ココア「私とチノちゃんの!」チノ「不思議なお伽噺…なのでしょうか?」back

ココア「私とチノちゃんの!」チノ「不思議なお伽噺…なのでしょうか?」


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ココア「チノちゃん、お誕生日おめでとう!これは私からのプレゼント!」
チノ「ありがとうございます。これは…ノートですか?」
ココア「ふっふっふっ… なんとそのノートからはね、チノちゃんの一番欲しいものが出てくるんだよ!」
チノ「はぁ。このノートにどんな仕掛けが… あれ?」
ココア「どうしたの?」
チノ「確かに、ノートには『チノちゃんの一番欲しいもの』と書かれていますが、それ以外特に変わったところは…」
ココア「あれ?そんなはずは… 渡すノート間違えたぁー!」
チノ「確認しなかったんですか?」
ココア「ごめんね!すぐに正しい方を持ってくるから!」ドタバタ
・キャラ崩壊?
・超展開
・一日遅れ?知ら管
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2: 以下、
チノ(私の一番欲しいもの… 何か書いてみようかな)カキカキ
『もっとたくさんの、ココアさんとの思い出』
チノ(…私は何を書いてるんだろう?こんなのをココアさんに見られたら恥ずかし──)
ココア「ノート持ってきたよー!ってチノちゃん、何を書いてるの?」バタバタ
チノ(思ってたより帰って来るのが早い!とりあえず消さなきゃ…)ゴシゴシ
チノ(…消し跡が残ってる。何か適当なことでも書いて見えなくすれば)
『不思議なおとぎ話』
チノ(思いついたことを書いてみたけど、これはこれでどうなのか)
ココア「不思議なおとぎ話?チノちゃん、凄くかわいいことを書くね!」
チノ「…手が滑ったんです。本当に手が滑ったんです」
3: 以下、
ココア「言い訳する姿もかわいい!」
チノ(どうせこうなるなら、内容を変える必要は… ん?)
ピカー
チノ「このノート、書いたところが光るんですね」
ココア「え?ほんとだ!」
チノ「ココアさんも知らなかったんですか?」
ココア「うん!」
チノ「何か嫌な予感が…」バタッ
ココア「チノちゃん!?急にどうしたの…」バタッ
4: 以下、
チノ「はっ! …あれ、ここはどこ?」
マヤ?「シンデレラ、ここまだホコリが残っていてよ」
チノ「マヤさん…?いきなり何を言ってるんですか?そもそもここは何処です?」
メグ?「私たちが舞踏会に行っている間に、このフリスビーを取っておいで?」
チノ「メグさんまで何を言って… そうか」
チノ(これは夢だ。そういえば、マヤさんやメグさんの言ってることは前に聞いた気がする)
チノ(マヤさんの発言からして、シンデレラの夢なのかな?)
マヤ?「それじゃ、いってきまーす!」
メグ?「シンデレラ、家事の続きもよろしくね?」
チノ「はぁ…」
5: 以下、
チノ(つまり、マヤさんとメグさんが意地悪な姉?まるで似合わない…)
チノ「おかしな夢。いつになったら目覚めるんだろう…」
「まだまだ目覚めないよ!」
チノ「え?」
「君たちにはこれから、三つのステージに挑戦してもらうんだから!」
チノ(誰?見た目はうさぎだけど… ティッピーでもあんこでもワイルドギースでもない)
うさぎ「私が誰かって?私はノートの精霊さ!」
チノ「ではうさぎさん、三つのステージとは何のことでしょうか?」
うさぎ「だからノートの精霊だって言ってるでしょ!」
6: 以下、
うさぎ「とにかく、君たちに挑戦してもらうステージの説明をするからね!」
チノ「はい」
うさぎ「このステージというのは、お伽噺をモチーフとしたものだ
うさぎ「君たちには、その話の登場人物になってもらう」
チノ「君たち、と言うことは私以外にも挑戦する人がいるんですね。と言うことは先程の二人も?」
うさぎ「いや、あの二人はあくまで幻影さ」
チノ「では、誰が挑戦するんですか?」
うさぎ「もちろん、君とココアさ!今回のお話だと、君はシンデレラ。そして彼女は王子様だ」
チノ「ココアさんも巻き込まれてるんですか…」
うさぎ「二人で挑戦するほうが楽しいだろう?…それで、その登場人物を幸せにすることができればステージクリアだ」
7: 以下、
うさぎ「一つ目のステージはシンデレラ。シンデレラと王子様が結婚できれば、二人とも幸せってわけだ」
チノ「なるほど、同性婚が認められている世界観ですか。日本ではまだ先の話ですね」
うさぎ「細かいことを気にしちゃいけないよ!」
チノ(そもそもココアさんが王子様役ってどうなんだろう…?)
チノ「とにかく、城に行けば良いんですか?それとも、妖精のおばあさんを待ったほうが良いのでしょうか」
うさぎ「元のお話に沿って動けば大丈夫さ」
うさぎ「それともう一つ。三つのステージは、合わせて12時間以内にクリアする必要があるから気をつけて」
うさぎ「時間以内にクリアできなければ… いや、これは君たちには言わないほうが良いね。それじゃ、頑張って!」ドロン
チノ「えっ、どうなるんですか!?ちょっと!」
チノ(私たち、どうなってしまうのだろう?)
8: 以下、
チノ(とりあえず、妖精のおばあさんを待とう。時間制限もあるし、用意を済ませておこう)
青山さん?「泣くのはおよし、シンデレラ」
チノ「本当に泣いてるように見えましたか…? って青山さん!?」
青山さん?「シンデレラ、あなたはいつも仕事を頑張っている、とても良い子ですね」
青山さん?「特に、コーヒーを淹れる時。あのコーヒーはいつ飲んでも美味しいです」
チノ「ありがとうございます… ってやっぱり青山さんですよね?」
青山さん?「違います」
チノ「じゃあなんで私が淹れたコーヒーの味を知ってるんですか?」
青山さん?「…そのごほうびに、私が舞踏会へ行かせてあげましょう」
チノ(話が噛み合わない)
9: 以下、
青山さん?「ではまず、畑でカボチャを…」
チノ「取ってきました」
青山さん?「馬車を引くには馬が…」
チノ「ネズミでいいですか」
青山さん?「次はトカゲを六匹…」
チノ「ここに用意しておきました」
青山さん?「…新しい小説のアイデアが浮かびました。タイトルは、『自分で頑張る、魔法要らずのシンデレラ』」
チノ「待ってください!魔法は使えないんです!力を貸してください!!」
青山さん?「本当ですか?分かりました。では、『カフェラテ・カフェモカ・カプチーノ!』」
10: 以下、
チノ「すごい、すごいです!馬車に、白馬に、御者に、お供、それにドレスまで!」
青山さん?「ガラスの靴も用意しました。さあ、楽しんでおいでシンデレラ」
青山さん?「魔法は十二時までしか続かないから、それを忘れないでくださいね」
チノ「はい!ありがとうございます、青山さん!」
青山さん?「私は青山ブルーマウンテンではありません」
チノ「小説のアイデアとか言っておいてそれを言いますか。それに、なんでペンネームを全部言えるんです?」
青山さん?「シンデレラ」
チノ「はい、なんでしょう?」
青山さん?「真実を知り過ぎて殺される… 小説ではよくありますよね?」
チノ「私が悪かったです!謝りますから殺さないでください!!」
11: 以下、
チノ(危なかった… あそこで殺されていたらゲームオーバーだよね)
チノ「さて、ここがお城の大広間かな?」
ココア「あー!チノちゃんだ!!」ダッ
チノ「ココアさん!?」
ココア「チノちゃんもふもふー」モフモフ
チノ「やめてくださいココアさん。ここ舞踏会の会場ですよ」
ココア「そっか!じゃあ…」
ココア「美しいお嬢様。僕と、一緒に踊っていただけませんか?」キリッ
チノ「…やっぱり、ココアさんには似合いません」
ココア「そんなぁー!!」
12: 以下、
チノ「冗談です。では…」
チノ「私で良ければ、喜んで」
ココア「…チノちゃん、すっごくかわいい!」
チノ「一人でバレエでも踊りましょう」
ココア「待って待って!私が鮮やかにリードしてみせるから、一緒に踊ろうよ!」
チノ「…しょうがないから、一緒に踊ってあげます」
ココア「わーい!」
チノ(この夢の力だろうか。私たちは、踊ったことの無い踊りを、他の誰よりも綺麗に踊ってみせた)
チノ(ココアさんと一緒に踊るのはとても楽しくて、あっという間に時間が経って…)
13: 以下、
チノ「…もうすぐ十二時ですね」
ココア「楽しい時間も、もう終わりだね」
チノ「後はガラスの靴を落として帰れば、次の日にはハッピーエンド… あれ?」
ココア「三つのステージは合わせて12時間。私達はもう何時間も踊っているし、次の日まで待っていたら…」
チノ「時間が足りない!?」
ココア「大変!今すぐ結婚しなきゃ!! ねぇメイドさん、わたしたち今から結婚するから… って千夜ちゃん!?」
千夜?「ココア王子、お相手はもう少し慎重にお考えください」
ココア「時間がないのー!」
千夜?「駄目です。私が許可しても、リゼ王もシャロ王女もモカ姫も、いきなり認めてくださるとは思えませんわ」
チノ(みんなの配役がすごいことになってる!?)
14: 以下、
ココア「どうしよう!?このままじゃクリアできない… そうだ!」
チノ「何か思いつきましたか!?」
ココア「何も今結婚しなくても、結婚できることを確定させてしまえば良いんじゃないかな?」
チノ「つまり?」
ココア「その先はわかんない!」
チノ「えぇ!?とにかく考えましょう!元のお話では、魔法が切れて服が元に戻るから、シンデレラは帰る」
ココア「だから王子様は次の日、ガラスの靴を手掛かりに国中を探すんだよね」
チノ「だったら、ここでシンデレラが帰る必要をなくしてしまえば!」
ココア「王子様は国中を探す必要がない!だったら… 千夜ちゃん、一番綺麗なドレスを持ってきて!大急ぎで!!」
千夜?「え?わ、わかりました!」
15: 以下、
千夜?「持ってきました!」
ココア「ありがとう!チノちゃん、急いで着替えて!」
チノ「了解です! …着替え終わりました!」
ココア「メイドさん、今は何時!?」
千夜?「十二時です」
ポンッ!
チノ「着てきた服は戻ってしまいましたが…」
ココア「シンデレラは綺麗なドレスを着ている。カボチャとネズミとトカゲが残ってるけど、帰る必要はないよね!?」
チノ「なら、シンデレラと王子様が結婚するのは確定のはずです!どうですか!?」
ポーン ステージ1、クリアです
16: 以下、
ココア「やったぁ!」
チノ「次はステージ2ですね!」
ポーン ステージ2に移ります
うさぎ「ステージ1、クリアおめでとう!次はステージ2だね」
チノ「一体、どんなステージなんですか?」
うさぎ「ステージ2の内容は、マッチ売りの少女だ。ココアは主人公の少女役だ」
うさぎ「チノは… そうだね、少女を助けられそうな役を作ろう。喫茶店で成功した大金持ちなんてどうかな?」
チノ「分かりました。それなら助けられそうです」
うさぎ「もちろんクリア条件は、少女を幸せにすることだ。元のお話通りにご臨終、じゃ駄目だからね」
うさぎ「ちなみに、ココアの動きには制限を掛けさせてもらうから気をつけて。それじゃ、頑張ってね!」ドロン
チノ(制限…? それに、元のお話通りじゃ駄目って、さっきもだよね)
17: 以下、
チノ(…ここは、さっき言ってた喫茶店みたい)
チノ「とりあえず、外に出てココアさんを探さなきゃ…」ガチャ
ココア「マッチ、買ってください…」
マヤ?「ごめん、小遣い厳しくてさー」
メグ?「マッチはいらないよ?」
チノ「いた!買います!全部買います!!」
ココア「チノちゃん!全部買ってくれるの!?わーい… あれ?」
チノ「どうかしましたか?」
ココア「全部買う…?あなた、何を企んでいるんですか?」
チノ「え?」
18: 以下、
ココア「怪しいです。怪しい人には怖くて売れません」
ココア「…はっ!今のは一体…?」
チノ「これが、制限ですか」
ココア「こんな冷たい反応をチノちゃんに返しちゃうなんて。なんて恐ろしい制限なの!?」
チノ「まあ、一本でも売れれば少女は家に帰れるわけですし、気にしないでおきましょう。という訳で一本ください」
ココア「ありがとうございます!」
チノ「これでクリアですね?」
シーン
チノ「あれ、クリアじゃない?」
ココア「どうして?」
19: 以下、
チノ「一本でも売れれば、父親のいる家へ帰れるはず… まさか」
チノ「家に帰っただけだと、次の日にはまた父親にマッチを売りに行かされる… つまり幸せにはなれない?」
ココア「私のお父さんは優しいからそんなことしないよ!」
チノ「ですが、マッチ売りの少女の父親は優しくないのでしょう」
ココア「じゃあどうするの?」
チノ「流石に、全部マッチが売れれば優しくしてくれるんじゃないでしょうか」
ココア「でも売ろうとしても制限があるよね…」
チノ「じゃ、じゃあ、お嬢さん、うちで働きませんか?辛い思いはさせません」
ココア「なるほど!それなら幸せになれそ…」
ココア「そんな甘い話をして、私を誘拐するつもりですね!?」
20: 以下、
チノ「そ、そういう訳では…」
ココア「そんな甘い話があるわけないんです!」
ココア「…はっ!そんな、これでも駄目だなんて!」
チノ(流石に変だ。正解がまるで見つからない… ひょっとして)
チノ「うさぎさん!見てますよね?教えてください!このステージ、本当にクリア可能なんですか!?」
ココア「え?」
チノ「さっきのステージも、正攻法ではクリアできませんでしたよね!」
チノ「このステージだって、正解が用意されているようには見えません!」
うさぎ「…おかしいなぁ」
チノ「何がです?」
うさぎ「クリア可能なんて一言も言ってないはずだよ?」
21: 以下、
チノ「やはりそういうことですか!」
うさぎ「三つのステージをクリアすれば出られる。だけど、私からすれば出られると不味いんだ」
うさぎ「君たちには、私の生贄になってもらうんだから!」
ココア「そんな!」
うさぎ「だから、このステージはクリアできないように作られている」
うさぎ「さっきのステージだって、クリア出来ないことを前提に作ったはずなんだけどね」
チノ「ふざけたこと言ってないで、ここから出してください!」
うさぎ「さっきの話を聞いていたかい?それは出来ない… と言いたいところだけど、特別にその願いを聞いてあげよう」
ココア「本当!?」
うさぎ「ただし、出られるのはチノ、君だけだ」
22: 以下、
チノ「なっ…!」
うさぎ「本当は二人とも生贄にしたいんだけど… さっきみたいに想定外の方法でクリアしてくる可能性もある」
うさぎ「その可能性を潰したいってわけさ」
チノ「じゃあ、私が生贄になります!」
うさぎ「それはダメだ。今の君には制限が掛かっていない」
うさぎ「制限の掛かっているココアのほうが、クリアしてくる可能性は低いだろう?」
チノ「そんな…」
うさぎ「悪くない条件だと思わないかい?君は助かり、私は生贄を得る。どちらも損はしない」
うさぎ「さあ、どうする?」
チノ「そんなこと出来るわけが!」
ココア「良いよ」
23: 以下、
チノ「え?」
ココア「私が生贄になって、チノちゃんは助かる。それで良いよ!」
チノ「何を言ってるんですか!それじゃココアさんが!」
ココア「でも、このままだと二人とも助からないよね!?だったら、チノちゃんだけでも助けたい!」
ココア「だって私はお姉ちゃんだよ?妹を助けてこそお姉ちゃんだよ!」
チノ「ココアさん…」
うさぎ「…決まったね」
チノ「いや、決まってませんが」
うさぎ「え?」
ココア「え?」
チノ「え?」
24: 以下、
チノ「…なんで今ので決まったと思ったんですか?」
ココア「さっきの『ココアさん…』って納得していったんじゃなかったの!?」
チノ「ちょっと感動してただけです。とりあえず、さっきのココアさんの意見に反論します」
チノ「確かに、姉は妹を助けるべきなのかもしれません」
チノ「でも、私はココアさんを犠牲に、生贄になんてしたくありません」
チノ「ココアさんは、私にとって大切な友達で、家族で… 多分お姉ちゃんです」
チノ「お姉ちゃんには、私の前を歩いて欲しい。私の側で助けて欲しい。いなくなって欲しくない」
チノ「それが、私の望むお姉ちゃんなんです」
チノ「だから、私はココアさんを見捨てたりはしない!生贄にだってさせない!」
ココア「チノちゃん…!」
25: 以下、
うさぎ「なら、せいぜい足掻いて見ることだね!」ドロン
ココア「あ、行っちゃったね」
チノ「放っておきましょう。とりあえず、ココアさんは焦り過ぎです」
チノ「そもそも、あのうさぎの言っているように、想定外の答えでクリアすることは可能なんですよ?」
チノ「なら、二人で脱出することも十分可能ですよね」
ココア「でもどうやって?少女を幸せにする方法なんて、私には浮かばないよ!」
チノ「そうですね… なら、無理矢理幸せにします」
ココア「無理矢理…?」
チノ「とりあえず… 私は少し買い物に行ってきます。寒いから、さっき買ったマッチでも…」
26: 以下、
ココア「買い物?」
チノ「はい、買い物です」スタスタ
ココア「い、いってらっしゃい」
チノ「行って来ます」ポイッ
ココア「へ?」
ボウッ!
ココア「うわぁ!?カゴの中のマッチが!?」ブンッ
ココア「熱かった… チノちゃん、カゴに燃えたマッチを入れるなんて酷いよ!」
チノ「わー、なんてことをしてくれたんだー」
ココア「え?」
チノ「君が燃えたマッチを喫茶店の方へ投げたせいで、大火事じゃないかー」
27: 以下、
ココア「えっ」
チノ「これじゃあ買い物どころじゃないなー。貴様、弁償しろー」
ココア「チノちゃんのせいだよね!?」
チノ「なんのことかわからないなー」
ココア「そんなぁ!?」
チノ「…と、言うわけで、喫茶店を建て直した後に、うちで住み込みで働いて返してもらいます」
ココア「そんなの…」
チノ「拒否権はありません。でも安心してください。毎日三食お菓子と昼寝付き、定休日もありますよ」
ココア「あっ」
28: 以下、
チノ「もちろん、父親に毎日マッチを売りに行かされることもありません」
チノ「他の従業員だって優しい人ばかりですよ。多分リゼさんもいます」
ココア「…逃げる!」
チノ「逃げる体力なんて残ってるんですか?」
ココア「…残ってません」
チノ「これで少女は大金持ちのもとで暮らせます。幸せになれますよね?」
ポーン ステージ2、クリアです
ココア「チノちゃん、無理矢理ってレベルじゃないよ!」
チノ「クリアできたので問題ありません」
29: 以下、
ポーン ステージ3に移動します
うさぎ「まさかこれもクリアするなんて…」
チノ「不可能なんてありません」
うさぎ「くそっ、だが次で終わりだ。ステージ3は白雪姫」
うさぎ「スタートは白雪姫が毒リンゴを食べさせられる前!チノは白雪姫で、ココアは老婆に化けた女王だ!」
うさぎ「今回は制限を掛けられないが、周りの小人に邪魔されるだろう!そのまま王子が来るのを待っても時間切れだ!」
うさぎ「さあ、せいぜい苦しむが良い!」ドロン
ココア「無茶苦茶だよー!」
チノ「それでもクリアしてみせます!」
30: 以下、
ココア「毒リンゴ売りに来たけど買わないでー!」
チノ「あのリンゴは買いません!」
マヤ?「毒リンゴかどうかなんて、食べてみないとわからないって!」
メグ?「白雪姫、あのリンゴを買おうよ?。きっと美味しいよ?」
リゼ?「私が毒味してやる!…半分食べたが問題ないな!」
シャロ?「最近生活が苦しくて… 私もリンゴ、食べたいな…」
千夜?「あのリンゴを食べれば、何かメニューの名前が思いつくかも!」
青山さん?「私も、小説のアイデアが浮かぶかもしれません」
真手?「このリンゴで先生がやる気を出せば、締め切りに間に合うはず!」
チノ「味方がいない!というか何でこの場面に小人がいるんですか!?」
ココア「誰か止めてよぉ!」
31: 以下、
リゼ?「よし、七人でお金を出し合おう!」
青山さん?「いえ、私が払います」
真手?「私も払います」
ココア「あ、勝手にお金とリンゴを交換しちゃダメだよー!」
シャロ?「真っ先に食べたいけど我慢我慢…」
千夜?「我慢は体に毒よ?」
チノ「毒なのはこのリンゴですから!」
マヤ?「ほら、白雪姫がまず食べろって!」
メグ?「遠慮しなくて良いんだよ??」
チノ「遠慮してな… モガッ」バタッ
七人「白雪姫ー!!」
ココア「だから言ったのにー!」
32: 以下、
ココア「どうしよう?王子様がくるのはまだまだ先… そうだ!」
ココア「チノちゃん、りんごを吐いて!」バンバン
リゼ?「白雪姫に」
マヤ?「何をするんだー!」
ココア「きゃっ!」
青山さん?「小説を書いてる場合じゃありません!」
真手?「青山先生の仕事を止めるなんて許しません!」
千夜?「白雪姫の敵は取るわ!」
メグ?「取るよ?」
シャロ?「いや、これ悪いの私たちじゃないの…?」
33: 以下、
ココア「そんな… チノちゃんを助けることは出来ないの?」
ココア「やっぱりあの時、チノちゃんだけ出してあげれば…」
チノ『お姉ちゃんには、私の前を歩いて欲しい』
ココア「そうだ、私が諦めちゃダメだ。チノちゃんは諦めなかったのに、私が諦めたら、前を歩くことなんて出来ないよね」
チノ『私の側で助けて欲しい』
ココア「チノちゃんは私を助けてくれた。なら、私も助けられる」
チノ『いなくなって欲しくない』
ココア「私も、チノちゃんにいなくなって欲しくない」
チノ『それが、私の望むお姉ちゃんなんです』
ココア「私が、チノちゃんの望むお姉ちゃんになるんだよ!」
34: 以下、
ココア(チノちゃんを助けるためには、毒リンゴをチノちゃんから出さなきゃいけない)
ココア(でも、物理的に出そうとすれば、小人に止められる)
ココア(なら、チノちゃんを助ける手段はただ一つ。王子様のキスしかない)
ココア「王子様はいない?…いる!」
ココア「えい!」チュッ
35: 以下、
ココア「ステージ1で王子様だったのは私だもん!」
ココア「それにきっと、男女の愛じゃなくても、姉妹の愛で目覚めるよね!」
チノ「コホッ… あれ?ココアさん?」
ココア「チノちゃん!」
チノ「…なるほど、ココアさんが私にキスをしてくれたんですね」
チノ「確か、キスをした時に咳をして助かるんでしたっけ。なら、王子様じゃなくてもいいですもんね」
ココア「え、あれって愛で目覚めるんじゃないの?姉妹愛で目覚めたんじゃないの!?」
チノ「…そうかもしれません」
ポーン ステージ3、クリアです
テテテテテッテッテー ステージクリア
36: 以下、
チノ「…はっ!ここは、私の部屋?」
ココア「じゃあ、帰って来たんだね!奇跡の脱出劇だよ!」
チノ「あ、ノートがなくなってますね」
ココア「もう、あのデザインのノートは見たくないよー!」
ココア「あのノート、怪しい人が、なんでも出せるノートって売っていたんだけどね」
ココア「チノちゃんの一番欲しいものって書いても出ないし、おとぎ話の世界に閉じ込められるし!」
チノ「怪しいものに手を出すからです。反省してください」
ココア「はい、反省します…」
37: 以下、
チノ「そういえば、正しいノートには何が書いてあるんですか?」
ココア「あれにはね、チノちゃんの誕生日プレゼントを隠した場所が書いてあるんだー」
チノ「…それって言っても良いんですか?」
ココア「うん。元々、あのノートの謳い文句のように、プレゼントを出せるノートって素敵だなぁと思って用意したんだけど」
ココア「もうあのノートは思い出したくないから。チノちゃんもそうでしょ?」
チノ「いえ、私はそうは思いませんよ?」
ココア「うぇ!?ど、どうして!?」
チノ「どうしてって…」
38: 以下、

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