王「勇者のためにセーブポイントを設置してまいれ」村人「頑張りますだ!」back

王「勇者のためにセーブポイントを設置してまいれ」村人「頑張りますだ!」


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1:
― 城 ―
王「おぬしが王国主催の体力テストで、トップだった村人か」
村人「そうですだ」
王「では、その身体能力の高さを見込んで、おぬしに特命を申しつける」
村人「は、はいっ!」
王「近々、魔王討伐のために、勇者が仲間とともに出発することになっておる」
王「しかし、その旅は困難が予測される。おそらく幾度となく難所にぶつかり、つまずくことだろう」
王「そこで、おぬしに勇者のためにセーブポイントを設置してもらいたいのだ!」
村人「セーブポイント……?」
               
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9:
村人「なんですか、セーブポイントって?」
王「セーブポイントとは、勇者のみ扱える冒険を記憶することのできる装置だ」
王「これがあれば、勇者がたとえ冒険の途中で倒れても、そこからやり直すことができる」
王「しかもこれは、絶対に破壊することはできないのだ」
村人「へぇ〜、すごい装置ですねえ」
王「おぬしには勇者の旅を先回りするようにして、これを各地に設置してもらいたい」
村人(こりゃあ大役だ……!)
王「ただし、気をつけるべきことが二つある」
村人「なんですか?」
王「一つは、セーブポイントの数は限られている。全部で50個しかない」
王「そしてもう一つ、一度設置してしまえば、やり直しは効かぬ」
王「ゆえに、どこにセーブポイントがあれば勇者が助かるかをよく吟味して、設置してもらいたい」
王「頼んだぞ」
村人「……頑張りますだ!」
               
          
14:
― 村 ―
村娘「ええっ、セーブポイントってのを設置するために旅に出るだべか!?」
村人「ああ、魔王城までな」
村娘「そんなの危険だべ! 行かねえでくれ!」
村人「そういうわけにもいかねえだ」
村人「オラがちゃんとセーブポイントを設置しねえと、後で旅に出る勇者様たちは困っちまうだ」
村人「そうなったら、この世界は魔王の物になっちまう」
村人「だけど、心配すんな! オラ、絶対帰ってくる!」
村娘「分かったよう……あたし、待ってる。絶対死なないでくれよ!」
村人「もちろんだ! んじゃ行ってくる!」
               
          
16:
村人「どっこいしょ」ドスンッ
村人「セーブポイントってのを、全部荷車に積み終えただ」
村人「じゃあ、しゅっぱーつ!」
村人「よいしょ、よいしょ、よいしょ!」ガラガラガラ…
               
          
20:
― 洞窟 ―
村人(勇者様が最初に立ち寄る難所といえば、おそらくここだべな)
村人(この中にゃ、魔物がいっぱいいるってウワサだもんな)
村人「とりあえず、洞窟の入口にセーブポイントを設置して、と」ザクッ
村人「洞窟の中へGOだべ!」ガラガラガラ…
               
          
25:
村人(ひえ〜、おっかねえ)
村人(洞窟ン中、暗くて前がなかなか見えねえだ!)
バサバサバサッ!
コウモリA「キーキーッ!」
コウモリB「キーッ!」
村人「うわぁ、吸血コウモリだべ! あっち行け! シッシッ!」
ビースト「グルルル……!」
村人「ゲ、今度は猛獣だべ! ヨダレたらしてるべ!」
ビースト「ガァァァッ!」
村人「逃げるべえっ!」ガラガラガラ…
               
          
28:
洞窟の主「ZZZ……」
村人(あれがこの洞窟の主だべな。でっけえ図体してて、おっかねえ)
村人(とてもオラじゃ歯が立たねえだ)
村人(だけど、こいつの手前にセーブポイントを設置すれば、きっと勇者様は喜ぶはず……)
村人「起こさないようにそーっと……」ザクッ
村人(よっしゃ、設置できた!)
洞窟の主「!」ピクッ
               
          
29:
洞窟の主「わしの眠りを妨げるものは誰じゃ〜?」
村人「ひっ!?」
洞窟の主「なんだぁ、オマエ? もしや人間かぁ〜?」
洞窟の主「わしは人間が好物なんじゃ〜! 丸飲みにしてやるぅぅぅ!」グワバッ
村人「ひえええええっ! 逃げる、逃げるだぁっ!!!」ガラガラガラ…
               
          
31:
村人「ハァ、ハァ、ハァ……死ぬかと思った。けど、やったぁ!」
村人「洞窟の入り口と洞窟の主の手前に、セーブポイントを設置することができただ!」
村人「これで勇者様はだいぶ楽になるはずだべ!」
村人「よぉ〜し、コツは掴んだだ! 残り48個、どんどん設置していくだ!」
一仕事を終え、ほっとする村人。
しかし、これは更なる苦難の始まりに過ぎなかった……。
               
          
34:
― 草原 ―
村人「ふぅ、ふぅ、ふぅ、セーブポイントって重いなぁ」ガラガラガラ…
村人「ここらへんで休むだべか」
スライム「ピギャーッ!」
ゴブリン「グオオオオッ!」
ワーム「キシャァァァッ!」
村人「わわっ、魔物の群れだ! ひいいいっ、逃げるしかねえべ!」ガラガラガラ…
               
          
37:
― 吊り橋 ―
村人「ひえぇ〜、おっかねえ」
村人「こんなオンボロ橋を、でかい荷車を引きながら、渡らなきゃならないなんて……」
村人(だけど……これも勇者様のため! 世界のため!)ギシギシ…
ポトッ
村人「あっ……」
ザクッ
村人「あああああっ! セーブポイントが吊り橋の下に落ちて、設置されちまっただ!」
村人「ありゃあ、もうどうしようもねえだ……」
村人「勇者様、セーブポイント一個無駄にしちゃってごめんよぉ……」
               
          
39:
― 山道 ―
村人「うへぇ〜、キツイべ」
村人「こんな急な坂道を、登らなきゃならない、なんて……! よいしょ、よいしょ!」ガラガラ…
デビルベアー「グオオオオオッ!」
村人「し、しかも熊のバケモノまで飛び出てきた!」
村人「こんのおっ!」バキッ
デビルベアー「ギャヒイッ!」ドザッ
村人「オラだって、この旅で多少は鍛えられてんだ! ナメるんじゃねえべ!」
               
          
42:
― 山頂 ―
村人「い〜い眺めだべ〜……」
村人「ここにも一個設置しとこう」ザクッ
村人(セーブポイント設置の旅に出なきゃ、こんな景色を見ることも一生なかったろうな)
村人(もし、オラがセーブポイントの設置を適当にやったら……)
村人(勇者様はうまく冒険できなくなって、世界は魔王の物になっちまうだ!)
村人「よぉ〜し、頑張るぞ!!!」
ガンバルゾー……
ガンバルゾー…
村人「おおっ、声が響く! これが噂に聞く山びこだべか!」
               
          
44:
― 山道 ―
村人「もうすぐこの山岳地帯を越えられるだ」
村人「さて……今日はこの辺で野宿するべ」ゴロン…
村人「ぐぅ、ぐぅ……」
盗賊A「おい、あのみすぼらしい旅人の荷車にある物体、なんだありゃあ?」
盗賊B「あんなに大切に運んでることは、よほど高価なもんに違いねえぜ!」
盗賊C「よっしゃ、丸ごといただいちまおうぜ!」
               
          
46:
チュン… チュンチュン…
村人「ふああ……よく寝ただ」
村人「……あれ?」
村人「あーっ! セーブポイントが荷車ごとなくなってるだ! まだ40個あったのに!」
村人「あ、これは! 足跡がいくつも残ってるだ!」
村人「きっと盗賊が盗んでったんだべ……よーし、追いかけてブチのめしてやるだ!!!」
               
          
49:
― 盗賊団アジト ―
村人「どりゃあっ!」バキッ
村人「うりゃあっ!」ドカッ
村人「もいっちょぉ!」ドゴンッ
村人「あーあ、こんなとこに三つも設置しちまって……こりゃもうどうしようもないだ」
盗賊ボス「ひ、ひいい……手下50人があっさりと……」
村人「さぁ、セーブポイント返すべ!」
盗賊ボス「か、返します返します! こんなのどうせ金にならねえし!」
村人「それと、もう悪いことすんじゃねえぞ!」
盗賊ボス「しませんしませぇん!」
村人「なら許してやるだ」
村人(セーブポイントを三つも無駄にしちまっただ。今度からは寝る時も気を付けねえと……)
               
          
51:
― ふもとの里 ―
里長「盗賊団を壊滅していただき、ありがとうございます」
村人「いやいや、困った時はお互い様ですだ」
里長「勇者様のためにセーブポイントを設置する旅とは……大変ですなぁ」
村人「大変だけど、やりがいはあるだよ!」
里長「それにしても、200年前に倒されたはずの魔王が再び現れるとは、恐ろしいことです」
村人「え、200年前にも魔王がいたんだべか」
里長「ええ、その時に魔王を倒したのは、今の勇者様の先祖である英雄とその相棒の二人組だったそうです」
村人「へぇ〜、きっと仲良かったんだろうなぁ」
里長「そのようです。二人は破竹の勢いで魔物の軍勢を破ったと聞きます」
里長「ところが……」
               
          
53:
里長「魔王を倒した後、英雄は莫大な報酬を与えられるなど、大変厚遇されたようなのですが」
里長「相棒だった方は、それほど恩恵にあずかれなかったようなのです」
里長「二人とも同じぐらいの強さだったのに、ほんの少しお金を渡されただったとか」
村人「二人で魔王を倒したのにひどい話だべ……」
村人「で、その相棒はどうなったんだべか?」
里長「結局、失意のまま行方をくらましてしまった、ということです」
村人「そんなことがあっただべか……悲しい話だ……」
村人「ま、だけど、今の勇者様は素晴らしい人だから、仲間差し置いて褒美独り占めなんてしねえべよ!」
里長「……そうだといいですな」
村人「色々世話になっただ! 出発するだ!」
里長「お気をつけて」
               
          
55:
― 迷いの森 ―
村人「すっかり迷っちまった……」
村人「うへぇ〜、さっきも同じところ通ったなぁ」
村人「ここはセーブポイントを多めに設置しておいた方がいいだなぁ」ザクッ
人食い植物「キシャァァァァァッ!」ニュルニュルニュルッ
村人「わわっと、逃げるが勝ちだべ!」ガラガラガラ…
               
          
56:
― 火山 ―
村人「ふぅ、ふぅ、暑いだ……」ガラガラ…
村人「だけど……火山には巨大な竜が住むっていうし、なるべくその直前に設置しなきゃ……」
ゴボゴボッ…
ファイアドラゴン「ギャァァァァスッ!!!」
村人「出、出たぁっ!」
村人「設置して」ザクッ
村人「逃げるだぁぁぁぁぁっ!」ガラガラガラガラガラ…
ファイアドラゴン「ナント逃ゲ足ノイヤツヨ……」
               
          
61:
― 天空の国 ―
村人「いやぁ〜、豆の木を登ったら雲の上に国があるなんて驚きだべ!」
天女「わらわは天女じゃ……」
村人「おわっ、こりゃべっぴんさんだべ!」
天女「ここまで来た褒美に、なにか願いを叶えてやるぞよ?」
村人「魔王を倒して下さい」
天女「すまん、そりゃちと無理じゃ」
村人「ハハハ、冗談だべ」
村人「じゃあ、ここにセーブポイントを設置してもいいだべか?」
天女「欲のない奴じゃな」
村人「いや、そうでもないべよ。ほら」ムックリ
天女「……下半身は正直な奴じゃな」
               
          
66:
― 雪国 ―
ビュオォォォォォ……!」
村人「うへえ……さみ……!」
村人「オラ、暑いのはまだ平気だけど、寒いのは苦手だべよ……」
村人「とっととセーブポイント設置して、こんなとこからはおさらばするだ!」ザクッ
村人「うぅ〜……さむっ!」
               
          
71:
― 暗黒の谷 ―
村人(黒い霧に包まれたおっかねえ谷……)
村人(呼吸するだけで、肺が苦しくなるだ!)
村人(早く村に帰って、村娘とイチャイチャしてえだ)
村人(だけど……勇者様のために……! 世界のために……! 村娘のために……!)
村人「突き進むべえええええええええっ!!!」
               
          
73:
― 魔王城 ―
村人「でっけえ城だなぁ〜……」
村人「ついにここまでたどり着いただ……」
村人(50個あったセーブポイントも、あと残り二つしかねえ)
村人(まず入り口に一つ設置して、と)ザクッ
村人(ラストの一つは……なるべく魔王の近くに設置しなきゃなんねえ!)
村人「行くべ!」ザッ…
               
          
74:
せめてあと2つくらいは欲しかったな
               
          
77:
ダークナイト「侵入者は斬る!」ザシュッ
村人「ぐあっ!」
グレートデーモン「邪悪なる炎よ、敵を焼き尽くせ!」ゴォアアアアッ
村人「ひいいいいっ!」
デュークドラゴン「グハハハッ! 食ってやる!」
村人「オラは食ってもまずいべっ!」
村人(うへぇ〜、魔王城ともなるとやっぱり今までとは敵の強さがケタ違いだべ!)
村人(もう適当な場所にセーブポイント設置して、引き返しちまうか?)
村人(いや……ダメだべ! ここまできて手抜きは許されねえだ!)
村人「うおおおおおおおおおおおっ!」
               
          
79:
村人頑張れ
               
          
80:
村人「ハァ、ハァ、ハァ……」
村人(あちこち逃げ回ってたら、どこ走ってるか分からなくなっちまったべ……)
村人(これじゃ、たとえセーブポイント設置しても、生きて帰れるかどうか――)
「なんだキサマは?」
村人「!?」ゾクッ…
村人(なんだべ!? 声かけられただけで、とんでもねえ寒気が……)
               
          
82:
村人「おめえ……おめえ、まさか――」
村人「魔王か!?」
魔王「その通りだ」
村人(やっぱり! 今までの奴らとは、さらに迫力が違うべ……!)
魔王「キサマは……勇者、には見えないな。何者だ?」
村人「オラ、ただの村人だべ……」
魔王「ただの村人が、魔王城の最深部まで来るとはな……後で部下にはきつく仕置きせねば」
魔王「で、こんなところまでなんの用だ? ウソを感じたなら即座に始末する」
村人(う、ぐぐ……正直に話すしかねえ……)
村人「セ、セーブポイントを設置に……」
魔王「セーブ……記憶……。なるほど、そういうことか。なんとなくどういうものかは分かった」
村人(さすが魔王、頭いいべ……)
魔王「我々の頃はそんなものなかったが、便利になったものだな」
村人「へ? 我々の頃?」
魔王「いや……なんでもない。いずれにせよ、セーブポイントは私の災いになるものらしいな」
               
          
84:
魔王「そんなものを城内に設置されたら面倒なことになる。セーブポイントとやらをよこせ」
魔王「さすれば、見逃してやる」
村人「…………!」
村人「い、嫌だっ! オラ、あんたの部屋の近くにセーブポイント設置するって決めただ!」
魔王「ならば……死ぬしかないな」ヒュッ
バキィッ!
村人「ぶげえっ!」
村人(オラも相当鍛えられてるはずなのに……見えなかっ……)
ドズゥッ! ドゴォッ! ボゴォッ!
村人「う、うげええ……っ!」
               
          
88:
魔王「いっとくが、キサマなどいつでも殺せる。やらないのは、単にそういう気分じゃないからだ」
魔王「さぁ、セーブポイントをよこせ」
村人「い、いやだ……」
ズドォッ!
村人「げ、げほげほっ……!」
魔王「なぜ強情を張る?」
魔王「ここまで来たということは、少なくとも魔王城の入り口あたりにはセーブポイントを設置したんだろう?」
魔王「それだけでも十分すぎる快挙だ」
村人「ハァ、ハァ……オラもよくわかんねえ……」
村人「けど……ここで手を抜いたら……オラ……胸張って村に帰れねえから……!」
魔王「バカが……その強情のせいで、キサマはここで死ぬのだ! 村に帰ることなくな!」
魔王「地獄の業火よ! こやつを魂ごと滅してしまえ!」グォアアアアアアッ
村人「うっ……うおおおおおおおおおおっ!」
               
          
90:
村人「セーブポイント、オラを守ってくれぇっ!」サッ
ゴワァァァッ!!!
魔王「な……! こいつ、セーブポイントでガードを!?」
村人「そしてぇっ!」
ガツンッ!
魔王「ぐふっ!」
魔王(く……セーブポイントで攻撃してきやがった! ムチャクチャな奴だ!)
村人「ハァ、ハァ、ハァ……」
村人(思いきり殴ったのに全然こたえてねえ……やっぱオラここまでみてえだ……!)
               
          
91:
魔王「……最期に聞いておこう」
村人「な、なんだべ……?」
魔王「仮にキサマがセーブポイント設置という任務をまっとうしたとしても」
魔王「キサマの手柄は全て、後から旅に出る勇者に奪われる格好になる」
魔王「キサマはせいぜい国から小金を渡されて村に帰され、皆から忘れ去られ、寂しく生涯を終えるだろう」
魔王「なのになぜ、キサマはそうまでして力を尽くそうとする!?」
魔王「しょせんキサマは前座! 捨て石! 脇役! 報われないと分かってるのに!」
村人「…………」
               
          
92:
村人「オラ……みんなが好きだから……」
魔王「!」
村人「王様は偉いと思うし、勇者様尊敬してるし、村のみんなのことも好きだし」
村人「旅で出会った人たちともまた会いたいし、村娘とはチューしたいだ」
村人「だから……脇役でもいいんだ……」
村人「世界を救うために、少しでも力になれれば……オラ、満足だ……」
魔王「なんの見返りもないとしても、か」
村人「……そうだ」
魔王「…………」
               
          
94:
魔王「……設置しろ」
村人「へ?」
魔王「ここは私の部屋の目の前だ。ここにそのセーブポイントを設置しろ」
魔王「そうしたら、キサマはすぐ魔法で城の外に出してやる。後は勝手に帰れ」
村人「へ!?」
村人「な、なんで? なんでだ? なんでいきなり!?」
魔王「……もし」
               
          
95:
魔王「もしも……私もお前のような心を持っていれば……」
魔王「あるいは魔王などに堕ちずに……」
村人「!?」
村人「あ、あんたまさかっ! 昔、勇者様のご先祖と一緒に魔王を倒した――」
魔王「うるさいっ! とっとと設置しろ!!!」
村人「は、はいっ!」ザクッ
魔王「……ではさらばだ。達者でな」パァァァァ…
村人「あ、あんたも、どうか――」
――――
――
               
          
98:
それからしばらくして――
― 村 ―
村娘「お〜い!」
村人「ん?」
村娘「都から号外が届いたべ! ついに勇者様一行が魔王を倒したんだってよ!」
村人「……そうか」
村娘「あれ、嬉しくねえべか?」
村人「いんや、そんなことねえよ? 嬉しいよ! やったーっ!」
村娘「変なの」
               
          
100:
村娘「あんたが設置したっていう、セーブポイントのことも書いてあるだよ」
村人「え、本当か?」
村娘「勇者様、魔王に10回くらい殺されたけど、部屋の直前にセーブポイントがあったおかげで倒せた〜とか」
村人「ハハハ、苦労したかいがあっただ」
村娘「セーブポイントが三つも設置してある謎の盗賊団アジト跡地とか」
村人(そりゃオラのミスだ)
村娘「吊り橋の下にあるセーブポイントは、隠しダンジョンの近くだったから有り難かった、とか」
村人(あの吊り橋の下……オラは行かなかったけど、難所だったんだな)
               
          
104:
村娘「セーブって言葉には、記録って意味の他に『救う』『守る』って意味もあるけど」
村娘「あんたのセーブポイントのおかげで、勇者様は世界をセーブできたんだべな」
村人「……んだな」
村人(そして……魔王のこともセーブしてくれたんだべ……あの人は倒されて救われたんだ……)
村人「オラにはとても世界を救ったり守ったりする力はないけれど……」
村人「これからは、おめえのことぐらいは、セーブしてみせるだ!」
村娘「んもう、そんなこと真顔でいうもんじゃないよう……」
<おわり>
               
          
105:

               
          
106:
いがった
んだんだ
               
          
108:
面白かった
               
          
112:
これはいい村人
               
          
11

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