【ガルパン】まほ「聖グロリアーナ女学院、西住まほ。短期転校手続きは済ませてきた」back

【ガルパン】まほ「聖グロリアーナ女学院、西住まほ。短期転校手続きは済ませてきた」


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1:
 ―黒森峰女学園・食堂―
まほ「まずい」
まほ「非常にまずい」
まほ「これはまずいぞ」
エリカ「隊長、食堂でまずいまずい言わないでください」
まほ「このままではまずい・・・非常事態だ・・・」
まほ「お姉ちゃん警報発令ー」ウーウー
エリカ「あっ、これ触れない方がいいやつだ」
まほ「まーほーまーほーまーほー」ウーウー
エリカ「さっさとご飯食べて教室行こ・・・」パクパク
まほ「まーほーまーほー」ズイイ
エリカ「だーっ!もうっ!なんですか!なんなんですか隊長!目玉焼きのせのせハンバーグ食べてるのに邪魔しないでください!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1479133926
2:
まほ「実は先日、実家で西住流お芋掘り大会が開催されたのだが、忙しい私に変わってみほが私に変装し、参加してくれたそうだ」
エリカ「ええ・・・」
まほ「だがどうやら、あまり上手くできなかったらしい」
 ???・・・西住流お芋掘り大会
まほ(みほ)「はあ・・・はあ・・・よいっしょ・・・うう?ん!・・・な、なかなか掘り起こせないよぉ?!」グググ・・・
しほ「イモ掘りホーイ」ザックザク
まほ(みほ)「はあ・・・はあ・・・お母さんはあんなにホイホイ掘ってるし・・・去年参加しなかったからナマっちゃったのかなぁ・・・」ゼイゼイ
しほ「まほ、何をしているの。そんな体たらくでは良妻賢母にはなれないわよ」
まほ(みほ)「は、はい!すみません!がんばります!がんばりますので!」
しほ「イモ掘りホーイ」ザクザク
まほ(みほ)「ひい・・・ひい・・・」ヘトヘト
 ???
まほ「お母様から電話で『もっと女性としての魅力を磨きなさい』と言われたよ」
エリカ「芋掘るのってそんなに大事なことなんですか」
まほ「古来より日本の女性は農作物を育て、採り、食してきたからな。良い大人の女性になるには欠かせぬスキルだ」
5:
まほ「考えてもみろ。戦車道は良妻賢母を育む武芸。つまり、素晴らしい大人の女性にならなければ、それ即ち戦車道を真に修めたことにはならないのではないか」
エリカ「つまり、副隊長・・・元副隊長をしっかりした大人の女性に育てたいと?」
まほ「お母様に認められる程にはなってもらわないと困る。私もな。そこで」バン
エリカ「イギリスの観光雑誌・・・ま、まさか!」
まほ「聖グロリアーナに短期転校する。みほと一緒にな」
エリカ「はーじまったはじまった!なにかと理由付けて遊びに行きたいだけなんじゃないですか!?観光雑誌出してる時点で確定でしょ!」
まほ「勘違いするな。これは全てみほのためだ。私にとっても有意義な経験となるはず。聖グロの戦車道は私にとってもいい刺激になるし、淑女とはなんたるかを学べるだろう」
エリカ「破滅的なポンコツになる以外にオチがないじゃないですか・・・」
まほ「淑女な西住姉妹になってみせるさ」
エリカ「淑女な・・・」ホワンホワンホワ?ン・・・
 ???
まほ「みほさん、お口に玄米が付いているわよ。ほら、取っ手あげる。子供の頃からそそっかしいんだから」スッ
みほ「ありがとうございますお姉さま。あら、お姉さまだって、服に柿ピーが張り付いていますわよ」スッ
まほ「まあ、このシケり具合からして、2日は前のものね」
みほ「お姉さまったら、昔っからおトボケさんっ♪」コツン
 <オホホホホホ・・・
 ???
エリカ「う???ん・・・アリか?・・・いや、ナシか・・・う???ん・・・」
6:
 黒森峰ヘリ<バババババ・・・
みほ「いきなり『一緒に来い』なんていうから慌てて準備してきたけど、一体なんなの?お姉ちゃん」
まほ「みほ、私達はこれから聖グロリアーナに短期転校することになった。立派な淑女になるためにな」
みほ「ええっ!?そ、そんな突然・・・すごく楽しそうだけど・・・でも一体全体何がどうなってそうなったの?」
まほ「もうすぐ着く。後は野となれ山となれだ」
みほ「もしかして何も考えてないの?」
 黒森峰ヘリ<バババババ・・・
オレンジペコ「ようこそ。西住まほさん、西住みほさん。お待ちしておりました」ペコ
まほ「出迎え感謝する。世話になるな」
みほ「突然押し掛けちゃってすみません。迷惑じゃないですか?」
オレンジペコ「はい。私達聖グロリアーナ女学院はお二人を歓迎します。では、こちらにどうぞ。ダージリン様がお待ちです」
まほ「ああ。エリカ、送ってもらってすまなかったな。気をつけて帰ってくれ」
みほ「ありがとうございました、エリカさん」
エリカ「べ、別に大したことじゃないわよ・・・隊長のついでよ、隊長の」
7:
オレンジペコ「ダージリン様、西住まほさんと西住みほさんがお越しになられました」
ダージリン「・・・」カチャ
まほ「面倒をかけてすまないなダージリン。短期転校を受け入れてくれて感謝する」
みほ「あ、あの・・・ふつつか者ですがお世話になります」ペコ
ダージリン「いらっしゃいみほさん。ここをあなたの第二の学び舎だと思ってくつろいでちょうだい。といっても、みほさんの場合第三の学び舎ということになるのかしらね」
みほ「あはは・・・ですね」
まほ「ダージリン、転校手続きの書類の件だが・・・」
ダージリン「・・・」プイッ
まほ「・・・?・・・ダージリン?」
アッサム「申し訳ありませんまほさん。ダージリンはご覧の通りゴキゲンナナメなのです」
まほ「なぜだ?」
オレンジペコ「まほさんがアンツィオ、知波単、継続、プラウダ、サンダースに短期転校したという話は聞いていたのですが、一向に聖グロに来られないと、ヘソを曲げておられるのです」
まほ「えっ」
みほ「子供みたい」
9:
ダージリン「別に腹を立てている訳じゃないわ。ただ、後回しにされたことが気分良くないだけよ」プイッ
まほ「すまん。後回しにしていた訳ではない。機嫌を直してくれ」
ダージリン「つーんっ」プイ
まほ「ほら、楽しみは最後にとっておくというじゃないか。ケーキのイチゴは一番最後に食べるとか、ああいうのと同じだ。私はイチゴそこまで好きじゃないが」
ダージリン「・・・」
まほ「イギリスは私も大好きで、聖グロに来るのをものすごく楽しみにしていたんだ。ダージリンがそんなことでは楽しめない。許してくれないか?」
ダージリン「・・・フフ、冗談よ、冗談。少しからかってみただけ。歓迎するわ、まほさん。ようこそ聖グロリアーナ女学院へ」
まほ「ああ、ありがとう」
みほ「わ?・・・余裕のある渋いやりとり・・・なんだか大人っぽい・・・」キラキラ
12:
今回はここまでで。このスレは
まほ「アンツィオ高校、西住まほ。短期転校手続きは済ませてきた」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1468490266/
まほ「知波単学園、西住まほ。短期転校手続きは済ませてきた」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1469188697/
まほ「継続高校、西住まほ。短期転校手続きは済ませてきた」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1471604551/
まほ「プラウダ高校、西住まほ。短期転校手続きは済ませてきた」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1474363707/
まほ「サンダース大学付属高校、西住まほ。短期転校手続きは済ませてきた」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1476454044/
 の続編となりますが、これらを見てなくても大丈夫なようにがんばります
28:
オレンジペコ「お二人には我が聖グロの制服をご用意してます。こちらのお着替えBOXの中でどうぞ着替えてください」
みほ「ありがとうございます」シャ
ダージリン「着替え終わったかしら?まずはみほさんから出てきてちょうだい」
 シャー
ダージリン「あら、随分お似合いね。素材がいいから何を着てもかわいく仕上がるものなのね」
みほ「そ、そうですか?ありがとうございます」セイグロ?
ダージリン「それじゃ、まほさんも出てきて」
 シャッ
まほ「・・・」ファイトフォーリバティー
ダージリン「フフッ・・・ちょっとまほさん、どうしてイギリスが生んだ喜劇王チャールズ・チャップリンのコスプレ衣装を着ているの。ご丁寧におひげとステッキまで。フフフ」
まほ「・・・中にこれが用意されていたんだが・・・」カタカタンッ
ダージリン「あらまっ、靴までタップダンス用の靴。あなたそこまでフフッ、チャップリンのことが好きフフッ、私もうれしいわフフフッ」クスクス
オレンジペコ「すみませんまほさん・・・ダージリン様のイタズラです・・・後回しにされた仕返しだと・・・こちらにほんとの制服がありますのでどうぞお着替えください。すみません」
まほ「・・・」カタッカタッカタッ
ダージリン「フフフッ・・・まほさんフフ・・・その靴で歩かないでちょうだい・・・フフフ・・・」ククク
まほ「・・・」
まほ「・・・」カタタタカタタタカタタカタタカタカタカタカタ♪
ダージリン「んフフフフッ!た、タップダンスしないで・・・フフッ、どうして上手いのよ・・・フフフッ」プククク
29:
まほ「着替えた」セイグロ?
ダージリン「勿体ない」チェッ
オレンジペコ「お二人の着替えも済んだことですし、次の――」
 ガチャ!
ルクリリ「大変です!ローズヒップがまた行方不明になってしまいました!」
アッサム「・・・またですか」
みほ「ええっ!?」
ルクリリ「今朝の時点で姿は確認されておらず、またしてもどこかに迷い込んでしまったようです」
みほ「そ、それって大変じゃないですか!こんなに大きな学園艦の中で迷子なんて・・・すぐに探さないと!」
オレンジペコ「いつものことですから」
みほ「ふぇっ」
アッサム「ダージリン、アレを」
ダージリン「・・・」スゥッ
ダージリン「ヒッ、ヒッ、ヒィ↑???ップ。ロォ?ズヒィ???ップ」
 ガチャバターン!
ローズヒップ「お呼びでございますの!」バーン
まほ「すぐ来た」
アッサム「ダージリンが呼べばどこにいようともすぐに現れるんです」
30:
ローズヒップ「あら?まほ様!まほ様じゃあ?りませんの!お久しぶりでございますわー」アクシュブンブン
まほ「ああ」ブンブン
みほ「ローズヒップさんと仲良かったの?」
まほ「知波単学園に短期転校していた際にな。彼女も一緒に知波単の釜の飯を食った中だ」
ローズヒップ「聖グロのお食事よりもずーっと美味しかったですの!」
アッサム「そんなことよりローズヒップ!あなたまた学園艦で迷子になったの!?今週これで三度目よ!」
ローズヒップ「ごめんあそばせでございますわ!」
ダージリン「今日はどうして迷子になったのかしら?」
ローズヒップ「実は朝、学校へお登校中に風船さんがフワフワと飛んでおりまして、わたくしついつい連れられてフワフワと・・・」
ダージリン「あら」
みほ「風船みたいな頭の子だね」
まほ「風船みたいな頭の子だな」
ローズヒップ「えへへへですわー」
34:
ダージリン「まほさん、みほさん、貴方達は立派な淑女となるために聖グロリアーナに短期転校なさったのでしょう。ローズヒップも今、絶賛淑女修行中真っ盛りなの」
ローズヒップ「わたくし、ダージリン様のようなスットボけた淑女になるために日夜がんばっておりますの!」
ダージリン「ローズヒップと共に淑女修行をすれば、きっと立派な淑女になれるわ。がんばってね」
みほ「は、はい」
ダージリン「では、あなた達が聖グロ公認の淑女になれた際に授けるティーネームを決めましょう」
まほ「えっ」
ダージリン「このBOXに皆で考えたティーネームくじを入れてあるわ。引き当てたティーネームを名乗れるようになるために努力してね」
みほ「は、はあ・・・つまりあだ名を決めて、がんばってその名で呼ばれるようになれってことですね」
オレンジペコ「では、引いてください。どうぞ」
みほ「え?っと・・・」ガサガサ
ダージリン「なにが出るかしら♪なにが出るかしら♪フフフフンフン♪フフフフフン♪」
みほ「これです!」パー
 【ミルクティー】
ダージリン「あら、みほさんらしいかわいらしい名前ね」
まほ「紅茶じゃないんだが」
ダージリン「紅茶以外もあるのよ。ちなみに私が考えたやつ」ブイ
35:
オレンジペコ「では、まほさんもどうぞ」
まほ「えいやー」ズボ
ダージリン「なにが出るかしら♪なにが出るかしら♪」フフフンフン♪
まほ「これだー」パー
 【抹茶】
ダージリン「決まりね」
まほ「待ってくれ」
ローズヒップ「わーい!私が考えた名前が採用されましたわー!バンザーイ!」ピョンピョン
アッサム「ローズヒップ、淑女はうれしい時、そんな風にとび跳ねたりしないのよ」
ローズヒップ「はっ!そうでした!」
アッサム「淑女はそういう時、どうするのかしら?」
ローズヒップ「淑女大原則ひとーつ!よろこびを表現する時は、手を口に添えてオホホホ笑いをすべし!」バーン
アッサム「そうそう、そうよローズヒップ」エライエライ
ダージリン「抹茶さんも覚えておきなさいね」
まほ「待ってくれ」
47:
まほ「なぜ私だけ和のテイストあふるる名前なんだ。せめてグリーンティーじゃダメなのか」
ダージリン「あら、せっかく公平に決まった名前なのに放棄するの?西住流に逃げるという道は無いのではなかったのかしら?」
まほ「むっ」
ダージリン「西住まほともあろう方が逃げだすなんて、さぞかしお母様は残念でしょうね」
まほ「抹茶でいい。西住流は逃げたりしない。まほ逃げない」キリッ
ダージリン「ハイ♪決まりね♪」
みほ(お姉ちゃん・・・)
オレンジペコ「ダージリン様、そろそろ・・・」チラ
ダージリン「あら、もうこんな時間。お昼にしましょう」
ローズヒップ「ゲーッ、ですの」
アッサム「ローズヒップ、ベロと出してゲーッとするのは淑女に相応しくないわ」
ローズヒップ「ごめんあそヴぁせ。だけど私、朝食と日曜のお夕飯は好きですが、お昼のゴハンはあんまり好きじゃあーりませんの」
まほ「なぜだ?」
ローズヒップ「ウチのお昼ゴハンはマズくあられるからですわ」
アッサム「たしかに」
オレンジペコ「右に同じです」
まほ「えっ」
48:
 ズラ?ッ
まほ「これが聖グロの昼食か。やはりイギリス料理、英国風だな」
みほ「こんなにお洒落なのにどうして皆さんイヤがるのかな」
アッサム「食べてみればわかりますよ」
まほ「ではこのフライのようなものをもらおう」
オレンジペコ「それはフィッシュ&チップスです。イギリスで有名なファストフードで、白身魚を揚げたものです。ウナギを揚げる地域もあるそうですが、ここではタラを使っています」
まほ「実食」パク
まほ「むっ!」クワ
みほ「どう?お姉ちゃん」
まほ「まじぃ?」
みほ「えぇ・・・」
ダージリン「みほさんもお一つどうぞ」スッ
みほ「う?ん、揚げればなんでも食べられるっていうし、マズくなるなんてそうそうないと思うんだけどなぁ・・・実食」パク
みほ「ん!」クワ
ダージリン「どうかしら?」
みほ「まじぃ?」
49:
ダージリン「フフ、そうでしょうそうでしょう。聖グロリアーナでは本場イギリスの料理を忠実に再現しているのよ」
アッサム「材料に下味を付けずに油にドーン、揚がったらザバー、出来たぞパクー、というのがフィッシュ&チップスです。味も何もないので美味しくないんですよ」
まほ「わざわざ忠実に再現しなくても・・・」
ダージリン「身も心もブリティッシュになるのが聖グロの生徒よ」キリッ
ローズヒップ「私達は鰤のお魚ですのね!」
アッサム「ローズヒップ、ダージリンが言っているのはブリのフィッシュではなくブリティッシュよ。イギリス人のことなの」
ローズヒップ「あめんごそばせ!」
みほ「でもたしかにこれを食べるのはちょっとキツイですね・・・」
ダージリン「フフ、そんなことでは真の淑女にはなれないわよ。お洒落は我慢と言う言葉を知っている?私なんてもうすっかり慣れてしまったわ」パク
ダージリン「まじぃ?」
まほ「やっぱりまずいんじゃないか」
51:
オレンジペコ「そこで私達は新たなる発見をいたしました。ケチャップやタルタルソースにつけて食べれば美味しいのではないかと」スッ
アッサム「イギリス料理店ではテーブルに各種ソースが備え付けられているのが基本だとも聞いています」
まほ「素では食べられたものじゃない。使わせてもらうぞ」ペロンチョ
まほ「うーむ、ケチャップを直に食べている気分だが、まだ食べられるな」
みほ「毎日こういう感じだとさすがに大変でしょうね」
ダージリン「あら、そうでもないわよ。慣れればこれくらい・・・まっじぃ?」パク ウェー
ローズヒップ「お昼食があんまりマズイのでいっつもお紅茶で口の中を洗い流してるのでございます」
みほ「聖グロの人が紅茶飲んでるのは口を紛らわしているからなのかぁ・・・」
ダージリン「でも安心してちょうだい。イギリスでは中華料理やデリバリーで補う人が多いというので、私達もたまに外注するの。ペコ、いつものを」
オレンジペコ「今日は人数が多いので少し大目に発注しますね」Pi
 ???
 ガチャバターン!
ペパロニ「ちわー!アンツィオピザでーッス!」
52:
まほ「アンツィオピザ」
ペパロニ「あっれー!マルゲリータの姉貴!こんなところで何してんスかぁ?」
まほ「実はコレコレシカジカ・・・」
ペパロニ「カクカクウマウマ・・・ってことッスかぁ!大変ッスねェー。また今度アンツィオにも遊びに来てくださいヨォ!」
ダージリン「それよりペパロニさん、おたくは注文から25分以内の配達を約束しているのに、今日は28分かかっているわよ。どういうことかしら?」
ペパロニ「あっちゃ?スンマセン。急いで飛行艇トバして来たんスけど、途中の海上で漂流してる船を見つけたんスよ。なんか遭難してるっていうんで陸に届けてから来たもんで遅れちゃいました」
ダージリン「あら、それは大変だったわね。遭難者は無事だったの?」
ペパロニ「なんでも遭難慣れしてるから大丈夫だよって言ってたんで大丈夫そうでした!どっかで見た人達なんスけど誰だったかな??こ?んな顔してる人ッス (∪v∪)」
まほ「・・・」
ダージリン「まっ、いいわ」
ペパロニ「えーっとそれじゃあご注文の確認ッス。シー・・・えぇっとなんてったっけ・・・シーフ・・・海鮮のピザと、かしわ(鳥肉)のピザ、チーズいっぱいのヤツとソーセージのやつ」
ペパロニ「それからなんかこう新しい期間限定の海苔パラパラしてるヤツと、キノコがけっこう乗ってるやつ、全部L寸で?、海鮮とキノコのやつが半分コで段取りされてるッス」
ペパロニ「それが二人前で、かしわの奴とチーズめっちゃ乗ってるやつがそれぞれ一人前でソーセージ適当に撒いてるヤツが二人前で期間限定のなんか海苔散らしてるやつが一人前で段取りしてるッス」
ダージリン「よくわからないからもう一回ちゃんと説明してちょうだい」
ペパロニ「とりあえずいっぱい持ってきたんでどうぞ食べてくださいッス!」
ダージリン「ありがとう」
54:
ローズヒップ「うンまァァァ???いッ!と?ってもオイシイでございますわー!」パァー
まほ「イタリア語で美味しいといのはボーノというんだ。グーにした手を口元に当て、口から離しながらパーっと広げるジェスチャーをしながら言うんだぞ。イタリア語は手と口で話すんだ」
ローズヒップ「へぇ?っ、まほ様はダージリン様みたいにどうでもいい無駄知識をたくさん御存じですのね」
まほ「アンツィオで教えてもらったんだ。君も色んな所へ行って見聞を広めるといい。知波単の時のように、今まで知らなかったものが知れて楽しいぞ」
ローズヒップ「はい!ですがわたくし、未だに立派な淑女になれていない未熟者なのでそういうのは少し早いかと思いますわ。まずは聖グロでしっかりとした淑女にならねば!」グッ
みほ「ローズヒップさんはどうしてそんなに淑女になりたいんですか?」
ローズヒップ「つまんねーことをお聞きにならないでくださいませ!」バーン
みほ「わっ」
ローズヒップ「女として生まれたからには、ダージリン様のようにどこかズレたなんちゃって淑女になりたいのは当然でございますわ!」
ダージリン「フフ・・・」
ローズヒップ「わたくしはいつかきっとダージリン様のような使いどころの無い言葉や知識を振りまいて満足げにフフーンってする女性になりたいのでございます!」
ダージリン「・・・ローズヒップ?」
ローズヒップ「ガルパン一のネタキャラ、お笑い担当、出てくるだけで面白いと評される屈指のお笑い淑女!聖グロに入学したからにはそうなりたいと思って当然!」
ダージリン「ローズヒップ」
56:
アッサム「ところで、先ほどペパロニさんがまほさんのことをマルゲリータと呼ばれておりましたが、あれはなんです?」
まほ「ああ、以前アンツィオ高校に短期転校していた際にあだ名をもらったんだ。ここと違ってマトモな名で気に入っている」
ダージリン「あら、心外ね」
みほ「あ、あの、もうお昼も食べたことですし、そろそろ午後の授業が始まるんですよね。何時からなんですか?」
オレンジペコ「今日の午後は校外学習です。全学年で揃って校外に出かけるんですよ」
まほ「どこへ行くんだ?職場体験か?遠足か?動物園か?」ワクワク
オレンジペコ「映画を見にいくんですよ」
まほ「・・・短期転校するといっつも映画の話になるのは何故なんだろう」
ダージリン「いいじゃない。映画とは素晴らしいものよ。こんな格言もあるの、『いやぁ?、映画って本当にスバラシイもんですねぇ』」
オレンジペコ「水野晴郎さんですね」
みほ「ダージリンさんの知識についていけるオレンジペコさんもすごいですね」
アッサム「ダージリンの突拍子も無い言葉を補佐できるのは優秀なオレンジペコくらいです」
ローズヒップ「ダージリン様のドヤテクをサポートするペコさんスゴイですの!」
まほ「ペコがいなければダージリンは滅びゆくのみ」
オレンジペコ「えへへ」
ダージリン「みなさん」
58:
ローズヒップ「キーンでございますー!」タタター
アッサム「ローズヒップ!そんなに走ると転んでしまうわよ!」
ローズヒップ「あららっ、そうでしたわ。淑女大原則ひとーつ!公共の場でドタバタ走ってはならなーい!ですわ」
みほ「まさか映画館まで歩いて行くとは・・・」
ダージリン「実は聖グロリアーナは大学選抜との試合の際に、各校への呼びかけ、各生徒の短期転校手続き、戦車道連盟との交渉などでたいへんな額の資金を用いたの。だから今は節約してるのよ」
みほ「ええっ!?そ、そうだったんですか!?すみません!私達のためにそんな・・・」
ダージリン「フフッ、嘘よ。みほさんったらこんな嘘に騙されるなんて、詐欺に会っても知らないわよ」
みほ「ふええ・・・嘘だったんだ・・・」
ダージリン「いい?淑女たるもの、確かな気品と少しのジョークを持ち合わせておかなければならないのよ。まほさんもみほさんも、ユーモアのセンスを磨きなさい」
まほ「ユーモアか・・・私には縁遠いものだな」
ダージリン「フフッ、まほさんの場合そのセリフがそもそもユーモアね」
オレンジペコ「ダージリン様もですよ」
59:
 ―映画館
アッサム「全生徒分のチケットを購入し終えました」
みほ「すんごい規模・・・」
ダージリン「私が言うのもなんだけれど、聖グロはけっこう小金持ちなのよ」
みほ「何の映画を見るんですか?ボコーウォーズですか?永遠のボコ?ボコボコ王国の秘宝ですか?」
ダージリン「今日見るのはこれよ。『この世界の片隅に』」
みほ「へぇー・・・全然知らないや。有名なんですか?」
ダージリン「まあ公開している劇場は少ないわ。でも見る価値はあるわよ。予告の時点でボロボロ泣きましたもの」
みほ「へえ・・・映画館で映画見るの久しぶりなのでちょっと楽しみです」
まほ「ポップコーン食べたい」
ローズヒップ「わたくしナチョス!ナチョスが召し上がりたいのでございます!」
ルクリリ「ハーゲンダッツ買ってもいいですか?あ、ホットドッグもいいなぁ。おっ、売店にグッズがたくさん・・・」
オレンジペコ「はいはい、お小遣いを分け与えますから各自で買ってくださいねー。一人千円ですよー」
まほ「千円も・・・私の二か月分のお小遣いをやすやすと・・・」
みほ「私なんて三カ月と半月分だよ・・・」
アッサム「西住流って庶民的なのですね」
60:
 ???上映後・・・
みほ「・・・」
まほ「・・・」
みほ「・・・・・・すごい映画だったね・・・」ポロポロ
まほ「ああ・・・素晴らしい映画だ・・・」ホロリ
オレンジペコ「・・・なんというか、いつもの日常を突然粉々に壊す戦争の恐ろしさが感じられましたね」
ローズヒップ「わたくし、胸が締め付けられる思いですわ・・・なぜあんなにむごいことが・・・」
アッサム「主人公のすずという女性が非常に魅力的でしたね」
まほ「ああ・・・私はできるなら、すずさんのように決して暴力に屈しない強い心と、明るい心で懸命に生きるような女性になりたいな・・・」
まほ「例え厳しい時でも、失意の中にあっても今日を生きる。必ず明日は来る。明後日も、来年も、10年後も・・・」
みほ「ほんとにすごい映画だったね。映画館で見れてよかったぁ。また見たいな?」
ローズヒップ「わたくしはしばらく間を置いてからでないと見れませんわ!見ているこっちまで辛くなりそうでしたもの。でもすず様がと?ってもかわいらしい方だったので救われましたわ!」
まほ「そうだな。・・・ところでダージリンはどこだ?」
オレンジペコ「お化粧直しに・・・えげつない量の涙を流してられましたから」
62:
 ―聖グロリアーナ女学院
ダージリン「はー、泣いた泣いた」スッキリー
まほ「ダージリンは泣き虫だったか」
アッサム「以前、『最高の人生の見つけ方』を見た時も大瀑布のような涙を流していましたから」
ダージリン「それにしても主人公のすずさんがとてもかわいかったわね。あの天然で少し抜けたところがある性格、少しみほさんに似ていると思わない?」
みほ「ふえっ」
ローズヒップ「そうですかぁ?」
まほ「フフ・・・どうかな。みほは今でこそポヤポヤしているが、昔は手が付けられんくらいのヤンチャ者だったんだ」
みほ「お、お姉ちゃん」
オレンジペコ「意外ですね。イタズラばかりのおてんばさんだったのですか?」
まほ「それはもう、なんどお母様に叱られたことか・・・」
ダージリン「興味あるわね。是非みほさんの幼少期のお話を聞かせてもらいたいわ」
まほ「そうだな・・・昔のみほは――」ホワンホワンホワ?ン・・・
63:
 ?数年前?
みほ(5才)「できたー!」テレレッテレー
まほ(6才)「なにができたの?」
みほ「おとうさんスイッチ!」ジャーン
まほ「ピタゴラスイッチのやつだね」
みほ「これでおとうさんにメイレイをだして、おもうがままにしたがわせてはかいのかぎりをつくすんだ!」
まほ「えっ」
みほ「おとーさーん!おーとーさーんー!」オーイ
 ガラ
常夫<・・・
みほ「おとうさん!おとうさんスイッチ!おとうさんスイッチやるから!」
常夫<・・・?
みほ「わたしがスイッチおすから、おとうさんはスイットのとおりにやって!」
常夫<!
常夫<OK
64:
みほ「おねえちゃん!うた、うたって!」
まほ「おとうさんスイッチ(むこようしも可)、いきますよ?♪」
みほ「いくよー!おとうさんスイッチ『さ』!」
常夫<・・・バッ
みほ「わっ」
まほ「わ」
常夫<ギュ?ッ
 【『さ』べつしない】
まほ「わたしとみほをいっしょに抱きかかえるとは」
みほ「よーし、つぎはおとうさんスイッチ『し』!」
 ガラ
しほ「常夫さん?まほ達と遊んであげてるの?」
常夫<バッ
しほ「わ!」
常夫<ギュ?ッ
 【『し』ほさんも一緒】
まほ「お母さまとお父さまが抱きあってる」
みほ「おとうさんスイッチはすごい!」
しほ「つ、常夫さん!子供達の前ですよ!///」カァ?ッ
65:
みほ「つぎはおとうさんスイッチ『す』!」
常夫<・・・ヌギヌギ
しほ「ちょっ!常夫さんなにをしているの!」
常夫<・・・ 【素っ裸】
しほ「ふん!」
 > げ ん こ つ ! <
常夫<・・・シュ?
しほ「みほ、おとうさんスイッチで遊ぶのはいいけれど、どんな行動をするかはあなたが決めなさい。常夫さんにさせてはダメよ」
みほ「は?い」
しほ「私は奥の部屋で仕事をしているからね」ピシャン
みほ「おとうさんおこられたー」ケタケタケター
常夫<・・・シュン
みほ「じゃあつぎいくよ!おとうさんスイッチ『せ』!」
まほ「お父さまになにをさせるの?」
みほ「せんしゃごっこ!」
66:
みほ「わたしがシャチョーやるから、おねえちゃんはソウジュウシュやって!」
まほ「わかった」
みほ「ほら、おとうさんはハイハイして!」
常夫<・・・
みほ「しんがたせんしゃ、おとうさんごうはっしーん!どるるるるー!」
まほ「戦車ぜんしんー」
常夫<ギャラギャラギャラ・・・
みほ「ぜんしんぜんしんー!」
まほ「みほ、そろそろ旋回のしじを出さないと、このままでは戦車がフスマにげきとつしてしまうよ」
みほ「へいきだよ!せんしゃはカサイリューのなかでもすすむんだよ!フスマくらいつきやぶってすすめるよ!」
常夫<!?
みほ「ぜんしーん!」
常夫<・・・
みほ「ぜんしーん!」
常夫<・・・グッ
 バキバキベキベキバリバリバリィ!
しほ「わぁ!」
67:
しほ「ガミガミガミガミガミガミ!」
みほ「・・・」
まほ「・・・」
常夫<・・・
しほ「いいわね!家の中で戦車ごっこは禁止!壁も襖もガラスも何も壊しちゃダメよ!わかったわね!」
みほ「・・・はーい」
まほ「・・・気をつけます」
常夫<・・・シュン
しほ「私は奥の部屋で仕事をしてるから、危ないことはしちゃダメよ!いいわね!」ピシャン
まほ「・・・」
みほ「おこられちった」
まほ「みほがムチャなしじを出すからだよ」
みほ「おとうさんごうよりおかあさんごうのほうがつよかったんだね」
常夫<・・・ニガワライ
68:
みほ「おとうさんスイッチ『そ』!」
しほ「・・・静かになったわね。どうやら大人しくしてくれているみたい――」
 バキバキベキベキバリバリィ!
しほ「わぁ!」
みほ「おとうさんせんしゃはケンリョクにくっしないのだー!どるるるー!」
常夫<・・・
みほ「おこられてもおこられても、あきらめずにたちむかう!どんなにやられてもたたかいつづける!おとうさんスイッチの『そ』は・・・」
 【『そ』れがボコだから】
しほ「 み ほ ! ! ! 」
 ???
まほ「――という感じでお母様にこっぴどく叱られていた。お父様も一緒にな」
ダージリン「フフフッ、現在のみほさんからは想像もできないわね」
みほ「お、お姉ちゃん・・・はずかしいよ・・・」
77:
ローズヒップ「みほ様もヤンチャガールだったのでございますね!でも大丈夫!いくらワイルドな過去があろうと、努力と根性で必ず立派な淑女になれますわ!」
ダージリン「その通り。ダージリンの名に懸けて、あなたとまほさんをきっと立派なLadyにしてみせるわ」
まほ「フシン・・・」
ダージリン「フフ、不信と言った表情ね。あなたが黒森峰に戻ることにはまるで別人のようになっていると約束しましょう。では早、特訓を始めましょうか。ペコ」パチン
オレンジペコ「はい」カチャ
まほ「ティーセット?・・・放課後でも無いのにティータイムか」
ダージリン「まずはアフタヌーンティーのマナーから学ぶのよ。簡単に見えて実はたくさんマナーがあるの。ローズヒップ、あなたが手本になるの。以前教えたようにやってみせなさい」
ローズヒップ「はい!お任せくださいませっ!」
ローズヒップ「1で構えて、2で掴み!」バッ ガッ
ローズヒップ「3、4が無くて5でごっくん!」グイィ!
ローズヒップ「ぷはー!まずーいもう一杯!」ガチャーン
ダージリン「これだもの」フー
まほ「一体どういう教育をしとるんだ」
78:
アッサム「ローズヒップ、ティーカップを持つ時は指をどうするのだったかしら?」
ローズヒップ「はっ!わたくしとしたことがトンだ間違いをしちまいましたわ!」
アッサム「そうそう、気付いただけでもエライわ」
ローズヒップ「スタッフの方?、ストローをくださいませ?」オーイ
アッサム「ローズヒップ」
ダージリン「ティーカップの取っ手に指を通すのはよくないのよ。取っ手は指でつまむように持つの」
みほ「へぇ?・・・穴に指を通すんだと思ってました」
ローズヒップ「・・・?・・・ここに指を通すのはダメなんですの?」
アッサム「そうよ。あまりよろしくないの」
ローズヒップ「おあつらえ向きに穴があるのになぜ通してはいけませんの?そもそも何故穴があるんですの?」
アッサム「え・・・」
ローズヒップ「ちょうど指を通しやすい位置にワザと穴を作っておいて、指を通すのはダメというのはどう考えてもおかしいのですわ。なぜ制作者の方はそんな罠をお仕掛けになったのですか?」
アッサム「・・・えっと」
ローズヒップ「ダメなら穴を開けずにつまみやすくしておけばいいのでございますわ。耳たぶみたいな形にしておけばこのような罠にひっかかる方もおりませんの」
アッサム「・・・そ、それはそういうものなのです。わかるわね?ローズヒップ」
ローズヒップ「なるほどぉ!これはこういうものなのですね!理解しましたわ!」
まほ「ブン投げたな」
79:
みほ「うわぁ、指でつまんで持つとけっこうカップが揺れちゃうよ」カタカタ
オレンジペコ「慣れるまではプルプルしちゃいますね」
まほ「お、おお・・・こ、これはなかなか・・・」プルプルカタカタカタバキン!
まほ「取っ手が取れた。すまん」
アッサム「なんという握力・・・」
ダージリン「気にしないでまほさん。それは私が祖母から譲ってもらったもので、元々は王室で使っていたものをツテを使って手に入れた時価数百万はするカップだけど、どうせ古い物だから」
まほ「あわわ・・・」ゾ?ッ
みほ「お、お姉ちゃん・・・大変なことしちゃったよ・・・」ゾ?
ローズヒップ「わ、わたくしこの前そのカップでガラガラうがいしてしまいましたわ・・・」ゾ?
ダージリン「フフフッ、冗談。それは私が趣味で作った手作りのカップよ。ちなみにうちの祖母はMr.ビーンが大好き」
みほ「なんだ・・・冗談だったんですか・・・」ホッ
まほ「そうとわかれば安心した。思う存分壊してもかまわんな」ブン!ガシャーン!
ダージリン「まほさん」
88:
オレンジペコ「こうしてテーブルで飲む時はカップの下のお皿(ソーサー)は手でもつ必要はありません。テーブルから離れる時や立食パーティーなどでは別ですが」
アッサム「アフタフーンティーは紅茶だけではありません。こちらのケーキスタンドにあるティーフードも頂くんですよ。サンドイッチ、スコーン、スイーツの順でどうぞ」
ダージリン「サンドウィッチは中のキュウリが――」
まほ「このスコーンという食べ物はどう食べるんだ?」
アッサム「手かナイフで割るんですよ。かぶりつくのはNGです」
ダージリン「キュウリが一番美味し――」
みほ「わあ、スイーツってケーキなんですね!やった!」
オレンジペコ「ケーキ以外にもシュークリーム等の場合もありますよ」
ダージリン「挟まれた方がいい味――」
ローズヒップ「あーマンプクですわー。お腹ポンポンでございますー。おゲップしちゃってもよろしいですの?」フー
アッサム「ローズヒップ!」
ローズヒップ「マジごめんあそばせ」
まほ「?・・・ダージリン、さっき何か言ったか?」
ダージリン「・・・」シュン
89:
ローズヒップ「わたくし、一つ気になることがございますの。淑女たるもの凛々しくあらねばとは言いますが、おへをしちゃいそうになった時はどうすればよいのでございますか?」
まほ「おへ?」
ローズヒップ「おガスのことでございます」
アッサム「淑女はそんなものしません」プイ
ローズヒップ「でもでもわたくし達は哺乳類でございます!お放屁しないと身体に悪いのですわよ!」
ダージリン「知ってるかしら?パリの貴婦人は子犬を連れて歩いていたの」
みほ「へぇ?、犬好きだったのかな?」
ダージリン「貴婦人が粗相をした際、犬がやったことだと言い張ることができるからよ。犬がやったのなら仕方がないからね。ローズヒップ、どうすればいいのかわかるわね?」
ローズヒップ「なるほど!わたくしもお犬さんになればいいのでございますわね!」
アッサム「あなたのその発想はどこから来るのかしら」
ダージリン「生理現象を隠したいのならあなたも犬を連れればいいのよ。もっとも、あまり良い案とは言い難いけれどね」
ローズヒップ「でもダージリン様だってお犬さんをお連れになっていませんわ。いつどこでプップしても恥ずかしくないのでございますの?」
ダージリン「私がいつもオレンジペコを連れているのは何故だと思う?」
ローズヒップ「ああ!な?るっ!」ガッテン!
オレンジペコ「・・・ダージリン様・・・」
ダージリン「冗談よ。冗談」
90:
アッサム「ダージリン、そろそろ・・・」
ダージリン「あら、もうこんな時間。皆さん、アフタヌーンティーのマナー講座はこの辺にして、戦車道の訓練に行くわよ」
みほ「え?聖グロの戦車道訓練に参加させてもらえるんですか?」
ダージリン「当然よ。みほさんも今は聖グロリアーナの生徒なのだから」
アッサム「私達はティータイムの後片付けをしてから向かうので、訓練場までルクリリに案内してもらってください」
ルクリリ「まほさん、みほさん、どうぞこちらに」スッ
 ツカツカツカ・・・
みほ「やっぱり聖グロリアーナって廊下まですごく立派でキレイだな?。まるで本当にイギリスに来たみたい」
ルクリリ「・・・あ、あの・・・まほさん、少しよろしいでしょうか」
まほ「?・・・どうした」
ルクリリ「じ、実は私、以前からまほさんのご活躍を拝見していまして・・・かっこいいなーって思っていたんです。どんな相手にも決して退かず、前進し続けて戦う姿が・・・」
ルクリリ「あっ、ダージリン様もカッコイイですよ。でもまほさんの勇猛果敢な戦いぷりに憧れているんです。敵の攻撃など全く意に介さない戦いが」
まほ(ふむ、突然の褒め言葉・・・これはきっと面白い回答を求められているのだろう。ダージリンが言っていたようにジョークをたしなむようにならねば。ここは冗談で返そう)
まほ「ありがとう。実は私も君の雄姿は以前から注目していた。すごくかっこよかったぞ」
ルクリリ「ほ、ホントですかぁ!?///」
まほ「嘘だ」
ルクリリ「」
みほ「お、お姉ちゃん・・・!不器用にもほどがるよぉ・・・」
91:
ルクリリ「・・・乙女の純情を・・・踏みにじりやがって・・・ゆるざねぇ!」
ダージリン「ルクリリ、何大声を荒げているの」ダジッ
ルクリリ「!・・・ダージリン様・・・」ピタ
ダージリン「何があったのかは知らないけれど、聖グロの戦車女子であるならいかなる時も優雅でいなさい」
ルクリリ「・・・はい」シュン
ダージリン「気を取り直して訓練場行きますわよ。まほさんもみほさんも」
まほ「ああ」
ルクリリ「メラメラメラメラ・・・」ジー
まほ「?・・・なぜ睨まれているんだろう」
みほ「お姉ちゃん・・・」
ダージリン「パンツァージャケットに着替え終わったわね。では、戦車の前に集合よ」
ルクリリ「西住まほっ・・・いつかきっと私の無敵っぷりを認めさせてやるんだからっ・・・」ブツブツ
まほ「む、ルクリリ、君のパンツァージャケット姿、ダージリンよりも上手く着こなしているな。赤がとても似合っていると」
ルクリリ「バカめ二度も騙されるか!」
まほ「?・・・嘘じゃないが」
ルクリリ「っ!?・・・なっ、なっ///・・・バ、バカめ!そんなお世辞っ・・・///」カァ?ッ
みほ「ああ?、また一人お姉ちゃんの天然っぷりにやられる人が・・・黒森峰にいたころから変わってないや」
94:
 \ギャラギャラギャラ・・・/ \グワ!/ \ドーン!ドーン!/
みほ「うわわっ!・・・こ、こんなの・・・」グラグラ
まほ「むむっ・・・」グラグラ
ダージリン「ほらほら、この程度の揺れでカップに気を取られているようでは、試合なんて到底無理よ。身体の芯をずらさないようにするの」
みほ「そ、そうは言っても・・・」グラグラ
まほ「ダージリンの戦車に同乗しろと言われたから何をするのかと思ったが、まさか紅茶をこぼさないようにする訓練とは・・・」グラグラ
オレンジペコ「聖グロの戦車道ではまず第一ステップがこれですから」
ダージリン「ほら、また砲撃が来るわよ」
 マチルダ?<グワ! \ドーン!/
みほ「わぁ!」バシャア
ダージリン「・・・」ビッショリ
みほ「わわわ!ご、ごめんなさいダージリンさん!」
ダージリン「あら、これくらいなんともないわ。ローズヒップの時なんてエンジン入れてもないのにこぼすくらいだったんだから」
 マチルダ?<ゴバ! \ドゴーン!/
まほ「わっ」バシャア
ダージリン「・・・」ビッショビショ
まほ「すまん」
96:
ローズヒップ「っはぁ?!今日の戦車道も楽しかったですわー!」ンー!
アッサム「昨日よりもスコアを伸ばしてきたわね。エライわローズヒップ」ナデナデ
ローズヒップ「ふふーん!昨日よりも今日のわたくし、今日よりも明日のわたくしはきっとすごくなっておりますわ!」
アッサム「あなたの前向きさには頭が下がるわ」
ローズヒップ「?」ナデナデ
アッサム「なっ・・・何をするのです!」
ローズヒップ「頭が下がるとおっしゃったので、ナデナデしてほしいのかと思いましたのですわ」
アッサム「あなたという人は・・・」ハア?
ルクリリ「ダージリン様?なぜビショビショなのですか?それになんだか甘い香りが・・・」スンスン
ダージリン「なんでもないのよ」ビシャビシャ
まほ「君があのマチルダに乗っていたのか。正確な砲撃だったぞ」
ルクリリ「バ、バカめ!三度もひっかかるか!///」
まほ「砲撃がチャーチルの真芯を捕らえていたから車内が揺れる揺れる。いい腕だな」
ルクリリ「そ、そうやって私を舞いあがらせようとしても引っかかるかバカ!バーカ!///」
まほ「バカっていう方がバカだ」ム
ルクリリ「うるさいバーカバーカ!///」
まほ「むむむ」
みほ「お、お姉ちゃん・・・やる気かコノヤロウってスタンスとらないで・・・」
100:
ローズヒップ「う?ん!戦車道の後のシャワーでスッキリしましたわー!」スッキリー
アッサム「ほらローズヒップ、髪の毛を濡らしたままじゃダメ。拭いてあげるからこっちに来なさい」
ローズヒップ「やーですのー!」タタター
アッサム「こら!待ちなさいローズヒップ!」タタター
ダージリン「まったく、元気な子達ね・・・ふあっ・・・ふわぁっ・・・」プルプル
ダージリン「ダァッ!」クシャミー
まほ「ダージリンのくしゃみはウルトラマンみたいだな」
みほ「もしかしてさっき紅茶を脳天から浴びたから・・・ごめんなさい」
ダージリン「フフ・・・平気よ。こんな言葉を知っている?『バカは風邪をひかない』・・・ふわっ・・・ふわぁっ・・・ヘアァッ!」クシャミー
みほ「やっぱりダージリンさんのくしゃみってウルトラマンみたいですね」
オレンジペコ「ほら、ダージリン様、ちーんしてください」ティッシュスッ
ダージリン「ちーん」ビー
ダージリン「ありがとうペコ」ズズ
オレンジペコ「まだ鼻出てますよ。ほら、ちーん」スッ
ダージリン「じりーん」ビー
まほ「オレンジペコが1年でダージリンが3年だよな?私の認識が間違っているのか?」
101:
 カチャッ・・・
まほ「ごちそうさまでした。夕飯は美味しかったな。肉が多くて」
ダージリン「フフ、イギリス料理がマズイというのは今や昔の話・・・料理の研究は進んでいて、ちゃんとした所で食べれば美味しいものよ」
ローズヒップ「お昼はすっげーまずいでございますけどね!」
アッサム「ローズヒップ」
ローズヒップ「おっと!淑女大原則ひとーつ!人のわるくちは言ってはいけなーい!」ドーン
ダージリン「それにしてもお二人とも、ディナーのテーブルマナーはきちんとできるのね。驚いたわ」
まほ「黒森峰でも食事のマナーは礼義として覚えるものだからな。ドイツとイギリスでは多少違う部分もあるだろうが・・・」
みほ「なんだか聖グロに来てからというものの、お昼食べてお茶を飲んで戦車に乗って晩御飯食べて・・・全然勉強してないけどいいのかなぁ・・・」
まほ「案ずるな。私が今まで短期転校してきた学校はどこもまともに授業をしていなかった」
ダージリン「『算数の勉強よりも、もっと大事なものが学校にはある』・・・この言葉を胸に刻みなさい」
みほ「日本の将来が不安です・・・」
ダージリン「さっ、ディナーの後はお待ちかねのレクリエーション大会よ」
まほ「れくりえーしょん」
ダージリン「メンバー間の絆を深めるための催しよ。黒森峰にはそういうお楽しみ文化なんて無いかもしれないけれど」
まほ「む、あるぞ。みんなで料理を作ったり歌を歌ったり、スポーツをしたり・・・最近はアンツィオ流やサンダース流を取り入れているんだ」
ダージリン「短期転校の成果ってホントにあったのね。てっきりまほさんにポンコツ属性上乗せされるだけで無駄だと思ってたわ」
まほ「なんだと」
みほ「私も・・・」
まほ「なんだと」
104:
オレンジペコ「第一回ブリテンの使いやあらへんで!チキチキ!利き紅茶大会?!」ワー ドンドンパフパフ?
まほ「ききこうちゃたいかい」
ダージリン「フフ、今週のレクリエーションは私の土俵ね。紅茶を飲んで、どの種類のものかを言い当てるのよ」
アッサム「データによりますと利き紅茶大会は今日で27回目の開催です」
まほ「これは本当に有意義な交流なのか?・・・」
ルクリリ「ダージリン様、目隠しさせていただきます」スッ
オレンジペコ「では一杯目です」カチャ・・・
ダージリン「・・・リプトンのピーチティーね」
アッサム「正解です」
ローズヒップ「さっすがダージリン様ぁ!」
オレンジペコ「二杯目を・・・」カチャ・・・
ダージリン「・・・紅茶花伝」
アッサム「正解」
オレンジペコ「三杯目」カチャ
ダージリン「午後の紅茶、ストレートティー」カチャ
ダージリン「リプトンレモンティー」カチャ
ダージリン「ブレンディーのしょうが紅茶」
みほ「すごい!・・・けど本格的な茶葉の紅茶じゃないんだ・・・」
105:
オレンジペコ「本物の茶葉はここぞという時に飲むものだからこういう時には飲まないんです。でも世界各地の茶葉をたくさん揃えてるんですよ」
ダージリン「世界の紅茶は全てこのダージリンのコレクションに」キリッ
まほ「悪役みたいな台詞を」
ダージリン「次はまほさんよ。安心しなさい。紅茶だと難しいだろうから、あなたの得意そうなコーヒーで準備したわ」
まほ「ほう」
オレンジペコ「ダージリン様・・・本当によろしいんでしょうか」
ダージリン「問題ないわ。まほさん、このコーヒーがどこの何の豆かを言い当ててごらんなさい」スッ
まほ「缶コーヒーのジョージアだとかBOSSだとかエメマンだとか言うオチじゃないだろうな」
ダージリン「これはとても高価なものよ。安心して、品質だけは保証するわ」
まほ「フシン・・・」
ダージリン「あら、西住流は逃げないんじゃなかったかしら?」
まほ「西住流に逃げるという文字はない」ゴクッ
まほ「・・・む・・・なんだろうな・・・初めて飲む味だ・・・なんとも言えない風味と香りだ・・・」
ダージリン「プププッ!・・・フフフ」クスクス
ローズヒップ「ダージリン様なにをニヤニヤ笑っておりますの?」
ダージリン「いえ・・・なんでもない・・・なんでもないのよ・・・クククッ」
108:
まほ「降参だ。これは何と言う豆のコーヒーなんだ?」
ダージリン「ンッフフ・・・ペコ、教えてあげなさい」
オレンジペコ「・・・はあ、あの、まほさん、すみません」
まほ「?」
オレンジペコ「これはコピルアックというコーヒー豆です。世界最高級のコーヒーとされているのですが、この豆が育つあるスマトラの村には、ジャコウネコという猫が住んでいるんです」
オレンジペコ「その猫達はコーヒーの豆を食べ、体内で消化しそして・・・フンをします。村人達はそのフンの中の種を加工するのです」
オレンジペコ「ジャコウネコの胃液とコーヒー豆のコンビネーションがなんとも言えない風味と香りの要因といわれています」
まほ「」ブフッ
みほ「ふ、フン!?そ、それってつまり・・・このコーヒーは猫のフンの中の豆を使ってるってことですか!?」
ダージリン「ふふふ・・・ッそ、そうよ・・・まほさん、どうだったかしら?高級豆のお味は?あまりの風味にコウフンしたかしら?なーんて、フフフ」クスクス
オレンジペコ「やっぱり最後に短期転校してきた事を根に持ってるようで・・・ダージリン様のイタズラ心です。でもご安心ください。ちゃんと本物で、高級品であることに違いはありませんから」
まほ「・・・いや、大丈夫・・・美味しかったのは事実だ。それになんだか・・・クセになりそうな味だな。いい物を飲ませてもらった。ありがとう」
ダージリン「ムッ・・・それはそれで面白くないわね」ツーン
アッサム「あなたの負けね、ダージリン」
115:
みほ「それにしても紅茶だけじゃなく高級なコーヒーまであるなんてすごいですね。これもダージリンさんの趣味ですか?」
ダージリン「いいえ、コーヒー農園を経営している私の友人からもらったものよ。慕ってくれているようで、よくくれるの」
ローズヒップ「ふわぁ?・・・あら?ヘンですわ・・・なんだか目がポヤ?っと・・・」ウトウト コテン
ダージリン「あら、ローズヒップの電池が切れたわ。これがそろそろ就寝という合図なの」
まほ「えっ」
アッサム「まったく、眠くなるとすぐ寝ちゃうんだから・・・よっこいせ」グイ
ダージリン「今日はもう消灯ね。まほさん、みほさん、寮へご案内するわ。学園内にあるのよ」
 コツコツコツ・・・
ダージリン「ここよ」
まほ「ここと言っても・・・行き止まりじゃないか。絵画がかけられた壁があるだけだぞ」
ダージリン「フフ・・・見てなさい。ひらけ?ヘソのゴマ!」ポチ
 ゴゴゴゴゴ・・・
みほ「わ・・・すごい。絵画が動いて・・・奥に通路が」
ダージリン「フフン、どうかしら?魔法学校みたいでカッコイイでしょう」
みほ「あぁ・・・イギリスだから・・・」
116:
ダージリン「ここがグリフィ・・・聖グロ生徒の談話室よ。で、こっちがあなた達二人の部屋」
まほ「暖炉まであるとは。立派だな」
アッサム「朝は7時に起床です。部屋の中の紅茶やお菓子はご自由に。私はローズヒップをベッドに運びますので、これで。おやすみなさい」ペコ
ルクリリ「私も寝るとしよう。西住まほ、朝寝坊したらティーパックでビンタだから。夜更かししないように!」
まほ「ああ、おやすみルクリリ」
ルクリリ「ンぐっ///・・・そ、そんな優しい顔で微笑みかけるな!騙されないぞバーカ!///いい夢見ろよ!///」タタタ
みほ「あれ?ダージリンさんは?」キョロキョロ
ダージリン「じゃーん、どうかしらまほさん、みほさん、私のこの寝巻」バーン
まほ「わ・・・すごい」
みほ「紅茶の絵がいっぱい描かれたパジャマ・・・先端に丸いポンポンが付いた三角帽子まで・・・」
ダージリン「今日のために寝巻を新調したのよ」フフーン
オレンジペコ「ダージリン様、寝巻というよりもパジャマと言った方が・・・」
ダージリン「さ、自慢の寝巻も披露したことだし、私もそろそろ床につこうかしら。ペコ、今日もごくろうさま。ではみなさん、おやすみちゃん」バイバ?イ
まほ「あいつの考えてることはよくわからん」
オレンジペコ「右に同じです・・・ではみなさん、良い夢を」
みほ「私達も寝よっか。なんだか色々あってすごく眠いよ・・・」フワ?
まほ「ああ」
117:
みほ「お姉ちゃんと同じ部屋で寝るの久しぶりだね」
まほ「ああ。そっちのベッドの方がシーツが綺麗じゃないか?」
みほ「フフ、気にしすぎだよ。でももしかしたらダージリンさんのイタズラかも」
まほ「・・・あり得る。枕の中が紅茶の茶葉だったりしてな」
みほ「あはは、大丈夫だよ。それにもしそうだったとしても、こんなにフカフカのベッドだからきっとぐっすり眠れるよ」
まほ「ふふ・・・どうかな。みほのことだから夜中に目が覚めて私を起こすかも」
みほ「え??なんで?」
まほ「覚えていないか?子供の頃・・・」
 ???
まほ「Zzz・・・Zzz・・・」クー
みほ「おねえちゃん、おねえちゃん」ペチペチ
まほ「っ・・・うぅん・・・・・・なに・・・」ウトウト
みほ「めがさめちった」
まほ「・・・んん・・・・・・それで?・・・」ウトウト
みほ「なんかしてあそぼうよ」
まほ「えぇ・・・」ウトウト
118:
みほ「ねーねー、ドイツぐんがしょうすうでソれんぐんをくいとめてみかたをまもったナルヴァのたたかいごっこしようよー。ねーおねえちゃーん」グイグイ
まほ「うぅ?ん・・・こんな夜中におきてるわるい子は親衛隊につれていかれちゃうんだよ・・・はやくねなさい・・・」ウトウト
みほ「えっ!・・・ほ、ほんと?・・・」
まほ「ほんとほんと・・・だからちゃんとねようね・・・」ウト・・・
みほ「あわわ・・・」ブルブル
しほ「Zzz・・・うぅ?ん・・・マロニエの並木が窓辺に揺れてる・・・」ネゴト
 ガラ
 モゾモゾ・・・
しほ「・・・っ・・・・・・?・・・みほ?・・・どうしたの?」ウトウト
みほ「めがさめちった」
しほ「・・・それで・・・眠れなくて私の布団に?」
みほ「おねえちゃんがいってたの・・・ねないわるいこはシンエイタイにつれてかれるって・・・」
しほ「ああ・・・それで怖くなったのね・・・仕方のない子」
みほ「わたし、わるいこだからつれてかれちゃう?」オド
しほ「安心しなさい。お母さんは強いのよ。親衛隊なんか帰り討ちにしちゃうんだから。たいていの男は睨むだけで泡吹いて倒れるし。みほを怖がらせる輩なんか西住流破顔拳でぶっ飛ばしてあげる」
みほ「・・・おかあさんありがとう」
しほ「みほのことはお母さんが守ってあげる。さ、いい子だから寝なさい・・・」
 ガラ
まほ「おかーさま・・・こわくて眠れない」
しほ「まほ・・・自分でみほに話したことを怖がる必要はないのよ」
125:
まほ「いっしょに寝てもいい?」モゾモゾ
しほ「はいはい・・・まったく、二人とも子供なんだから」
みほ「おねえちゃんのこわがりー」
まほ「みほだって親衛隊がおっかないんでしょ」
みほ「みほこわくないもん!」
まほ「じゃあもうトイレいっしょにいってやんない」
しほ「ほらほら、静かにしなさい。隣でお父さんも寝てるんだから・・・」
常夫<・・・ ムクリ
しほ「ほら、起きちゃったじゃない。ごめんなさい常夫さん、この子達が眠れなくて――」
常夫<・・・ ズリズリ
まほ「?・・・おとーさま、布団をこっちにひっぱって、どうしたの?」
常夫<・・・ スッ・・・
みほ「おとうさんもいっしょにねるんだー。やったー」
しほ「・・・常夫さん・・・もしかして今の話聞いてた?」
常夫<・・・コクリ
しほ「・・・親衛隊?」
常夫<・・・ギュ
しほ「・・・布団の中で手を握られても・・・」
 ???
まほ「――あれから、みほは時々夜中に起きては私かお母様の布団にもぐりこんできたものだ」
みほ「えぇ?、そんなことあったっけ」
まほ「お父様は夜眠る時、今でもお母様の手を握って眠っているそうだ」
みほ「なんだか聞きたくなかった・・・」
127:
 ??朝
ローズヒップ<グオー クカー スピー Zzz・・・
ローズヒップ<パチリッ
ローズヒップ<ムクリ
ローズヒップ「あさですのー!」
 タタター
ローズヒップ「朝がお越しになられましたわー!」バッ
ダージリン「ダゥッ!」ドッスゥ
ローズヒップ「ダージリン様ー!朝がやってこられましたわー!」グイグイ
ダージリン「・・・あ、ありがとうローズヒップ・・・ローズのヒップでのしかかってくれて目が覚めたわ・・・」
ローズヒップ「おやすいごようですの!これが毎日の日課ですもの!」
ダージリン「・・・そうだ、まほさんも起こしてきてあげたら?きっとまだ眠っているわ」
ローズヒップ「!さっすがダージリン様!名案でござーませー!」タタタ
 ローズヒップ<アサデゴザイマスワー!
 タタタ バッ! ドゴォ
 まほ<グエ!
ダージリン「フフ・・・」
128:
まほ「な、なにを・・・」イテテ
ローズヒップ「まほ様!おはこんばんちわですの!」
まほ「おはこ・・・?・・・なんだそれは・・・イギリス語か?」
ローズヒップ「おはようございますこんばんわこんにちわ今日も元気だ牛乳が美味い!をぜーんぶまかなう魔法の挨拶ですの!」
まほ「後半どこに納めたんだ」
ローズヒップ「あ!みほ様も起こしてさしあげないと!ロ?ズジャーンプッ!」バッ ドッズゥ
みほ「ミポッ!・・・な、なにを・・・」イテテ
ローズヒップ「おはこんばんちわですわー!」
みほ「・・・?・・・イギリス語?」
ローズヒップ「もう朝でござんすわよ!聖グロの朝は早いんですの!まずは朝一番に紅茶をクゥ?っと一杯!これが淑女のたしなみですわ!」
まほ「人の上に乗っかるのが淑女か・・・」
ローズヒップ「さあさ!部屋の扉を蹴破って、外の世界へ飛び出しましょう?!ロォ?ズキィーック!」ドカーン タタタ
まほ「朝からギア全開だな・・・」
みほ「麻子さんと絡んだらすごいことになりそう」
131:
 オレンジペコ「いつつ・・・」ウトウト アッサム「うぅ・・・」ウトウト ルクリリ「ってぇ?・・・」ウトウト
まほ「みんなローズのヒップで起こされたのか」
 オレンジペコ「あ、まほさん、みほさん、おはこんばんちわです」ペコ アッサム「お二人共、おはこんばんちわ」 ルクリリ「おはこんばんちわ」
みほ「流行ってるんだ・・・」
ダージリン「みなさん、目が覚めたかしら?朝食にしましょう。あら?ローズヒップはどこかしら?」
アッサム「寮中の生徒を起こして回ってます」
ダージリン「ヒ↑ッ、ヒ↑ッ、ヒィ↑???ップ、ロォ↓?ズヒィ↑?ップ!」
 ガチャバターン!
ローズヒップ「呼ばれて飛び出てジャジャジャヒ?ップ!ですわ!」
まほ「い」
ローズヒップ「みなさんを叩っ起こしてさしあげてまいりました!」
ダージリン「御苦労さま。さ、皆でモーニングといきましょう。驚きなさい、今朝の食事は私が作ったのよ」ドヤサァ
みほ「ダージリンさんが作った朝ご飯?」
オレンジペコ「皆さん、今の内に胃腸薬と腹痛薬をお渡ししておきます。それから生命保険の確認を・・・」
ダージリン「ペコ、そう怖がることはないわ。こんな言葉を知ってる?『死なばもろとも』」
まほ「やめろ」
132:
 ズラァ?ッ
みほ「わ・・・すごい。こんなにたくさん」
ルクリリ「しかしオドロオドロしい見た目のものばかり・・・」
ダージリン「さ、まずは紅茶を飲んで口を潤してから食べましょう」カチャ
まほ「昨日から四六時中飲んでいるが、一体ダージリンは今まで何杯紅茶を飲んだんだ」
ダージリン「知りたいかしら?昨日までの時点で99822杯よ」エレガントッ
オレンジペコ「どうぞまほさん、みほさん、レモンティーです」カチャ
みほ「ありがとうございます。朝食もいただいちゃってもいいですか?」
ダージリン「ご賞味あれ」
みほ「それじゃあ、このキャラメルみたいな色したサンドイッチを・・・」
まほ「待てみほ。私が毒見を」サッ
ダージリン「あら、心外。ちゃんとキッチンにあるものしか使ってないわよ」
まほ「つまようじでも入ってるんじゃないかと思ってな。実食」ガブ
ダージリン「フフ、いってるいってる」
まほ「む!」クワ!
みほ「ど、どうしたのお姉ちゃん!まさかほんとに・・・」
まほ「まっじぃ?」
みほ「わぁ・・・」
135:
オレンジペコ「うわっ・・・なんですかこれ・・・すんごい味・・・」ベー
ダージリン「それはママレードのシュガー添え、そっちのはピーナッツサンドのバター漬け」
オレンジペコ「甘くて苦くて目が回りそうです・・・」
みほ「うわぁ・・・ほんと、すごい味・・・」
ローズヒップ「メシマッズィですの!」ウェー
ダージリン「料理というものは自由なのよ。こんな格言があるわ、『雨の中、傘を差さずに踊る踊る人間がいてもいい。自由とはそういうものだ』」
まほ「自由と無秩序は違う」
ダージリン「たしかに完璧とは言い難いけれど、何度もやるうちにだんだん美味しくなるはずよ。人間は成長するの、してみせるわ」キリ
アッサム「何故やる気になっているのかわかりませんが」
ダージリン「安心してちょうだい。昼食の時は今朝よりもきっと美味しくできるわ」
オレンジペコ「お昼もダージリン様が作る気なんですか!?」
ダージリン「もちのロン。『努力したものが皆成功するとは限らない。しかし、成功したものは皆すべからく努力している』」
まほ「これはまずい・・・まずすぎる。みほ、携帯電話をかしてくれるか?」
みほ「?うん。はい、600ミリ砲の直撃にも傷つかないって宣伝文句の島田流監修スマートフォン。愛里寿ちゃんからプレゼントでもらったんだ」
まほ「使わせてもらうぞ」
みほ「誰に連絡するの?」
まほ「最強の助っ人だ」
136:
      アンチョビ>
アンチョビさん
 <お、どうした西住ー
      私は西住まほ>
    みほのケイタイをかりていれ>
      かりている>
アンチョビさん
 <おお!マルゲリータか!
 <どうした?
      助けてほしあ>
      助けてほしい>
アンチョビさん
 <んー?
     せいぐろにいる>
      食事がひでい>
      食事ぎひどお>
      食事がひどい>
アンチョビさん
 <あーそういうことかー
 <打ち間違い訂正しなくてもわかるからいいぞ
     助けに来てくれ>
アンチョビさん
 <そういうことなら任せとけ!
 <40秒で支度する!
141:
 ・・・?40秒後
 ガチャバターン!
アンチョビ「たのもー!」
愛里寿「たのもー」
アンチョビ「いくぞ、ちゃんと練習した通りにな。せ?のっ」
 アンチョビ「愛情いっぱい料理に込めて!」
 愛里寿「まわせぐるぐるパスタマシーン」
 アンチョビ「アンツィオ高校ドゥーチェアンチョビ!」
 愛里寿「ボコが大好き島田の愛里寿」
 アンチョビ&愛里寿『ご期待通りにただいま到着!』バーン
まほ「・・・」
みほ「わ?、愛里寿ちゃ?ん上手上手?」キャッキャッ
愛里寿「みほさ?ん」キャッキャッ
ダージリン「これは一体何なのかしら」
アンチョビ「西住まほ改めマルゲリータからのSOSをキャッチした!私が来たからにはもう安心だぞ!聖グロの食卓はこのドゥーチェがいただいたー!」
まほ「なぜ島田流も」
アンチョビ「ふふふ、何をかくそう愛里寿は最近アンツィオで苦手な食べ物克服大作戦を行っているのだ!もうトマトもオリーブオイルも平気です!」
愛里寿「ドゥーチェのアンチョビのおかげ」ブイ
142:
アンチョビ「ちょちょいのアンチョビ?っと!できた!完成ー」パアー
愛里寿「さすがドゥーチェのアンチョビ」
アンチョビ「アンチョビ特製フィッシュ&チップスだ!せっかくだからイギリス料理をアンチョビ流に美味しく仕上げたぞ」
ローズヒップ「うぇー、また油ギットギトのヤツですの」
アンチョビ「ふっふっふ、そう思うだろうが安心しろ!このフィッシュ&チップスはただのフィッシュ&チップスとは出来が違うでよ」
アッサム「データによるとアンチョビさんが作る料理はとても美味しいそうです」
ローズヒップ「アッサム様がそこまで言うならいたしかたないですわー!」ガブリンチョ
アッサム「ローズヒップだけに責を負わせられません。私も食べます・・・アッサム!」クワ!
オレンジペコ「そんな気合入れるためとはいえポケモンみたいに名前叫ばなくても・・・」
ローズヒップ「うっ・・・!」
アッサム「ウッ・・・!」
 ローズヒップ&アッサム『うんまぁ???い!」パァー
アンチョビ「ニコニコ」
ローズヒップ「ウチで食べるヤツよりスンゲーおいしいですわ!味がちゃんとありまする!ダージリン様のお料理なんか比べるのもオコガマシイですの!」
アッサム「私達が今まで食べていたのは油の塊でしかなかったんですね・・・ダージリンの作った料理など食えた物じゃないわ・・・!」
ダージリン「傷つくわ」
147:
アンチョビ「それとイギリスらしいパイ料理も作ったぞ。中にミートくんがぎっしりのミートパイとー、エビと卵を詰めたエビパイだー!」
オレンジペコ「おいしい・・・おいしい・・・胃の悪い人なんかこれ一口食べただけで治っちゃいます・・・」ポロポロ
アンチョビ「聖グロでも再現しやすい簡単なのもあるぞ。トーストに胡椒まぶし目玉焼きのせ、スライスしたトマトを少し焼いたものと焼きベーコン、トマトで煮込んだ白いんげん豆だ」
ルクリリ「本物のイギリスのブレックファースト・・・うう・・・美味い・・・インゲン豆がシャッキリポンと舌の上で踊るわ・・・」ポロポロ
愛里寿「みんな今までどれだけ美味しくないものを食べてたの」
アンチョビ「ふっふーん!そうだろそうだろー!ここにレシピをまとめといたから自分達で作れるようになれよ。簡単だからすぐ作れるさ」
オレンジペコ「なんとお礼を言えばいいのか・・・これで聖グロは年を越せます・・・」ポロポロ
アンチョビ「思ったよりも深刻だったんだな」
ダージリン「だが待ってちょうだい。我が聖グロリアーナはイギリスを模した学園・・・料理が美味しくなってしまえば、それはイギリスではなくなってしまうのではないのかしら」
アッサム「またヘンなところでこだわりを」
愛里寿「昔イギリスに行ったことがあるけど、言われているほど美味しくない料理ばかりではなかった。ちゃんとしたところで食べればちゃんと美味しい」
アンチョビ「その通り!それにマズイマズイと言いながら食べるんじゃあせっかくの食材がもったいない。ちゃんと美味しく調理して、笑顔で美味しく食べるのが一番だ!」
ダージリン「・・・そうね・・・私はいつの間にか、イギリスというイメージに固執してしまっていたわ。こんな詩があるわ。『生まれた所や皮膚や目の色で、一体この僕の何がわかるというのだろう』」
オレンジペコ「ブルーハーツですね」
まほ「いい話に持っていこうとするな。バレているぞダージリン」
ダージリン「チェッ」
148:
アンチョビ「それじゃ私達はこれにて!愛里寿、引き上げだー!」
愛里寿「お邪魔しました。じゃあねみほさん」バイバーイ
みほ「またねー」バイバーイ
アンチョビ「歯ぁ磨けよ?!」バターン
アッサム「嵐のような方でしたね」
ローズヒップ「ダージリン様、ドゥーチェ様のおレシピを参考にお料理上手になってくださいまし!あんなひっでぇ朝飯は二度と勘弁ですわ!」
ダージリン「努力するわ」
アッサム「いえ、もう台所に立たないでください」
ダージリン「なによっ、私だってやれば出来る子なんだから。ちゃんとやれないだけで、やれればできるんだから」
まほ「ダージリンもガンコだな。イギリスのジョークにこんなものがある。『長い間待たなければならないのは、国王の謝罪だ』」
オレンジペコ「英国王のスピーチですね」
ダージリン「あら、そこまで言うのならまほさんも料理ができるんでしょうね。ふふ、ごめんなさい、あなたも戦車以外はポンコツちゃんだったわね」
まほ「できる」
ダージリン「あら・・・言ったわね。それじゃあ自慢の腕前を見せてもらえる?もしあなたの料理がおいしかったら私の大事な宝物を差し上げるわ」
まほ「いいだろう」
みほ「お姉ちゃん料理なんてできないのに・・・昔、誕生日だからってお父さんに手作りのクリームシチュー作ったらお父さん2カ月も入院したじゃない・・・」
まほ「私もいつまでも昔のままではない。みほのように、変わったのだ」
みほ「フシン・・・」
149:
まほ「できた」ドン
ローズヒップ「わぁいカレー!ローズヒップカレー大好きですの!」
みほ「・・・クンクン・・・匂いから毒素は感じられない・・・食べても命に別条はなさそう・・・」
まほ「そう警戒するな。私がアンツィオに短期転校して何を学んだと思っている」
ダージリン「そこまで言うなら実食」パクッ
ダージリン「む!」クワ
みほ「このパターンはやっぱり・・・」
ダージリン「・・・美味しい」
みほ「えっっっっっ!!!!!???」
まほ「みほ、驚きすぎだ」
アッサム「ほんとだ。美味しいですね」パクパク
オレンジペコ「ついついもう一口、もう一口と催促させるようないい辛み加減ですね」モグモグ
ルクリリ「くっ・・・美味しい!///」バクバク
まほ「そうだろうそうだろう。ボンカレーはどう料理しても美味いのだ」
ローズヒップ「まほ様!」ガシッ
まほ「わ」
ローズヒップ「わたくし、まほ様の美味しい美味しいカレーに感銘を受けましたわ!これからまほ様のことをお姉さまと呼ばせてください!」
まほ「えっ」
みほ「!そ、それはダメだよ。お姉ちゃんは私のお姉ちゃんなんだから」
ローズヒップ「ああお姉さま!ああ麗しきお姉さまぁ?!」ギュー
みほ「ダメー!私のお姉ちゃんだよー!」グイー
まほ「いてて」
155:
ダージリン「まさか本当にまほさんの料理がおいしいとはね・・・でも、賭けは賭け。私の負けね。約束通り私の大切なものをさしあげるわ」
アッサム「ダージリンの大切なもの・・・?」
ローズヒップ「きっとファーストキスですわ!」
ダージリン「いいえ、それは結婚式までとっておくの。代わりにこんなジョークをあなたに贈るわ」
まほ「じょーく」
ダージリン「ある男が、医者を訪ねた。『自分の人生に価値が見いだせない。毎日つらく、生きがいもなにもない。自分を理解してくれる人間もいない。どうか助けてほしい』」
ダージリン「医者は治療法を教えた『ボコの着ぐるみショーを見に行けばいい。どれだけ痛めつけられても立ちあがる雄姿が、きっとあなたに生きる希望を与えてくれますよ』」
ダージリン「すると、男は泣きだした。『先生・・・』」
ダージリン「『私がそのボコなんです』」
まほ「・・・」ゾクッ
ダージリン「よくできたジョークでしょう?このジョークをあなたに譲るわ」
オレンジペコ「受け売りというか、ダージリン様も本で読んだジョークですけどね」
みほ「ボコはそんなこと言いません」
156:
ダージリン「これでもうあなた達も立派な淑女と言ってもいいくらいに成長したわね」
まほ「えっ、もう」
アッサム「紅茶のマナー、テーブルマナー、料理スキル、ジョーク、そして戦車道・・・お二人はもう我が聖グロリアーナの生徒として相応しいとデータが導きだしています」
みほ「案外簡単なんだ・・・」
オレンジペコ「晴れてお二人にはティーネームが与えられます。これからはみほさんをミルクティー様、まほさんを抹茶様と呼ばせていただきます」
まほ「辞退していいか」
ルクリリ「こんなに早くティーネームを与えられるとはさすが西住姉妹・・・くっ、認めるしかないな///」
ローズヒップ「お姉さまとみほ様が聖グロの仲間になってくれるなんて私感激でございまする!」ワーイワーイ
ダージリン「けれど気を抜かないこと。淑女の道に終わりはないわ。これらかも常に淑女として淑女らしく淑女であり続けるのが大事よ」
みほ「はい、それなりにがんばります」
まほ「みほ、そろそろ」
みほ「あ、うん。そうだね。みなさん、短い間でしたがお世話になりました。そろそろ大洗に帰りますね」
まほ「私は黒森峰に帰る」
ダージリン「帰る?なにを言っているの?あなた達はもう正式に聖グロリアーナの生徒なのよ。帰るなんてできないわ」
まほ「えっ」
158:
みほ「そのジョークもまた今度使わせてもらいますね」
ダージリン「これはジョークじゃないわ。あなた達二人はもう聖グロ所属になっているのよ」
まほ「なにを言ってる。短期転校は短期間のみの転校で――」
ダージリン「短期じゃないわ。お二人が提出した書類・・・正規の転校手続きのものよ」
まほ「なに・・・?」
アッサム「こちらがその書類です」スッ・・・
まほ「本当だ・・・すり替えておいたのか!」
ダージリン「ご名答」
みほ「ど、どうしてこんなことを!」
ダージリン「どうして?みほさん率いる大洗女子学園は来年も大きな脅威となるわ。今の内に手を打っておかないと、来年も聖グロの優勝は危うい・・・手元に残すか消しておきたかった」
ダージリン「『イギリス人は恋愛と戦争では手段を選ばない』・・・来年こそ聖グロが優勝するためならあらゆる手を尽くすわ」
ダージリン「まほさんは卒業するからさほど重要ではなかったけれど、姉妹揃って聖グロに移籍とあれば、来年度の新入生への宣伝にもなるし、入学希望者も増えるでしょう」
ダージリン「それともなにかしら?私達が何の利益も無いのにあなた達を招き入れ、戦車道訓練に参加させたり手の内を見せていたとでも思っていたの?」
ダージリン「私達は敵同士なのよ。甘ったるい慣れ合い相手だと思われていたのかしら」
ダージリン「あんまり舐めてもらっちゃ困るわ」
165:
まほ「っ・・・(そうか・・・すっかりお笑いキャラが先行して忘れてしまっていたが・・・聖グロリアーナのダージリン・・・こいつは狡猾な策士。私としたことが油断していた)」
みほ「そんな・・・ダージリンさん・・・ひどい」
ダージリン「でも、そうね・・・確かに騙したみたいで少し気が引けるわね。こうしない?戦車で勝負して、あなた達が勝てばこの話は無かったことにしてあげる。私達が勝てばあなた達は聖グロの生徒よ」
まほ「勝手なことを・・・」
みほ「・・・受けます。勝負させてください」
まほ「みほ」
みほ「他に方法は無いよ。せっかく大洗の皆と仲良くなれたのにもうお別れなんて嫌だから・・・」
まほ「・・・そうだな。ダージリン、その話に乗った」
ダージリン「決まりね。簡潔に済ますために2on2のフラッグ戦にしましょう。マチルダ?と乗員、それとローズヒップ車を貸し与えるわ。安心して。あなた達に全力で貢献するように言っておくわ」
まほ「どうだか・・・」
ダージリン「ルクリリ、こっちのチームのフラッグはあなたに任せるわ。必ず勝つのよ」
ルクリリ「はっ」ビシッ
ダージリン「それじゃ始めましょ。あなた達の居場所を賭けた・・・闘技(ゲーム)をね・・・」ニヤァ
168:
 マチルダ?<ギャラギャラギャラ・・・ クルセイダー<ギャギャギャ・・・
まほ「・・・まさかこんなことになるとはな。すまんみほ、私が巻き込んだせいで・・・」
みほ「ううん。お姉ちゃんのせいじゃないよ。それに・・・謝るのは私の方だよ。去年の決勝で私のせいで負けて・・・逃げだして・・・」
まほ「・・・」
みほ「お姉ちゃんにもエリカさんにも黒森峰の皆にも・・・お母さんにも迷惑かけて・・・ずっと謝らなきゃって思ってたの。いつかお母さんにもちゃんと謝らないと・・・」
まほ「・・・」
 ???・・・みほが大洗に転校した後・・・
まほ「失礼します」ガラ
しほ「・・・」
まほ「お母様、話とは・・・」
しほ「まほ、私は間違っていたのかしら」
まほ「・・・」
しほ「西住の人間としても一人の女としても、この先もっとつらいことがあるでしょう。それに耐えられるようにならねばと厳しくしてきたわ。人生に負けないように・・・」
しほ「あの子の行動は、人として正しいことだったとは思う。しかし西住流としては褒められたことではない。私は西住の後継者として、厳しく叱った・・・親としてではなく・・・」
しほ「私は逃げたのかもしれない。あの子の気持ちから・・・あの子の優しさから逃げ、西住流を押し付けてしまった」
しほ「私も昔は・・・西住流家元なんて立場から遠かったあの頃なら・・・あの子と真っ直ぐ接することができたんでしょう・・・決して逃げないのが西住流だと言うのに・・・」
まほ「・・・お母様、もしお母様があの時のみほと同じ状況、同じ立場だったなら・・・どうしていましたか?西住流として・・・一人の戦車女子として」
しほ「・・・私は――」
169:
みほ「――ちゃん!お姉ちゃん!」
まほ「!」ハッ
みほ「敵だよ!こんな崖路で遭遇するなんて・・・」
 マチルダ?<ギャラギャラギャラ チャーチル<ギャラギャラギャラ
ローズヒップ「お姉さま!あそこですわ!崖を沿うように進んできますの!」
まほ「敵車輛発見。これより交戦に入る」
 <ドワ! \ドーン!/ \ズズーン!/
ローズヒップ「やぁーってやりますわ!」ギャギャギャ!
みほ「ローズヒップさん、何をする気なんですか!?そんなに前に出たら・・・」
ローズヒップ「つまんねーことをお聞きにならないでくださいませ!お姉様とみほ様を討ち取りたいというのなら、先にこの私をやっつけてみんしゃんせー!」ギャギャギャギャ!
ダージリン「砲撃」
 チャーチル<ズワ! \グワァ!/
 クルセイダー<シュポッ
ローズヒップ「GOMEN ASOBASE!」
170:
ルクリリ「後はフラッグだけだ!ぶっ飛ばしてやる!」ギャラギャラギャラ!
まほ「チャーチルは放っておけ。フラッグのマチルダだけを狙うんだ」ギャラギャラギャラ!
 \ズドーン!/ \ゴゴーン!/ \ドガーン!/
ダージリン「フフフ・・・聖グロの地で、イギリス戦車で、この私達に勝てるとでも思ってるの?崖のギリギリを通って相手の背後に回り込むわよ」ギャラギャラギャラ!
みほ「お姉ちゃん!チャーチルに後ろを取られるよ!」
まほ「構うな。前だけを見ていればいい」
ダージリン「サンドウィッチは中のキュウリが一番美味しいの・・・喰らいつくしてあげるわ!まほさん!」ギャギャギャ!
 ガラガラガラ・・・
ダージリン「あら?」
 ガラガラガラ!
 ガガガガガ!ギャギャギャギャギャ!
まほ「!」
みほ「ああっ!崖が崩れてチャーチルが川に転落しちゃった!」
171:
ルフナ「きゃー!流されちゃいますー!」
オレンジペコ「水が入ってきます!は、早く逃げないと・・・!」
ダージリン「落ち着きなさい。こういう時こそパニックにならず冷静に行動するの。この救命胴衣を装着しなさい」
オレンジペコ「は、はい!」アタフタ
ルクリリ【ダージリン様!ご無事ですか!?救援を――】
ダージリン「その必要はないわ。こっちは何とかなる。あなたはフラッグ車を撃破しなさい」
ルクリリ【・・・はい!】
まほ「乗員達が脱出している。心配はなさそうだな・・・」
みほ「お姉ちゃん!フラッグが来るよ!」
まほ「・・・?・・・おかしい・・・ダージリンが見当たらないぞ」
みほ「お姉ちゃん!今は試合に――」
 <ドッ! \グワア!/
みほ「わあっ!・・・今は試合に集中しないとやられちゃうよ!お姉ちゃん!」
まほ「・・・」ガパッ
みほ「お姉ちゃん!?なんでハッチを・・・まさか助けに・・・!」
まほ「・・・」バッ
みほ「お姉ちゃん!」
 ???
しほ「私は、友人を助けるわ。あなたやみほと同じくらいの歳の私なら・・・きっと友人を助けに飛び出していた。西住流は、仲間を見捨てたりしないもの」
 ???
172:
ダージリン「まずいわ」
ダージリン「非常にまずいわ」
ダージリン「これはまずいわね・・・私の分の救命胴衣に穴があいてるなんて・・・皆はもう脱出したけれど・・・」
ダージリン「さて、どうしたものかしらね・・・試合が終わって救助が来るまで息が持つかしら・・・」
 ガパッ
ダージリン「!・・・まほさん」
まほ「助けに来ましたお姫様。そんなことだろうと思って救命胴衣を二つ持ってきた」
ダージリン「どうして来たの。試合をほっぽり出して人助けなんて・・・勝負の要のこの時に・・・いつかのみほさんと同じ間違いをするつもり?」
まほ「私はみほの行動が間違っていたとは思っていない。さ、これを着るんだ」ズズズイ
ダージリン「水がどんどん入ってくるわ。急いで脱出を・・・あら、服がひっかかっちゃった」グイグイ
まほ「こんな時にまでポンコッチーなことを」
ダージリン「私のことはいいわ!まほさんだけでも逃げなさい!」
まほ「待ってろ。私が外してやる」グッ・・・
ダージリン「そんなことしてる間に二人共間に合わなくなるわ!私のことはいいから早く逃げなさい!」
まほ「・・・決して・・・友人を置いて逃げたりはしない。私は西住流だ。かつて・・・母がそうだったように・・・」
173:
まほ「みほ、みほ聞こえるか」
みほ【お姉ちゃん!】
まほ「車体を斜め45度に傾け、敵の砲撃を受け流せ。相手が砲撃を終えた直後に反撃。一撃では仕留めきれんから砲撃後すぐに車体を敵の真横に着けろ」
まほ「装填が完了次第、敵の背後に回り砲撃。エンジン部を確実に撃ち抜くんだ。私の言ったことをそのまま指示しろ」
みほ【う、うん!】
まほ「これで試合の心配はいらない。後はお前を助け出すだけだ」
ダージリン「・・・欲張りな人。二択の両方を取るなんて」
ルクリリ「往生せいやあああ!」ズドォ!
 マチルダ?<ガァン!
みほ「今です!撃て!」
 <ドワ! \グワア!/
 <ギャギャギャ! ガィン!
みほ「装填が完了したら背後に回って!」
 <ギャギャギャ!
みほ「撃て!」
 \グワァン!/
 <シュポ
174:
 ザバァ!
まほ「はぁ・・・はぁ・・・」
みほ「お姉ちゃん!ダージリンさん!大丈夫ですか!?」タタタ
オレンジペコ「お二人ともよくぞご無事で・・・」ウルウル
ダージリン「・・・完敗ね。何もかも・・・」
まほ「何があっても勝利を掴む。それこそ西住流だ」
ダージリン「・・・もう撮れ高は十分ね」
まほ「・・・?」
ダージリン「ペコ、あれを」
オレンジペコ「はい」ソッ・・・
ダージリン「いくわよ・・・」ウズウズ
ダージリン「てってれー」
 【ドッキリ大成功!】
まほ「・・・」
まほ「・・・」
まほ「えっ」
175:
ダージリン「フフフッ・・・まほさんたら、豆が鳩鉄砲を喰らったような顔しちゃって・・・」クスクス
アッサム「ドッキリ計画大成功ですね」
まほ「ちょっと待て」
オレンジペコ「すみませんまほさん。ダージリン様のイタズラ心です」
ダージリン「ずっと映像を撮ってたのよ。戦車にも小型カメラを設置しておいたの。演技もとっても凝っていたでしょう?」
まほ「待てと言っている」
アッサム「心配要りませんまほさん。今回撮影したドッキリ映像は外に出ないようにします」
ダージリン「私達だけでクスクス笑いながら見る用の物だから安心して」
まほ「待てと言っている!どういうことだ!」
ダージリン「まほさんが去年のみほさんと同じ状況になったらどうするか、試してみたかったのよ。まさか救助と勝利と両方取るなんて思わなかったけど」
みほ「ごめんねお姉ちゃん」
まほ「みほもグルなのか!?」
オレンジペコ「聖グロに正規転校という話も嘘ですよ。今の試合も展開まで全部仕組んだ八百長です。みんなで共謀してたんです」
ローズヒップ「わたくし聞いてませんわ!」
177:
オレンジペコ「紅茶が入りましたよ」カチャ
まほ「・・・」ムス?ッ
ダージリン「ンッフフ、まほさんったらブーたれちゃってかわいい」クスクス
みほ「お姉ちゃん機嫌なおしてよー」
まほ「知らん」プイッ
アッサム「少し意地が悪すぎましたね」
ルクリリ「バカめまんまと騙されて///」
ダージリン「まほさん、これからも私達はベッタベタの慣れ合いで仲良くしていきましょ」
まほ「フン、聖グロと黒森峰は外交禁止にするからな」
ダージリン「あ、そうそう。転校の話から試合まで全部嘘だったけど、一つだけ本当のことがあったわ」
ダージリン「来年こそ・・・聖グロが優勝してみせるんだから」
まほ「・・・どうかな。エリカが率いる黒森峰は強いぞ。それに・・・みほ達大洗もな」
ダージリン「こんな詩があるわ。『100万ドルでも夢は買えない。だから掴みたい』・・・張り合いがあるわね」
まほ「ふっ・・・」
まほ「だが私はまだ怒ってるからな」プン
ダージリン「頑固ね」
178:
アッサム「ともあれまほさんもみほさんも、もう立派な淑女です。これからはいつでも聖グロに来てください。一度ティーネームを授かった方は、いつでも聖グロの淑女ですよ」
まほ「ダージリンなんて料理がてんでダメなのに淑女を名乗っていていいのか」
ダージリン「人には向き不向きがあるのよ。かのエジソンは国語の点数0点、アインシュタインは鉄棒超ヘタの落第生だったと言うわ」
ローズヒップ「さすがはダージリン様!モノは言いよう、朝はオハヨウ、夜の挨拶コンバンハですわ!」カ?ッカッカッカ!
ダージリン「自分がそうだと思えば、それでいいのよ。淑女なんて心の持ちようなんだから。そうありたいと思い続け、努力することが大切なのよ」
まほ「それっぽいこと言って正当化しているだけにしか聞こえん・・・」
みほ「ところでダージリンさん、賭けの話ですけど・・・」
まほ「賭け?」
みほ「お姉ちゃんにドッキリ作戦する時に賭けをしたんです。お姉ちゃんがどういう行動をとるかって。私はお姉ちゃんがダージリンさんを助けに行くって賭けたの」
オレンジペコ「そういえばダージリン様は、まほさんが自分を見捨てる方に賭けてましたね」
ダージリン「んっふ」
まほ「・・・貴様」
ダージリン「あのね、まほさんってね、戦車にマジメで妥協しないじゃない。だから、その、ね、私よりもね、勝つことを取るんじゃないかな?って・・・」
まほ「・・・」
179:
ダージリン「そもそも賭けなんかしたっけ?」ハテ?
まほ「あっ!スっとぼける気だ!」
ダージリン「こんな格言があるわ。『都合の悪いことは忘れよ』」
ローズヒップ「いけませんわダージリン様!淑女大原則ひと?つ!約束は必ず守るべし!」
オレンジペコ「ダージリン様、賭けは賭けですよ」
ダージリン「・・・仕方ないわね。みほさん、何が欲しいのかしら?」
アッサム「ダージリンの秘蔵格言集とか」
ダージリン「それだけは絶対ダメッッッ!!!」
みほ「お姉ちゃん、何かダージリンさん達にしてほしいことある?」
まほ「私か?」
みほ「騙しちゃったお詫びだよ。なんでもいいんだよ。お金、戦車、聖グロの植民地化・・・」
オレンジペコ「常識の範囲内で勘弁してください」
まほ「ふむ・・・そうだな」ニヤ
180:
ダージリン「・・・」ガタガタガタブルブルブル・・・
オレンジペコ「まさかまほさんが提示した報酬が『一週間紅茶禁止』だなんて・・・」プルプル・・・
アッサム「それも私達まで・・・致し方ありませんね。悪趣味な騙し方をしたんですから・・・ローズヒップ以外」カタカタカタ・・・
ルクリリ「もう15時間も紅茶を飲んでないなんて・・・頭がおかしくなりそう・・・」ガチガチガチ・・・
ダージリン「・・・ヒュー・・・ヒュー・・・」ブルブルブル・・・
オレンジペコ「ダージリン様が虫の息ですよ。何か他のもので紛らわせないと・・・」
ローズヒップ「こんな格言がありますの!『紅茶が無ければコーヒーを飲めばいいじゃない』!お紅茶が飲めない皆さんのために、代わりのコーヒーをお持ちいたしましたわー!」バーン
アッサム「あなたの優しさには涙が出るわローズヒップ」
ローズヒップ「さ、皆さま!遠慮せずにズズズイィッと飲んじゃってくだしゃーせー!」
ダージリン「・・・い、頂くわ・・・」ブルブル・・・ クィ?ッ
ローズヒップ「わー!さっすがダージリン様!見事な飲みっぷりでござんすわー!」ヒューッ
ダージリン「・・・やっぱり紅茶じゃないと震えが止まらないわ・・・頭痛もするし目まいも・・・ローズヒップ・・・こっそり紅茶入れてくれない?」ブルブル・・・
ローズヒップ「つまんねーことをお聞きにならないでくださいませ!ズルは無しでございますのよ!まほお姉様の言いつけはしっかり守りますの!」
ダージリン「・・・いけず」ブルブル・・・
183:
アッサム「うーん、コーヒーもたまにはいいものですね。でもなんだかすごく独特な味・・・」
 オレンジペコ「ローズヒップさん、どの豆を淹れたんですか?」
 ローズヒップ「なんか知らねーですけどテキトーにその辺にあったやつですわ!」
 オレンジペコ「あ・・・これ・・・コピルアック・・・」
 ローズヒップ「こぴ・・・それって、えーっと・・・・・・アッ!」タラ?ッ
ダージリン「紅茶の代わりにしては苦いけれど、何も飲まないよりマシだわ」ゴクゴク
アッサム「なんだかクセになりそうな味ですね。私、ハマってしまうかも」グイグイ
 ローズヒップ「・・・」コソ?ッ
ダージリン「確かに、個性のある味ね。これは一体何という豆なのかしら?」
アッサム「キッチンに豆が置いてあります。えーっとこれは・・・っ!?・・・こ、コピルアック・・・」
ダージリン「ンフッ」ブプッ
186:
 <ドドドドドドド!
 チャーチル<ドガシャアアアアン!
アッサム「ローズヒップのお馬鹿さんはどこですか!あの大馬鹿さんは!」ドガーン!
オレンジペコ「高貴な淑女になるためだと言ってマジノ女学院に向かいましたが・・・」
 ?the end?
187:
 ?おまけ?
エリカ「隊長が聖グロから戻って一週間」
エリカ「普段の姿勢やマナーが前にも増して綺麗になって、とっても麗しい淑女隊長になってくれてホント最高にお美しい」
エリカ「だけど・・・」
 まほ「こんな言葉がある。『笑いの無い日は、無駄にしてしまった一日だ』」
 まほ「こういう格言を知っているか?『この世に悪と呼べるものがあるとすれば、それは人の心だ』」
 まほ「『心に愛が無ければ、スーパーヒーローじゃないのさ』・・・素晴らしい詩だと思わないか?」
 まほ「いい言葉を教えてやろう。『まじめにふまじめ』」
 まほ「『カレーは美味しい』」
エリカ「うっとうしい!」バシーン
エリカ「うざったらしいったらないわ!」バシーン
エリカ「端々にドヤ顔で格言垂れるし!無駄知識ひけらかして満足げだし!最後のもう格言でもなんでもないし!隊長の気持ちだし!」バシーン
エリカ「あなた妹でしょ!なんとかしなさいよ!」
みほ「エリカさん、こんな言葉を知ってますか?『同じ阿呆なら踊らにゃ損々』・・・」
エリカ「ッ!?・・・ま、まさか・・・みほ・・・あ、あなたまで・・・」
みほ「古今東西の名言、格言、詩・・・とっても素晴らしくて楽しいですよ。エリカさんにも色々教えてあげますね」
エリカ「あ、ああ・・・そ、そんな・・・西住流も・・・もうおしまいなのね・・・」ガタガタブルブル・・・
みほ「こんな言葉があります。『ガルパンはいいぞ』・・・」
エリカ「・・・さようなら・・・私が愛した・・・西住姉妹・・・・・・」ポロポロ
 ?おしまい?
188:
これにて完結です。なんやかんやで長くなっちった
もうあらかた短期転校したのでこのシリーズももうええかな?って思うのですが、どうせなら大洗も行くべきかな?と思う反面、大洗のネタ全然浮かばないのでちょっと困ってます
ネタが浮かんだら書くかもしれませんが、書かないかもしれません。とにかくここまで見てくれた方ありがとうございました
189:
あとアンツィオの話考えたりしてるんですけどアンツィオVSマジノ戦ってビジュアル化されてませんかね?漫画なりノベライズなりで・・・
19

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