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【Aqours昔話】ルビィ「一寸ルビィ」


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昔昔あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
善子「ばあさんや」
花丸「あいあい、なんだねじいさん」
善子「何故に私達には子供がいないのかしら!?」
花丸「そんな事言われても……」
2人には子供がいませんでした。
善子「こうなったらヤケよ!神にでも何にでも縋るわ!」
困った時の神頼みです。
3:
すると神様が
果南「うむうむ、2人とも困っているようだから子供をあげよう」
などと言い、力を使うと――
善子「子供よ!!」
花丸「ホントに子供ずら!!」
ルビィ「うぇぇぇぇん!!」ビャービャー
子供が生まれました。
ただし、その赤ちゃんはおじいさんの親指程の大きさしかありません。
善子「この子の名前は……一寸ルビィよ!」
花丸「キラキラネームずら?」
善子「かっこいいじゃないのよぉ!」
どうやらおじいさんの感性は人とズレているようです。
善子「いいじゃない!」
4:
それから月日が経って……
ルビィ「あのね、ルビィも都に行って働きたいんだ」
善子「それは……」
花丸「いいんじゃない?」
善子「ずら丸!」
花丸「本人はこんなにやる気があるずら。それを止めるのはちょっと……」
ルビィ「ぅ…」
善子「……はぁー、分かったわよ。ただし危険なことはしないように、ね?」
ルビィ「うん!」
2人からの許可も出ました。
5:
善子「身を守る為の物は必要よね!」
そう言っておじいさんは一寸針で刀を。
花丸「それなら旅用の舟が必要ずら」
そう言っておばあさんはお椀と箸で舟と櫂を、それぞれ作りました。
ルビィ「わぁ!ありがと!」
そしていよいよ旅立ちの日……。
善子「強くなって帰ってくるのよ!」
花丸「それは修行に行く時のセリフずら。怪我しないようにね」
ルビィ「うん!」
一寸ルビィは上手に箸を使って川を下って行きました。
6:
ルビィ「んしょ……んしょ……」グイグイ
暫く川を下っていると、都が見えてきました。
ルビィ「あ!もう都に着いたんだ」
都に辿り着いた一寸ルビィ、街で一番立派な屋敷に向かいます。
え、大丈夫ですか?相手にされないのでは?
ルビィ「?♪」
……聞こえていないようです。
私は知りませんよ!忠告はしましたからね!
8:
……と、思っていたのですが。
鞠莉「何この子!?very cute よ!」スリスリ
ルビィ「や、やめてぇ……」
鞠莉「Oh! ごめんなさいね。ところで何をしに来たの?」
お手伝いさんがとてもアグレッシブです。
ルビィ「あ……何か仕事を下さい!」
そんな単純にいくはずが――
鞠莉「OK!」
ありましたね。
9:
このお手伝いさん、普通のお手伝いさんではなかったようで。
鞠莉「ダイヤ?!」
ダイヤ「何ですか騒々しい」
鞠莉「この子、これからダイヤのお守り役ね!」
ダイヤ「へ?」
ルビィ「え?」
この屋敷のお姫様と仲がいいばかりか、お手伝いさんをまとめている人のようです。
鞠莉「とゆーわけで、宜しくね!一寸ルビィ」
ダイヤ「よろしくお願いしますわ」
ルビィ「こ、こちらこそお願いします!」
10:
ある日のこと、一寸ルビィはお姫様のお供をして出掛けました。
すると――
梨子「あら、綺麗な方ね。貰っていくとしましょうか」
鬼(レズ)が現れました。
ダイヤ「な、何ですの貴女は!?」
梨子「私?私は鬼(レズ)だよ」
ダイヤ「なっ!」
ルビィ「ま、待て!」
一寸ルビィは刀を抜いて飛びかかります。
13:
梨子「可愛い子ね、食べちゃいたいくらい」
ルビィ「ピギィ!?」
そう言うとレズは一寸ルビィを捕まえました。
梨子「頂きます?」パクリ
……本当に食べましたよ!?
頭大丈夫なんですか!?
梨子「美味しい(性的に)」
さすがの私でも引きますよ……。
14:
――
腹の中に落ちた一寸ルビィ。
真っ暗闇です。
ルビィ「うぅ……怖いよぉ。けどダイヤ様を助けないと!」
そう決心すると、一寸ルビィは刀で胃の中を刺しまくります。
鬼畜です。
鬼畜ビィです。
梨子「あっ?あっ?」ビクンビクン
駄目だコイツ感じてやがる。
15:
ダイヤ「えっ?……え?」
お姫様は混乱しています。
でしょうね、一寸ルビィを食べたらいきなり感じ始めてるんですものね。
梨子「あぁっ!!」ビクッビクッ
梨子「ふふ……♪」ドサッ
……一寸ルビィのおかげでレズは倒されました。
ルビィ「ふぅ……」
16:
ダイヤ「大丈夫でしたか!?」
ルビィ「はい、私お姫様をお守りすることが出来ました!」
ダイヤ「ふふふ、ありがとうございますわ」ナデナデ
ルビィ「えへへ……」
ダイヤ「あら?何か落としてますわね」ヒョイ
どうやら鬼が落し物をしていたようです。
ルビィ「これは?」
ダイヤ「これは……伝説の薄い本!?」
薄い本大活躍ですねぇ!
17:
ルビィ「何ですかそれ?」
ダイヤ「これは、小さい子供が読むとあまりの内容に身体が受け付けず、それに適応しようと身体が大きくなると言われる伝説の本です!」
そんなアホな……
ルビィ「私読みます!大きくなりたいんです!」
ダイヤ「えぇ良いですわ。ですが、用法用量はきちっと守ってくださいね」
用法用量ってなんですか……
18:
ルビィ「ふむふむ」ペラペラ
ルビィ「あわわわわ」ボフン
ルビィ「ぁ」シュー
頭が爆発してますね。大丈夫ですか?
すると……
ルビィ「わぁっ!?」ムクムクムクムク
一寸ルビィが大きくなって、たちまち人間大になりました。
ダイヤ「伝説の薄い本……凄いですわね」ゴクリ
19:
ルビィ「あの……ダイヤ様、お願いがあります」
ダイヤ「何ですか?」
ルビィ「妹にして下さい!」
あっ、それは……
ダイヤ「良いですわ!貴女は今からわたくしの妹です!」
黒澤家の闇が……あ、いえ、今は関係無いのですが……。
気にしすぎですね、はい。
20:
こうして一寸ルビィは普通のルビィになり、ダイヤと姉妹として仲良く暮らしましたとさ。
22:
―レズ(鬼)のその後―
梨子「……」カキカキ
梨子「……」カキカキ
梨子「……」カキカキ
梨子「出来たわ!」
梨子「これで薄い本何冊目かしら……百は超えてるわね」
伝説の薄い本はこうやって量産されていた。
24:

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