提督「鈴谷が可愛すぎてつらい」back

提督「鈴谷が可愛すぎてつらい」


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提督「コラ鈴谷ぁっ! 待たないかぁっ!」ダッ
鈴谷「うっわ!? 怒った怒ったぁ?♪」
提督「また俺のパンツにタバスコを染み込ませたな!?」
提督「このイタズラ小娘め!」
鈴谷「気づかない方が悪いんじゃん?」ニヤニヤ
提督「なんだと!? このおぼこ重巡め!」
鈴谷「お、おぼこじゃないし! 提督キモい!」
翔鶴「あのお二方はまたはしゃぎまわって・・・」
瑞鶴「あーあー、放っておきなさいよ」
瑞鶴「ほんと、毎度毎度うるさいわね」
翔鶴「ふふ・・・仲が良い証拠よ、瑞鶴?」
瑞鶴「あんなんでもケッコンカッコカリした仲なんだよね」
瑞鶴「傍から見たらバカ親子にしか見えないわ」
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2: 以下、
― 執務室 ―
鈴谷「ちょっと提督! なんで鈴谷がオロ○イン買ってくるハメになるの!?」
提督「うるさい! お前があんなアホみたいなイタズラをするからだ!」
提督「あいたたたた・・・!」ヒリヒリ
鈴谷「・・・だって構ってほしかったんだもん」ボソ
提督「あ? なぬ? 聞げねじゃは?」
鈴谷「・・・だって、提督怒ると面白いじゃん!」ニヤニヤ
提督「なにぃっ!? とんでもない艦娘だなお前は!」
提督「まったく! ほら、さっさとその書類を片づけてくれ!」
鈴谷「はいはい、やりますよぉ?」
3: 以下、
― 食堂 ―
鈴谷「それでさぁ、そのときに熊野がさぁ」ヒョイ
提督「・・・・・・」
鈴谷「ウォシュレットの強さ上げ過ぎちゃってさぁ」ヒョイ
提督「・・・・・・」
鈴谷「便器が真っk」
提督「・・・なぁ、鈴谷」
鈴谷「え? どったの?」
提督「何故俺の皿にプチトマトを乗っけてくるんだ?」
鈴谷「え・・・えーと・・・」
鈴谷「ほ、ほら! 提督もっと栄養あるもの食べないと力がでないよ!」
4: 以下、
提督「ほほぉ、俺のことを気遣ってくれたのかぁ」
提督「鈴谷は良い子だなぁ?? ん?」
鈴谷「えっへん! 鈴谷は褒められて伸びる子なんでs」
提督「でも俺は大丈夫だから、鈴谷が食べなさい」
鈴谷「え」
提督「鈴谷は育ち盛りなんだから、栄養のあるものを食べないとな?」
鈴谷「え・・・あの・・・」
5: 以下、
鈴谷「あー・・・鈴谷、もうお腹いっぱいかなぁ?って・・・?」
提督「・・・食べられないんだろ?」
鈴谷「うっ・・・」
提督「・・・なぁ鈴谷」
提督「これは非常に困ったことになったぞ」
鈴谷「え?」
提督「・・・・・・俺もプチトマト、嫌いなんだ」
鈴谷「!?」
6: 以下、
鈴谷「あっはははははは!!wwwwそ、そんな厳つい図体で」
鈴谷「プチトマトが嫌いとかwwwww」
提督「うるさい! とにかくこれはお前のだからな!」
提督「お前が責任をもって食べるんだ!」
鈴谷「い、嫌だし!」
提督「なんだとこのワガママ重巡!」
瑞鶴「なんなのあのアホ共は」
加賀「見てはダメよ、前頭葉が退化するわ」
8: 以下、
― 提督自室 ―
提督「まったく鈴谷の奴は・・・!」スゥー
提督「今日も余計に疲れたぞ・・・」フゥー
提督「(明日も早い、早く寝るか・・・)」ジャリジャリ
提督「(最近、歳の所為かどうにも無理がきかなくなってきたな・・・)」
提督「(寝つきは悪い、眠りは浅い、夜中にトイレに起きる、尿の出が悪い・・・)」
提督「(俺もすっかりオンヅサンになったものだ・・・)」ガチャ
鈴谷「 ば ぁ 」
提督「うわあぁぁぁぁぁぁぁっ!?」ビクビク
鈴谷「」ビク
9: 以下、
鈴谷「そ、そんなに驚かなくても良いじゃん・・・」
提督「お前は一体ここで何をしている!?」
鈴谷「え、えーと・・・」
鈴谷「(仄暗い○の底を熊野と一緒に見て)」
鈴谷「(怖くて眠れないなんて言えない・・・)」
鈴谷「(ま、ましてや一緒に寝てほしいだなんて・・・///)」モジモジ
提督「・・・あぁ、そうかそうか」
10: 以下、
提督「さては、お前また熊野とホラー映画でも見たんだな?」
鈴谷「うぇっ!?」
提督「それで怖くなって気を紛らわしに来たんだろ?」
鈴谷「ち、違うし!」
提督「もう寝なさい、熊野と一緒に寝るんだろう?」
鈴谷「えっと・・・その・・・///」
提督「ん?」
鈴谷「・・・熊野ってさ、一度寝たら中々起きなくてさ」
11: 以下、
鈴谷「よ、夜中にトイレに行きたくなったら怖いじゃん!」
提督「つまり誰かに一緒についてきてほしいと?」
鈴谷「///」コク
提督「・・・お子様」ボソ
鈴谷「う、うるさいし! キモいキモい!///」
提督「わかったわかった」
提督「はーいすずやちゃん? こんやはおじちゃんといっしょにねーねーしようねー?」
鈴谷「言い方卑猥!」
13: 以下、
>>12
!?
14: 以下、
提督「」スッ
鈴谷「」スッ
提督「・・・・・・」
鈴谷「・・・・・・」
鈴谷「・・・ねぇ、提督」
提督「ん?」
鈴谷「頭・・・撫でて?」
提督「・・・・・・」
提督「」ナデナデ
鈴谷「・・・んふふ」
提督「・・・ふふ、可愛い奴め」ナデナデ
15: 以下、
鈴谷「手、ギュッてして?」
提督「鈴谷はいつからこんなに甘えん坊になったのかなぁ?」ギュッ
鈴谷「いつからでも良いじゃん?」
提督「まったく・・・」
鈴谷「(落ち着く・・・)」
鈴谷「(提督・・・・・・)」
鈴谷「(・・・・・・)」
鈴谷「・・・ZZZ」
提督「・・・・・・」
16: 以下、
― 翌朝 ―
鈴谷「・・・・・・ん」パチ
鈴谷「」ムク
鈴谷「もう朝・・・」
鈴谷「(ダルいぃ?・・・)」チラ
鈴谷「・・・?」
鈴谷「あれ? 提督いないじゃん・・・」
鈴谷「(鈴谷を置いていくなんて・・・酷いし!)」
17: 以下、
鈴谷「あーあ・・・もうあと5時間は寝ていたいなぁ・・・」スッ
鈴谷「?」
ぬいぐるみ『』
鈴谷「(ぬいぐるみ・・・?)」
鈴谷「なんで提督の部屋にこんなものが・・・?」
鈴谷「え・・・提督ってまさかこういう趣味が・・・?」
鈴谷「ちょwwwwwwwww」
鈴谷「あーあ・・・あ、でも結構可愛いかも」ジー
提督「 鈴 谷 」
鈴谷「」ビクッ
18: 以下、
鈴谷「あ、て、提督いたんだ・・・」
提督「おはよう」
提督「鈴谷」
提督「やっと」
提督「起きたのか」
鈴谷「う、うん・・・」
鈴谷「(あれ? 提督、怒ってる・・・?)」
19: 以下、
提督「・・・・・・」
提督「・・・それはな?」
提督「俺の」
提督「娘のなんだ」
鈴谷「え? 娘・・・?」
鈴谷「提督既婚者だったの?」
提督「あぁ」
提督「以前に」
提督「言っていなかったか?」
鈴谷「ううん・・・何も・・・」
提督「そうか」
20: 以下、
鈴谷「そっか・・・結婚、してたんだ・・・」
鈴谷「・・・っ!」ズキ
提督「・・・?」
提督「鈴谷」
提督「どうした?」
鈴谷「・・・ううん、何でもないよ!」
鈴谷「すぐに準備して執務室に行くね!」
提督「あぁ」
提督「わかった」
提督「待っている」
鈴谷「(・・・・・・)」
バタン・・・・・・
提督「・・・・・・」
21: 以下、
― 執務室 ―
提督「・・・・・・」カキカキ
鈴谷「・・・・・・」カキカキ
鈴谷「(・・・・・・)」
鈴谷「(・・・提督、結婚してたんだ)」
鈴谷「(そっか、歳考えればそうだよね)」
鈴谷「(・・・・・・)」
鈴谷「(なんで提督は鈴谷と仲良くしてくれるんだろう?)」
鈴谷「(娘さんのような感じ・・・なのかな?)」
鈴谷「(娘、か・・・)」
鈴谷「(少し寂しい・・・かな?)」
提督「・・・・・・」
22: 以下、
― 夜 提督自室 ―
提督「」グビグビ
提督「・・・はぁ」
提督「何がダークラムだ・・・」
提督「何の味もしねぇよ・・・」トクトク
提督「」グビグビ
提督「鈴谷め・・・ぬいぐるみなんか見つめやがって・・・」
提督「本当にあいつそっくりだ・・・」
提督「・・・・・・」
提督「・・・っ!」グビグビ
23: 以下、
提督「(クソッ・・・また・・・まただ・・・)」
提督「(また思い出してきた・・・)」
提督「(気分が悪い・・・もう過ぎたことじゃないか)」
提督「・・・・・・」
『わぁ! かわいいおにんぎょうさん!』
『パパありがとう!』
提督「・・・・・・」
24: 以下、
『今日ね! 今日ね! いっぱいお友達できたんだ!』
『見て見て! パパの似顔絵書いたの!』
『パパ! テストで100点取ったんだ! すごいでしょ?』
『じゃじゃーん! 制服似合ってるでしょ? ん??』
『そうだねぇ、高校どうしようっかなぁ??』
『え? 彼氏? いないよ?』
『だってパパが思う存分甘えさせてくれるもん!』
提督「・・・・・・」
25: 以下、
提督「・・・・・・」
提督「・・・・・・っ!!」バン
提督「クソォッ!! クソクソクソクソッたれがあぁぁぁぁぁぁっ!?」ガンガン
提督「なんであいつが死ななきゃならなかったんだ!?」
提督「俺でも良かっただろうが!」
提督「なんで・・・なんであの子が・・・!」ポロポロ
提督「うぅ・・・! 畜生・・・畜生め・・・!」グビグビ
提督「なんで娘が死ななきゃならねぇんだ・・・!」
提督「こんなの・・・間違っているだろ・・・」ポロポロ
鈴谷「(・・・・・・!!)」
26: 以下、
鈴谷「(え・・・?)」
鈴谷「(娘が・・・死んだ・・・?)」
鈴谷「(どういうこと・・・?)」
鈴谷「(今日も甘えようと思ったら・・・とんでもないこと聞いちゃった・・・)」
鈴谷「(ど、どうしy)」ガタ
提督「!?」
提督「誰だ!?」ガチャ
鈴谷「」ビク
27: 以下、
提督「鈴谷・・・?」
提督「お前一体ここで何を・・・?」
提督「・・・・・・」
鈴谷「・・・・・・」
提督「・・・・・・聞いたのか?」
鈴谷「・・・・・・」
鈴谷「」コク
提督「・・・・・・」
提督「・・・っ!」グイ
鈴谷「きゃっ!?」
28: 以下、
提督「盗み聞きとは感心しないな・・・?」
鈴谷「す、鈴谷はそんなつもり・・・!」
提督「どうだ? 大の男が泣いている姿を見て嘲笑っていたんだろう!?」
提督「あぁそうさ! いつまでも過去に縛られている情けない男さ!」
提督「どいつもこいつも自分勝手なことを言いやがって!」
提督「俺の悲しみなんて誰にもわかりはしない!」
鈴谷「て、提督落ち着いて!」
提督「黙れ黙れ黙れぇっ!!」
提督「えぇい酒だ! もっと酒を飲まなくては・・・!」
鈴谷「もうやめてよ提督!!」
29: 以下、
提督「・・・・・・」
鈴谷「・・・偶然とは言えさ、聞いちゃったのは悪かったと思ってる」
鈴谷「ゴメン・・・」
提督「・・・・・・」
鈴谷「・・・でも」
鈴谷「もし、提督が良いなら」
鈴谷「鈴谷にも・・・少しでも良いから・・・」
鈴谷「話してくれない・・・?」
提督「・・・・・・」
30: 以下、
鈴谷「余計なお節介だってわかってる」
鈴谷「不謹慎で、無遠慮で・・・」
鈴谷「提督のこと、わかったつもりになってるかもしれない・・・」
鈴谷「でも! 提督・・・すごく辛そうだった・・・ううん」
鈴谷「すごく辛いんだと思う・・・」
鈴谷「詳しくはわからないけど・・・提督の悲しい思いは」
鈴谷「ものすごいものだと思うんだ・・・」
提督「・・・・・・」
鈴谷「少しでも・・・少しでも提督の力になりたいの!」
鈴谷「いつも提督に叱られてばかりだけど・・・」
鈴谷「提督は鈴谷にとって、大切な人だから・・・」
鈴谷「これ以上、提督には辛い思いをしてほしくないの・・・」
提督「・・・・・・」
31: 以下、
鈴谷「・・・ゴメンね?」
鈴谷「勝手なことばかり言ってさ・・・」
鈴谷「こんなとき、どうすることもできないだなんて・・・」
鈴谷「鈴谷って、本当に無力だね・・・」
提督「・・・・・・」
提督「・・・・・・娘はな」
鈴谷「!」
提督「交通事故で死んだんだ・・・」
鈴谷「・・・!!」
32: 以下、
鈴谷「交通・・・事故・・・?」
提督「あぁ・・・飲酒絡みの事故だったんだ・・・」
鈴谷「え・・・?」
提督「あの男・・・運転手は酒を飲んだにも関わらず」
提督「無責任にハンドルを握り」
提督「横断歩道を渡っていた娘を轢き殺したんだ・・・!」
鈴谷「っ・・・!」
提督「娘はほぼ即死だったらしい・・・」
提督「ブレーキ痕も一切なかったことから」
提督「相当の度が出ていたらしい・・・」
鈴谷「ひ、酷い・・・!」
33: 以下、
提督「人1人殺したとて、ブタ箱に入るのは数年・・・」
提督「その間、あの男はのうのうとタダ飯を食らい続け・・・!」
提督「やがてシャバに解き放たれ、平然と生きてんだ・・・!」
提督「何度あの男を殺してやろうかと思ったことか・・・!」
提督「何が”申し訳ございませんでした”だ!」
提督「謝って娘が還ってくるとでも思っているのか!?」
鈴谷「(こんな・・・こんなのって・・・!)」
提督「その後は・・・妻も精神病にかかってな・・・」
提督「それからすぐ・・・後を追うように・・・」
鈴谷「うっ・・・!」
34: 以下、
提督「・・・お前が見ていたぬいぐるみはな?」
提督「娘のものだったんだ・・・」
提督「あぁ、これはもう言ったか・・・」
鈴谷「(今でも提督・・・あのぬいぐるみを・・・)」
提督「あいつ・・・高校生にもなって」
提督「俺が昔に買ってあげたものを、大事にとっていたんだ」
提督「はは・・・まったく、いつまで経っても子供だよな・・・?」
提督「・・・・・・」
提督「・・・なぁ、鈴谷」
提督「どうして神様は俺を殺してくれなかったんだろうな?」
提督「なんで娘を殺したのか・・・」
提督「残酷だよな・・・?」
提督「いや・・・残酷だなんてものじゃない・・・」
35: 以下、
提督「鈴谷・・・実はな?」
提督「お前は・・・お前は・・・」
鈴谷「・・・?」
提督「死んだ娘に瓜二つなんだ・・・」
鈴谷「え・・・!?」
36: 以下、
提督「最初に・・・この艦隊にお前が来たときは驚いたさ・・・」
提督「まるで生き写しだ・・・」
提督「姿も・・・性格も・・・声も・・・」
提督「仕草だってそっくりだった・・・」
鈴谷「・・・・・・」
提督「しばらくして、お前が秘書艦を務めることになったな?」
提督「複雑な気持ちだったよ・・・」
提督「辛さと・・・嬉しさの混じった、ドロドロしたものだ・・・」
提督「あいつのことを思い出してしまう反面」
提督「まるで・・・あの子と過ごした日々を巡っているかのような気分だ」
37: 以下、
提督「ははっ・・・本当、俺ってバカだよなぁ・・・?」
提督「あいつは・・・佳奈はもう二度と戻ってこないのに・・・」
鈴谷「提督・・・」
提督「照れながらも甘えてくるお前は可愛かった・・・」
提督「あぁ、それはそれはもう・・・本当に可愛過ぎてな・・・?」
提督「そして・・・」
提督「お前は・・・娘に似過ぎていた」
提督「そんなお前を見るのは・・・辛いんだ」
提督「辛くて辛くて・・・たまらないんだ・・・!」
鈴谷「・・・・・・」
38: 以下、
鈴谷「・・・提督」
鈴谷「話してくれて、ありがとう」
鈴谷「ゴメンね? 辛い記憶を掘り起こしちゃって・・・」
提督「いや、良いんだ・・・」
提督「寧ろ、少しだけ楽になったような気がするよ」
提督「俺は・・・無意識に他人を敵にしていたのかもしれない」
提督「本当は・・・本当は俺の気持ちを誰かに伝えて」
提督「理解してもらいたかったのかもしれない・・・」
提督「ははっ・・・本当に・・・俺はダメな人間だ・・・」
提督「軍人としても・・・父親としても・・・な・・・?」ポロポロ
鈴谷「提督・・・」
鈴谷「(・・・・・・)」
39: 以下、
鈴谷「(こんなのって・・・こんなのってないよ・・・!)」
鈴谷「(なんで提督がこんな目に・・・!)」
鈴谷「(鈴谷にとって、提督は・・・提督は・・・!)」
提督『ん? この書類の書き方か? これはな・・・』
提督『どうだ鈴谷、この艦隊にはもう慣れたか?』
提督『良いか? 決して無理をするんじゃないぞ?』
提督『お前も大切な部下の1人だからな?』
提督『そうかそうか、鈴谷は熊野と仲良しさんなんだな』
提督『まったく! お前はいたずらばかりするな本当に!』
提督『コラ鈴谷! また俺が寝ている間に鼻の下にガムをつけたな!?』
提督『お前の唾液とガムでベトベトだ!』
提督『まったく・・・お前は素直に甘えれば可愛いものを・・・』
鈴谷「(・・・・・・)」
40: 以下、
鈴谷「(・・・何とかしなきゃ)」
鈴谷「(鈴谷が・・・鈴谷だけが提督を救える・・・)」
鈴谷「(鈴谷が提督を救わなきゃ・・・)」
鈴谷「(提督は鈴谷を見ると辛い・・・忌まわしい記憶は消えない・・・)」
鈴谷「(失った娘さんは還らない・・・提督を助けたい・・・)」
鈴谷「(どうすれば・・・?)」
鈴谷「(・・・・・・)」
鈴谷「(・・・・・・・・・)」
41: 以下、
鈴谷「・・・・・・」
鈴谷「・・・提督」
提督「・・・?」
鈴谷「」ギュ
お 父 さ ん
提督「!!!!」
42: 以下、
提督「す、鈴谷・・・? お前何を言って・・・!?」
鈴谷「提督・・・ううん、お父さん?」
鈴谷「お父さんは・・・もう十分辛い思いをしてきたんだよ・・・?」
鈴谷「もう乗り越えるときが来たんだよ?」
提督「!?」
鈴谷「今度は・・・私が、貴方の娘の佳奈になるの」ニコ
提督「な、何を馬鹿なことを・・・!?」
鈴谷「馬鹿なことなんかじゃないよ?」
43: 以下、
鈴谷「ねぇお父さん?」
鈴谷「親子の繋がりって何だと思う?」
鈴谷「血の繋がり? カタチ? 思い?」
鈴谷「親子は1組しか存在してはいけないの?」
鈴谷「お父さんと私はアカの他人だからダメなの?」
鈴谷「どう足掻いても無理なの? だからと言って諦めるの?」
鈴谷「常識に囚われるから辛いんじゃん?」
鈴谷「ね?」ニコ
提督「うあぁぁ・・・!?」ガタガタ
44: 以下、
鈴谷「私はお父さんのことが大好きだから・・・」
鈴谷「もうお父さんの悲しい顔は見たくないの」
鈴谷「私が佳奈・・・貴方の娘になって」
鈴谷「お父さんを助けるの」
鈴谷「ね? お父さん、良いでしょ?」
鈴谷「今ここで・・・お父さんの築いてきた過去の家族の歴史を」
鈴谷「全て焼き払うの!」
提督「やめろぉ・・・やめてくれぇっ!!」
45: 以下、
鈴谷「やめないよ! 多少残忍なことでも乗り越えなきゃならないの!」
鈴谷「泣かないで! 悲しまないで!」
鈴谷「ほら? 佳奈はここにいるよ?」
鈴谷「もう離さないから・・・ずっと一緒だからね?」
提督「あぁ・・・あぁ・・・!?」ガクガク
鈴谷「もう何処にも行ったりしないから・・・」
鈴谷「お父さんも、うんと私に甘えてね?」
鈴谷「私もうんっと! お父さんに甘えるからさ・・・」
鈴谷「一緒に・・・思い出いっぱい作っていこう?」
鈴谷「ね?」ニコ
提督「あぁ・・・! あぁ・・・!!」
提督「佳奈・・・佳奈ぁ・・・っ!」ポロポロ
鈴谷「うん・・・うん・・・」ギュッ
46: 以下、
提督「会いたかったよ・・・! 今までゴメンな・・・?」
提督「もう何があっても離さないぞ・・・!」
鈴谷「うん・・・」
鈴谷「もう」
鈴谷「大丈夫だから・・・」ナデナデ
鈴谷「(これから何があっても・・・)」
鈴谷「(鈴谷・・・ううん、私はお父さんを支えていくの)」
鈴谷「(理屈じゃない・・・親子の歴史を刻んでいくの)」
鈴谷「(私は今生まれ変わった、お父さんの娘・・・)」
鈴谷「(そう・・・私とお父さんは)」
鈴谷「 ( 親 子 な ん だ か ら ) 」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
47: 以下、
提督「はは、佳奈は本当に可愛いなぁ」ナデナデ
鈴谷「えへへ/// もっと褒めてお父さん!///」
提督「何か欲しいものはないか?」
提督「父さんが何でも買ってやるぞ?」
鈴谷「私はお父さんがいるだけで満足だよ?」
提督「なんと! そうかそうか、佳奈は良い子だなぁ」ナデナデ
鈴谷「///」
熊野「・・・・・・」
49: 以下、
鈴谷「・・・それでさ、お父さんの下着と一緒に洗わないでって言ったらさ!」
熊野「・・・・・・」
鈴谷「洗剤代と水道代、手間がかかるからダメって言われてさ!」
熊野「・・・・・・」
鈴谷「本心でそんなこと言ったんじゃないんだよ?」
鈴谷「あの慌ててる顔、面白かったなぁ・・・」ニヤニヤ
鈴谷「んでね! んでね! あと中庭に落としa」
熊野「・・・鈴谷」
鈴谷「ん?」
50: 以下、
熊野「もう・・・終わりにしていただけませんこと?」
鈴谷「え?」
熊野「貴女・・・一体どうされてしまったのです?」
熊野「提督に何をしたのですか?」
熊野「最近のあなた方は異常です」
鈴谷「・・・・・・」
熊野「鈴谷、何故提督を”お父さん”とお呼びになられるのです?」
熊野「遊戯にしては少々過ぎませんこと?」
鈴谷「・・・・・・」
熊野「大体提督も提督です、良い歳をして一体何をしてi」
鈴谷「 は ? 」
熊野「」ビク
51: 以下、
鈴谷「あのさぁ」
鈴谷「どうしてそんなこと言うの?」
熊野「す、鈴谷・・・?」
鈴谷「お父さんはね・・・? 今までさぁ?」
鈴谷「すんごい辛い思いしてきたんだよ?」
鈴谷「熊野はさぁ? お父さんに死ぬまで苦しんでいてほしいんだ?」
熊野「そ、そんなことはありませんわ!」
熊野「って! いい加減その”お父さん”と言うのは・・・!」
鈴谷「私とお父さんが誰に迷惑をかけたって言うの?」
鈴谷「どうして親子の仲を引き裂こうとするの?」
熊野「な、何を言って・・・!」
52: 以下、
鈴谷「ねぇ、どうしてそんな酷いこと言うのさ?」
鈴谷「熊野はそんなこと言わない」
鈴谷「ね?」
熊野「あ、あの・・・!」
鈴谷「お父さんを馬鹿にしないでよ!!!!」バン
熊野「ひっ!?」ビク
53: 以下、
鈴谷「私はお父さんの娘なの!」
鈴谷「よくも親の悪口を本人の目の前で言えるよね!?」
鈴谷「私だって熊野だって、お父さんの全てを理解できてるわけじゃない!」
鈴谷「そんなこと知ってるよ!」
鈴谷「でも! お父さんのことを支えてあげられるのは私だけなの!」
熊野「す、鈴谷落ち着いて・・・!」オロオロ
鈴谷「今からいっぱい思い出作れば良いじゃん!」
鈴谷「お父さんの記憶を・・・運命を・・・!」
鈴谷「今ここで! 私が全部塗り替えるの!」
54: 以下、
鈴谷「もうこれ以上お父さんに辛い思いをしてほしくないの!」
鈴谷「何が悲しくてそんな道を歩むのさ!?」
鈴谷「誰だって幸せになりたいじゃん!」
鈴谷「それの何が間違ってるって言うのさ!」
鈴谷「お父さんには私が必要なの!」
鈴谷「親子の絆は簡単に崩れ去るものじゃない!」
鈴谷「酷い酷い酷い酷い!!」バシッ
熊野「うぐっ・・・!?」ドサ
鈴谷「熊野は鬼だよ!」
鈴谷「なんであんなこと言ったのさ!?」
鈴谷「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」バシィッ
熊野「いやっ! やめてっ!」ポロポロ
鈴谷「嫌い嫌い嫌い嫌い!!」バシィッ
鈴谷「酷いこと言う熊野なんていらない!!」バシィッ
熊野「うぅ・・・っ! だ、誰か・・・!」ポロポロ
55: 以下、
鈴谷「はぁ・・・はぁ・・・!!」
熊野「酷い・・・酷いですわ・・・」グス
鈴谷「・・・どっちが酷いのさ?」
鈴谷「まぁ良いや、もし今度お父さんに酷いこと言ったら」
鈴谷「姉妹とはいえ、舌を引き抜いて」
鈴谷「犬の餌にするから」ニコ
熊野「ひっ!?」ビク
鈴谷「私、素直で協力的で」
鈴谷「優しい熊野は大好きだからさ」
鈴谷「これからもよろしくね?」ニコ
熊野「」ビクビク
鈴谷「んじゃ、またあとでね」
パタン・・・・・・
熊野「・・・・・・」
56: 以下、
熊野「・・・・・・・・・」
熊野「(・・・あれは)」
熊野「(一体何ですの・・・?)」
熊野「(事もあろうに上官と部下が!)」
熊野「(あんな退廃的な父娘姦淫の紛い事をして!)」
熊野「ぐっ・・・うぅぅぅぅぅぅぅ・・・・・・っ!!」
熊野「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」ガン
熊野「何なのよぉぉぉぉっ!? ムカつくムカつく!!」ガンガンガン
57: 以下、
熊野「(提督と一緒に過ごした時間はわたくしの方が断然長いというのに!)」
熊野「(鈴谷がこの艦隊に後から来て・・・秘書艦をやりたいと言われて・・・)」
熊野「(慣れさせる為に譲れば、こんな・・・こんなぁ・・・っ!)」
熊野「(これではまるで泥棒ではありませんの!?)」
熊野「(鈴谷は大切な姉妹! 提督は大切なお方!)」
熊野「わたくしはどうすれば良いんですの!?」ポロポロ
熊野「わたくしだって・・・わたくしだってあのお方が・・・!」ポロポロ
熊野「・・・うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」ガンガンガン
熊野「はぁ・・・はぁ・・・!!」ワナワナ
熊野「(い、いけませんわ・・・わたくしとしたことが)」
熊野「(こんなに取り乱すだなんて・・・)」
熊野「(・・・顔を洗って来ましょう)」
58: 以下、
― 女子便所 ―
熊野「・・・・・・」
熊野「・・・こ、これは」
熊野「拳銃ですの・・・? どうしてこんなところに・・・?」スッ
拳銃『』
熊野「(確か提督は銃器の所持はなさっておられなかったはず・・・)」
熊野「(とすれば、憲兵の紛失物・・・?)」
熊野「(憲兵隊の中にも、少数であれど女性の方はいらしたはず・・・)」
59: 以下、
熊野「こ、これは大変なことですわ!」
熊野「よりにもよって、こんな危険な物を落としていくだなんて・・・!」
熊野「(インシデント発生として、提督に報告しなくては!)」
熊野「まったく! 平和ボケにも程がありますわ!」
熊野「・・・・・・」
熊野「」チラ
拳銃『』
熊野「 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」
熊野「 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」
熊野「 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」
60: 以下、
― 執務室 ―
扉『』コンコン
提督「ん? 誰だ?」
「熊野ですわ」
提督「おぉ、熊野か、入りなさい」
熊野「失礼します」ガチャ
鈴谷「」チラ
鈴谷「お」
鈴谷「熊野じゃん」
鈴谷「ちーっす」
熊野「えぇ」ニコ
61: 以下、
提督「熊野、何かあったのか?」
熊野「・・・・・・」
熊野「・・・えぇ」
熊野「少々」
熊野「提督に」
熊野「報告しなければ」
熊野「いけないことが」
熊野「ありますの」
提督「報告? なんだ?」
62: 以下、

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