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千歌「『さわやか』を食べに行こう!」


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善子がAqoursのメンバーになったあとのお話です。
――2年生教室
曜「おっ、久しぶりに食べたいねさわやか!」
千歌「うん!ルビィちゃんに花丸ちゃん、それに先日は善子ちゃんがAqoursに入ってくれたから」
千歌「1年生たちの歓迎会と親睦会を兼ねてね!」
曜「さわやかを食べながら親睦を深めようということだね!いいと思う!」
梨子「……ねぇ、千歌ちゃん、曜ちゃん」
千歌・曜「なに?梨子ちゃん」
梨子「二人がさっきから話している……」
梨子「『さわやか』って…なに?」
4:
千歌「……え?……ええっ!?」
梨子「!?」
千歌「梨子ちゃん、『さわやか』を知らないのっ!?」
千歌「みんなが愛してやまない『さわやか』だよっ!?」
梨子「そう言われても……」
梨子「『さわやか』って言うくらいだから、アイスクリーム屋さんとか?」
千歌「なん……だと……?」
曜「千歌ちゃん。梨子ちゃんは東京から引っ越してきたばかりだから知らなくても無理ないと思うよ?」
千歌「……はっ、そうだった!ごめんごめん」
8:
曜「わたしが説明するね。『さわやか』っていうのはハンバーグ屋さんのことだよ」
梨子「ハンバーグ屋さん?」
曜「そう。と言っても、○っくり○ンキーみたいに全国展開しているわけじゃなくて、ここ静岡県にしかないんだ」
梨子「静岡限定のお店なのね」
千歌「最近だとテレビでもよく取り上げられるようになって、全国的に名前が知られていると思ってたんだけど……」
梨子「ごめんね、うちだとテレビはあまり観ないから」
千歌「ううん、いいの。こっちも知ってて当然みたいな感じで迫ってごめんね」
梨子「でも、千歌ちゃんと曜ちゃんがそれだけ大好きなハンバーグ屋さんなら是非行ってみたいな」
梨子「せっかく静岡に引っ越してきたんだもん。静岡のことをもっと知りたいし」
千歌「……梨子ちゃん!」
曜「じゃあ決まりだね!ヨーソロー!」
13:
――部室
千歌「……という訳で、今度の日曜日さわやかで第1回Aqours親睦会を開きたいと思います!」
ルビィ「本当ですか!?わーい!久しぶりにげんこつハンバーグが食べられるー!」
善子「フフフ、堕天使ヨハネも幻獣の肉塊を欲していたところよ……」
ルビィ「それだとライオンさんみたいだよ?善子ちゃん」
善子「ラ、ライオンさんって……ていうかヨハネよ!」
花丸「まるの家、滅多に外食しないから、今まで食べたことがないんだ」
ルビィ「そうだったんだ花丸ちゃん」
梨子「地元の人でも食べたことがいない人もいるのね」
花丸「名前だけなら知っていました」
千歌「それなら、花丸ちゃんと梨子ちゃんはこれが初体験になるね!」
梨子「はっ……初体験っ!?///」
曜「なっ、何言ってるの千歌ちゃん!?///」
千歌「へ?」
16:
花丸「なんだか分からないけど、ハンバーグは大好きだから楽しみずらよ!」
ルビィ「ルビィもワクワクすルビィ!」
善子「まったく、無邪気にはしゃいじゃって。二人ともまだまだ子どもね」
曜「そういう善子ちゃんだって、本当は嬉しいくせに。素直に喜びなヨーシコー!」コノコノ
善子「な、なによ!それに変な呼び方しないで!」
千歌「それじゃ、今度の日曜日沼津駅に集合ね!気合い入れていくよ!」
全員「おーっ!」
梨子(みんなのテンションがいつも以上に高い……一体どれだけすごいお店なのかしら……)
18:
――日曜日 御殿場駅
千歌「御殿場駅に到着!」
曜「ここから少し歩くよ」
梨子「御殿場には初めて来たけど、さわやかって沼津にはないの?」
曜「そうなんだよね。沼津の左隣の富士市には2店舗あるんだけど」
曜「駅から距離があるから、こっちの御殿場店の方が近いんだ」
ルビィ「御殿場店がオープンしたのって、つい最近なんですよね」
千歌「せめて三島か長泉にあれば移動するのも楽になるんだけどなぁ……」
※さわやか長泉店は2016年12月1日にオープンしました。
21:
花丸「まる、ハンバーグを美味しく食べるために朝ごはん抜いてきたからお腹ペコペコずら?」
梨子「うふふ。気合いが入ってるわね、花丸ちゃん」
善子「無理もないわ。さわやかは静岡の民にとって『魂の食物』なのだから!わたしも飢えに飢えて……」
梨子「つまりソウルフードってことね」アセ
善子「そういう梨子さんだって、実は朝ごはんを抜いてたりして……」
梨子「わたしはちゃんと食べてきたよ。ちょっと少なめにしてきたけど」
ルビィ「ルビィもご飯の量を少し減らしてきました。朝食抜きはさすがにお姉ちゃんに怒られちゃうから」
曜「実はわたしも。それに早朝ランニングして目いっぱいお腹を空かせて来たからね!」
千歌「曜ちゃん、ハンバーグ大好きだからね」
曜「うん!今まで多くのハンバーグを食べたけど、やっぱりさわやかが一番だね!」
花丸「ますます楽しみずら?!」
梨子「あっ、もしかしてあの緑色の看板がそうかしら?」
24:
――さわやか御殿場インター店
千歌「到着―!したのはいいものの……」
ワイワイガヤガヤ
ルビィ「ピ、ピギィ……」
花丸「すごい並んでる……」
善子「開店して間もないはずなのに、店の中も外もすごい人ね……」
千歌「ちょっと予約状況確認してくるね!」タッタッタッ
梨子「……本当に大人気なお店だったんだね」
曜「元々県内でも人気はあったけど、テレビで取り上げられてからはますます人気に拍車がかかったみたい」
花丸「駐車場に停まっている車のナンバーも県外が多いずら」
曜「関東から一番近い店舗がこの御殿場店だからね」
※電車で行く場合は、前述のさわやか長泉店の方が近いと思われます。
ルビィ「あっ、千歌さん戻ってきました」
千歌「大変!待ち時間を確認してみたら1時間はかかるみたい!」
全員「ええ??っ!?」
千歌「前来た時はどんなに長くても30分くらいで入れたのに……」
花丸「ここからでもすこくいい匂いがするのに、1時間も食べられないなんて……」グッタリ
ルビィ「花丸ちゃんしっかりして!?」
千歌「まいったなぁ、前途多難だよぉ……」
25:
曜「じゃあ……食べるの……やめる?」
千歌「やめないっ!」
曜「だよね!」
千歌「……って、曜ちゃんが一番食べたがってたじゃん!」
曜「バレた?うん……ここまで来たらやめたくないよね」
千歌「それに、梨子ちゃんと花丸ちゃんにも、さわやかの美味しさを知ってほしいしね!」
梨子「千歌ちゃん……」
花丸「千歌さん……」
善子「と言っても、これからどうするの?さすがにずっと外で1時間並ぶのは辛いわよ?」
梨子「……そう言えば、ここに来る途中確か……あっ」
千歌「どうしたの梨子ちゃん?……あっ、あれは……」
26:
――コ○ダ珈琲店御殿場店
曜「ふぅ?、近くにコ○ダがあって助かったよ」
千歌「みんなさわやかに夢中になってて、通り過ぎてたのをすっかり忘れてたね」
梨子「わたしはそこまで夢中にはなってないけど……」
梨子「でも他のお店で待つことになるとは思いもしなかったよ」
花丸「まるは小倉トースト!」
ルビィ「ルビィはミニ○ロ○ワール」
善子「ヨハネは雪山に眠る黒水晶……」
曜「ちょ、ちょっと待ってみんな!ここでフードを頼んじゃダメ!」
千歌「そうだよ!ここで食べたらさわやかが食べられなくなっちゃうんだよ!?」
ルビィ「はっ!そうだった……」
花丸「もうお腹ペコペコだから、つい……」グー
29:
梨子「でも、花丸ちゃんは朝食抜きだからさすがにこのままじゃ……」
曜「花丸ちゃんには悪いけど、ここはドリンクと豆菓子で我慢してほしいかな。わたしも我慢するから」
花丸「曜さん……うん、オラ我慢するずらっ!それじゃあ……クリームソーダで」
千歌「わたしオレンジジュース!」
曜「コーラにしようかな」
ルビィ「ルビィはミックスジュース!」
梨子「わたしはブレンドコーヒーで」
善子「じゃ、わたしもコーヒー……」
梨子「善子ちゃん、さっきなにを頼もうとしたの?確か雪山の……」
善子「わ?っ!もういいでしょ!忘れて!」
31:
千歌「ねえねえ、前から気になってたんだけどさ」
全員「ん?」
千歌「1年生のみんなは、わたしたちが先輩だから気を使って『さん』付けしてくれてるけど」
千歌「Aqoursに入った以上、先輩後輩は関係ないからさ」
千歌「これからは気兼ねなく普通に呼んでほしいなって」
1年生「あっ……」
千歌「梨子ちゃんも曜ちゃんもそれでいい?」
梨子「わたしは大丈夫だよ」
曜「わたしも。むしろみんな対等に付き合ったほうがチームワークも良くなると思うし」
千歌「というわけで、改めて宜しくねっ。花丸ちゃん!ルビィちゃん!善子ちゃん!」
花丸「はっ、はい……ち、千歌ちゃん///」
ルビィ「こちらこそ、よろしくお願いします!ち……千歌……ちゃん///」
善子「ううう……いきなりそんなこと言われても……」
花丸「善子ちゃん、もしかして照れてるずら?」
善子「照れてないっ!ううっ……よろしく!……千歌!///」
千歌「うんっ!」
33:
梨子「そろそろ1時間経つね」
千歌「それじゃあみんな、そろそろ出ようか!」ガタッ
曜「待って、今出るのは待ったほうがいいかもしれない」
善子「えっ、どうしてよ?」
曜「さっき千歌ちゃんは『1時間待ち』って言っていたけど」
曜「恐らくすぐに入店は出来ないと思うんだ」
花丸「曜ちゃん、千歌ちゃんの言うことを信じてあげないずらか……?」
千歌「そ、そんなぁ!確かに店員さん1時間って言ってたんだよ……?」グスッ
曜「ち、違うよ!?千歌ちゃんもそんな泣きそうな目で見ないで!?」
梨子「2人とも落ち着いて?曜ちゃんのことだからきっと考えがあるんだよね?」
千歌「ぐすっ……そうなの?」
34:
曜「う、うん。今日は日曜日でしかもちょうどお昼時だよね?」
千歌「……うん」
曜「みんなもさっき行列を見たと思うけど」
曜「この時間帯のお客さんは子ども連れの家族が多いから、どうしても待ち時間が長くなるんだよ」
ルビィ「あっ、そうか!」
花丸「なるほどずらね?」
千歌「さすが曜ちゃん。そこまで考えてたとは……」
曜「言葉足らずで千歌ちゃんに余計な心配をかけさせてしまったみたいで、ごめんね」
千歌「ううん。わたしこそ勘違いしちゃってごめんね」
千歌「教えてくれてありがとう、曜ちゃん」ニコッ
曜「あっ……///」ドキッ
曜「だ……だから、わたしが様子を見てくるよ!あとでLINEで連絡するから、みんなはここで待ってて!」タッタッタッ
ルビィ「……行っちゃった」
花丸「随分と慌てて出ていったずらね?」
善子「なんか赤くなかった?曜の顔」
梨子「……本当に仲が良いのね、曜ちゃんと千歌ちゃん」
千歌「うんっ、昔からの親友だもんね!」
38:
ピロリーン
千歌「あ、曜ちゃんからだ」
千歌「なになに……『あと40分はかかりそう。コンビニ寄ってから戻るよ』だって」
梨子「曜ちゃんの読みは見事に当たっていたけど……」
ルビィ「さらに40分待ち時間が伸びましたね……」
善子「なかなか焦らしてくれるじゃない……」
花丸「お、オラ……もうお腹と背中がくっつきそうずら……」グー
梨子「さすがに花丸ちゃんが辛そうだから、せめて軽く食べられるものを頼まない?」
千歌「そうだね。このままだと花丸ちゃんが倒れちゃいそうだから」
花丸「め……面目ないずら……」グー
千歌「すみませーん!ピザお願いしまーす!」
※予想以上に長くなりそうなので、ここからは3分間隔で投稿します。
41:
曜「ただいまヨーソロー!」
千歌「あ、おかえり曜ちゃん」モグモグ
梨子・ルビィ「おかえりなさい」モグモグ
善子「意外と早く戻ってきたわね、さすが神のリトルデーモン2号」モグモグ
曜「そんな大げさな。ここからさわやかまで近いからすぐに戻って来れちゃうよ」
曜「と言うか、みんな我慢できないで食べちゃってたんだね」
千歌「みんなが軽く食べられるようにピザを頼んだんだ」
花丸「曜ちゃんおかえり?」モグモグ
曜「あっ、花丸ちゃんが元気を取り戻してる」
千歌「曜ちゃんの分も残してあるよ」
曜「あっ、わたしはいいよ。花丸ちゃんに食べさせてあげて」
花丸「ありがとずら?♪」モグモグ
43:
曜「……話し込んでるうちに30分経ったね」
千歌「そろそろ行くとしますか」
花丸「……待ってたずらよっ!!」ガタッ
善子「わっ!?急に立ち上がらないでよ、ずら丸!」
花丸「あっ善子ちゃん、ごめんなさい」
ルビィ「花丸ちゃん、ピザ食べてからずっと『体力温存するずら』って言って全く動かなかったからね」
曜「ここからゆっくり歩いても5分もかからないから慌てないで行こうか」
花丸「分かったずら!」
44:
――さわやか御殿場インター店
梨子「戻ってきたのはいいけれど……」
ワイワイガヤガヤ
善子「相変わらずすごい行列ね……」
ルビィ「あっ、千歌ちゃん戻ってきた」
曜「どうだった?待ち時間は」
千歌「うーん、あと20分はかかるみたい」
ルビィ「これで2時間待ち……」
花丸「そ……そんなぁ?」ヘタリ
梨子「だ、大丈夫?花丸ちゃん」
花丸「梨子ちゃん、まるはもうダメずら……まるの屍を越えていってほしいずら……」
46:
千歌「花丸ちゃん……でも、あと20分耐えれば食べられるんだよ?」
曜「そうだよ!諦めたらそこで試合終了だよ!?」
花丸「千歌ちゃん……曜ちゃん……」
千歌「頑張ろう!最後まで!」
花丸「……分かったずら。まるがんばる!」
ルビィ「ルビィもがんばルビィ!」
善子「ここまで来たら、精根尽き果てるまで戦うのみ!」
梨子(ただ並ぶだけなのに、この気迫は一体なんなの……?)
49:
梨子「それにしても、ここまで待つとは思いもしなかったわね」
千歌「うん。さっき店内見て気付いたんだけど。今週は『げんこつおにぎりフェア』だったんだ」
梨子「げんこつ……?おにぎり……?げんこつは何となく分かるけど、おにぎりって……?」
曜「ハンバーグの大きさのことだよ。『げんこつ』は250gで『おにぎり』は200gだったかな」
曜「フェアの期間だと、セットメニューがお得になるんだよ」
ルビィ「でも、フェアの時は特にお客さんが大勢来るんですよね」
千歌「う?ん、これなら事前にちゃんと下調べしておけば良かったよ。みんなごめんね」
梨子「ううん、気にしないで千歌ちゃん。みんなでこうやって並んでいるのも楽しいから」
花丸「まるも……大丈夫、ずらよ……」グー
善子「全然大丈夫には見えないわよ……」
50:
店員「お待たせしました、6名でお待ちのアクア様」
千歌「待ってました!」
花丸「やっと……やっと食べられる……!」ハァハァ
曜「よく耐えたよ花丸ちゃん……!実はわたしも限界だったんだ……!」ハァハァ
梨子「曜ちゃんだけピザ食べなかったからね」
善子「厳しい戦いだった……!」グー
ルビィ「ルビィももうお腹ペコペコだよぉ」グー
梨子「それにしてもグループ名で登録していたのね」
千歌「そうだよ。せっかくのAqoursの親睦会なんだもん!」
曜「でも千歌ちゃん。『Aqours』は初見だと読めない人が多いから、わたしが店員さんにルビを振ってもらうようにお願いしたよ」
千歌「あっ、そうだったね。それにしてもあの時誰が書いたんだろうAqoursって……」
ルビィ「沼津駅で千歌ちゃんに尋ねた後に今のグループ名に決まったんだよね?」
千歌「そうなの。でも梨子ちゃんも曜ちゃんも書いた覚えないって。もちろんわたしも」
ルビィ「アクア……どこかで聞いたような気が……」
千歌「そう言えば善子ちゃんが入ったんだから、これでシックスマーメイ……」
梨子「千歌ちゃん」ニッコリ
千歌「……ゴメンナサイ」
51:
店員「こちらの席にどうぞ」
梨子「ありがとうございます」
千歌「いつの間にかもう午後1時過ぎてたんだね」
花丸「朝も昼もご飯を食べないなんて生まれて初めてだよ……」
善子「一応ピザ食べてたじゃない。曜の分もさ」
ルビィ「でもお腹が空いていればそれだけ美味しく食べられるよ!」
花丸「……そうだね!」
曜「さて、それではメニューを決めたいところだけど」
曜「みんな『げんこつ』か『おにぎり』だよね?」
千歌・ルビィ「もちろん!」
善子「当然よ!」
曜「梨子ちゃんも花丸ちゃんも大丈夫だよね?」
梨子「わたしはよく分からないから、曜ちゃんに従うわ」
花丸「まるは食べられればなんでもいいずらっ!」
曜「それから……二人は生肉は平気?」
梨子「え?ユッケとか馬刺しは普通に食べられるけど……」
花丸「どういうことずら?」
曜「ううん、大丈夫なら問題ないよ」
梨子・花丸「???」
52:
千歌「あとは大きさだね。わたしは『おにぎり』でいいかな」
ルビィ「ルビィも『おにぎり』」
善子「久々にヨハネの隠された真の力『灼熱の鉄拳』を解放する時が……」
曜「じゃあわたしも『げんこつ』にしようかな」
善子「なんで分かったの!?」
曜「そりゃ『げんこつハンバーグ』って言っているようなもんだし……」
花丸「まるも『げんこつ』にしようかな」
梨子「わたしは『おにぎり』で……ってなんか不思議な感じね。ハンバーグなのにおにぎりって」
『げんこつ』……曜・花丸・善子
『おにぎり』……千歌・梨子・ルビィ
店員「ご注文はいかがしますか?」
曜「げんこつ倶楽部3つ、おにぎり倶楽部3つお願いします」
梨子「千歌ちゃん。倶楽部って?」ヒソヒソ
千歌「セットの名前のことだよ」ヒソヒソ
店員「ソースは『オニオンソース』と『デミグラソース』どちらにしますか?」
曜「あっ、そういえば決めてなかったなぁ……」
善子「無難にオニオンソースでいいんじゃない?あとで追加することも出来るんだし」
曜「そうだね、みんなもそれで大丈夫?」
千歌・梨子・ルビィ・花丸「いい(ずら)よ」
曜「それじゃあ、全部オニオンソースで」
店員「かしこまりました」
『オニオンソース』……全員
53:
店員「ライスとパン、どちらにしますか?」
千歌「省略するよ!」
『ライス』……千歌・曜(大盛り)・花丸(大盛り)
『パン』……梨子・ルビィ・善子
店員「カンパイドリンクはいかがしますか?」
梨子「カンパイ……」
花丸「ドリンク?」
曜「あとで説明するから、ここのメニューにある中から選んでね」
花丸「季節限定のドリンクがあるんだね」
梨子「せっかくだから限定ドリンクでも頼んでみようかな」
千歌「わたしオレンジジュース!」
曜「じゃあ、わたしはコーラ!」
善子「あなたたち全然ブレないわね……」
『コーラ』……曜
『オレンジジュース』……千歌・ルビィ
『玄米緑茶』……花丸
『洋なしソーダ(季節限定ドリンク)』……梨子
『ブルーベリーソーダ(季節限定ドリンク)』……善子
55:
花丸「デザートも頼みたいずら!」
梨子「デザートも季節によって変わるのね」
ルビィ「このミニチョコパフェ美味しそう!」
善子(さっき食べられなかったコーヒーゼリーがある……)
『ミックスアイス』……千歌・梨子・花丸
『ミニチョコパフェ』……曜・ルビィ
『コーヒーゼリー』……善子
店員「……以上になりますね。少々お待ちください」
全員「はーい」
曜「……さて、注文も終わったことだし」
曜「待っている間、さわやか初心者の二人に改めてさわやかについてざっと説明するよ」
梨子「うん」
花丸「はいずら」
曜「そもそも、さわやかというのは創業当時はコーヒーショップだったんだ」
梨子・花丸「そこから!?」
57:
善子「……ねえ、さっきから気になってたけど、曜ってハンバーグのことになるとかなり饒舌になってない?」
千歌「曜ちゃんとにかくハンバーグが大好きで、市内の喫茶店や洋食屋のハンバーグはほぼ食べ尽くしたって言ってたよ」
ルビィ「すごい情熱……ある意味尊敬してしまいます」
善子「なに言ってるのよ?ルビィのスクールアイドルに対する情熱も同じくらいあるじゃない」
ルビィ「そうかな?えへへ」
千歌「さっきも曜ちゃんが言ってたけど、その中で一番のお気に入りがここなんだって」
善子「まぁ、分からなくはないわね」
ルビィ「やっぱり静岡県民としては思い入れが強いよね、さわやかのげんこつハンバーグは……」
千歌・善子「わかルビィ!」
ルビィ「ピギィ!?」
58:
店員「おまたせしました。カンパイドリンクです」
曜「みんな自分のドリンクを持ったね?それじゃあ千歌ちゃん。乾杯の音頭を」
千歌「えっ、わたし!?あいさつ何も考えてなかったよ……」
梨子「Aqoursのリーダーで親睦会の幹事なんだし、ね?」
千歌「う、うん。分かったよ」
花丸・ルビィ・善子「じー……」ワクワク
千歌「ゴホン。えー、きょ、今日はAqoursの親睦会に参加して頂き、ありがとうございます」
曜(千歌ちゃん硬い!硬すぎるよ!?)
千歌「おかげさまでスクールアイドル部は正式に承認されて、部員も6人になりました」
梨子(自分が言うのもなんだけど、千歌ちゃんこういう挨拶に慣れてないんだろうなぁ……)
千歌「これからラブライブに向けて本格的に活動することになりますが、えと……えーと……」
千歌(ううっ、この後の台詞が思い浮かばないよぉ……)
千歌(あっ、そうだ!)
59:
千歌「……と、とにかく、今はハンバーグを食べながら親睦を深めあいましょう!」
千歌「じゃあみんな、グラスを持って円陣の時のように腕を前に出して!」
曜「え?」
梨子「こ……こう?」グラスコツン
ルビィ「このあとどうするの?」グラスコツン
千歌「いつものように掛け声をするから、それに合わせてグラスを高く上げてね!」
善子「……なるほど。そういうことね」グラスコツン
花丸「なんだか面白そうずら!」グラスコツン
曜「千歌ちゃん、よく思いついたね」グラスコツン
梨子「なんか、千歌ちゃんらしい乾杯の音頭ね」
千歌「えへへ……それじゃあいくよ!」
千歌「Aqours!カンパーイ!!」
全員「カンパーイ!!」
60:
店員「お先にシートを敷かせていただきますね」
善子「……いよいよ来るわね」ワクワク
花丸「まる、ワクワクしてきたずら!」
ルビィ「ルビィも!」ワクワク
店員「お待たせしました。おにぎりハンバーグになります」
千歌「おおおっ!」
梨子「すごい……本当におにぎりみたいに丸くて大きいのね」
曜「梨子ちゃん、お楽しみはこれからだよ?」
梨子「え?」
店員「今から仕上げますので、シートを持ち上げてくださいね」
梨子「は、はいっ」ペラッ
61:
曜(梨子ちゃんは店員さんの言うとおりにシートを持ち上げると……)
曜(表面が網目に焼き上がった俵型の肉の塊は、店員さんの手により半分にカットされた)
曜(中は生焼けに近く真っ赤ではあるが、徹底した品質管理により赤身でも安心して食べることが出来るのだ!)
曜(カットされた肉の塊はナイフとフォークで鉄板に押し潰され、裏面はじっくり焼き上げられる)
曜(梨子ちゃんは、初めて見るその光景にただただ圧倒するのであった……)
実際の映像はこちらをご覧下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=YJTGN-Ks6xk
曜「ちなみにこの後店員さんから『ソースをかけても良いですか?』と尋ねられるけど」
曜「最初にかけるとハンバーグの熱が冷めちゃうから、自分でかけるのがオススメだよっ!」
梨子「あ、ありがとう曜ちゃん」タジタジ
店員「アハハハ……」
善子「さっきの独白、ナレーションみたいに全部筒抜けで、店員さんも梨子もドン引きよ?」ヒソヒソ
千歌「曜ちゃん、久しぶりのさわやかでテンションがマックスになっちゃってるね」アハハ…
花丸・ルビィ「……す、すごい」
63:
曜「ちなみにオーダー前、2人に『生肉は平気?』って声をかけたじゃん」
花丸「そう言えばそうずらね」
曜「もし苦手だった場合は、『中までしっかり焼いてください』ってお願いするつもりだったんだよ」
梨子「もしかして、さわやかだとこの食べ方のほうが美味しいってこと?」
曜「それは食べてみてからのお楽しみだよっ!」ニコッ
店員「こちらはげんこつハンバーグになります」
ハンバーグジュージュー
花丸「ずら?!!」パアア
ハンバーグジュージュー
曜「そうそう、これだよこれ!!」パアア
ハンバーグジュージュー
善子「フフフ……魂の食物がじっくり焼き上げられるその姿、しかとこの宝具(スマホ)に焼き付けなければ!」●REC
曜「あっ、善子ちゃん。あまり近づきすぎると油が……」
アブラパシャパシャ
善子「あっつ!」
全員「善子ちゃん!?」
66:
店員「大丈夫ですかお客様!?」
善子「あっ、平気です!すみません、お騒がせして……」
ルビィ「とりあえず、おしぼりでやけどしたところ抑えてっ!」
善子「ちょっと手にハネたくらいだから大丈夫だって。ありがとうルビィ」
千歌「撮りたくなる気持ちは分かるけど、でも気をつけないとね」
善子「ご迷惑をおかけしました」ショボーン
花丸「でも大したことなくて良かったよ」
ルビィ「善子ちゃん、これでハンバーグが嫌いになったりならないよね?」
善子「なによ唐突に。そんなことあるわけないじゃない」
ルビィ「うん。ちょっとお姉ちゃんのことを思い出して……」
善子「お姉ちゃん?生徒会長のこと?」
梨子「ダイヤさんがどうかしたの?」
ルビィ「実はお姉ちゃん。小さい頃焼き上がったハンバーグに近づきすぎて」
ルビィ「油が口元にはねてやけどをしちゃったんです」
ルビィ「それ以来、ハンバーグが嫌いになっちゃって……」
全員(えええ……)
67:
千歌「それで……ダイヤさんはハンバーグに対してトラウシを」
善子「トラウマね」
千歌「まさか、口元のほくろはその時の痕……!?」
ルビィ「いや、元からあったからね?」
梨子「けど意外ね。あのダイヤさんにも苦手なものがあったなんて」
曜「でも話を聞く限りでは、ハンバーグの味や食感が嫌いって訳じゃないよね。今なら克服出来るんじゃない?」
ルビィ「それは分からないけど……でも、Aqoursの親睦会をさわやかで開くって言ったら」
ルビィ「お姉ちゃん、口元に手を抑えて、少し顔が引きつってた気がします……」
全員(やっぱりあのほくろ、やけどの痕じゃないだろうか……?)
ダイヤ「くしゅん!……風邪でも引いたかしら?」
70:
千歌「さてさて、少し時間が経っちゃったけど、いただきましょう!」
花丸「やっと食べられるずら?!」
千歌「それではみなさんご一緒に!」
全員「いただきま?す!!」
梨子「店員さんが裏面を焼き上げてたけど、中は赤いままなのね」
曜「食感はユッケみたいな感じで、これがたまらないんだよ?!」
花丸「梨子ちゃん、お先にいただくずらよっ!」
梨子「ど、どうぞ」
パクッ
花丸「!」
花丸「」フルフルフル
梨子「……ん?花丸ちゃん?」
73:
花丸「……美味しいずら??????♪」パアッ
ルビィ「でしょでしょ!」
花丸「外はしっかり焼き上げているのに、中は赤身のままで食感が全く違う!」
花丸「噛めば噛むほど赤身から濃厚な肉汁が出てきて、お肉本来の旨味を味わうことが出来る!」
花丸「今まで食べたハンバーグとはまた違う食感と味わいを感じるずら!」
花丸「これが……さわやかっ……!!」
善子「フフフ、ずら丸もすっかりさわやかの虜になってしまったわね……」ニヤリ
千歌「ほらほら、梨子ちゃんも早く食べてみて!」
梨子「う、うん。じゃあ早」
パクッ
梨子「あ……美味しい……」モグモグ
千歌・曜(ニッコリ)
74:
梨子「見た目は間違いなくハンバーグなのに、中身は生だからユッケみたいな食感で」
梨子「かと言って生焼けというわけではなく、中までしっかり温かい……」
梨子「それでいてお肉の旨味とさっぱりしたオニオンソースとの相性もバッチリだし」
梨子「確かに今まで食べたハンバーグとは一味違うわ……」
千歌「梨子ちゃん、どう?さわやかのハンバーグは」
梨子「うん、とっても美味しい!東京でもこんなハンバーグ食べたことがなかったよ」
千歌「良かったあ」ニコッ
曜「それじゃあわたしたちも」
千歌「いただきます!」
75:
千歌「う?ん、久しぶりに食べるけどやっぱり美味しいね?♪」モグモグ
曜「今まで我慢してきた甲斐があったヨーソロー……!」モグモグ
善子「ああ……この肉汁が、脂が、五臓六腑に染み渡るわっ!」
千歌「ごぞー、ろっぷ?」キョトン
ルビィ「この付け合わせのおイモもまた美味しいんだよねぇ」モグモグ
梨子「ルビィちゃん、良かったらわたしのおイモあげようか?」
ルビィ「えっ、いいの?ありがとう梨子ちゃん!」
花丸「ごちそうさまずら?♪」
ルビィ「花丸ちゃんもう食べちゃったの?あっ、口にソース付いてるよ」フキフキ
花丸「あ、ありがとうルビィちゃん///」
曜「満足してくれたみたいで良かったよ」
千歌「これで花丸ちゃんもさわやかデビューだね!」
花丸「ずら!」
77:
店員「お待たせしました。デザートになります。お済みのお皿をお下げしますね」
花丸「食後のデザートは別腹ずら♪」
千歌「ガッツリお肉を食べた後だから、お口の中がさっぱりするよね」
ルビィ「だねだね」
善子「あ、コーヒーゼリー美味しい……」パクッ
梨子(コ○ダで注文しようとしてたの、やっぱりコーヒーゼリーだったのね)
79:
善子「……それにしても、この間は本当に驚いたわよ。朝早く自宅前にみんながいた時は」
千歌「あー、あの時ね。今思うと善子ちゃんにはすごい迷惑をかけちゃったなって反省してるよ」
善子「本当よっ!まさか沼津港まで追いかけ回されるとは思わなかったわよ!」
梨子「わたしたちも、あの衣装のまま走ることになるとは思わなかったよね」
花丸「淡島神社の走り込みと同じくらいキツかったずら……」
善子「大体、みんな内浦に住んでるんでしょ?どうやって沼津に来たのよ?」
千歌「ううん、実は前の日にみんなで曜ちゃんの家でお泊りしたの」
善子「え?曜の家に?」
曜「うん。わたしの家は沼津港の近くなんだ。善子ちゃん家のマンションから割と近くて驚いたよ」
善子「でもどうして、わたしなんかのためにそこまで……」
千歌「善子ちゃんが帰った後、花丸ちゃんから善子ちゃんの話を聞いて思ったの」
千歌「このまま好きな堕天使をやめちゃっていいのかなって」
千歌「それで、曜ちゃんとみんなに無理言って、お願いしたの」
千歌「『もう一度善子ちゃんを説得したいから協力して』って」
善子「…………」
花丸「善子ちゃん……」
81:
善子「けど……あれはいくらなんでもタイミングが良すぎない?」
善子「わたしが朝早く外に出るなんて予想もつかなかったでしょ?」
千歌「うん、それはわたしの勘かな」
善子「え?勘だったの!?」
千歌「うん。善子ちゃん、もしかしたら早いうちに堕天使の思い出を捨てちゃうんじゃないかなと思って」
千歌「捨てるなら朝、しかも夜が明ける頃だと踏んだの」
千歌「それでみんなとも相談して、夜明け前から行動を開始したってわけ」
梨子「正直、話を聞いたときは半信半疑だったんだけど……」
ルビィ「まさかその予想が本当に当たるとは思いもしなかったです」
千歌「だって勿体無いじゃん!せっかく魅力的な個性があるのにそれを捨てちゃうなんて」
善子「!」
千歌「『堕天使』という個性はきっとスクールアイドルでも活かすことができる」
千歌「キラキラ輝くことが出来る。わたしはそう思ったんだ」
善子「千歌……」
83:
千歌「わたし、今とても嬉しいんだ」
千歌「運動神経抜群で、人を惹きつける魅力のある曜ちゃん」
千歌「ピアノが上手で、とても素敵な曲を作ってくれる梨子ちゃん」
千歌「可愛い見た目に反して、スクールアイドルに対する思いは誰よりも強いルビィちゃん」
千歌「いつもほんわかしていて、そばにいるだけで周りを癒やしてくれる花丸ちゃん」
千歌「そして善子ちゃん。それぞれ違う個性を持った5人がスクールアイドルになってくれたことが」
千歌「わたしはみんなみたいに大した個性はないし、普通の女子高生だけど……」
千歌「それでも、今こうやってみんなとスクールアイドルが出来てとても嬉しいんだ!」ニコッ
84:
善子「……何言ってるのよ」
千歌「善子ちゃん?」
善子「千歌。あなたははじめから『堕天使ヨハネ』を肯定的に見てくれてたじゃない……」ウルッ
善子「わたしのコンプレックスを、魅力的な個性と褒めてくれたし、わたしを説得するために大胆な行動もしてくれた……」ゴシゴシ
善子「だから!……その人柄の良さと行動力は魅力的な個性といってもいいと思うわよっ!」
千歌「そ、そうなのかな?わたしにはよく分からないけど……」
梨子「ううん、千歌ちゃんはとても魅力的な女の子だよ」
千歌「り、梨子ちゃん!?」
梨子「引っ越してきて間もないころ、今後のことで色々悩んでいたわたしに何度も声をかけてくれて」
梨子「ベランダから手を伸ばしてお互いの指先が届いた時は、本当に心が救われたんだから」
千歌「梨子ちゃん……」
86:
ルビィ「そうです!千歌ちゃんはルビィと花丸ちゃんに何度も声をかけてくれて」
ルビィ「ルビィは前からスクールアイドルに憧れてたけど、それをお姉ちゃんに言う勇気がなくて……」
ルビィ「けど千歌ちゃんから勇気をもらったから、今こうしてAqoursのメンバーになれたんです!」
千歌「ルビィちゃん……」
花丸「まるも同じです。スクールアイドルなんて出来るわけがないと思い込んでいたまるに」
花丸「千歌ちゃんが『大事なのはやりたいという気持ち』だと教えてくれたから」
花丸「こうやってルビィちゃんと一緒にスクールアイドルを始めることが出来たんです」
千歌「花丸ちゃん……」
87:
曜「千歌ちゃん。みんなの気持ちを聞いて分からなかった?」
曜「みんな、千歌ちゃんがきっかけでスクールアイドルを始めたんだよ?」
千歌「あっ……」
曜「千歌ちゃんは全く気付いてなかったと思うけど、千歌ちゃんの言動には『人の心を動かす力』があるんだよ」
曜「わたしも千歌ちゃんが本気でスクールアイドルをやりたいという熱意が伝わったから」
曜「一緒に夢中でやりたいことが見つけたから、今こうして一緒にいられる……わたしもとても嬉しいんだ」
千歌「曜……ちゃん」
梨子「曜ちゃんの言うとおりね。千歌ちゃんは、もっと自分に自信を持っていいんだよ?」
善子「まったくよ。前から思ってたけど、千歌はリーダーなんだから、もっとこう堂々と……」
88:
千歌「…………」ポロポロ
曜「ち、千歌ちゃん……!?」
梨子「泣いてるの!?」
千歌「……え?……あ、あれ?本当だ」ポロポロ
善子「うそっ、なんか気に障ったこと言った!?」
千歌「ううん……違うの。すごく……嬉しくって……だからっ……」ポロポロ
善子「ちょっと、やめてよ……!せっかく我慢したのに……!」ジワッ
ルビィ「うゆ……千歌ちゃあん……」ウルウル
花丸「ルビィちゃん、泣いちゃダメだよ……まるももらい泣きしそうだから……」ウルッ
梨子「みんな堪えて!忘れてるかもしれないけど、ここ店内だからねっ……!?」ジワッ
曜「とにかくみんな落ち着いて!おしぼりで目を押さえて!」ガシッ
シーン……
店員「お、お客様……いかがなさいましたか?」
全員「大丈夫ですっっ!!!」
店員「はっ、はい!」
曜「あっ、お水全員分おかわりお願いしますっ!」
店員「か、かしこまりました!少々お待ちください!」タッタッタッ
89:
お水ゴクゴク
千歌「……ふぅ」
曜「落ち着いた?」
千歌「うん。ごめんね、いきなり泣き出して。せっかくの親睦会なのに……」
ルビィ「千歌ちゃん。ルビィと同じくらい泣き虫さんなんだね」エヘヘ
千歌「そうかもしれないね。曜ちゃんが入部届に名前書いてくれた時や、ファーストライブの時も涙出ちゃったし……」
花丸「そう言えば、まるたちが体験入部したときも泣いて喜んでたずらね」フフフ
千歌「そ、そうだったね。お恥ずかしい……」
善子「しかし恐ろしい魔術ね。千歌の言動次第で、他人の思考に多大な影響を与えるとは……」
善子「気をつけないとまた同じように伝染するかもしれないわね……」
梨子「けど不思議と、爽やかな気分になれた気がするわ」
千歌「『さわやか』だけに?」
曜「おっ、梨子ちゃんここでダジャレを言うとは!やりますな??」
梨子「そ、そんなつもりで言ったんじゃないからねっ!?」
全員「アハハハハハハハハ」
90:
曜「そろそろ出ようか」
梨子「思ってた以上に長居しちゃったね」
曜「みんな忘れ物しないようにね?」
1年生「はーいっ!」
千歌「…………」
梨子「……千歌ちゃん?」
千歌「あっ、うん。大丈夫だよ」
梨子「……?」
91:
店員「ありがとうございましたー」
花丸「お昼はとっくに過ぎてるのに、お客さんまだこんなに並んでいるずら……」
曜「さわやかはお昼から夜までずっとこんな感じだからね。この人たちも2時間待ちかもしれないよ」
梨子「けど、一度食べたらまた行きたくなるのも分かる気がしたよ」
曜「これで梨子ちゃんも晴れてさわやかデビューだね!」
梨子「ふふっ、そうね」
善子「そう言えば、デミグラスソースは結局誰も追加で頼まなかったわね」
ルビィ「……あっ、そう言えば!」
花丸「すっかり忘れていたずら……」
曜「また今度行く時試してみようよ。次はちゃんと下調べして待ち時間が短いタイミングを見つけるからさ」
曜「ねっ、千歌ちゃん……千歌ちゃん?」
92:
千歌「みんな……さっきはありがとね」
全員「えっ?」
千歌「スクールアイドル部を立ち上げてAqoursを結成したのがわたしだったから、自然とリーダーになったけど」
千歌「いつも心の中ではわたしがリーダーでいいのかなって不安だったの。みんなを引っ張る力もないし……」
曜「千歌ちゃん……」
千歌「でも……みんなのわたしに対する本心が聞けて、今はすごくホッとしてる。わたしでいいんだって、そう思えたから!」
梨子「……千歌ちゃんっ!」
千歌「だから、みんな。改めて宜しくねっ!」
全員「……うんっ!!」
93:
千歌「それから。ルビィちゃん、花丸ちゃん、善子ちゃん」
ルビィ・善子「え?」
花丸「何ずらか?千歌ちゃん」
千歌「今回の親睦会、楽しんでもらえたかな?途中ハプニングもあったけど……」
ルビィ「うん!とても楽しかったよ!」
花丸「おらも楽しかったずらよ。美味しいハンバーグも食べられたし!」
善子「ま……まあ、悪くはなかったわね」
花丸「もう、素直じゃないんだから善子ちゃんは」
善子「う、うるさいずら丸!楽しかったに決まってるでしょ!」
善子「こんなに大勢のとっ……友だちと食事するの……は、初めてだったんだからっ!」カアッ
ルビィ「照れてる善子ちゃんも可愛いなぁ」ニコニコ
善子「ルビィまで何よ!2人してわたしをからかってー!」プンスカ
94:

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