二宮飛鳥 VS 電動マッサージ機back

二宮飛鳥 VS 電動マッサージ機


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※このSSはKENZENです。
※卑猥は一切ありません。
では、どうぞ。
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2: 以下、
飛鳥「わざわざオフに呼び出しとは、いったい何の用だい?」
モバP(以下P)「ああ。実はな…」スッ
P「こいつを見てくれ」ゴトッ
飛鳥「? 何だい、この棒状の機械は?」
P(マジか…)
3: 以下、
事の発端はこうだ。
飛鳥のプロデュース方針について思考を巡らせていた時、ふと思い浮かぶ。
―――飛鳥って性知識はどれぐらいあるのだろうか。
断っておくが、これはセクハラの類ではない。プロデュースに関わる重要な情報だ。
アイドルとして芸能活動をする以上、共演する俳優、大御所タレント、ファンからのセクシャルな視線を浴びることになる。中性的な雰囲気のある飛鳥とて、それを免れることはできない。
過度な知識は必要ない。とは言え、全くの無知では危険から身を守ることができないだろう。男という生き物は、時に恐ろしく愚かで下劣な行為を犯すことがある。
4: 以下、
それに飛鳥の中学二年生という絶妙な年齢も問題だ。
好奇心旺盛ゆえに、半端な知識が集まりやすい。聞きかじった知識をTV番組でひけらかした結果、それが実はとんでもない意味だった、では取り返しのつかないことになる。そう、例えば―――
飛鳥『なるほど…。巷では美波さんのとこをセッ○スと呼称することが流行っているようだな。セッ○スが何を意味するかは判らないが、恐らく美波さんを讃える言葉なのだろう。…世界の荒波に呑まれ迎合してしまうなんて、ボクらしくもないかもしれない…。だが、アイドルとしてのセカイを広めるためには、新しい風に触れる必要がある。ボクという頼りない翼を羽ばたかせるには、淀んだ空気では窒息してしまうんだ。―――ふっ、いいだろう! 敢えてセッ○スというものに乗って上げようじゃないか!』
とあるトーク番組――
司会者『飛鳥さん、最近気になってることって何かあります?』
飛鳥『そうだな…。少々、質問の意図とは異なるかも知れないが、セッ○ス(美波さん)かな』
司会者「ファーーーーwww 飛鳥さん、それホンマでっか?www」
飛鳥「ああ、そうさ。方向性は違うのだろうけどセッ○ス(美波さん)は、ボクのたどり着く可能性の一部ではないかと思っているよ。分かりやすく言うなら、セッ○ス(美波さん)を通じて、ボク自身に眠る知らない何かを見つけ出したいと思っているのさ」
司会者「ヒェェェーーwww オタクのプロダクション、NGワードってないの?www」
P(アカン)
5: 以下、
というわけで、飛鳥の性知識について直接、調査をすることにしたのだ。
電動マッサージ機をチョイスしたのは、学校の保健体育で習うようなまっとうな知識ではなく、ネットや漫画などで散見している俗っぽい用語やグッズを理解できるのか試したかったからだ。
飛鳥はどこか斜に構えたところがあり、アンダーグラウンドな要素を好む傾向がある。性知識についてもその兆候があると不味いと思っていたが、杞憂だったようだ。
自分のアイドルが清純である事実は喜ばしいことだ。だが、電動マッサージ機に注がれる澄んだ瞳をもしも男が勘付いてしまったら、それは魔性になるだろう。
予防線を張るためにもここは真実を伝えておくべきか。
無知な飛鳥を汚してしまうような行為はぞくぞく…、いや、胸を締め付けるような罪悪感を覚えるが、これはアイドルの飛鳥を守るために為さねばならないことだ。
狡い大人な俺を許してくれ…、飛鳥!
6: 以下、
P「飛鳥…、これはハンディマッサージャーだ。体の凝りをほぐす用途で使われる」
飛鳥「なるほど。もしかして、これはプレゼントというやつかな? 確かに、近頃はレッスンもハードになってきて、ボクも躰に痛みを覚える時間が増えたように感じるからね」
P「まあ、飛鳥が欲しいというならあげてもいいけど、今日呼んだ目的はそうじゃない」
P「―――飛鳥、このマッサージ機には別の使い方があるんだ。それが何か、理解(わか)るか?」
飛鳥「へぇ…。それはボクのことを試している…、ということかな?」
いきなり本当のことを伝えてしまうのは酷だ。ここは飛鳥の繊細な内面を傷つけないように、初心(うぶ)な赤子に触れるかのようにそっと。しかし、真綿で締め付けるようにジワジワと真実を突きつけていこう。
P「流石の飛鳥でも、見た目だけじゃ正体は分からないだろう。実際に手に持って判断してみるといい」
飛鳥「ふっ…。キミからこのような問い掛けを受けるなんてね。新鮮に感じるよ。良いだろう、キミが描いた戯曲に付き合ってあげるよ。キミの創り出したセカイならば、退屈なんてことはないだろうからね」
7: 以下、
飛鳥「…さて…」ガチャッ
P「うっ…。ふう…」
飛鳥「っつ! …緊張しているのかい? 手に持っただけで、情けないため息が漏れているぞ。もしかして、これはかなり危険な代物なのかな?」
P「そうだな。当たらずと雖も遠からずというやつだ」
飛鳥「なるほど。ふふっ…! そんな危険なものをボクの手に委ねてよかったのかい?」
飛鳥「―――この突起物…、ボタンなのかな? えいっ!」
電動マッサージ機「ブブブッ」
飛鳥「わっ! う、動き出した。い、いや、これはマッサージ機としての機能か。さて、ならば別段、不審なところはないように思うが…」
飛鳥(ん? ボタンの横にスクロールがある…。MAXモード…か。現在はLOWを指し示しているようだが…、試してみるか)スッ
電動マッサージ機「ビビビビビィィ!!」
飛鳥「ひゃあっ! な、なんだこの超振動はっ! こんなもの、人体に当てて平気なのかい? ……いや、そうか。そういうことか…!」
8: 以下、
スッ
P「―――何のつもりだ、飛鳥」
飛鳥「ふふっ…。こいつの正しい使い方、かな。こう、だろう?」
飛鳥は電動マッサージ機を両手で持ち、『切先』を俺に向ける。
それは剣術における、正眼の構えのようなもの。
ぞくりと、俺の背筋が粟立った。
飛鳥「キミは高周波ブレード、というものを知っているかい?」
P「…」
飛鳥「沈黙は肯定を意味するよ。…高周波ブレードは刃を高で振動させることで切創箇所に熱を発生させて溶断するというものだ。こいつに刃はないようだが…、操者のボクにまで伝わるほど振動が強い。この形状ならば、メイスのような使い方になるだろう。おそらく、この丸い先端に触れたものは悉く炸裂するはずさ。つまりこいつで人間を殴ると…」
P「…殴ると?」
飛鳥「相手は死ぬ!」バァーン
P「な、なんだってー!!」
飛鳥「ふふっ…。その反応は、あまりに道化が過ぎるんじゃないかな。元々、これを持っていたのはキミだろう。こいつの能力はよく知っているはずさ。それとも、敢えて煙に撒いて、ボクからこいつを取り戻そうというつもりかな?」
P「…いや、飛鳥が是が非でも欲しいというなら、俺はそいつを取り上げることはしない」
飛鳥「! ふふっ、あっはははは! 面白いね。どうやら、こいつでボクに何かをさせたいらしいな、キミは! ああ、汚れた世界を壊してしまおうか! それとも、救世主としてこの世界に君臨しようか! くくくっ…、はははははっ!」
9: 以下、
飛鳥は電動マッサージ機を掲げ、しばらくの間、高らかに笑っていた。
しかし、その歓喜が収まると、物憂げな視線で俺を見つめた。
飛鳥「…キミのくれたものは、なかなかに刺激的だね。だが、今のボクにはこれは必要ないみたいだ」
P「…それは何故だ?」
飛鳥「ボクは…、今は、君のアイドルだ。キミの創るセカイに、これは必要ないのさ」
飛鳥は未練の欠片すらなく、無造作に電動マッサージ機を俺の机の上に置いた。
ゴトリと電動マッサージ機が寂しげな音を鳴らす。
飛鳥「かつてのボクなら、喜んでこれの力を振るっただろう。退屈な世界に風穴を開けるチャンスだからね。でも、今はそんな気持ちは湧き上がってこないんだ。どうやら、ボクの心はどこかの誰かさんによって書き換えられてしまったみたいだ…。ふふっ、それは誰のことだろうね?」
飛鳥の吸い込まれるように綺麗な瞳が、俺に微笑んでいる。
P「飛鳥っ…!」
俺は感極まって、彼女の手を取った。
10: 以下、
キ、キミ! いきなりボクの手を引いて、何処へ連れ出そうと言うんだい。手を繋いでいるところを誰かに見られるのは、少し恥ずかしいかな…。
視聴覚室? ボクに見せたいものがあるって?
妙に艶めかしい女性が映っているが…。
ん? 件の電動マッサージ機にそっくりなものを持っているみたいだけれど…。
なっ……!
……///
11: 以下、

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