 以下、
比奈「だからセレモニー当日もでスね」
比奈「簡単な挨拶だけして、そのままこそこそと……」
比奈「舞台袖の方に逃げてしまおうかなーなんて思ってたんでスけど」
春菜「……」
比奈「60万票入れてくれたファンの人たちも」
比奈「そういうアタシの姿を期待してるんじゃないかなって」
比奈「若干考えているんでスけどね」
春菜「うーん……」
比奈「なんかPさん的にはそうじゃないっぽくて」
比奈「こう、キラキラした衣装で行く! って息巻いてるんでスよねぇ」
比奈「だからどうしようかなぁって感じでして……」
春菜「なるほど」
春菜「……」
13: 以下、
春菜「ちょっと待っててくださいね」
ガサゴソ
比奈「?」
春菜「比奈ちゃん」
春菜「やっぱりこっちにしましょう」
カチャッ
比奈「ひゃっ」
比奈「なななんスかこれ」
比奈「これ、サングラスじゃないっスか!」
14: 以下、
春菜「おー、これは」
春菜「アリですね!」
春菜「普段の私ならまずやらないチョイスですけど」
春菜「やっぱりハレの日にはこれくらいやらなきゃですよね!」
春菜「すごい! 比奈ちゃん大物感でてますよ!」
比奈「いやいやいや!」
比奈「完全に勘違いした人じゃないっスかこれ!」
比奈「こんな格好で行ったら浮くなんてレベルじゃないっスよ!」
春菜「ふふふ」
春菜「比奈ちゃん、かわいい」
比奈「むっ」
比奈「春菜ちゃん、アタシをからかってまスね?」
比奈「ダメっスよ! これでも真剣に悩んでるんスからね!」
春菜「いえいえ、私は本気ですよ」
春菜「私は本気で比奈ちゃんに、キラキラしてほしいって思ってます」
比奈「え」
15: 以下、
春菜「勘違いしたっていいじゃないですか」
春菜「全部が全部、自分の人生なんですから」
春菜「たまには日陰からでて、お日様の下ではしゃいだって」
春菜「誰も文句は言わないって、私はそう思いますよ」
比奈「春菜ちゃん……?」
春菜「私もアイドルになるまではずうっと地味で」
春菜「このまま一生、かわいくなんてなれないんだろうなって思ってましたけど」
春菜「でもPさんに出会って、比奈ちゃんとも友達になれて」
春菜「少しずつですけど、気付くことができたんです」
春菜「自分の人生、自分が主役なんだなって」
比奈「……主役」
春菜「はい!」
春菜「きっと無理なんですよ、一生脇役のままでいるなんて」
春菜「誰しもいつかは、主役になるときが来るんです」
春菜「ステージの下で、歓声を浴びる日が来るんです」
春菜「そのときのために、日々懸命に生きているんですよ」
春菜「少なくとも私は、そう思います」
比奈「……」
16: 以下、
比奈「アタシは、今ってことなんでスかね?」
春菜「えっ?」
比奈「今こそ、ステージに上がるときなんでスかね?」
比奈「Pさんも、それに気づいていたからこそ」
比奈「あんなに真剣に、アタシに諭してくれてたんでスかね?」
春菜「はい、私はやっぱり、そうじゃないかなって思います」
春菜「比奈ちゃんに投票してくれたファンの人たちも、きっと」
比奈「……」
17: 以下、
比奈「アタシ、ちょっと出かけてきまス」
春菜「えっ」
比奈「ちょっと、Pさんの所に……」
比奈「あの、春菜ちゃん、本当にありがとうございまス」
比奈「なんだか、思い出した気がしたっス」
比奈「アイドルになったときの、初心に帰れたっスよ」
春菜「……」
カチャッ
比奈「ひあっ」
春菜「ふふふ」
春菜「また一緒に、眼鏡選びましょうね」
春菜「眼鏡一つで、印象がまるっきり変わりますから」
春菜「きっと比奈ちゃんも、もっとキラキラできますよ」
比奈「そ、そうでスか?」
春菜「そうですよ!」
18: 以下、
春菜「眼鏡には、人生を変える力がありますからね!」
19: 以下、
―――
――
20: 以下、
P「なんだ、その眼鏡は」
21: 以下、
比奈「いえ、あの?……」
比奈「春菜ちゃんがこれかけて行けって……」
P「……」
P「どういうリアクションすればいいんだ俺は」
比奈「や、やっぱ変っスかね?」
P「いや、似合ってるけどな」
P「ちょっと意外でな」
P「サングラスとはね……」
比奈「あ、あはは……」
P「ま、ちょうど良かったのかもしれんな」
P「外回りにはうってつけの格好だ」
22: 以下、
比奈「申し訳ないっスね、営業の途中にお邪魔して……」
P「いや、そろそろ切り上げようかと思ってたんだ」
P「これから行くところを考えれば、タイミングばっちりだ」
比奈「これから?」
P「そう、たしかその角を曲がったあたりだ」
テクテク…
P「ほら」
比奈「あ……ここ」
比奈「わぁ、なつかしいっスね」
比奈「アタシが、スカウトされたところっスね」
23: 以下、
P「決めてたんだ」
P「仕事終わったらここに来ようってな」
比奈「Pさん……」
P「もう何年前の話になるかな」
P「向こうからジャージ姿の女の子が歩いてきてさ」
P「髪がすっげえぼさぼさで、顔もノーメイクか? ってくらい化粧っ気がねえの」
P「それが挙動不審にあっちの店やらこっちの店やら覗いてて……」
P「いやーあれは浮いてたね、確実に浮いてた」
比奈「ちょ」
比奈「あの、黒歴史なんでそのへんで……」
比奈「ていうか人のことそんな風に見てたんでスか!」
比奈「地味にショックなんでスけど……」
P「あー感慨深いですわー」
P「あのときのもっさい娘がまさかなあ」
P「あのもっさい娘がなあー」
比奈「あーもう悪かったっスね! もっさくて!」ポスッ
P「うおっ」
P「肩パンだ」
24: 以下、
比奈「……でも本当、昨日のことみたいでスよね」
比奈「覚えてまス? あのときPさんがなんて言ったか」
P「ん?」
比奈「アタシをスカウトしたときの言葉でスよ」
比奈「いわゆる殺し文句ってやつでス」
P「あー」
P「……なんだったかな」
P「忘れちまったな、もう」
比奈「うわ! 普通忘れまスか? そういうこと」
P「悪いな」
P「過去は振り返らないタチなんだ」
比奈「……ここに来てる時点で説得力皆無っスよね、それ」
P「……」ポスッ
比奈「あっ!」
比奈「殴った! 今殴ったっスよね! アイドルを!」
P「殴ってない」
P「スキンシップ」
P「殴ってない」
比奈「う、うわー」
比奈「めっちゃ大人げない!」
25: 以下、
P「……まあ、なんつったかは覚えてないけどな」
P「なんで比奈に声をかけようと思ったかは覚えてるぞ」
比奈「アタシに……でスか?」
P「そう」
P「俺さ、比奈を一目見て思ったんだ」
P「この娘はきっと"納得させようとしている"娘だって」
比奈「……納得、させようとしている?」
P「つまりな」
P「自分は日陰者で、表舞台には出ちゃいけない存在だって」
P「身の程をわきまえて、静かに生きていくのがお似合いだって」
P「そうやって、自分自身を納得させようとしている」
P「そういう空気を、比奈から感じ取ったわけよ」
P「本当は少し、外の世界への憧れもあるのに、だよ」
比奈「……」
比奈「さすがっスね」
比奈「一瞬で、そこまで見抜いちゃうもんでスか」
P「まー、わかるわな」
P「俺も似たようなもんだったからな」
26: 以下、
比奈「Pさんが?」
P「そう」
P「俺も比奈をスカウトするまでは、うだつがあがらなくてな」
P「先輩だけじゃなく、同期や後輩にもどんどん追い抜かされてた」
P「もちろん焦る気持ちはあったけど」
P「同時に、心のどこかでこうも思ってたんだ」
P「あいつらと俺とでは、きっと住む世界が違うんだろうな、ってさ」
比奈「……」
P「あいつらには生まれ持った天性の何かがあって」
P「俺にはそれがないから、差が付いちまったんだろうなって」
P「そうやって無理矢理、自分を納得させようとしてた」
P「もやもやした気持ちに、折り合いをつけようとしてたんだ」
比奈「Pさんが、そんな……」
P「そんでさ」
P「もうこれでダメだったら、転職でもすっかなって思って」
P「最後の大バクチとして、声をかけたのが比奈だったってわけ」
27: 以下、
比奈「……知らなかったっス」
比奈「初めての担当だとは、聞いてましたけど」
P「言ってなかったからな」
比奈「ずいぶん、分の悪い賭けに見えまスけどね」
P「そうでもない」
P「事実、賭けには勝ったからな」
P「やっと比奈を、ここまで連れてくることができた」
比奈「……」
P「天性やら才能なんつーのはまやかしで」
P「住む世界が違うなんてのは詭弁でしかない」
P「俺たちは日陰者のままじゃなくて」
P「俺たちは脇役なんかじゃなかった」
P「……やっと、それを証明できたよ」
P「ありがとう、比奈」
P「全部、比奈のおかげだよ」
28: 以下、
比奈「……そんな」
比奈「感謝するのはアタシの方で」
比奈「Pさんがいなかったら、今頃どうしてたか想像もつかないっスよ」
比奈「こちらのほうこそ、本当に、あの……」
P「いいっていいって」
P「湿っぽいのはさ」
P「まあ、これからもよろしくな」
P「俺はずっと、比奈の担当でいるつもりだからさ」
比奈「Pさん……」
比奈「……」
比奈「なんか、感動的っスね」
P「へ?」
比奈「これ絶対、漫画だったら見開きのページっスよ」
比奈「"俺は一生、比奈の担当でいる"って台詞と共に」
比奈「2人でじっと、見つめ合ってるシーンっス」
P「……」
P「そうね」
P「全然見つめ合ってないけどね」
P「あと一生とか言ってないからね」
29: 以下、
比奈「まさか現実にそんなシチュエーションがあるなんて」
比奈「いやーいい体験しちゃったっスねー」
比奈「これで一本描けちゃいまスよ、短編いけまスね」
P「あ、そう……」
P「なんだ、この……」
P「言いようもない虚脱感は」
比奈「ふふふ、さあPさん、帰りまスか」
比奈「セレモニーの準備もありまスからね」
P「あ、そうだ、セレモニー」
P「比奈、ちゃんと考えてきてるか?」
P「朝言ってた、60万票の意味ってやつ」
比奈「大丈夫っスよ」
比奈「ちゃんと、わかってまスから」
30: 以下、
比奈「当日は、アタシが主役、でスよね?」
31: 以下、
――――
――
32: 以下、
司会「得票数607600!」
司会「見事、総選挙第4位に輝きました!」
司会「荒木、比奈さんです! どうぞ!」
パチパチパチパチ
33: 以下、
比奈「あ、あの、ご指名いただきました荒木比奈っス」
比奈「あの、こういう場は余り慣れていなくて、その」
比奈「何から始めたらいいかわかんないんでスけども」
比奈「まず何よりも、感謝の言葉を言わせてください」
比奈「みなさん、本当にありがとうございました!」
比奈「4位という順位に輝けたのも、みなさん一人一人の投票があってこそだと思いまス」
比奈「これからは60万票の重み、しっかりと胸に刻みながら」
比奈「一歩一歩、アイドルのステージを登っていきたいと思いまス」
比奈「日陰者だったアタシに、夢を見させてくれてありがとうございました!」
P「(うんうん、いいぞいいぞ)」
比奈「話は変わりまスが――」
P「(ん?)」
34: 以下、
比奈「こういうハレの場で、柄にもないことを喋っていると」
比奈「アタシがスカウトされた日のことを思い出しまス」
P「んん?」
P「あんにゃろう、台本にないことを……」
比奈「あの日、渋谷の街角をぶらぶら歩いてたら」
比奈「すっごい形相で近づいてくる人がいたんでス」
比奈「あんまり怖い顔なんで、カツアゲでもされるのかと身構えていたら」
比奈「それがなんとスカウトの人だったという……」
比奈「ま、今のプロデューサーでもあるんでスけどね」
ハハハ
P「……」
35: 以下、
比奈「曰く、アイドルに興味はないかっていうんでス」
比奈「最初はからかってるのかなーなんて思ってたんでスけど」
比奈「あまりに真剣な顔をしてるので、こりゃ本気と書いてマジのやつだぞと」
比奈「だからアタシも真面目にこう言ったんでス」
比奈「そんな華やかな場所は似合わないって」
比奈「社会の片隅で、こっそり生きているのがアタシだって」
P「……」
比奈「そう言ったらプロデューサー、すごく複雑な表情して」
比奈「悲しいような、悔しがってるみたいな……」
比奈「なにか地雷でも踏んだかな? って思ってたら」
比奈「少し声のトーンを落として」
比奈「こう言ってくれたんでス」
36: 以下、
―――――――――――――――
P「俺は、そうは思わない」
P「現実は、漫画の世界とは違う」
P「俺たちは、出来合いの物語の中にいるわけじゃない」
P「与えられたキャラクターを演じてるんじゃないんだ」
P「俺たちは、たぶん、何になってなれる」
P「君だって、例外じゃないはずだ」
P「だから――」
―――――――――――――――
37: 以下、
比奈「アタシ、今でも鮮明に覚えていまス」
比奈「プロデューサーの、その言葉を」
38: 以下、
―――――――――――――――
P「――主人公に、なってみないか」
―――――――――――――――
39: 以下、

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